穂乃果「スタートレック」絵里「 イントゥ・ダークネス」
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〜 宇宙暦2259年 クラスM惑星.ニビル 〜
どこまでも果てしなく広がる、真っ赤に色づいた森林。
その中で一か所だけ、ぽっかりと空いた穴のように開けた土地。
その空き地の中央に建つ神殿らしき木造塔の中から、
フードを目深に被った人間らしき人影が走り出てくる。
タッタッタッタッ
???「ハッ、ハッ、ハッ・・・・・・・」
「「「「「※☆◆::u27s/☆〜〜!!」」」」」
族長「?×※*、◇!%・@IR034^-5R\/.,!!」
原住民「「「「「ウオオオオオォォォッ!!」」」」」
ドドドドドッ!!
影に続き、大挙して神殿から飛び出してきたのは、
白い肌に黄色い衣服を纏った原住民たちだった。
酷く興奮した彼らの様子は、数十メートル先を走るフードの人間が
彼らにとって友好的な相手ではないことを伺わせていた。 ベキッ
ガサッ、ガサガサッ......
???「ハァッ、ハァッ、ハァッ・・・・・・・」ダダダタッ
原住民「「「「キィエエー―ッ!」」」」ドドドドッ
石畳で舗装された参道を走り抜け、影は森の中へ分け入っていく。
族長らしき男の声と共に、原住民たちも鬨の声を上げて森へなだれ込む。
この土地の名はニビル。赤い植物に覆われた、未開の惑星である。
???「ハァッ、ハァッ・・・・・・・」ガサッ、ガサガサッ
???「っ!!よし、みんな追ってきてる・・・・・」ガサガサッ
???「後は浜辺まで逃げきれれば、安全だね・・・・」ベキッ,パキッ
???「私たちも、あの人たちも・・・・」 タッタッタッ.....
???「真姫ちゃんっ!」
???「うまくいったよ、早く逃げっ」
巨獣「グオオオオオオッ」
巨獣「グアオオオォォォォッッ!!」
???「うわあああっ!!?」ジャキッ
フェイザー銃(ズキュウゥンッ!)
背後の追っ手を引きつけながら走り続け、
掠める木の枝を振り払い、茂みを掻き分けた先には、
身の丈4mはあろうかという巨大な獣がいた。
獣は突然現れたヒューマノイドに驚き、
獲物に覆いかぶさるように後ろ足で立ち上がり、咆哮した。 対して、巨獣の予想外の威嚇に驚いた彼女は
反射的に腰のホルダーからフェイザー銃を抜いた。
引き金を引くと、放たれた光弾の直撃を受けた巨獣は
地響きを立てて仰向けに崩れ落ちた。
巨獣「キエエエエェェェェッッ!!」グラアッ
ドオォン........
???「ヴェエェっ!?」
真姫「・・・・意味分かんないっ!」
真姫「これに乗って逃げるのに、麻痺させてどうするのよ!?」
穂乃果「あ、あははは・・・・ごめん・・・・」
斃れた巨獣の背後にはもう一人、外套に身を包んだ女がいた。
彼女、西木野真姫はピクピクと全身を痙攣させる巨獣を見て狼狽えた。 ドドドドッ
原住民「ホ――ッ!ホ――ッ!」
穂乃果「やばっ!!、逃げろ!」ダッ
真姫「もぉ、何なのよ!」ダッ
乗り物を失った二人の宇宙艦隊士官は、フードと覆面を剥ぎ取り駆けだした。
木々を掻き分けて疾走する穂乃果に、真姫がよろめきながら続く。
ガサッ,ガサガサッ,タタタタタッ.......
真姫「あなた何奪ったのよ!?」
穂乃果「分かんないけど、みんなこれに向かって祈ってた!」
穂乃果の手に握られているのは、太い巻物のような筒。
二人を追う部族民が剥き出しにする怒りと敵意、執念から考える限り
その巻物が、彼らにとって聖書か神像のような尊い何かである事は明白だった。
通信機(ピロリッ)
穂乃果「穂乃果からシャトル1へ、地元民は危険地帯を離脱」
穂乃果「海未ちゃんは作戦を開始して。火山を鎮めたらすぐ出るよっ!」
族長「▽|≪〇↑。W”%、+*}<※//!!」
原住民「「「「ホオオォ―――ッ!!」ズドドドドッ!!」」」
ズズゥン,ズズゥン,ゴゴゴ...... 密林の中を疾走しながら、
穂乃果はコミュニケーター(通信機)で副長に指示を送った。
二人の逃走劇の遥か遠方では、巨大な活火山が鳴動していた。
深紅の樹海の中央に聳え立つこの山は、
今まさに未曽有の大噴火の時を迎えようとしていた。
数万年かけて蓄積されたエネルギーが一度解き放たれれば
凄まじい勢いで地表のあらゆるものを飲み込み、
穂乃果たちを追うヒューマノイドを含め、
ニビルに生きるあらゆる生命体に破滅をもたらすだろう。
キャプテン高坂と、彼女が率いる宇宙艦隊のクルー達は
崩壊の危機に瀕したこの星を救うため、
命を賭した一大作戦を決行しようとしていた・・・・。 ――・・
――――――
――――――――――
シャトル(シュイイイィィ―――ンッ.......)
希「よし、急ごう」
希「穂乃果ちゃんにも言うたけど、このシャトルは熱に強うない」
ことり(ガチッ,ガチャガチャ.....)
火口から湧き立つ噴煙の中を進む、一隻のシャトル。
その操縦桿を握る主任パイロット、東條希大尉が背後を振り返りながら言った。
彼女が素早く自動操縦に切り替える背後では、副長・園田海未中佐が
恋人の通信士、南ことり大尉の補助で防護スーツを装着している。
海未「キャプテン、彼らに姿を見られましたか?」ガチャガチャ
穂乃果「 "ううん海未ちゃん、見られてないよっ!" 」
海未「・・・・・・」 穂乃果の言葉を聞き、海未は向こう側で何が起きているかを察した。
このキャプテンの言葉は、時に額面通りに受け取らないほうが良いということを
およそ一年の間、共に働くことで充分に学んでいた。
手遅れだと理解しつつも、海未は艦隊規則を引用してキャプテンを諭す。
海未「艦隊規則には、いかなる文明社会の発展にも関与してはならないと規定されています」
穂乃果「"もちろん知ってるよ、だからジャングルの中を走って逃げてるんでしょ!"」
穂乃果「"スーパーアイスキューブを火口にセットしたら脱出だよ、以上!"」
海未「・・・・・・・」
ことり「・・・・・・クスッ」
まず、穂乃果が火山の麓に住む原住民たちを安全な場所まで誘導し
その間に、火口に降りた海未が冷却装置を用いて地殻変動を鎮静化させる。
これが穂乃果たち調査隊の立てた作戦であり、
そのための最も手っ取り早い方法としてキャプテンが選んだのが、
彼らの大切にする何かを盗み出すことだった。 >>37
じゃあなんで突然終わったんですかね〜wwwwwwwwwwwww 激しい火山活動の衝撃が空気中を伝わり、シャトルを絶えず揺さぶる。
熱い灰や火礫に晒され、船体の外枠はガリガリと削れられていく。
ズゴゴゴッ,ガタガタッ...
ことり「希ちゃん、準備出来たよっ」
希「ほな、さっさと済ませようや。灰で船体が焼け焦げとる」
ことり「私、交代しようか?」ガポッ
海未「非論理的です、それに私は既に装備を・・・・」
ヘルメットを被せながら尋ねる恋人に向かって、海未は整然と答えた。
論理的な思考と行動を重んじるヴァルカン人の血を引く海未は
何事に対しても、こうして生真面目に回答しようとする。
ことり「ごめん、今の冗談だよ」フフッ
海未「そうですか」
ことり「それじゃ、頑張ってね」チュッ
希「時間が無い、急いで!」
地球人の中には、ヴァルカンの堅物な言動を敬遠する者も多い。
しかし、ことりは海未の冷徹な眼差しを深く敬愛していたのだった。
彼女がガラス越しキスを贈ると、スタンバイが完了した。 一昨日の昼に友達二人とこういうファミレスに行ったとき
混んでたから名前書いてもらって待ってたら
暫くして「三名様でお待ちの フ、フリーザ様?」って呼ばれて
小声で「こういうの書く奴必ずいるよな」って言ったら、
友達がいきなり「さぁ!行きますよ!ザーボンさん、ドドリアさん!!」って立ち上がった。 .ノ′ } 〕 ,ノ .゙'┬′ .,ノ
ノ } ゙l、 」′ .,/′ .,ノ _,,y
.,v─ーv_ 〕 〕 .| .il゙ 《 ._ .,,l(ノ^ノ
,i(厂 _,,,从vy .,i「 .》;ト-v,|l′ _,ノ゙|.ミ,.゙'=,/┴y/
l ,zll^゙″ ゙ミ .ノ .il|′アll! .>‐〕 \ _><
《 il|′ フーv,_ .,i″ ||}ーvrリ、 ¨'‐.` {
\《 ヽ .゙li ._¨''ーv,,_ .》′ ゙゙ミ| ,r′ }
\ ,゙r_ lア' .゙⌒>-vzト .ミノ′ 〕
.゙'=ミ:┐ .「 ./ .^〃 :、_ リ .}
゙\ア' .-- ,,ノ| 、 ゙ミ} :ト
゙^ー、,,,¨ - ''¨.─ :!., リ ノ
〔^ー-v、,,,_,: i゙「 } .,l゙
l! .´゙フ'ーv .,y ] '゙ミ
| ,/゙ .ミ;.´.‐ .] ミ,
| ノ′ ヽ 〔 ミ
} } ′ } {
.| .ミ .< 〔 〕
.{ \,_ _》、 .{ .}
{ ¨^^¨′¨'ー-v-r《 〔 族長「※☆◆::u27s/☆〜〜!!」
原住民「「「「ウオオオオオォォォォッッ!!」」」」
ヒュンッ,ヒュンヒュンッ.....
ドスドスドスッ!
真姫「ひいっ!」
真姫「殺されるっ!殺されるわよ穂乃果っ!」
穂乃果「わわっ、わあっ!!」
原住民の放った投槍が、全力疾走する真姫のすぐ背後の地面に突き刺さる。
医療主任である真姫の本分は、クルーの身命を預かることであり
自ら命を危険に晒してエイリアンに追いかけられる事ではない。
だが、たとえ不本意でも、頼られた物事に対して「できない」などと
答えるのはプライドが許さなかった。
皮肉屋だが、根は情に厚く仲間思い。それが西木野真姫という女であった。 ことり「それじゃあ、90秒後に」
海未「はい」ガチッ
ドア(プシュ―ッ)
ことりは助手席に着き、降下に備えてコクピットのドアを閉める。
それを見届けた海未は天井から釣り下がったワイヤーと防護スーツを繋いだ。
希「さあ、行くで・・・・!」ピー,ピピッ
ことり「うんっ!」ガシャンッ
海未「っ!!」ガクンッ
シュルルルルルルルル!!
ことり(お願い、上手くいって・・・・) ことりがレバーの一つを引くと、シャトルの床が勢いよくスライドし、
海未の姿は一瞬で消えた。
心の中で火口に向けて降下し始めた海未の無事を祈る通信士。
その顔に、ほんの少しだけ不安の色が浮かんだ。
シュルルルルルルッ!!ウイイイィィ.......
ボボボボボ......ズゴゴゴゴ,ゴボボボボ
海未「・・・・・」
ゴゴオオオオオオオッ........
海未「っ・・・・・・」グッ
火の粉と砂礫の入り交じる噴煙の中を、ワイヤーは火口に向けて一直線に伸びていく。
やがて、黒煙の切れ間から赤い光が覗く。
煮え立つマグマの光に照らされて、赤銅色の耐熱スーツがキラキラと輝いた。
熱風の煽りを受けて、ワイヤーと海未は振り子のように大きく揺れる。
海未はワイヤーを握りしめ、着地地点を見極めようと全神経を集中させた。
しかし・・・・ タービン(ヴィイイイッ,ヴヴィヴィヴィヴィッ!!)
グラグラッ
警報(ウ―ッ!ウーッ!ウーッ!)
コンピューター「"周波数変更、73。"降下は危険。繰り返す、降下は――"」
希「あかん、態勢を保てへん・・・・海未ちゃん、今引き上げるから!」
海未「"ダメです、住民を救うにはこの機会しかありません"」
海未「"噴火すればこの星は消滅します"」
エンジン(ヴヴィヴィヴィヴィッ,ボゴオォンッ!!)
ガタタタッ!
希「うわっ!!」
大量の粉塵を吸い込んだシャトルのエンジンは既に限界を迎えていた。
コンソールのディスプレイが赤く染まり、コンピューターが警告を発する。
海未は焦りを見せる操縦士を諭し、あくまで任務を継続しようとした。
しかし、その意思を阻むかのようにエンジンが暴発し、機体が大きく傾いた。 希「ことりちゃん、海未ちゃんを引き上げるんや、早う!」
ことり「うんっ!」ガシャンッ
ワイヤー(ガシャンッ,ギュイイイイ―――ン)
ワイヤー(ギュイイイイ―――......グギッ,バシュウッ)
海未「!?」ヒュゥンッ
ヒュルルルルルル.......!
作戦は失敗した。そう判断した希は即座に目標を火口からの退避に切り替えた。
ことりがレバーを引き上げ、ワイヤーが巻き戻され始める。
同時に希も操縦桿を大きく引き、噴煙の中から脱出しようとシャトルを上昇させる
しかし、上昇で生じた反動に耐えきなくなったワイヤーは根元から引きちぎれてしまった。 ヒュルルルルルル.........
ドサッ,ドンッ,ズドッ....
海未「ぐっ、くうっ、うあっ・・・!」ゴロゴロゴロ,ズサァ
海未「うぅ・・・・・」ヨロヨロ
ことり「"海未ちゃん、大丈夫?"」
海未「はぁ・・・はぁ・・・」
海未「私は・・驚いたことに、生きています。待機せよ」
命綱を失った海未は勢いよく天然の溶鉱炉の中へと落ちていった。
幸運にも、海未は火口に僅かに残っていた岩場に当たり、衝撃で転がり止まった。
ことり(よかった・・・・生きてる)フゥ.....
ことり「私が耐熱スーツを着て助けに行くよ」
希「ダメや、このシャトルを捨てなっ!」
ことり「でも、置いて行けないよっ!」
希「他に道は無いんや、ゴメンけど・・・・・」
ことり「・・・・っ!」
ことり「海未ちゃん!ミューズに戻るけど、必ず助けるから!」
希「キャプテン、シャトルを捨てる。艦へは何とか自力で!」
穂乃果「"うん、嬉しいよ・・・"」
希「ことりちゃん、泳ぐで!」
ことり「うん、行けるよ・・・!」
――――――――――
――――――
――・・ タッタッタッ......
ホァ―ッホアァ―ッ!
真姫「待ちなさい穂乃果!浜辺はあっちよ!」
穂乃果「いや、砂浜に向かうんじゃないよ!」
真姫「何それ、イミワカンナイ!」
穂乃果「ごめんねぇっ!これ返すよ!」
巻物(バサッ)
原住民に形ばかりの謝罪を投げかけ、
穂乃果は手に持った巻物を木の枝に引っ掛けた。
巻物を目にした原住民たちは追撃を止め、ひれ伏して祈り始めた。
原住民「「「「オオオォォ・・・・・・・・!!」」」」ドドドドッ
原住民「「「「!!」」」」ピタッ
原住民「「「「オオォ・・・」」」」
原住民「「「「〇※卍.。o○#=;;〜>」」」」サアァ ザザァ―ン......ザザァ―ン.......
真姫「私は嫌よおおぉっ!」
穂乃果「分かってるよ!」
穂乃果「うわああああああああっ!!」シュバッ
真姫「いやあああああああああっ!!」ヒュオッ
ヒョオオオオ.......
.......ザッパアァァン!!
追っ手を撒いた二人は尚も走り続ける。その先に待つのは、高く切り立った崖。
二人は走る勢いをそのままに、大きく跳躍した。
ゴボゴボゴボ.......
真姫「〜〜〜〜ッ!!」パチッ
穂乃果「・・・・・(・ヮ・)b」グッ!
真姫「・・・・・(ーー;)」フルフル
穂乃果「・・・・ρ(`・ヮ・)ρ」チョイチョイ
真姫「」コクコク
スイィ―――.... 真姫が目を開くと、地上とは打って変わって、一面群青色の世界
ニビルの大海原は、二人の来訪者をその懐に抱き止めた。
纏わりつく長衣を脱ぎ捨てた穂乃果と真姫は、下に装着していた潜水具の
ブースターを使い、深く深く潜っていった。
二人の目指す海底には、巨大な宇宙船が横たわっていた。
連邦が誇る最新鋭艦、コンスティテューション級NCC-1701。
通称、U.S.S.ミューズ。
その船体は、無数に設けられた窓から漏れる明かりに包まれて
おぼろげな青白い光を放っていた。 ザザアァ.....ゴボボボボボボボ.......
真姫「ふぅ・・・・・」ポタポタ
ゴボゴボと音を立てて、エアロックを満たしていた海水が流れ出ていく
ミューズのクルーは、宇宙空間や有害な大気に出て作業する際にこの部屋を使う
水中での使用は想定されていなかったが、それが思わぬ役に立った
ドア(プシューッ)
にこ「・・・・・・」
にこ「宇宙船を海底に隠すのがどんだけ馬鹿馬鹿しいか分かる?」
にこ「夕べからよ、船体が海水でさび付いて―、」
穂乃果「にこちゃん、海未ちゃんは?」
にこ「・・・・・まだ火口の中にいるわ」
ミューズ号主任機関士、矢澤にこは、自慢の船を
水に沈める事に納得していなかった。
密閉されたドアが開くと、開口一番に不満をぶつけようとするが、
それを遮って、穂乃果が副長の安否を問うた。
――――――――――
――――――
――・・ ドォン.....ズプププ.....グツグツ......
海未「はぁ・・・・はぁ・・・・」
海未「どうやら、無事のようですね」
火口の中に1人残された海未は、岩場の縁に投げ出された冷却装置を拾い上げた。
地面に激しく叩き付けられたにも関わらず、装置は無事だった。
海未(急ぎましょうっ・・・・)
ケース(ガシャンッ)
リモコン(カチカチカチ,ピッピッ....)
海未「ハアッ、ハアッ・・・・・ハアッ」カチャカチャ ケースを開き、接続された制御パネルで起動コードを入力していく。
僅かな隙間から入り込んでくる熱気にあてられ、息遣いが荒くなる。
最先端の技術の一つたる耐熱スーツを以てしても、
噴火口の強烈な熱波を完全に遮断することは難しかった。
ボタン(ポチッ)
ディスプレイ(パッ,パッパッ, ウィ――ン....)
海未(よしっ、点いた・・・!)
グウウウウウゥ――ン......
海未「・・・・・!!」
ドガアアアァンッ!!
海未「くっ!!」バッ
ディスプレイが点灯し、装置の核であるアイスキューブが鈍い光を放ち始める。
起動と同時に、激しく沸き立つマグマの表層が
まるでそれ自体が一つの山であるかのように大きく隆起した。
それから間を置かず、マグマドームの天辺を突き破って、黄色い火柱が空高く打ちあがる。
その余りの激しさに、海未は思わず腕で庇うように顔を覆った。 ドォン,ドオォン,ドゴゴゴォン!!
寺院(ドガガガッ,ガシャアァ――ンッ)
原住民「「「「っ!!!」」」」
原住民「「「「オオッ、オオッ、オオオオォ・・・・・!」」」」」
ワラワラワラ........
火口から飛び出たマグマの飛沫は、燃え盛る巨礫となって麓の森に降り注ぎ
木々はなすすべもなく焼き潰されていった。
それは、原住民たちの寺院も例外ではなかった。
先程まで祈りを捧げていた寺院がいとも簡単に崩壊する様を目撃したニビルの民は
我先にと安全な海岸の方へと避難し始めた。 ――・・
――――――
――――――――――
ドア(シュイ―ッ・・・・・)
花陽「ブリッジにキャプテン!」
穂乃果「ことりちゃん、海未ちゃんとまだ通信できる?」
ことり「ダメージはあるけど、なんとかいけるよ」
穂乃果「ありがとう・・・・海未ちゃん!」
穂乃果と真姫、にこの3人がブリッジに入ってくると
航海士の小泉花陽がキャプテンの帰還を告げた。
そこには既に、シャトルを捨てたことりと希も戻り、それぞれの席についていた。
穂乃果はことりの繋いだ通信を使って、火口に残った海未に呼びかけ始めた。 "ゴゴゴゴッ......."
海未「"装置を起動させました、カウントダウンが終わればこの火山活動は停止します"」
真姫「あの子の命も停止よ」
穂乃果「転送はできる?」
花陽「いえ、無理です。磁場が邪魔していて」
穂乃果「みんな、海未ちゃんを船に戻すにはどうすればいいか考えて」
花陽「間に障害物がない距離まで近づければ、もしかしたらできるかもしれないけど・・」
にこ「今にもドカンと噴火しそうな火山の上に近づくの!?」
にこ「直撃されたら船体が保つか保証できないわよ?」
希「高度も保てん」
穂乃果「むううぅ・・・・」 ズゥン,ズズウン,ズズズズ.....
海未「ダメです、ミューズは大きすぎる、」
海未「私を助けようとすれば、この星の住民に船を見られてしまいます」
穂乃果「"海未ちゃんは誰よりも規則に詳しいから分かるでしょ、"」
穂乃果「"何か例外があるはずだって"」
海未「いいえ、有りません。救助は艦隊の誓いに反します。」
真姫「"黙りなさい海未、あなたを助けるためなのよ!"」
断言する海未に、思わず真姫が声を荒らげる。
医者という立場上、命を軽視するような言動には許しがたいものがあった。
あくまで自身の命を犠牲にしようとしている。
恋人の冷徹な言葉に、ことりは目を潤ませ、口元を抑えた。 海未「"クルー一人よりも多数の命を優先すべきです"」
ことり「そんな・・・・・・」ジワァ
穂乃果「このままじゃ海未ちゃん死んじゃうんだよ!」
海未「"どんな場合でも規則に例外はありません"」
ブツッ
穂乃果「海未ちゃん!」
穂乃果「もう一度回線を繋いで、早くっ!」
希「装置作動まで90秒」
穂乃果「海未ちゃんが私ならどうすると思う・・・・?」
真姫「・・・・・あなたを見捨てるわ。」
――――――――――
――――――
――・・ 交信が途絶えると、海未は周囲を見渡した。
地の底から湧き上るパワーに押され、山塊全体が絶え間なく揺さぶられている。
四方八方で火柱が上がり、胎動するマグマは海未の立つ岩場を着実に狭めていく。
マグマがこの岩場と自分を飲み込むのに、
時間は掛からないだろう。海未はそう思った。
ズゴゴゴゴ........ドオオオォン!!ゴボボボボ......
海未「・・・・・・・・」
海未(どうやら、ここまでのようですね)
海未(後は頼みましたよ、穂乃果)スウウゥ
ボゴォン.....ボゴゴゴォン......!
己の運命を受け入れた海未は跪き、大きく両腕を広げる。
そして静かに目を閉じ、その時が来るのを待った。
最低限の犠牲で、任務を完了させることができた。
この星に生きる多くの命を救うことができたのだ。
艦隊の掟を破ることも無かった。
その心に、後悔は無かった。 海岸にほど近い木立の中で、ニビルの民は身を寄せ合って避難していた。
盗人から取り返した巻物を掲げる長老を囲んで地面にひれ伏し、
山の神の怒りを鎮めようと一心不乱に祈っている。
ドオオオォン!!ズウゥン....ズゴゴゴ
長老「↑。W”%、+*}<※」ブツブツ
原住民「「「「「アアァ.....オオオォ・・・・・・」」」」」
ドッパァン....ザババァ.....
長老「?」クルッ
突如、聞こえてきた火山とは別の大きな音に、長老は背後を振り返った。
その音は、盗人が走り去った海岸の方から響いていた。 ゾロゾロ,ガサガサ....
原住民「「「「「・・・・・・・?」」」」」
ゴボボボボ
ザバババババッ!!
原住民「「「「!?」」」」」
ミューズ(ギュイイイイイイィィィ―――――ッ!!!)
原住民「Σ(゚Д゚)」
ミューズ(ゴオオオォォォ――――――ン........)
原住民「・・・・・・・・(゚д゚;)」
彼らが、盗人らの飛び降りた断崖から海を見下ろすと
巨大な何かが海中から姿を現すところだった。
“それ”は水面を激しく泡立たせながらゆっくりと浮上し、彼らの立つ断崖をも越え
遥か上空へと昇って行った。 銀色に光り輝く“それ”は、巨大な二本の尾羽から青い炎を吹き上げ、
黒煙の立ち昇る火山へ向けて飛び去った。
“それ”のあまりの巨大さ、神々しさに、開いた口が塞がらなかった。
ニビルの原住民たちは目の当たりにした光景に圧倒され、
不安も恐怖も忘れてただ茫然とその様を見つめていた。
彼らに、“それ”の撒き散らした水しぶきが雨粒のように降り注いだ。
希「待っててや、海未ちゃん・・・・」
穂乃果・ことり(お願い、間に合って・・・・・!)
大空へと舞い上がったミューズ号は、副長を救出すべく、一路火口を目指した。
ブリッジの正面に設けられた展望窓から見える山影が
徐々に大きくなっていくのを、クルーたちが固唾を飲んで見守る。 士官「園田中佐の信号を捕捉しました!」
花陽「転送してください!」
ズゴゴゴゴ,ボコボコ....
海未「」
シュイイイイイィ........
イイイィィ―ッ.....カッ!
花陽は士官が言い切るよりも早く、転送室へ指令を送った。
それと同時に、火口では死を受け入れようとする海未を、
突如現れた幾筋もの光が包み始めた。
溶岩の波間に飲み込まれる刹那、光は1つの大きな繭となって
海未の全身を覆い隠し、消えた。 アイスキューブ(ピピッ.....ピピッ.....ピ――ッ!)
アイスキューブ(ボボンッ!!)
ビキビキビキビキビキッ!!
シュウウウウウゥゥ...........
ビキビキビキッ......シュウウウウゥ........
海未の転送とほぼ同時に、冷却装置が作動した。
装置から衝撃が放たれ、噴き上がる無数の火柱が一瞬で黒い石柱へと変わる。
スーパーアイスキューブは、
不安定な物質を急速に冷却させることで安定させる。
一瞬で莫大なエネルギーを発生させる核と正反対の作用である。
その作用はマグマを伝って地中の奥深くまで浸透し
星の内部に蓄積されたエネルギーを吸収していった。
・・・・・。 カッ!..イイイィィ―ン
海未「・・・・・・」パチッ
海未(ここは・・・・転送ルーム・・・・)
シュウウウウウ,モワァ.....
海未が目を開くと、見慣れた転送ルームの光景が広がっていた。
ゆっくりと立ち上がると、スーツに纏わりついた熱が、
急激に冷やされて白煙に変わり、円形の転送台に朦々と立ち込めた。
その向こう側で、コンソールパネルの前に座る転送士官たちが
安堵の表情を浮かべている様子がが霞んで見えた。
ドア(シュゥ――ンッ)
穂乃果「海未ちゃん!」タタタッ
真姫「海未っ!!」タタタッ
穂乃果「大丈夫、海未ちゃん?」
海未「・・・・住民に船を見られました」
真姫「ああ、元気そうね・・・・」 ピピッ,ピロリッ
ことり「"ブリッジから、キャプテン高坂へ。園田中佐は船に戻りましたか?"」
穂乃果「うん、ピンピンしてるよ」
ことり「"冷却装置は無事に作動したと伝えてください"」
ことり「"・・・・・・"」
穂乃果「聞こえた?やったね海未ちゃん。この星を救った」
海未「艦隊の誓いを破りましたね?」
穂乃果「もー海未ちゃんってばぁ、船を見られたくらい・・・」ポンポンッ
穂乃果「友達を助けるためなら、規則の一つや二つどうってことないって!」
海未「ですが・・・・」
真姫「あーはいはい、この話はここで終わりよっ」
真姫「穂乃果、もうこの星に用は無いんでしょ?」
穂乃果「うん、みんなで地球に帰ろう!」
海未「・・・・・」
ミューズ(ギュウウウゥ――――ン.......ズギュウウウウウンッ!!)
火山から海未を救い上げたミューズ号は高度を上げ続け、ニビル星を後にした。
進路ははるか遠く、無数に輝く星々の中に埋もれた故郷、地球。
一際強烈な光を放ち、船体が亜空間の切れ目へと消えると、
後にはただ、青く輝く尾のような航跡だけが残された。 ザクッ.....ザクッ....ガッ...ガガッ.....
原住民「「「「「・・・・・・・・・」」」」」
ガッ....カリカリ......
原住民「「「「「オオオオ.......オオ,オオオオ......」」」」」
サァ....
シャーマン「○#=;;〜>---。w****〜〜@:・・・・」
原住民たちが輪になり、族長と長衣のシャーマンを取り囲んでいる。
人々が厳かに見守る中、族長は杖で地面に図像を刻んでいる。 描き終えた族長が杖を置き、跪くと
人々はそれに倣って恭しく跪き、深々と頭を垂れた。
族長が描いていたのは、
円盤状の体に2本の尾羽を持つ巨大な銀色の鳥だった。
人々の中心に1人だけ立つシャーマンが、
鳥の飛び去った方角の空に向かって感謝の祈りを捧げる。
ニビルの民は、いつまでも語り継ぐことだろう。
その日、海を割って現れ、彼らを災厄から救った、神の新たな形代を。
・・・・・・・。 M'SIC STAR TREK ―INTO DARKNESS― >>85
カーク「君らはキスをしたことはあるのかね?」
トレッキー「…」ショボーン
みたいな画像を思い出した ――・・
――――――
――――――――――
アラーム(ピピピピッ!ピピピピッ!....カチッ)
犬(ハッハッハッハッ.........)
ノシッ,ノシッ,ガサゴソ
妻「分かった。起きるわ、起きるから・・・・・」
夫「うぅん・・・・・・」
カーテン(カラカラ,シャ――ッ)
アラーム音が朝を告げるのを待っていたかのように、
一匹のがセントバーナードがベッドをよじ登ってくる。
身体を起こした妻は、愛犬の頭をワシワシと撫でた。
隣で寝ていた夫は一足先にベッドから出ると、寝室のカーテンを開けた。 〜 ロンドン 宇宙暦2259年5月 〜
窓の外には1000mに届こうとする超高層ビルが立ち並ぶ。
その狭間には、大英博物館やウェストミンスター宮殿を
はじめとする前時代の伝統的な市街地が広がる。
宇宙時代を迎え、ロンドンの町も大きく様変わりした。
その中で只、テムズ川の雄大な流れだけが、
数千年前と変わらず人々の営みを見守っていた。
まるで、大河自体が時の流れそのものであるかのように。
宇宙艦隊に勤務するトーマス・ヘアウッドとその妻の
リマ・ヘアウッドは寝室を後にし、身支度を始めた。
今日もロンドンの一日が始まる。
・・・・・・。 ブロロロロロ.......
ヘアウッド夫妻が車を走らせ向かったのは、
郊外にある王立小児病院だった。
そこには、彼らの9歳になる娘ルシルが入院していた。
夫「それじゃ、娘はもう・・・・」
医師「ええ、残念ながら」
妻「そんな・・・・」
医師「我々としてもできる限りの手を尽くしましたが、」
医師「本当に、申し訳ありません」
妻「ああ、ルシル・・・・」
医師の説明に、二人は沈痛な面持ちで耳を傾ける。
娘は不治の難病に犯されていた。
医師たちの懸命な治療に支えられ、繋いできた幼い命は
後数日の内に力尽きようとしていた。 シュコー.....シュコー.....
娘「」
夫「・・・・・・」
妻「・・・・・・」
心電図(ピッ・・・・・ピッ・・・・・ピッ・・・)
妻「ごめんなさい・・・・、ごめんなさい・・・うぅ」グスッ
生命維持装置から伸びる管に繋がれ、寝台に横たわるルシル。
もう意識が戻る事は無いだろうと、主治医は語った
母が啜り泣きながら、お気に入りのぬいぐるみを枕元に添えるのを
父はただ見ている事しかできなかった。
時代は23世紀。どれだけ技術が進歩しても、
克服しきれないものがこの世にはあるのだ。
夫「ちょっと、外の空気を吸ってくるよ」
妻「ええ、行ってらっしゃい・・・」
バタンッ...... ――――――――――
――――――
――・・
夫「はあぁ・・・・」
???「私なら、彼女を助けられる」
夫「え?」クルッ
???「・・・・・・・」
夫「今、何と?」
絵里「私なら、娘さんを助けられるわ」
夫「あなた誰です?」
絵里「・・・・・・・・」
ヒュオオオオォォ...... 居た堪れなくなり、外の空気を吸おうと、
病棟の前のテラスに出た夫の背後で声がした。
振り返ると、そこには黒ずくめの女が立っていた。
女は、夫婦が何よりも聞きたいと願っていた言葉を告げる。
美しい金髪を高く結い上げた彼女は、
刺すような鋭い視線でヘアウッドを見据えている。
その不自然なほどに青く澄んだ瞳は、冷たい光を湛えていた。
まるで、あらゆる温もりを寄せ付けぬ純氷のように。
風が強まり、空が暗雲に覆われ始める。
まるで、不穏な未来を暗示するかのように・・・・・
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――――――
――・・
オーディオ("おはようPowerful day! Morning!")
オーディオ("Let’s go! Let’s go! 今日も今日も楽し〜っ")
オーディオ("Let’s go! Let’s go! WAO-WAO WAO-WAO 楽し〜っ Yeah!")
通信機(ピリリッ,ピリリッ,ピリリッ.....)
布団(モゾモゾ.....)
穂乃果「ぷはぁっ!」
穂乃果「どこに置いたっけ・・・・あ、そこだ」ギシギシ
女1「うーん・・・」
女2「何ぃ・・・・?」 コミュニケーター(ピリリッ,ピリリッ,ピリ・・・)
穂乃果「よしっ」カチッ
スピーカー("しっかり目が覚めたら―♪,WAO-WAO―♪")
スピーカー("さあなにを始めるかー♪,WAO-WAOー♪")
バッ,シュルシュル,ジジ――ッ....
女1「穂乃果ぁ、今日はいいじゃないの、穂乃果ったらあ・・・」
女2「まさか本気で出るつもりじゃないでしょうね?」
女2「聞いてない・・・もう」ゴシゴシ
スピーカー("一日は短いから、欲ばりな私たちは〜♪")
スピーカー("あれもこれもしたい!........♪")
お気に入りのアイドルソングが部屋中に響く。
同時に、通信機が艦隊からの招集を告げる。
ベッドから飛び出し、制服を着つけ始めた穂乃果を
両脇で寝ていた異星の美女2人が引き留めようとする
だが、彼女たちの猫なで声も穂乃果の耳には届かなかった
昨夜のお楽しみなど、穂乃果はとうに忘れ去っていた。 〜 サンフランシスコ 艦隊本部前広場 〜
コツコツ....
穂乃果「今回はそれで呼ばれたんだって。間違いないよ」
海未「いいえ」
海未「私たちが新しいプログラムに選ばれることは、まずないでしょう」
穂乃果「じゃあ何で、南提督が穂乃果たちを呼ぶの?」
数時間後、穂乃果は海未と共に宇宙艦隊の本部ビルに向かって歩いていた。
二人を呼び出したのは直属の上司である南提督。穂乃果の才能を見出し、
入隊へと導いた恩師でもある。
穂乃果「序列を飛び越えてあんなに新しい船をもらってる、他に誰を派遣するの?」
海未「可能性は他にいくらでもあります。例えば・・・・」
穂乃果「5年間の調査飛行だよ?」
穂乃果「まだ誰も行ったことが無い、遠くの宇宙に行けるんだ」
穂乃果「海未ちゃんはワクワクしないの?行ってみたいと思わないの?」 広場を横切りながら、穂乃果は力説する。
“ファイヴ・イヤーズ・ミッション”。
連邦宇宙域の外に広がる未知の宇宙域を探索し、そこにある星と生命
そして文明の実態を調査、解明する、史上初の一大プロジェクト。
穂乃果「ハァイ、元気?高坂穂乃果だよっ!」
女性士官「ど、どうも・・・///」ペコリ
ドウシヨウ....コエカケラレチャッタ.....////
海未「・・・・・・・」
前代未聞の超長期任務の責任者に誰が抜擢されるのか、
それは艦隊で働く人々の大きな注目の的となっていた。
そして、穂乃果は今朝の召致で、
自分がその栄誉に選ばれたことを確信していた。
海未の懐疑を余所に、彼女は自らの前途に
待ち受けているであろう新しい世界に、早くも心を踊らせていた。 長くなるのでスレを何パートかに区切りたいと思います ――・・
――――――
――――――――――
南「"何も問題なし"ですか・・・・」
穂乃果「はい?」
南「あなたはニビル星での日誌にそう記しましたね?」パラパラ
穂乃果「ええ、些細なことでお時間を取らせないように」
南「その火山の話を聞きましょう。」パサッ
穂乃果「えっ?えっと、その・・・」
南「情報では活動は活発、噴火すれば星に危険と」
穂乃果「あーはい、無事を祈りましょう」
南「噴火をしないように、ね」 穂乃果「えーと・・・」
穂乃果「活発とは相対的に言ってですから、そこまで正確とは・・・」
南「いいえ、違う」
南「報告しなかったのは、Ms.園田が火口内に降りて冷却装置を作動させたからで、」
南「その直前に、住民は車輪を発明したかどうかなのに、海の中から出現する宇宙船を見たと」
南「それがあなたの報告にある詳細でしょう?」
穂乃果「」
海未「・・・・提督」
穂乃果「報告したの?どうして黙ってたの!」バッ
海未「あなたも、航星日誌には真実を書くと思っていましたので」
穂乃果「書いたよ、海未ちゃんを救ってね・・・・」
海未「その事にはこの上なく感謝していますが、」だからこそ
責任をもって報告せねばと感じたのです」 穂乃果「」ギリッ
穂乃果「アハハ・・・・、凄い責任感だよ・・・」
穂乃果「立派だね、尖り耳未(とんがりみみ)ちゃん。穂乃果を裏切ってまで・・・」
海未「尖がり?それは私を貶める意図が、」
ガタンッ,コツコツ.....
南「二人とも、艦隊の指示は調査と観察であり、干渉ではありません」
海未「しかしワイヤーが切れなければ、住民に私たちの存在を
気づかれることもなかったのです」
南「それは屁理屈というものだわ」
海未「ヴァルカン人は理屈を重んじるのです」
南「その態度は何ですか、海未さん?」
海未「私は複数の態度を同時に示しています。どの態度でしょうか?」
南「・・・・」
南「出て行きなさい」
海未「しかし・・・・」
南「退出してちょうだい、中佐」
海未「・・・・・・・」ペコリ
ヴァルカン人は何よりもまず、論理的かどうかで言動を選ぶ。
その揺るぎなき物腰は、時に地球人の目に高慢に映り、
挑発的に見える事さえある。
倫理と感情。両方の種族の血を引く海未の言葉は尚の事、
どちらに因るものか判別しがたいものがあった。
それを十分に承知していた提督は、彼女に退出するよう命じた。 ドア(バタンッ)
穂乃果「・・・・・・」ムスッ
南「・・・・・」
南「あなたがどれだけ面倒か分かるかしら?」
穂乃果「・・・ええ、一応は」
南「何を間違えたの?今回の教訓は?」
穂乃果「・・・ヴァルカン人を信用するな」
南「何が間違いかも気づいていないわ!」
南「嘘の報告をしたのよ?気に入らない規則なら
守らなくていいと思っているの?」
穂乃果「そういう私をスカウトして、ご自身の船を任せたんでしょう?」
穂乃果は提督の握る杖を指しながら反論した。
約1年前、120年後の未来から来たロミュラン人の一派との戦いで
捕虜となった提督は、彼らのリーダーであるツバサから拷問を受け、
心身に深い傷を負った。
穂乃果と海未、ミューズのクルー達の活躍によって、歴史を改変しようとする
彼らの企みは阻止されたものの、提督は第一線を退き、後任として穂乃果に
ミューズを任せたのだった。 南「あなたに任せたのは、偉大な資質を見たからです!」
南「謙虚さのかけらも持ち合わせないようだけど」
穂乃果「なら、友達を死なせるべきだったんですか?」
南「論点が違うわ」
穂乃果「そうは思いません!あなたならどうしますか?」
南「私ならそもそも副長の命を危険に晒したりしないわ!」
南「あなたは星の調査に行ったのよ。運命を変えるのではなく」
南「あなたは幾つもの規則に違反した上、船のクルー全員を危険に晒した」
穂乃果「でも誰も死んでません!」
穂乃果「私がキャプテンになってからクルーが何人死にましたか?一人も!」
船長としての責任を問う提督に、穂乃果は食い下がった。
自分が正しいと感じた事、やりたいと思った事をやる。その信念を貫き生きてきた。
そのためには他人とぶつかり、時には拳を交えることも厭わなかった。
そんな穂乃果にとって、自分の目の前で危機に瀕した命よりも
規則を優先すべきなど、納得できるものではなかった。 南「あなたは自分の能力を過信しているわ」
南「自分が間違う筈がないと思っているでしょ。規則は自分以外のためあると」
穂乃果「必要でないものもあります・・・・・」
南「更にあなたは只の幸運を言い訳にして、神を気取っている」
穂乃果「・・・・」
南「本件は状況を鑑みて絢瀬提督に報告され、
特別審議会が招集されたけど、私は招かれなかった」
南「あなたもさすがに規則の重さを思い知るわ」
穂乃果「え・・・・?」
南提督も、穂乃果が保身のために違反を隠蔽しようとした等とは思っていない。
だが、ここで不問にすれば、その後先を考えない向こう見ずな性格が
いずれ必ず、艦隊にも彼女自身にも取り返しのつかない事態を招く
師として、それだけは避けねばならなかった。 南「あなたは船から降ろされた。アカデミーに逆戻りよ」
穂乃果「」
穂乃果「聞いてください・・・」
穂乃果「全て説明できます、艦隊規則は理解していますが、」
南「いいえ、聞かないわ。なぜ聞く必要があるの?」
穂乃果「私の決断は全て・・・・」
南「あなただって私の話を理解していない、いいえ聞きたくないわ!」
穂乃果「なっ・・!」
南「あなたは規則を守らず、何事にも責任を負わず、キャプテンの椅子も尊重しない」
南「何故だと思う?あなたが未熟だからよ」
コツコツコツ.....バタンッ
穂乃果「・・・・・・」
――――――――――
――――――
――・・ 〜 同日夜、ロンドン某所 〜
絵里「・・・・・・」
プスッ,ツ――......
ピチョン.....ピチョン.....
薄暗いラボの片隅で、女は自分の腕に管を通していた。深い赤色をした女の血が、
採取機を通り、先端に繋がれたシリンダーを満たしていく。
トポポポ.....
絵里「私の血も、赤いのね・・・・・」
久方ぶりに自身の血を見た女は、いつか読んだ本の一節を思い出して一人ごちた。
程無くして、女は自身の鮮血で満たされたシリンダーを小さなケースに入れた。
不自然に大きな石のボタンが嵌め込まれた指輪と共に。
――――――――――
――――――
――・・ 妻「」スースー
モニター(ウィイィ・・・・・・)
娘「」
夫「・・・・・」スッ
キュポッ,カチッ
シュッ,ウィイ―――
明け方の病室。窓際のソファで、毛布にくるまった妻が眠っている。
娘に残されたわずかな時間を、家族と共に過ごせるように
主治医が取り計らってくれたのだ。
静まり返った病室で、夫は娘の寝台の側に立ち、女から送られてきたケースから
血液の入ったシリンダーを取り出した。 絵里『艦隊が秘密裏に辺境の宇宙域を調査しているという噂は
聞いた事があるでしょう?』
絵里『詳細は教えられないけど、その調査で新しく発見された生物の血を、
ある伝手から入手したの』
絵里『これは、その血を元に私が開発した血清よ』
絵里『これを投与すれば、あの子はすぐに回復するわ』
夫『・・・・・・』
絵里『信じられないという顔ね・・・・』
絵里『まあ、無理もないわ。素性も知れない女の言う事だもの』
絵里『でもここで諦めれば、どのみちあの子は死ぬことになる』
絵里『ならせめて、最後の可能性に賭けてみてもいいと思わない?』
絵里『よく考えてみて、トーマス。あなたには、守るべき家族がいる』
絵里『家族の為にできない事なんて、あるのかしら?』
.........
生命維持装置に直接シリンダーを差し込むと、中の血液が
娘の身体に繋がる点滴タンクに送り込まれた。
父親が見つめる中、女の血が細いガラスの管を介し、しずく形のタンクに注がれる。
タンクを満たしていた無色透明な点滴は、血と混ざり合い仄かな赤みを帯びた。 娘「」
...
.....ピロリ―ッ
夫「?」
ピ―ッピピピッ!
夫「っ!!」
ギュウゥ―――ン
ディスプレイ(パッ,パッパッ!)
夫「おおぉ・・・・・・」
血液を混入してわずか数秒で変化が現れた。
横ばいだった心電に微かな波形が生じ、それが次第に大きくなっていく。
ディスプレイに目を移すと、表示されたあらゆる数値が正常な値に戻り始めていた。
赤く染まった短いグラフの列が勢いよく伸長し、緑色に変わる。
停止しかけていた身体機能が回復したのだ。
気が付くと、弱々しく打つばかりだった娘の心臓は力強い鼓動を刻んでいた。 ドクッ....ドクン,ドクン....
娘「」ス−ス−
夫「はっ、ははは・・・・」グスッ
夫「・・・・ありがとう」チュッ
奇跡を目の当たりにした夫は、感涙とも安堵ともつかぬ
しかし慈愛のこもった表情で、安らかに眠る娘の額にキスをした。
例え素性も知れぬ女から持ち掛けられた取引であろうとも
たった一人の娘を救う為ならば、応じてみせる。
父の心に悔いは無かった。
その取引がたとえ、悪魔との取引であろうとも。
――――――――――
――――――
――・・ 今日はここまで
絵里にはあのキャラになりきってもらいます 飛行艇(キイイィ―――ン)
車(ブロロロロ)
ゾロゾロ....ガヤガヤ.....
夫「ん?」ピタッ
絵里「・・・・・・」ジーッ
夫「・・・・・」コクッ
絵里「・・・・・・」コクッ
数日後、トーマス・ヘイルウッドは勤務先へと向かって通りを歩いていた。
ふと通りの向こう側に目をやると、彼女が雑踏の中に立ってこちらを見ていた。
多種多様な人々が行き交う中に一人だけ佇む黒づくめの彼女は、
さながら、その場に一か所だけ空いた別次元の虚空のようだった。
・・・・・・・。 女はヘイルウッドに向かって無言で頷いた。
それに応えて頷き返すと、男は玄関をくぐった。
ホムラ・メモリアルアーカイブス。
25年前、ツバサ一派の襲撃を受けた調査船、U.S.S.ホムラの乗組員800名を
自らの命と引き換えに救った穂乃果の父、高坂中尉の英雄的行為を讃えて
命名された公文書館。それが男の勤務する職場だった。
スキャナー(ジリリリリ......ピピッ)
職員「どうぞ、お乗りください」
夫「どうも」スッ
ポチッ,プシュ―――ッ
玄関ホールの突き当りに設けられた顔認証を通り抜け
エレベーターに乗ると、所属部署のあるフロアのボタンを押す。
B1、B2・・・・B7、B8、B9、B10・・・・・
男を乗せたエレベーターはロンドンの地下鉄よりも遥かに深く降下していった。 エレベーターを降りると、そこには広大な地下空間が広がっていた。
ホログラムの前で意見を突き合わせる研究員、
火花を散らしながら兵器らしき物体を組み上げるエンジニア、
コンピューターと向き合い、何処かの惑星からの通信を傍受する士官。
施設の青い照明に照らされて、職員たちが各々の仕事に没頭している。
ホールを横切る同僚の手に、透明な液体を容れた小さなカップが
握られていることに、彼らが気付くことは無い。 カタッ,カタカタカカタ.......
ピッピッピッ,ピ―ピロロロ.....
タッターン.....
ディスプレイ「"TRANSMISSION SENT"」
自身の受け持つコンソールに就いた男は、パネルからメールサーバーにアクセス、
一晩の内に蓄積されたメールログの中から一通だけを選び、そのアドレスへ向けて
自身の最後のメッセージを入力した。
そのメッセージは、娘のためとは言え悪魔との取引に応じたヘイルウッドに残された
人としての最後の良心とも言うべきものだった。
夫(リマ、すまない・・・・・)
夫(ルシルの為だった・・・・許してくれ)
夫(愛してる、永遠に)スッ
ポチャンッ
シュワシュワ...... 送信の完了を見届けたヘアウッドは手から指輪を引き抜き
コンソールパネルの上に乗せたカップの中に落とした。
指輪に嵌め込まれた石は、無数の気泡を立ててカップの中を満たした
シュワシュワシュワ......
シュウウウゥ......
シュボオォッ!!
ドガアアアァァァァ――ンッ!!
ボボォン.....ドゴオォン......!!
ワアァァ....キャアアアァ....ウ―ウ―.....
絵里「フフッ・・・・・ハラショー」
指輪に嵌められた鉱石と液体の結合反応が起こした爆風が
一瞬で施設全体を飲み込んだ。
地下空間を満たして行き場を失ったエネルギーは天井を押し上げ、
真上にあった街並みをも吹き飛ばした。
父親の起こした爆炎は、一家の住むマンションからもはっきりと見えた。
その窓辺に飾られていたのは、微笑みかける娘ルシルを撮った小さな写真。
二度と訪れる事のない、幸せな家族の記憶。
・・・・・・・。 >>124
初代のヤツならなんとなくわかるんだが… ――・・
――――――
――――――――――
グラス(カランカラン.....トクトク....)
クイッ,コクッ
穂乃果「っ!、ケホッケホッ・・・・!」コトッ
穂乃果「はあぁ・・・」
穂乃果「短いキャリアだったなぁ・・・・・・・」
穂乃果「ん?」
女性客「・・・・・・」ニコッ
穂乃果「あ、あはは・・・・」ニコッ
同日夜、穂乃果は行きつけのバーでグラスを傾けていた。
一息に液体を煽り、何気なく右手に顔を向けると
カウンターの二つ隣に座る美女が微笑みかけた。
交わる視線、そこから始まる一夜のロマンス。
あの子なら、私を慰めてくれるだろうか。 穂乃果「あのさ、もしよかったら、」
南「何かしら?」ズイッ
穂乃果「」
穂乃果「何でもないです・・・・・・」ゲフンゲフン
南「そう」ゴトッ
穂乃果「どうしてここに?」
南「私を見くびらないで欲しいわ」
南「以前見つけた時も酒場だった」
南「覚えてる?ボコボコにされて」
穂乃果「・・・・いえ、全然」
南「忘れちゃった?」
まだ説教を続けるのか。そんな予想に反して
隣に座った提督が語ったのは、初めて出会った夜の出来事だった。
4年前、定職にも就かず、酒と喧嘩に明け暮れていた穂乃果は
その日の夜も、酒場で士官候補生3人を相手に大乱闘を演じて見せた。 穂乃果「負けてないですよ」
南「記録的な大敗だった」
穂乃果「違いますってば」
南「両方の鼻の穴に紙ナプキンを詰めてた、違う?」
事件のきっかけとなったのは、同じ候補生だった南ことり。
他でもない、南提督の娘であった。
娘の友人たちには、一介の不良ごときが未来の艦隊士官に
色目を使い、モノにしようとする事が許せなかったのだろう。
穂乃果「・・・・プッ」
南「フフッ・・・」
穂乃果「クスクス・・・・・はぁ」
穂乃果「あれはいい喧嘩でした・・・」
南「良い喧嘩ね。その辺があなたの問題だわ」
南「私に戻されたわ。ミューズが」
穂乃果「・・・・・おめでとうございます。副長は裏切りますから気を付けて」 友達として信頼していた海未に裏切られた。
その事実は、船を失った事よりも深く彼女を打ちのめしたのかもしれない。
提督は、穂乃果の前任者としての忠告に、彼女の味わった失望を感じ取った。
南「副長は園田さんじゃないわ。彼女は転属よ、U.S.S.ブラッドベリーに」
穂乃果「?」
南「あなたが私の副長よ。かなり苦労したけど、何とか絢瀬さんを説得した」
穂乃果「!」パァ
穂乃果「何て言ったんですか?」
南「真実を。"高坂さんを信じる"と」
南「"高坂穂乃果は2度目のチャンスに相応しい女だ"と」
穂乃果「言葉がありません・・・」
南「珍しいわね・・・まあ、大丈夫よ」
南「あなたには、娘も世話になってるしね」
飽くなき冒険心、強い正義感。それを貫き通すバイタリティ。
確かに、穂乃果の勇猛果敢な性格は、艦隊という大きな組織にとって
大きなリスクとなり得るだろう。
だが、それは同時に、彼女が連邦のフロンティアスピリットの
最も良き体現者である事も意味する。 コミュニケーター(ピピピッ,ピピピッ,ピピピッ....)
カチャッ
南「デイ・ストロングで緊急会議よ。行きましょう、制服を着なさい」
穂乃果「はいっ!」
一度航路を見失った船も、正しい方向へ導く者がいれば
また目的地へ向けて航行を続けられる。
その目的地が、艦隊にとっても、連邦にとってもより良い場所になる。
あの日の夜、若い士官たちの蛸殴りに遭い、テーブルの上に伸びていた
不良少女の内に、秘められた大いなる可能性を見出した。
南提督は今も、その可能性を信じ続けていた。
――――――――――
――――――
――・・ 〜 宇宙艦隊本部ビル エレベーターホール 〜
コツコツ.....
海未「キャプテン、」
穂乃果「もう違うよ、私は副長に降格。で、海未ちゃんは転属」
海未「そうですか」
海未「処分が予想以上に寛大で運がよかった」
穂乃果「寛大って・・・冗談でしょ?」ハァ
エレベーター(ウィイィ――.........)
海未「キャプテン、私は決してそのような・・・・」
穂乃果「だからキャプテンじゃないってば。分かってるの?」
穂乃果「あなたを救って、あなたに裏切られて、それで船を失ったんだから」
海未「・・・中佐、報告を提出したことを忠告しておくべきでした」 穂乃果「はぁ・・・・」
穂乃果「そうじゃない、そうじゃなくてさ」フルフル
穂乃果「海未ちゃんが規則を守らなきゃって強迫観念を
持ってるのは知ってるけど、穂乃果にはできない」
穂乃果「穂乃果の国では、命の恩人を裏切るような真似はしないんだよ」
海未「しかし・・・ヴァルカン人は嘘を吐けません」
穂乃果「うーん・・・・分かった」
穂乃果「それじゃ、半分地球人の海未ちゃんに話すよ」
穂乃果「いい、分かるでしょ?あの時、どうして助けに戻ったのか」
???「Ms.園田」
穂乃果「?」 アボット提督「私はフランク・アボット」
アボット提督「U.S.S.ブラッドベリのキャプテンだ。君は私と」
海未「・・・はい、キャプテン」
穂乃果「・・・・・・・」フゥ
穂乃果「正直言うと、寂しくなるよ」
海未「?」
穂乃果「はぁ・・・・」フルフル
エレベーターを出ると、大柄で温厚な雰囲気の黒人男性が海未に近づいてきた。
元キャプテンの問いにも、同僚としての惜別にも返答することなく
海未は新たなキャプテンに付いて行った。
多くの連邦市民が評するように感情が無いのか、或いはただ
表現する術を持たないだけなのか。穂乃果には分からなかった。
――――――――――
――――――
――・・ 〜 会議室 〜
秘書官「絢瀬提督、どうぞ」
絢瀬「急な招集で済まなかった。座ってくれ」
ガタガタッ,ゴトゴトッ,ストッ.....
痩せた背の高い壮年男性が、集合した提督たちに遅れて会議室に入ってきた。
彼の深く落ちくぼんだ眼窩の奥では、鷹のように鋭い目が光っている。
絢瀬提督の指示で、南提督と穂乃果以下、
上位士官たちが大きな円卓を囲んで一斉に着席した。
絢瀬「ロンドンの事件は聞いた者もいるだろう」
絢瀬「標的は艦隊のデータ保管庫。男女合わせて42人が死亡した」
絢瀬「1時間前、ある艦隊士官から、脅迫されて実行したという自白メッセージが届いた」
絢瀬「彼を脅していたのはこの女・・・」
絢瀬「南條絵里中佐。我々の仲間だ」
ピロリッ,ピピッ..... 会議室の証明が落とされると、上座に座った絢瀬提督は
静かに、しかし毅然として語り始めた。
各席に据え置かれたディスプレイと背後の壁の大スクリーンに
金髪の女の姿が映し出される。
穂乃果(綺麗な人だな・・・・・)
海未(顔立ちからして日本人。さらにスラヴ系、
おそらくロシアの血も引いているようですね・・・・・)
絢瀬「今回の残虐行為は彼女が引き起こした」
絢瀬「理由は分からないが、南條絵里は一人で艦隊に戦争を仕掛けた」
絢瀬「今後どんなことがあろうとも、この女を連邦の宇宙域から逃してはならない」
絢瀬「今日集まってもらったのは、近辺にいる船の司令官だ」
絢瀬「亡くなった者たちのためにも、何としてもこのクソ野郎を捕らえるのだ」
絢瀬「犯人の追跡任務の、計画を発表する」
南「・・・・・」 絢瀬「地球の周辺地域から他の星へのワープの痕跡は捉えていない」
絢瀬「よって遠くへは逃げていない」
穂乃果「・・・・」
絢瀬「諸君の船を広範囲に配置し、そこから捜索隊を組織して、
あらゆる手がかりを追跡してくれ」
穂乃果「・・・・」スッ
絢瀬「罪のない者たちの命を平気で奪う女だ。細かいことは言わない、生死についてもだ」
穂乃果「・・・・」
ディスプレイ(カタカタ,ピッピッ)
絢瀬「この女を見つけ、自分や仲間の為に・・・・・」
絢瀬「・・・・危険を感じたら、奴の命を奪っても構わない」
穂乃果「・・・・・」 提督の説明に耳を傾けつつ、穂乃果の目線は手元のディスプレイに向けられていた。
爆発直後の現場を監視カメラで立体的に捉えたパノラマ映像。
そこには、混乱する群衆に紛れて逃走しようとする容疑者の姿が映し出されていた。
画像の中の容疑者は、逃走用と思しき小型の飛行艇に、大きなバッグを投げ入れていた。
穂乃果「バッグの中には何が?」
南「後にしなさい」
穂乃果「だって、保管庫の爆破なんて変ですよ?図書館を爆破するのと変わらない」
絢瀬「南、大丈夫か?」
穂乃果「あっ、あの・・・・・」
南「失礼、Ms.高坂がまだ副長の立場に慣れていないようでして」
絢瀬「高坂、明日では遅いぞ。言ってくれ」
穂乃果「あっいや、大丈夫です提督」
絢瀬「遠慮せずに言ってみろ」
穂乃果「・・・・・分かりました」 穂乃果「何故、この絵里って人はデータ保管庫から狙ったんでしょうか?」
穂乃果「だって、そこにあるのは公式記録だけです」
穂乃果「艦隊にダメージを与えたければ・・・・・」
穂乃果「与えたければ・・・・・・」
穂乃果「・・・・これは只の始まりだよ」
海未「?」
絢瀬「何が始まりだ?」
穂乃果「こういう事件が起こった時は、手順が決まってます」
穂乃果「上層部が船のキャプテンと副長を艦隊本部に集めて、対策を練ります」
穂乃果「この部屋で・・・・・」
ヴヴヴ... 海未「・・・・っ!」ハッ
海未「それにどうして、南條はワープ機能の無い小型艇を使ったのか・・・・」
ヴヴヴヴヴ......
穂乃果「?」ガタッ
海未「?」
ヴヴヴヴヴヴ,ヴ―――ン......カッ!
南「っ!?」
窓の外から近づいてきた音に、海未が言葉を切る。
同時に、会議室全体が赤い照明に照らし出された。
立ち上がった穂乃果が振り返ると、写真に映っていた戦闘艇が
会議室の大窓のすぐ外の空中に浮かび、中の人々を覗き込んでいた。
機体から突き出た二門の砲身が、彼らに狙いを定めていた。 機関砲(ジャキンッ,ジャキジャキッ!)
士官たち「「「「「!!?」」」」」
穂乃果「みんな逃げてえっ!!」
ガッシャアアアアァァン!!
穂乃果「きゃあっ!」
穂乃果の叫びは、同胞に届く前に掻き消された。
窓ガラスが粉砕され、光弾の雨が会議室に降り注ぐ。
ズキュゥン!ズキュキュキュゥンッ!!
ダカダカ,ダカカカカカカッ!
提督A「逃げろっ!ぐはっ・・・」
士官「きゃああああああっ」
士官「うぐっ!」
穂乃果「くうっ!」
海未「はあっ!」
バッ,ゴロゴロゴロッ! 穂乃果は紙一重で被弾を免れ、机を飛び越えて床に伏せた。
だが他の多くの提督たちは、容赦なく浴びせられる銃撃の餌食となり
次々と斃れていった。
ある者は椅子から立つ間も与えられず、座ったまま胸に直撃を受けて吹き飛ばされた。
そしてまたある者は足に被弾し、痛みに身をよじらせる。
南「防空班をお願い、会議室よ!」
ワ―ッ!キャ―ッ!
ドドドッ,ドォンッ,ドコオオッ.......
保安部員「撃てッ、撃てえっ!」
ダダダッ
ドピュンッ!ドピュンッ!ビシュッ!
保安部員「がっはあっ・・・・!」
ドサドサッ
崩れ落ちたデスクをバリケードにして、南提督が防空班に救援を求めた。
それに応えて、奥に控えていた保安部隊が会議室に駆け込んでくる。
しかし、両手持ちのフェイザー銃が、戦闘艇に対してできる事は限られている。
彼らの到来は、殆ど標的を増やしただけに過ぎなかった
連邦の平和と安全を担う中枢たる艦隊本部は、一瞬で凄惨な殺戮の場へと変わっていた。 保安部員「がああっっ」
カンッ,カララッ.....
穂乃果「・・・・・・!」ダッ
ズキュンッ,バチバチッ!
穂乃果「っ!!・・・・うあっ!くっ!」
ダダダダッ,ダッダッ!
ガチャッ
穂乃果「よしっ!」
敵の放った一発が隊員の一人に直撃し、数メートル後方に吹き飛ばした。
隊員の手を離れたライフルが床を滑っていくのを、穂乃果は見逃さなかった。
意を決して床から立ち上がり、散乱するテーブルと椅子の間を縫って駆ける。
敵機の正面を横切り、幸運と勇気を味方に付けて銃を拾い上げた。
照明(パアァンッ!)
穂乃果「うわっ!」
穂乃果「急いで、行って行って!撃って!」ブンブン
穂乃果「くそっ・・・・!」
戦闘艇(ギュイイイイイ―――.......) そのまま会議室からの脱出に成功した穂乃果は
エレベーターホールに繋がる渡り廊下を走った。
反対方向から来る防空班とすれ違い、闇雲に指令を飛ばしながら
敵機を真横から捉えられる窓辺に身を潜めた。
敵機はビルの壁面すれすれの距離を浮遊したまま室内の獲物を狙い続け
その内の一匹が逃れたことに気づく様子もない。
機関砲(ドッドッ,ドッ,ドドッ)
穂乃果(何がしたいのか、全然分からないけど・・・)
穂乃果(向こうから来てくれるなんて、探す手間が省けたよ!)
ジャキンッ
ズキューンッ,ガッシャ―ンッ!
穂乃果「お返しだっ!」
ズキュゥン,ズキュゥン!
獲物は只一匹、小さな針を以て強大な捕食者に挑んだ。
窓ガラスを内側から打ち抜いた穂乃果は、無防備に晒された
敵機の横腹に向かってフェイザーを浴びせ始めた。 ビィン,ビィンッ,ビィンビィンッ!!
南「っ!!」ヨロヨロ
南「ふぅ・・・ああ、はぁ・・・」
ズギュウンッ,バチバチィッ!
南「きゃあっ!」ドサッ
南「ううぅ・・・くぅ・・・・」
ズルッ,ズルズル
辛うじて被弾を免れた士官たちが、攻撃の届かない物陰に身を潜める中
南提督は敵の射程圏内に取り残されていた。
一連の混乱で杖を失った提督は、歩行もままならず
大人一人分程度の太さの柱を盾にして立っているのがやっとの状態であった。
そして、その柱さえも一時しのぎの場にしかならず
爆風の煽りを食い、床に投げ出されてしまった。
・・・・・。 ズキュゥン,ズキュゥン!
カンッ,カンッ,カキンッ!
戦闘艇(ギュイイイイ――――)
穂乃果(やっぱりダメだ。銃一丁じゃ太刀打ちできない)
穂乃果(何かもっと大きなものをぶつけないと・・・・)
穂乃果(大きなもの・・・・・・)
デフレクター(ズオオオォ―――――........)
穂乃果「あれだっ!」
扉(バタン!)
ホース(シュルシュルシュルルッ!)
敵機は掃射を続け、横槍に気づく気配すらない。
その機体の下部に据え付けられたタービン。
機体の前方にある空気を吸引し、浮力を得るそれに穂乃果の目が注がれた。
頭の中で考えるよりも早く、背後の壁に埋め込まれた消火設備に向かって
身体が動く。剥ぎ取らんばかりの勢いで扉をこじ開けると、内蔵された
太い消化ホースを引き出し始める。 シュボボッ!
提督C「うっ・・・!」ドオッ
ズルズル...ズルズル
南「はぁ、はぁ・・・・・はぁ、はぁ・・・」
ジジジジ......
南「はぁ、はぁ・・・はっ!?」
ズギュウゥンッ!
南「ああぁっ!!」バタッ
海未「!?」
南提督は床を這って場を逃れようとした。自由の利く方の手足を使い、
半身を引きずるようにして弾を避けられる死角を目指す。
しかし、戦傷を追った身には自らの胸部に狙いを定めた照準を
避けるだけの力は残されていなかった。
一筋の光線が提督の胸を貫き、火花となって弾け飛んだ。 海未「南提督!!」
ミサイル(プシュ―ッッ,シュルルルッ!)
戦闘機(ギュオンッ!)
海未(ガシッ,ズルズルッ,ズズッ....)
南「うぅ・・・・」
死角に隠れて別の提督を介抱していた海未は、
南提督が仰向けに倒れ伏したのを見て駆け寄った。
背中から腕を回して抱え上げ、生気を失った体を部屋の片隅に引きずっていく。
その間、敵は防空班の放った迎撃ミサイルを避けようと機体を大きく傾かせた。
結果、彼女らに向けられた照準は奇跡的に横に逸れ、壁に穴を開けた。 シュルシュルッ,キュッ
穂乃果「よし、できた!」
ズキュンッ,チュゥンッチュウンッ!
穂乃果「おやつだよ・・・・えいっ!」
ヒョォンッ
穂乃果は引き出したホースを銃身に幾重にも巻き付け、
ノズルを楔にして固定した。それを力いっぱいに放り投げると
銃を錘代わりにしたホースは敵機めがけて宙を伸びていった。
銃は見事、吸気口に引っ掛かって細かく粉砕され、
その後にはホースがリールを高速回転させながら吸い込まれていった。
タービン(ズボボボ.....バリバリッ,ズモッ!)
ホース(シュルッ,ビュルルルルルッ.........)
穂乃果「・・・・・」
ホース(キュルルルルッ,ビビイィンッ!!)
穂乃果「!!!」
キャビネット(ボゴオッ,ギギイッッ!)
ガンッ,ガゴッ
穂乃果「うわっと!!」
ガッシャァ―ンッ デフレクター(ズオォ―――,ガボッ,ボッ,ボボボッ)
デフレクター(ウゥ―――ン.....ボフッ!)
ギギ―イィ.....
エンジン(ボオオォオ――ンッ!)
ホースが張り詰めた次の瞬間、壁から無理やり引きはがされた。
キャビネットが床を跳ね、穂乃果の頭上をかすめて窓の外へ飛び出して行った。
手繰り寄せた餌を噛み砕こうとするタービンのパワーに、
キャビネットは紙くずの如くひしゃげ、機体の内部へめり込んでいった。
だが、規格外の物体を飲み込んだデフレクターは消化不良を起こし
尾翼にある排気口から内部のパーツをぶちまけた。
ボオオォン,バチバチバチィッ!
穂乃果「やった!!」
グォングォン,グルルルル.....
絵里「・・・・・」
穂乃果「!?」 デフレクター(ズオォ―――,ガボッ,ボッ,ボボボッ)
デフレクター(ウゥ―――ン.....ボフッ!)
ギギ―イィ.....
エンジン(ボオオォオ――ンッ!)
ホースが張り詰めた次の瞬間、壁から無理やり引きはがされた。
キャビネットが床を跳ね、穂乃果の頭上をかすめて窓の外へ飛び出して行った。
手繰り寄せた餌を噛み砕こうとするタービンのパワーに、
キャビネットは紙くずの如くひしゃげ、機体の内部へめり込んでいった。
だが、規格外の物体を飲み込んだタービンは消化不良を起こし
尾翼にある排気口から内部のパーツをぶちまけた。
ボオオォン,バチバチバチィッ!
穂乃果「やった!!」
グォングォン,グルルルル.....
絵里「・・・・・」
穂乃果「!?」 エンジンから爆炎がほとばしり、制御を失った機体は
黒煙を上げながら、その場で横方向に回転し始める。
火花の閃光は、暗がりで見えなかったコクピットの内部を
照らし出し、操縦桿を握る金髪の女の姿を露わにした。
水色の光を宿した双眸は、自らを阻んだ者を真っ直ぐに見据えていた。
絵里(ジ―ッ)
穂乃果(南條・・・・絵里・・・・)
シュイイイィ......
穂乃果「!?」
....イイィ,カッ!
ドッシャアァッ!ガラッ,ガラララ......
.....ズウゥン
穂乃果「転送・・・・・」
二人の視線が交錯したのは一瞬だった。絵里の身体は既に
出現した光の糸に包まれ始めていた。転送だった。
糸はやがて、1つの大きな繭となって絵里を覆うと、一際強烈な光を放って消えた。
コクピットは空となり、パイロットのいなくなった小型艇は
ビルの壁面に激突して窓枠を削り取り、真っ逆さまに落ちていった。 南「ゴホッ、ゴホッ」
海未「・・・・・・」
南「かはっ・・・・・はっ・・・・・・」
南「はっ・・・・っ・・・・」ヒューヒュー
海未「・・・・・・」スッ
ピトッ
スウゥ.....カッ
海未「っ!!」
横たえられた南提督は苦痛に顔を歪め、天井の一点を見つめて喘いでいた。
空気を求めて浅い呼吸を繰り返す度に、傷口から血がじわじわと染み出してくる
失血と低酸素。この状況下では、手の施しようが無かった。
もはや救えない。その事実を受け入れた海未は、提督の横顔に右手をそっと当てた。 精神融合。
相手の神経系統に直接触れることで、言葉を介さずに
意志を疎通し心を通わせる、ヴァルカン人の特殊能力。
意識を指先に集中すると、死に瀕した提督の感情が
濁流のような激しさで流れ込んできた。
その感情は徐々に緩やかな川の流れとなり、
小川のせせらぎになり、遂には滴る雨粒となって弾けた。
全ての感情を受け止めた海未が手を離した時、
その眼はもう何も見つめてはいなかった。
南「・・っ・・・っ」
南「」
海未「・・・・・」 タッタッタッ
穂乃果「ハァハァ・・・・」
アボット提督「」
保安部員「うぅ・・・・・」
穂乃果「酷い・・・何でこんなことを・・・・」
穂乃果「海未ちゃんっ!提督!」
敵を撃退し、荒廃した会議室に戻ってきた穂乃果が目にしたのは
散乱する机と椅子、壁や柱の破片、倒れ伏す多くの死傷者。
そして、部屋の隅で提督の傍らに座り込んだ海未だった。
穂乃果「海未ちゃん・・・・」
海未「・・・・・・」
南「」
穂乃果「提督!?」 穂乃果「提督っ!南さんっ!」
海未「・・・・・」フルフル
穂乃果「・・・・・」ガクッ
穂乃果「・・・・・」
穂乃果「・・・・・っ!」
穂乃果「っ・・・・・、くっ・・・・・」ポロポロ
穂乃果「ひぐっ・・・・グスッ、ふぐっ・・・ううぅ・・・・」
海未「・・・・・」スッ
南「」
ヒョオオォ.....
ウ―ウ―!ウ―ウ―!.....
全てを悟り、くずおれた。
視界がぼやけ、込み上げてくるものに声が詰まる。
恩師の胸に顔を埋め、歯を食いしばり嗚咽する
海未が瞼と口をそっと閉じると
提督は安らかな死に顔となった。
ガラスの無くなった大窓から、冷たい風が流れ込んでくる。
遠くから近づいてくるサイレンとサーチライトの光が
遅すぎる救援の到来を告げていた。
TO BE CONTINUED...... ここまで読んで頂きありがとうございました。
以上で第一幕の終了とさせていただきます。
いつになるかは分かりませんが、ある程度書き溜めて校正してから
第二幕を再開したいと思います。その時はまた読んで頂ければ幸いです。 追記:
前作では擬音だけでしたが、それだけでは表現に限界があると思い
拙いながらも地の文を入れる事にしました。 >>174
DVD確認したら、全16チャプターの内のチャプター3まででした
起承転結の起と承の間位? 乙でした
字の文ありだと何が起こってるかわかりやすくて良いね
続き楽しみに待ってます ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています