真姫「世の中興奮することってたくさんありますけども」 ことり「うんうん」
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真姫「一番興奮するのは美容院に行った時ね」
ことり「間違いないね」
真姫「あれ、昨日まで何もなかったのに急に美容院ができてる」
真姫「興奮してきたわ」
真姫「ちょっと入ってみましょう」
真姫「うぃーん」
ことり「いらっしゃいませー」
ことり「後ろこういう風になってます」
真姫「いや分かってるわよ」 真姫「その鏡のやつって最後にやるやつでしょ」
ことり「ご予約のエマ・ヴェルデ様でよろしかったですか?」
真姫「違うわよ。何人に見えてるのよあんた」
真姫「いや予約はしてないんだけど、切れるかなって思って」
ことり「そうですか。それですとー、んー」
真姫「ちょっと待つかしら」
ことり「こちらへどうぞー」
真姫「なんで今考えたのよ」 真姫「空いてるならパッと案内しなさいよ」
ことり「お客様こちらのお店は初めてですか?」
真姫「そうだけど」
真姫「あっ、もしかして安くなったりするの?」
ことり「いえ、前来た方かなーと思いまして」
真姫「覚えときなさいよ」 ことり「今日はどんな風にカットされます?」
真姫「そうね、カットのメニューとかある?」
ことり「ふふ、お客様」
真姫「なによ」
ことり「踏んでますよ」
真姫「なんで足元にあるのよ」 真姫「もうこのまま全体を短くする感じでいいから」
ことり「そうですかー。パーマとかかけないですか?」
真姫「いやいいわ別に」
ことり「なるほどー。お客様パーマ似合いそうですよね」
真姫「どうかしらね」
ことり「いやー。いいと思います」
真姫「まぁ今日は全体を短くする感じで」
ことり「そうですかー」
ことり「……あ、パーマとか」
真姫「かけないわよ」
真姫「どんだけパーマかけさせたいのよあんた」 ことり「じゃあ先にシャンプーしていくので」
真姫「はいはい」
ことり「かゆい所あったら誰かに言ってください」
真姫「いやあんたに言うわよ」
真姫「あんた以外の誰に言うのよ」 ことり「こちらの席へどうぞー」
真姫「はいはい。よいしょ」
ことり「シャンプー入りまーす」
ことり「しゃかしゃかしゃかしゃか」
ことり「あ、何か雑誌とか読みますか?」
真姫「いや読める状態じゃないから。……ちょっとつむじの辺りかゆいんだけど」
ことり「あ、コーヒー淹れます?」
真姫「飲める状態じゃないから。……それよりつむじの辺りが」
ことり「はーい、流しまーす」
真姫「聞きなさいよ人の話」 ことり「じゃばじゃばじゃばじゃば」
ことり「はい、シャンプー終わりです、お疲れ様でしたー」
ことり「元の席へどうぞー」
真姫「いや拭きなさいよ!」
真姫「このまま移動したら床びっちゃびちゃになるから」 ことり「ふきふきふきふき」
ことり「ドライヤー入りまーす」
ぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
ことり「お客様学生ですかー!?」
真姫「そうだけど」
ぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
ことり「え!?」
真姫「そうだけどー!」
ぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
ことり「え!? いやだから、学生ですかー!?」
真姫「そうだけどー!!」
ぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
ことり「あのだから、学生ですかー!?」
真姫「ドライヤー切りなさいよ!」
真姫「そうだけどって何回も言ってるでしょうが!」 ことり「では、チーズケーキ……あ、マッサージ入りまーす」
真姫「言いきったわね今」
ことり「もみもみもみもみ」
ことり「あ、凝ってますねーお客様」
真姫「そう? まぁピアノとか弾いてるからかしら」 ことり「へー、ピアノですか」
真姫「そうよ。こう見えて作曲とかもしてるんだから」
ことり「ほほー、作曲」
真姫「なかなか思った通りの曲は出来ないけどね」
ことり「ふむふむ」
真姫「上手くいった時の達成感は何物にもかえがたいわ」
ことり「なるほどなるほど」
真姫「こう、自分の思いを曲に乗せるっていうか?」
ことり「おおー」
真姫「普段言えない気持ちを表現するっていうの?」
ことり「ほうほう」
真姫「私の想いよ皆にとどけーって感じ?」
ことり「はっはっはっはっはっ」 ことり「ちょっと何言ってるか分かんないです」
真姫「なんで分かんないのよ!」 真姫「いっぱい説明してるんだから分かるでしょ!」
ことり「カット入りまーす」
真姫「何で人の話聞かないのよあんた!」
ことり「しゃきしゃきしゃきしゃき」
ことり「あっ!」
真姫「え!? なに!?」 ことり「いや家のカギ閉めたかなって思って」
真姫「ちょ、おどかさないでよ。失敗したかと思ったじゃないの」
真姫「大丈夫でしょ。そういう時って大概閉まってるわよ」
ことり「そうですよね」
ことり「しゃきしゃきしゃきしゃき」
ことり「……ぷふっ…」
真姫「何よ、今度は思い出し笑い?」
ことり「ふふっ……」
真姫「ちょっとー、集中しなさいよ」
ことり「ふふ、すいません」 真姫「うわっ、ちょっと! 後ろの髪ぺったんこじゃない!」
ことり「はい」
真姫「いやはいじゃなくて、ていうか何笑ってるのよ!? 笑い事じゃないでしょ!?」
ことり「あ、今暖かいコーヒー淹れますね」
真姫「落ち着かないわよそんなので!」 真姫「もういい、私帰る!」
ことり「あー、お客様! 待って下さい!」
真姫「何よ!」
ことり「まだパーマかけてないです!」
真姫「いやかけるかぁ!! もういいわ!」
ことり・真姫「どうも、ありがとうございましたー」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています