【大長編】【号泣確実】ことり～With you～[あなたと出会えた奇跡]<未来は誰も知らない>【感動注意】【ss】

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2019/11/01(金) 23:13:27.22

20XX年━TOKYO…
いつものように支給品から作ったウォッカを飲んだ。
南ことりはそのまま車で農連に向かう。
「この世界に、“朝”があったと言うことをことりは知らないんだ」

第１章

「沈んだままの太陽」

**名無しで叶える物語**(日本) · 2019/11/01(金) 23:16:45.84

泣いた

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2019/11/01(金) 23:19:28.93

AM10:32
農連では皆がただ静かに労働を続けている。
ことりも例外ではない。
手順通りの作業を行い支給を受ける。
そんな毎日を7歳から続けていた。
何か面白いことを言おう。
酔ったことりはいつも規定の休憩時間に頓珍漢な言葉を発するが誰一人としてそれに反応する者はいなかった。
「ンゥゥッ！シェキシェキボンバィエッ！」

**名無しで叶える物語**(しうまい) · 2019/11/01(金) 23:20:05.51

全米が炊けた

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2019/11/01(金) 23:23:28.04

沈黙。ことりはこうして自分が周りの“機械”の様な人にならないようにと願い、訳のわからないことを言う。
「まだ、ことりは人間だよ！」
沈黙。誰もことりを見ようともしない。
皆慣れたのだろう。初めて飲酒して農連に来たときは周りの“機械”たちも驚いた。
そのときですらことりに言葉をかける者はいなかった。
なれてしまった今では無反応も当然である。

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2019/11/01(金) 23:26:18.21

ただ時間が過ぎるのを待つ日々に飽きていた。
周りの“機械”どもはもう諦めているのだろう。
ことりは自分が狂った機械なのだと気づかないふりをし続けているだけであった。
また、いつものように8時間の労働を終え帰路についた。
そしてまた、いつものように支給品を食べてつまらない明日を待つ。

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2019/11/01(金) 23:28:03.28

AM4:42
ことりは躊躇う。
今日もまた、何か言っても誰も反応しないのだろう。
しかしことりはまたウォッカを飲み農連に向かった。

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2019/11/01(金) 23:32:01.39

AM10:35
「イエッ！ｳｩｩｩｩｰｰｰｰ……………アマニ油ｯｯｯｯｯｯｯ！ふぉぉおおおおおおぉぉぉぉう！！」
誰も何も言わない。
そう思ったことりがまた口を開いたその時であった。
「頭、大丈夫ですか？」
「えっ！？」
ことりは何が起きたのか理解できず一瞬“機械”のような顔をしてしまった。

**名無しで叶える物語**(茸) · 2019/11/01(金) 23:33:15.56

号泣した

**名無しで叶える物語**(えびふりゃー) · 2019/11/01(金) 23:33:39.31

こたろうリザードはどうなったん？

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2019/11/01(金) 23:37:01.06

「あっ、だ大丈夫でフッ」
約20年ぶりの“人間”との会話。
ことりは興奮してうまく喋れなかった。
「もし良かったらこの後M,H,Iに行きませんか？私、膝を悪くしてしまったので」
「お゛っはい！是非！」
世界が変わった。ここにいるのは“機械”だけではなかったのだ。
その後、労働が終わるまでの時間がいつもより短く感じられた。

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2019/11/01(金) 23:40:45.40

Tips
支給品…労働義務を全うする国民に支給される食料品。職業によって様々である。

農連…国民共産農業連合会の略。この世界で農業に適正があると判断された人々が行き着く果て。身体が動かなくなるまで農作業を強いられる。

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2019/11/01(金) 23:45:26.35

PM18:06
「あ、あなたは？」
「私は園田ビューティフルオーシャンと申します」
ことりは鼻で笑った。
「あなたのことは存じています。毎日お酒を飲んで農連に来て発狂している精神病患者の南ことりさん…でよろしいでしょうか？」
何故自分だけが狂っているかのように言われなければならないのか。
ことりは静かに腹を立てたと同時に自分には“怒り”という感情があったということを喜んだ。

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2019/11/01(金) 23:48:25.76

「しっ、失礼ですよ！園田さん！確かにことりは」
「とりあえず行ってみましょう。精神病の診断を受ければ農連以外の連合に異動できるかもしれません。」
遮った園田にまた腹を立てた。
しかしことりと同じように農連での作業に飽きていた“なまか”が居たことで今までの肩の重荷がすっと落ちた気がした。

**名無しで叶える物語**(もんじゃ) · 2019/11/01(金) 23:54:31.95

━━━診断結果
No.100208ミナミコトリ:セイシンニイジョウハミラレズ。
わかっていたことだ。ことりは狂ったふりをしているだけだ。
もしも狂ったふりをやめて自分が“機械”になったら。
それこそ狂ったのと同じだ。
「私は軽い捻挫でした。１週間農連には行かずに自宅療養となります」
羨ましい。皆と違うことができる。ただそれだけが。

**名無しで叶える物語**(はんぺん) · 2019/11/01(金) 23:58:28.34

おかえり！