絵里「希…あなたはどこまでなら許してくれる…?」
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希「ちょー、えりちー、寒いやんベランダ閉めてー」
絵里「…」
希「もしもーし!えりちってばー」
ガラガラ
希「もーう、さむいやん。ほら。中入って温まろ?」ウーサムッ
絵里「ねえ希…あなたなら…」
希「ん?」
絵里「いや、」
希「なにかあったん?小難しい顔して」
絵里「そうね…」
絵里「ちょっと話…聞いてもらえる?」
希「うん」
絵里「これはすこし前の話になるんだけど…」
絵里「私がアイドル部に入りたての頃、部室のパソコンをうっかり壊してしまったことがあって。確かブルースクリーンとかいうので」
希「そうなん?(パソコンってうっかりで壊れるもんだったっけ?)」
絵里「そのとき、にこと花陽にこっぴどく怒られたのよ」
希「それは怒るかもしれんね、壊れた程度にもよるけど」
絵里「希でも怒るの…?」
希「んーパソコンってウチはよくわからないんだけど…」
絵里「希でいうところのタロットカードじゃないかしら。希の大切にしているタロットカードを私が目の前でビリビリに破いてしまったとしたら――」
希「怒る!」
絵里「やっぱりそうなのね…」
希「状況にもよるけど故意にされたらそりゃ怒るよ、それが普通じゃない?」
絵里「希は怒ったらどうなるの…?」
希「どうなるって、」
絵里「私と…別れる…?」
希「へ?」 絵里 ウルウル
希「なになに、どうしたん?w」
絵里「どうなのよ!」
希「別れるわけないやんwそんなことでw」
絵里「許してくれるの…?」
希「許すよ許す!タロットカードはウチの大切なアイテムやけど、また買えばいいんだもん」
絵里「そっか…」
希「うんうん♪」
絵里「じゃあ…例えば…」
絵里「例えば私がとんでもない罪を犯してしまったとしたら…」
希「え゙」
絵里「希は……どうする?」
希「またまたいきなりやね…」
希(さっきみたいに半べそかかれても困るしなぁ…)
絵里「実はね穂乃果にも同じことを聞いてみたの」
希「へ〜穂乃果ちゃんなんていってた?」
絵里「穂乃果はこう答えたわ。「流石に罪は償わなきゃいけないよ絵里ちゃん」って」
絵里「穂乃果は私を突き放してきたのよ」
希(突き放したというか普通そう答える気がするけど…)
絵里「ねえ、希ならどうする…?」
希「うーん…」
希「一緒にいてあげる?」
絵里「えっ」ドキッ
希「ありえんことやけど、例ええりちが悪いことしたとして社会から追われる立場になったとしてもウチは一緒にしてあげるよ。えりちの傍にいる」
絵里「でも私は凶悪犯なのよ?指名手配もされてるし、匿うだけでも罪になるかもしれない…」
希「それでも傍にいる!」 絵里「でもでも、もし2人とも捕まったとして、私だけは懲役刑で牢屋に閉じこまれるけど希は匿っただけだからすぐに釈放されるのよ…?」
「そしたらどうなるの?何年も何年もずっとずっと離れ離れなのよ…?」
希「ん〜〜」
絵里 ジーッ
希「そしたらウチも凶悪犯になろっかな…」
絵里「ほんとう?私は人を殺してしまったのよ?誰かの命を奪ってその人の家族を不幸にさせてしまったのよ?凶悪犯ってそういうことなのよ?」
希「あのさえりち、そんなありえないことを深く掘り下げて想像するのって意味あるんかなぁ?えりちはそんな犯罪おかすはずないやん?」
絵里「いいから答えてよ…ありえないことでもいいから…」
希「そうやなぁ。えりちが望むのなら――」
絵里「違うの!私が望んでるとかじゃなくて希がっ!希はどう…動いてくれるの……?」
希「ウチは」
希「ウチは罪もない人を殺して」
希「凶悪犯になる」
絵里「ほんとうに?その家族から一生恨まれることになるのよ?」
希「それでも…他人の幸せより…えりちとの幸せのほうが大切だから…」
絵里「ほんと?ほんとうに…?」
希 コクッ
絵里「嬉しい…」ジワッ
希(結局泣くやつやん…)
絵里「約束ね?絶対だからね?」
希「うん約束…(していいんかな?)」
希「じゃ寒いからそろそろ中に――」
絵里「待って」
絵里「もう1つ――」
希(まだあるん…)
絵里「例えば」 絵里「例えばそう、私が誰かと浮気してしまったとしたら――」
希「ブチギレる」
絵里「それはわかっているわ」
希(じゃ聞かないでほしい…)
絵里「私が聞きたいのはその先」
希「え、まさか許すか許さないかって話…?」
絵里「そう。実はね。同じ質問を海未にしてみたの」
希「色んな人に聞いて回ってるんやね笑」
絵里「海未は「ありえません。そんなことされたら絶縁します」って私を拒絶してきたわ」
希「別に拒絶されたわけじゃないような…」
絵里「いいや海未は私を拒絶したのよ。仮定の話だとしても浮気をする私とは絶縁するってことなんだから…」
希(世間ではありふれた答えやけどね…)
絵里「希はさっき、私が人を殺しても傍にいてくれるって言ってくれた、投獄されたら自分も人を殺すと言ってくれた…」
ギュッ(希の手を握る)
絵里「希は……浮気した私のこと……許してくれる……?」
希「…」
希(えりち…さっきのはえりちのことが好きだから許すことができたんよ…浮気は好きをなかったことにする行為…そういう意味で浮気は殺人より罪が重い…)
希「ウチは」
希「えりちのこと――」
∬cVσ_σv ジーーーー
╭*(๑˘o˘๑)*╮(まったく…)
希「じゃあ…最後にウチのところに戻って来てくれるんなら許そっかなっ」
絵里「許して....くれるのね?」ブワッ
希「ん。ウチの話聞いてた?最後に戻ってきたら、だからね??」
絵里「嬉しいっ...」涙ホロリ 希「いや、えりち?」
ギュウッ〜(希を抱きしめる)
絵里「あったかぁい…」
希「えりちは冷たい…」
絵里「例えば私が海未と浮気をしたとしても――」
希「え゙。(今回のは具体的な相手が出てくるん…)」
絵里「そう、私は希と付き合ってて一緒に暮らしてて…それで結婚の約束もしてるんだけど」
絵里「魔が差したのか、結婚前に海未と一夜を共にしてしまうの…そしてそれがすべて希にバレてしまう…」
希(うわぁ…最悪すぎる…想像するのもイヤやん…)
絵里「それでも許してくれるのよ…ね?」
希(えりちってへんに頑固なとこあるからなぁ…ここはひとまず…)
希「んー許すんじゃないかな〜たぶん」
絵里「え」
絵里「たぶん…?」
希「もういいやーん。中入るよー寒いもん」
絵里「ねえ希。たぶんってどういう――」
希「あ。そうだ。ウチさっき冷凍庫に入ってたえりちのチョコアイス食べちゃったんだけど」
絵里「え、ちょっと!あれ残り1個だったのよ!?」
希「美味しかった〜♪」逃
絵里「ちょっと待ちなさい!ねえ!口の中確認させて!!嘘よね!?食べたら許さないわよ!!」
ガラガラ ピシャ
―――希、あなたは私の好意を受け入れてくれた。
私が何かをお願いすれば、あなたはなんだって受け入れてくれる。
でもそれはいったいどこまで?希はどこまでなら許してくれる…?
わからない…
わからないなら確かめてみるしかないじゃない…
希、あなたがどこまで許してくれるのか――― ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています