放課後、毎日真姫ちゃんのピアノを聞きに音楽室に来る梨子ちゃんのSSください
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>>2
そこはあれだろスクスタばりのクロスオーバーもの >>2
誰もいないはずの放課後の校舎に響くピアノの音 >>4
そのピアノの音を聞いた人はもう戻ってこれない アニメ準拠→もう真姫は卒業している
スクスタ準拠→梨子がいた1年生の時に真姫はいない
難しいですが、真姫教育実習法、OG真姫訪問法、中学生真姫潜入法といった治療法がないことも…ただ難しい処置になるかと思われます 〜♪〜♪♪
梨子「ピアノの音……?どうしよう…私も練習したかったのに…」
梨子(誰が使っているのかしら…)ソーッ
真姫「〜♪」
梨子「…わ、美人さんだ……………あっ」カタン
真姫「…誰?」
梨子「あっ!ごめんなさい、覗くつみりじゃなくて、あの……その……」
真姫「…こんにちは」ニコッ
梨子「こっ、こんにちはっ!」
真姫「くすっ、元気ね」
梨子「は、はい…」 真姫「もしかしてよく弾きにきてるの?」
梨子「は、はい…」
真姫「そう、じゃあお邪魔しちゃったわね……っと」
真姫「はい、どうぞ」
梨子「ありがとうございます…」
真姫「…」
梨子「……」
真姫「…?どうしたの?弾かないの?」
梨子「えっ!?ひ、弾きますけど…」
真姫「そう」
梨子「…」
梨子(えーっ…まさかこの人のいる前で弾かなきゃいけないの…!?) 梨子(…どうしよう)
梨子「……っ」
梨子「………………っっ!」ブルルッ
梨子「……ごめんなさい、出来ません……」
真姫「そ、じゃあ弾いてもいいかしら」
梨子「はい……」
真姫「すぅ────」
真姫「…愛してるばんざーい──ここでよかった──♪」ポロロン
梨子「わぁ……」
真姫「────♪」
梨子(なんて楽しそうに弾くんだろう…)
梨子(…私も昔はこんな風に弾いていたのかな)
梨子(でも今は…) 真姫「────♪」
真姫「はい、おしまい」
梨子「とっても素敵でした!」パチパチ
真姫「あーあ緊張した!人前で弾くのなんて久々なんだもの」
梨子「そうなんですか?そういうようには見えませんでしたよ!」
真姫「ま、私なら出来て当たり前なんだけどね」フフン
梨子「はあ…」 真姫「…ねぇ、あなたお名前はなんていうの?」
梨子「桜内梨子です」
真姫「梨子ちゃんね。私しばらくここに通うからまた来なさいよ」
梨子「いいんですか?練習のお邪魔じゃあ…」
真姫「練習じゃなくて気分転換だからいいのよ」
梨子「わかりました…」
真姫「じゃ、私はこれで失礼するわね」
梨子「あの!お名前をお聞きしても…!」
真姫「そうねぇ」
真姫「マッキーって呼んでくれればいいわ」
梨子「マッキーさん……!」
真姫「さようなら、練習頑張るのよ、梨子ちゃん」
梨子「はいっ…!」
梨子(不思議な人だなぁ……マッキーさん……) りこまき好き……
毎日のように通う音楽室で互いにピアノを奏でながら仲を深めていく続きがあるだろはよ 真姫ちゃん気難しいところあるから梨子ちゃんが気後れしちゃいそうな感じもするけど
こういう柔らかい雰囲気もいいよね 梨子ちゃんが住んでいたマンションが昌平橋ビル──つまり矢澤家と一緒
梨子とこころは幼馴染みで、互いにスクールアイドルになる夢を語り合い音ノ木坂へ入学した仲
梨子はその類まれなる作曲センスで、こころは姉から受け継いだ天賦のアイドル性で音ノ木坂学院アイドル研究会の再興を誓い合っていた
しかし二人にもたらされたのは非情な報せ
こころ「マンションが解体工事…」 真姫(マッキーって何よ私! 自分大好きナルシストみたいじゃない!)ポカポカ
かわいい >>25
それで梨子ちゃん内浦に引っ越したってなるのか たつか先生のまきりこ本良かった
でもその後梨子ちゃんノンケ痴女本出して失望したわ。あんまり抜けなかったし 趣味で弾いてるだけのまきちゃんよりちゃんと練習してコンクール出てるりこちゃんの方が上手い 〜♪
梨子(あ!もしかして…)ガチャッ
真姫「──♪」
梨子「マッキーさん!」
真姫「………─♪」ジロッ
梨子「あっ、すみません…」ムグッ
真姫「…──♪」
梨子(やっぱり素敵な音色だなぁ)
梨子(伸び伸びとしていて…暖かみがあって…)
梨子「♪」
真姫「──♪」 梨子「今日も素敵でした!」パチパチ
真姫「ふふん、やっぱり楽器っていいわね、自分を素直に表現出来るっていうか…」
梨子「わかります!ピアノを弾いている時は自分を忘れて全てをピアノにぶつけられるっていうか…」
真姫「え?」
梨子「え?」
真姫「別に自分を忘れることはないわね」
梨子「えっ…」
真姫「むしろ自分と向き合ってバチバチせめぎあって──」
真姫「あ!やっぱり私って完璧だわ!って思うじゃない?」
梨子「お、思いません…」 梨子「私は…嫌なことを全部楽器にぶつけると今まで気付かなかった自分の嫌なところを客観的に…」
真姫「なんでよ」
梨子「え?」
真姫「嫌なときにしか弾かないの?それってとってもつまんないんじゃない?」
真姫「客観的に嫌なところを見つめるのも私は嫌ね。そういう自分は弾いている時にこそ忘れるべきじゃない?」
梨子「…」
真姫「…………あなた、とっても悩んでるのね」
梨子「……はい」 梨子「……自信がないんです。最初は楽しかったのに……今は辛いことの方が多くて……」
真姫「…そう」
梨子「だからマッキーさんみたいに弾けるのって……ちょっと羨ましいです」
真姫「…」
梨子「……明日も来てもいいですか?」
真姫「それは梨子ちゃんの勝手よ。好きにしなさい」
梨子「…ありがとうございます」 〜〜♪
梨子「こんにちはー」ソローッ
真姫「あ、来たわね」
梨子「はい?」
真姫「ねぇ、今から弾く曲の感想聞かせてくれない?───すぅ」
真姫「ユメノトビラ──♪」ポロロン…
梨子「わぁ…!」
梨子(この前の曲とはまた違う感じ…)
梨子(でもやっぱり暖かくて素敵…)
梨子「♪」
真姫「──♪」 真姫「──♪…………この曲はね」
真姫「梨子ちゃん、あなたへのエールよ」
梨子「私ですか?」
真姫「実はこの曲ね、すっごい大変だったの!」
真姫「もう、ホント嫌になっちゃう!この真姫ちゃんがあんなに悩まされるなんて!」
梨子(あ、真姫さんっていうんだ…)
真姫「すっごい嫌な思い出なんだけど、全然嫌じゃないの。何でか分かる?」
梨子「えっと…?」 真姫「それはね、皆で乗り越えたから」
真姫「自分だけが悩んでると思ったの。でも違うのよ」
真姫「みんなも一緒に悩んでたの」
真姫「一人一人が私たちの為にどうすれば上手く出来るか悩んで悩んで悩んで…」
真姫「もう、意味わかんないくらい悩んで──あっ!」
真姫「って出来た曲なの」
梨子「…???」 真姫「だから忘れないで」
真姫「あなたが悩んでいる出来事はあなただけが悩んでいることじゃない」
真姫「あなたを思う人もあなたと一緒に悩んでいるのよ」
真姫「そしていつの間にか解決してるんだから。大丈夫よ、ドンウォーリー!」
梨子「はい…」
真姫(…ま、今の私はこんな偉そうなこと言える立場じゃないんだけどね) シーン……
梨子「真姫ちゃ……じゃなくてマッキー今日はいないのかな…」
梨子「この前もらった曲…練習してみようかしら」
梨子(確か…)ポロロン…
梨子「ユメノトビラ──」ポロロン♪
梨子「!」
梨子(何これ……すごく楽しい!) 梨子(なんでだろう)
梨子(初めて弾くからいつもより全然下手っぴなのに)
梨子(音楽と気持ちが1つになってる気持ち…)
梨子「──♪」
真姫「へぇ、いい顔するじゃない」
梨子「ひゃあっ!?」ビクッ 真姫「ふふふ、ちゃんと弾けるじゃない♡」
梨子「な、なんで隠れていたんですか!?」
真姫「だって、梨子ちゃんの演奏が聴きたかったんだもの」
梨子「だからってそんな……」
梨子「ピアノの下に隠れなくても…」
真姫「埃も真姫ちゃんにかかればアクセサリーに大変身よ、くしゅんっ!」 真姫「梨子ちゃん、あなたこの私より全然上手なのね」
梨子「そんなことないです!全然私なんか…」
梨子「……1度失敗してからずっと……ダメダメで……」
梨子「…………人前で……弾けなくて」
真姫「そう……」
真姫「でも私の前で弾けたじゃない」
梨子「それはマッキーさんがいないと思って…」
真姫「人前は人前じゃない。私は確かにいたんだもの」
梨子「むぅ…」 真姫「ねぇ、1度出来たんだから今もう一回やってみない?」
梨子「無理ですよ…意識しちゃってますから」
梨子「それより、私、マッキーさんのピアノまた聴きたいです!」
梨子「マッキーさんの演奏を聴いているとすごく心が落ち着くんです」
真姫「うーん」
梨子「お願いします!私、マッキーさんの演奏大好きです!」
真姫「…ふふん、仕方ないわねー」 真姫「適当に弾くけどいいかしら?」
梨子「はい!」
真姫「それじゃあ最初は……──♪」
真姫「──♪」
梨子「あ…」
梨子(やっぱりすごく心地がいい)
梨子(この前まで全く知らない人だったのに…)
梨子(こんなに気を許してしまうほどに…)
梨子(ん…?)
梨子「そういえば、マッキーさんは何をしている人なんですか?」
真姫「うぇっ!?」ビクッ 真姫「わ、私の素性なんてどうでもいいじゃない!」
梨子「教育実習の先生じゃないですよね?スーツじゃないですし」
真姫「ただの大学生よ!音ノ木の卒業生だからちょっと遊びに来てるだけ!」
梨子「大学生!わぁ、だから大人っぽいんですね!」
真姫「それは否定しないけどぉ…」
梨子「どんな大学に通われているんですか?やっぱり音大ですか?」
真姫「うううぅ………!」 真姫「私の秘密は全部秘密!教えないわ!」
梨子「私、もっと仲良くなりたいです!マッキーさん!」
真姫「わ、私はそんなことない!」
梨子「えっ……」
真姫「あっ…違っ……そういうわけじゃないけど……」
真姫「とにかく秘密!私もう帰る!練習頑張るのよ!ばいばい!」ダッ
梨子「あっ…」
梨子「行っちゃった…」 梨子「マッキーさん、大学生だったんだ」
梨子「……あんな風に帰っちゃったけど…」
梨子「また来てくれるかな…」
梨子「……」
梨子「よしっ!」パンパンッ
梨子「せめてマッキーさんに披露出来るようになろう!」
梨子「そこから少しずつ……うん」
梨子「……頑張ろう…!」 シーン…
真姫「今日はあの子来ないのかしら」キョロキョロ
真姫「…はぁ………」
真姫「…私、何しているのかしら……」
真姫「だって!だってよ!?この私が!?まさかこの私が!!?」
梨子「私が?」
真姫「私が………!!」
真姫「ひゃあ!?」ビクッ
梨子「ふふふ、仕返しです♡」 梨子「もしかして悩み事ですか?」
真姫「まっさか!真姫ちゃんはいつでもクールで冷静沈着、パーフェクトなんだから!」
梨子「へぇー」
真姫「…ところでいつ入ってきたのよ」
梨子「そうですねぇ」
梨子「マッキーさんが入ってくる数分前ですかね」
真姫「い、言いなさいよ!」
梨子「だから仕返しなんですってば♡」クスッ
真姫「むぅー……!」 真姫「そういう梨子ちゃんは……なんだか顔つきが変わったように見えるわね」
梨子「はい!マッキーさんに言われてから随分と集中出来るようになったんです!」
梨子「今なら……もしかしたら………ううん………!」
梨子「マッキーさん!」
真姫「は、はいっ」
梨子「私の演奏、聴いてくれませんか!」
真姫「!」 梨子「やっぱり一歩踏み出すことってすっごく大事だと思ったんです」
真姫「うっ…」
梨子「緊張して多分すっごく下手になっちゃうと思います」
梨子「でも、私に勇気をくれたマッキーさんに、私の勇気の一歩を捧げたいんです」
真姫「そう言われちゃうと……そうね…」
真姫「わかったわ。聴かせてちょうだい」
梨子「はい!マッキーさんが教えてくれたこの曲です──」
梨子「──ユメノトビラ」 梨子「─♪……─っ──♪」
真姫(前に盗み聴いた時より拙いけど……)
真姫(すごい…ちゃんと弾けてる…)
真姫(梨子ちゃんは………ちゃんと進んでいるんだ……)
梨子「……はぁはぁ」
梨子(楽しい…!)
梨子(こんなに楽しいと思えたの久々…!) 真姫ちゃんと梨子ちゃんの対比が良いね……
続き気になる 梨子「…っはぁ………ひ、弾けた……!」
真姫「やるじゃない」パチパチ
梨子「マッキーさん!私、弾けました!」
真姫「偉い偉い」ナデナデ
梨子「!…あ、ありがとうございます///」
真姫「くすっ……なんだか先越されちゃったわね」
梨子「?」
真姫「ごめんなさい梨子ちゃん。実はこの前言ったことは嘘だったの」
梨子「えっ!?」 梨子「じゃあユメノトビラを教えてくれた時に話していたことは…」
真姫「それは本当よ」
梨子「なら音ノ木の卒業生っていうのが…」
真姫「そ、それも本当」
梨子「???」
真姫「えっと………その…………だからね」
真姫「私……大学生……………じゃないです………」モジモジ
梨子「え………」 真姫「ろ、浪人してるの……」
梨子「浪人……」
真姫「しかも……その……一浪じゃなくて………」
梨子「え」
真姫「…わ、悪かったわ、嘘ついて……」
真姫「ただ、その……」
真姫「…一生懸命ぶつかってくれた梨子ちゃんに私だけ隠し事するなんて不誠実だと思って……うぅ……」
梨子「あの」
梨子「それだけですか?」
真姫「へ?」 真姫「そ、それだけじゃないわ!」
真姫「もう浪人生活が辛くて勉強漬けの日々が辛くて」
真姫「本当はこんなとこきて遊んでる暇なんてないのに」
真姫「…現実逃避したくて」
真姫「それに梨子ちゃんを利用しちゃっていたの…ごめんなさい」
真姫「梨子ちゃんに偉そうに言える立場じゃないのよ………今現在私が挫折している途中なのに……」
梨子「……くすっ」
梨子「あははっ」
真姫「…なっ」 梨子「あーびっくりした!嘘はそれだけですか?」
真姫「…はい」コクン
梨子「なぁんだ、私もっと構えてましたよ」
梨子「私を励ましてくれたのは本当ですし、私が一歩踏み出すきっかけになってくれたのも本当で」
梨子「今こうやって私と向き合ってくれてるのも本当」
梨子「何も嘘なんてないじゃないですか」
真姫「でも…」
真姫「マッキーって名前も嘘だもの…」
梨子「あ、それは知ってますよ」
真姫「!?」 梨子「私、本当に嬉しかったんです」
梨子「初めてこんなに辛い挫折を味わった」
梨子「でも、マッキーさんの演奏を聴いてゆっくり音楽と向き合って」
梨子「もう一度やってみようと思えて…」
梨子「少しずつだけど、またピアノが好きになれそうって思えました」
梨子「マッキーさん、ありがとうございます」ペコリ
真姫「そんな……別に……」 梨子「それで、考えたんです。環境を変えてみようって」
真姫「引っ越すってこと?」
梨子「はい、東京じゃなくて、田舎の方で気持ちを整理してみようかなって」
真姫「…いいと思うわ」
梨子「はいっ」
梨子「…だから、マッキーさんも同じなんだと思います」
梨子「ここに遊びに来たのは、今の現状を変えるため。必要なことだったんですよ!」
真姫「!」 梨子「マッキーがここに来てくれたからマッキーさんに会えた」
真姫「そして、梨子ちゃんがここに来てくれたから梨子ちゃんに会えた……そういうこと?」
梨子 ニコッ
真姫「…はぁ、全く」
真姫「年下の子に励まされるなんて思わなかったわ」
梨子「それも環境が変わったおかげですよ」
真姫「そうね」クスッ 梨子「私はこれからしばらく引っ越しの作業があるのでここに来ることはないですが……」
梨子「……また会いたいです」
真姫「そうね、私もまた会いたいわ」
真姫「…出来ればその時は本当に大学生になっていればいいんだけど」
梨子「あはは…私は気にしませんよ…」
真姫「私が気にするのっ!」 真姫「引っ越した先でも元気でね」
梨子「マッキーさんもお元気で…」
真姫「…ねぇ、せっかくだから最後は一緒に弾かないの?」
梨子「ええっ!?さ、流石に無理ですよ!!」アワアワ
真姫「いいから、私達なら大丈夫よ」
梨子「私達なら…」
真姫「えぇ、きっといい未来が待ってる。だからこれは私達から私達のエールよ」
梨子「!…そうですね」
梨子「やります!」
真姫「いい返事よ」クスッ 真姫「私達から…」スゥ…
梨子「私達へのエール…」スゥ…
「「ユメノトビラ──♪」」
その日、音楽室では今までで1番綺麗な音色が響いていた。
真っ直ぐ突き抜けるようなその音色は
彼女達の未来を指し示しているようだった。
おわり 乙乙
設定も好きだし2人ともお互いに勇気をもらって前に進むことができて良かった……
素晴らしいりこまきをありがとう ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています