果林「いつもそばにいるあなたに」
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12月上旬
エマ「ただいま〜」
果林「おかえりなさい。私も今戻ったところよ」
エマ「うぅ〜外は寒かったよ。ニッポンの冬もやっぱり寒いね〜」
果林「そりゃコートだけでは流石に寒いわよ」
エマ「あはは、ちょっと甘く見てたよ」
果林「悪いわね、買い物に行ってもらって」
エマ「ううん、気にしないで」
エマ「果林ちゃんモデルのお仕事して来たんでしょ。忙しかったんだからお互い様だよ」
エマ「お腹空いたでしょ、今ご飯の用意するからね」 エマ「果林ちゃん、出来たよ〜」
果林「う〜ん、いい匂い。今夜はシチューね」
エマ「今日みたいに寒い日はシチューが1番だよ」
エマ「それじゃ、食べようか」
果林「えぇ、いただきます」
果林「……あぁ、おいしいわ。エマの料理は最高ね」
エマ「褒めたってなにも出ないよ」
果林「本当の事を言っただけよ」
エマ「ふふっ、素直に受け取っておくよ。ありがとう」
エマ「ふんふんふふ〜ん」ガチャガチャ
果林(洗い物までやってもらっちゃったわ。当たり前のようにやっているけれど、エマだって大変よね……)
果林(私もなにかやった方がいいわよね。同じ部屋にいるんだし)
果林(私に、出来る事は……) 翌朝
エマ「果林ちゃん、朝だよ。起きて」
果林「ん……んん〜」
果林「寒い……もうちょっとだけ……」
エマ「暑くても寒くても同じ事言ってるじゃない」クスッ
エマ「着替え置いておいたから。早く起きて着替えないと遅刻しちゃうよ」
果林「………ふぁ、あぁ〜」
果林「……」ボーッ
果林(せめて朝くらい一人で起きようと思ったけどすぐには出来ないわね……)
果林「着替えがある……エマが用意してくれたのね」
果林「本当になにからなにまで……」
エマ「果林ちゃん、起きたー?」
果林「今起きたわ。着替え、ありがとね」
エマ「いいよ〜、ご飯出来たから顔洗ってきなよ」
果林「もう、まるでお母さんね」
エマ「果林ちゃんは故郷の妹によく似てるよ」
果林「……そんなに私、子供っぽいかしら」 虹ヶ咲学園
果林(結局今朝もエマの世話になりっ放し)
果林(いつまでもこんな状態じゃダメね)
果林(たまには私もエマの役に立たないと)
果林「そうだ、いつもご飯作ってもらってるから私もエマに作ってあげましょう」
果林「……」
果林「って、私料理なんて出来ないじゃない……」ズーン…
果林「誰か料理の得意なメンバーに教えてもらいましょうかね」
部室
彼方「う〜ん、今日はどうしようかな〜」
果林「彼方、なに悩んでいるの?」
彼方「お、果林ちゃんいい所に。果林ちゃんはなにか食べたい物あるかな?」
果林「なによ急に、そうね……なにか温かいスープでも飲みたいわね」
彼方「それいただき。今夜はコンソメスープでも作ろうか」
果林「夕飯の献立を考えていたのね……」
果林「そういえばあなた、料理が得意だったわよね」
彼方「ん?まぁ、彼方ちゃんの隠れた才能の一つではあるけど、それがどうかした?」
果林「お願い、私に料理を教えて」
彼方「へっ?」 彼方「料理ならエマちゃんに教わった方が早いんじゃないの?」
果林「エマに教えてもらっては意味がないのよ」
果林「エマには内緒で覚えたいの、私はいつまでも甘えてちゃいけないのよ」
彼方「ふむ……どうやらワケありのようですな」
彼方「あいわかった、彼方ちゃんでよければ協力するよ〜」
果林「彼方、ありがとう。恩にきるわ」
彼方「その代わり、料理の修行は厳しいぞ。しっかりと付いてまいれ。ほっほっほ」
果林「なによそのキャラ付けは……」 彼方「それで、なにを作りたいの?」
果林「そこまで考えてなかったわ」
果林「とりあえず、私でも作れるエマの好きそうな物を作りたいわね」
彼方「またぼんやりしてるなぁ」
果林「あなたにぼんやりとか言われたくないわよ」
彼方「エマちゃんはスイス出身だから……果林ちゃんでも作れてエマちゃんが食べてくれそうな物……」
彼方「う〜ん……」
彼方「……Zz……」
果林「ちょっと、なに寝てるのよ‼」ビシッ
彼方「はっ!?考え過ぎてつい眠気が」
果林「こっちは真剣なのよ」
彼方「あはは、ごめんごめん」
彼方「でも、今ので閃いたよ」
彼方「グラタンなんてどうかな?」
果林「いいわねグラタン、今の時期にぴったりだわ」
彼方「小さなお子様でも作れるから果林ちゃんもきっと作れるよ〜」
果林「あなたまで子供扱いしないでちょうだい」 良SSにツッコミ申し訳ないけど果林はライフデザイン学科だから料理できるはず
ラジオドラマでも調理室の話あったし 寮 台所
彼方「まずは材料を切ってみようか」
果林「包丁を握るなんて調理実習以来だわ」
彼方「う〜ん、これは中々手強いぞ〜」
彼方「いい?右手の人差指を刃の背に当てて左手は猫の手、にゃんにゃん」トントン
果林「なるほど、左手を猫みたいに曲げる事で切りやすくしてるのね」
彼方「それとケガ防止ね。それじゃこの人参を切ってみて」
果林「……にゃんにゃん……にゃんにゃん」トン…トン
彼方「にゃんにゃんはいらないんだけど……かわいいからいいか」
果林「ふぅ、これで全部切れたわね。彼方、終わったわよ」
彼方「どれどれ……ほほう」
彼方「不揃いだけどまぁ合格かな。これはありがたくスープに入れさせてもらうよ」
果林「えっ?グラタンに入れるんじゃないの?」
彼方「どうせならもっとキレイに切れるようになってから作った方がいいね〜」
彼方「これも修行の一つなのじゃよ、ほっほ」
果林(や、やられたわ……) 彼方「グラタンは材料さえ切れればあとはソースとチーズ、マカロニを入れてオーブンで焼くだけだからさ」
彼方「包丁の使い方さえ覚えれば簡単に作れるよ」
果林「練習あるのみって訳ね」
彼方「そゆ事そゆ事、今日はここまでにしようか。またなにかあったら呼んでね〜」
果林「ありがとう彼方、私頑張るわ」
果林「料理はなんとかなりそうね」
果林「せっかくだからグラタンはクリスマスに作ってあげようかしら」
果林「そうなるとプレゼントも用意しないといけないわね……」
果林「エマ、あの日の夜上にコートしか着てなかったわね」
果林「そうだ、あれをプレゼントしましょ」
果林「あと明日からは一人で起きないと……」
果林「これから忙しくなるわね」 エマ「ふぁ……」ムクリ
果林「おはよう、エマ」
エマ「おはよ、果林ちゃん」
エマ「………え?」パチクリ
エマ「果林ちゃん、どうしたの?私より早く起きるなんて」
果林「私だってエマに起こしてもらわなくても一人で起きれるのよ」
エマ「へぇ、すごいね〜」
エマ「じゃあ、もう私起こさなくても大丈夫なんだ」
果林「そういう事よ。もう妹扱いはさせないわ」
エマ「ちょっと寂しい気もするけど」
エマ「この調子で起きてくれると助かるなぁ」
果林「ふふ、もう心配はいらないわ」 エマちゃん果林の部屋に来てるのかと思ったらさりげに同棲してやがる エマ「ところで、私より先に起きてなにやってたの?」
果林「れ、レポートをまとめてたのよ」
エマ「ふ〜ん、そうだったんだ」
エマ「朝早く起きると時間が有効に使えるでしょ」
果林「そうね、悪くないわ」
果林「ごちそうさま、今日は私が洗い物するわよ」
エマ「本当?じゃあお願いしちゃおうかな」
果林「任せて、これくらいなら私にも出来るわ」
果林(私の出来る事を、少しづつ……)
12月中旬
彼方「果林ちゃん、修行を怠ってはいないかね」
果林「エマのいない時に練習してるわよ」
彼方「あ〜その指の絆創膏を見ればわかるよ。あまり頑張り過ぎちゃダメだよ。ほどほどが1番だからね〜」
果林「そ、そうね……エマには内緒よ」
彼方(エマちゃんも気付いてそうだけどなぁ) 果林「……んん」
果林「……よし、今日も起きれた」
果林「さて、そろそろ最後の仕上げに取りかからないとね」ソーッ
果林(エマ、寝てるわよね?)
エマ「すぅ……すぅ……」
果林(よし、今の内に外に出て)
カッ……チャン
エマ「……ん」
エマ「果林ちゃん……?」
エマ(こんな朝早くからどこに行くんだろう?)
エマ(……)
エマ(まぁ、果林ちゃんの事だからなにか事情があるんだろうな)
エマ(危ない事さえしてなければいいや……もう少し寝てよ) 12月24日
果林「今日はクリスマスイブね」
果林「エマ、今日の夕食は私が作るわ」
エマ「へぇ、果林ちゃんが作ってくれるの?」
エマ「なに作ってくれるのかなぁ、楽しみ〜」
果林「私がいいと言うまで台所に入ってきちゃダメよ」
果林(さぁ、彼方に教わった事を思い出して私)
果林「……よし、うまくいったわ」
果林「グラタンだけじゃ物足りないから彼方から色々お裾分けしてもらったけど」
果林「なにはともあれ、準備が出来たわね!!」
果林「エマ、出来上がったわよ」
エマ「うわぁ〜すごいご馳走だねぇ‼これ全部果林ちゃんが作ったの?」
果林「グラタンだけ私が作ったの。あとは彼方が作ってくれたのよ」
エマ「あとで彼方ちゃんにお礼言わないとね」
エマ「私もね、ケーキ作って来たんだ。じゃーん」
果林「すごい大きさ……私食べられるかしら」
エマ「残ったら明日も食べようよ」
果林「そうね……そうしましょ」 エマ「う〜ん、このグラタンすごくおいしいよ!!」
果林「本当に?」
エマ「じゃがいもや人参が大振りで私好みだよ。」
エマ「果林ちゃんが私の為に作ってくれたっていうのが本当に嬉しい」
エマ「ありがとう、果林ちゃん」
果林「……よかった」
果林「どれ、私も食べてみましょうか」
果林「ーやっぱり大きく切りすぎた……エマ、大丈夫なの?」
エマ「大丈夫大丈夫、おいしいよ」
果林「エマのケーキもおいしいわね、すごく甘いけど……」
エマ「スイス仕込みのケーキだから果林ちゃんには甘すぎたかな」
果林「でもエマの作るお菓子は珍しいから食べる事が出来て嬉しいわ」
エマ「えへへ、また作ってあげる」 果林「エマ、あなたにプレゼントがあるの」
果林「これ、気に入ってくれればいいんだけど……」スッ
エマ「これは、マフラー?」
エマ「手編みだ……果林ちゃんが編んだの?」
果林「えぇ、クリスマスに間に合ってよかったわ」
果林「あなた、ろくに防寒具持ってないじゃない。だから時間をみつけては少しづつ編んでたのよ」
エマ「あぁ、朝早く出掛けてたのはそれで」
果林「なっ、なんの、事かしら?」
エマ「果林ちゃんわかりやすいなぁ」
エマ「ちゃんと、私の事見ててくれてたんだね」
エマ「ありがとう、大切に使うね」 エマ「私からもプレゼントがあるんだけど」
エマ「まさか果林ちゃんと被っちゃうなんてね」スッ
果林「あなたもマフラーを編んでたの?」
エマ「果林ちゃん最近色々頑張っているから風邪を引かないようにと思ってね」
果林「そんな、頑張っているだなんて……」
果林「あなたにはいつも頼りっ放しだから私もエマの力になりたくて、だから……」
エマ「果林ちゃんそんな事考えてたの?」
果林「そうよ、いつまでも甘えてちゃダメだって私気付いたのよ」
エマ「……そうなんだ」ファサ
果林「エマ?」
エマ「うん、マフラーよく似合ってるね」
エマ「果林ちゃん、ありがとう」
エマ「その気持ちが、1番のプレゼントだよ」
果林「エマ……」
エマ「今度は一緒にご飯作ってみようか」
果林「そうね、エマと一緒に作れるなんて楽しみだわ」
エマ「二人で作って、彼方ちゃんにご馳走してあげようよ」
果林「それはいいわね。彼方にもグラタン食べさせたいわ」
エマ「果林ちゃん、今日はありがとう。メリークリスマス」
果林「こちらこそ、ありがとう……」
果林「メリークリスマス、エマ」 これで終わりになります。クリスマス成分が薄くて申し訳ないです。支援そして最後まで読んでくださりありがとうございました >>12
すいますん、勉強不足でした。ご指摘ありがとうございます。 >>31
クリスマスの虚しさが薄らぐ程に尊い。
良ければ過去作なんかも教えて頂きたい 授乳ネタじゃないかりエマってだけでありがたいしその上優しくてあったかい世界で凄く良かったよ 二人の間にながれる優しい空気がとってもエモエモで嬉しみが深くて草だよー
身も心も温かくなるクリスマスも彼方ちゃんのキャラもよかった >>33
返事遅れてごめんなさい。今まで投稿した物は
シリーズ物
海未「花丸、しずく、夕飯を食べに行きますよ」
花丸「海未さん、しずくちゃん、スケートやろうよ」
海未「花丸、しずく、山に登りましょう」
しずく「海未さん、花丸ちゃん、温泉に行きませんか?」
かすみ「私、あまりくすぐったくならない方で」ことり「本当に?」
かすみ「風邪を引いてしまいました……」ことり「大丈夫?」
単発物
千歌「果林さん、内浦に来るんだよね?」
ダイヤ「お母様がたばこを吸っていた」
エマ「声繋ごうよ」
穂乃果「ねぇ、食べ放題のお店に行こうよ‼」
『Dancenow!Dancenow!』せつ菜「んなっ!?」
真姫「あこがれの寄り道」
善子「焼肉食べた〜い!!」
果南「えっ?絵里と一緒に宿直?」
ルビィ「甘えたい気持ち」
体重計「体重増えてるしw」海未「ガーン‼」
果南「女の子らしさ」
鞠莉「レッツスモーレスリィング‼」
こころ「銀河ナンバーワンアイドル」
以上になります。URLの張り付け方がわからないのでタイトルだけ……ごめんなさい。 正統派のエマかりでとても良かった
>>38
他にも読んだ気がするけど違う人だったのかな
何にせよすごいペース ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています