死神の力。

職務上使用することは許されているが、おいそれと使い放題で『運命』を好きにいじくっていいというわけではない。

身勝手に使えば私自身の存在を削ることにるが、管理対象(今回は黒澤ダイヤ)の求めに応じて、あるいは管理対象の意志・目的の助けとなることが明確な場合、力を使い手を貸すことをよしとされている。

もちろん私達も慈善事業でやってはいないし人間を超人に仕立てあげたいのでもない。

そうして力を使うたび、管理対象を最も強く想う者の生命力を頂くことになる。

自分の『運命』ばかりに気を取られて私達を頼りにし過ぎた挙げ句、全く想定していなかった形で『運命』の幕を下ろして絶望する者達だってたくさん見てきた。

さて、この黒澤ダイヤは──