海未(今日は私の誕生日です!)
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海未(昨日は興奮して眠れませんでした……)
海未(誰かからのメッセージは……来てないですね。みなさん直接伝えたいのでしょうか、律儀なのですから)
海未(おっと、早く行かないとことりを待たせてしまいます。準備しないと……) 海未「ことり、おはようございます」
ことり「おはよう海未ちゃん」
海未「……」
ことり「……」
海未(……あれ?朝一番には言わないのでしょうか……)
海未「ほ、穂乃果は?」
ことり「まだだよ。迎えにいこっか」 穂乃果「おまたせ〜!」
海未「もうっ、また寝坊ですか?」
穂乃果「朝ごはん食べてただけだよー」
穂乃果「……」
海未「…………」
海未(……アレッ?)
海未(……ああ、そういうことですね。今年はみんな揃ってから祝ってくれるのですね)
海未(今年からは9人みんなで騒がしいでしょうね……うふふ) ことり「1限目の数学って課題あったよね?」
穂乃果「あっ!!!」
ことり「……忘れてたの?」
穂乃果「海未ちゃんおねがい〜!!」
海未「なっ……あなたは今日という日まで私に縋って……」ハッ
海未(そういえば昔誰かが言っていました。誕生日は日頃お世話になっている方々にお返しをする日だと)
海未(穂乃果にはなんだかんだ言ってもお世話になっていますからね)
海未「はい。構いませんよ」
穂乃果「えっ!?ホントに!?ラッキー」
ことり「いいんだ……」
海未「うふふ……」 海未(いつも通りの教室ですね……)
海未(みんながみんな祝ってくれるとは思っていませんが……誕生日も教えていないですし)
海未「……あれ?」ガサガサ
海未「ないっ!?」
海未(古文の教科書が……そういえば昨日復習のために出しっぱなしだったような……)
キーンコーン
海未(!!気づくのが遅すぎました……!)
海未(穂乃果とことりの席は遠いですし……)
海未「…………」
海未(隣の人は全然話したことない人です……)
「それじゃあ次の本文から園田さん読んでみて」
海未「えっ!?あ、そ、……」
海未「すみません、先生……教科書を忘れました」
「ハァ……そういうことは授業が始まる前に言ってください」
クスクス
海未「っ…………」 海未(あ〜っ!!もう苛々します!!)
海未(どうして誕生日なのにこんな仕打ち……みなさんも笑わなくていいじゃないですか!!)
ことり「あ、保健委員の集まりがあるから食べちゃってていいよ」
穂乃果「わかったよ」
ヒデコ「あれ?今日ことりちゃんいないの?こっち混ざりなよ」
穂乃果「ありがとうヒデコ!」
海未「……」
海未(ヒデコたちは穂乃果の友達ですが、私とはそれほど仲良くありません)
海未(はっきり言ってそりが合わないでしょう)
海未「……すみません、私も弓道部に行かないといけませんから」
穂乃果「あ、そうなんだ。いってらっしゃーい」
海未(弓道部でなんて一度も食べたことないですけどね) 海未「はぁ……」ガチャ
にこ「!!!」ビクッ
海未「にこ、居たのですね」
にこ「居て悪い?私が部長よ」
海未「いつも昼休みにパソコン触っているのですか?怒られますよ」カパッ
にこ「怒られないわよ……ってあんたなにやってんの!!」
海未「え?昼食ですが」
にこ「部室は飲食厳禁!!」
海未「いつもお菓子バリバリ食べてるじゃないですか」
にこ「あれはニオイしないからでしょうが!!弁当はニオイキツいでしょ!!」
海未「キツくないですよ。あとで消臭剤もあるんですからそこまで敏感にならなくても」
にこ「やめなさいっ……!外で食えっての……!」グググ
海未「どこでご飯を食べようと私の自由です!!」ググ
バキッ
にこ「え?」 海未「あ……」
海未(勢い余った私の肘は、机の上にあった円盤を真っ二つにしていました)
にこ「……それ」
海未「だ、大事なものでしたか?」
にこ「…………」
海未「……こんなところに置いておくのが悪いんじゃないですか。大事なものなら然るべき場所にしまっておくべきです」
にこ カチン
にこ「……出て行きなさいよあんた」ボソ
海未「え?なにか言いました?」
にこ「出ていけっつってんのよこの馬鹿ぁ!!」
海未「…………」
海未「……なんなんですか」 放課後
絵里「みんな揃ったわね。練習始めるわよ」
海未「……」
海未(結局サプライズみたいなものもありませんね……)
海未(部室に入った時点で誕生日の装飾もありませんでしたし……この人たちはいつ祝ってくれるのでしょうか)
絵里「海未ー。遅れてるわ、ちゃんと集中しなさい」
海未「っ……。全然遅れてないじゃないですか、適当言わないでください」ボソ
絵里「……」むっ
絵里「いいえ、隣の凛とだけじゃなく、全体的にみて遅れているわ。あと昨日散々注意した手の形も間違ってる。そもそもあなたのステップは反対側。昨日できたこと全部できなくなってるじゃない」
絵里「集中できてない証拠よ。海未はこのあと個人レッスンね」
海未「……ハァ」 海未「……」タンタンタン
絵里「海未」
海未「……」タンタンタン
絵里「ちょっと海未。無視しないで。なにその顔」
海未「別に……」
絵里「ダンス練習は笑顔で。みんなで決めたことよ。そんなに暗い顔はお客さんにはとても見せられないわ」
海未「……」
絵里「なにかあったんでしょう?」
海未「!!」
絵里「知ってるわ」
海未「絵里、今日私……」
絵里「にこの大事にしてたブルーレイ割ったのでしょう?」 海未「たんじ……え?」
絵里「放課後部室に入ったら、にこが必死に割れたブルーレイを直そうとしてたから何かあったの〜って聞いたら」
絵里「大粒の涙流してわんわん泣き始めたのよ。あのにこが」
絵里「海未が壊したんだ〜って。よほど大切なものだったらしいわね」
海未「あれは……」
絵里「海未、謝らずに出て行ったんでしょう?間違いわ誰にだってあるわ、でも謝らないのは最低なことよ」
海未「ですから、」
絵里「しかも何?にこと険悪になったから部活に真剣になれないって……あなたの蒔いた種じゃない」
海未「…………」
絵里「すぐににこに謝りなさい。さもないと私は海未を友人とは認めないわ」 いつものやつだろ
海未ちゃん好きなら読まん方が安全やぞ コンコン
海未「……にこ」
にこ「帰ったんじゃないの」
海未「これ……」
にこ「はぁ?なにこれ」
海未「3万円ほど、入っています。これで足りなければお小遣いをまた貯めるので」
にこ「……あんたってほんと神経逆撫でしてくるわね」
にこ「あのね、世の中お金でどうにかなるものばかりじゃないのよ」
にこ「お金で買えるものなら私だってこんなに怒らないわ」
にこ「まぁあんたみたいな世間知らずの金持ちお嬢様にはわからないでしょうけどね」
海未「なっ……!?」
絵里「ハイハイハイ!もうこれで仲直り!ね?明日も練習あるんだから早めに仲直りしないと大変でしょう?」
にこ「なんであんたも残ってんのよ……もういい。帰るから最後の人は鍵ちゃんと閉めといてよね」 絵里「はぁ…………」
絵里「どうして海未ってこう……人付き合いが下手なの?穂乃果とことり以外に友達いる?」
海未「……」じわっ
海未「……あ、れ……?」ポロポロ
絵里「…………」
海未「絵里……」ズズッ
絵里「どうしたの」
海未「今日、私……誕生日だったんです……」
絵里「へぇ〜そうだったの。知らなかったわ、初耳」
海未(やっぱり……)ズキ
絵里「で?」
海未「ぇ」 海未「で、って……え………………と」
海未「……なんでも、ありません…………」
絵里「そうなの。まさか自分の誕生日なのに全然特別でもなんでもなかったから今日みたいに不貞腐れてたり、にこと喧嘩したりしてたなんて言い出してたらさすがに幼稚すぎて何も言えなくなるところだったわ(笑)」
海未「は、……はは……」ポロポロ
海未「!!!」ダッ
絵里「ちょっと鍵……ハァ……」
海未「う、うぅっ……ぅあぁぁぁ…………」ポロポロ
こうして今年のうみちゃんの誕生日は終わりを告げた
おしまい 死んだりμ'sやめたりのオチが多い中で不幸な一日だったというだけのオチは正直好み 1日で終わる不幸だからまだ傷は浅いな
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