曜「り、梨子ちゃんがそんなことする訳…」
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『曜ー!お疲れ!』『また明日ね!』
曜「うん!また明日!」
曜(Aqoursと高飛び込みの両立は流石にきついな…)
曜(本当は早く家に帰りたいけど…衣装に必要な布もあるし沼津駅で買い物してこっと)
曜「あれ…?」
曜「あそこにいるの…梨子ちゃん…?」 4月
梨子「東京の音の木坂から転向してきました、桜内梨子です」
それは一目惚れだった。
ふわっと舞う真紅の髪に一瞬で魅了された私。
女同士、だとかそういうものを全てすっ飛ばして梨子ちゃんのことを完全に好きになってしまったんだ。
梨子「曜ちゃん、おはよう」ニコッ
こうやって顔を見て笑ってくれる。声をかけてくれる。それだけで十分だと思った。
たとえ… キャラ崩壊してる自覚あるならラブライブのキャラでやる意味ある? 千歌「おはよー!2人とも!!」
梨子「あっ千歌ちゃん、おはよう」ニコッ
千歌「さっき男の人に駅までの道聞かれちゃってすっごい緊張しちゃったよー…」
梨子「ふふっ、やっぱり女子校だと男の人との接し方とか分からなくなるよね」
彼女には到底受け入れてもらえない感情だったとしても。
たとえ…
千歌「む〜…絶対変な子だって思われた〜」
梨子「残念だったわね」クスクス
私が同性という枠の中ですら、梨子ちゃんの一番になれなくても。 分かってるんだよ。
梨子ちゃんが女の子同士を受け入れられる子でもそうではない子でも、その『一番』っていう枠に居るのは絶対千歌ちゃんだ。
私も昔から千歌ちゃんには何故だか敵わない。
千歌ちゃんが喜べば私も嬉しい。千歌ちゃんが悲しいと私まで辛い。
そんな不思議な力を持った女の子。
だからしょうがない。梨子ちゃんにとっての一番が千歌ちゃん。
しょうがないんだ。
善子「ちょっと曜!聞いてるの?!」
曜「うぇえっ?!」ビクッ 曜「よ、よーしこー…いきなり大きな声を出さないでくれたまえよ」ドキドキ
善子「ぼーっとしてるあんたが悪いのよ!話聞いてなかったでしょ!」
曜「え、えーと…なんだっけ…」
善子「だから!うちのクラスの子が今日の昼休み貴方と話がしたいみたいよ。渡り廊下で待ってるって伝えてって言われたの」
曜「ふえー…話って…」
善子「まあ告白でしょうね」
曜「…いやー、女の子同士だよ?告白なわけ…」
善子「貴方今月に入ってからうちの生徒に告白されたの何回目?」
曜「…」
善子「女子校っていう環境だし他に比べたらそういうのもオープンなのかもね」
曜「そう、なのかな…」 昼休み
曜「ごめん…気持ちは嬉しいけど、私には応えられないよ」
俯いて泣き出す少女。何度経験しても、相手が異性でも同性でもこればっかりは慣れない。
『ごめんなさい…気持ち悪いですよね、女の子同士なんて…』
曜「…違うよ、そんなこと思ってない。」
曜「…好きな人がいるの」
初めて使った断り文句だった。
その子は私にぺこりと頭を下げて、パタパタと走り去っていった。
綺麗なロングヘアーが風に舞っている。
ルビィ「…曜さん」
曜「っ?!…ルビィちゃんか」 曜「もしかして盗み聞きしてたのー?悪い子だなールビィちゃんは」
ルビィ「うぅ…ごめんなさい…抜け出すタイミング無くて…」
曜「あははっ!うそうそ!でもみんなには内緒ね」
ルビィ「…曜さんって好きな人がいるんですね」
曜「あー…うん」
別に誤魔化してもよかったのになぜか本当のことを言った。
ルビィ「それって…うちの生徒ですか?」
曜「んー…どうだろ!まあいいじゃん?この話はおしまい!」
梨子ちゃんへの想いがバレないよう、底抜けに明るい笑顔を作ってからルビィちゃんに背中を向けた。
曜「今の子もいい子そうだったしー…長い髪も綺麗だったなー。タイプかもなーんて」
また本当のことを言った。 8月
この日は練習後、みんなで千歌ちゃんの家の温泉に来ていた。
果南「こんな大人数で押し掛けて大丈夫なの?」
千歌「平気平気!今の時間お客さん誰もいないから!」
ダイヤ「ではご厚意に甘えさせていただきますわ」
曜(やばい、やばいやばい)
曜(前まで女の子と一緒に温泉とか何も感じなかったのに!梨子ちゃん好きになったからかめちゃくちゃ意識してしまう…)ドキドキ
花丸「ふわぁ〜気持ちいいずら〜」
曜(煩悩よ消えろ消えろ消えろ…!)
千歌「前から思ってたんだけど梨子ちゃんほんっと髪綺麗だよねー!」
曜「?!?!////」 曜ルビ梨子と言ったらアケフェスの理亞梨子の会話で妄想膨らむよね 梨子「え…そ、そうかな」
千歌「うん!ほらすっごい触り心地いいもん!曜ちゃんも触ってみなよ!」サラサラ
曜「えっ///」
梨子「もう千歌ちゃん!」
千歌「いーじゃん!こんな綺麗なんだから」
曜「え、えっと…いいの?」
梨子「う、うん。曜ちゃんが嫌じゃないなら全然いいけど…」
曜「い、嫌なわけないよ…」サラッ
曜(わあ…すっごい綺麗…ツヤツヤで絹みたい。ずっと触ってたいな…なんて)サラサラ
梨子「よ、曜ちゃん長いよ///ちょっと恥ずかしい…」
曜「あっ!ご、ごめん!!///」 千歌「シャンプーとか何使ってるの?見せて見せて〜!」
梨子「これだよ。長く伸ばしてるから痛まないようにちょっとだけ良いやつ使ってるんだ」
千歌「わ〜いい匂いする!梨子ちゃんの匂いだよ!」
梨子「やめてよもうっ///もし良ければ使う?曜ちゃんもどうぞ」
千歌「いいのー?!」
曜「あ、ありがとう…///」
曜(梨子ちゃんと同じシャンプー…梨子ちゃんと同じ香り…///)
ルビィ「ルビィも使ってみたいな…」
善子「ふっふっふ…リトルデーモンリリーの纏いし薫香…召喚してみせましょう」
梨子「ふふっ、どうぞ」
梨子「無くなっちゃった…」 千歌「ご、ごめん…!私たちがたくさん使ったから…」
梨子「い、いやいいの全然…!そろそろ買いに行かなきゃって思ってたから!」
善子「費用負担しましょうか…?」
梨子「もー全然気にしないで。使ってって言ったのは私なんだから!」
ルビィ「ご、ごめんなさい…」
曜「ありがとね梨子ちゃん…」
ルビィ「そういえばこのシャンプーあんまり見たことないけどどこで売ってるの?」
梨子「沼津の駅前の百貨店だよ」
善子「梨子ったらブルジョワね」
梨子「そ、そんなことないと思うけど…」 梨子ちゃんへの想いは日に日に強くなっていく。
梨子ちゃんの笑った顔が好き。梨子ちゃんの声が好き。梨子ちゃんの優しさが好き。梨子ちゃんの髪が好き。
梨子ちゃんが大好き。
私は初恋の想いをコントロール出来る術を持ってなかった。
だからすっごく身近ですっごく勘のいい人にはバレてたかもしれない。
私のこの想いが。 善子「…」
曜「…」ポケーっ
善子「…ねぇ、曜」
曜「なーにー」ポケーっ
善子「こないだ梨子がね」
曜「な、何かあったの?!///」バッ
善子「わかりやすっ!!」
曜「はっ!やっちゃった…他の人の前だともっと気をつけるんだけどヨーシコー相手だとどうにも気が抜けて…」
善子「どういう意味よそれ」
曜「気を許してるってこと!」
善子「はいはい…でも本当に気をつけなさいよ。あんたになら自己責任だけど、梨子にも迷惑かかるかもしれないんだから」
曜「え、どういうこと?」
善子「そりゃ浦女のヒーローの想い人なんて分かったら学校中パニックよ。…梨子に悪意が向けられるかもしれないし」
曜「え…そ、それはないでしょ。うちの学校みんないい子だし」
善子「…恋愛は本当に人を変えるのよ。良くも悪くもね」 11月
曜「…ねぇ、千歌ちゃん。最近梨子ちゃん元気なくない?」
千歌「えっ…そ、そうかな…?」
梨子ちゃんが明らかにおかしい。
他の人には気づかない変化かもしれないけど、ずっと一緒にいるから…何よりずっと見てるから分かる。
俯いて悲しそうにしていることが増えた。
練習にも身が入ってないみたい。
梨子「…」とぼとぼ
曜「あっ梨子ちゃん!」
梨子「曜ちゃん…どうしたの?」ニコ
曜「最近、元気なくない…?私で良ければ相談に乗るよ!」
梨子「…そんなことないよ?大丈夫だから、ありがとう」フッ
曜「あっ…梨子ちゃん…」 『曜ー!お疲れ!』『また明日ね!』
曜「うん!また明日!」
曜(Aqoursと高飛び込みの両立は流石にきついな…)
曜(本当は早く家に帰りたいけど…衣装に必要な布もあるし沼津駅で買い物してこっと)
曜「あれ…?」
曜「あそこにいるの…梨子ちゃん…?」
曜(遠いし暗いからよく見えないけど…あの制服…それに何よりあの真紅の綺麗な髪とあの髪型)
曜「っおーい!梨子ちゃー…?」
曜(大人の女の人と…腕組んでる…?) 曜「知り合いかな…?あの人…」
曜「すっごい親密…」チリッ
曜(あれ…なんだろこの気持ち…千歌ちゃんに感じたのとはまた違う。今までこんなの…)
曜「って、え?!梨子ちゃんその建物はっ…!」
曜「…嘘だ」 その後どうやって家に帰ったのかは覚えていない。
どす黒い感情が私を渦巻く。
曜(あの子は梨子ちゃんじゃないって可能性もある…仮に梨子ちゃんでも、相手はただの友達かもしれない…)
曜(でも…あのホテルは…)
曜「梨子ちゃん…」ポロポロ 次の日
『あ、曜!』『曜先輩!』
曜「…おはよ」
『ちょっと話あるんだけど、いい?』
空き教室
『これ、桜内さんだよね?』
曜「…昨日の沼津駅?」
『あれ、知ってるんですか?桜内先輩、大人の女の人と一緒にラブホ入ろうと…』
曜「どうして写真なんて撮ってるの…?!」
『お、落ち着いてよ。』
『…曜先輩、この女のこと好きなんですよね?噂になってますよ』
「この人が梨子ちゃんなんて確証ないでしょ?!この相手の女の人だって友達かも…!」
『別の日の写真もあるよ』ペラッ
曜「…っ?!」
『この角度だとさらに桜内先輩に見えますね。しかも相手の女の人昨日と違うし』 『…曜。この女、同性相手に援助交際してるんだよ』
『こんな汚れた女、やめときましょう?曜先輩』
曜「…嘘だ、嘘…こんなの…っ!」
『もう桜内先輩が援交してるの、曜先輩のファンの間で結構噂になってますよ』
『制裁とかいって嫌がらせしてる過激派もいるみたい。まあいい気味だけど…』
曜「っ?!梨子ちゃんに手を出すなっ!!絶対許さない!!」ガッ
『ひっ?!よ、曜やめてよ…』
『曜先輩っ?!』
曜「っ梨子ちゃん…!!」ダッ 保健室
梨子「うぅ…っぐす…っ」ポロポロ
千歌「梨子ちゃん…」
曜「梨子ちゃんっ!!」ガラッ
梨子「っ?!」
千歌「よ、よーちゃん?!」
曜(梨子ちゃんの脚に…ひどいあざが…っ)ギリッ
曜「誰にやられたの」
梨子「…違うの、自分で転んで…」
曜「嘘つかないで!!あいつらが嫌がらせしてるって…!!」
梨子「ど、どうしてそのこと…」
千歌「曜ちゃん待って…っ!」
曜「…千歌ちゃんは知ってたんだ」
千歌「う、うん…梨子ちゃんから相談受けてて…」
曜「へぇ…」
曜「…どうして私には相談してくれなかったの?!」 梨子「そ、れは…」
曜「…あ、はは…当たり前か…だって…」
曜「梨子ちゃんにとっての一番は、私じゃなくて千歌ちゃんだもんね…っ」
千歌「曜ちゃん違うの!」
梨子「ようちゃ…」ポロポロ
曜「あ…っ」
曜「うぁああああああっ」ダッ
ガララッ
曜(最低だ…!私は最低だっ!!) 渡辺家
曜(…あのまま、学校飛び出してきちゃった…)
曜(…私のせいで梨子ちゃんが傷ついてたのに、追い討ちをかけて)
曜(こんな私じゃ…梨子ちゃんの一番になんてなれる訳なかったんだ)
曜(…あの写真の子は、結局梨子ちゃんだったの…?)
曜(あは…どっちにしても、もう死んじゃいたいなあ…)
曜「…梨子、ちゃん」
曜「私…本当に死んじゃいたいよ…」ポロポロ
ピンポーン 曜(…出る気になんてなれない)
ピンポーン
曜「…」
ガチャッ
曜「っ?!」
曜(え、え?入ってきた?強盗…?)
曜(…まあ、それでもいっか。もし殺されちゃったらそれはそれで、梨子ちゃんの中でしばらくは一番になれるかも…)
曜(はは、クズだなあ…私)
ガチャッ
曜「っ?!」
私の部屋のドアが開かれると同時に私の目を奪ったのは…
『曜さん…じゃない方いいのかな』
『曜ちゃん♡』 曜「え…き、みは…」
真紅の綺麗ロングヘアー。
曜「ル、ビィちゃん…なの…?」
想い人と瓜二つの可愛い後輩。
ルビィ「曜さんが望めば梨子さんにもなれますよ?あはっ♡」 ルビィside
4月
曜「渡辺曜です!これから一緒に頑張ろうね!ルビィちゃん!」
それは一目惚れだった。
ゆるやかにウェーブした銀髪に魅了された私。
元々男の人は苦手で、なんの抵抗もなく彼女に落ちた。
でもすぐ気付いちゃったんだよね。
曜さんの『一番』は梨子さん以外に入る隙がないって事。
曜「長い髪も綺麗だったなー。タイプかもなーんて」
知ってますよ。曜さんのタイプくらい。
私は昔のように髪を伸ばし始めた。 曜さんの中の不動の一番は梨子さんだから。
一番は諦めた。
一番にはなれなくていい。
でも、初恋の熱に浮かされて、狂おしいほどの感情を梨子さんに抱いている曜さんなら。
その激しい感情に壊されてしまった曜さんなら。
私のことを代替品くらいには使ってくれるかもしれない。
花丸「ルビィちゃん、最近髪伸びたずらね」
善子「そうねー、切らないの?」
ルビィ「うん、しばらく伸ばそうかな」
曜さんが壊れるまでは。
花丸「しかも元々ツヤツヤだった髪に更に磨きがかかってる気が…!」
善子「…このシャンプーの匂い、誰かに似てるような…」
うん。梨子ちゃんと同じ香りだよ。
曜さんは気付いてもくれないけど。 梨子さんに近づくにはどうしたらいいのかな。
もっとおしとやかで、しっかり者で、女の子らしくなればいいのかな。
じゃあ、梨子さんに勝つにはどうすればいいの?
昼休み
ルビィ(花丸ちゃんも善子ちゃんも用事があるって…部室にでも行こうかな)
ルビィ「あ、あの子たち同じクラスの…」
『ねーねー!あんたあの彼と付き合えたんでしょ?』
『その人彼女持ちだったんじゃないの?どんな手使ったのよ』
『簡単よ♪なんかその彼女ヤらせてやらない女だったらしくてさ、こっちが誘えば一発よ』
『あははっ最低ー!』
『私たちの歳なんてどうせヤりたいしか頭にないんだから勿体ぶる方がバカなのよ』
ルビィ「…そっかぁ」
『うわっ?!黒澤さん』
『あー…お姉ちゃんには今の話内緒にしててね』
『会長にこんな話バレたらちょっとまずいもん』
ルビィ「あはは、大丈夫だよぉ」
ルビィ(曜さんが梨子さんとしたくても出来ないこと…)
ルビィ「あはっ、そうだよ…欲しいものの為なら自分がどうなっても…どんな手を使っても…」ブツブツ
『え、ちょっと黒澤さん大丈夫?』
『体調悪そうよ』
ルビィ「大丈夫だよ。ちょっとやんなきゃいけないことあるから、いくね?」 『初体験の女子高生を優しくリードしてくれるお姉さん募集中!』なんて売り文句を使えばこんな田舎でもたくさん引っ掛かった。
こういうことに疎い私がいきなり曜さんのところへ行ったって、上手くいかないに決まってる。
まず経験値を積むべきだと思った。
そのために梨子さんみたいな格好で、梨子さんみたいに振る舞って、梨子さんがきっとするように乱れた。
こうすれば女の子は断れない。こうすれば女の子は気持ちいい。こうすれば女の子は思い通りになる。
ああ、だんだん分かってきたよ。やっぱり経験って大事だね。
一度汚れてしまえば後はどれだけ汚れようが一緒。だったらあの綺麗な曜さんすらも染め上げられるくらい黒くなってしまえばいい。
そうすれば曜さんの身体だけでもルビィなものだ。 すると思っても見なかったことが起こった。
梨子さんが女の人相手に援助交際しているという噂が立ち始めた。現場をみた生徒がいると。
もちろん梨子さんはそんなことしてなくて、梨子さんに扮したルビィなんだけど、誰もそんなこと疑わなかった。
それが原因で梨子さんは曜さんのファンから嫌がらせを受けているみたい。
曜さんファンの間で、曜さんが梨子さんにお熱なことは既に広まっていた。その鬱憤を晴らすように梨子さんはファンからかなり酷いことをされていたみたい。
ルビィは梨子さんに申し訳ないと思った。
梨子さんにはすごくすごく、狂いそうなほど嫉妬していた。
でも、それでも大切なAqoursの仲間だから。
梨子さんのためにここで引き返すべきなんじゃないのか。
みんなの誤解を解くべきじゃないのか。
でも同時にどす黒い欲望も湧いてきた。
もし、もしこれを利用できたら、本当に曜さんを手に入れることができるかもしれない。 曜さんはまだ梨子さんが嫌がらせを受けていることに気付いていない。
理由は分からないけど梨子さんは曜さんには相談していないようだった。
もし、梨子さんが援助交際しているかもしれないと知ったら?
もし、自分のファンのせいで梨子さんがいじめられていると知ったら?
もし、自分ではなく千歌さんにだけ相談していたと知ったら?
もし、その3コンボが一気に曜さんに降りかかったら?
ずっと見つめてきたから分かる。
優しく繊細な曜さんは間違いなく壊れる。
それがきっと最初で最後のチャンス。ルビィが曜さんを手に入れるための。 梨子さんに扮したルビィが女の人とホテルに入る写真は他の『お姉さん』にお願いして撮ってもらった。
この『お姉さん』、多分ルビィのことが好き。それなのにルビィにお願いされたら断れないから、他の女の人とホテルに入るところを大人しく撮影してくれてるの。
やっぱり愛って不思議だなあ。
好きな人のためなら自分のことなんて全く大切じゃないんだもんね。
その写真を曜さんのファンの人に見せた。
その写真に写ってる子を梨子さんじゃないなんて全く疑わなかった。
ルビィ、『梨子さん』をしっかりやれてるみたいだ。よかったあ。
そしてファンの人は思った通り、曜さんにその写真を見せて、思った通りのセリフを言ってくれたみたい。
そして曜さんも思った通りの行動を取って、思った通りに壊れてくれた。
ここまで上手くいくとルビィもちょっとだけ怖いなあ。でもここまで来て怖気つくわけにはいかないよね。
よし、そろそろ曜さんのところへ行こうかなあ。 渡辺家
曜「ル、ルビィちゃんどうしてここに…?それに…」
その格好はなに?
そう聞きたいのはすぐわかった。
ルビィ「ルビィ、曜さんのことが好きです。」
ルビィ「曜さんが学校を走って出ていくところを見て、いてもたってもいられなくなって…」
ルビィ「ルビィじゃ梨子さんの代わりになりませんか?」
ルビィ「ルビィ…曜さんが元気になれるように頑張りますから」
曜「なに、言って…梨子ちゃんの代わり…?そんなこと絶対ダメに決まってるでしょ…!」
ルビィ「分かってます。でも、でもルビィこういう形でもいいから曜さんの近くにいたい…!」
ルビィ「千歌さんよりも梨子さんよりも私の方が曜さんのこと想ってます…!曜さんのことだけ考えてます!」ギュッ
曜「ル、ビィちゃん…だめ…だめだってば…」 ルビィ「梨子さんと曜さんが結ばれるまでの関係でもいいです…お願い…ルビィのわがままを聞いて…」
嘘。曜さんがこの契約を飲んだ時点で梨子さんと曜さんが結ばれる未来なんて無い。
優しい曜さんは罪悪感に押しつぶされて、もう二度と梨子さんに今までの綺麗な感情を抱けない。
ルビィ「こんなに辛そうな曜さんを見て何も出来ないなんて…そんなの嫌…」
曜「ル、ビィちゃん…」
『…ねぇ、曜ちゃん』
曜「え、ぁ…」
曜(涙で目の前がぼやけて…よく見えない…)
『曜ちゃん、好きよ…』
曜(優しい声、甘い香り…綺麗な深い赤の髪)
曜「り、こ…ちゃん…?」
『…ふふっ♡』
曜(梨子ちゃんの笑った顔が好き。梨子ちゃんの声が好き。梨子ちゃんの優しさが好き。梨子ちゃんの髪が好き…)
曜「梨子ちゃん…大好き…」ポロポロ
『…うん、私も』ギュッ 保健室
千歌「曜ちゃん…大丈夫かな…」
梨子「バレちゃった…曜ちゃんに…」ポロポロ
千歌「だ、大丈夫!あんな写真曜ちゃん信じてないよ!」
梨子「こんなことになるなら…曜ちゃんにもちゃんと最初から話しておくんだった…嫌がらせのこと、相談しておくんだった…」ポロポロ
千歌「…千歌には梨子ちゃんの気持ちも分かるよ。」
千歌「好きな人にはたとえ根も葉も無い噂でも、そういう話聞かれたく無いよね」
梨子「…曜ちゃんなら、絶対私のこと信じてくれたと思う。絶対私の味方してくれたと思う。…でもやっぱり相談するのが怖くて…」
千歌「…放課後になったら、一緒に曜ちゃんのおうちいこっか。そこで全部話そう?」
梨子「ぜ、全部って…///」
千歌「もうこれを機に告白しちゃいなよ!ぜーったい曜ちゃんも梨子ちゃんの事好きだもん!」
梨子「もう!千歌ちゃん!!///」
終わり これで終わりです。読んでくださりありがとうございました。
ルビィちゃん推しの人すみませんでした。 曜梨子両推しだけど面白かったよ〜
続きを想像するとゾクゾクしますわ ルビィちゃん完璧に立ち回ったようで、よく読むと梨子ちゃんも曜ちゃんが好きっていう一番肝心な部分は見抜けてないのか
続きがどっちに転ぶのも想像できる上手い切り方
面白かった ルビィはどうしてこんなにエッチなキャラになってしまったの ルビィ「曜ちゃん、遠慮しなくてもいいのよ…?」
曜「ハァ……!ハァ…!梨子ちゃん…梨子ちゃん…!」
梨子「曜ちゃん?…えっ……?」
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