凛「真姫ちゃんはどのピアニストのラヴェルが好きにゃ？」
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真姫「う〜ん…迷うけれど……Pascal Rogéかしら…」
凛「パスカル…ロジェ…聞いたことないにゃ…」
真姫「パスカル・ロジェはラヴェル弾きとして有名なピアニストね」
真姫「他にも、サン=サーンス、フォーレ、サティ、ドビュッシー、プーランクなどの作曲家のピアノ曲を全曲録音しているっていう、フランス音楽の第一人者なのよ」
凛「にゃ〜…」
花陽「花陽もアルバムもってるよ。ラヴェルのピアノ曲の有名なやつがほとんど全部入ってて、すごいと思っちゃった…」
真姫「あー、あのピアノの鍵盤バックにラヴェルの有名な写真の版画が書いてあるやつね。あれは超お得アルバムね」
花陽「そう、『Ravel on the piano』っていうの」 凛「でも、そのパスカル・ロジェ以外に有名なラヴェル弾きって他にはいないの？」
真姫「もちろんいるけど、誰か1人っていったらあの人が格別ね」
真姫「パスカル・ロジェのラヴェルは、フッとそよ風にさらわれていくかのように、凄く自然に聴こえるのよ…」
真姫「あの人の演奏を聴いてから普通のプロの演奏を聴くと…残念ながらどうしても曇りがちね…。カクカクしていて不自然というか…」
凛「へぇ〜…」
真姫「そう。だからこの人、ラヴェルに関しては相当研究を凝らしてると思うわ」
花陽「でも真姫ちゃん、最初真姫ちゃん、『迷うけれど』って言ってたよね？誰と迷ってたの？」
真姫「ああ、それはゾルタン・コチシュとぺルルミュテールよ」
凛「あ、ゾルタン・コチシュなら凛も知ってる！」 真姫「ゾルタン・コチシュはどちらかというとドビュッシー弾きで有名かもしれないわね。ペルルミュテールは『クープランの墓』が素晴らしいわ」
花陽「ゾルタン・コチシュは『2つのアラベスク』のアルバムが有名だからね」
凛「で、どうして迷ったの？」
真姫「ラヴェルはパスカル・ロジェが至高だと思ってたんけど、一曲だけ、残念な録音があってね…」
花陽「え、何の曲？」
真姫「…ラヴェルの『ピアノ協奏曲ト長調』よ」 凛「ああ、あの曲、のだめでもやってて有名だよね」
真姫「あの曲って、第1楽章の出だしと、第3楽章の弾き方にピアニストの解釈の違いが顕著に出る気がするのよ」
凛「そうなの？」
真姫「第1楽章は、冒頭のGコード＋G♭コードの不協和音アルペジオからの連続グリッサンド。あれで全てが決まると言っていいわ」
花陽「確かに…。ダイアトニック3コードで降りてくる時、スタッカートで弾く人と、ペダル踏んで妙に粘っこくする人がいるよね」
真姫「そうなの！私はスタッカートの方が好きなんだけどね」
凛「かよちん、詳しいにゃ〜…」 真姫「第3楽章は、曲全体を通してテンポをやたら揺らす人と、in tempoで弾き通す人で別れるわね」
花陽「途中のストライドピアノ(？)っぽいところで突然走る人多いよね」
真姫「そう、そこなの！」
凛「！」ビクッ
真姫「ゾルタン・コチシュはちゃんとin tempoで弾くし、そこで突然テンポを上げたりしないわ」
花陽「なんでみんな突然あそこで水を得た魚のように走り出しちゃうんだろうね？」
真姫「テクニカルなピアノソロになると走り出すのがピアニストの性なのかもしれないわね」
凛「ピアニストが『子犬のワルツ』をやたら速く弾きたがるようなもんかにゃ…？」 真姫「それに、あの人は、優しさや純粋さを保ったまま、斬れ味があって豪快なところもあるのが良いのよね」
花陽「うん、わかるわかる！花陽は、あの人からは少年のような瑞々しさを感じるかな」
真姫(まぁ、若い頃見た目が美男子チックだったのもあるかもしれないけど…)
花陽「でも、2016年に亡くなっちゃったけどね」
凛「！…そうだったんだ…」
真姫「長い間闘病生活を送っていたみたいね」 キャラねじ曲げてまで自己顕示欲満たしたいのかこのキチガイは 凛「とにかく、ラヴェルはパスカル・ロジェの録音、ピアノ協奏曲はゾルタン・コチシュの録音が良いってことかにゃ？」
真姫「…待って…。せっかくならバーンスタインの演奏も聞いてみてほしいわね…」
凛「バーンスタイン…？指揮者の？」
真姫「そう。ラヴェルのピアノ協奏曲を弾き振りしててね、あの曲はバーンスタインの十八番なのよ」
真姫「それでね！あの人、冒頭のグリッサンドをわざと調子っ外れに弾いてるのよ！それが何か堪らなく良い味出していてすごいの！」
凛「へ、へぇ〜…」
真姫「他にもね、バーンスタインのラプソディーインブルーはスゴいイカしてるのよ…！あれは優等生的な演奏をするピアニストには無理ね……
バーンスタインは元々バリバリの作曲家だから演出の視野が広いのかしらね…。あ！あと、あの人の作曲の曲もまたとにかく凄くアメリカンでイカしてるのよね。
そういえばこんな逸話があってね。タングルウッド音楽祭っていう音楽祭でバーンスタインが自作の曲でセレナーデっていう曲の指揮をしたんだけど…その曲がまたカッコ良くって…！
…それでね！演奏中に五嶋みどりっていうヴァイオリニストが途中でヴァイオリンの弦を切ってしまって…」
凛(も、もういいにゃ〜！)
おわり たまに濃いクラシックネタで立ててるよな
俺は好きだから続けてくれ
次はマーラーで頼む 絵里ならバレエやってたしクラシックにも関心ありそうだからわかるけど
なんで凛？ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
