千歌『おじさん拾った』梨子「はっ?」
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梨子「ごめん千歌ちゃんもう1回言ってくれないかな」
千歌『おじさん拾った』
梨子「OK聞き間違いじゃなかった。千歌ちゃん変な物でも食べた?」
千歌『食べてないよ。千歌は真面目に言ってるんだよ』
梨子「真面目に言ってるなら余計千歌ちゃんの神経を疑うよ」
千歌『とにかく千歌の家に来てよ。実際に見た方が早いって』
梨子「出来ればお目にかけたくないんだけどな」
千歌『そんな事言わないでよ。おじさんなんて初めて拾ったからどうしていいかわからなくてさ」
梨子「私ならわかると思った?わかるわけないよね」
梨子「……はぁ〜わかったよ今から千歌ちゃんの家に行くから」
千歌『ありがとう梨子ちゃん。待ってるね』
ガチャ、ツーツー
梨子「おじさん拾ったとか意味わからないわ……」 梨子「千歌ちゃん、来たよ」
千歌「いらっしゃい梨子ちゃん。わざわざありがとね」
梨子「まぁ隣同士だから別にいいんだけど」
梨子「……で、それなに?」
おじさん「おじぃ」
千歌「おじさんだよ」
梨子「どこのおじさん?」
千歌「知らないよ」
梨子「どうしたのこれ?」
千歌「しいたけがくわえてどこかから拾ってきたの」
梨子「なんか小さくない?オモチャ?」
千歌「掌サイズだけどオモチャじゃないよ。人間、なのかな?」
おじさん「おじぃ?」
梨子「明らかに人間じゃないでしょ。妖怪よ妖怪か宇宙人だわ」
千歌「よくわからないけどちっちゃくてなんか可愛いよね」ナデナデ
おじさん「おじぃ…」テレテレ
梨子「千歌ちゃんのセンスは素晴らしいね」
千歌「梨子ちゃんも触ってみる?」
梨子「遠慮するわ、そんな得体の知れないおじさんに触って魂取られたくないから」
千歌「可愛いのにな」 梨子「こういう超常現象は善子ちゃんに聞いた方がいいんじゃないかな」
千歌「おー確かに善子ちゃんなら知ってるかも」
梨子「千歌ちゃんの説明じゃ善子ちゃん混乱すると思うから私が電話するね」
プルルル…
善子『はいもしもし』
梨子「あ、もしもし善子ちゃん?あのね……」
…事情説明中…
善子『それは多分、小さいおじさんね』
梨子「そのまんまだね」
善子『何年か前に話題になった都市伝説よ。妖精なんじゃないかって言われてるわ』
梨子「おじさんの見た目の妖精とかギャグだね」
善子『まぁ心配はいらないわ。人間には害をあたえないみたいだし』
梨子「これからどうすればいいのかな?」
善子『さぁ、そこまではなんとも言えないわ。とりあえず千歌に面倒見させればいいんじゃない?』
梨子「まぁ千歌ちゃんならいっか」
梨子「ありがとう。またね」 梨子「と言う訳で、このおじさんは都市伝説の妖精なんだって」
千歌「おじさん妖精なんだ。すごーい」
おじさん「おじぃ」フンス
梨子「そのおじさん、喋らないの?」
千歌「喋ってるじゃん。ねー」
おじさん「おじぃ」ネー
梨子「喋ってると言うか鳴き声に近いわね」
梨子「それじゃ、あとは二人でごゆっくり」
千歌「梨子ちゃんもう帰っちゃうの?」
梨子「千歌ちゃんの話は聞いたんだからいいでしょ。責任持ってお世話するんだよ」
千歌「うん、今日はありがとう梨子ちゃん」
おじさん「おじぃ」ペコリ 千歌「よーし行くよー、ていっ!」
デコピンビシッ
おじさん「おじっ⁉おじぃ‼」
千歌「お、千歌の指にしがみつくなんてやるねぇ」
千歌「で〜も〜そのまま押切り〜!」
おじさん「おじぃ〜」
千歌「いやぁ最後は文字どおり体格の差が出たね。おじさんも頑張ったけど千歌の勝ち〜」
おじさん「おじぃ」パチパチパチ
千歌「おじさんありがとう」
美渡「千歌ー夕飯だぞー降りてこーい!」
千歌「あ、夕飯だ。ごめんちょっと行ってくるね」
おじさん「おじぃ」
千歌(そういえばおじさんってなに食べるのかな?) 千歌「おじさん戻ったよ」
おじさん「おじぃ」オカエリ
千歌「おじさんもお腹空いてるよね、ちっちゃいおにぎり作ってきたよ」
おじさん「おじぃ」モグモグ
千歌「美味しい?」
おじさん「おじぃ」マイウー
千歌「よかった〜デザートにみかんもあるよ」
千歌「一緒に食べよ。はい、あ〜ん」
おじさん「おじぃ」アーン
千歌「千歌達と同じ物食べられるんだね。おじさんの好きな物ってなーに?」
おじさん「おじぃ」ユビサシ
千歌「え?千歌?もーやだおじさんったら〜」
おじさん「おじぃ」ハグッ
千歌「おじさん可愛いすぎるよ〜」 千歌「おじさん、一緒にお風呂入ろうか」
おじさん「お、おじ⁉おじぃ〜」カオマッカクネクネ
千歌「なーに恥ずかしいの?普通逆でしょ?」
おじさん「おじぃ…」ヤンヤン
千歌「純情だね〜おじさんは」
千歌「さぁ恥ずかしがってないで行くよー」
おじさん「おじぃ」ゴクラクゴクラク
千歌「おじさん湯桶にぴったりだね」
千歌「温泉だから気持ちいいでしょ?」
おじさん「おじぃ♪」
千歌「気に入ってもらえてよかった」
千歌「それじゃ、頭と体洗おうか」
おじさん「……おじぃ」メソラシ
千歌「観念しなさい」ガシィッ
おじさん「おじっ‼」
千歌「大丈夫しいたけのシャンプーだって私がやってるんだから」
千歌「それ〜」ワシャワシャワシャ
おじさん「お、おじぃ〜」 〜翌日〜
(=^灬^=§(=^灬^=§(=^灬^=§ 千歌「さっぱりしたねおじさん」
おじさん「おじぃ」ホカホカ
千歌「お風呂上がりにはコーヒー牛乳だよね〜」グビィッ
おじさん「おじぃ…」ジー
千歌「おじさんにもあげるね」
おじさん「おじぃ」グビィッ
千歌「さぁて、そろそろ寝るよ〜」
おじさん「おじぃ」ウツラウツラ
千歌「おじさん、おやすみ」
おじさん「おじぃ…」
千歌(都市伝説の小さいおじさん、か)
千歌(千歌がこんな体験するなんて思わなかったよ) 本来のちかおじなら風呂入ってる間にテクノブレイクしてそう 次の日
梨子「千歌ちゃん、調子はどう?」
善子「都市伝説の怪異、見に来たわ」
千歌「やだな善子ちゃん、おじさんは怪異なんかじゃないよ〜」
おじさん「おじぃ」イラッシャイ
善子「わわっ、本当にいた‼」
梨子「電話で話したじゃない」
善子「実物見たらビビるに決まってんでしょ」
梨子「まぁそこは否定しないよ」
梨子「それにしてもなんだか昨日見た時より感情というかおじさんの考えてる事がなんとなくわかるような……」
千歌「昨日いっぱい遊んだからね」
梨子「ふぅん、人間味が出てきたって感じかな」
善子「小さいおじさんはその場所にいる人間の影響を受けやすいと言われてるわ。きっと千歌に似てきてるんでしょうね」
梨子「言われて見ればなんとなく千歌ちゃんっぽくも見えるわね……雰囲気とかアホ毛とか」
千歌「似てるって言っても親子ではないよ」
梨子「いや、そんな事はわかってるんだけど」 善子「千歌、こんな時にこんな事言っていいのかわからないけど……」
