かすみ「風邪を引いてしまいました……」ことり「大丈夫?」
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土曜日 かすみの家
かすみ「ふぁっくちゅん、ふぁーっくちゅん」
かすみ「あ〜、風邪を引いてしまいました……」ズズッ
かすみ(こんな日に限って両親は親戚の法事でおでかけ、もともと予定が入ってたとはいえ病床の娘を一人家に置いて行くなんて薄情な親です……)
かすみ「場所が遠いから帰って来るのは明日。暖かくして寝てれば治るよなんて他人事みたいに言ってくれて」
かすみ「あ〜あ、しず子でもお見舞いに来てくれないかなぁ〜」
ピンポーン
かすみ「ん?誰だろう?」
かすみ(もしかして、本当にしず子が……?)
かすみ「はーい」ガチャ
ことり「こんにちはかすみちゃん」
かすみ「」
かすみ「……」バタン ことり「お邪魔しま〜す」ガチャ
かすみ「当然のように入って来ないでください」
ことり「無言で閉めるなんてひどいよかすみちゃん」
かすみ「閉めても意味ありませんでしたけどね」
かすみ「何しに来たんですか……?」ジトーッ
ことり「風邪を引いたって聞いてね。お見舞いに来たよ」
かすみ「お見舞い?引導を渡しに来たんじゃなくて?」
ことり「かすみちゃん熱に浮かされて変な事口走っちゃってる。かわいそうに」
かすみ「かわいそうだと思うんなら帰ってくださいよ」
かすみ「本当に辛いんです。ことり先輩と遊んでる場合じゃないんですよ……」ゴホッゴホッ
ことり「そんなに辛いなら尚更放っておけないよ」
かすみ「だから余計なお世話……あっ」フラァ
ことり「おっと、ほらね。一人じゃ危ないから私が看病してあげるね」
かすみ(熱で意識が朦朧と……このままじゃことり先輩になにされるかわからない……)
かすみ(あぁ、かすみんを支えて家の中に……こんな事になるなんて……) ピトッ
かすみ(ん……?冷たい。なに、これ?)
ことり「あ、気が付いた?」
かすみ「」
かすみ「これは夢だこれは夢だこれは夢だ……」ホッペムギュー
かすみ「痛い……夢じゃない」
ことり「いい加減現実を受け入れようよかすみちゃん」
かすみ「これが夢なら悪夢でもよかったと思いますよ」
ことり「かすみちゃんフラフラしてたから勝手にお邪魔して部屋まで連れて来たよ」
かすみ「なぜ私の部屋がわかったんですか……」
ことり「そりゃハート型の名札がドアにかかってたからね」
かすみ「あ……」
ことり「まぁ名札なくても予想ついてたけど」
かすみ「空巣ですかあなたは……」 かすみ(ことり先輩……私はこの人が苦手です)
かすみ(何考えてるかわからないし、いつも私をからかっておもちゃにして……)
かすみ(ことり先輩を家にあげたのはかすみん最大の失敗でしたね……)
ことり「ボーッとしてるけど、熱上がっちゃった?」
かすみ「まぁ、ある意味ことり先輩のおかげで上がりましたよ」
ことり「どれどれ〜」ピトッ
ことり「本当だ〜すごく熱いね」
かすみ「!?」バッ‼
かすみ「な、なななななな……!?」カァァ
かすみ 「なにするんですか!?」
ことり「なにって、お熱計ったの」
かすみ「そんなの体温計で計ればいいじゃないですか‼」
ことり「体温計どこにあるか知らないし」
かすみ「目の前、枕元にありますよ!!」
ことり「あ〜こんな所にあったんだ」
かすみ「白々しいにも程がありますよ……」グッタリ ことり「そうだ、ちょっとお台所借りてもいいかな?」
かすみ「まさかかすみんを煮込み料理にするつもりじゃ……」
ことり「かすみちゃんは煮ても焼いても食べられないよ〜」
かすみ「それはそれでカチンときますね」
ことり「風邪を引いた時にぴったりの飲み物があるの。少し待っててね、今作ってくるから」
かすみ「誰も許可してないのに勝手に行ってしまいました」
