栞子「付き合ってほしい?」
レス数が950を超えています。1000を超えると書き込みができなくなります。
栞子「念の為に伺いますが...」
栞子「あなたと私とで恋人関係になるという解釈でよろしいんですよね?」 栞子「はぁ...」
栞子「私たちはまだ学生なんですよ?」
栞子「将来のために勉学に励み、自身の才能を見つけるための大事な時期なのに...」
栞子「それを恋愛ごっこで潰すつもりですか?」 栞子「それに仮にですよ?あなたと私が付き合うことになったとしたら、あなただけでなく私もその無駄な付き合いに時間を費やすことになってしまうんです」
栞子「生徒会長としての責務を果たす時間をそのようなことに割くつもりは毛頭ありません」 栞子「...一緒に生徒会の仕事を手伝う?」
栞子「結構です。あなたに手伝って頂くよりも私一人で片づけてしまった方がはるかに効率的です」
栞子「...だったら生徒会の仕事が終わった後に一緒に帰りたい?」
栞子「はぁ...」
栞子「それではまるで付き合ってるみたいじゃないですか。私はあなたの告白を受け入れたつもりはありませんが」 栞子「...え?一緒に帰るくらい友達でも当たり前?」
栞子「そもそも私とあなたは友達にすらなった覚えはありませんが?」
栞子「...」
栞子「何ですかその目は?」
栞子「そんな表情されても私の気持ちは動きませんよ」
栞子「......」
栞子「ですが」
栞子「あなた勝手について来るというなら無理に止めはしません」 栞子「一緒に下校するくらいなら知り合い同士でもしますからね」
栞子「そんなにしつこく懇願する姿を見ると、あなたが哀れに思えてきます」
栞子「だからこれは私の慈悲のようなものです。あなたの事はまだ友人とすら思っていません」 最初はアンチに叩かれまくってたのに最近はこんなSS作られるようにかなり受け入れられてきたな 栞子「なんですかその嬉しそうな顔は」
栞子「もう一度言いますが私とあなたは友人ですらありません。勘違いをしないで下さい」
栞子「生徒会の仕事が終わったらあなたを待たずに遠慮なく帰らせて頂きます」
栞子「だから、あなたが私の帰る時間に合わせてください」 栞子「これで満足ですか?」
栞子「それでは失礼させていただきます。また放課後に会いましょう」
栞子「間違っても私の事を待たせないように」 放課後
栞子「......」
栞子「一応確認しておきますが遅れた言い訳はありますか?」
栞子「お通じが1週間ぶり?何を言っているんですか?」
栞子「そんなもの根性でタイミングをずらしてください」
栞子「おかげで私が30秒も待つ事になってしまいました」 栞子「...自分は2時間も待ってた?」
栞子「確認したいのですが、私を待っていた間一体何をしていました?」
栞子「ここでずっと待っていた?」
栞子「...はぁ」 栞子「私を待っている間に勉強をするなり読書をするなり色々と出来ることがあったでしょう」
栞子「あなたはもっと効率の良い時間の使い方を覚えるべきです」
栞子「...私の連絡先を聞いていなかったからいつ帰るのか分からなかった?」
栞子「それなら生徒会室に聞きに来れば良いでしょう」 栞子「...他の人もいるし仕事の邪魔をしたくなかった?」
栞子「分かりました。私の携帯番号を教えるので次からはここに連絡して下さい」
栞子「...えっ?LINE?」
栞子「...あぁ、そういうのもありましたね」 栞子「分かりました。それではこちらで連絡先を交換しましょう」
栞子「えっと、電話番号を検索して友達を見つけるんでしたよね」
栞子「...ふるふる?何ですかそれは?」
栞子「......」
栞子「なるほど。そういう方法もあるんですね」 栞子「私の方は準備できました」
栞子「それでは...」
栞子「......」フルフル
栞子「あっ、できました」
栞子「...何ですかこれは?」 栞子「アイコンが女性の大きな胸を拡大したもの...」
栞子「申し訳ありませんがあなたには牢屋に入っていただく必要がありそうですね」 栞子「...え?自分のはそんなアイコンじゃない?」
栞子「しかし今一緒にふるふるしたのはあなたと私の二人のはず...」
栞子「...なるほど、この機能を使うとたまに知らない方のアカウントが表示されるんですね」
栞子「それではこの『Fruit Forest』という名前は誰のアカウントなのでしょうか」 栞子「それではもう一度...」
栞子「今度こそは...」フルフル
栞子「きました...!」
栞子「...ふふっ」
栞子「...何ですかこの写真?」
栞子「変顔...というものですか」
栞子「そんなものをアイコンにしないでください。初めて見た人は驚いてしまいます」 栞子「...私のアイコン?」
栞子「あぁ、これは私がよく行く児童館の子たちと一緒に撮ったものを編集したものです」
栞子「...笑顔が新鮮?そうですね、私は不愛想ですから」 栞子「あなたのアイコンを見たとき笑ってた?...ただ驚いただけで笑ってなどいません」
栞子「笑ってた方が可愛い、ですか...」
栞子「余計なお世話です。別にあなたに可愛いと思われたくて笑ってなどいません」 栞子「...何ニヤニヤ笑ってるんですか?他におかしな所でもあります?」
栞子「...LINEの名前?これのどこが...」
栞子「『しおりこ』と平仮名で登録してる所が可愛い?」
栞子「...後で漢字に直しておきます」 栞子「...そんなに謝らないでください。別に怒ってなどいません」
栞子「よくよく考えれば私には似合わぬ所業だと思ったので直すまでです」
栞子「...直さないでほしい?どうしてですか?」 栞子「私の意外な一面が知ることが出来るからもったいない、ですか...」
栞子「......」
栞子「分かりました。直さずにそのままにしておきます」 とても素晴らしい作品だと思います
この調子で続けてください アイコンが笑顔なのすごくいい
普段は気を張ってるから児童館が癒しの場所なんだろうなあ LINEの名前しおりこ
むちゃくちゃかわいいじゃねーか 栞子は月1で安定してデカい供給が公式からあるから最高。その都度ちゃんと追加設定を踏まえたSSも生まれるからなお嬉しい 栞子「そんなに嬉しがることでもないでしょう、まったく...」
栞子「別に私の笑顔を見たところで他の方にも、あなたにも得なんてないじゃないですか」
栞子「それに...私には笑顔というものはどこか不似合いな感じがします」
栞子「...あなたの方が似合いますよ」
栞子「...いえ、何でもないです。日が暮れそうなので早く帰りますよ」 -----------------------------------------------
栞子「あなたと話してたら無駄な時間を過ごしてしまい日が暮れてしまいました」
栞子「次はあんな所で話などせずにさっさと帰りますよ」
栞子「帰る時間?」
栞子「そうです。いつも帰る時間は大体このくらいです」 栞子「...それなら自分のせいで遅れたわけじゃない?」
栞子「はぁ...」
栞子「今日は早く仕事を終わらせて帰ろうと思っていたんです」
栞子「それなのにあなたとの無駄話でこんな時間になってしまった」
栞子「責任はちゃんと感じているんですか?」
栞子「別に謝らなくて良いです。次から気をつけて下さい」 栞子「それに私も特別遅い時間に帰っているわけではありません」
栞子「他の生徒も部活などをやっている方々なら下校時間は大体このくらいです」
栞子「あなたは部活等はには入っていらっしゃらないのですか?」
栞子「...やはり」
栞子「予想通り何処にも入っていないのですね」 栞子「たしかに私たち学生は勉学に励むことが義務」
栞子「しかし部活や様々なことを経験することで自分に向いている事や眠っている才能を見つけ出す事も義務だと考えています」
栞子「あなたも恋愛などとのたまわらずに何か新しいことを始めたらどうですか?」 栞子「...さっきからまたニヤニヤして...」
栞子「何か言いたいことがあるならはっきり言ってください。煩わしいですね」
栞子「...私の方から話しかけてきてくれてるのが嬉しい?」
栞子「...」
栞子「私の話をちゃんと聞いていましたか?」 栞子「あなたは恐らく将来に関して何も考えていないようなのでただ助言をしているだけです」
栞子「あなた2年生ですよね?」
栞子「1年生の私にこんなことを言われて恥ずかしくないんですか?」 栞子「...そうです。少しは反省して下さい」
栞子「これから私と一緒に帰りたいのでしたら、今日みたいにじっと待っているのではなく有意義に時間を使う方法を考えて下さい」 栞子「駅に着きましたね。あなたは...反対側の方向ですか」
栞子「それではここでお別れですね」
栞子「明日は...7時にここで待ち合わせでよろしいですか?」 栞子「...何ですかその驚いた表情は?」
栞子「明日も授業前に生徒会の仕事があるので早く学校に行かなければなりません」
栞子「あなたと違って忙しいんです」
栞子「そうではない?では何なのですか?」 栞子「...!!」
栞子「...下校だけだと思っていたなら早く言って下さい。余計な気を回してしまいました」
栞子「では明日は私一人で登校することにします」 栞子「...え?」
栞子「...」
栞子「一緒に登校したいのでしたら最初から言えば良いじゃないですか」
栞子「あまり私に気を使わせないでください」 栞子「...私が勝手に勘違いしただけ?」
栞子「あなたの伝え方が稚拙なだけだと思うのですが」
栞子「自覚が無いのですか?」
栞子「...分かれば良いんです。次からは気をつけて下さい」 栞子「そろそろ失礼します。明日は寝坊だけはしないようにしてください」
栞子「ではまた明日」 ツンデレ属性が一時期トップ人気だったのも分かるな?
ただの理不尽暴力とは違うんだぞ? 栞子「おはようございます」
栞子「私の言った通り寝坊はしなかったようですね」
栞子「早く行きますよ。1限までに終わらせたい仕事があるので急いでるんです」 栞子「どうしました?そんなに周りをきょろきょろして」
栞子「...そうですね。この時間から練習を始めている部活もあります」
栞子「特に大会が近づいてる部活等は私が登校する時間より前に始めていたりもします」
栞子「...それを見るたびに私も彼女達のために生徒会の仕事を頑張らなくてはと思うんです」 栞子「あなたも今からでも良いですから何かの部活に入ってみたらいかがですか?」
栞子「こんな私といる時間よりも有意義に過ごせると思いますよ」
栞子「...まぁそう言うだろうと思いました」
栞子「ただしその分勉強の方は頑張ってください」 栞子「帰宅部の上に勉強も駄目ならば大学受験の時に困ると思いますので」
栞子「もしあなたに向いている事がまだ分からないならば」
栞子「勉強に励んで、良い大学に行って将来の可能性を広げることも一つの手だと私は思っています」 栞子「...私の知る人の中で、大人になった後に今までの人生を後悔している人間は出したくありませんから」
栞子「もっとも、あなたがそこまで考えてる方なのかは分かりませんが」 栞子「...私?」
栞子「私が部活ですか?」
栞子「......」
栞子「考えたことがないですね」 栞子「それよりも私は他の方の適性を見つけ出して、その人の可能性を広げる方が大切だと考えています」
栞子「私自身にとっても他の方にとってもそちらの方が有意義であると思います」 栞子「...そうじゃない?」
栞子「有意義とかではなく、私が楽しめそうな部活ですか...?」
栞子「楽しめそう...」
栞子「......」
栞子「分かりません」
栞子「申し訳ないのですが、すぐには答えられそうにないです」 栞子「...真面目すぎる?」
栞子「もっと気楽に考えてと言われましても...今まで考えたこともなかったので」
栞子「中学の時も部活には入らずに生徒会に入っていましたので」 栞子「...?明日までに考えてきて?」
栞子「はぁ...」
栞子「何故あなたにそこまで言われなければいけないのですか?」
栞子「正直、私にとってはどうでも良いことのように思えます」
栞子「それにもし考えたとしても、友人でもないあなたに言う義理などありません」 栞子「...大事なこと?」
栞子「私の事をもっと知りたい...」
栞子「分かりました。一応考えてはきます」
栞子「ただし、明確な結論が出るかは分かりませんよ」 栞子「...やっと納得してくれましたか」
栞子「別に楽しみにする事でもないでしょう」
栞子「まったく...」 ------------------------------
学校
栞子「私はこれから生徒会室に行きます。あなたはどうするのですか?」
栞子「自分の教室で宿題?」
栞子「...宿題は普通前日までに済ましておくものだと思うのですが、私の勘違いでしょうか?」
栞子「......」
栞子「生徒会室でやっていきますか?」 栞子「あなたのことですから教室に行けば他の方と喋り始めて結局宿題が出来なくなりそうな気がします」
栞子「図星ですか」
栞子「分かりました。それでは生徒会室でじっくりとやっていって下さい」
栞子「ただし問題の答えをうつす等はしないように。生徒会長として手抜きはさせません」
栞子「覚悟してください」 生徒会室
栞子「では私はこちらの席で作業をしてますのであなたはこの辺りの席を適当に使って頂いて構いません」
栞子「...先程も言いましたがズルはしないように」 -------------------------------
栞子「......」カリカリ
栞子「あの、一ついいですか?」
栞子「さっきからペンが全く進んでいないようですが...」
栞子「はぁ...やはり...」 栞子「ちなみに教科は何ですか?」
栞子「古文...」
栞子「分かりました。私が教えます」 栞子「古文でしたら1年の私でもある程度は分かります」
栞子「宿題の内容を見せて下さい」
栞子「...教科書の現代語訳ですか」 栞子「副読本はありますか?」
栞子「1学期の最初に教科書と一緒に配られた参考書のような本です」
栞子「ありがとうございます」
栞子「......」
栞子「この本ちゃんと使ってます?」 栞子「書き込み等がまったく無いのですが...」
栞子「...成る程」
栞子「ノートの方にまとめてると...」
栞子「それではノートの方を見せて下さい」
栞子「......」
栞子「断言します。あなたはノートを取らなくても良いタイプの人間です」 栞子「あなたこのノートを見直してないでしょう?」
栞子「ノートは後から見直すために取るものです」
栞子「それをやっていないのではせっかくまとめた内容が無駄になってしまいます」
栞子「あなたの場合は副読本で調べながら問題を解いていく勉強の方が合っていると思います」
栞子「必要な情報があれば本の中に書き込んで下さい」 栞子「ノートを綺麗にまとめるのも結構ですが、それはあなたよりもはるかに真面目でマメな方がやる事です」
栞子「あなたには向いてないので止めた方が良いです」
栞子「...凄い?何がですか?」
栞子「...この程度の事は普通高校受験の時に調べたり考えたりするでしょう」
栞子「逆にあなたのような勉強方法でこの高校に入れたことが驚きです」 栞子「...それよりも宿題を始めますよ」
栞子「急がなければ時間が無くなってしまいます」
栞子「ここは...そうです。その文法を使って...」 .............
栞子「ギリギリ終わりましたね」
栞子「今私が教えた内容は後で復習しておいて下さい」
栞子「当たり前です。せっかく勉強した内容も後で見直さなければすぐに頭から抜けてしまいます」
栞子「特にあなたはその傾向が強そうなので気をつけて下さい」 栞子「...別にお礼などいらないです」
栞子「...仕事?」
栞子「昼休みに捌いてしまうので心配は無用です」
栞子「...いえ、放課後は会議があるのでそちらには回せないです」 栞子「...手伝う?」
栞子「結構です。以前も言った通りあなたに協力してもらうよりも一人でやってしまった方が早く終わりますので」
栞子「...今日は随分と押しが強いですね」
栞子「あなたが気にすることではありません。だからそんなにすまなそうな表情はしないで下さい」 栞子「......」
栞子「それでは昼休みに売店にあるプリンを買ってきて下さい」
栞子「美味しいと評判なのですが個数が少ないので競争が激しいんです」
栞子「一度食べてみたいのでお願いできますか?」 今日はここまでです
コンビニのプリン美味しいですよね 本物の栞子を知らないんだけど、公式の栞子はこんな感じになりそうな子なの? 昼休み 生徒会室
栞子「お疲れ様です」
栞子「それで朝にお願いしたものは...」
栞子「!...ありがとうございます」 栞子「何回か売店に行ったことがあるのですが、いつも列が出来ていて私がカウンターに着く頃にはいつも売り切れていたんです」
栞子「仕事?もう少しで仕事が終わりますので問題ありません」
栞子「あなたも昼御飯はまだでしょう?」
栞子「私にかまわず食べて下さい」
栞子「待つ?」
栞子「...その辺りはもうあなたの自由にして下さい」 栞子「あっ、この資料は...」
栞子「...いえ、何でもないです。体育館の使用許可の申請書です」
栞子「この学校にはスクールアイドル同好会というものがあります。その同好会が体育館を使わせて欲しいと要望してきたんです」
栞子「しかし何故使用目的がバレーボール...?」 栞子「...まぁこの時間帯なら他の部が使う予定もありませんし問題はなさそうです」
栞子「しかし...アイドルなのにバレーボールとは彼女たちはふざけているのでしょうか...?」
栞子「...いえ、別に興味などはありません。ただ私は彼女たちの活動が無駄なものであると考えているのであまり良い目では見ていないだけです」 今日はここまでです
申し訳ないですが明日もあまり書けないかもしれないです およ?
あなたちゃん同好会入ってないパターン?
それともまた別のあなたちゃん? ありがとうございます。ゆっくりで大丈夫です。待ってます ...............................