善子「やっぱり言わせて、小さいおじさんには寿命があるの」
千歌「え?寿命……?」
おじさん「おじぃ……」ウツムキ
千歌「それってどれくらい?」
善子「ハッキリとはわからないわ。3日程度とも1週間程度とも。とにかく長くはないわ。おじさんと仲良くなるのはいいけど『その時』の事をしっかり考えておく事ね」
千歌「その時……」
梨子「千歌ちゃん……」
千歌「決めた」
おじさん「おじぃ?」
千歌「おじさんがいなくなっちゃうまでいっぱい遊ぶ‼いっぱい思い出作る‼梨子ちゃんと善子ちゃんも一緒に!」
梨子「って、私達も⁉」
善子「意味わかんないわよ‼」
千歌「意味わかるよ‼さぁいくぞー‼」 千歌「まずはプリクラ!おじさんを囲んではい、善子ちゃんいつものポーズ!」
善子「え、いつものって……?」
千歌「ギランだよギラン」
善子「…よし、皆いくわよ‼ヨハネ降臨!」ギランッ
おじさん「おじぃ!」ギランッ
千歌「おじさん一緒にソフトクリーム食べよう」
おじさん「おじぃ」ペロペロ
梨子「私達も一緒に食べる?」
善子「な、なに言ってんのよ⁉」
梨子「ふふっ、残念」
千歌「風が気持ちいいね〜おじさん」
おじさん「おじぃ」ソヨソヨ
梨子「まさかサイクリングするなんてね」
善子「インドアな私には辛いわ…」
千歌「これが今流行のタピオカだよ」
おじさん「おじぃ」チューチュー
善子「タピオカのブーム終わってない?」
梨子「千歌ちゃんにとっては今なんだよきっと」 千歌「はぁ〜楽しかったねおじさん」
おじさん「おじぃ」マンゾク
梨子「忙しい1日だったね」
善子「まったくよ、おかげでクタクタだわ」
千歌「梨子ちゃん、善子ちゃん、今日は付き合ってくれてありがとう。おじさんも二人と遊べて嬉しかったみたい」
おじさん「おじぃ」アリガトー
梨子「なんか見慣れると可愛いかも」
善子「ゆるキャラみたいな?」
梨子「うん、見た目おじさんなのに変な魅力があるよね」
善子「私達もだいぶ毒されてきたみたいね」 2日後
オーモーイーヨヒトツニナレー
梨子「あ、千歌ちゃんから電話だ」
梨子「もしもしちゃん?どうしたの」
千歌『おじさんいなくなった』
梨子「はっ?」
千歌『おじさんいなくなった』
千歌『おじさんいなくなっちゃったよ〜!』 善子「やっぱり『その時』が来たようね……」
梨子「千歌ちゃんお別れは言えたの?」
千歌「うん……言えたよ。言えたけどこんな早くいなくなるなんて……」
千歌「おじさんね、最後に私の名前呼んでくれたんだよ」
千歌「『ちかおじぃ』って」
梨子「そう、よかったじゃない」
千歌「うう、おじさぁん……」
善子「千歌、いい事教えてあげるわ」
千歌「え?」
善子「小さいおじさんはね、また再び現れるのよ。いつの日か必ず」
千歌「本当?」
善子「本当よ。寿命も短いけど現れるのも早い、これも都市伝説の情報にあったわね」
千歌「また、会える」
千歌「また、おじさんに会える」
千歌「おじさーん‼また会おうねー‼約束だよー‼」
おじさん(おじぃ)マタアオウネ 終わり。後半駆け足で申し訳ない
読んでくれてありがとう 変に下ネタとか入れなくて良かった
こういうマスコットキャラ(?)みたいなやつの話好き うーん
絶望的に可愛くない‥
話は面白かった!乙! ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています