0001名無しで叶える物語(アメリカ合衆国)
2019/02/28(木) 22:54:13.80ID:mQCg40b0先発津島が大量失点、打線も勢いを見せず惨敗だった
アリーナに響くリトルデーモンのため息、どこからか聞こえる「センターは１００年後だな」の声
無言で帰り始めるAqoursメンバーの中、昨年の2位小林は独り楽屋で泣いていた
ドーム公演で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より悲願のセンターポジション・・・
それを今のAqoursで得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいきゃん・・・」小林は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、小林ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、薄い胸の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってきゃんヨハSSを書かなくちゃな」小林は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、小林はふと気付いた
「あれ・・・？お客さんがいる・・・？」
楽屋から飛び出した小林が目にしたのは、スタンド席まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどに白のラブライブレードが振られ、地鳴りのようにヨハネコールが響いていた
どういうことか分からずに呆然とする小林の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「あいきゃん、リハーサルだ、早く行こう」声の方に振り返った小林は目を疑った
「あ・・・あいあい？」 「なんだ小林、居眠りでもしてたのか？w」
「あ・・・逢田さん？」 「なんだ小林、かってに梨子ちゃんを引退させやがって」
「あんちゃん・・・」 小林は半分パニックになりながらスクリーンを見上げた
１位：津島善子 ２位：国木田花丸 ３位：黒澤ルビィ ４位：小原鞠莉 ５位：黒澤ダイヤ ６位：桜内梨子 ７位：渡辺曜 ８位：高海千歌 ９位：松浦果南
暫時、唖然としていた小林だったが、全てを理解した時、もはや彼女の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ！」
きんちゃんからマイクを受け取り、ステージへ全力疾走する小林、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、ヨハネ部屋で冷たくなっている小林が発見され、酒井と花田は病院内で静かに息を引き取った