かすみ(ことり先輩……一体なんのつもりですか)
ことり「おまたせ〜」
かすみ「なんですそれは?笑い死にする薬ですか?」
ことり「それはぜひ海未ちゃんに飲ませてみたいね〜」
ことり「これはことり特製ホットレモネードだよ」
かすみ「レモネード?」
ことり「暖まるから飲んでみて」
かすみ「……」ジーッ
かすみ(怖い、けど飲まなかったらなにされるかわからない……)
かすみ「い、いただきます」
ことり「召し上がれ」
かすみ「………おいしい」
ことり「よかった〜。蜂蜜入れたから飲みやすいでしょ」
かすみ「そうですね、暖まります」
かすみ(う〜ん、なんだか調子が狂いますね……) ことり「かすみちゃん、ベランダに洗濯物が干してあるけどいつから?」
かすみ「確か、昨日の昼間から……取り込むの忘れてた」
ことり「私が取り込んであげるね」
かすみ「い、いいですよそこまでしなくても」
ことり「まぁまぁ気にしなくていいから」
かすみ「何を言っても無駄ですね、知ってましたけど」
かすみ「……」ボーッ
かすみ(ことり先輩、丁寧に畳んでる。意外と几帳面なんですね)
かすみ(私の下着まであんな綺麗に………って!?)
かすみ「ちょ、なにやってるんですか!?」
ことり「なにって、洗濯物畳んでるんだよ」
かすみ「それは…下着は…恥ずかしいから……」
ことり「かすみちゃんの下着だったんだ。大人っぽいね〜」
かすみ「わぁ〜やめてくださいそんな事言わないでください」カオマッカ
ことり「大丈夫、皆には内緒にするから」ニコッ
かすみ(絶対嘘だ) かすみ(まったく……ことり先輩のせいで余計具合が悪くなりそうです)
ことり「かすみちゃん、食欲はあるかな?」
かすみ「まぁ、少しくらいなら……」
ことり「夕飯作るよ。なにか食べたい物ある?」
かすみ「最後の晩餐ですか?」
ことり「それじゃ飛びきり贅沢な物にしないとね〜」
かすみ「真顔と笑顔の中間の表情で言うのやめてください」
かすみ「軽い物でお願いします……」
ことり「わかった。材料は私が買ってきたから適当に作るね」
かすみ「せめて胃腸炎で済みますように……」
ことり「出来たよ」
かすみ「これは……おかゆ?」
ことり「これなら食べられるでしょ」
ことり「食べさせてあげる」
かすみ「いいですよ子供じゃないんだから」
ことり「ことりから見たらかすみちゃんは幼稚園児だよ。はい、あ〜ん」
かすみ「なんですか幼稚園児って……」
ことり「早く食べないと器ごと服の上にこぼしちゃうかも」
かすみ「あ、あ〜ん」
かすみ「ゴクッ、ん……ん。あれ?これって」
ことり「気付いた?かすみちゃんのコッペパンを小さくちぎって入れてみたよ」
かすみ「おかゆにコッペパン……結構イケますね」
ことり「でしょ〜」
かすみ(完全にことり先輩のペースにハマってますね。でも……なぜか悪い気はしません)
かすみ(なんか、複雑だな) ことり「かすみちゃん、朝からずっとその格好なの?」
かすみ「そうですけど……」
ことり「汗かいて気持ち悪いんじゃない?」
かすみ「えぇまぁ確かに汗が張り付いてベタベタしますね」
ことり「新しいパジャマに着替えようか。ついでに身体拭いてあげる」
かすみ「はぁそりゃどうも……ってえぇっ!?」
かすみ「ダメダメダメダメダメ‼そんなの絶対ダメですって‼」
ことり「なんで?恥ずかしいの?」
かすみ「当たり前じゃないですか恥ずかしくない人間はいませんよ」
ことり「凛ちゃんは平気だって言ってたけど」
かすみ「凛ちゃんは平気でも私は平気じゃありません」
ことり「今更遠慮なんてしなくていいよ〜」パジャマヌガシ
かすみ「い、いやぁぁぁ〜!!」 かすみ「危うく貞操の危機でした……」
ことり「ことりにだって選ぶ権利はあるよ〜」
かすみ「なんか腹立たしいですね」
ことり「でも、身体拭いてさっぱりしたでしょ?」
かすみ「まぁ、そうですね……」カァァ
かすみ(下着を着けてたとはいえまさかことり先輩に裸を見られるなんて……もうお嫁に行けません)
ことり「ご両親は帰って来ないの?」
かすみ「親戚の法事で明日まで帰って来ません」
ことり「それじゃ私が朝まで一緒にいてあげるよ」
かすみ「今からでも帰ってくれていいんですよ?」
ことり「散々こき使って捨てちゃうんだね」
かすみ「ことり先輩が自分からやったんでしょうが」
かすみ「おかげさまであとは一人でも大丈夫ですから。もう遅いしことり先輩も帰った方がいいですよ」
ことり「そっか、わかったよ」
ことり「それじゃお大事に。また来るね」
かすみ「お世話様でした。もう来なくていいです」 かすみ「やっと帰ってくれた……」
かすみ「これで精々して休めますね」
かすみ(疲れた……寝よう)ウトウト…
かすみ「ん……んぅ、トイレ行きたい……」
フラッ
かすみ「あれ……なんかすごいクラクラする……」
かすみ(身体中が熱い……なんで?熱がまた上がったの?)
バタッ
かすみ「え……?動けない……そんな……?」
かすみ(私の身体、どうしちゃったの……?)
かすみ(お願い……動いて、動いてよ……)
かすみ「こ、ことりせんぱ……」
かすみ(あっ、ことり先輩は帰ったんだった)
かすみ(両親もいない、ことり先輩もいない。誰もいない家に私だけ一人ぼっち……)
かすみ(怖い……怖い……)ジワァ
かすみ「うっく……ひぐっ……」
かすみ「ことり先輩……帰さなきゃよかった……」
かすみ「ことり先輩……来てください」
ことり「呼んだ?」
かすみ「えっ……?」
かすみ(これは、幻ですか?)
ことり「幻じゃないよ〜」
ことり「言ったよね。『また来るね』って」
かすみ「そんなの……屁理屈ですよ」 かすみ「ん……うぅ〜ん……」
かすみ「あれ?なんで私ベットに……?」
かすみ(昨日床に倒れて動けなくなって)
かすみ(ことり先輩の幻まで見て)
かすみ「ん?」
ことり「すぅ……すぅ……」
かすみ「ことり先輩……なんでここに」
(ずっとことり先輩がそばにいる夢を見てたような気がしていたけど、夢じゃなかったんですね)
かすみ「……」
かすみ「ことり先輩……ありがとうございました。ことり先輩がいなかったら私、心細くてたまらなかったと思います」
かすみ(これは、認識を改めないといけませんね)
ピーッ
かすみ「えっ?」
ことり「やっと素直になったねかすみちゃん」パッ
かすみ「はっ?ことり先輩?なんです今の音は?て言うか寝てたんでは?」
ことり「寝たフリして録音してたんだよ。忘れた頃に聞かせてあげる」
かすみ「なにやってるんですか!?今すぐ消してくださいそんな黒歴史‼」
ことり「出来ないよそんなもったいない事〜」
ことり「眠った顔もかわいかったよ。これなんか特にかわいい」スマホミセ
かすみ「なっ、寝顔まで!?この人は〜!!」
ことり「あはは、怒った顔もかわいいね〜」
かすみ(やはり認識は変わりません)
かすみ(私はことり先輩が苦手。いつも私をからかっておもちゃにして)
かすみ(ことり先輩はわからない事だらけです)
かすみ(でも……ほんのちょっぴり、ちょっぴりだけ優しいのかも、しれません) これで終わりです。自分の中のことりはかすみに対して畜生キャラなのでたまには優しい先輩を意識してみました。最後まで読んでくれてありがとうございました。 おつおつ
ファックちゅん展開かと思ったけど平和で良かった 食べ物に盛ったのかと思ったぜ…
すまないことりちゃん >>38
はは、まさか!
俺はちっともそんなこと思っちゃったぜ! 可愛い着せ替え人形のところにしかことりちゃんは行かないぞ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています