ダイヤ「私、黒澤ダイヤのちっちゃな野望」
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空は橙色に染まる午後6時…
ここ、浦の星女学院の生徒のほとんどが帰り静寂が行き渡っていた。
ダイヤ「あ、もうこんな時間ですか…」
浦の星女学院の生徒会長である黒澤ダイヤは毎日遅くまで残る。
ダイヤ(皆さんもう帰ってますわよね…)
ダイヤ「はぁ……」
足音が響く廊下を歩くなか
ダイヤはこんな野望を持っていた…
ダイヤ(授業中に隠れて週刊少年ジャンプとやらを読んでみたいですわ…!) 【週刊少年ジャンプ】
それは誰しもが知っている人気漫画雑誌のひとつ!
笑いあり、涙あり、胸アツ展開ありの漫画がひとつ収束されている最強の代物だ!!
黒澤ダイヤはスクールアイドルの雑誌は買うが、ジャンプといった漫画を買ったことがなく、それも憧れのひとつだ。
最後に漫画を読んだのは、3ヶ月前に津島善子から没収したアオハルイド3巻をチラ見しただけだ。
それよりも、なぜ黒澤ダイヤはこのような野望を思ったのか…
きっかけは授業中だった… 数時間前…
先生『じゃあ黒澤、これ和訳して〜』
【Nanaka staple food is ice cream.】
ダイヤ『はい、おすわの主食はアイスです。です。』
先生『はい正解。さすがだな。』
ダイヤ『……』ドヤッ
ダイヤ(ふっふっふ…予習して正解でしたわ…)
ダイヤ(一般的にこの世界でのNanakaの呼び方はおすわ!常識ですわね!)
ダイヤ(果南さんはこんなこと知らなかったでしょう!)チラッ
果南『…zzZ』
ダイヤ『相変わらずですわね…』 ダイヤ(鞠莉さんは…)
鞠莉『………』
ダイヤ(あ、ちゃんと授業を受けますわね…)
ダイヤ(……ん?)
鞠莉『……』ポチポチ
ダイヤ(あ!この人隠れてスクスタやってますわ!!)
ダイヤ(なんてこと…2人とも不良になってしまいました…!)
ダイヤ(…………でも羨ましい。私もこんなふざけてみたい…)
ダイヤ(不良…不良……)
ダイヤ(そういえば昔お父様が見てたウーキーズで教科書に隠れて授業を受けてたシーンがあったような…)
ダイヤ(……うん!これも立派な不良ですわね!!)
ダイヤ(そうと決まれば…!)
ダイヤの不良のイメージは少し古いようだ。 現在
ダイヤ「………」トコトコ
セブンイレボン
ダイヤ「ふっふっふ…」
ウィーン
店員「いらっしゃいませー」
ダイヤ(入ってしまった…ジャンプを買うためだけに!)
ダイヤ(では早速雑誌売場へ…)トコトコ
ダイヤ「!?」
ここでダイヤ、あること気づく!!
ダイヤ(ぶ、分厚い…そして大きい…!)
そう!ジャンプは分厚い!
それと同様にマガジンもサンデーも分厚い! ダイヤ(で、でもこれも不良のため…!)スッ
そういって手に取ったのはジャンプじゃない!
マガジンだ!!
ダイヤ(…あれ?これマガジンと書いてありますわね……)
ダイヤ(一体ジャンプとなにが違うのでしょう…)
ぶっちゃけわからない!!誰か教えて!
ダイヤ(ってこれ分厚い漫画本がたくさんありますわ!!)
ダイヤ混乱する!!
ダイヤ(お、落ち着きましょう…まずは深呼吸……) ダイヤ(大丈夫…文字をみて決めましょう……)
ダイヤ、ようやくジャンプを手に取った!
ダイヤ(ふぅ…あとはこれをレジに持って……)
ダイヤ「……」
ダイヤ(やっぱりでかいですわ!!)
ダイヤ、またまた混乱する!!
ダイヤ(うぅ…でも1度決めたことは曲げたくない…ですがこの夢が叶うのは現実的ではない…)
ダイヤ(ど、どうすれば…)
混乱するなか、ダイヤの目にある雑誌が入る…
ダイヤ「あっ…」 ガチャ…
ダイヤ「た、ただいま戻りましたわ〜」ソワソワ
ルビィ「おかえり!お姉ちゃん!!」
ダイヤ「ゆ、夕飯ができたら呼んでください。」ソソクサー
ルビィ「うゆ?」キョトン
ダイヤの部屋
ダイヤ「……ふぅ、バレずに自分の部屋に持っていけましたわ…」
ダイヤ「このヤングジャンプを!!」バッ! ヤングジャンプ!!
少年ジャンプよりも薄くなっているため授業中に読むのには最適だ!
雑に説明すると少年ジャンプの大人バージョン!
それゆえ、ちょっとグロテスクなシーンだったりエッチなシーンなどが多くある!
だが1番の違いは表紙だ!!
少年ジャンプの表紙はその雑誌内のキャラクターが描かれているが、
ヤングジャンプは大人向けのグラビアだ!!
ちなみに今週号は虹ヶ咲学園の子が表紙だ!みんな可愛いから是非買おう!
ダイヤ(こんなのを買ったのがバレたら大恥ですわ…!)
ダイヤ(ですが…この大宮無紗さんのお顔が気に入ってしまい買ってしまいましたわ……)
ダイヤ(本来は週刊少年ジャンプでしたが…まぁこれも似たようなものですわね…)
ダイヤ(うふふ…これで私も明日から不良ですわ!!)
この時、ダイヤは気づいていなかった……
根本的なものを忘れていたことを… 次の日…
ダイヤ「……」ドキドキ
千歌「ダイヤさんおっはよ〜!!」ヌッ!
ダイヤ「ピギャ!」ビクッ
千歌「も〜!そんなに驚かないでくださいよ〜!」ヘラヘラ
ダイヤ「い、いえ…すいません……」ドキドキ
ダイヤ(なんなんですかこのアンポンタン!私は今、初めて校則違反の物を持ち込むという一大イベントを成し遂げようとしてるんですよ!?)
千歌「じゃあまた放課後ね〜!」
ダイヤ「え、えぇ…」
ダイヤ(ふぅ…なんとかなりましたわ……) 授業
ダイヤ(ついに来ましたわ…!早速教科書にヤングジャンプを隠して…)
果南「ダイヤなにしてんの?」
ダイヤ「な、なんでもないですわ!!」ビクビク
ダイヤ「と、とにかく授業を受けますわよ!」
果南「いや、1時間目体育だよ?」
ダイヤ「………」
次の時間
ダイヤ(つ、次こそ…!)
鞠莉「ダイヤー、次移動教室だよー」
ダイヤ「………」
ダイヤ(えぇい!こうなったら最後まで待ってやろうじゃありませんか!!) そしていよいよ…!
ダイヤ(ついに来ました…歴史の授業!!)
ダイヤ(これは移動教室もなくその上教科書もでかい!!)
ダイヤ(ただ欠点はあの先生は日にちで生徒を決める人…)
ダイヤ(だがしかし!今日は3日!黒澤である私は絶対にさされない!)
ダイヤ(これは勝ちました…果南さんも鞠莉さんもきっとびっくりするでしょう…)
ダイヤ「ふ、ふふふふふ…」ニヤニヤ
鞠莉「今日のダイヤなんか変じゃない?」
果南「そだねー」
先生「はいすわれー」
ダイかなまり「はーい」 先生「はい、教科書あけてー」
ダイヤ(来ました…!)
ダイヤ(自然に教科書を開き…こそで素早く事前に机に入れておいたヤングジャンプを置く…)
先生「第一次世界大戦はだなー」
ダイヤ(ふぅ…バレてない……)
果南「…zzZ」
ダイヤ(果南さんは相変わらず寝てますわね…まぁ私も寝るようなものですが!!)
ダイヤ(あとは楽しむだけ!いざ、ご開帳!!)
パラッ…
ダイヤ「!?!?!?」ビクッ
先生「黒澤?どうした?」
ダイヤ「い、いえ…ちょっと小バエが……」
先生「そうか…じゃあ続けるぞ〜」 ダイヤ(あ〜ビックリしました〜…まさかいきなり大宮無紗さんのエッチな写真が出ました……)
そう、基本的にヤングジャンプは巻頭グラビアが存在する!
ダイヤはそれに気づかなかったのだ!
だって初めて買ったから!
ダイヤ(ま、まぁでもすごいですわね…大宮無紗さん…すごいスタイルがいいですわ…そして美しい…)
ダイヤ(あれ?なぜか自分自身を褒めてるような気がしましたわ……)パラッ
先生「じゃあここわかるやつ…じゃあ今日は3日だから…小原。」
ダイヤ(あ、ここからが漫画の始まりですわね…) ダイヤ(えっと…敵を一撃で倒してしまうのが悩みの主人公…タイトルは『イチパンマン』ですか…)
ダイヤ(ふふふ…黒澤ダイヤ…不良になりますわ〜!)
ダイヤ(早速……)
ダイヤ「……」パラッ
ダイヤ「……」パラッ
ダイヤ「コホッ…」パラッ
ダイヤ「……」パラッ
ダイヤ(どうしましょう…前回の話がわかんないから内容が全く入って来ませんわ……)
ダイヤここに来て根本的なことに気づく! そう!これは週刊ヤングジャンプ!つまり毎週買わないと内容が理解出来ない!!
いきなりピンチの局面だったり訳分からん人が救世主みたいな顔をして来たりよくわかんないのである!
授業中にジャンプを読む人は!毎週サボる勇気のあるやつが読め!!
ダイヤはそこに気がつけなかった…
それともうひとつ…
ダイヤ(血を流してるのを見るのはキツいですわね…)
ヤングジャンプは少年ジャンプと比べると少し暴力的なシーンも多く掲載されている。
ダイヤはそれに慣れておらず、少し気分を悪くしていたのだ…
先生「おい松浦起きろー、当たってるぞ〜。」
果南「Zzz……うぇ!?」ガタッ
鞠莉(もう1回課金しよ…)ポチポチ ダイヤ(こ、このままでは最悪の結果で終わりますね…)
ダイヤ(なにかグロテスクのシーンがないやつ…)パラパラ
ダイヤ(あ、これなんかいいですわね…えっと……タイトルは…)
ダイヤ(かげや様は告らせたい…ですか。)
ダイヤ(1ページ目とタイトルを見るかぎり恋愛と学校が舞台…おや。生徒会のメンバーがメインですか…)
ダイヤ(私にピッタリですわね!)
ダイヤ(しかもこの三宮かげやさんがお可愛いですわ!) ダイヤ(では早速!)パラッ
ダイヤ「……」パラッ
ダイヤ「……」パラッ
ダイヤ「……」パラッ
ダイヤ「……」パラッ
ダイヤ(最高ですわ!!)
ダイヤ(血も一切出ず、エッチなシーンも少なく、すごくいいですわ!!)
ダイヤ(その上面白い!高度なギャグが練り込まれてますわ!) 先生「黒澤。」
ダイヤ(一人一人のキャラもいいですわね…)
ダイヤ(え、実写映画やってたんですか!?)
ダイヤ(どうしましょう…このままだとハマってしまいそうですわ…!)
ダイヤ(あぁ、こういうのがたくさんあればいいのに…)パラパラ
ダイヤ(あ、もう終わりですか。…もう1回大宮無紗さんを見ましょう。)
先生「黒澤!」
ダイヤ「ピギャッ!は、はいなんですか!」
先生「さっきから呼んでるよ…」
ダイヤ「す、すいません……」
先生「じゃあ54ページ読んで。」
ダイヤ「…え、あ、はい!」
ここにきて大ピンチ!! ずっと教科書を盾にヤングジャンプを読んでいたダイヤにとってこれは大打撃!
このままだと隠れてジャンプを読むという野望は果たせなくなる!!
どうするダイヤ!!
ダイヤ(こうなったら…こうなったら……!!)
ダイヤ(立つ瞬間に机の下に音速でヤングジャンプを入れますわ!!)
賢い!!…のか? これって二人とも聞かないふりして聞いてるパターン? 先生「早く立てー」
ダイヤ(勝負は一瞬……)
ダイヤ「いざ!」ガタッ!
果南「あ、そういえば今週のヤングジャンプ買ってないや。」
ダイヤ「ふぁ!?」ビクッ
果南「え、なに?」キョトン
ダイヤ(あ!ヤングジャンプが!!)ワタワタ
バサッ…
ダイヤの叫びが響き終わった頃には大宮無紗のセクシーな水着姿が教室の中心に……
先生「お前……なにか悩み事でもあるのか?」
ダイヤ「あ、いや…その……///」 果南「あ、今週号だ。」ヒョイ
果南「ダイヤ買ってきてくれたの?」
ダイヤ「」
鞠莉「Oh♡ダイヤったらこんなエッチな本を読んでたのね!ダ・イ・タ・ン♡」
ダイヤ「いや…えっと…その……///」
ダイヤ「死にたいので帰ります…///」 プルプル
先生「お、おう…」
ダイヤの野望は続く! 終わり。
近いうちに黒澤ダイヤのちっちゃな野望その2を書こうと思います。 よくこんなつまんないものを書く気になったな
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