むかしむかし、ごほん…最近のこと、あるところに、綺麗な御屋敷に独り者の男と娘が住んでいました。
その娘の名前は、園田海未。
お淑やかで美しく、おっとりとしていて優しく、それでいて芯のある強い、着物がよく似合う少女でした。

海未(幼少)「お父様、ほらこんなに大きいタンポポがありました」

海未パパ「おお、生えてるのを摘んできてしまったのか。それじゃあもうそれは死んでしまったな」

海未「あ!だめ、でしたか…」オドオド

海未パパ「…」

海未「私、タンポポさんを殺して…」

海未パパ「海未、それじゃあそのタンポポの種をフーって飛ばして、新しい命を芽吹かせてあげよう」

海未「は、はい!お父様!」

海未の父親は妻に先立たれ1人で彼女を育てていました。教育は厳しくも、普段は優しく伸び伸びと彼女に接していました。

しかし、やはり海未には母親が必要だと思うようになり、再婚を決意したのです。