千歌「街を消してしまったあの日から……」
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あの日に悪魔との契約を結ぶも、失敗してしまった……そして、元いた世界へは戻れずこの知らぬ街へと飛ばされ……いや、飛ばされたんじゃない。
街ごと飛ばされてしまい、街が入れ替わってしまっていたのだ。
千歌「内浦じゃない……でも、家はそのままだ」
そう、私の家は無事にそのまま残っている。
だけど、その周りにあるものが違うのだ。
千歌「学校に行かないと……」
この世界に来てからもう数日は経つだろうか。
学校から海では無くて湖が見え、海の潮の香りは漂って来ない。
今まで居た世界から削がれて、私の中にあるものの何かが犇いている気がするのだ。
そして、あの時の施術の失敗の後遺症が私たちにも及んでいた。
花丸「善子ちゃん、今日はどこ行く?」
善子「もう、善子言うな!」
千歌「ねえ……沼津にいた時の事、覚えてる?」
花丸「沼津?それってどこ?」
善子「訳の分からない事を言うのね」
千歌「えへへ……ごめんね……」
そう、今までの記憶が消え去ってしまっていたのだ……私を除いて。 善子「早くバスに乗るわよ!」
千歌「ちょっと待ってずら!」
バスに乗り込み、駅へと揺られながら向かう。
『次は終点、土浦駅……』
千歌「つ、土浦……」
そう、内浦と土浦が入れ替わってしまったのだ。
花丸「早くしないと石岡行きが言っちゃうよぉ!」
善子「ちょっと、私は牛久なのよ!」
千歌「バイバイ……はぁ……」
ただ、私は悔やむしか今は出来ない。
あの時に止められれば、こんな事にはならなかったし……学校にいられた。
それなのに……ええい、悩んでいても仕方ないよ!
千歌「元の世界に戻る方法を探すっきゃない!」 こういう現象はヨハネが何か知ってるパターンじゃないのか こないだのスレの続きなのか、インスピあてられてのなのか
どちらにせよ、わくわく この夜、あの時の出来事を時系列にして思い出す。
…
……
………
善子「我は貴方との契約の為に召喚した」
『そうか、ならその旨を言え……その対価に汝の大切なものと交換する……』
海未「や、やめるのです……うぐっ……その……悪魔と契約を……」
果南「ちょっとゴメンね?」
海未「うぐぅぅぅぅぅ……」
善子「承知した、では……廃校のない世界にして欲しい」
『うむ……その契りを交わすとしよう。その代わりに……』
『汝の大切な思い出と土地と交換する……さらばだ』
海未「ま、待って……やめな……
………
……
…
千歌「そう、あの時に海未ちゃんが止めてくれてたら……」
千歌「でも、ここからどうやって戻せば良いんだろう……」
悩んでいるうちに夜が明けてゆき、次第に朝日が昇ってきた。 千歌「おはよう!」
善子「おはよう……って、クマが酷いわね」
千歌「ちょっと夜更かししちゃってね……」
ダイヤ「寝不足は危険のサインですわよ!」
千歌「ごめん……」
いつもと変わりないと言えない朝を迎え、今日も学校だ。
昼休みはお馴染みのメンバーと一緒に食べて、駄弁る。
千歌「ねえ、あの時の事覚えてる?」
曜「あの時って?」
千歌「ほら、音ノ木坂学院に行った時の」
曜「音ノ木……坂?行った事ないけど?」
やはり、曜ちゃんも覚えていないようだ。
千歌「そっか……それなら良いんだ」
曜「変な千歌ちゃん」 花丸「急がないと授業が始まっちゃうよ!」
千歌「そ、そうだった!次の授業は体育だった!」
花丸「もうごじゃっぺだべ……」
千歌(ずらじゃ無くなってる……)
…
……
………
千歌「今日はランニングか……5周とかキツイよぉ……」
曜「千歌ちゃん、あともう少しだよ!」
千歌「曜ちゃんは速いよぉ……」
身体を動かしている内に何かを思い出した。
千歌「そっか、音ノ木坂学院に行ってあの時の術で取り消せば……よぉし、いっくぞぉ!」
曜「ち、千歌ちゃん!?」
………
……
…
???「動き始めた様やな……元Aqoursの子……」
その時、また奇跡の歯車が一歩動き始めたのを彼女を除いて誰も知らなかった。
【続く】 【次回予告】
私は元の世界に戻すべく、あの時の音ノ木坂学院へやってきた。
だけど、海未ちゃんや絵里ちゃんは覚えていない……。
そんな中、ただ一人だけ覚えていてくれた……あの人なら、あの人になら。
次回はそんな小さな大冒険が始まるよ! 【補足】
この物語はちょっと前に書いた『海未「目が覚めたら見知らぬ場所に飛ばされていました……」』のIfストーリーで、もし術を行うまでは成功してもその結果(=代償)が大きかったら……と言うものになってます。
なので、その前のストーリーを読むと少しだけ世界観がつかめると思います。 面白そうだけど、25ぐらいまでいかないと
このままだとスレ落ちる 【ミニシアター】
『土浦でのとある日常風景』
千歌「ねえ、帰りにゲーセンでも寄ろうよ!」
曜「いいね!他に誰か連れてこうよ!」
千歌「という言うかと思ったから……この子達に来てもらったよ!」
善子「私は格ゲーしかやらないわよ」
花丸「おらはゲーム殆どやらないだべよ……だから、クレーンゲームにすっぺ」
千歌「それじゃあ、出発進行!」
………
……
…
千歌「あ゛あ゛あ゛あ゛……また負けちゃったぁぁぁ……」
善子「ったく、ボディがガラ空きなのよ」
曜「じゃあ、私がやるよ!」
と言う普通の女子高生の一日が前よりも増えた気がするんだ。 ダイヤ「ちょっと、貴方たち!ここで何をやっているのです!?」
善子「げっ、やば……風紀委員のダイヤさんが来ちゃった……」
曜「に、逃げるよ!」
ダイヤ「ちょっと、お待ちなさい!」
花丸「ま、待ってよぉ……」
………
……
…
千歌「な、なんとか逃げ切れた……」
曜「そ、そうだね……あの風紀委員に捕まったら面倒だからね……」
善子「だから、ゲーセンなんか行かない方が!」
千歌「とか言って、ストファーに夢中だった癖に」
善子「うっ、うっさいわね……って、花丸がいない!」
曜「もしかしたら、ダイヤさんに捕まったかも……」
…
……
……… 不良女学生A「ぶつかって痛てぇんだけど……あ゛ぁ濁点!?」
不良女学生B「星の浦だからって調子こいてんじゃねえよ!」
ダイヤ「あ、貴方たちが勝手に絡んできたんでしょう!」
不良女学生A「口数が減らねえなぁ……ちょっと焼き入れてやろうか!?」
ダイヤ「くっ!」
果南「その辺にしておいた方が良いと思うよ」
不良女学生B「や、やべ……コイツ、怪力の……」
果南「知ってるんだ、だったら尚更だね」
不良女学生A「怪力だろうが知った事じゃねえよ!」
不良女学生B「やめろ!ヤられるだけだ!」
果南「そんなパンチじゃ遅いよ……ハグしよっか?」
不良女学生A「ぐあぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁ……」
不良女学生B「言わんこっちゃない……お、覚えてろよ!」
果南「ダイヤちゃん、大丈夫?」
ダイヤ「ええ、大丈夫ですわ……何とか、マルちゃんの事は守れましたわ」
果南「そっか、それなら良かった」 花丸「怖かったよ……」
ダイヤ「全く……もう二度とここのゲーセンには行かない事ですわ」
千歌「おーい!花丸ちゃん、大丈夫?」
花丸「うん、大丈夫」
ダイヤ「あなたも二度とここのゲーセンには行かない事です!ここは前々から不良が溜まってるという苦情が来ているのです」
………
……
…
なんだか、沼津にいた時よりもデンジャラスが一杯で怖いけど……悪くはないかな?
【続く】 そんな訳で私はこの内浦……じゃなくて、土浦での一日を少しだけ見せていくからよろしくね!
後は音ノ木坂学院にいる海未ちゃんとか希ちゃんに助けを借りて元いた世界に行く為に頑張っちゃうよ!
例え、0からたった1だけでも進めていけば絶対に変わるから!
それじゃあ、次回もよろしくね! 【前回のラブライブ?】
内浦が吹き消し飛ばされてから数日経って少しずつ馴染んできた日常だけど、やっぱり今までの内浦が良いよ。
そんな事を考えていたら、音ノ木坂学院に行けば何とかなると思って……これから秋葉原に行くよ!
って、ダイヤさんが何だか豆知識コーナーをやるって。
【ダイヤさんの豆知識のコーナー】
この土浦という街は元々、日本海軍の街として栄えて行き商業の街としても発展していったのです。
そして、現在では自衛隊駐屯地が設置されており、今でも古の海軍の雰囲気を感じられると思いますわ。
そうでした、この土浦でも地区毎に特色があったりします。
先ずは駅周辺の中心街は主に繁華街が立ち並んでいまして、そこには……ぴ、ピンク街もあります///
これは日本海軍がいた時に出来た赤線と言われる区分けの名残で今もあるそうですわ。
後は隣にある神立は工業地帯として成立していて、日立建機の工場があったりしますわ。
だけど、土浦駅周辺よりは少し閑散としている感じですわ。
というような感じに説明しましたが、雰囲気は感じ取って貰えました?
次は私たちの自己紹介をしていきたいと思いますわ。
千歌「自己紹介をしなくても、もうみんな分かってると思うよ……」
ダイヤ「全く、あなたは分かっておりませんわ!」
千歌「という事で、こんなダラダラした感じになっちゃったけど行くよ!」 期待
この世界はAqoursも無かったことになってるのかな? 時は秋に移り変わり夏祭りが終わって花火大会が開かれる。
全国から花火師が集まり競い合うこの大会は技術力の高さから世界的にも有名で、全国……いや世界中から花火ファンが来るのだ。
千歌「え゛え゛……繁忙だから手伝えって……」
そう、市内の花火大会で泊まっていく人が居るらしくてビジネスホテルなどは直ぐに満室になってしまうらしい。
それで旅館に泊まり込む人もいるんだとか。
千歌(うぅ……折角、秋葉原に行って音ノ木坂学院で希ちゃんに会おうと思ったのに……)
でも、前いた沼津でも花火大会が開かれてたなぁ……。
美渡「少しぐらい手伝ってもバチなんて当たらねえっての」
千歌「で、でも……」
美渡「でもじゃねえよ、やれと言われたらやる!」
千歌「はぁい……」
………
……
…
曜「千歌ちゃんは花火大会に行くの?」
千歌「わ、私は……家の手伝いがあるんだ、あははは……」
曜「そっか、それは残念だなぁ……」
千歌「ごめんね……」
…
……
……… 美渡「…………遊びに行きな」
千歌「えっ?」
美渡「だから、遊びに行きなって言ったんだよ!ったく、バカ千歌ったら……」
千歌「ありがとう!」
美渡(曜と約束してたらしいしな……流石に可哀想だしなぁ)
志満「あら、やっぱり千歌ちゃんには優しいのね」
美渡「そんな事ねえよ!ただ、曜と約束があったから……」
………
……
…
千歌「曜ちゃん!お待たせ!」
曜「千歌ちゃん!?旅館の方は大丈夫なの!?」
千歌「美渡姉が遊んでも良いって言ったから、来ちゃったよ!」
曜「そうなんだぁ……じゃあ、屋台に行こうよ!」
千歌「うん!」 千歌「あっ、善子ちゃーん!」
善子「よ、善子言うな!ヨハネよ、ヨハネ!」
曜「曜ちゃんも来てたんだね」
善子「当たり前よ、この下界の祭事に興味があったからね」
千歌「曜ちゃんの浴衣、やっぱ可愛いね」
曜「千歌ちゃんの浴衣も可愛いよ」
善子「ちょっと!?」
花丸「善子ちゃん、やめた方がよかっぺよ?」
善子「……はい」
色々な屋台を周り、たこ焼きや金魚すくいで遊んだりした。
あの沼津にいた頃の私たちはライブの為に練習したり、大会に出たりしてたから碌にお祭りに行けなかったなぁ……。
花丸「わぁぁぁ……綺麗」
曜「そうだね」
善子「ちょっと、人が多くて流れて行きやすいわね……」
千歌「そうだね……逸れないように手を繋ごう」
手を掴んだその相手は……。
???「あら、ゲーセン以来でしたわね!」
曜「ひっ、風紀委員の……」
善子「ダイヤさん!?」
ダイヤ「余り遅くまでいたら行けませんのよ……23時以降の外出は警察の補導対象ですわ」
千歌(あっちゃあ……手を繋ぐ相手を間違えちゃった……」 千歌「も、勿論分かってますよ……逃げろ!」
ダイヤ「コラ、お待ちなさい!」
曜「ちょっと千歌ちゃん、待ってよ!」
また捕まったら面倒だし、説教なんて懲り懲りだよ。
走って逃げてる最中に誰かにぶつかってしまったのだ。
千歌「いてて……あ、あの大丈夫ですか?」
???「大丈夫や、あなたの方は大丈夫?」
千歌「はい、大丈夫です……あっ!?」
その声と姿、間違いなくあの時にあった希ちゃんだったのだ。
希「久しぶりやな、ちかっち」
千歌「ち、ちかっち?」
曜「千歌ちゃん、大丈夫!?」
千歌「うん、何とか」
曜「その人は?」
希「うちは東條希、東京から来たんよ」
曜「へぇ……千歌ちゃんは知ってるの?」
千歌「う……うん、知り合いなんだ!」 希「ちょっと、ちかっちとヨハネちゃん……良いかな?」
善子「な、なんで我の名を?」
希「知っててもええやん?」
………
……
…
人混みを掻き分けながら、希ちゃんが泊まっているというホテルに通された。
希「この前の事やけどね、善子ちゃんは覚えとるよね?」
善子「な、何のことかしら?」
希「とぼけても無駄やで、うちの学校でAqoursを救うために黒魔術を使って、その代償でこの別の世界へ飛ばされた事を」
善子「Aqours?黒魔術?一体、何の事よ!」
希「やっぱり、あの術を使うしかなさそうやな……」
そう言って、希ちゃんは呪文っぽい事をブツブツと呟いて私たちは白い光に飲み込まれたのだった。
…
……
………
千歌「あれ?ここは一体……何処なの?」
希「ここは善子ちゃんの記憶の世界……つまり、善子ちゃんの精神世界と言ったところやね」
千歌「えっ!?じゃあ、善子ちゃんの今までの記憶を見てくの
?」
希「そういう事や……じゃあ、これから精神世界へ飛び込んで行くで!」
希ちゃんの手を繋ぎ、光差す入口へと飛び込んでいった……。
―――――――――
【善子の精神世界 ――LEVEL.1】へ続く 【花丸ちゃんの茨城弁講座?】
元いた世界では静岡弁を使っていた花丸ちゃんですが、この世界では茨城弁がちょくちょく出る様になっています。
そこで本編が始まる前にちょこっとだけ、実用的な茨城弁を紹介していきます。
それじゃあ、花丸先生……お願いします。
花丸「えっと、茨城弁と一言で言っても色々と地域によって使うものとかがあるらしいです。そんな中でも比較的、使われている言葉を教えっぺ」
先ずはいじけてる子がいる時に使うと思う言葉
善子「あいつら、本当なんなのよ!全く、波高の連中は……」&
花丸「おんめさ、そんないじやけててもどうしようもないあんめいよ!」
これを標準語に訳すとこうですね。
「お前さ、そんな腹立ててもどうしようもないでしょ!」
『いじやける』は『腹立てる』という意味で、『あんめ』は『〜ないでしょう』という否定形の言葉です。
花丸「それじゃあ、次に行くべよ」
次は失敗して叱っている場面で使うと思う言葉
花丸「また宿題あげるの忘れたのかよ……ほんと、ごじゃっぺだなぁ……」
これを標準語に訳すとこうですね。
花丸「また宿題出すの忘れたの……ほんと、バカだなぁ……」
『あげる』は『提出する』や『出す』という意味で、主に書類やレポートなど目上に人に献上する事から先の様な意味になったと言われています。
『ごじゃっぺ』は『バカ』や『間抜け』と言った意味で叱りつける時に使われる言葉です。 因みにだけど、波高は筑波高校の俗称らしいよ。
一部では馬高と文字ったりする人もいるらしいけど、ぬまっきーよりは未だマシらしいけどね。
という事で、花丸ちゃんの茨城弁講座はこの辺で!
それでは……って、本編を早く始めろって?
待っててね、もう少しで始まるから!
そうそう、さっきの話で出てきた花火大会だけど凄かったよ。
だって、路線バスが沢山走ってて駅の方は人が一杯だったし。
えっ、あれは茨城県内のバス会社からバスを掻き集めてシャトルバスを運行させてるんだって?
https://i.imgur.com/WdxOxw0.jpg
https://i.imgur.com/SimONpJ.jpg
へぇ、凄いねぇ……それで旅館に泊まる人が沢山で忙しくなるんだって。
周りのホテルも満室になっちゃうらしいし、駅から帰る人も多くて入場規制が設けられるんだって。
そんな凄い花火大会の夜に希ちゃんと再会して、善子ちゃんの精神世界に入る事になったんだけど……アレどうなってるのって思ったよ。
という事で、次回もよろしくね! いじけるは標準語だべ
青なじみとか方言でよくつかうべ >>40
日常的に使う茨城弁をもう少し挙げてみると『やっこい』とか『ひゃっこい』があります。
お分かりかと思いますが、『やっこい』は『柔らかいという意味で『ひゃっこい』は冷たいの意味だったりします。
後は語尾に良く付く『〜っぺ』の使い方なんかも花丸ちゃんが教えてくれるそうです。 【前回のラブライブ ?】
花火大会の日に再開した希ちゃんに誘われるままホテルに向かった私たち。
善子ちゃんの精神世界へ飛び込んで真実に迫る事になったのだ! 千歌「ここは……内浦だよね」
希「内浦って言うんだ、綺麗な港町やね」
そう、目の前に写っていたのはあの日までの日常だった……内浦の風景である。
千歌「ねえ、ここは本当に精神世界なの?」
希「そうや、善子ちゃんの記憶で構成された世界なんよ。だから、この様に本物にそっくりな世界が出来てる訳」
千歌「じゃあ、学校もあるんだよね」
希「多分、学校もあると思う」
あの日まで通った道を辿り、あの学校が見えてきた。
そう、いつもの風景はコレだよ……コレが私のいつもの世界なんだと思ったのだ。
千歌「あれ、誰もいないね……」
希「精神世界やから、知らない人や関係が薄い人は出てこない。寧ろ、繋がりが強くて思いが繋がりあってる子がいる様な世界」
千歌「と言うことは、曜ちゃん達も……」
希「うん」 階段を駆け上がり、昇降口へ向かうと何処からか騒めく声が聞こえてきた。
千歌「どこからだろう……部室からかな?」
誰もいない校舎を歩くのは何気に不気味さを感じる。
こんな明るい時間なのに人がいないと変な感じがするなぁ。
千歌「あ、みんながいるね……あれ、泣いてるよ?」
思い出してみれば、あの時の廃校を免れなかった悔しさから溢れ出た涙。
努力だけではどうしようもなかったと思ったあの時の悲しさ。
善子ちゃんは何を思ってたんだろう?
千歌「みんな……」
声を掛けても聞こえないのか、私を無視した。
希「この世界は善子ちゃんの世界や。だから、この子達が幻と言うこともある」
善子「いつもそうよ……上手くいかずに終わって、学校すら救えなかった……私の所為よね、ごめん」
千歌「善子ちゃん、そんな事ないよ?確かに上手くいかなかったけど、それでも無駄だった事ある?」
善子「うっさい!あんたには分からないのよ!」
千歌「あれ、目の前が真っ白に……」
希「しっかり、手を繋いで!逸れたら二度と現実世界に戻れなくなるから」
千歌「う、うん!」
あの時の善子ちゃんの気持ちが聞こえてきた。
あそこまで自責の念に責められていたとは思わなかった。
………
……
… 千歌「今度は善子ちゃんの家だね」
希「時系列に沿って記憶を見ているからね」
千歌「ドアが開いてる……入っても良いんだよね?」
部屋へと進んでいくと善子ちゃん……ヨハネちゃんの部屋があった。
そっと開けて覗いてみると、そこでは何やら儀式をしていた様だ。
善子「さあ、出でよ……我と契約を交わし……」
千歌「何の契約をしてるんだろう……」
希「悪魔と契約をして力を得たんやろう」
『我を呼び出したのは……汝か?』
善子「はい、貴方と契約を交わしたく……」
『契約とはなんだ……言え』
善子「私に時を操る力を下さい」
『時を操る力をか……力を与えられん事はないが、それなりの対価を払って貰う』
善子「えぇ」
魔法陣から黒い光が輝き出し、そこからは無数の触手が現れたのだ。
何だかイソギンチャクみたいな感じだった。
『対価は……汝の処女だ』
善子「分かりました……貴方に捧げます」
そして、善子ちゃんは無数の触手に飲み込まれて行き……。
千歌「善子ちゃん!」
希「無理や、ここは記憶……精神の世界や。だから、どうする事も出来へん」
何分経ったのだろうか、魔方陣から善子ちゃんが放り出された。
身体中は白く濁った液体に塗れ、アソコからはゴポゴポと液体が溢れ出していた。
千歌「よ、善子ちゃん……」
希「悪魔と契約を交わした……だから、あの時に水晶玉が……」
再び光に飲み込まれ、違う場所へと飛ばされた……。
私の中にいる善子ちゃんと善子ちゃんが乖離してゆく。
………
……
… なかなかハードな展開だな……
ヨハネがキーパーソンなのかしら 【ダイヤさんの茨城講座】
今回は本編が始まる前により楽しくなる様にという事で、茨城に関する事を紹介していくらしいわよ。
それでは講師の黒澤ダイヤさん、宜しくお願いします。
ダイヤ「今回は茨城について、より深く知る為に紹介していきますわ」
【茨城県の交通機関】
ダイヤ「それでは最初は交通機関を紹介していくけど、そもそも茨城は車社会だから必ずと言って良いほど車は持っていますわ」
ダイヤ「交通機関を使うのは主にお年寄りや子供といった自動車を運転出来ない方々が使う感じだけど、お年寄りも割と運転するから病気や怪我で運転出来ない方々になるわ」
ダイヤ「さて、茨城の鉄道網は私鉄を含めると7つ。東京から宮城までを結ぶ大動脈の『常磐線』とその支線として友部から栃木の小山までを結ぶ『水戸線』がありますわ」 ダイヤ「常磐線はかの大震災で被害を被り、復興を遂げて特急が仙台まで通る様になったので知ってる方も多いと思うけど、戦中に貨物列車との衝突事故で土浦駅の近くに架かる桜川橋梁で客車が落ちて多くの犠牲者を出した事故があったのです」
ダイヤ「その祈念碑はJRの社員寮の敷地内にあるそうですわ」 ダイヤ「さて、水戸線は水戸じゃないのに水戸と付いているのですが、それは最初に敷設された路線が小山から水戸に繋がっていた事から来ています」
ダイヤ「その後に土浦から友部に鉄路が敷かれて、国有化した時に『土浦から水戸は常磐線』と『友部から小山は水戸線』と決められたのです」
ダイヤ「水郡線は水戸から福島の郡山を結ぶローカル線ですわ。あの路線は長い上に列車が気動車だから……乗る機会がありませんわ」
ダイヤ「後は水戸から鹿島までを結ぶ大洗鹿島線や、勝田から阿字ヶ浦を結ぶ湊線がありますわ」
ダイヤ「取り敢えず、写真を幾つか表示してもらいますわ……善子さん、お願いしますわ」
善子「ヨハネよ!」
https://i.imgur.com/xSHCWUD.jpg
ダイヤ「これがその事故が起きた橋ですわ」
善子「丁度、夕方に撮ったのよね」
ダイヤ「学校から帰る途中に撮ったものですから」
https://i.imgur.com/o2AWsrn.jpg
善子「これが湊線ね、最近はひたちなかにある海浜公園に延伸するとかで巷で有名らしいわ……私はそんなに興味ないけど」
ダイヤ「元々は水戸の方で営業している茨城交通の路線でしたわ」 https://i.imgur.com/luiVZxu.jpg
善子「大洗に遊びに行った時の写真ね」
ダイヤ「確か……大洗には戦車道を極めた学校があると聞きましたけど」
善子「それなら大洗女子学園の事ね」
ダイヤ「鉄道の次はバスに行くわ」
ダイヤ「茨城のバスは比較的少なくて、土浦に本社を構える関東鉄道と水戸に本社を構える茨城交通の二強ですわ」
ダイヤ「関東鉄道は幾つかの会社に分けて、エリア別に営業しているのが特徴ですわ」
https://i.imgur.com/Ws4d72J.jpg
善子「よく見かけるのはこれね」
https://i.imgur.com/dNW908a.jpg
ダイヤ「大洗から帰る途中に撮った写真ですわ」
ダイヤ「水戸駅のバス乗り場は大きめで系統番号別に乗り入れているのが特徴的ですわ」
ダイヤさん、そろそろお時間だから終わりにするわよ。
ダイヤ「少しは茨城の事を知れました?知ってもらえると嬉しいわ」
【次回は更に深い善子ちゃんの精神世界へダイブして行くのでお楽しみに!】 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています