穂乃果「ロンだよ!」
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前回のラブライブ!
音ノ木坂の廃校を救うために奔走していた私は、スクール雀ドルの存在を知った!
ラブライブで優勝すれば、雀聖として注目を集めて学校に人が集まるかもしれない!
でも雀聖への道はとても険しいみたい! 一体どうなっちゃうの!? 絵里「ペリメニツモ。三暗刻ドラドラ、2000・4000」
絵里「ほらほら、私にすら勝てないなら麻雀アイドル部の設立なんて認められないわよ?」
穂乃果「むむむ……」
海未「穂乃果! もっと頑張ってください!」
穂乃果「海未ちゃんは打ってないんだから静かにしててよ!」
海未「はうっ!」ガビーン
ことり「ンミチャーは応援よろしくね♡」
希「ふーむ。この勝負、カードによると一波乱起きそうやね」
絵里「さ、次を始めましょ」ジャラジャラ
ことり「……」ギランッ 絵里「ダブルエリーチカ!」バチッ
穂乃果「くっ……こんなにも雀力に差があるなんて……!」
海未「もう穂乃果の点数が危ないですよ!」
絵里「とっとこ終わらせたいのよね。早く打牌しなさい」
ことり「あわわ……ごめんなさい!」
ことり「え〜〜いっ!!」卓上ドシャァ~
絵里「なっ!? 何をしてるの!」
穂乃果「チョンボだよ!」
希「チョンボは満貫払いやんね」
絵里「まったく……ずいぶんマナーが悪いのね」
ことり「なんだかよくわからなくなっちゃって……」
海未「ことり、ファイトです!」
絵里「ふん、仕切り直しよ」ジャラジャラ ガシィッ
絵里「南さん、腕を掴まれたらサイコロが振れないわ。どういうつもり?」
ことり「告発日和、です♡」
ことり「イカサマはダメですよ〜会長さん」
絵里「何のことかしら?」
ことり「会長さんの山の中、見せてもらうね」スチャッ
大三元 バァ〜〜ン
穂乃果「うわぁ! 手牌を丸ごとすり替えられてたら危ないところだったよ!」
絵里「これがどうしたっていうの? たまたまよ」
海未「往生際が悪いですよ!」 希「えりちの積み込みを見抜くなんて、なかなかやるやん?」
絵里「希っ! あなたはどっちの味方なの!」
希「まあまあ、ここからはヒラで打つってことで続けるのはどう?」
海未「今のイカサマの落とし前はどうつけるおつもりですか?」
絵里「チョンボ扱いでいいわよ」
海未「どこからモノを言っているのですかっ!」
絵里「わかってないようね。こんなことをしなくてもあなた達くらいどうってことないのよ」
絵里「今までは『イカサマをされたから負けた』という理由を残しておいてあげたのよ。それがなくなった以上、この先に待っているのはあなた達の圧倒的敗北……挫折……絶望よ」
海未「それほどまでに自信が……!?」 穂乃果「海未ちゃん、大丈夫だよ。廃校を救うためにはここで負ける訳にはいけないから」
穂乃果「私は必ず勝つから!」
穂乃果「ほら、麻雀の神様が微笑んでくれた!」スチャッ
穂乃果「天和だよ!」ドォーン
絵里「え?」
穂乃果「天和だよ!」ドォーン
希「マジやん」
ことり「ホノカチャすごーい!」パチパチ
穂乃果「えへへ」 絵里「イカ……サマ……?」
海未「それはあなたでしょう! 穂乃果がそんなことするわけありません!」
絵里「そうね……私だったらそんなあからさまなものよりダブリーで止めとくわ」
絵里「それに、積み込めるほど器用には見えないし」
絵里「まあこういうこともあるわね」
ことり「次も穂乃果ちゃんの連チャンだよ」
穂乃果「うん!」 絵里「あなたもなかなかの運を持っているようね。でも、もうそうはいかないわよ。素の実力でも私は――」
穂乃果「天和だよ!」ドォーン
絵里「え?」
穂乃果「てん…」
絵里「黙らっしゃい!」
絵里「2度も続くわけないじゃないの! バカバカしい!」
希「えりち、これは本物やん。本当に運だけで天和を出してる」
絵里「そんなまさか……積み込みも無しに……」
希「きっと次も、その次も、その次もまた出してくると思うよ」
希「これほどまでの豪運にはもう、何をやっても勝てるはずがない」
希「認めてあげてもいいんやない?」
絵里「ぐっ……そうするしかないようね……」
絵里「いいわ。部の設立を認めましょう」
穂乃果「やったぁ!」
海未「やりましたね穂乃果!」
ことり「ハノケチュン!」 絵里「と言いたいところなんだけど、実はもうあるのよね、雀ドル部」
穂乃果「えぇっ!?」
ことり「確認しておけばよかったね」
海未「会長が教えてくれてもよかったじゃないですか!」
絵里「だってまさか勝つとは……」
絵里「じゃなかったら、雀ドル部の方を先に知ってても同じことだしね」
海未「同じこと、とは?」
穂乃果「海未ちゃん、もういいよ!」
穂乃果「そうとわかればそこに入らせてもらえばいいんだから!」
希「うまくいけばいいんやけどね」
穂乃果「?」
穂乃果―――雀聖と呼ばれた女 麻雀アイドル部部室
穂乃果「頼もーっ!」バァン
にこ「ぬわぁによあんたいきなり!」
ことり「お邪魔します〜」
海未「穂乃果、騒がしくしては迷惑ですよ」
穂乃果「ごめんごめん」
にこ「いったい何の用?」
穂乃果「私達を雀ドル部に入れてください!」
にこ「なによ、入部希望だったの? 早く言いなさいよね」
にこ「ってことは、ラブライブを目指すつもりってことでいいのよね?」
穂乃果「はい!」
にこ「そう。じゃあ入部テストするから卓に着きなさい」
穂乃果「テストあるの!?」
にこ「当たり前でしょ? ちゃっちい雀力じゃあ怪我するわよ。その前にふるいにかけてあげようって言ってるの」 にこ「3人いっぺん相手にしてあげるからかかってきなさい。レートは点入部の権利よ」
にこ「半荘1回であんた達の誰かがトップになれたら、全員の入部を認めてあげるわ」
海未「ずいぶんな余裕ですね」
穂乃果「海未ちゃんルール覚えたの?」
ことり「麻雀なんてハレンチです! って言って全然やろうとしなかったもんね」
にこ「どこがハレンチなのよ……」
海未「和了の時に牌を倒す仕草が自分の内側を全てさらけ出すようで恥ずかしいのです//」
にこ「何言ってんのこの子」 闘牌開始
にこ「それロンよ。七対子のみ」
にこ「ロン! 七対子ドラドラ」
にこ「ツモ! リーチ七対子」
海未「流石に自分から3対1を提案するだけありますね」
穂乃果「でもなんか七対子ばっかり?」
にこ「にっこにっこにー♪」
にこ「にこの元には同じ牌が二個ずつ揃っちゃうの」
にこ「仲間外れは嫌だもんね?」
海未 (みなさん、ここは策があります)
にこ「何か思いついた? 女は度胸、スクール雀ドルになるならなんでもやってみるものよ」 海未「ポン!」
穂乃果「ポン!」
ことり「ポン!」
にこ「揃いも揃ってピーピー鳴き始めて、どういう考えかしら?」
にこ「……ッ!」
にこ (なるほど……刻子を集めることで対子を作らせないつもりね)
にこ (少し厄介かも)バチッ
海未「ロン! 対々ドラ1です!」
にこ「ちぃっ……」
海未「私達が3人いれば負けることはありません!」
にこ「絆の力ね。ちょっと羨ましいかも」
にこ「でも、それじゃあまだダメよ」
にこ「にっこりの魔法かけてあげるんだから!」 ガチャッ
希「やってるね」
穂乃果「希先輩!?」
にこ「希……水差すつもり?」
希「まさか。見届けさせてもらうだけやん」
にこ「あいにくもう終わるところよ。リーチ!」バチッ
海未「はっ! この河は……染め手!?」
海未「ふたりとも気を付けてください!」
穂乃果「うん!」
ことり「わかってるよ海未ちゃん!」
にこ「遅いわ。ツモ」
にこ「リーチ一発ツモ、混一色、七対子」
海未「3人でかかってもにこ先輩の方が早い……」
ことり「フォッカチャ……どうしよぉ……」
穂乃果「ううん大丈夫。見てて」 バチッ
バチッ
にこ (おかしいわね……入りが悪くなったわ)
にこ (ツキの流れが変わった……?)バチッ
穂乃果「ロン! ラブアンド平和!」
にこ「よく足掻くじゃない」
穂乃果「へへん! もう対子は集まらないよ!」
にこ「ぬわぁんですって?」
穂乃果「だってここからは順子場だから!」
にこ「は?」 穂乃果「にこ先輩が七対子を揃えるっていうなら揃わないようにすればいいんだって、それが海未ちゃんの策だった」
穂乃果「でも穂乃果達がどれだけポンしても、にこ先輩にはまだ届かない」
穂乃果「それで、流れ変われーーーーっ! って、お願いしたの」
穂乃果「今はもう順子場になったから、対子は集まらないよ!」
にこ「は?」
海未「偉いですよ穂乃果!」
ことり「穂乃果ちゃん大好き!」
にこ「まともな子はいないの……?」 希「ふふっ、これはもう決まったかもね」
にこ「お願いしたから順子場になったですって? 馬鹿も休み休み言いなさい!」
にこ「場の流れは存在しても、それそのものを操作できるわけないわ!」
にこ「矢澤にこのにこはにこにこにーのにこよ!」バチッ
にこ「くっ……」バチッ
にこ「なんで対子が入らないの……!?」バチッ
にこ「にこにーの七対子は誰にも破られないんだから!」バチッ
穂乃果「ロン! タンヤオ、三色同順!」
にこ「うぐっ!」 にこ「嘘よ……」
希「そんで穂乃果ちゃんの親、と」
希「来るかな」
穂乃果「天和だよ!」ドォーン
希「出た」
・
・
・
にこ「私の負け……か」
にこ「七対子にこだわったのが敗因ね」
希「いやもうそういう問題じゃないんやないかな」
にこ「いいわ、入部を認めてあげる」
穂乃果「やったよ! ふたりのおかげだね!」
海未「穂乃果が頑張ったからですよ!」
ことり「海未ちゃんもよかったよ♡」 にこ「これから放課後は毎日打つわよ。気合い入れなさい」
穂乃果「はい!」
にこ「それと先輩禁止」
穂乃果「うん!」
海未「晴れてスクール雀ドル部員ですね」
穂乃果「これでスタートラインだね! よぉーし、はりきって……」
穂乃果「あれっ……」クラッ
バターン
海未「穂乃果ァ!?」
ことり「穂乃果ちゃんが倒れちゃった!!」
希「落ち着いて。保健室に運ぶよ」
海未「穂乃果ーーッ!!」
穂乃果―――雀聖と呼ばれた女 にこ「緊急ミーティングよ」
にこ「議題はずばり、部員を増やすことよ」
ことり「スカウトするのとかいいんじゃないかなあ?」
海未「そうですね」
穂乃果「じゃあ穂乃果これからスカウトしてくるよ!」
にこ「私は私で動くから、そっちは頼んだわ」
にこ「精鋭とは言わないけど、ラブライブを見据えたやる気のある人じゃないとダメよ」
にこ「ちゃんと雀力も見とくこと」
穂乃果「わかってるって! ファイトだよ!」
にこ「そうだ、1年に1人めぼしい子がいるからあとで教えとくわね」
にこ「……それよりあんた、もう大丈夫なの?」
穂乃果「ほえ?」
にこ「この前の勝負のあと倒れたでしょうが」
穂乃果「ああ! もうすっかりよくなったよ!」
にこ「それならいいけど。なら部員集めに行くわよ」 音楽室前
海未「にこのアテというのはよくここにいるらしいですが」
穂乃果「とりあえず入ってみようよ!」
「プレイヤーあっという間にイーシャンテンだー!」
穂乃果「あっ、ほらっ! 誰かやってるよ!」
ガラッ
真姫「ヴェェ!?」
穂乃果「こんにちは! あなたがテストで学年1位の西木野さん?」
真姫「そうだけど……今オンラインで対局中だから終わるまで待っててくれます?」
穂乃果「うん! 見ててもいいかな?」
真姫「別にいいですけど」 「プレイヤーテンパったー!」
穂乃果「……穂乃果、打つ時あんまり考えてないからわかんないや。ふたりはどう?」
ことり「無駄のないすごく理想的な麻雀だと思うよ」
海未「デジタル打ちというやつですね。それも徹底した」
海未「安定感は抜群でしょうね」
穂乃果「そうなんだ……」
・
・
・ 真姫「待たせたわね、終わったわ」
穂乃果「ねえねえ西木野さん! スクール雀ドルにならない?」
真姫「お断りします」
穂乃果「えぇー! なんで!?」
真姫「麻雀でもなんでも負けるつもりはないけど、この前酷くやられちゃって」
真姫「ちょっと気分じゃないのよね」
穂乃果「うーん、麻雀は負けることもいっぱいあるよね? それでいちいち落ち込むことはないんじゃないかな?」
真姫「そんなことはわかってるわよ。ただ、借りを返さないと気が済まないの」
真姫「それで今は実力を高めているところよ」
海未 (どうしましょうか?)
ことり (西木野さんを負かした子も気になるね)
穂乃果 (うん、いいこと思いついたよ)
穂乃果「ねえ西木野さん、ちょっといいかな――」 1年教室
凛「ツモ! ラーメンタンピン! トッピング(裏ドラ)も追加にゃ!」
「また星空さん? 強すぎるよ〜」
「やめやめ。やってられないよ」
花陽「凛ちゃんすごーい!」
凛「今日も絶好調にゃ!」
ことり「あのぉ〜」
凛「にゃ?」
ことり「今の対局見てたんですけどぉ、すごく強いんですね!」
凛 (見ない顔だにゃ。トロそうな顔してるし新しいカモがやって来たにゃ)
凛「それほどでもないにゃ」
ことり「まるで自由に牌を選んでるんじゃないかって思っちゃいました〜」
凛「そんなことがあるわけないにゃ」
ことり「そうだよね〜握り込みなんて下卑た技だもんね♡」
凛「」ピクッ
凛「何が言いたいの?」
ことり「ピィッ!?」
ことり (怖いよぉ……ことりにこんな役向いてないよ……)シクシク
凛「本当に下卑た技かどうか試してみる?」 真姫「ちょっと、その人は上級生よ」
凛「あっ! この前凛にボロ負けした西木野さん!」
花陽「凛ちゃんそんなこと言っちゃダメだよぉ……」
凛「へーきへーき。この世界は勝った者が正義だから」
真姫「いい気になってるのも今のうちよ」
凛「さっきから癇に障るヤツばっかりにゃ」
凛「絡んできた理由はだいたいわかってるよ」
凛「凛とまたやりたいならレート10倍ならやってやるにゃ」
海未「10倍!?」
穂乃果「穂乃果だったら破産しちゃうよ!」
凛「(またなんか続々出てきたにゃ……) 西木野さんってお金持ちなんだってね。なら大丈夫でしょ?」
花陽「お金持ちって羨ましいな〜」 真姫「……かまわないわ」
真姫「ただし、あなた達は私の上家と下家に座りなさい」
凛「なんで西木野さんが凛とかよちんの間に入ってくるの!?」
海未「何か不都合があるのですか?」
凛「……それでいいにゃ」
凛「……」
凛 (かかったにゃ)ニヤァ
―――――――――
――――――
―――
真姫「名前は星空凛。オヒキに小泉花陽がいるわ」
真姫「ふたりはサマ師よ。通しにすり替え、握り込みに送り込み、なんでもやって荒稼ぎしてるわ」
海未「そこまでわかってるのなら、もう対処できるんじゃないですか?」
真姫「イカサマは現場を押さえないといけないわ。でも、対局中にはついに指摘することはできなかった」
真姫「挙動が見えなくて私じゃ捉えられないのよ」
穂乃果「ことりちゃんならいけるかな? 生徒会長の技も見破ったんだよ!」
ことり「んー見てみないとなんとも言えないかも」 真姫「とりあえずふたりの席は離して分断させるつもりよ」
穂乃果「そんな要求飲んでくれるかなぁ?」
海未「それについては大丈夫だと思います。たとえ全員がサマ師の卓であろうと、あくまでヒラ打ちという体ですから断れはしないでしょう」
海未「問題はやはり、イカサマを止められるかにかかっていますが」
穂乃果「穂乃果がいこうか?」
ことり「ううん、ことりがやるよ」
真姫「もし止められなかったらそのまま勝負することになるわ。その時はどうするの?」
ことり「それも……考えてあるから」
穂乃果「じゃあ、それで勝ったらスクール雀ドル部に入ってくれる?」
真姫「まあ、勝てばね」
穂乃果「わーい! 真姫ちゃんゲットー!」
真姫「だから勝ってからでしょ」
―――
――――――
――――――――― 真姫 (さっきの他の生徒との対局は見てたでしょう? どうだったの?)
ことり (ちゃんと見えたよ! あれなら押さられると思う)
真姫 (そう。イカサマで食べてる子からそれを取り上げれば、ただの猫ちゃんの出来上がりよ)
真姫 (年貢の納め時ね)
真姫「始めましょ」 東一局
東家 花陽
南家 ことり
西家 凛
北家 真姫
ジャラジャラジャラ
チャッ チャッ
真姫 (配牌までことり先輩が動かなかったということは、積み込みはされてないはず)
真姫 (警戒してることはわかってるだろうし、流石にしょっぱなは様子見するようね)
凛「カン」
真姫「なっ!?」
クルン
海未「カンドラ即乗り!? 露骨な……」
穂乃果「危ないよ!」
凛「リーチにゃ」バチッ 真姫「まだよ……ツモ順をずらせば……」
真姫「チー!」
凛「(和了り牌なんて既にギってるに決まってるでしょ) ツモ」
凛「Hello裏ドラを数えて、ドラ12。数え役満にゃ」
真姫「いきなりやられたわ……!」
真姫 (ちょっと! 積み込みは見えなかったの!?)
ことり (全くわからなかったよぉ……)
穂乃果「ありゃ? ピンチかも?」
海未「対局前の見学の時では見抜けていたはずですが……どういうことでしょう?」 凛 (パンピー相手なら普段は"ヌいて"やってても余裕だにゃ。仮に警戒されたところで、凛が本気で動けば押さえることは絶対に不可能)
凛 (凛達に一度ボコられて再戦してくる人はイカサマにあたりをつけてくるけど、そういう時はちょっと本気出してあげればこのザマにゃ)
凛 (凛の素早さには誰もついてこれないにゃ!)
凛「カン!」
海未「またドラが……」
穂乃果「ことりちゃん! 破産だよ!」
ことり「……」
凛「リーチ!」バチッ
ことり「ロン」
凛「えっ?」 ことり「三色、混一色。親満です♡」
海未「た、助かった……?」
穂乃果「流石ことりちゃん!」
ことり「大見得切ったのに結局捉えることができなかったのはことりの責任。だから、失態は自分で取り返すもん」
真姫「へぇ、やるじゃない」
ことり (だって私もサマ師だから。穂乃果ちゃん達にはナイショだったけどね♡)
花陽「みんなチョットマッテー!」 花陽「ロン。白のみ」
花陽「頭ハネです〜」
海未「そんな……せっかくことりが……」
凛 (かよちん助かったにゃ)
花陽 (あの先輩は要注意だね)
凛 (とはいえ、その時はかよちんのサポートがあれば問題ないにゃ)
花陽 (凛ちゃんの手さばきと私の〇〇〇があれば、負けることはありえない)
((私達は最強だ!! )) 真姫 (星空凛の和了を咎めることりさんを小泉花陽が割り込む、という流れが続いてる……)
真姫 (私、リベンジしにきたのに何もできてない……?)
真姫 (それどころか足手まといじゃない!)
真姫 (そんなのは許されないわ!)
真姫「パンサーリーチ!」バチッ
花陽「ポンです!」
真姫「しっかり一発消しね……オヒキの鑑だわ」
凛「西木野さんいたのにゃ。大人しいから存在を忘れてたにゃ」
真姫「このっ……!」
ことり「ちゅんちゅん♪ 熱くなっちゃダメですよ♡」
真姫「ことり先輩……」
ことり「頭に昇った血を下げないと。ほら、落ち着いて」
真姫「はあ……」
真姫 (ッ!)
真姫 (膝の上に牌が2つ!? いつの間に……)
真姫 (ことり先輩が、対面から卓の下を通して投げたってこと? しかも河から予測したのか1つは私の和了り牌……)
真姫 (確かにこの膠着状態を破るには私を無理にでも参入させるしかないわね。遠慮なく使わせてもらうわ)
真姫「ツモよ。リーチツモ、タンヤオ」
凛「安くて助かるにゃ」
真姫「うるさいわね」 真姫 (とはいえ大きく何かが変わるわけでもない……)
真姫 (大きな手こそ牽制しあうようになったものの、最初の数え役満の分、流し続けるのはこっちが不利)
真姫 (それに卓下で牌を渡せるのは向こうも同じはず)
真姫 (やっぱり私がどうにかしないと……!)
ことり 「……」
ことり「ねえ真姫ちゃん、お金持ちだったらなんでも持ってるの?」
真姫「な、なによ急に?」
ことり「欲しいものとか、自由に買えるのかなって♡」
真姫 (……!)
真姫 (そう……そういうこと……)
真姫「勉強漬けだからそんなことはないわ」
真姫「たまにはパーッと遊びたいわね」
ことり「そうだよね〜」パチッ
真姫「それポンよ」 ことり「カン」
海未「今度はことりがカンを!? 危険ではないですか!?」
シュッ
クルン
凛「!」
凛 (凛の仕込んでたカンドラをすり替えられたにゃ。凛並の見事な手つきにゃ)
凛 (しかもドラ表示牌は七索、西木野さんがトサカ先輩からポンしたのは八索……)
凛 (『欲しいもの』『パーっとあソびたい』……さっきの会話は通しだったのにゃ)
凛 (でも、西木野さんの方から手助けできる技術はないみたいだよ? このままだとラス目は……)
真姫「ツモ! タンヤオ対々和、發、ドラ3!」 オーラス
花陽 23700
ことり 3700
凛 40700
真姫 32900
海未「もうオーラスですが……ことりが……」
穂乃果「ことりちゃんならなんとかしてくれるって!」
真姫 (私はこのままでも2着……でもこれじゃあ借りを返したことにはならないわ)
真姫 (それにことり先輩。私ばかり和了らせたせいで自分がラス目で終わるなんて、寝覚めが悪いのよ)
ことり「真姫ちゃん」
真姫「えっ?」
ことり「大丈夫だよ」
真姫「そう……あなたを信じるわ」
真姫「じゃあ、最後に一つだけ」
真姫「先輩の次、逆立ちしたアホが見てるわよ」
ことり「……ふふっ、ありがとうね」
凛 (なにを言ってるにゃ? トサカ先輩の次?)
凛 (ツモ順的には凛のことだけど、逆立ちもしてないしアホじゃないにゃ)
凛 (トサカもトサカでありがとうとか言ってるし、負けが決まっておかしくなったんだね)
凛 (とっとこかよちんに振り込んで終わりだにゃ) 凛 (さーてかよちんの待ちはっと)
花陽「……」チラッチラッ
凛 (ん? トサカ先輩の河?)
凛 (見え見えの国士だにゃ。行き詰まったラス目の人間はこうやってネコチャン狙って破滅するから滑稽だね)
凛 (既にテンパイくらいしてるかもしれないけど、こんなのに振り込むのはおバカさんしかいないよ)
ヒュッ
凛 (膝の上に白牌が送られてきた……? かよちん、これで振り込めばいいの?)
凛 (ははん、かよちんたら国士に放銃したと見せてうかれたところをまた頭ハネで絶望させてやるって魂胆にゃ)
凛 (なにせかよちんは、白が見えるからね。トサカ先輩の待ちは白ってことがかよちんには見えてるにゃ)
凛 (こういう時はかよちんに従ってれば安全にゃ)
バチッ ことり「ロン。国士無双」
海未「や、やった……! 逆転です!」
穂乃果「やっぱりことりちゃんだね!」
凛 (むふふ……せいぜい喜んでろにゃ)
真姫「もう、どうなるかと思ったわよ」
凛 (さあかよちん、頭ハネの宣言にゃ) 花陽「り……凛ちゃん……何やってるの……?」
凛「にゃ?」
花陽「国士だから気をつけてって……合図したよね?」
凛「? かよちんが白を寄越したんでしょ?」
花陽「私そんなことしてないよ!?」
凛「あれ?」
凛「じゃあ、これで、凛の、負け?」
凛「え?」 雀ドル部部室
穂乃果「スクール雀ドル部へようこそ真姫ちゃん!」
真姫「私はあることをことり先輩に教えただけよ」
海未「ことりの次、アホが逆立ち……というやつですよね?」
真姫「ことり先輩(ちゅんちゅん→中) の次、つまりドラ表示牌で言うところの中の次は白」
真姫「そして逆立ちしたアホ」
真姫「アホを逆さに読んでホア。ホアは中国語で花。小泉花陽の花よ」
真姫「小泉花陽は白のガン牌ができる、ってね」
ことり「ちゃんと伝わったよ♡」
ことり「それで私が星空さんに白を送り込んで、振り込ませたの」
穂乃果「そっか! そのタイミングなら小泉さんから送られてきたものとしか思わないから、絶対に打牌しちゃうね!」 穂乃果「いやー部員も一気に3人も増えて、にこちゃん喜ぶだろうなぁ!」
海未「3人……?」
ガチャッ
凛「ど、どうも……」
花陽「さっきぶりですぅ……」
真姫「ヴェェ!? なんでふたりがいるのよ!」
穂乃果「ちゃんとスカウトしといたよ! だってこんなに強いんだから!」
凛「真姫ちゃん真姫ちゃん真姫ちゃーん!」スリスリ
真姫「ヴェェ! なによ!!」
花陽「凛ちゃん、私のガン牌をことり先輩に伝えた機転をすごく買ったみたいで」
花陽「凛ちゃん今までほとんど負けたことなかったから……」
海未「そういえばどうして白だけガン牌ができるのですか?」
花陽「それは……」
花陽―――GoHAN-YAと呼ばれた女 穂乃果「まさか絵里ちゃんと希ちゃんも入ってくれるとはね〜」
にこ「実力的にどうしても引き入れときたかったのよね」
絵里 (穂乃果だけいればいいんじゃないかしら)
にこ「全員合わせて9人にもなったわ。ラブライブに向けて本格的に活動していくわよ」
凛「打ちまくるにゃ〜!」
希「ねえ穂乃果ちゃん、あとでふたりでお話しよっか」
穂乃果「え? もちろんいいよ」 >>16
対々ドラ1
赤牌入り?
まあ、テンポ良いので気にしないことにする。 ・
・
・
希「部活終わったあとに残ってもらってありがとうね」
穂乃果「全然大丈夫だよ!」
希「とりあえず卓に座って」
穂乃果「ふたりで麻雀?」
希「いんや、手牌作るところまでちょっとやってみて欲しいんよ」
チャッ
チャッ
穂乃果「天和だよ!」ドォーン
希「ウチも天和や」ドォーン
穂乃果「おぉー! お揃いだね!」
希「ふふ。まあ同じことはえりちや凛ちゃんもできるはず」 希「でも、そのふたりとウチらの天和はちょっと違うんよ」
穂乃果「絵理ちゃん達は積み込みができるよね?」
希「その通り。でもウチらは何もしなくても出てしまう」
希「本来、天和が出る確率ってどのくらいか知ってる?」
穂乃果「金のエンゼルが100回連続で当たるくらい?」
希「うーん……そのくらいなんかなぁ……?」
希「とにかく、普通は出せと言って出せるもんやない」
希「ウチのもさっきのは上手くいったけど、本当は10回に1回出るかどうかなんよ」
希「ところが穂乃果ちゃんは何度も連続でやってのけてる」
希「これは運命をねじ曲げてるということやん」
穂乃果「運命を……?」 希「そんな力を使い続けていたら身体がどうなるかわからない」
希「もしかしたら、死んでしまうかも」
穂乃果「またまた〜」
希「この前、にこっちとの勝負のあと倒れたでしょ? あれはえりちとウチとやったあとだったから、天和の打ち過ぎによるものやんね」
希「もう、使わない方がいいと思う」
穂乃果「……」 穂乃果「穂乃果……みんなみたいに効率よく打てないし、手先も起用じゃない、いざという時の機転も利くわけじゃない」
穂乃果「でも、ラブライブで優勝するにはやるしかないんだ」
穂乃果「生半可な覚悟じゃたぶんうまくいかないから、穂乃果ができることは全部ぶつけたい」
希「……そっか。よくわかったよ」
希「みんなはどう思う?」
穂乃果「え?」
ガチャッ
海未「穂乃果ぁ!」
ことり「穂乃果ちゃん!」
にこ「水くさいわよ、ちゃんとみんなに相談しなさいよ。仲間でしょ?」
真姫「穂乃果の出番なんてないくらい楽させてあげるわよ」
凛「負けそうでも凛が点棒くらいすり替えてやるにゃ!」
花陽「凛ちゃんそれはちょっと……」
絵里「みんな気持ちは同じよ。廃校は救う。穂乃果にも無理はさせない。両方やるに決まってるわよ」
穂乃果「みんな……!」 こうしてμ'sはラブライブに出場し、トーナメントを勝ち抜き決勝まで昇った。
穂乃果「ついにここまで来たね!」
希「穂乃果ちゃんを温存することもできてたし、順調といえるね」
凛「舞台の上でカメラも入ってやるから流石にしょぼいイカサマしかできなかったにゃ」
絵里「みんな、あと少しよ。頑張りましょう」
穂乃果「ところで決勝の相手は誰なの?」
にこ「ぬわぁんで知らないのよ」 にこ「いま雀聖に最も近いと言われる綺羅ツバサをリーダーとしたA‐RISE」
にこ「間違いなくこれまでで最強の相手よ」
真姫「他のメンバーは統堂英玲奈に優木あんじゅ。どちらが出ても綺羅ツバサのオヒキに徹してたわね」
真姫「おそらく決勝は、綺羅ツバサと統堂英玲奈で出てくるわ」
真姫「うちはどうするの?」
穂乃果「どうしたらいいと思う?」
にこ「まずあんたは出るべきね」
希「そやね。綺羅ツバサに対抗できるのは他にはいないと思う」
穂乃果「うん……じゃあ、もう1人は……」 とくに良いところがない海未ちゃんに
問題は弱そうってところくらい 穂乃果「もう1人は、海未ちゃん、お願い」
海未「私で……いいのですか?」
にこ「……はっきり言って、総合的に考えれば絵里かことりあたりが適任だと思うけど?」
海未「私もこの中では、雀力は私が1番低いのかと思います……」
穂乃果「ううん、決勝で私と一緒に打つのは海未ちゃんしかいないよ」
にこ「納得する理由は聞かせてもらえるんでしょうね? 大事な決勝なのよ」
穂乃果「……」
穂乃果「みんなは麻雀って小さい頃からやってきたと思うんだけど、海未ちゃんはずっと抵抗があって、始めたのは最近なんだ」
穂乃果「それも穂乃果がラブライブに出ようとしたのを知ってからだから、本当に日は浅い」
にこ「だったらなおさら……!」
穂乃果「でも、穂乃果のために苦手な麻雀覚えてくれたのすごく嬉しかった。そんな海未ちゃんがそばで一緒に打ってくれるなら、それだけですごく意味がある」
穂乃果「これが海未ちゃんを選んだ理由」
海未「穂乃果……」 海未「わかりました。私にやらせてください。必ず力になります」
ことり「海未ちゃん頑張って♡」
希「穂乃果ちゃんが選んだなら、それが最適ってことやね」
にこ「はぁ……しょぉ〜〜〜がないわねぇ」
にこ「ぶっちゃけあんまり納得できてないけど、そういえばあんたの麻雀は理屈じゃないものね」
にこ「絶対勝ってきなさいよ」
穂乃果「うん!」
にこ「それじゃあ、試合の前に……」
にこ「緊急最終ミーティングよ!」 ―――――――――――――――――――――――
ツバサ「ふふっ、よろしくね。高坂穂乃果さん」
ツバサ「いい勝負がしたいわ」
穂乃果「よろしくお願いします!」
ツバサ「圧倒的な実力で勝ち抜いてきたμ's、そのリーダーのあなたにはとても興味があるわ。しかもここまでであなたが顔を出すのはこの対局が初めて」
ツバサ「いったいどんな麻雀を打つのかしら」
海未「穂乃果、馴れ合う必要はありません。これから倒す相手なのですよ」
ツバサ「あら、そちらは園田海未さんね」
ツバサ「スクール雀ドルっていうのはね、いうなれば興行」
ツバサ「雀ドルは人を楽しませるために打つ、ということを忘れてはいけないわ」
ツバサ「もちろん私達が精一杯全力で打つのは変わらないけれど」
海未「私達は勝たなければいけないのです。ただそれだけです」
穂乃果「海未ちゃん……」 東一局
東家 海未
南家 ツバサ
西家 穂乃果
北家 英玲奈
ジャラジャラジャラ
チャッ
チャッ
海未 (いい配牌です)
海未 (相手はあのA‐RISE。隙を与えてはいけません)
海未「微熱からリーチ!」バチッ
ツバサ「いい運を持ってるわね、怖い怖い。流石はμ'sの一員というところかしら」
海未「無駄話をするつもりはありません!」
海未「ツモです! リーチツモ!」
海未「やりましたよ穂乃果!」
穂乃果「うん、このままいこう海未ちゃん」
海未「はい!」 ―――――――――
――――――
―――
にこ「これよりA‐RISE対策会議を始めるわ」
絵里「にこはスクール雀ドルのことは詳しいのよね? A‐RISEの情報はある?」
にこ「ツバサは……オールラウンダーなのよ。こういうタイプだとは一口には言えないわ」
にこ「なんでもやれるし、なんでもやってくる」
にこ「決勝でどんな手を使ってくるか予測はできないわね。これまでの試合も、毎回全く違った様相のプレイをしてる」
真姫「じゃあ、対策はないの?」
にこ「ただ、序盤は比較的大人しい傾向があるわ。勝機はおそらくそこにある。最初からどんどん攻めなさい」
穂乃果「押せ押せってやつだね!」
海未「肝に銘じます」
―――
――――――
――――――――― にこ「とは言ったけど……」
海未「ツモ! リーチツモ!」
海未「ロン! リーチのみ!」
希「海未ちゃん調子ええなぁ」
真姫「安手だけど連続で和了ってるわね。もう東一局の5本場よ」
凛「……」
花陽「凛ちゃん、何かあった?」 凛「うーん……統堂英玲奈の方が妙な手つきをしてるにゃ」
真姫「あの大舞台でイカサマを?」
凛「イカサマというか……ことりちゃんはわかる?」
ことり「たぶん、海未ちゃんにわざと和了らせてる」
凛「だよね」
絵里「相手に和了らせる積み込みなんてありえるの?」
ことり「目的はわからないけど……」
絵里「それが本当なら、手のひらで踊らされてるってことね」
にこ「なんにせよ状況が変わるならそろそろね」
にこ「じきに八連荘よ。どこまでこの茶番を続けるのかしら」 海未 (またまた好配牌です)
海未 (このまま八連荘まで続いたらどうしましょう……)
海未 (ラブライブ決勝で役満を和了り勝利……ツバサさんの言う通り興行だというのなら、これで最高に盛り上がる展開ですね)
海未 (ただし勝つのは私達ですが)
海未「リーチ!」バチッ
ツバサ「あらあら……これはどうかしら?」バチッ
海未「ロン! リーチ一発ドラ1!」
海未 (これで次はいよいよ8本場……八連荘……! A‐RISEというのも意外と大したことなかったり……) ツバサ「すごいわね」
海未「はい?」
ツバサ「聞こえないの? この歓声が」
「おおおおおおお!!!」パチパチパチ
ツバサ「ほら、みんなあなたの和了りを待ってる」
ツバサ「ちゃんと期待に応えてあげないと……ね?」
海未「ぁっ……」ドクン
穂乃果「海未ちゃん! 落ち着いて!」
ツバサ「ふふ……まさか役満のチャンスを棒に振るわけにはいかないもの」
ツバサ「絶対に和了らなきゃ、みんながっかりしちゃう」
ツバサ「さあ……8本場、始めましょ?」ジャラジャラ
海未 (こ……この重圧は……どうして急に……?)ドクンドクン
海未 (ツバサさんに改めて指摘されなくてもこの局が肝心だということはわかっていたはずです)
海未 (それがここにきてなぜ……)ドクンドクン 海未 (いえ、とにかく和了れば勝ちは決まったようなもの! 配牌は……)
海未 (よし…… !ダブ東のイーシャンテン……!)
海未 (早く和了らないと……)ハァハァ
穂乃果「海未ちゃん、大丈夫?」
海未「ええ……私は冷静です」バチッ
ツバサ「私も心配よ? すごく体調が悪そう……」
ツバサ「でも、これでもっと具合悪くなっちゃっても許してね?」
ツバサ「ダブルリーチ」バチッ 十三不塔とか裏役満的なものが出てきたら
泣きそうになる にこ「このタイミングで動いてきたわね……全てツバサの描いた絵図の通りよ」
にこ「英玲奈が仕込んで海未に7本場まで和了らせ、役満まであと一歩のところで取り返す」
にこ「海未を堕とすと同時に、自分達は最高の逆転劇を演出できる」
真姫「でも穂乃果ならいつでも1巡目で和了れたんじゃないの?」
にこ「それは……」
希「ツバサちゃんが穂乃果ちゃんを抑えてるせいや」
希「真姫ちゃんの言う通り、連チャンしてる間に、仕込みも何も全て無視した穂乃果ちゃんが和了ってもおかしくない」
希「それができないのは、ツバサちゃんが穂乃果ちゃんに匹敵する天運の持ち主だから」 希「運を打ち消しあってると言ってもいいかな」
絵里「そんなの……本当に勝てるの?」
花陽「それって逆に、ツバサさんも天運を発揮できないってことでもあるんじゃない?」
希「そうやな、そこは助かったね」
にこ「それより海未よ。ここで海未が振込みでもしたら、もう完全に平常心を失って再起不能よ」
にこ「穂乃果とツバサが実質ヒラの状態だっていうなら、英玲奈のイカサマの分、差は開いていくわね……」
凛「凛が握り込みくらい教えておけばよかったにゃ」
ことり「……」
ことり「信じようよ。ふたりを」
真姫「そうよ。一度信じて送り出したんだから、うだうだ言わないの」
にこ「わかってるわよ……祈るしかないもの」 海未 (一巡目のリーチに対してオリるもなにもありません。私はなんとしても役を作りにいかないと……)バチッ
ツバサ「園田さん、それは――」
海未「ひっ……」ビクッ
ツバサ「通しよ」クスッ
海未「〜〜〜っ!」
英玲奈「ははっ! あまり戯れてやるなツバサ」
英玲奈 (園田海未の心は折れる寸前。彼女にはテンパイを掴ませているから当然ツモ切りしていくだろう)
英玲奈 (そして次巡の園田海未のツモはツバサの当たり牌)
英玲奈 (完全にフルハウスだな)バチッ 穂乃果「ロン」
英玲奈「なにっ!?」
ズラァッ
英玲奈「それは……役なし? リーチしていなかったはずだが……」
ツバサ「よく見なさい。テンパイすらしていないわ」
ツバサ「チョンボね」
海未「穂乃果……どうして……私の役満……」
穂乃果「……」
穂乃果「海未ちゃんのお馬鹿ーーー!!!!」バチーン
海未「ぶぅぅぅぅ」ドシャァァァァ
穂乃果「そうだよチョンボだよ!」
穂乃果「海未ちゃんの役満なんか台無しにしちゃったもんね!」
海未「穂乃果、なぜ……」ヒリヒリ 穂乃果「海未ちゃん私のこと全然見てないじゃん!」
穂乃果「私達別に通しとかもできないけどさぁ!!」
穂乃果「ひとりで打ってるんじゃないんだよ!?」
海未「で、ですが……コンビ打ちでないのなら結局は個人技になるのでは……?」
穂乃果「うっ……」
穂乃果「こっ、心の問題(?)だよ!!」
穂乃果「役満に目がくらんで突っ走って!」
海未「穂乃果……私だって……!」 海未「私だって役満和了ってみたいんです!!」
海未「穂乃果もことりもずるいです!」
海未「私には運も技術も経験も、何もかも足りないのに!!」
海未「役満を和了って穂乃果の力になりたいんです!」
穂乃果「それはもう聞いたよ!」
海未「何度でも言います!」
穂乃果「じゃあ私の言ったこともちゃんと思い出してよ」 穂乃果「運とか技術とか、経験だっけ? そんな理由が必要なら海未ちゃんを選んでないってば」
穂乃果「特別なことなんかしなくていい」
穂乃果「いつも通り海未ちゃんが一緒に打ってくれればいいんだよ」
海未「本当に……それだけでいいんですか……?」
穂乃果「それ以上のことなんてないよ。それがいいんだよ」
海未「……」
ツバサ「夫婦喧嘩は終わった? 」
海未「ふうっ!?」
穂乃果「ツバサさん、英玲奈さん、お騒がせしてすみませんでした」
海未「も、申しわけありませんでした……」
英玲奈「まあいい、続けようか。チョンボでのノーゲームで8本場からやり直しだ」 ジャラジャラ
ジャラジャラ
英玲奈 (やれやれ、せっかく積み上げた雰囲気が壊れるところだ)
英玲奈 (だが、結局状況は変わっていない。ここを取れば同じこと)
ツバサ「英玲奈」
英玲奈「どうした?」
ツバサ「何もしなくていいわ」
英玲奈 「なッ!!」
英玲奈 (バカな……ここをツバサが和了って完全に流れをうちに持っていく手筈だろう……!)
英玲奈 (仮にも八連荘の目はまだ継続している……その行動はリスクを取るに値するのか?) ツバサ「穂乃果さん……私とあなたはよく似ているわね」
ツバサ「あなたも気付いているでしょう? ここで目を合わせた時から」
穂乃果「うん、感じてるよ」
ツバサ「私はあなたを、あなたは私を。互いに乗り越えなくてはならない壁となっている」
ツバサ「もう演出なんていらないわね。この対局、最後にはこうなるんだと、もうわかったもの」
ツバサ「私は超えるわよ。ひと足先にね」
ツバサ「ダブルリーチ」バチッ
英玲奈 (! 積み込み無しに自力で引き寄せたのか!?)
ツバサ「そして――」
ツバサ「オープンリーチよ」バラン
英玲奈 (ツバサ……)
英玲奈 (これは……ツバサの覚悟だ……!)
英玲奈 (これで相手からの振り込みなどなくなった……だが……)
英玲奈 (だか、今のツバサなら、間違いなく次のツモで一発で入る……!) ツバサ「さあ……応えてみて! 凌いでみて! あなたの覚悟を見てみたいの!」
穂乃果「ツモ。地和」
ツバサ「えっ」
穂乃果「はぁーーー海未ちゃんに言いたいこと言ってすっきりしたーー!!!」
穂乃果「やっぱり悩んだり考えたりしながら打つなんて穂乃果にはできないや」
穂乃果「喧嘩なんてするもんじゃないよね!」
海未「喧嘩ではありません……さっきのは、ただの私のわがままです……」
穂乃果「んもー! もう仲直りだよ! 海未ちゃん!」 ツバサ「フフ……流石ね……」
英玲奈「落ち着けツバサ……次はツバサの親だ。そこで取り返せる」
ツバサ「ええ、動揺はないわ。μ's相手にはこのくらい想定内よ」
ツバサ「勝負はここから始まるんだもの……!」
ツバサ「ダブルリーチ!」バチッ
穂乃果「ロン。人和」
ツバサ「あっ」 ことり「穂乃果ちゃん達が勝った!」
希「やれやれやね」
にこ「ちょっとA‐RISEかわいそうになってきたわ」
凛「優勝だよかよちん!!」
花陽「優勝!? ホントニユウショウシチャッタノォ!?」
真姫「穂乃果の運がツバサを上回ったってことでいいのかしら」
希「たぶん、キーは海未ちゃんだったんやね」
希「考えてみれば穂乃果ちゃんが天運を発揮する時、いつも海未ちゃんがそばに居た」
希「穂乃果ちゃんと海未ちゃんはニコイチやん」
にこ「にこ?」
絵里「それって、私と希みたいね?」
希「え? そうなん?」
絵里「チカァ……」 ツバサ「ありがとう穂乃果さん。いい勝負だったわね。たぶん」
穂乃果「うん! 楽しかったよ!」
ツバサ「いったい私に何が足りなくて、あなたに届かなかったのかしら?」
穂乃果「うーん、わかんないよ」
穂乃果「私がここまで来れたのは、μ'sのみんなのおかげだから!」
穂乃果「私も足りないものばっかりでみんなに迷惑かけてるし」
穂乃果「それに、もう1回やったら今度は違う結果になるかもしれない」
ツバサ「そう……」
ツバサ「私もまだまだだったわね。勉強になったわ」
ツバサ「今日は本当にありがとう。優勝おめでとう」
穂乃果「ありがとうツバサさん!」 ラブライブで優勝、活躍したMVPの穂乃果には雀聖の称号が与えられた。
それにより音ノ木坂学院は注目を集め、入学希望者増加により廃校は白紙となった。
穂乃果「いやー今日もパンがうまい!」
海未「気を付けないと太りますよ」
穂乃果「またそういうこと言うー!!」
ことり「ちゅんちゅん♡ 廃校無くなってよかったぁ♡」
絵里「本当にやったのね、私達」
にこ「まっ、にこがいれば当然ね」
真姫「みんなで勝ち取った優勝よ」
にこ「わかってるわよ」
希「ふふっ、仲良くね」
花陽「大変ですー!!」
凛「かよちんどうしたの!?」 花陽「第2回ラブライブの開催が決定しました!!」
穂乃果「えぇー!!」
絵里「もう!?」
海未「これはまた苦労しそうですね……」
にこ「穂乃果、もちろん出るわよね?」
穂乃果「うん! 出よう!」
凛「そうと決まれば練習にゃー!」
穂乃果「よぉーし! みんな、今日も打つよーー!!!」
穂乃果―――雀聖と呼ばれた女 普通に読ませるな
やるな
ただ、パー連チャンありなんてローカルルールもいいもころじゃないか? 運のみならこんなイメージ
天運
穂乃果>ツバサ>希
豪運
絵里>ことり=花陽>にこ
普通
海未>真姫=凛 天和地和人和であっさり勝つ穂乃果
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