矢澤は激怒した。
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必ず、かの無駄に胸のデカい関西弁女を懲らしめなければならぬと決意した。
矢澤には巨乳の気持ちがわからぬ。矢澤は、スレンダーである。
笑顔をふりまき、スクールアイドルに熱中して暮して来た。けれども胸の大小に対しては人一倍に敏感であった。
きょう未明矢澤は自宅を出発し、野を越え山を越え、遠く離れた此の音ノ木坂学院にやって来た。 矢澤には竹馬の友があった。エリヌンティウスである。
今は此の音ノ木坂学院で、生徒会長をしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。
久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。歩いているうちに矢澤は、学院の様子を怪しく思った。
ひっそりしている。
もう既に日も落ちて、学院の暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、放課後のせいばかりでは無く、学院全体が、やけに寂しい。
のんきな矢澤も、だんだん不安になって来た。 廊下で逢った後輩をつかまえて、何かあったのか、まえに此の学院に来たときは、賑やかであった筈だが、と質問した。
後輩は、首を振って答えなかった。
しばらく歩いて理事長に逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。理事長は答えなかった。
矢澤は両手で理事長のからだをゆすぶって質問を重ねた。
理事長は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。 「東條は、人の胸を揉みます。」
「なぜ揉むのだ。」
「そこに胸があるから、というのですが、誰もそんな、理由で納得は出来ませぬ。」
「たくさんの胸を揉んだのか。」
「はい、はじめは凛ちゃんを。それから、海未さんを。それから、リリホワだけでは飽き足らず、穂乃果さんを。それから、ことりを。それから、花陽さんを。それから、真姫さんを。」
「おどろいた。東條は乱心か。」
「いいえ、乱心ではございませぬ。揉みたいから揉む、というのです。このごろは、御命令を拒めば背後から襲われて、むりやり揉まれます。きょうは、六人揉まれました。」
聞いて、矢澤は激怒した。
「呆れた女だ。許して置けぬ。」
終わり。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています