────というと?


酒井「ラブライブの伝統というものが、ファン共通のものと認識していたのかもしてません。嬉しいことに、僕の考える『ラブライブ!サンシャイン!!』に多くの方が共感していただける一方で、受け入れられない部分も滲み出てしまったのかな、と。
僕自身がその事で悩むといった事は無いですが、意外ではありましたね。」


────なるほど。悩む事がない、というのは驚きですね。


酒井「僕はそれでもいいと思ってるので(笑) 万人に受け入れられるものは作れないし、そんな『ベター』な考えでは人の心は掴めない、というのが持論ですね。」


────深いですね。確かに今作では、目を引く演出が多くありました。序盤での曲で心を掴まれたファンは多いようですが、それについては。


酒井「そこは正直手応えを感じています(笑) 良くも悪くも、前作と比べられて見られる中で、どうインパクトを残すか。どう心を掴むかと考えた時に、ライブで観た彼女たちの姿が浮かび上がったんです」


────彼女たち。Aqoursの皆さんですね。


酒井「ええ。心を揺さぶる演出をしたかったので、『じゃあ、彼女たちにそれをやってもらおう(笑)』と。思い付けば後はとんとん拍子でしたね。」