栞子「ふぅ、これで終わりですね」
栞子「時間も結構余りましたし、少しゆっくりできそうです」
栞子「早くお昼御飯を食べてしまいましょう。あなたもお腹がすいたでしょう」
栞子「私?お弁当ですが...それが何か?」 栞子「いえ、自分で作る事はあまりありません。普段は母が作ってくれてますので」
栞子「あなたこそ...何ですかそれは?」
栞子「パンとおにぎりだけではないですか」
栞子「栄養とかちゃんと考えてます?せめて売店のお弁当にした方が良いと思いますが」 栞子「...高いからとかそういう問題ではありません」
栞子「まさか毎日それだけですか?」
栞子「...はぁ」
栞子「確か割りばしがあそこにありましたね...」
栞子「私のお弁当を少し分けてあげます」 栞子「今日は野菜と...お肉があるので問題ないですね」
栞子「どうぞ」
栞子「...夕食でたくさん食べてるから大丈夫?」
栞子「私たちはまだ成長期なのですから栄養に関してはしっかり取らなくてはなりません」 栞子「お昼御飯も明日からはちゃんと用意してきて下さい」
栞子「間違っても私にお弁当を分けてもらうのを期待しないように」
栞子「お弁当を分けてあげるのは今日限りです」 栞子「早く食べたらどうですか?食べたくないのなら別に構いませんが」
栞子「...そんなに慌てないで下さい。ゆっくり食べて下さい」
栞子「......」
栞子「そうですか。美味しいなら良かったです」 栞子「...はい?」
栞子「明日お弁当を作ってくるから私のおかずと交換してほしい?」 今日はここまでです。
ちなみにしおちゃんの相手は同好会のあなたではなく別の人です。 今日も楽しませてもらいました!!!!!
続きが楽しみです!!!!! 栞子「おかずを分けるのは今日限りだと先程言ったつもりですが?」
栞子「...交換だから違う?」
栞子「そもそも私の方は交換するメリットがありません」
栞子「交換してくれないとまたパンとおにぎりだけにする?」
栞子「まったく脅しになっていないのですが...」 栞子「そんなに私のお弁当が美味しかったんですか?」
栞子「...私とおかずを取り換えっこしたい?」
栞子「......」
栞子「分かりました。理解し難いですがあなたの要求を呑みましょう」 栞子「ただし、あなたの方もお弁当のおかずはちゃんと作ってきて下さい。手抜きは許しません」
栞子「あなたのお弁当の出来次第で交換は無くなるかもしれませんから、肝に銘じて下さい」
栞子「...私も手抜きはするつもりはありませんので」
栞子「いえ、何でもありません。早く食べてしまって下さい」 ...................................
栞子「ごちそうさまです」
栞子「...放課後?朝にも言いましたが会議があります」
栞子「その後に生徒会の事務処理などもありますので昨日よりも遅くなりそうです」
栞子「...待ってるなら図書室で勉強でもしていて下さい。朝の復習や宿題などがあるのでしょう?」 栞子「仕事が終わったら私の方から連絡します」
栞子「それよりもそろそろ授業が始まりますよ」
栞子「あなたのクラスは体育でしょう。早くしないと遅れますよ」
栞子「......」
栞子「騒がしい人ですね。本当に世話が焼けます...」 --------------------------------------
放課後 玄関
栞子「お待たせしました」
栞子「申し訳ありません。予定よりも仕事が少し伸びてしまいました」
栞子「...図書室で勉強ですか。私に言われたことをしっかりと反省しているようですね」
栞子「もう外も暗くなっています。早く帰りましょう」 ........................................
栞子「今日の会議?」
栞子「...そういえばあなたに朝言いましたね」
栞子「部活や同好会等の予算案に関して各々の部長と話し合っただけです」
栞子「その中で部費を増やしたり減らしたりするんです」
栞子「大体は部長たちの予算案に私が少し意見をつけて修正したものを通すのですが...」
栞子「手強い部もやはりあります」
栞子「...あの方たちは特に手強いです」 栞子「...そうです。昼に言ったスクールアイドル同好会のことです」
栞子「私は彼女たちの部費を減らそうと考えているのですが抵抗が激しいんです」
栞子「一応この学校の規定では同好会にも多少の部費は出ますが...」
栞子「彼女たちに必要なものではないと思っています」
栞子「彼女たちの為に使うのでしたら実績のある他の部活に回した方が有意義です」 栞子「...彼女たちは大会でも実績を残している?」
栞子「...まさかあれから同好会について調べたんですか?」
栞子「あなたも結構物好きですね」
栞子「大会といっても公式大会ではなく、一部地域内だけで行う小さなものです」
栞子「スクールアイドルフェスティバルで実績を残せば彼女たちの要望も受け入れなければいけませんが...」
栞子「その大会も今年は中止のようです」 栞子「だから彼女たちは何も出来ません」
栞子「...それでも部費を減らす理由にはならない?」
栞子「やけに彼女たちの肩を持ちますね」
栞子「...そういうつもりではないなら口は出さないで下さい」
栞子「私には私の考えがあります」
栞子「...別にあなたにそれを言う義理はないです」 栞子「そろそろ駅ですね」
栞子「明日はどうするんですか?」
栞子「一緒に登校するかどうかです」
栞子「私は今日と同じ時間に登校する予定ですが...」
栞子「...分かりました。それでは今日の朝と同じ場所で」
栞子「遅刻はしないようにして下さい」 栞子「はい、お疲れ様です」
............................................
栞子「......」
栞子「はぁ...」
栞子「勉強もズボラですし、部活もやっていない」
栞子「話を聞いても将来の事をあまり考えていない」
栞子「そのうえ騒がしい」
栞子「まったく、あの方が隣にいると疲れます」 栞子「でも...」
栞子(不思議と嫌ではありません)
栞子「それに...」
栞子「どうして同好会の事をペラペラと話してしまったのでしょう」
栞子「普段ならこんな事を人には喋ったりはしないはずです」
栞子「私は一体どうしたんでしょうか...」 栞子「...そういえば」
栞子「明日までに入ってみたい部活を考えなければいけませんでしたね」
栞子「...どうしましょうか」
栞子「勉強や生徒会の仕事より難しいかもしれないです...」 栞子「...それとお弁当」
栞子「何を作りましょう?」
栞子「...お母様に相談してみますか」 -------------------------------------
翌日 朝
栞子「おはようございます」
栞子「マフラー乱れてますよ。ラベルが出ていてだらしなく見えます」
栞子「少しは見た目に気を使って下さい。隣で歩く私が恥ずかしくなってしまいます」
栞子「...私服でなくともそういう事は大事です」 栞子「あなたはおそらく身なりに余り頓着しないタイプだとは思いますが、だからこそ気をつけて下さい」
栞子「もったいないです」
栞子「...ファッションが分からない?」
栞子「私も別に詳しくはありません。最低限の知識があるだけです」 栞子「それくらいは周りの方たちを見ていれば自然と身につくものだと思いますが」
栞子「...まぁあなたの場合は分かってても面倒くさがりそうですね」
栞子「!」
栞子「...聞き間違いでしょうか?私と服屋に行きたいと聞こえたのですが」 栞子「一体何を思ってそんな提案をしたのですか?」
栞子「家族や他の友人と行けば良いでしょう」
栞子「...私の好みが知りたい?」
栞子「別に服装に好みなどありません」
栞子「余りにもバランスが悪かったり、子供っぽかったりしなければ別に問題はないと思います」 栞子「...他には?」
栞子「そうですね...」
栞子「強いて言えば落ち着いた服装が好きです」
栞子「大人らしい雰囲気が出ていれば尚良いです」
栞子「...想像した通り、ですか?」
栞子「別に良いじゃないですか」 栞子「もっとも、落ち着いた雰囲気を出すなどあなたには難しそうですが」
栞子「...そんな事ないと言うなら制服だけでもしっかりと着て下さい」 栞子「そうです。私の隣に居たいのでしたら、それくらいは当たり前です」
栞子「...!」
栞子「...いえ、何でもないです」
栞子「早く歩きますよ。今日も朝に終わらせておきたい仕事があるんです」 ...................................
栞子「今日はどうしますか?」
栞子「生徒会室で勉強をやっていくかです」
栞子「...どうしてですか?」
栞子「...仕事の邪魔をしたくないから?」
栞子「......」
栞子「分かりました。それでは授業の方がんばって下さい」 栞子「居眠りなどはしないで下さいよ」
栞子「いえ、別になんでもありません」
栞子「...何でもないです」
栞子「怒ってもいません。しつこいですよ」 栞子「それよりも」
栞子「お昼の件は忘れていませんよね?」
栞子「...よろしいです」
栞子「授業が終わり次第急ぐように」
栞子「では」 一緒に過ごすことが段々当たり前になってきてるの良き -------------------------------
昼休み 生徒会室
栞子「お疲れ様です」
栞子「朝に言った通り早く来てくださったようですね」
栞子「...私の方が早い?」
栞子「それは...ここが2年よりも1年の教室の方が近いからだと思いますが」
栞子「はい。私は別に急いでいませんでしたよ」 栞子「それよりも早くお弁当を出して下さい」
栞子「...私のお弁当?」
栞子「昨日も言いましたが、おかずを交換できるかはあなたのお弁当の出来次第です」
栞子「あまりにもひどい場合には交換は無くなります」
栞子「えー、じゃないです。昨日言った事をあなたが忘れているだけでしょう?」
栞子「さあ、早く出して下さい」 ...........................
栞子「......」
栞子「おかずが二品しかはいっていないのですが」
栞子「...普通は四品以上は入れます」
栞子「...朝に作る時間があまり無かったと」
栞子「分かりました。とりあえず食べてみます」 栞子「おかずは野菜炒めと焼魚ですね」
栞子「まずは野菜炒めの方を..」パクッ
栞子「.....」
栞子「...お聞きしたいのですが」
栞子「何で味付けをしました?」
栞子「...塩、醤油、胡椒ですか」
栞子「それだけですとコクが出せません」
栞子「ダシ等を入れてみて下さい」 栞子「それを入れただけでも随分と味が変わります」
栞子「それと醤油や胡椒などを入れる割合なども考えて下さい」
栞子「今のままですと胡椒が強すぎます」
栞子「あとは...」
栞子「いえ、これ以上言うとあなたの頭の中に入りきらなくなりそうですね」
栞子「とりあえず今言われたことを実践してみて下さい」 栞子「次は焼魚です」パクッ
栞子「......」
栞子「成る程、生鮭ですか」
栞子「塩鮭には無いシンプルな味わいが良いです」
栞子「...しかしこれだけですと御飯のおかずとしてはいささか物足りません」
栞子「やはりもっとおかずが欲しいの一言に尽きます」
栞子「次からは気をつけて下さい」 栞子「総合的に見てあまり良い出来ではありませんでした」
栞子「反省して下さい」
栞子「本当でしたら不合格をあげたいところです」
栞子「...ただ」
栞子「今回のあなたなりの努力は認めます」
栞子「私のお弁当を参考にしてもっと研究して下さい」
栞子「...そうです。食べて良いです」 栞子「一々喜ばないで下さい」
栞子「まったく...」 .............................
栞子「どうぞ」
栞子「......」
栞子「それで...」
栞子「お味の方はどうですか?」
栞子「!」
栞子「...美味しい?」
栞子「そうですか、それなら良かったです」 栞子「...先程あなたの言っていたことは確かに私も分かります」
栞子「お弁当の準備をするには朝早く起きなければなりませんし場合によっては前日から下準備をしなければいけません」
栞子「あなたの今食べてるハンバーグのたねは昨日の夜作りました」
栞子「何事も本気でやろうとなると中々難しいものです」 栞子「...? どうしました?」
栞子「母親が...?」
栞子「あ...」
栞子「...確かに昨日はいつも母が作ってくれていると言いましたが、今日は朝忙しかったので私が自分で作ったまでです」
栞子「......」
栞子「これ以上笑ったらお弁当を取り上げますよ」 -----------------------------------
放課後
栞子「お疲れ様です」
栞子「いえ、私も今来たところです」
栞子「それでは帰りましょうか」 .................................
栞子「昼のお弁当?」
栞子「いえ、別にお礼を言われる程の事ではないです」
栞子「次は私に言われた事をしっかりと反映して下さい」
栞子「...そうではなく?」 栞子「...!」
栞子「...別に私が作った事を秘密にするつもりはありませんでしたよ」
栞子「...一応褒め言葉として受け取っておきます」
栞子「ただしこれ以上その事を言ったら次は食べさせません」
栞子「私のお弁当を食べたいなら少しは自重して下さい」 栞子「...そうですね。これを毎日続けるのは確かに難しいかもしれません」
栞子「ただ、工夫次第ではやりようはあると思います」
栞子「前日におかずを作ったりして冷蔵庫に入れておいたりすればある程度はカバー出来ます」
栞子「それに夕飯の残りも入れればそれなりに品数も多くなります」
栞子「あなたも少しは考えて工夫して下さい」
栞子「私の方も色々と試してみます」 栞子「...え?」
栞子「...入りたい部活、ですか」
栞子「はい、一応考えてはきました」
栞子「まぁ...強いて言えば料理部です」
栞子「今回、自分でお弁当を作ってみましたが思っていたよりも楽しめました」
栞子「朝早く起きて毎日やるのは大変かもしれませんが、放課後のちょっとした時間に様々な料理を作るのも良いかもしれません」
栞子「もっとも昨日今日思った事なので確かな気持ちではありませんが」 栞子「...料理が好き?」
栞子「いえ...好き、というわけではないと思います」
栞子「確かに少しばかり楽しめはしましたが...それが心底から来るものかといえば違うと思います」
栞子「あくまでも日常の生活に少しばかりの彩りを与えてくれる程度のものです」
栞子「...えぇ、何だか曖昧な答えになってしまって私らしくないです」
栞子「申し訳ありません」 栞子「...好きなこと?」
栞子「好きなこと...ですか」
栞子「やはり曖昧な答えになってしまいますが、直ぐには思いつきません」
栞子「...昔?」
栞子「昔という程ではありませんが数年前は...」
栞子「...いえ、何でもないです」 栞子「残念ながら今まで本気で好きになれる事は一つもありませんでした」
栞子「それに...何と言えば良いのか分からないのですが」
栞子「好きという言葉は、私が使うには真っ直ぐ過ぎてぴったりとこないものがあります」 栞子「他の方に対してならともかく、自分に当てはめるとムズムズしてしまうんです」
栞子「...生徒会の仕事?」
栞子「それは...おそらく好きとは違うものだと思います」
栞子「どちらかというと義務感に近いものです」 栞子「私はこの学校の生徒達の才能を一つでも多く見つけ出さなければならないと考えています」
栞子「だからやりがいはあるのですが...好きというわけではありません」
栞子「...つまらない話でしたね。もう終わりにしましょう」 栞子「...? 今度の休みに?」
栞子「朝の服屋の話ですか。私は一緒に行くと言ったつもりはありませんが」
栞子「あなたと一緒に行ったところで私には何もメリットがありません」
栞子「...どうしてもですか...」
栞子「はぁ」
栞子「あなたは結構頑固な所がありますね。どうしてそんなに食い下がるんですか?」 栞子「服屋以外にも色々なところを?」
栞子「それで私の好きな事を見つける...」
栞子「...そんな単純な事ではないでしょう」
栞子「私が十数年見つける事が出来なかった事をあなたと一緒に外出したところで見つかるわけないじゃないですか」
栞子「......」
栞子「確かにやってみなければ分かりませんが...」 栞子「駄目だったらもっと色んな所に行けば良い?」
栞子「...そうやって口実を作るつもりですね」
栞子「少し浅はか過ぎやしませんか?」
栞子「分かりました。今度の休日に一緒に行きましょう」 栞子「あなたが諦めて下さるまで我慢することにします」
栞子「ただし」
栞子「みっちり駄目出しはするつもりなので覚悟して下さいね」
栞子「...こんな事を言われているのに嬉しがる気持ちが理解できません」 駅
栞子「そろそろお別れですね」
栞子「それで、会う日は土曜と日曜どちらにするんですか?」
栞子「私は日曜は用事があるので土曜の方が都合が良いです」
栞子「...分かりました」
栞子「場所は学校近くのショッピングセンターでよろしいですか?」
栞子「あそこでしたら店の場所も大体わかるので」 栞子「...分かりました。時間はどうします?」
栞子「土曜でしたら私は一日空いているので午前でも大丈夫です」
栞子「...10時ですね」
栞子「遅刻だけはしないで下さい」
栞子「もし私を待たせたらお昼御飯は奢って頂きますので」 栞子「はい、お疲れ様です」
栞子「......」
栞子「どうもあの人の前だとムキになってしまいます...」 >>232
もしかして男の子が存在する世界から来はったんかな 2月14日 朝
栞子「おはようございます」
栞子「待ちました?」
栞子「そうですか。それなら良かったです」
栞子「...あの」
栞子「...いえ、何でもありません」
栞子「行きましょうか」 ..........................
栞子「お聞きしたいのですが」
栞子「朝御飯の方は食べてきましたか?」
栞子「...そうですか。健康的でよろしいです」
栞子「......」
栞子「もう一つお聞きしますが...」
栞子「甘いものでも食べたくありませんか?」 栞子「いえ、授業を受けるには糖分を取っておいた方が良いと思いましたので」
栞子「特にあなたには必要なものだと思いますが」
栞子「...フレンチトースト?」
栞子「はぁ」
栞子「よりにもよって朝御飯がそれですか」
栞子「もういいです。早く学校に行きますよ」
栞子「いいえ、怒ってなどいません」 ----------------------------------
昼休み 生徒会室
栞子「......」ソワソワ
栞子「あの...」
栞子「お弁当の後にデザートなど食べたくなったりしませんか?」 栞子「食べたい?」
栞子「そうですか。それなら良いも...」
栞子「え?」
栞子「購買部でフルーツポンチを買ってきた?」
栞子「......」
栞子「分かりました。どうぞお食べ下さい」
栞子「私は別にそんなものいりません」
栞子「お一人で食べれば良いでしょう」
栞子「...ふん」 ------------------------------------
放課後 駅前
栞子「......」
栞子「はぁ...」
栞子「ここでお別れですね」
栞子「...? ついてきて?」
栞子「別に良いですが...ここでは駄目なんですか?」
栞子「...分かりました。案内して下さい」 .............................
栞子「随分と人気のない場所ですが...何があるんですか?」
栞子「...渡したいもの?」
栞子「!」
栞子「...チョコですか?」
栞子「あ、ありがとうございます」 栞子「でもどうして今なんですか?朝にでも渡していただければ...」
栞子「...あぁ、確かに校内へのお菓子の持ち込みは禁止ですからね」
栞子「生徒会長がチョコなんて持っていたら他の生徒に示しがつかないです」
栞子「ふふっ」
栞子「でもあなたの心配は無用でしたね」
栞子「私も今日だけは他の生徒方の見本にはなれませんでした」
栞子「どうぞ。私が作ったチョコです」 栞子「えぇ、朝から渡そうとは思っていたのですが上手いタイミングが見つからなかったので」
栞子「...え?」
栞子「ここで食べる?」
栞子「いえ、それは流石に恥ずかしいというか...」
栞子「...分かりました」
栞子「そこに座って食べましょう」 ................................
ガサガサ
栞子「!」
栞子「これは...あなたも自分で作ったんですか?」
栞子「形が少しいびつです」
栞子「形に関しては私の勝ちですね」
栞子「はい、食べてみます」 栞子「......」モグモグ
栞子「...甘いです」
栞子「少し、というかかなり甘過ぎます」
栞子「ちゃんと自分で味見しました?」
栞子「というよりも普通のチョコの味とも違うような気がします」
栞子「...カカオ豆から作ったから砂糖の容量を間違えた?」
栞子「......」
栞子「どうしてそんな本格的なものを作ろうと思ったんですか」 栞子「普通は市販のチョコを溶かして作ります」
栞子「あなたは料理が上手くないんですから変な冒険はしないで下さい」
栞子「ほら、私のチョコを食べて下さい」
栞子「...美味しいなら良かったです」
栞子「私は市販のチョコを使いました」
栞子「それでもそのような味が出せるのですからあなたも余り無理な事はしないで下さい」 栞子「えぇ、反省して下さい」
栞子「ですが....」
栞子「あなたの気持ちが凄く伝わる味でした」
栞子「この味は忘れませんから次はもっと違う味を見せて下さい」 今日はここまでです
2/14なので番外編を書いてみました。
本編よりもお互いの距離が近くなっていますので、少し雰囲気が違うかもしれません。 かなりデレてたしおりん
バレンタイン回だからそんなもんか 自然と笑ってしまうしおちゃんも栞子さんのために本格的なものを作ろうと頑張る主人公ちゃんも可愛い ------------------------------------
土曜日
栞子「おはようございます」
栞子「はい、私も今来たところです」
栞子「......」
栞子「いえ、別に何でもないです」
栞子「ただあなたの格好が思っていたよりもお洒落でしたので」
栞子「...なるほど、家にある服の中で頑張ってみたと」
栞子「努力は認めましょう」
栞子「ただ私の好みとは少し違いますね」 栞子「若干派手に見えます」
栞子「...2年前に買ったものですか」
栞子「ということは中学の時に買った服...」
栞子「それなら確かに少し子供っぽいのも納得です」
栞子「いいでしょう。私があなたに相応しい服を選んであげます」
栞子「ほら、早く行きますよ」 電車内でニヤニヤしすぎて恥ずかしかった
コロナ対策にマスクするんだった .................................
服屋
栞子「お聞きした限りですとあなたの今持っている服は明るめのものが多いようですね」
栞子「今日は落ち着いた色のものを買いましょう」
栞子「...私?」
栞子「別にみる必要なんてないでしょう」
栞子「特別凝った格好はしていません」
栞子「白いワンピースに紺色のカーディガンを着ただけです」
栞子「今はコートを着てるので見えませんが」
栞子「...見たい?」
栞子「分かりました。バッグを持ってて下さい」 栞子「こんな感じです」
栞子「...別に褒めなくて良いです」
栞子「はい、このワンピースは体の線を細く見せてくれるものです」
栞子「このプリーツ部分も細く仕上げてあるのでスレンダーに見せたいは非常に役に立ちます」
栞子「...プリーツはこのスカートの折り目のことです」
栞子「私の場合このアイボリー色のワンピースに紺色のカーディガンを着ているだけですね」
栞子「それだけでも十分に人前に出られる格好になります」 栞子「...私と同じような色の服?」
栞子「絶対に止めて下さい。周りから変な目で見られます」
栞子「変な目で見られなくとも嫌です」
栞子「ほら、さっさと選びますよ」 ...............................
栞子「...とりあえずこのくらいで良さそうですね」
栞子「まったく...」
栞子「お互いの好みが違いすぎます。あなたは変な服ばかり選び過ぎです」
栞子「センスを疑います」
栞子「...お昼?」
栞子「そうですね。少し遅くなりましたが御飯でも食べましょう」
栞子「服選びに夢中になってしまいました」
栞子「...違います。あなたのセンスだけでは不安でしたので私が仕方なく頑張ったまでです」 ..............................
フードコート
栞子「それでは各自で御飯を買ってきましょう」
栞子「...私?」
栞子「いえ、まだ何を食べようか考えている所です」
栞子「私の好きなもの?」
栞子「このお店の中にはありませんね...」
栞子「あ、でも...」
栞子「あそこのオムライスが美味しそうです」
栞子「行ってみましょう」 ...............................
pombの樹
栞子「色々なオムライスのメニューがあるんですね」
栞子「何にしましょう...」
栞子「早くあなたも食べたいものを探しに行ったらどうですか?」
栞子「...あなたもここに?」
栞子「...いえ、別に奢って下さらなくとも大丈夫です」 栞子「その代わりに、私と買った服をちゃんと着こなして下さい」
栞子「それが私にとってのお礼です」
栞子「...お礼とかではなく?」
栞子「...はぁ」
栞子「分かりました。それでは御馳走になります」 @cメ*◉ _ ◉リロシアンオムライスもあるんだよ 主人公ちゃんはあなたではないみたいだしおポムも手出しはしてこないよ多分 栞子「今決めますから急かさないで下さい」
栞子「......」
栞子「やはりオーソドックスなケチャップオムライスでしょうか」
栞子「しかしこのトマトソースのも魅力的です」
栞子「明太子マヨネーズも良いですね」
栞子「...少し黙ってて下さい。メニューに集中できません」 栞子「あ...」
栞子「このビーフシチューのオムライスが一番美味しそうです」
栞子「これにします」
栞子「...サイズ?」
栞子「SSサイズとSサイズがありますね」
栞子「どちらにしましょう」
栞子「...え?」
栞子「MサイズとLサイズ?」 栞子「端に書いてあって随分と分かりずらいですね」
栞子「あなたはどうするんですか?」
栞子「...トマトソースのLサイズ?」
栞子「......」
栞子「Lサイズはどのくらいの大きさなんでしょうか?」
栞子「値段がSサイズの+400円なので恐らく相当大きいと思うのですが」 栞子「写真を見る限りSサイズもそれなりにボリュームがあるようです」
栞子「......」
栞子「せめてMサイズにした方が良いと思います」
栞子「駄目です。Mサイズにして下さい」
栞子「食べきれなかったら作った方に失礼になります」
栞子「足りなければ私の分も食べて良いですから」
栞子「あなたも食い意地が張っていますね」 ...................................
栞子「なるほど、店から渡されたこの呼出し機の音が鳴ったら料理を取りに行けば良いんですね」
栞子「こういった所はあまり来ないのでよく分からないです」
栞子「そうですね。休日は学校で生徒会の仕事か家で勉強していることが多いです」
栞子「服や雑貨を見たい時など学校帰りに寄ることはあるのですが」
栞子「休日にわざわざ行きたいかといえば違うと思います」 栞子「...どんなところに行くのが好き?」
栞子「どんなところ...」
栞子「好きな場所なら...」
栞子「...いえ」
栞子「正直、これといった場所はありません」
栞子「何処へ行っても特別つまらなくはないのですが楽しくもないんです」
栞子「...いや、あなたが楽しいかはどうでも良いです」 栞子「あなたはどうなんですか?」
栞子「好きな場所とかあるんですか?」
栞子「......」
栞子「そう言うと思いました」
栞子「あなたのお気楽さでしたら何処へ行っても楽しめそうです」
栞子「!」
栞子「...呼出し機ですか。結構大きな音ですね」
栞子「取りに行きましょう」 おつおつ
呼び出し音でびっくりしてるしおりん可愛い ていうかしおりん白のワンピースに紺色のカーディガンでオムライス食べるとか可愛すぎだろ 割と細かいところで女の子女の子してるしおりん大好き ............................
栞子「やはりLサイズにしなくて正解でしたね」
栞子「Mサイズでも十分大きいです」
栞子「私の言った通りです」
栞子「その位でしたらあなたでも食べ切れるんじゃないですか?」
栞子「...分からない?」
栞子「Lサイズにしてたら悲惨なことになっていましたね」
栞子「止めた私に感謝して下さい」 栞子「...携帯なんか出して何してるんですか?」
栞子「料理を撮る?」
栞子「あぁ...最近結構やってる方が多いですからね」
栞子「私はあまり分かりませんが...」 栞子「...え?私?」
栞子「嫌ですよ。自分が頼んだオムライスでも撮ってれば良いじゃないですか」
栞子「...はい?」
栞子「奢ったんだからって...あれはあなたが勝手にやっただけでしょう」
栞子「それで恩を着せられても困ります」
栞子「冷めてしまいます。早く食べますよ」
パシャ 栞子「...!ちょっ、勝手に...!」
栞子「......」
栞子「あなたという人は...」
栞子「何が良い撮れ具合、ですか」
栞子「早く消してください」
栞子「よりにもよって食べようと口を開けてるところを...!」 栞子「......」
栞子「どんな写り方なのかチェックしたいので携帯を貸して下さい」
栞子「...消されるから嫌だ?」
栞子「...っ」
栞子「私の写真を撮ったところで何も価値が無いじゃないですか」
栞子「そんなに抵抗する必要など無いと思うのですが」 栞子「可愛いって...」
栞子「そんな殺し文句などには惑わされません」
栞子「どうにかして消させてみせます」
栞子「...条件?」
栞子「あなたが提示する条件を呑めば写真を消してくれるということですか?」
栞子「どうせ碌でもない事でしょうが一応お聞きします」 栞子「......」
栞子「よく聞こえませんでしたので、もう一度お聞きしてよろしいですか?」
栞子「......」プルプル
栞子「そんな事出来るわけないじゃないですか...!」
栞子「あーん、だなんて...」
栞子「何を考えているんですか...!」
栞子「不可能です。他の事にして下さい」
栞子「駄目です」 栞子「...逆?」
栞子「私からではなく、あなたからのを私が食べるという事ですか?」
栞子「いや、何が違うんですか」
栞子「確かに抵抗は少し減りますが」
栞子「雀の涙程度じゃないですか」
栞子「...いや、あーんって...まだやると言っていないのですが」
栞子「......」
栞子「食べれば写真を消してくれるんですか?」 栞子「...約束ですよ?」
栞子「...」
パクッ
栞子「...」モグモグ
栞子「これで良いですよね...?」
栞子「さぁ、早く消して下さい」 栞子「...!」
栞子「またあなたは...」
栞子「私からは絶対にしないと言ったじゃないですか...!」
栞子「...嫌ならやらなくて良い?」
栞子「やらないに決まってるじゃないですか」
栞子「さぁ、あなたの要求は一応叶えたんですから早く消して下さい」
栞子「...分かればよろしいです」
栞子「まったく...あんな姿他の人には見せられないです」 栞子「...? 私の色んな一面が見られて嬉しかった?」
栞子「......」
栞子「何故そんなに私の事を知りたいんですか?」
栞子「...好きだから...」
栞子「何故私の事が好きなんですか?」
栞子「...いえ、ここで聞くことではありませんね。またの機会に聞きます」
栞子「......」
栞子「写真は消してくれるんですよね?」 栞子「分かりました。それでは私も腹を決めます」
栞子「どうぞ」
栞子「......」
栞子「...あ、あーん...」
栞子「...っ」
栞子「呆然としてないで早く食べて下さい...!」 ............................
栞子「携帯はお返しします。写真は消しておきました」
栞子「私としたことが恥ずかしい姿を晒してしまいました」
栞子「何ニヤニヤしてるんですか」
栞子「...可愛いと何度言ったところで私の機嫌は収まりませんから」 >>315
ワンゲル部2度も復活するとか
地味に有能で草 栞子「...これから?」
栞子「確かにどうしましょうか。あなたの服も既に買ってしまいましたし」
栞子「...ペットショップ?」
栞子「猫が見たいと...」 栞子「その店は犬もいますか?」
栞子「いるのでしたら別に行っても構いませんが」
栞子「分かりました。では行きましょう」 ...........................
ペットショップ
栞子「結構大きな店なんですね」
栞子「鳥類とかも沢山いるみたいです」
栞子「あ、猫が見たいんでしたよね」
栞子「こっちですね」 栞子「お店で売られている猫ってこんなに小さいんですね」
栞子「そうですね。人に慣れさせるには子猫の方が良いらしいですし」
栞子「ちょこちょこしてて可愛らしいです」
栞子「あ、こっちに気づきました」 栞子「不思議そうな顔をしてますね。警戒しているんでしょうか」
栞子「...足を舐め始めました。してないみたいです」
栞子「餌を食べ始めました。マイペースな子ですね」
栞子「街中だと大人の猫しか見られませんので見てて面白いです」 栞子「あなたは猫が好きなんですか?」
栞子「...なるほど、昔飼っていたんですか」
栞子「私も将来は何か動物を飼って自分で育ててみたいです」
栞子「飼ってみたい動物ですか...」
栞子「犬も好きなんですが鳥とかも飼ってみたい気がします」
栞子「それで自分の子供と一緒に遊ばせてあげるんです」 栞子「そんな事をやってみたいと思っているんですが...動物側からしたら迷惑かもしれませんね」
栞子「えぇ、特にやんちゃな子でしたら尚更です」
栞子「...私の子なら落ち着いているに決まってる?」
栞子「それは褒め言葉として受け取れば良いのでしょうか」
栞子「...分かってますよ。あなたが悪い意味で言うわけがありません」 栞子「次は犬のコーナーに行ってみても良いですか?」
栞子「はい、それでは」 栞子「色んな犬種がいますね」
栞子「そうです。動物全般好きですが犬は特に昔から...」
栞子「あ、トイプードルです」
栞子「ふわふわしてます」
栞子「触ってみたいですが..飼うつもりは無いので店員に頼むのも失礼ですね」 栞子「...好きな犬種?」
栞子「そうですね、この子みたいな小さい犬が好きです」
栞子「でも柴犬とかレトリバーなんかも好きかもしれないです」
栞子「結局みんな可愛いんですよね」 栞子「こちらにはパグいますね」
栞子「えぇ、この子も可愛いです」
栞子「...そうでしょうか?私は良いと思いますが」
栞子「確かにチワワとかと比べると人気は無いかもしれませんが...」
栞子「ずっと見てるとこの子にはこの子の良さが見えてくると思いますよ」 栞子「ほら、寝てる姿も愛らしいじゃないですか」
栞子「首をかしげないで下さい」
栞子「この可愛さが分からないとは意外とあなたも見る目がありませんね」 栞子「あ、起きました」
栞子「毛づくろいしてます」
栞子「この幸せそうな仕草が好きなんです」
栞子「見ていて癒されます」
栞子「...っと、あんまり見てたらお店の人にも迷惑ですね」
栞子「そろそろ出ましょうか」
栞子「次はどこに行きます?」 ..............................
栞子「言われるがままに付いて来ましたが」
栞子「正直私はあまりスイーツ屋に興味が無いのですが...」
栞子「クレープが有名なんですか?」
栞子「そうは言ってもお昼を食べてからあまり時間が経ってないのでお腹が空いていません」 栞子「...半分こ?」
栞子「いえ、小さいサイズもあるので別々にしましょう」
栞子「言っておきますが奢ってもらう気はありません」
栞子「先程のように脅されても困りますから」 栞子「どれにしましょうか」
栞子「決めかねますね」
栞子「あなたはどれにします?」
栞子「抹茶クリーム?」
栞子「正直あまり美味しそうには思えないのですが...」 栞子「いえ、私は別のものにします」
栞子「他に美味しそうなのは...」
栞子「...?チョコクリーム?」
栞子「確かに美味しそうですね」
栞子「抹茶ではなくこちらにすれば良いんじゃないんですか?」
栞子「...そうですか。なぜ抹茶にそれ程こだわるかは理解できませんが...」
栞子「では私がチョコクリームにします」 ............................
栞子「あの...」
栞子「なぜタピオカも買ったんですか?」
栞子「飲んでみたかった?」
栞子「初めて飲むんですか?」
栞子「はぁ、そうなんですか」 栞子「いえ、私も飲んだことがありません」
栞子「流行っているのは知ってはいたのですが、正直興味も無かったので」
栞子「...いえ、別にいらないです」
栞子「あなたが買ったのですから自分で飲んでください」 栞子「...美味しい?」
栞子「良かったですね」
栞子「......」ジー
栞子「!...いえ、先程もいらないと言ったではないですか」
栞子「...飲んでみたそうな目?」
栞子「いえ、そんなことは...」
栞子「......」
栞子「一口頂いていいですか?」 栞子「飲み物は何にしたんですか?」
栞子「ミルクティーですか。オーソドックスですね」
栞子「では頂きます」
栞子「......」チュー
栞子「......」モギュモギュ
栞子「なるほど、こういう食感ですか」 栞子「想像していたよりも弾力があってモニュモニュしてます」
栞子「でもミルクティーがほとんど甘くありませんね」
栞子「...クレープ?」
栞子「分かりました食べてみます」パクッ
栞子「...!」
栞子「結構合いますね」 栞子「甘さの少ないミルクティーがクレープと上手く絡み合っています」
栞子「あなたも少しはやるようになりましたね」
栞子「...でもこのタピオカが思ったよりも重いです」
栞子「全部飲めるんですか?」
栞子「...だろうと思いました」
栞子「今回は私も飲みます」
栞子「次はもっと小さいサイズを買って下さい」 ............................
栞子「...流石にお腹いっぱいです」
栞子「夕飯までに消化しきれる気がしません」
栞子「あなたもよくあんな大きなオムライスの後に食べられましたね」
栞子「...苦しむくらいなら少しは先を見て行動できるようになって下さい」 栞子「次?」
栞子「あなたの行きたい所で良いですよ」
栞子「...もうありませんか」
栞子「どうしましょう」
栞子「...私の行きたい所?」
栞子「そういきなり言われても特には...」
栞子「......」
栞子「それでは一ヶ所だけ良いですか?」 ...........................
雑貨屋
栞子「私、こういう所を見るのが結構好きなんです」
栞子「日常生活に役立つものでしたりお洒落な小道具とかを見るのが楽しいです」
栞子「あなたもこういう所に来たりするんですか?」
栞子「...そうですね。少し似合わないかもしれないです」
栞子「...? どうしました?」 栞子「髪飾り?」
栞子「意外ですね。興味があるんですか」
栞子「私?」
栞子「いえ、髪飾り等はあまり持っていません」
栞子「ミディアムなのであまり使うことが無いんです」
栞子「最低限のものを揃えてるだけですね」 栞子「...このリボンは中学の頃から付けているものです」
栞子「はい、結構気に入っています」
栞子「えぇ、やはりあなたもそう思いますよね」
栞子「髪にアクセントを少し加えるのに便利なんです」 栞子「...?」
栞子「この中で好きな髪飾り?」
栞子「え、えぇ。いくつか良さそうなのはありますが...」
栞子「全体的に派手めのものが多いので悩みますね」
栞子「私は落ち着いた色やデザインのものが好きなのですが」
栞子「でもこれなんかは良いかもしれません」
栞子「革製の髪留めですね」 栞子「色も落ち着いていますしサイズも小さいので使いやすそうです」
栞子「...そうですか?私は良いと思うのですが」
栞子「そういうあなたはどれが良いと思うんですか?」
栞子「まぁあなたのセンスですとあまり期待は出来ませんが」 栞子「...これですか?」
栞子「リボン付きのバレッタですか」
栞子「確かに色も落ち着いてますが...私が付けると少し目立ちそうな気がします」
栞子「...分かりました。付けてみます」
栞子「どうですか?」
栞子「似合い...ますか?」 栞子「そうですか。ありがとうございます」
栞子「でも他の方が付けるならともかく、私が付けるにはやはり目立ちすぎるような...」
栞子「他の方に見られるのは恥ずかしいです」
栞子「あなたは似合うと言ってくれましたがやはり...」
栞子「!」
栞子「...そんなに迷うならあなたが買う?」 栞子「先程も言った通りあなたにお金を出してもらうつもりはありません」
栞子「欲しいものがあれば自分のお金で買うと言ったはずです」
栞子「...駄目って...」
栞子「しかしお昼の時みたいに何か条件を突きつけてくるんでしょう?」
栞子「...やはりそうじゃないですか」
栞子「どうせ碌な要求でないことは分かっています」 栞子「...? 学校に付けてくるのが条件?」
栞子「あなたにメリットが何も無いじゃないですか」
栞子「どういうつもりなんですか?」
栞子「...私に付けて欲しい?」
栞子「どうしてそんなに...」
栞子「...自信を持ってほしい、ですか」 栞子「別に自信が無いわけではありませんが...」
栞子「......」
栞子「そんなに連呼しなくて良いです。こちらが恥ずかしくなります」
栞子「......」
栞子「はぁ、あなたの押しの強さには負けました」
栞子「それでは受け取らせていただきます」 栞子「えぇ、学校にも付けていきます」
栞子「それで良いですか?」
栞子「まったく...買ってもらう側なのにこちらが世話を焼いてる気分になります」
栞子「...ありがとうございます」ボソッ めっちゃ可愛い
女の子になって好きな女の子の髪留めとか選んでみたいわ .....................
栞子「次はどこに行きます?」
栞子「...時間?」
栞子「あ...」
栞子「見て回ってるうちにもうこんな時間になっていたんですね」
栞子「そろそろ解散しましょうか」 栞子「...そう言われてもこの中は大体歩き尽くしてしまいましたし」
栞子「...外?」
栞子「確かに少し歩いた所に公園がありますが...」
栞子「...そうですね。少しでしたら問題ありません」
栞子「行きましょう」 .......................
公園
栞子「意外と広いですね」
栞子「はい、公園があるのは知っていましたが来たのは今日が初めてです」
栞子「夕方だからか人も少ないです」
栞子「あそこにベンチがあるので座りましょう」 栞子「疲れましたね」
栞子「えぇ、ほとんど歩き通しでしたから」
栞子「私と買った服、ちゃんと着てくださいね」
栞子「...そうですか。楽しめたのなら良かったです」
栞子「...私?」
栞子「わたしは...」
栞子「.......」
栞子「大変でした」 栞子「あなたと一緒ですと楽しい云々よりもそういった気持ちの方が勝ります」
栞子「そうです。もう少し落ち着いてものを考えるようにして下さい」
栞子「...? どうしました?」
栞子「...そうですね。今言った通りあなたといると大変です」
栞子「...!」
栞子「いえ...迷惑というほどでは...」 栞子「...それは...確かにそう言いましたが...」
栞子「...嫌われてるんじゃないかと不安だと...」
栞子「......」
ガサゴソ
栞子「見て下さい」
栞子「今日あなたに買って頂いた髪飾りです」
栞子「私の後ろ髪に付けていただけますか?」
栞子「はい、お願いします」 栞子「付け終わりました?」
栞子「それではお聞きしますが」
栞子「嫌いな相手に買って頂いた髪飾りをこんな抵抗もなく付けると思いますか?」
栞子「一緒に服を見て回ったりしますか?」
栞子「恥を晒してあーん、なんてすると思いますか?」 栞子「先程はあなたといると大変だと言いました」
栞子「それも本心ではあります」
栞子「しかしあなたを嫌う気持ちは湧き上がってきません」
栞子「不思議と不快な気分にはならないんです」
栞子「だからあなたがそんな事で不安になる必要など無いんです」
栞子「それに、そんな自信の無い表情はあなたには似合いません。ですから...」
栞子「いつもみたいに笑って下さい」 栞子「私もあなたに対しては...」
栞子「まぁ...友人くらいには思えるようにはなりました」
栞子「......」
栞子「どうですか?少しは気分が晴れましたか?」
栞子「...!!?」
栞子「え...!どうして泣いて...」
栞子「と、とりあえずハンカチを...」 ...............................
栞子「落ち着きました?」
栞子「いきなり泣き出すんですから私も少しばかり慌ててしまいました」
栞子「...そうですか。安心したのでしたら良かったです」
栞子「私もあなたに余計な心配をかけて申し訳ありませんでした」
栞子「...おあいこ?」
栞子「いえ、私の方が割を食ってますね」
栞子「...そうです。そんな風に笑っていてくれた方が私の方も安心して憎まれ口を叩けるんです」 栞子「...写真?」
栞子「お昼も言いましたがまだ駄目です」
栞子「...友人なんだからそれくらいする?」
栞子「...っ」
栞子「あなたも随分口が回りますね...」
栞子「駄目です」
栞子「お昼に撮ったでしょう」
栞子「確かに消しはしましたが...」 栞子「...私の携帯?」
栞子「いや、あなたの携帯で撮らないと意味が無いのでは?」
栞子「...髪飾りを付けた写真...」
栞子「そうですね。私の携帯でしたら良いです」
栞子「はい、お願いします」 栞子「この角度で大丈夫ですか?」
栞子「それではお願いします」
パシャ
栞子「ありがとうございます。写りはどうですか?」 栞子「...良い感じですね」
栞子「夕日が映えて綺麗に写っています」
栞子「...あなたにはまだあげませんよ」
栞子「この写真が欲しいならもっと私を楽しませられるようになって下さい」
栞子「そうです。まだまだです」 ............................
駅
栞子「それではここで...」
栞子「はい、お疲れ様です。また月曜に」 栞子「......」
栞子「はぁ、今日も色々と疲れました」
栞子「...楽しかったです」 おつおつ、この栞子はいつスクスタに実装されますか?
>>391
ワンゲル部を無闇に巻き込むなwww この栞子様はギャルゲーなら人気上位常連になれる可愛さ >>395
でも1週目じゃ絶対攻略できないキャラっぽい
そういうところ含めて好きだけど -----------------------------
昼休み 生徒会室
栞子「...あの」
栞子「一つお聞きしたいことがあるのですが」
栞子「私って不愛想ですか?」 栞子「......」
栞子「何ですかその顔」
栞子「いえ、今日の朝あなたと別れて自分の靴箱へ向かったのですが」
栞子「そこで...何故か私の上履きにパンを入れようとしてる人がいたんです」
栞子「その人は私の知っている方でしたので何をやってるかのか聞きました」
栞子「ただ...」
栞子「聞いている内にその子が泣いてしまって...」 栞子「あの子とは色々とありましたので嫌われてるのは分かるのですが」
栞子「泣くほどのものだったのでしょうか」
栞子「......」
栞子「...怖がられてる?」 栞子「確かにその子の前では笑ったことなどは無いです」
栞子「そもそも笑顔を見せるような関係ではありませんし...」
栞子「...笑った方が良い?」
栞子「しかし楽しくもないのに笑うのは変です」
栞子「...だから不愛想に見えると」
栞子「え?ここで?」
栞子「しかし...」
栞子「...笑う練習、ですか?」 栞子「......」
栞子「分かりました。それでは...」
栞子「こ、こうですか?」ニコォ
栞子「...目が笑ってなくて余計怖い?」
栞子「......」
栞子「なら良いです」
栞子「無理に笑顔にならずとも困る事なんか無いはずです」
栞子「怒ってません」
栞子「謝らなくて良いです」
栞子「怒っていませんから」 ...........................
栞子「御馳走様でした」
栞子「あの...」
栞子「まだお腹に余裕はありますか?」
栞子「いえ、実はコッペパンがあるんです」
栞子「先程言った子が、靴箱に入れようとしていたパンです」
栞子「食べてみたのですが意外と美味しかったのであなたもどうですか?」
栞子「...いえ、上履きに入れようとしていただけで実際には入れてないので大丈夫です」
栞子「それに袋が二重になっているので汚れてはいないはずです」 栞子「そうですか。それではどうぞ」
栞子「......」
栞子「やはり美味しいですよね」
栞子「あの子にはパン作りの才能があると思うんです」
栞子「料理研究会に入ってライフデザイン科の方達と腕を磨くべきだと考えているのですが...」
栞子「私の言う事をまったく聞いてくれません」 栞子「...はい、無理にやらせるのは駄目だと分かってるのですが」
栞子「どうもあの子たち相手だとどうしても...」
栞子「...だから笑顔の話はもういいです。しつこいですよ」
栞子「あなたと違って私には難しいんです」
栞子「ほら、もうすぐ授業が始まります。教室に戻りますよ」 今日はここまでです。
あと
こんなシチュエーション書いて欲しいなぁ、等のリクエストがあれば
コメントして下さい。
ネタを提供してくれると嬉しいです。
書けそうなものでしたら書かせて頂きます。 今日も乙
手垢ですが雨の日に傘に入れてくれる栞子さんが見れるスレがあれば教えていただきたいです 乙です
風邪をひいて看病してくれるしおりんと風邪が移って看病されるしおりんお願いします 会えない日が続いてもやもやする栞子ちゃんとかどうでしょうか 夢にあなたが出てきて悶々とする栞子とかどうでしょうか おつおつ
2人でカラオケ行く栞子ちゃんとかどうですかね ほんとはだめなのに寒いからコンビニでにくまん買い食いしちゃうふたりとか かすみん以外にも同好会メンバーに愚痴る栞子とか見たいですね 申し訳ないですが今日は書けそうにないです
レスありがとうございます。幾つかは書けそうなので、書かせて頂きます。
シチュのリクエストは随時募集してますので何か希望があればレスしてくれれば嬉しいです 主人公がインフルエンザにかかって学校休んでたら休み明けに普段の何倍も説教してくる栞子ちゃん(でもどこか嬉しそう)
みたいなの読みたいですね 好きな時に書いてくれればええんやで
シチュも投げとくわ、捨て猫と戯れる栞子さん 同好会のメンバーとの絡みがあってもいいかな
このまま二人だけの世界でも構わないけど このまま笑顔の練習していっていつもの様に同好会に乗り込んだ時に練習の成果が出て皆が驚く的な
それを指摘されて顔が赤くなるしおりん --------------------------
放課後
栞子「お待たせしました」
栞子「...どうしました?そんな苦い顔をして」
栞子「外...雨ですね」
栞子「分かりました。傘を忘れたんですね?」 栞子「もちろん分かりますよ。外を見ながらそんな表情をしていたんですから」
栞子「朝の天気予報見なかったんですか?夕方は傘が必須と言っていましたよ?」
栞子「...でしょうね」
栞子「天気予報を見た時何となくあなたのことが頭に浮かんだんです」
栞子「あなたなら傘を持って来ない可能性が高いだろうなと」 栞子「さぁ、帰りますよ」
栞子「ほら、傘の中に入って下さい」
栞子「...どうしました?早くして下さい」
栞子「...傘?」
栞子「別にいいですよ。私が持ちます」
栞子「...分かりました。それではお願いします。」
栞子「折畳み傘で取手が少し持ちづらいので気をつけて下さい」
栞子「はい、それでは帰りましょう」 .................................
栞子「......」
栞子「あの...」
栞子「この、あなたに買って頂いた髪飾り...」
栞子「同じクラスの方から似合うと言われました」
栞子「えぇ、綺麗だと」
栞子「可愛いとも言って頂けました」
栞子「はい、今までそういう事を言われたことが無かったので少し驚きました」
栞子「むずむずしますね」 栞子「...いえ、あなたには言われ慣れてるので何か違う気がします」
栞子「クラスメイトから言われた方が嬉しかったです」
栞子「何度も可愛いと言われれば嬉しさも薄まってしまいますよ」
栞子「えぇ...ただ」
栞子「あなたから言われた時でも不思議と嬉しい時があるんです」
栞子「...!」
栞子「...いえ、別にそういうわけでは...」
栞子「何故こんな事を本人の前で...」ボソッ 栞子「......」
栞子「ほら、ちょっとくっつきすぎですよ」
栞子「少し離れて下さい」
栞子「まったく...」 栞子「...あ」
栞子「何だか雨が強くなってきましたね」
栞子「駅まで急ぎましょう」
栞子「それにしても雨の日は寒いですね」
栞子「えぇ、スカートですので余計に...」
栞子「...いえ、ジャージを履くのはちょっと...」
栞子「生徒会長として恥ずかしい恰好はできません」 栞子「...どうしました?何だか落ち着きが無いように見えるのですが...」
栞子「!」
栞子「肩...」
栞子「......」
栞子「少し離れすぎですよ」
栞子「あなたの肩に雨が掛かってるじゃないですか」
栞子「コートが駄目になってしまいます」
栞子「少しお互いに寄りましょう」
栞子「多少きついのは仕方がないです」
栞子「もうすぐで駅なんですから我慢して下さい」 栞子「......」
栞子「先程私が離れるように言った事で気を使って頂いたのは理解できます」
栞子「しかしそれによってあなたに面倒を掛けてしまうのは私の本意ではありません」
栞子「私でも気が付かないことがあるんですからちゃんと言ってくれないと困ります」
栞子「そうです。余計な気遣いは無用ですよ」
栞子「ただ...感謝はしています」
栞子「...この話は終わりです。もっと早く歩いて下さい」
栞子「風も強くなってきたのでスカートがびしょびしょになってしまいます」 >>432
拾ってくれてありがとう
求めていたものを完璧に提示してくれて感謝しかない
栞子さん愛してる 公式のネガキャンじゃないけどさ
現在のしおりんってプレイヤー目線で見ると嫌なやつなわけじゃん
だからスクスタのストーリー配信されるの楽しみなのと同時にストレスな部分もあったんだけど
このスレを読んで、しおりんも同好会側から見える一面だけじゃなくて、こうやって友達と遊んだり、色んな背景があるんだなって思うと公式のしおりんも好きになれた
というかむしろ主人公としおりんの関係性好きすぎて主人公に存在が自分にとって公式みたいな感じ ----------------------------
朝
栞子「おはようございます」
栞子「行きましょうか」 >>1です
申し訳ないですが今日は投稿するのが難しそうです 急がなくて良いよ
出来るときに頑張ってくれたら嬉しい キズナエピソードで栞子の穏やかな表情見てここの栞子を思い出した りなちゃんの絆エピソード最新話のループから抜け出せない ----------------------------
某日 放課後
栞子「お待たせしました」
栞子「えぇ、行きましょう」 栞子「最近風邪が流行っていますね」
栞子「えぇ、私のクラスメイトの方も何人か休んでいます」
栞子「私たちも風邪をひかないようにしなければいけませんね」
栞子「えぇ、私は手洗いうがいをしっかりしています」
栞子「あなたの方もその辺りは気をつけて下さい」
栞子「風邪をひいて私にうつされても困りますから」 栞子「あ...」
栞子「...は」
栞子「クチュン」
栞子「......」
栞子「いえ、今のくしゃみは寒いから出ただけです」
栞子「特にここ数日は寒い日が続いてますから」
栞子「...何ですかその顔は」
栞子「言いたいことがあるならはっきり言ったらどうですか?」
栞子「そうです。寒いだけです」 栞子「...え?」
栞子「寄りたい所?」
栞子「下校中の不要な寄り道はあまり褒められる事では無いと思うのですが」
栞子「...確かに校則には厳密に禁止と書かれてはいませんが...」
栞子「そんな事を調べる暇があるなら勉強でもしたらどうですか?」
栞子「...分かりました。短時間でしたら認めます」
栞子「それで、何処に行くんですか?」 ............................
栞子「......」
栞子「何処に行くかと思えば」
栞子「コンビニじゃないですか」
栞子「何を買うんですか?」
栞子「特別なようが無い限り買い物も...」
栞子「...? ここで待っててって...あっ...!」
栞子「入っていってしまいました」
栞子「はぁ...」
栞子「待ちましょうか」 ..........................
栞子「...それで」
栞子「寄り道をしてまで買ったものがそれですか」
栞子「あんまんなんかのために...」
栞子「...肉まん?そんな事はどうでも良いです」
栞子「付き合った私が馬鹿でした」
栞子「寄り道ですら余り良いことではないのに、ましてや買い食いをするなんて...」 栞子「...私? いりません」
栞子「生徒会長の立場として他の生徒達が見ていなくとも、そういった事に加担するつもりはありません」
栞子「どうぞ、お一人で食べて下さい」 栞子「...えぇ、確かに先程寒いとは言いましたが...」
栞子「もしかしてその為に?」
栞子「...半分くらい、ですか」
栞子「......」
栞子「そこは全て私の為と言って欲しかったですね」
栞子「...分かりました」
栞子「少しだけ御馳走になります」
栞子「あなたと一緒にいるには諦めも必要だという事が分かってきました」
栞子「えぇ、お願いします」 栞子「...? 何をやってるんですか?」
栞子「...!また...!?」
栞子「あーん、はこの前やったじゃないですか...!」
栞子「その手を早く引っ込めて下さい」 栞子「......」
栞子「うぅ...」
パクッ
栞子「...早く残りの分も下さい」 .........................
栞子「久しぶりに食べましたがやはり美味しいですね」
栞子「えぇ、肉まんが嫌いな方なんてほとんどいないと思います」
栞子「半分くらいでしたら夕御飯に影響する事も余り無さそうです」
栞子「...会長の立場云々については何も言わないで下さい」
栞子「そもそもあなたが買ったから食べる事になってしまったんです」
栞子「ふんっ...」 栞子「...そういえば」
栞子「学園の購買部にも肉まんが売っていましたね」
栞子「はい、学園内の調理場で作っているので出来立てが食べられるらしいです」
栞子「せっかくですので今度買いに行きましょう」
栞子「昼休みは混んでいるので二人で協力しないと買えないかもしれません」
栞子「そうです。あなたにも協力して頂きます」
栞子「買えたら二人でゆっくり食べましょう」 今日はここまでです
公式のしおりんで幸せになれました 今日もありがとう
先にこのスレで耐性付けてなかったら即死だったよ 断りきれずあーんされてしまうしおりんがかわいすぎる かわいい!
にくまん買い食い拾ってくれてありがとう ----------------------------
朝 駅前
栞子「......」
栞子「遅いですね」
栞子「いつもなら先に来ているはずなのですが」
ピコンッ
栞子「!」 栞子「LINE?」
栞子「何でしょうか...?」
栞子「......」
栞子「風邪?」
栞子「大丈夫でしょうか...?」
栞子「返信してみましょう」トントン ピコンッ
栞子「!」
栞子「返信早いですね」
栞子「...朝起きたら熱が出た...」
栞子「結構高くなってますね」
栞子「お大事にして下さい、と...」トントン
栞子「そうなると今日は一人ですか」
栞子「......」
栞子「静かですね」
栞子「今日はゆっくり出来そうです」
栞子「......」
栞子「学校へ向かいますか」 .............................
生徒会室
栞子「ふぅ...」
栞子「予定よりも仕事が早く終わってしまいました」
栞子「いつもはあの方がいるので話しているといつも授業ギリギリになっていましたが...」
栞子「結構時間が余っていますね」
栞子「......」
栞子「教室に行きますか」 ----------------------------
昼休み 生徒会室
栞子「......」モグモグ
栞子「少しは熱が下がったんでしょうか?」
栞子「...連絡してみましょう」トントン ピコンッ
栞子「!」
栞子「...全然みたいですね」
栞子「昼の分の仕事も終わってしまいましたし...」
栞子「...返信しておきましょうか」
栞子「早く元気になって下さい...」トントン
栞子「放課後の分の仕事も進めておきますか」 --------------------------
放課後 生徒会室
栞子「やはりあの方がいないとスムーズに作業が出来ます」
栞子「いつもより早く仕事が終わってしまいました」
栞子「はぁ」
栞子「今日は特にやる事は残っていませんね」
栞子「......」
栞子「暇ですので同好会の様子でも見に行きましょうか」
栞子「何か落ち度を見つけたら潰しましょう」 --------------------------
帰り道
栞子「はぁ...」
栞子「やはりあの部長は手強いですね」
栞子「何を言っても反論してきます」
栞子「以前のテストも全員60点以上取っていましたし...」
栞子「少し時間がかかりそうですね」 栞子「......」
栞子「熱は下がったのでしょうか...」
栞子「聞いてみましょう」トントン
ピコン
栞子「......」
栞子「結構下がったみたいですね」 栞子「この分だと明日は学校に来れそうですね」
栞子「また騒がしくなりそうです」
栞子「久しぶりにお弁当のおかずでも分けてあげましょうか」 *************************
栞子「おはようございます」
栞子「風邪の方は治りましたか?」
栞子「えっ?」
栞子「治ってない?」
栞子「...!」
栞子「治ってないならどうして...」 栞子「あ、ちょっと...大丈夫ですか...!?」
栞子「...!倒れて...!」
栞子「しっかりして下さい!」
栞子「...!」
栞子「意識がない...!?」
栞子「私の声が聞こえますか!?起きて下さい!」 栞子「誰かいませんか!?人が倒れてしまったんです!」
栞子「...!」
栞子「何でこんな時に誰も...」
栞子「そうだ...携帯で救急車を...」
栞子「...!無い?どうして!?」 栞子「どうしよう...このままじゃ...!」
栞子「ねぇ!起きて下さい!お願いします!!」
栞子「死んじゃ嫌っ!逝かないで下さい!!」
栞子「ひとりにしないで...!」 *************************
栞子「...!」バッ
栞子「えっ...?」
栞子「...夢?」
栞子「時間は...」
栞子「まだ夜中...」
栞子「携帯は...」
栞子「...特に連絡は無いです」 栞子「どうしてあんな夢を...」
栞子「......」
栞子「風邪の方は大丈夫でしょうか...」
栞子「もしかしたらまた酷くなって...」
栞子「連絡は...流石にこの時間は駄目ですね...」
栞子「家を出る時間くらいに連絡するしかないです...」 栞子「うぅ...」
栞子「嫌な夢でした...気持ち悪いです」
栞子「汗も凄い...」
栞子「...着替えますか」
栞子「朝までまだ時間はありますね」
栞子「寝られるでしょうか...」 かわいい
その日はお弁当のおかずをいっぱいくれて「どこにも行かないでくださいね」とか言われたい --------------------------
朝
栞子「......」
栞子「はぁ...」
栞子「あれからほとんど寝られませんでした」
栞子「朝御飯を食べる気力もありません」
栞子「...そろそろあの人も起きてるかもしれません」
栞子「連絡してみましょう」トントン
栞子「......」 ピコンッ
栞子「!」バッ
栞子「......」
栞子「今日も休み?」
栞子「そんな...」
栞子「熱がまだあるのでしょうか」
栞子「...そもそも」
栞子「本当に風邪なのでしょうか...」 栞子「......」
栞子「電話...」
栞子「風邪で休んでる相手にするのは失礼でしょうか...?」
栞子「...でも」
プルルルルル
栞子「もしもし。私です」
栞子「はい、おはようございます」 栞子「朝早くに申し訳ないです」
栞子「先程の連絡で今日も休むとありましたが...」
栞子「...まだ熱が下がらない」
栞子「病院には行きましたか?」
栞子「...そんなに酷くないから行ってない...」
栞子「......」
栞子「あの」
栞子「一応ですが病院の方に行ったらどうでしょうか?」 栞子「いえ、特に理由は無いのですが...」
栞子「もしかしたらただの風邪ではないかもしれないです」
栞子「念の為に行った方が良いのではないでしょうか」
栞子「...心配し過ぎ?」
栞子「そうでしょうか...」 栞子「明日は学校に来れそうですか?」
栞子「...それなら、まぁ...」
栞子「...心配?」
栞子「いえ、心配とかでは...」
栞子「......」
栞子「もし私が心配していたとしても、あなたの気にする事ではありません」
栞子「それよりも今日はゆっくり休んで下さい」
栞子「休んでる所すみませんでした」
栞子「はい、それでは」 栞子「......」
栞子「はぁ」
栞子「少し安心しました」
栞子「もしかしたら、と不安でしたが」
栞子「杞憂になりそうです」
栞子「時間は...まだ余裕がありますね」
栞子「朝御飯を食べてしまいましょう」 栞子「...でも」
栞子「どうも一抹だけ心配が残ります」
栞子「できれば顔を見たいのですが...」
栞子「家に押しかけるのは流石に...」
栞子「それに心配だから来た、と言うのはどうも癪です」
栞子「どうしましょうか」 栞子「...! それなら...」
栞子「直接会えるかどうかは分かりませんが...」
栞子「とりあえず登校したら職員室に行きましょう」 どんどん可愛くなってる
普通にこんなに心配してくれる友達とか欲しい -------------------------------
あなた家
栞子「......」
コンコン
栞子「失礼します」ガチャ
栞子「お疲れ様です。具合はどうですか?」
栞子「そうですか。熱は下がりました?」
栞子「...それなら明日は学校に来れそうですか?」
栞子「...なら良かったです」 栞子「...はい、あなたのお母様に風邪をうつされるからと言われましたが」
栞子「こちらの、お見舞いの品を持ってきたので少しだけ会う事になりました」
栞子「それと...」
栞子「先生から預かったプリントです、どうぞ」
栞子「そうです。先程連絡したではないですか」 栞子「...? どうしました?」
栞子「...別に急ぎでなくても良い内容?」
栞子「......」
栞子「私は先生から頼まれて持ってきただけなので中身は知りません」
栞子「それよりもお見舞いの品ですが...」
栞子「蜜柑と桃を買ってきました」
栞子「桃は後でお母様に剥いてもらって下さい」
栞子「いえ、礼には及びません」 栞子「今日は一日ゆっくりしてたのですか?」
栞子「...携帯をいじるくらいなら寝てて下さい」
栞子「また熱が上がってしまいますよ」
栞子「普段もそんなに携帯をいじってるんですか?」
栞子「少しは勉強や読書などもするべきだと思います」 栞子「...まぁ、確かにあなたには読書が似合いません」
栞子「ですが読んでみると結構楽しいものですよ」
栞子「...私?」
栞子「えぇ、たまにではありますが読んでいます」
栞子「いえ、特に好きなジャンルはありません」
栞子「評論や小説など色々読みます」 栞子「あなたの方は興味のあるジャンルなどはあるんですか?」
栞子「...恋愛もの?」
栞子「...普通、ですね」
栞子「はい、想像通りです」
栞子「もう少し視野を広めるために他のジャンルも読んだ方が良いです」
栞子「...そうですね。そもそも読んでないのですから好きなジャンルから入った方が良いのかもしれません」 栞子「いえ、私は恋愛小説は読んだことはないです」
栞子「...今まで興味が出なかっただけです」
栞子「読んだところで学ぶ事が余り無さそうな気がするので」
栞子「...まぁ、いすれ機会が来たら読もうとは思います」 栞子「長居すると体にひびきそうなのでそろそろ失礼させて頂きます」
栞子「えぇ、明日また駅前で...」
栞子「携帯をいじるのもほどほどにしてくださいね」
栞子「それでは」 ...............................
栞子「元気そうでしたね」
栞子「あれなら大丈夫そうです」
栞子「はぁ...」
栞子「一気に疲れがきました」
栞子「寝不足ですし今日は早めに休みましょう」
栞子「......」
栞子「恋愛小説、ですか...」 これはいつかしおりんにも恋愛小説から学ぶべきものが生まれる兆しですね… ------------------------------
翌日
栞子「けほっ、けほっ」
栞子「...風邪」
栞子「ひいてしまいました...」
栞子「熱もかなり高くなってます」
栞子「昨日のお見舞いでうつされたのでしょうか...」
栞子「...何だか自分が情けなく思えます」 栞子「学校の方は休みましょう」
栞子「この程度でしたら一日で良くなるはずです」 栞子「......」
栞子「はぁ...」
栞子「今日はあの人は学校に行くみたいですが...」
栞子「結局会えそうにないですね」
栞子「...もし」
栞子「お見舞いに来てくれたら...」 栞子「...!」
栞子「何を考えてるのでしょうか」
栞子「それでまたあの人が風邪をひいてしまったら...」
栞子「私が迷惑極まりない人間になってしまうじゃないですか」
栞子「お見舞いには来なくていいと書いておきましょう」 栞子「...でも」
栞子「もし来てくれたら...」
栞子「......」
栞子「寝ましょう」
栞子「今日の分の生徒会の仕事も明日にやらないといけません」
栞子「とにかく安静にして体を治しませんと」 .............................
夕方
栞子「すぅ...すぅ...」
ガチャッ
栞子「ん...」
栞子「...? ドアの音...?」
栞子「お母様ですか...?」 栞子「......」
栞子「ひゃっ...!」
栞子「な、何であなたがここに...!?」
栞子「だ、駄目...寝起きの顔見ないで...」
栞子「...っ」
栞子「と、とにかく少し部屋の外に出てて下さい...」 ...........................
栞子「......」
栞子「それで、どうして勝手に私の部屋に入っていたんですか?」
栞子「当たり前です。家族以外の人がいたら驚きます」
栞子「...お母様が?」
栞子「本当ですか?同じ学校の生徒だとしても私に会わせるのはどうかと思うのですが...」 栞子「...あなたの事を知っていた?母がですか?」
栞子「...あ」
栞子「いえ、分かりました。それ以上は言わなくて大丈夫です」
栞子「だから言わなくて良いです」
栞子「別に母にあなたの事はそれほど詳しくは話していません」
栞子「手間の掛かる知り合いだと言っただけです」
栞子「...違います。頻繁になど話していません」 栞子「それよりも、何か用があって来たんではないのですか?」
栞子「...お見舞い?」
栞子「お気持ちは嬉しいですが...今度は私から風邪をうつしてしまいます」
栞子「...いえ、免疫が出来たとしても同じ風邪にかかる時もあります。油断しないで下さい」
栞子「...? 何をしてるんですか?」
栞子「お見舞いの品?」
栞子「わざわざ買って頂いたんですか?」
栞子「ありがとうございます」 栞子「ちなみに何を買ったんですか?」
栞子「...スポーツドリンク?」
栞子「今日の朝に母が2Lを3本ほど買ってきてくれましたね」 栞子「...他にもある?」
栞子「...レトルトのお粥ですか」
栞子「御飯も基本的に母が作ってくれていますので、風邪をひいている間は食べる事は無いと思います」 栞子「......」
栞子「私が昨日、あなたのお見舞いで果物を持って行ったのはそれが理由です」
栞子「飲み物やお粥等は既にあると思ったので、おやつ代りで食べられそうなものを持って行ったんです」
栞子「......」
栞子「ふふっ」
栞子「あなたの好意はアテが外れる事が多いですね」 栞子「...? まだある?」
栞子「他に何を買ったんですか?」
栞子「...本?」
栞子「...あっ、それは...」
栞子「最近話題になっている恋愛小説ですよね」
栞子「家の近くの本屋の特集コーナーで売っていました」
栞子「...詳しい?それはそうです」
栞子「私も同じ本を持っていますから」 栞子「はい、昨日のお見舞いの後に本屋に行ってみたら、ふと目についたので買ってみたんです」
栞子「えぇ、こちらにあります」
栞子「またアテが外れてしまいました。残念ですね」
栞子「...いえ、持って帰らなくて良いですよ」
栞子「私の方と交換しましょう」 栞子「せっかく買って頂いたんですから受け取らないのは失礼です」
栞子「私が買った方はあなたに渡します」
栞子「はい、あの時恋愛小説には少し興味があると言っていたでしょう」
栞子「良い機会だと思って読んでみたらいかがですか?」
栞子「えぇ、それではどうぞ」 栞子「...そうですね」
栞子「昨日今日で同じ本を買うなんて凄い偶然です」
栞子「いえ、それは違いますね」
栞子「あなたと私のセンスが同じであるはずがありませんから」
栞子「そうです、偶然ですよ」
栞子「...ただ、あなたがそう思えるのでしたらそう思って良いと思います」 栞子「...あっ、もうこんな時間ですね」
栞子「えぇ、あまり長居すると本当に風邪をうつしてしまいます」
栞子「今日はありがとうございました」
栞子「明日は学校に行けると思います」
栞子「はい、お疲れ様です」
栞子「おやすみなさい」 .........................
栞子「......」
栞子「来てくれました...」
栞子「しかもお互い知らずのうちに同じ本を...」
栞子「偶然、なんでしょうか...」
栞子「......」
栞子「偶然ではなかったら、嬉しいです」
栞子「...!」
栞子「...いえ、嬉しくなる理由など無いはずです」
栞子「私は何を考えて...」 栞子「そういえば、朝と比べると体が楽になったような気がします」
栞子「熱も下がってますね」
栞子「念の為にもう少し寝ましょう」
栞子「明日は絶対学校に行きます...!」 ----------------------------
あだ名
栞子「呼んでほしいあだ名?」
栞子「いえ、別に無くていいです」
栞子「今まで通り名前で呼んでくれて構いません」
栞子「...他の人から?」
栞子「クラスメイトからは基本は三船さんか栞子さん呼びですね」
栞子「家族からは...」
栞子「父と母からはしおりと呼ばれています」
栞子「栞子ですと少し言いづらいようなので子を抜いているんです」 栞子「...新しい呼び方?」
栞子「正直興味はありませんが...例えば何ですか?」
栞子「しおりん?」
栞子「却下です」
栞子「単純に私には似合いません。可愛すぎです」
栞子「あなたにそう呼ばれるのを想像するとむずむずします」 栞子「他には無いのですか?」
栞子「...しおちゃん?」
栞子「駄目です。しおりんより酷くなってるじゃないですか」
栞子「もっと呼ばれても恥ずかしくないようなあだ名を考えて下さい」
栞子「...しぃちゃん」
栞子「みぃちゃん...」
栞子「あの...」
栞子「ふざけてます?」 栞子「ふざけてないならもう少しまともなあだ名を考えて下さい」
栞子「どれもこれも私には可愛すぎるものばかりです」
栞子「...可愛い方が良い?」
栞子「どうしてですか?」
栞子「...!」
栞子「じ、実際に可愛いから...?」
栞子「またあなたはそんな事を平然と...」 栞子「......」
栞子「分かりました」
栞子「もうあだ名を決めるのはあなたに任せます」
栞子「結局私の事を何と呼びたいんですか?」 今日はここまでです
「しおりん」「しおちゃん」「しぃちゃん」「みぃちゃん」
↑栞子ちゃんのあだ名で、これが良いなと思ったものがあればコメントしてくれると嬉しいです。
上記以外の他にも良いあだ名もあればコメントお願いしたいです。 アナログバッファローが似合ってないこともないから困る > 栞子「結局私の事を何と呼びたいんですか?」
し お り こ しぃちゃん、って言って照れてるところにしおりこって呼んで、もっと追い打ちかけたい 栞子「...しぃちゃん、ですか」
栞子「よりにもよって一番私に似合わないのを...」
栞子「...お世辞は良いです」
栞子「先程も言いましたが可愛すぎるんです」 栞子「...だからお世辞はいいと言っているでしょう」
栞子「...っ」
栞子「連呼しないで下さい...」
栞子「だから止めて下さいと...!」
栞子「だ、駄目です...!」
栞子「や、止めて...っ!///」
栞子「...!」
栞子「え? 止める...?」 栞子「い、いや...あの...」
栞子「止めるんですか?」
栞子「...いえ、止めてとは言いましたが...何というか...」
栞子「...? 条件?」
栞子「あだ名を止める代わりの条件、という事でしょうか?」
栞子「...また碌でもない条件を要求してくるんでしょう」
栞子「呑むつもりはありません」 栞子「...え?」
栞子「呼び捨て?」
栞子「はぁ...あだ名に比べたら特に問題はありませんが...」
栞子「普通に今までと同じちゃん付けでは駄目なんですか?」
栞子「...まぁあなたが呼びたいのでしたらご自由に」
栞子「どうぞ、呼んでみて下さい」
栞子「...!!///」 栞子「え...?何か声の雰囲気が...え?//」
栞子「あ...」
栞子「...っ//」
栞子「だ、駄目です!」
栞子「呼び捨てだけは絶対に駄目です...!」
栞子「......」
栞子「分かりました...しぃちゃんで良いです」 栞子「呼び捨てをされる位ならあだ名で呼んで下さった方がまだ耐えられます...」
栞子「はぁ...」 栞子「...違います。可愛いから嫌だと何度も言っているでしょう」
栞子「あなたは良くても私が恥ずかしいんです」
栞子「...いえ、慣れる気がしません」
栞子「......」
栞子「あの...」
栞子「一つ聞いて良いですか」
栞子「私の何処が...可愛いと思ってるんですか?」 栞子「いえ、自分の事を可愛いとは思ったことが無いので」
栞子「...素直じゃない所?」
栞子「どういうことですか?」
栞子「...!」
栞子「あだ名を付けて頂いたところで嬉しくなどありません...!」
栞子「照れてなどいません...」 栞子「そういう所が可愛いって...」
栞子「本当にあなたはっ...」
栞子「...もういいです」
栞子「これ以上相手にするとキリがありません」
栞子「もうこの話は終わりです」 栞子「......」
栞子「しぃちゃん...」ボソッ
栞子「...いえ、何でもありません」
栞子「それよりも」
栞子「早く慣れたいので呼ぶならもっと呼んで頂いて構いません」
栞子「はい、どうぞ遠慮なく」
栞子「...//♪」 今日はここまでです
色々なコメントありがとうございます。
参考になりました。 しぃちゃん(しーちゃん)って聞くとカレー食べたくなる 最後の♪の破壊力よ…ありがとう、ありがとう。
乙! -------------------------
生徒会室
栞子「......」ジー
栞子「ほら、こっちを向いてください」
栞子「......」
栞子「はぁ...」
栞子「目すら合わせてくれません」 栞子「猫を預かることになったのはいいのですが」
栞子「全く私に懐いてくれません」
栞子「認識すらされてないみたいです」
栞子「ねこじゃらし等は...流石にここにはないですね」
栞子「餌も食べてくれませんしどうしましょう」 栞子「.......」
栞子「猫の鳴き真似をすれば振り向いてくれるでしょうか...」
栞子「......」ジー
栞子「にゃ、にゃあ...」
ガチャ
栞子「にゃ...」
栞子「......」
栞子「入る時はノックくらいしたらどうなんですか?」
栞子「マナー違反ですよ?」 栞子「可愛い鳴き声が聞こえたから思わず?」
栞子「では次から気をつけて下さい」
栞子「...この子猫の鳴き声ですよ」
栞子「えぇ、まだ子猫なこともあって愛らしい鳴き声でしたね」
栞子「いえ、私ではありません」
栞子「私が猫の鳴き真似などするわけがありません」
栞子「...違います」
栞子「それよりも、早く扉を閉めて下さい」
栞子「生徒会室で動物を飼育してるのを他の生徒に見せたくありません」 栞子「...この子ですか?」
栞子「お守りを頼まれたので世話をしてるんです」
栞子「...確かにペットを飼育するのは禁止ですが...」
栞子「里親を見つけるまでは仕方がないので特別に許可を出しているんです」
栞子「そうです。例のあの同好会です」
栞子「まったく...本当に困った方達です」 栞子「...名前?」
栞子「はんぺんというらしいです」
栞子「...毛並みが真っ白だから?」
栞子「どうなんでしょうか。名付け親に聞いてみないと分からないです」 栞子「...? どうしました?」
栞子「...いえ、全然懐いてくれません」
栞子「ずっとそこで寝転んでて、私には全く興味を持ってくれないんです」
栞子「確かあなたは猫を飼っていたんですよね」
栞子「何か猫に懐いてもらう方法など知っていらっしゃるんですか?」 栞子「...猫の鳴き真似?」
栞子「それは私がさっき...いえ、そのような方法は初耳です」
栞子「しかし、それで猫が懐いてくれるとは思えないのですが...」
栞子「まぁ、無駄とは思いますがやってみてはいかがでしょうか?」
栞子「......」
>ω<......
>ω< !
テクテク(((>ω<
栞子「!」
栞子「そんな...寄り付いてる」 栞子「しかも抱きかかえても嫌がってない...」
栞子「私の時は反応すらしなかったのに...」
栞子「どうして...」
栞子「...い、いえ、私は別に触りたくは...」
栞子「......」
栞子「少しだけ抱かせて頂いても良いですか...?」 栞子「あ、ありがとうございます...」
栞子「では...」
栞子「...あ!」
栞子「私が抱こうとしたら逃げてしまいました...」
栞子「やはり私では...」
栞子「......」シュン 栞子「...え?」
栞子「私も猫の鳴き真似をする?」
栞子「それは...あの...」
栞子「...いえ、そこまでして触りたくはありません」
栞子「...私の鳴き真似では反応すらしませんよ」
栞子「...さっきよりも高い声で?」 栞子「だからさっきのは私ではなく...」
栞子「......」
栞子「なぜ高い声なんですか?」
栞子「...なるほど、声を高くした方が猫は警戒しないんですね」 栞子「...からかわないで下さい」
栞子「...認めます。さっきの猫の鳴き声は私でした」
栞子「分かりました。やってみます」
栞子「声を高くするんですよね」 栞子「......」
栞子「にゃあ↑...」
栞子「こ、こっちに来て〜...」
>ω<......ジー
栞子「......」
テクテク(((>ω<
栞子「!」
栞子「あっ...」ダキッ
栞子「や、やりました...」 栞子「本当に抱けました...!」
栞子「よしよし、良い子ですね」
栞子「これならこの子の世話も問題なくできそうです」
栞子「ありがとうございます」 栞子「...え?」
栞子「鳴き真似が可愛かったからもう一回やってほしい?」
栞子「......」
栞子「はんぺん、この人の事を引っ掻いて頂けないでしょうか?」
>ω<ニャー!
栞子「...まったく、隙あらば私の事をからかうのは止めて下さい」 ------------------------------
栞子「遊園地?」
栞子「いきなりどうしたんですか?」
栞子「...割引チケットを貰ったから...」
栞子「家族や他の友人と一緒に行ってはいかがですか?」
栞子「...私と一緒に」
栞子「それなら仕方ないですね」
栞子「あなたが私と一緒に行きたいというなら付き合ってあげます」 栞子「ちなみにどこの遊園地ですか?」
栞子「...AZUNAランド?」
栞子「一応確認しますが...」
栞子「普通の遊園地ですよね?」
栞子「...それなら構いません」 栞子「いつ行きます?」
栞子「...来週の土曜ですか」
栞子「いえ、大丈夫です。何とかその日は空けるようにします」
栞子「それにしてもチケットを譲ってくれるなんて親切な人ですね」
栞子「...昨日若い女性の占い師から貰った?」
栞子「あの...大丈夫なんですか?」
栞子「偽物を渡されてはいませんよね?」
栞子「...まぁ、割引が無くても付き合ってあげますので心配しなくても大丈夫です」
栞子「えぇ、楽しみにしていて下さい」 おつおつ
遊園地デートくらいじゃ全く抵抗しなくなったな 乙、A・ZU・NAランドが不健全という風潮に抗っていこう 乙
自分の都合に合わせていた頃を思い返すと感慨深い 歩夢「レディースアーンジェントルメーンwwwwwww」
3人「アズナランドへようこそ!!!!!」
せつ菜「みなさん!!スクールアイドルは好きですか!?(唐突)」
しずく「アズナランドには愉しいアトラクション(意味深)がいっぱいありますよぉっ♡♡♡(やらしい声)」
せつ菜「ほら!あそこに大人気のジェットコースターがあります!!!(唐突)」
@cメ*◉ _ ◉リ「ホラーハウスもあるよ」
しずく「シアターがおすすめです♡」
歩夢「みんなが笑顔になれる楽しい世界!!アズナランド!!!!」
しおりん「」 ----------------------------
土曜日
栞子「お待たせしました」
栞子「待ちました?」
栞子「そうですか」
栞子「...いつもと雰囲気が違う?」
栞子「何処が違うと思います?」
栞子「言ってみて下さい」 栞子「...私服だから?」
栞子「いえ、それもありますが他にも秘密があります」
栞子「分かりませんか?」
栞子「...当たりです。メイクの方をしてきてみました」
栞子「目立たない程度ではありますが...今日は少しだけ...」 栞子「いえ、普段はしません」
栞子「今年に入って初めてやりました」
栞子「どうです?似合いますか?」
栞子「ありがとうございます」
栞子「あなたならそう言ってくれると思いました」
栞子「えぇ、それでは行きましょうか」 こんな素直になってくれるなんて
付き合った女の子がこんな感じなら最高だわ
しおりんルンルン🎶ってしてそう .............................
AZUNAランド 園内
栞子「割引券、ちゃんと使えましたね」
栞子「占い師の方には感謝しなければいけませんね」
栞子「疑ってしまって申し訳なかったです」
栞子「それにしても...」
栞子「...意外と広いですね」
栞子「もっと小さい所だと思っていました」
栞子「あっ、あそこに看板があります」
栞子「地図が載ってますね」
栞子「近くに行ってみましょう」 栞子「沢山アトラクションがありますね」
栞子「何処に行きましょうか...」
栞子「...私?」
栞子「私、遊園地は子供の頃に行ったきりですので、好きなアトラクションとかは特に無いんです」
栞子「あなたの行きたい所で良いですよ」
栞子「...お化け屋敷?」
栞子「分かりました。そこにしましょう」
栞子「......」
栞子「お化け屋敷ですか...」 栞子「...いえ、子供の頃に入ったことがあるのですが怖くて泣いてしまった記憶があるんです」
栞子「...流石に高校生にもなって泣きはしません」
栞子「所詮は人間が作ったものです」
栞子「それが分かっていれば怖くなどありません」
栞子「あなたこそ怖がって泣いたりしないで下さいよ」
栞子「ほら、行きますよ」
栞子「さっさと入って終わらせてしまいましょう」 ...........................
お化け屋敷前
栞子「......」
栞子「想像していたよりも雰囲気がありますね」
栞子「いえ、大丈夫です」
栞子「先程も言いましたが...」
栞子「この世に本物のお化けなどいるわけないんです」
栞子「作りものだと思えば...怖がる必要なんてないんです」
栞子「あっ...もう入るんですか?」
栞子「......」
栞子「いえ、何でもないです」
栞子「入りましょう」 .........................
お化け屋敷内
栞子「......」
栞子「......」ブルッ
栞子「暗いですね」
栞子「コンセプトは廃病院でしょうか」
栞子「患者の死体の人形のようなものが見えます...」
栞子「......」
栞子「いきなり動き出したりなどは...」 栞子「...いえ、思っていたよりもしっかり作りこまれているので驚いているだけです」
栞子「ただ、暗いので足元が危険です」
栞子「慎重に進みましょう...」
ドンッ
栞子「ひっ...!」
栞子「...今の音は?」 栞子「スタッフの方でしょうか...?」
栞子「道具だけではなく人もいるようですね」
栞子「...人ですよね?」
栞子「...あの」
栞子「あなたは怖くないんですか?」
栞子「さっきから驚いている様子も見られませんが...」 栞子「...怖くないのでしたら私の前を歩いて下さい」
栞子「ほら、早く」
栞子「これなら少し安心できま...」
ダダダダダダッ
栞子「え?後ろから足音が...」
栞子「ひゃあ!?お化けが走って...!!」
栞子「逃げましょう!走って下さい!」
栞子「ちょ...何で止まって...!?」 栞子「早く走って下さい!」
栞子「...え?大丈夫?」
栞子「後ろをもう一回見てって...」
栞子「...止まってる?」
栞子「ずっとこちらを向いて呻いています」
栞子「...よかった」
栞子「これ以上は追いかけて来ないみたいです」
栞子「...今のうちに進みましょう」
栞子「今度は私が前を歩きます」
栞子「あなたは後ろに注意していて下さい」 俺、このお化け屋敷にバイトしたいんだが、どこに行けばいい? ストーリーでしおりんの弱いとこが出始めてる今、心にしみますなあ .............................
栞子「随分進みましたが...」
栞子「出口はまだでしょうか?」
栞子「...中々広いですね」
栞子「!」
栞子「こんなところに生首の人形が...」
@cメ*◉ _ ◉リ 栞子「それに壁に何か書いてあります」
栞子「...ここには激しい恋に苛まれて生まれてしまった哀れな生霊がいます。頭を撫でて魂を鎮めてあげて下さい」
栞子「......」
栞子「絶対にこの人形が動くやつですね」
栞子「...どうぞ」
栞子「...いえ、私はいいです」
栞子「興味がありませんので」
栞子「...そうです。早く撫でてあげて下さい」 ナデナデ
栞子「.......」
@cメ*◉ _ ◉リ
@cメ*◉ ᴗ ◉リ
栞子「あ、笑顔になりました」
栞子「でも目が笑ってないのですごく怖いです」 栞子「......」
栞子「これ以上は何も起こらなそうなので出口へ...」
@cメ*◉ ᴗ ◉リ
||| ドンッ!!
栞子「いっっ!!」
栞子「え?...え?」
栞子「首が飛んで...」
栞子「...下からメッセージが出てきましたね」
栞子「...ありがとうございます。生霊は無事主のもとへ還りました。お礼に出口で写真を受け取って下さい」 栞子「随分アクティブな還り方をしていましたね...」
栞子「あの生霊の主が誰なのか少し気になります」
栞子「それに写真とは...」
栞子「特に撮られた覚えはありませんが...」
栞子「とりあえず外に出ましょうか」 .............................
出口
栞子「はぁ...」
栞子「やっと出られました」
栞子「それで写真というのは...」キョロキョロ
栞子「あっ、あそこでしょうか」
栞子「テレビ画面に色んな方々の...お化け屋敷に入った人たちの写真が写っていますね」
栞子「私たちのは...これですね」 栞子「...よりによって私が驚いてる所を...」
栞子「角度的に人形のそばにあったみたいですね」
栞子「...持って帰る?」
栞子「しかしこの表情を他の方に見せるのは抵抗があります」
栞子「もし学校の他の生徒に見られたりでもしたら...」
栞子「私のイメージが悪くなりそうです」
栞子「...逆?」 栞子「仮に良くなったとしても、こんな顔は見せたくありません」
栞子「......」
栞子「分かりました」
栞子「他の人に見せないならば...」
栞子「ご自由にして下さい」
栞子「えぇ、私はいりませんのであなたが持って帰って良いです」 栞子「...そんなに嬉しがることでもないでしょう」
栞子「...初めて?」
栞子「あぁ...今までは撮られても消してましたね」
栞子「...そうですね。今回は特別に許可します」
栞子「でも、今言ったように他の方には見せないで下さいね」 このジワジワと距離が詰まって行く感覚、好きだ!乙! これはもう、ちょっと冷たい態度を取ったら泣いちゃいそうなところまでハマってるな ..........................
栞子「はぁ」
栞子「何だか凄く疲れました」
栞子「所詮は作り物と油断していましたが、質の方が非常に高かったです」
栞子「あ、もうこんな時間...」
栞子「そうですね。少し早いですがお昼にしましょうか」 ..........................
栞子「良かった。まだ混んではいないようですね」
栞子「席がまだ空いています」
栞子「早くご飯を買って確保しましょう」
栞子「お店は...1店しかないようですね」
栞子「流石にフードコートのように何店舗もあるわけではないようです」
栞子「何があるか見に行きましょう」 栞子「......」
栞子「カレー、ラーメン、丼物」
栞子「オーソドックスなものが揃っていますね」
栞子「他にはスイスパン、コッペパン、もんじゃ焼き...」
栞子「...遊園地らしくないものもありますね」
栞子「あなたはどれにします?」
栞子「...カレーですか」
栞子「私はどうしましょうか」
栞子「このスイスパンというもの...初めて見たのですが日本のものと何が違うのでしょうか?」
栞子「興味があります」
栞子「...そうですね。これを買ってみましょう」 ...........................
栞子「...買ってはみましたが」
栞子「見た目は普通のパンですね」
栞子「一応チーズとチョコのトッピングも頂きました」
栞子「でも最初は何も付けないで食べてみましょう」 パクッ
栞子「......」モグモグ
栞子「...!」
栞子「......」パクッ
栞子「......」モグモグ
栞子「確かに日本のパンとはかなり違います」
栞子「食感がかなり固いですね」
栞子「それと小麦粉の風味が強いです」
栞子「嫌いではありませんが...」
栞子「やはり何か味付けがないと...」
栞子「トッピングも付けてみましょう」
栞子「まずはチョコから...」 栞子「......」モグモグ
栞子「あ...結構合います。美味しいです」
栞子「あなたも食べてみて下さい」
栞子「どうぞ」
栞子「どうですか?」
栞子「...えぇ、あなたもそう思いますよね」 栞子「チーズの方も付けて食べてみましょう」
モグモグ
栞子「こちらも美味しいです」
栞子「...チーズの方も食べますか?」
栞子「はい、どうぞ」
栞子「...そうですね」
栞子「独特の味ですけど癖になるんです」
栞子「少し不安だったのですが買って正解でした」 栞子「...カップルみたい?」
栞子「......」
栞子「いえ、御飯の交換くらいは友人とでもすると思いますよ」
栞子「あなたの勘違いです」 栞子「...そういえば」
栞子「以前に買った恋愛小説の方は読んでみましたか?」
栞子「...全部読み切りましたか」
栞子「途中で読むのを止めたりはしなかったんですね」
栞子「あなたにしてはよくやったと思います」
栞子「えぇ、確かに私も面白い小説だとは思いました」
栞子「友人同士だった二人があるきっかけでお互いを意識するようになる」
栞子「王道なストーリーでしたが心理描写が巧みでしたので私も最後まで読み進めてしまいました」 栞子「ただ...」
栞子「二人は最後は別れてしまったのが残念でした」
栞子「正直な所、あそこだけは理解できませんでした」
栞子「お互いに好き合っているのでしたらずっと一緒にいたいと思うのが当然ではないですか」
栞子「それなのに...もったいないです」 栞子「...合わなかった?」
栞子「確かに...二人の将来の夢が違っていたり、考え方が異なっているのは読んでいて感じてはいましたが...」
栞子「でもそれだけでは別れる理由にならないと思うんです...」
栞子「考え方や進む道が違うからこそ、もっとお互いの事をもっと知って関係を深くしていくべきだと思います」
栞子「せっかく両想いになれたのに...お互いの事を知り切っていないで別れるなんて哀しいです」 栞子「...?」
栞子「どうしました?そんな顔して...」
栞子「...嬉しい?何故ですか?」
栞子「...私の優しい心の奥が見えたような気がしたから...」
栞子「......」
栞子「随分とキザなことを言いますね」
栞子「気のせいですよ」
栞子「この程度でしたら少し親しい相手なら話しています」
栞子「...多分、ですが」 尊い…
そろそろクラスでしぃちゃんが噂になる頃だな .............................
栞子「ふぅ」
栞子「お腹いっぱいですね」
栞子「次はどのアトラクションにします?」
栞子「...ジェットコースターですか」
栞子「...いえ、大丈夫です。ただ...」
栞子「私は初めて乗るので少し不安です」
栞子「......」
栞子「あなたの方は大丈夫ですか?」
栞子「まぁ...あなたが良いなら...」
栞子「行きましょうか」 .........................
ジェットコースター上
カタン...カタン...
栞子「どんどん上がっていきますね」
栞子「風が気持ちいいです」
栞子「...どうしました?」
栞子「...思ったより高い?」
栞子「そうでしょうか?」
栞子「私は逆に想像してたほど高くは感じませんが」
栞子「...顔が青くなってますが大丈夫ですか?」 栞子「...降りたい?」
栞子「そうは言っても、もう後戻りは出来ませんし...」
栞子「あ、そろそろ頂上です」
栞子「覚悟を決めましょう」
栞子「安心して下さい。屍は拾ってあげます」
栞子「...と、スピードが速くなって...」
ゴーッ!
栞子「きゃあぁ〜〜!」 ..............................
栞子「意外と楽しかったです」
栞子「スピードも中々速かったですし、コースも長くて迫力がありました」
栞子「次に来るときも絶対に乗りましょう...!」
栞子「...と言いたい所ですが」
栞子「あの、本当に大丈夫ですか?」
栞子「先程から一言も喋っていないのですが...」 栞子「そんなに怖かったんですか?」
栞子「...怖いなら何故乗ったんですか...?」
栞子「...私の怖がる顔が見たかったから...」
栞子「......」
ペシッ
栞子「自業自得じゃないですか」
栞子「私は普通に楽しめましたよ」 栞子「結局怖がっていたのはあなたの方だけでした」
栞子「あなたの思惑とは逆になってしまいましたね」
栞子「...しかし」
栞子「あなたの気持ちも少しは分かりました」
栞子「あなたの怖がっている姿は見ていて面白かったです」
栞子「あら、ジェットコースターに乗りたいと言ったのはあなたの方ですよ?」
栞子「そんな不満を言われる筋合いはありませんね」
栞子「ふふっ」
栞子「ほら、しゃきっとして下さい」
栞子「次は少し落ち着いたものを...」
栞子「?」
栞子「あれは何でしょうか...?」 栞子「ライブ?をやっているようですね」
栞子「遊園地ってああいうイベントもやるものなのでしょうか...?」
栞子「どんなグループが...」
栞子「...へ?」
栞子「......」
栞子「行きましょう」
栞子「あのライブを見る必要はありません」
栞子「何故彼女たちがあんな所に...」 栞子「...あそこでライブをしているのはスクールアイドルです」
栞子「しかも、よりにもよって私たちの学校のです」
栞子「...特にあそこで声が大きくて人一倍目立っているのが私が会長になる前の...」
栞子「...いえ、何でもありません」
栞子「せっかくの休みなのにあの方たちを見る事になるとは...」
栞子「まったく...」
栞子「行きますよ。まだまだ乗りたいアトラクションがあるんでしょう?」 >>726
気づかなかった
いわれて読み返したら素晴らしい世界が見えた .........................
メリーゴーランド
栞子「馬と馬車がありますね」
栞子「どちらに乗ります?」
栞子「...そうですね。定番の馬の方にしましょうか」
栞子「...あ」
栞子「......」
栞子「あの...」
栞子「やはり馬車の方にしませんか?」 栞子「...いえ、それは...」
栞子「今日はスカートなので...」
栞子「...分かりませんか?」
栞子「...そこは察して下さい」
栞子「...ありがとうございます」
栞子「それでは馬車の方に乗りましょう」 栞子「メリーゴーランドですと馬に乗るイメージしかありませんでしたが」
栞子「馬車の方もこうやって座れるので良いですね」
栞子「えぇ、特に二人で来ると今のように向かい合えますし」
栞子「あっ、動き出しました」
栞子「回るスピードが結構早いですね」
栞子「もちろんジェットコースターのようなスリルはありませんが...」
栞子「その方があなたには合ってるかもしれないですね」 栞子「...からかわないで?」
栞子「駄目です」
栞子「いつもは私の方がいじられることが多いんですから」
栞子「今日は私の方がからかわせて頂きます」
栞子「えぇ、今日くらいは我慢して下さい」 向かい合って座ることに少なからず喜び感じてるんだな .........................
栞子「何だかんだで色々なアトラクションに乗りましたね」
栞子「次は何処に行きますか?」
栞子「それとも...名残惜しいですが夕方ですのでそろそろ帰りましょうか?」
栞子「...最後?」
栞子「そうですね。最後に何かに乗ってから帰りましょうか」
栞子「......」
栞子「それでは観覧車とかどうですか?」
栞子「はい、遊園地の定番ではないですか」
栞子「それなのに今日はまだ一度も乗っていないので...」
栞子「...良いですか?」
栞子「...はい、行きましょう」 ..........................
観覧車
栞子「よい、しょっと」
栞子「動いているので乗るタイミングが難しいです」
栞子「...少しずつ上がっていきますね」
栞子「今日は久しぶりに沢山遊びました」
栞子「普段の休日は生徒会の仕事や勉強で忙しいので...こうやって思い切り遊んだのは数年ぶりかもしれません」
栞子「...楽しかった?」
栞子「そうですか。それなら良かったです」 栞子「...私の方も」
栞子「楽しくはありました...一応」
栞子「えぇ、また来ましょう」
栞子「...段々と遠くの景色が見えてきましたね」
栞子「綺麗です」
栞子「...どうしました?」
栞子「...え?写真?」 栞子「お化け屋敷に入った時に手に入れたでしょう」
栞子「...ちゃんとした写真を撮りたい?」
栞子「遠慮がありませんね」
栞子「一緒に、ですか」
栞子「......」
栞子「それでしたら私もあなたと並んだ方が撮りやすそうですね」
栞子「隣に座ってもよろしいでしょうか?」
栞子「はい、では」 栞子「背景を綺麗に写したいですね」
栞子「この角度からは...逆光になってしまいますね」
栞子「こちらからはどうでしょうか」
栞子「...良い感じです」
栞子「それでは...」
栞子「...? ピース?」
栞子「...やらなければ駄目ですか?」
栞子「...っ」
栞子「...これで良いですか」 栞子「それでは撮りますね」
パシャ
栞子「どうですか?」
栞子「...上手く撮れましたね」
栞子「後で私の携帯の方にも送って下さい」 栞子「...どうしました?」
栞子「...笑顔?」
栞子「別に笑ってなくてもいいじゃないですか」
栞子「...もう」
栞子「だから笑うのは得意ではないんです...」 すごくぎこちない笑顔の写真撮れてるんやろなぁ…
それを照れてそっぽ向きながら「笑うのは得意ではないんです」って言ってる栞子ちゃん想像したら胸がギュンギュンする 二人きりのときだけいつもとは違う柔らかい笑顔を浮かべるんやろ
俺は詳しいんだ 栞子「そういうあなたの方はいつも笑ってますね」
栞子「そんなに笑っていて疲れないんですか?」
栞子「....私と一緒だから、ですか」
栞子「またそういう事を平然と...」
栞子「......」
栞子「以前からお聞きしたかったのですが...」
栞子「何故私の事が好きなんですか?」 栞子「...いえ、そもそも私とあなたは告白される前はほとんど関わりがありませんでした」
栞子「それなのにあの日、いきなりあなたは私に告白してきました」
栞子「だからあなたが私に好意を持つようになった切っ掛けが分からないんです」
栞子「......」
栞子「他人の為に一生懸命になれるところ?」
栞子「どういう事ですか?」
栞子「......」
栞子「それはまぁ...生徒の方達の将来を考えて動いてはいますが...」
栞子「他人の素質を見抜く力が備わっている者として当然の事をしているだけです」
栞子「別に私が優しいからなどではありません...」 栞子「...そんなことない?」
栞子「...そうでしょうか」
栞子「私はあなたに特別優しく接したことはないと思っているのですが...」
栞子「むしろ厳しいことを言ったり、不愛想な態度を取ってしまったりしていた事が多いように思います」
栞子「...そういう所も好き、ですか」
栞子「はぁ...」
栞子「何だか腑に落ちたような、落ちないような変な感覚です」 栞子「ですがあなたの気持ちは理解しました」
栞子「あなたも相当変わってますね」
栞子「他人の為に懸命になる人なんて私以外にもいくらでもいると思うのですが」
栞子「...でも」
栞子「人からそう言って頂いたのは初めてです」
栞子「えぇ、嬉しいです。とても...」
栞子「...そろそろ観覧車が終わりますね」
栞子「降りる準備をしましょう」
栞子「......」 ............................
栞子「今日はありがとうございました」
栞子「高校生にもなって楽しめるか不安でしたが、私の杞憂で良かったです」
栞子「......」
栞子「あの」
栞子「月曜日の放課後の方なんですが...」
栞子「時間は空いてますか?」 栞子「もし空いていたら一緒に行きたい所があるんです」
栞子「...ありがとうございます」
栞子「...いえ、別にそんな仰々しい所ではないので安心して下さい」
栞子「はい、お願いします」
栞子「それでは月曜日にまた...」
栞子「おやすみなさい」 栞子「......」
栞子「写真...」
栞子「表情がぎこちないですね...」
栞子「どうもカメラの前だと緊張してしまいます」
栞子「私もあの人みたいに笑って撮れるようになりたいですね」
栞子「ふふっ」 どうしよう、俺のかわいい度指数が9999で上限だと思ってたら
16000かわいい叩き出したわ…乙! 最高
他人のために一生懸命っていう視点はなかったなー
あなたちゃんに似てるな この間もずっとしぃちゃん呼びなんでしょ?
可愛いが過ぎる… そろそろ他の女子と話をするだけで面倒臭くなる頃合いだぞ!気を付けろよ! こんなにキュンキュン来るSSを連発されたら、こちらの胸も大変な事になるので、たまには休ませて欲しい。
乙です! ---------------------------
月曜日 放課後
栞子「お待たせしました」
栞子「すみません、授業が少し長引いてしまいました」
栞子「...いえ、今日は生徒会の仕事は昼休みに処理してしまったので大丈夫です」
栞子「はい、行きましょう」 ..........................
児童館
栞子「着きました」
栞子「ここでは毎週イベントが開催されていて私達くらいの学生がここの子供たちと遊んだりし
ているんです」
栞子「少し子供たちと遊んで頂くことになると思いますが大丈夫ですか?」
栞子「...えぇ、ちゃんと相手をしてあげて下さいね」
栞子「ふふっ、油断してると泣かれたりしますから」
栞子「それでは入りましょう」
栞子「連絡は入れていますので大丈夫です」 栞子とお子さんは混ぜるな逆に危険!
浄化され過ぎて仕事の取引とか出来なくなるわw
乙! 乙
スクスタのメインストーリーもそろそろ更新入るみたいだしこっちもスクスタも両方楽しみ ..........................
栞子「どうですか?子供たち遊んだ感想は?」
栞子「そうです。それはもう大変ですなんです」
栞子「私も初めの頃はあなたの様にあたふたしてしまいましたから」
栞子「何人かから同時に引っ張られたりして慌てていました」 栞子「えぇ、でも何回か遊んでいると子供たちの事が段々と分かってくるんです」
栞子「その子の性格、好きな事や仕草だったりと沢山の子の色々な部分が見えてきます」
栞子「それに子供の方からも私に話してくれるようにもなって...」
栞子「話してるとあの子たちの良い部分や困っている事、得意なこととかも分かってきます」
栞子「良い部分は褒めてあげて...困っている事は相談に乗って助言をしてあげるんです」
栞子「それで少し経った後また私の所に来て、私の助言の通りにして上手くいったと笑顔で話してくれるんです」 栞子「えぇ、すごく嬉しいですよ」
栞子「そうしてあの子たちの長所を伸ばしてあげて、自分に自信を持ってもらえば...」
栞子「これからのあの子たちの未来はとても明るいものになっていくのだと思います」
栞子「あの子たちにはこの先の人生で後悔して欲しくはありません」
栞子「叶わない夢を追い続けて挫折してほしくはないんです」
栞子「色んな人に応援されてきたのに、才能が無い故に最後は挫折してしまう」
栞子「そしてあの時にああしていれば良かったと後悔してしまう」
栞子「これほど哀しいことは無いと思うんです」 栞子「......!」
栞子「すみません、少し喋り過ぎましたね」
栞子「ただ、あなたには私の考えを少し知って頂きたかったので...」
栞子「今回はわざわざ付き合ってもらったんです」
栞子「えぇ、ありがとうございます」 栞子「...違います」
栞子「あくまでも仲の良い友人だから話すんです」
栞子「的外れなことを言わないで下さい...」
栞子「......」
栞子「嘘です」ボソッ
栞子「...っ//」
栞子「そ、外ももう暗くなり始めてますね」
栞子「あまり長居するのも悪いのでそろそろ失礼しましょう」 ...........................
駅前
栞子「それではここで...」
栞子「はい、今日はありがとうございます」
栞子「えぇ、おやすみなさい」
栞子「......」
栞子「私も...あの人のように素直になりたいです」 今日更新のしおりん可愛すぎた
このスレのおかげでさらに可愛く見えたからほんとうにありがとう ------------------------
生徒会室
栞子「......」
栞子「どうして...」
栞子「どうして皆さんは分かってくれないんでしょうか」
栞子「自分に向いている事をやった方が成功出来るのに」
栞子「将来の役に立つというのに...」
栞子「無駄だと分かっていても、それをやりたいだなんて...」
栞子「私には理解できません」 栞子「......」
ポロッ
栞子「...っ」ポロポロ
栞子「うぅ...」
ガチャッ
栞子「!」
栞子「あっ...」
栞子「こ、これは...」
栞子「み、見ないで下さい...!」 栞子「お願い...出てって下さい...」
栞子「来ないで下さい...!」
栞子「...!」
栞子「ハンカチ?」
栞子「私が泣き止むまで待ってる...?」
栞子「嫌です...こんな顔をあなたには見られたくないです...」
栞子「後ろを向いてる...?」
栞子「絶対に出て行かないって...」 栞子「......」
栞子「少しだけ...」
栞子「少しだけ待っていて下さい...」 ...........................
栞子「すみません、取り乱してしまって」
栞子「えぇ、もう落ち着きました」
栞子「情けない姿を見せてしまいましたね」
栞子「あなたにあんな表情を見られてしまう日が来るとは思いませんでした」 栞子「...泣いていた理由、ですか」
栞子「それは...」
栞子「......」
栞子「あなたは...」
栞子「私が生徒会長になったのか理由を御存知ですか?」 栞子「...そうです」
栞子「この学校の生徒の方達の才能を見抜いて、その適正に合った道に導くためです」
栞子「好きな事をやり続けたとしても、それが夢半ばでやぶれてしまって悲しむ人を少なくするためです」
栞子「だから私は選挙であの公約を掲げて前生徒会長と戦い、そして勝ちました」
栞子「会長に就任した後は、学校内の生徒達の中で才能を埋もらせてる方や夢を目指して伸び悩んでる方達を、その適性に合った部活に変更させたりしました」
栞子「必要ならば先生方を説得して、他の学科への編入させたりもしました」 栞子「最初は私の見合った通り、皆さんは移動先の部活等で高い成績を収め本人もそれに満足して問題が無いように思えました」
栞子「ですが、最近になってその方たちが、やっぱり自分の夢を追いかけたいと言ってまた元の部活や学科に戻り始めたんです」
栞子「私は戻った方たちに再び説得に行きました」
栞子「ですが、ほとんどの方が自分の好きな事をやりたいと言って私の言うことを聞いてくれませんでした」 栞子「......」
栞子「...私のしたことは間違っていたのでしょうか」
栞子「それに...」
栞子「...いえ、これは言うべきことではないですね」 栞子「...言って欲しい?」
栞子「......」
栞子「例のスクールアイドル同好会の事です」 今日はここまでです!!!
13章最高でしたね!!!!!!
しぃちゃんの可愛さが存分に発揮されてました!!!!!!!! やべえスクスタのストーリー8章でサボってるから読まないと…
乙 イッチなんて単語使うまとめキッズは臭いから消えろ
乙しおりんかわいい 乙
普段余計なことを言わない>>1だからギャップが微笑ましい スクスタのストーリー読んだらここの栞子ちゃんとリンクしてしまった…
乙やで 栞子「私はあの同好会が嫌いでした」
栞子「あそこには豊かな才能を持つ方がたくさんいます」
栞子「工学系や料理、演劇などその分野を目指せばトップクラスの人間になれるような方がいるんです」
栞子「本来なら高校生活をその才能を磨くために使うべきだと私は思います」
栞子「それを、スクールアイドルに費やすなんて...」
栞子「あまりにも勿体ないです」 栞子「...他に?」
栞子「...どうして他に理由があると思うんですか?」
栞子「...スクールアイドル同好会にだけ攻撃的だから、ですか...」
栞子「そんな事は...ありません...」
栞子「ただ単にあの同好会は無駄なものだと思っているだけです」 栞子「......」
栞子「いえ、違います」
栞子「...あなたの言う通りです」
栞子「他にも理由があります」
栞子「...あなたには嘘はつきたくありません」 栞子「私は以前、ある人を通してスクールアイドルを見ていました」
栞子「その人はとても頭が良く、様々な才能があり、私にとってあこがれの存在で心から尊敬していました」
栞子「私はその人にスクールアイドルについてたくさん教えてもらったんです」
栞子「正直な所、私はその良さをいまいち理解をする事が出来ませんでした」
栞子「けれど彼女がスクールアイドルについて話すとき、心の底から楽しそうに話すのを見ていたので私はそれほど嫌ってはいませんでした」
栞子「むしろ、彼女をこんなに笑顔にさせてくれるスクールアイドルに対して好意を持っていたくらいです」 栞子「ですが、数年前その人はスクールアイドルフェスティバルという大会の運営の一人になったんです」
栞子「理由を聞いたら、大好きなスクールアイドルを近くで支えてあげたいと言っていました」
栞子「先程も言った通りその人は高い才能を持つ方です。本来ならもっと上の立場に立つべき人だと私は考えます」
栞子「運営の企画や方針などは他の方たちと一緒に決めるのであの人の能力が十分に発揮することはできません」
栞子「私はそれが最初からある程度予想はついてました」
栞子「ですが...あの人の気持ちを考えると無理に止める事は出来ませんでした」 栞子「結果、オリンピック等の原因もありましたが...彼女の努力も空しく今年のスクールアイドルフェスティバルは中止になってしまいました」
栞子「あの時喧嘩をしてでも止めるべきだったと私は考えています」
栞子「自身の才能に見合う仕事を選んでいたらもっと多くの人の為になれることを成しえたと思うんです」
栞子「それを...自分に向いてない事をやって無駄にするなんて...」 栞子「......」
栞子「私はその人の姿を見続けていたのでスクールアイドルの魅力の恐ろしさがよく分かるんです」
栞子「同好会の方達もスクールアイドルというものが本当に好きなんだと思います」
栞子「好きだからこそ自分に向いている事に費やす時間を減らしてまでアイドルをやっているんだと思います」 栞子「でも、このままでは彼女たちも無駄な時間を過ごしてしまいます」
栞子「だから私はあの人ようにならないよう同好会の方達を無理やりにでもアイドルを止めさせようとしているんです」
栞子「彼女たちの才能をあの人の様にスクールアイドルで潰させたくはないんです」
栞子「でも...最近はそれも上手くいかなくて...」
栞子「......」
栞子「何もかもが上手くいかないです」 栞子「...少し話したらすっきりしました」
栞子「話を聞いてくれてありがとうございます」
栞子「私の方も色々と考えてみます」
栞子「もしかしたら会長を止める事にするかもしれません」
栞子「他の人に才能云々と言いながら、私自身が自分の適性を把握できていなかったようです」
栞子「...駄目ですね」 栞子「...?」
栞子「どうしました?」
栞子「...私に告白した理由?」
栞子「あぁ...観覧車に乗った時のことですか」 栞子「...もう一つ理由が?」
栞子「何でしょうか?」
栞子「...私の事を支えたい?」
栞子「それは...どういう事でしょうか?」
栞子「何故ほとんど関わりの無かった私に対してそう思ったんですか?」
栞子「...他人の為に一生懸命になり過ぎて無理してるように見えた...」
栞子「そんな...無理なんて...」
栞子「だから私が躓いてしまったときに一緒に居て支えたかった、ですか」 栞子「...自分が私と付き合うのはふさわしくないと思っていた?」
栞子「しかし私に付き合ってくれと告白してきたではありませんか」
栞子「...本当に好きだったから...」
栞子「ふふっ、あなたらしいですね」
栞子「...同好会も同じ?」
栞子「本当にスクールアイドルが好きだからフェスティバルを再開させようとしてる...」
栞子「...無理やり止められる事ではない...」 栞子「でも、それで失敗して後悔しては本人たちが可哀想です...」
栞子「...しない?」
栞子「本当に好きな事を真剣にやった事は後悔しない、ですか...」
栞子「あの人も後悔はしていないのでしょうか...?」
栞子「姉さん...」 栞子「...大丈夫?」
栞子「そういうものなのでしょうか...」
栞子「分からないです」
栞子「でも、何故でしょうか」
栞子「不思議とあなたに言われるとそうなのかもしれないとも思えるんです」 栞子「でも、それならば私の今まででやってきた事は全く無駄だったという事ですね...」
栞子「...無駄じゃない?」
栞子「私には私の役割...私にしかできないこと...」
栞子「......」
栞子「分かったような分からないような、変な感じがします」 栞子「ですが、少し考えてみます」
栞子「あなたと話してると何か良い方法があるのではないかと思えてくるんです」
栞子「なんだか、知らないうちにあなたの影響を受けてしまったみたいですね」 栞子「そうですね。少し彼女達や他の生徒達への接し方も考えてみようと思います」
栞子「時間を取らせてしまいました。申し訳ありません」
栞子「そろそろ帰りましょうか」
栞子「帰りにどこかのカフェにでも行きませんか?あなたともう少しお話ししたいんです」 しぃちゃんってあだ名が出なかったけど他の人には言わせなかっただろうなと
このSSの影響で妄想しちゃってる 13章の最後のやり取りは、完全にこのスレに則った尊いもので
態度も完璧にしぃちゃんだったね 前から気になってたけどそういう持ち上げ方臭いからやめようよ
公式は公式、SSはSSでしょ ------------------------------
昼休み 生徒会室
栞子「今日はムニエルを作ってきてみました」
栞子「私としてはとても上手くできたと思うので食べてみて下さい」
栞子「...美味しいですか」
栞子「当たり前です。私の自信作なんですから」
栞子「こちらのおかずも食べて下さい」 栞子「...? あれから、ですか?」
栞子「そうですね。あまり生徒たちに無理を言うのは止めにしました」
栞子「基本的にやりたい事をやらせてその中で自分の適性や進路に悩んでる方に私が何かしら解決法を提示することにしています」
栞子「なので以前ほど反発は無くなりました」
栞子「同好会に関しても...あれから説明会等で色々とありましたので、前よりは嫌がられる事は無くなりましたね」 栞子「...それと」
栞子「実は今日ライブがあるから見に来てほしいとい誘われました」
栞子「まぁ...興味はそれほどはありませんが、見に来てくれと頼まれたので行ってあげるだけです」
栞子「...別に嬉しくなどありません」
栞子「ほら、早くお弁当を食べてしまいますよ」 ..........................
栞子「ごちそうさまです」
栞子「いえ、あなたのお弁当も中々でした」
栞子「最初の頃よりも随分と腕を上げたと思います」
栞子「...どうしました?」 栞子「眠い?」
栞子「まだ授業まで時間があるので仮眠でもしたらどうですか?」
栞子「そこのソファーでしたら体を横に出来ると思います」
栞子「...膝まくら?」
栞子「しませんよ。それは恋人同士がするものではないですか」
栞子「授業前には起こしてあげますから」
栞子「はい、おやすみなさい」 .........................
栞子「......」
栞子「起きてますか?」
栞子「...眠ってしまいましたね」
栞子「凄く落ち着いた寝顔ですね」
栞子「起きてる時の賑やかさが嘘みたいです」 栞子「......」
栞子「この人に告白されてから大分たちますが」
栞子「色んなことがありましたね」
栞子「良くも悪くもあなたに振り回されっぱなしで」
栞子「本当に大変でした」 栞子「でも、段々とそれが心地よくなって、楽しくなって...」
栞子「今思えばしかめっ面の私を元気づけようとしていたのかもしれませんね」
栞子「それに、あの日私が取り乱してしまったときも慰め、寄り添って下さいました」
栞子「あなたがいなかったら私はやけになって、周りの人にもっと強固な態度を取っていたかもしれません」
栞子「あなたのおかげで私も少しは変われたのかもしれません」 栞子「できれば、これからもずっと...」
栞子「......」
栞子「やっぱり私は...」
栞子「この人の事が好きなのかもしれません」
栞子「...しかし直接言うのはやはり恥ずかしいです」
栞子「もう一度告白してくれたら私は...」 栞子「......」
栞子「いえ、それは卑怯ですね」
栞子「今度は私から...」 ...............................
栞子「起きて下さい」
栞子「もう少しで授業が始まりますよ」
栞子「随分ぐっすり眠っていましたね」
栞子「ほら、しゃきっとして下さい」
栞子「それでは私も教室にもどって...」
栞子「......」
栞子「あの...」 栞子「今日の放課後なんですが、時間は空いてますか?」
栞子「...もし良ければなんですが」
栞子「先程言った、同好会のライブにあなたも一緒に見に行きませんか?」
栞子「せっかくなので二人で行きたいと思いましたので...」
栞子「...そうですか。それでは一緒に...」
栞子「はい、ではまた放課後に」 ------------------------------
放課後 ライブ後
栞子「ライブの方は久々に見ましたが」
栞子「中々迫力がありましたね」
栞子「えぇ、本人たちには直接言えませんが結構楽しかったです」
栞子「...言ってた?」
栞子「あれは悪くなかったと言っただけです」
栞子「良かったとは言っていません」
栞子「それなのにあの人たちは何故か嬉しがってましたが」 栞子「...特に好きなアイドル?」
栞子「いえ、良いと思った人はいませんでしたね」
栞子「...嘘ではないです」
栞子「...嘘だと思うのでしたら誰が好きなのか当ててみて下さい」
栞子「...声の大きかった子?」
栞子「...っ」
栞子「それは...まぁ...他の方に比べたらわずかに、ですが...」 栞子「そういうあなたはどうなんですか?」
栞子「...みんな良かった?」
栞子「その答えは卑怯ですよ」
栞子「誰か一人を選んでください」
栞子「...あぁ、あの子ですか」
栞子「あの方は以前話した私の靴にコッぺパンを入れようとした子です」
栞子「そうですか、あのようなタイプが好みなのですね」 栞子「...はい?」
栞子「私がアイドルをやったら一番のファンになる?」
栞子「なにを冗談言ってるんですか」
栞子「私は見る専門です、今の所は」
栞子「まったく...」 栞子「...また」
栞子「誘われたら一緒に見に行きましょう」
栞子「そうですね。ライブの準備くらいは少しだけ手伝ってあげましょう」 栞子「......」
栞子「あの」
栞子「また申し訳ないのですが...」
栞子「もう一ヶ所だけ付き合って頂けませんか」
栞子「えぇ、行きたい場所があるんです」
栞子「...ありがとうございます」
栞子「場所は行ってみてのお楽しみです」
栞子「では行きましょう」 しぃちゃんの練習着、アイドル活動を無意味だとか言いながらもガチめのチョイスで大変微笑ましかった なんでしぃちゃんまでせつ菜推ししおりん概念に毒されちゃってるの…… ...............................
栞子「どうですか?この眺め」
栞子「私の秘密の場所なんです」
栞子「ショッピングセンターの屋上なんて来た事ないんじゃないんですか?」
栞子「そうですね。ここは屋上への出口がとても分かりづらいんです」
栞子「だから人もほとんど来ないんですよ」
栞子「平日の今日なんかは特に少ないんです」 栞子「ほら、ここからなら海と街が一望できます」
栞子「特に今みたいに夜になるとイルミネーションとかの明かりに照らされて綺麗なんです」
栞子「一人落ち着いてこの景色を見るのが好きで、たまに来ているんです」
栞子「でも、この景色をあなたにも知ってもらいたくて今日は一緒に来て頂いたんです」 栞子「他の方には言わないで下さいね」
栞子「あなた以外には教えていないので」
栞子「...今までは一人で見ていただけですが」
栞子「これからはあなたと一緒に見に来たいです」 栞子「......」
栞子「あなたが一番最初に私に告白してきたことを覚えていますか?」
栞子「...そうです。あなたからの告白を私が無下にしましたね」
栞子「それはそうですよ。ほとんど関わりの無い相手にいきなり好きだなんて言われたら誰だって警戒するに決まってます」
栞子「ある意味あなたの勇気、というか無謀さには驚きました」 栞子「...でも、今だから言いますが...」
栞子「あなたが不誠実な人間でないとは、その時から何となく分かっていました」
栞子「信頼できない方でしたら、告白された当日に一緒に帰ったりはしませんよ」 栞子「...あの日からあなたはずっと私の隣にいてくれました」
栞子「確かに世話を焼かされて大変な思いをすることもありますが...」
栞子「それ以上に楽しくて、明るい感情が私の中に湧き上がるんです」
栞子「あなたと一緒にいたことで、今まで私が知らなかった、忘れていた色々な世界を見せてくれるようになりました」 栞子「...あの時の返事をさせて下さい」
栞子「私はあなたの事が好きです」
栞子「この先もずっと一緒にいたいです」
栞子「これからもあなたの色んな所を知って、私の良い所も悪い所もあなたに知ってもらいたいんです」
栞子「...つ」
栞子「付き合って...頂けますか?」 栞子「......」
栞子「!」
栞子「ど、どうしました?いきなりしゃがんだりして...」 栞子「...ホッとした?」
栞子「好きって初めて言ってもらえたから...」
栞子「ふふっ、そうですね」
栞子「あなたからは何度も好きと言われましたが、私の方から言った事は今までありませんでしたね」
栞子「ごめんなさい。素直になれなくて...」 栞子「...そうですね。これからは恋人同士です」
栞子「あっ、でもキスとかはまだ駄目です」
栞子「こういうのは段階が大事なんです」
栞子「...そんな焦ることでも無いでしょう」
栞子「急がなくても私があなたから離れることなんてありません」
栞子「もっともあなたの方はどうか知りませんが」 栞子「...そうですね。あなたもそう言ってくれると思ってました」
栞子「...そろそろ帰りましょうか」
栞子「帰る時間が遅くなると家族が心配してしまいます」
栞子「えぇ、行きましょう」
ギュッ
栞子「どうしました?そんな驚いて」 栞子「恋人同士なんですから手を繋ぐくらい当たり前です」
栞子「先程も言ったようにキスとかはまだ駄目ですが...」
栞子「これくらいでしたら問題ないと思います」
栞子「...そうですね。二人で転ばないようにゆっくり歩きましょう」
栞子「...えぇ、私の方も」
栞子「これからもずっとよろしくお願いします」 とりあえずここで一区切りです。
もう少し続く予定ですが、100レス以上続くかもしれないので新しいスレで書こうと考えています。
明日か明後日に書き始めていこうと思います。
ここまで読んで頂きありがとうございました。 乙!あの三船さんがこんな可愛いしぃちゃんになると誰が予想しただろうか
ゆっくり休んで次のスレにつなげてほしい こんなに幸せにさせてもらっていいんだろうか
とりあえず乙。続きも楽しみにしてます しぃちゃんおめでとう。
そして最高の2ヶ月をありがとう 続編本当に楽しみだ
100レスと言わず20スレくらいかけて
生涯を描いてくれていいんやで
素敵な2ヶ月をありがとう このままずっとこの距離感のまま続けてくれ...なんて思ってたけど、いざこういう場面を見てしまうと幸せいっぱいで泣けるわ。本当に良かったありがとう。今後も楽しみにしてます ┌┴┐┌┴┐┌┴┐ -┼-  ̄Tフ ̄Tフ __ / /
_ノ _ノ _ノ ヽ/| ノ ノ 。。
/\___/ヽ
/ノヽ ヽ、
/ ⌒''ヽ,,,)ii(,,,r'''''' :::ヘ
| ン(○),ン <、(○)<::| |`ヽ、
| `⌒,,ノ(、_, )ヽ⌒´ ::l |::::ヽl
. ヽ ヽ il´トェェェイ`li r ;/ .|:::::i |
/ヽ !l |,r-r-| l! /ヽ |:::::l |
/ |^|ヽ、 `ニニ´一/|^|`,r-|:「 ̄
/ | .| | .| ,U(ニ 、)ヽ
/ | .| | .|人(_(ニ、ノノ
↑ なんという誤爆
しいちゃんとお相手への未来に幸あれ
>>1には乙あれ
次スレも楽しみだぞ 乙
いいものを読ませて貰った
しかしこの分ではキスするまで一レス消費しそうだ レス数が950を超えています。1000を超えると書き込みができなくなります。