千歌「や…やってしまったのだ…」
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深夜のテンションでめっちゃ厨二全開な歌詞を作ってしまった 千歌「梨子ちゃんのビオラを壊しちゃって夜中まで必死で直してたらなんか直ったような気がしてそのままみなぎる全能感に任せて作詞した厨二病全開の歌詞のおかげで廃校が阻止できてしまったのだ…」
千歌「何を言ってるのかわからないと思うけど…まず話はある夜に遡るのだ…」 梨子「じゃあお茶持ってくるから、適当にくつろいでて」
千歌「おかまいなく〜」
パタン
千歌「う〜ん、いつ来ても綺麗な部屋…」
千歌「あっ、バイオリンがあるのだ!梨子ちゃんバイオリンもやるんだ…へぇ〜…」ジロジロ ベタベタ
千歌「よっと、確かこうやって…あごのへんに…で…う…ぐ…く、首が…なにか…なにか違う気がするのだ…」グググ
千歌「で…この棒で…弦を…弦…」
バキャッ
千歌「…!!」 突然だった。木のへし折れる音が聞こえて、それからビン!と弾けるような音がした。切れた弦が目の前を掠めて、ふいにごつりと鈍い音。気づけば千歌はバイオリンの首の部分だけを握りしめて突っ立っていたのだ。
バイオリンの胴体はカーペットの上に転がっていて、小さな木の欠片も散らばっている。首から弦が垂れている。床にぽたり、と赤い染みができた。
千歌「えっ!?」
顔に手をやると、ぬめるような感触があった。見れば手に血が付いている。弦が千歌の頬を切ったらしい。反射的にティッシュを取って傷口を押さえ、一回深く息を吐いて、そうしているとだんだん冷静になってきた…。
千歌「…どうしよう…」
枝毛のように弦がびょんびょん跳びはねている首だけバイオリンを構えている姿は、たぶん誰の目にも滑稽だろうと
千歌「そんなこと考えてる場合じゃないのだ…」 千歌「……ど……」
ドドドドドドド
千歌「どうしようッ!?…もうすぐ梨子ちゃんが戻ってくる…そのときにこの『壊れたバイオリン』があるのは非常にマズいのだ…」
千歌「お…怒られる…だけならまだしも……悲しまれる……泣かれる……ぜ……」
千歌「……『絶交』…!?」
ドドドドドドドドドド
千歌「だ…だめだァーーーッ!それだけはッ!それだけは避けないと…」
パタ パタ パタ
千歌「はッ!?」 千歌「く…来るッ!梨子ちゃんが戻ってくる…お茶と…たぶんお菓子を持って…『今日は千歌ちゃんといい歌詞を書かなくっちゃあね』って感じで…」
千歌「フフ…いまのは…『お菓子』と『歌詞』をかけた…」
ガチャ
千歌「言っとる場合かーーーッ!!」
キィ
梨子「お待たせ、千歌ちゃん」 梨子「あれ、何してるの?ベランダで…」
千歌「開けちゃダメだった?」
梨子「ううん、別にいいけど…お茶と、お菓子。置いとくよ」コト
千歌「うん、ありがとう…ね、星が綺麗だよ」
梨子「え?…あ、ほんと…」
千歌「東京じゃこんなに見えないんじゃない?」
梨子「…ええ、そうね…」 千歌ちゃんの表情の移り変わりを想像すると草
いきなりスンッってなってそう 梨子「……」
千歌「……」
梨子「…なんかしんみりしちゃった…今ならいい歌詞が書けるんじゃない?」
千歌「あはは、そうかも…あっ」
梨子「うん?」
千歌「…げぇ〜…美渡ねぇから呼び出し…」
梨子「あ、そうなの…」
千歌「いや、でも…」
梨子「いいよ、しょうがないもんね…また明日にしよう?」
千歌「…うん…ごめんね…」
千歌「…じゃあ、」
梨子「玄関まで」
千歌「いいっていいって!ほんと、ごめんね!また明
梨子「…その、ほっぺ…」
千歌「!」 ケチャップついてるわよ♡
メノ^ノ3 ^リ〜♡从cㆆ-ㆆ§ あ、はい 千歌「え?ほっぺ?どうかした?」プニ
梨子「そっちじゃなくて、反対の…」
どうして?見られたの?怪我したのが左頬だから、ベランダでは梨子ちゃんの左側に立って…出ていくときも右側だけを見せるようにしてたのに…どうしよう…言い訳…なんて…
千歌「反対?なんともないよ?」
梨子「うそ、見せて!…やっぱり怪我してる!どうしたの?さっきはしてなかったよね?」
千歌「あれ?そう?気づかなかったけどなー」アハハ
む…無理があるのだ…千歌の不自然な怪我に気づけばその原因を考えて、そうすれば賢い梨子ちゃんは必然的に部屋の景色の不自然な変更に気づく…なくなったバイオリンに…そしたら…もう、友達では…
梨子「…ほら、ちょっとじっとして…しみるかもしれないけど我慢してね…」ポンポン
千歌「いつっ…梨子ちゃん…?」
梨子「なんで部屋に救急箱が置いてあるのか気になる?…大切な友達がどこかで怪我しちゃっても、対処してあげられるようによ…なんてね」
千歌「梨子ちゃん…」
私、バカ千歌だ…。 ギャグなのか真面目なのかによるけど普通なら正直に話してもこんな風に怪我をした千歌ちゃんの方を心配してくれるやろな 梨子「ほんとは、自分の怪我のためなんだけどね。言ってなかったかもしれないけど、私、弦楽器もやるの」
千歌「……!」
ドドドドドドド
梨子「ビオラって言って、少し大きいバイオリンみたいな楽器でね…始めたばっかりの頃は弦でよく指を切っちゃって…」
千歌「…ハァー……ハァー…」
梨子「最近はそういうことも少なくなったけど…まあ、その名残り、って感じかな」
千歌「…ハァー……ハァー……」
梨子「はい、とりあえず絆創膏…傷は大きくないからこれで十分だと思うけど」
千歌「…あ…ありがとう…」
梨子「…大丈夫?なんか、すごい汗…」
ドドドドドドドドドド
千歌「だ…大丈夫ッ!…ほんとに…大丈夫なのだ……ハァーッ……ありがとう…千歌は大丈夫…」ヨロ
梨子「う、うん…また…気をつけてね…?」
千歌「…ハァーッ…ハァーッ…!」
ヨロヨロ 千歌「うっ…」
千歌「び…ビオラを壊した…」
千歌「ビオラを…梨子ちゃんのビオラを………千歌が…」
千歌「どうする…」
千歌「こ…こんな恐ろしい事態…」
千歌「………」
千歌「いや…」
千歌「まだ終わってない…絶交ヨーソローを回避する手立ては…まだ…」
ガララ
千歌(とっさに千歌のベランダに投げ込んだ壊れたビオラ…これを直して…梨子ちゃんに気づかれる前に元あった場所に戻す…)
千歌(で…できるんだ、この壊れたパーツがあれば…)
千歌「………」
千歌(も…問題は…)
千歌(技術力…) カチカチ
千歌「ぅえぇ〜…楽器の修理ってこんなにするのぉ…」
カチカチ
千歌「日数もかかるみたいだし…これじゃダメだよ…」
千歌「…やっぱり千歌がやるしかないのだ…」
千歌「……よし…まずは……」
千歌「おかぁさ〜ん!?志満ねぇ〜!?ボンドどこぉ!?ボンド〜!木工用ボンド〜!!」ドタドタ am 4:16
千歌「で…できた…?」
千歌「できたのだ!やった!やったぁ!直せた!これで梨子ちゃんに絶交されずに済む!」ピョンピョン
千歌「やったー!ばんざーい!ふぅううううう↑↑↑!!!いぇい!いぇす!わーい!ぶらぼー!ふぁんたすてぃっく!最高!やったーーー!!」ピョンピョンピョンピョン
千歌「はぁ…はぁ…うふっ、ぐふふふ…なん…いひっ、なんだろ…楽しくなってきちゃった…だって直せたんだよ…!…むふふ…嬉しいじゃん!嬉しいじゃん嬉しいじゃん嬉しいじゃん!!」ダンダン
千歌「はぁー…曜ちゃんに報告しちゃお」
ちか『ばんざーい!🍊』
千歌「よし…あ、もう4時じゃん…悪いことしたかな…」 深夜のテンションでの完璧は翌朝見るとただのゴミ
つれぇのだ…… 千歌「はぁーっ」ゴロン
千歌「……」
千歌「…目、冴えちゃってる」
千歌「…ビオラも直せたし…もうこーこの憂いなし!」
千歌「…え、おかしくない?初めて触ったビオラを…そうだよ、バイオリンと間違えてたような人がビオラ直せるなんてある?普通」
千歌「…もしかして…」
ガバ
千歌「…もしかして千歌、天才なのでは…?」 千歌「…」アチャーッ
千歌「そっかぁ…千歌…天才だったんだ…」
千歌「気づいちゃったか…ついに…」
千歌「…」アチャーッ
千歌「いままでずっと千歌のこと普通星人だと思ってたけど…そっかぁ…あーそっかぁ…」
千歌「…天才だったんだぁ…参っちゃうなぁ…」
千歌「…」ヤレヤレ
千歌「ごめんね曜ちゃん、梨子ちゃん、みんな…千歌、行かせてもらうよ…『高み』へ…」
千歌「…た…高み…!?」ハッ
千歌「…高み…高海…!高海千歌…高み…近…高み近…!」
千歌「…そっかぁ…そういうことだったんだぁ…生まれながらにして…生まれながらにしてだったんだぁ…」
千歌「…」アチャーッ 千歌「…今ならとんでもない歌詞が書ける気がするのだ…」
千歌「梨子ちゃんも果南ちゃんも…海未さんもびっくりの…化け物級の歌詞が…!」
ガサガサ
千歌「ノート!ペン!下敷き!よし!」
千歌「よし!よし!千歌は天才!千歌は天才!千歌は生まれながらの天才!千歌は高み近!千歌は伝説のスクールアイドル!よし!」
千歌「今に見とけよ美渡ねぇ!しまいにゃ超えるぜ志満ねぇも!利口なだけじゃダメダメ梨子ちゃん、曜ちゃんようこそ千歌のレジェンド!YO!いぇい!乗ってきたぁあああ!!!」 誰も言わないけど夏のラブライブ地区予選決勝でミライチケット歌いながら
一人スタンドプレーに走って他8人がポカーンとなってダンス止めて傍観してたのが
通過出来なかった原因として責任取るべきだよね 千歌「おはよう」ギンギン
梨子「おは…」ギョッ
千歌「昨日はごめんね」ギンギン
梨子「え…お…ううん、…寝てないの?」
千歌「寝てないね!」ギンギン
梨子「な、何してて…?」
千歌「…」ニマーッ
梨子「ひぇ…」
千歌「何でだと思う?」
梨子「…え
千歌「作詞!筆が!乗っちゃってね!」ギンギン
梨子「そ、そっか…できたの?」
千歌「そりゃもう!最高だよ!放課後部室で見せてあげるけど、その前にトイレ行っといてね!」ギンギン
梨子「な、なんで…」
千歌「感動で漏らしちゃうかもしれないから!流すのは涙だけで十分だよってね!上の涙だけで十分だよってね!じゃあ下の涙はあるのかってね!あは!あはは!」ギンギン
梨子(曜ちゃん助けてぇ〜っ!) 千歌「おはよーちゃん」ギンギン
曜「おは…」ギョッ
千歌「昨日はごめんね」ギンギン
曜「え…う…何が?」
千歌「ライン。夜中にしちゃったでしょ」ギンギン
曜「あ、ああ…いいよ、気づかずに寝てたし…千歌ちゃんは…あれから寝てないの?」
千歌「寝てないね!」ギンギン
曜「そ、そっか…そういえば何がバンザイなの?」
千歌「…」ニマーッ
曜「うぉ…」
千歌「何がだと思う?」
曜「…え
千歌「作詞!筆が!乗っちゃってね!」ギンギン
曜「そ、そっか…よかったね」
千歌「そりゃもう!ほんとは違うけど、でも違わないの!放課後部室で見せてあげるけど、その前にのど飴舐めといてね!」ギンギン
曜「な、なんで…」
千歌「称賛の絶叫と感動の嗚咽で喉嗄れちゃうかもしれないから!声嗄らしても才能枯らすなってね!千歌の才能は無尽蔵だよってね!じゃあ心配いらないじゃんってね!あは!あはは!」ギンギン
曜「梨子ちゃん千歌ちゃんがおかしい!!」
梨子「知ってる…」 その後、千歌ちゃんは朝のHRから四限の終わりまで机に突っ伏して爆睡し続けていました。
お昼になると曜ちゃんに起こされて(曜ちゃんは家の床に突如現れたクモとか、あるいは秒読み中の爆発物に触れるかのように腰が引けていました)、うとうとしながらもなんとかお弁当は食べれたみたいです。
午後の授業も全部夢の中で過ごした千歌ちゃんが次に目を覚ましたとき、なんていうか…元の千歌ちゃんに戻っていて。私と曜ちゃんは、もう、なんだかよくわからないけどすっごく、心の底から安心したのでした。
曜「千歌ちゃん!おかえり〜!」ギューッ
千歌「ふぇ?どこにも行ってないよ…ふぁあ」
梨子「よかった、よかった…千歌ちゃん…本当に…」
千歌「えぇ…?ひょっとして千歌、死にかけてたりした…?」
千歌「あ!」
曜「…」ビクッ
千歌「歌詞!」
梨子「…」ビクッ 千歌「…そこから今に至るまでには、もう少しの長い時間と、いくつかのできことが必要なんだけど…」
千歌「その半分はここにいるみんなも知ってることで…もう半分は私たちAqoursだけの秘密にしておきたいんだ」
千歌「だから、この話はこれでおしまい!…最後に、聴いてください。…そのときに書いた詩です。『許して』」
(Midnight でもきっと夢じゃない)
私諦めきれない 君のこと
(Sunshine 明日には元通り?)
もう一度奏でて その弦で
(「月と共に堕ちる準備はいい?」「YES!」)
利口なだけじゃダメダメ ようこそ私の夜の世界
壊れたメロディと友情 だけど知ってるのは私だけ
天使と悪魔が揺らいで そんなグルーでくっ付けられるの?
絨毯を赤く汚して もう聞こえないの小夜曲
貴女滴る頬を優しく撫でて ごめんねって言えなくて
(「星と奏でる準備はいい?」「NO!」)
おわれ 話の内容には関係ないかもだけど、地の文は3行ぐらいになったら改行すると読みやすいかも
でもよくあの安価まとめられるな、すごい テンポよくてワロタ
最後の歌詞までちゃんと作っててクソ面白かったわ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています