海未「どっちの話が聞きたいですか?」 穂乃果「うーん」
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穂乃果「どうも〜」
海未「よろしくお願いします」
穂乃果「いやー、最近まだまだ寒いですね」
海未「まだ1月ですからね」
穂乃果「早く暖かくならないかな〜って毎日のように思ってますよ」
海未「朝起きるのも辛いですよね」 穂乃果「私なんか毎日二度寝してたら、アラームの設定数どんどん多くなっていって」
海未「もう、朝は起きないとダメですよ」
穂乃果「気づけばアラームの設定数が五つに増えてましたからね」
海未「ふふ」 海未「まぁそんなことはどうでもいいんですが言い過ぎました謝ります」
穂乃果「ぇあっ!? う、うん。謝罪が早すぎて驚いたよ…」 海未「それより穂乃果、私今日は何の話をしようかな〜と思いまして」
穂乃果「おっ、何か考えてきた?」
海未「ええ、二つ考えてきたんですが、どっちがいいですかね?」
穂乃果「どんな話なの?」
海未「一つは本当にあったこわ〜い話と」
穂乃果「おお、もう一つは?」
海未「テキトーに作った長ーい話です」
穂乃果「怖い話かなぁ」 穂乃果「テキトーに作った長ーい話は別に聞きたくないや」
海未「そうですか」
海未「では本当にあったこわーい話を始めます」
穂乃果「ちょっと時期外れだけど、寒い時に聞く怖い話も乙なもんだよね」
海未「私の家に、今は使われていない古い蔵があるんですよ」
穂乃果「うんうん」 海未「その蔵に、夜中になると動き出すといういわくがついていてもおかしくない人形と」
穂乃果「ん? 動きはしないの?」
海未「動きませんよ別に。そういういわくがついてもおかしくないくらい不気味なだけで」
穂乃果「あ、そうなの。ごめんごめん、続けて」 海未「冥界へと繋がっているという噂が流れ出しそうな鏡がありまして」
穂乃果「繋がってはいないんだ?」
海未「そういう噂が流れ出しそうなだけです」
穂乃果「噂も流れてないんだ…」 海未「私、幼少の頃から悪いことをするとその蔵の中に閉じ込められたりしたんですよ」
穂乃果「あー、子供の頃はあるよねそういうの」
海未「先日久しぶりにその蔵のことを思い出しまして」
穂乃果「うんうん」
海未「怖いなーって言ったんですよ」
穂乃果「言ったんだ。思ったんじゃないの?」
海未「いえ、言いました」
穂乃果「急に怖いなーって言う人の方が怖いよ」 海未「で、怖いといえば希が怖い体験をしたって言ってたのを思い出しまして」
穂乃果「あれ!? 蔵の話は?」
海未「いえ、怖い話はここからです」
穂乃果「あ、じゃあ海未ちゃん家の蔵は別に今回の話には関係ないんだ」
海未「はい」
穂乃果「怖い話思い出すきっかけに過ぎなかったんだね」 海未「それで、希って一人暮らしじゃないですか」
穂乃果「うん」
海未「やっぱりたまにあるらしいんですよね、奇跡体験」
穂乃果「心霊体験でしょ?」
穂乃果「まぁ希ちゃんは奇跡体験しててもおかしくなさそうだけど」
海未「もう私話聞いた時、ビックリした!って言いましたからね」
穂乃果「私は海未ちゃんにアンビリバボーだよ」 海未「その日希は夕食を食べ終わって、テレビを見ていたそうなんです」
穂乃果「おおっ、ようやく本題に入るんだね」
海未「それでその……あれ、何でしたっけ」
穂乃果「あれ、忘れちゃった?」
海未「えーと」 穂乃果「海未ちゃん頑張っておもいだして」
海未「うーん」
穂乃果「なんだろ、心霊体験だからラップ音とか?」
海未「むむむ」
穂乃果「ポルターガイストとか」
海未「あ、思い出しました」
海未「オムライスを食べ終わってテレビを見ていたそうなんです」
穂乃果「そこ!? 夕ごはんの情報に具体性要らなかったよ!」 海未「で、テレビが急に、あ、しまった」
穂乃果「どうしたの?」
海未「うーん」
穂乃果「え、また忘れちゃった?」
海未「いえ、ペだったかプだったか…えーと」
海未「あっ!」
海未「パッと移り変わったんですよ」
穂乃果「そこ!? そこ忘れちゃってたの!?」 海未「そしたら画面に……」
穂乃果「ごくり」
海未「髪のながーい女の人が……」
穂乃果「どきどき」
海未「写っていてもおかしくはないじゃないですか」
穂乃果「ん!? え?」
穂乃果「いや海未ちゃんの考えはどーでもいいよ!」 海未「画面には、古ーい井戸が写っていたんですよ」
穂乃果「うわっ、ホラー映画で見るやつ…」
海未「その映像が途切れ途切れに表示されるんですよ」
穂乃果「えぇ!? 怖ぁ…」
海未「ぷつっ、ぷつっ、と井戸が写ったり消えたり」
穂乃果「ひいぃ…」
海未「水を汲んでるおばさん達もぷつっ、ぷつっ」
穂乃果「おばさん達も写ってるの!? それただの電波不良だよ!」 海未「その時希は急に背中に悪寒を感じたらしく」
穂乃果「おおっ、やっと怖くなりそう!」
海未「プっ!……と振り向いたんですよ」
穂乃果「そこはパじゃないんだ!?」
海未「あれ、ペでしたかね」
穂乃果「どっちでもいーよ! ていうか多分パだよ!」 海未「するとそこには見るからに危険そうな髪のながーい女が全裸で立ってたんですよ」
穂乃果「全裸で!? そりゃ危険だよ!」
海未「もう恐ろしくなって希は部屋から出ようと走り出したんですよ」
穂乃果「うわわ、希ちゃん早く逃げてー!」
海未「とにかく必死で部屋の出口に向かったんですが」
穂乃果「ドキドキ」
海未「途中でガスの元栓閉めたかなと思いまして」
穂乃果「余裕あるね希ちゃん!」 海未「かといって振り返れば全裸の女が襲いかかってくるかもしれない可能性も否定できないって言いながら振り返ったんですよ」
穂乃果「振り返ったの!?」
穂乃果「かといって振り返れば全裸の女が襲いかかってくるかもしれない可能性も否定できないって言いながら!?」
海未「そうなんですよ」
穂乃果「希ちゃんの方が怖いよ…」 海未「そしたら女が恐ろしい形相を浮かべてこっちを睨んでいる絵と目が合ったんですよ」
穂乃果「絵と!? 希ちゃん部屋に何飾ってるの!」
海未「希はもうパニックになって、悪霊退散って書いてある数珠を振り回しながら」
穂乃果「数珠に悪霊退散って、読めないよ!?」
海未「急いでガスの元栓を確認して」
穂乃果「それはやっぱり外せないんだ!?」
海未「部屋から出たんですよ」
穂乃果「あれ? 全裸の女の人は?」 海未「すると希は恐ろしいことに気づきました」
穂乃果「まだ何かあるの?」
海未「服を着ていないことを思い出したんです」
穂乃果「希ちゃん!!」
穂乃果「全裸の女って鏡に写った希ちゃんでしょ!?」
穂乃果「そりゃ背中に悪寒も感じるよ!」 穂乃果「海未ちゃん全然怖くないよ! 何この話!?」
海未「いやー、私この話を聞いた時鳥肌が止まらなくなりました」
穂乃果「もー、もっと別の怖い話ないの?」
海未「そういえば私の家に古い蔵があるんですが」
穂乃果「いやもういいよ!」
海未・穂乃果「どうも、ありがとうございましたー」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています