千歌「白球を追いかけろ!!」2
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果南「私たちの番は」
千歌「そろそろだよ」
善子(いざ目の前にすると、緊張するわね)
善子(でも、私の真の力をAqoursのみんなに見せつけてやるんだから)
職員「浦の星女学院さん、次どうぞ」
善子「は、はい」
善子(とにかく引き寄せられたくじ――それを引けば間違いなく当たり)ゴソゴソ
善子(経験上、そろそろ幸運が訪れるはず!)
善子「これだ!」バッ 『浦の星女学院――17番』
ルビィ「あっ」
千歌「これは」
梨子「UTXね、相手」
ダイヤ「UTX、説明するまでもなく、超名門校です」
鞠莉「そうよね」
ダイヤ「音ノ木坂のライバル、ここ最近はやや低迷していますが、それでも毎年全国ベスト8以上には入ってくる実力の持ち主です」
果南「しかもこれ、勝ち進んだら準決勝で音ノ木坂、ヤバくない?」
鞠莉「あとの2試合も聞いた事のある高校がうじゃうじゃと……明らかに厳しい山に入ったわね」 善子「え、えっと」
ダイヤ「善子さん……」ジト
善子「ちょ、ちょっと、そんな目で見ないでよ」
花丸「ああもう、善子ちゃんの馬鹿!」
花丸「あの自信は何だったのさ!」
善子「し、知らないわよ」
千歌(ごめん、善子ちゃん……)
千歌(もっと早く気づけばよかった……) 梨子「ま、まあ、強い相手と当たる方が燃えるよね、曜ちゃん」
曜「ふぇ」
梨子「曜ちゃん」
曜「うん、そうだね……」
千歌(曜ちゃん、ちょっと元気ない?)
千歌(県大会の炎上を引きずってるのかな)
曜「ふわぁ」
千歌(いや、寝不足なだけか) 花丸「どうしよう、これで初戦敗退なんてしたら――」
ルビィ「大丈夫だよ」
花丸「へっ」
ルビィ「ルビィたちは負けない。絶対に最後まで勝ち進める」
花丸「ルビィちゃん……」
ダイヤ「……そうですね」
鞠莉「ここまで来たら相手なんて関係ない」
果南「どんな敵でも倒して、勝ち進んでいくだけ」
ダイヤ「宿舎に帰ったら早速作戦会議にしましょう」
千歌「そうですね」 ちょっとトラブルで投稿が遅くなりましたが、掲示板が復活しててよかったです
頑張って書きますが、完結年明けになるかもです 音ノ木とUTXは地区が違うのか 高校野球で言うと東東京と西東京で分かれてる感じか ―宿舎―
ダイヤ「さて、初戦のUTXのデータですが」
ダイヤ「東京は出場校数の関係で2枠に分かれているので、音ノ木坂とは別ブロックの代表です」
ダイヤ「今年のUTXは打撃のチーム」
ダイヤ「近年は有望な選手を音ノ木坂に奪われ続ける中、優秀な指導体制を生かし、圧倒的に爆発力のある打線を作り上げました」
ダイヤ「その中心は3番セカンドの田山選手」
ダイヤ「板本さんに近い打力に、盗塁成功率が100%近い俊足の持ち主」
ダイヤ「4番レフトの馬連さんは、男子のスラッガー顔負けの飛距離を持ちます」
ダイヤ「他にも、赤木さん、河端さん、畑山さん、坂田さん、高井さんなど、強力な打力を持った選手が控えています」 ダイヤ「ただし、投手は別です」
ダイヤ「エースはライアンさん。独特なフォームから130近い伸びのある直球を武器にする投手です」
ダイヤ「変化球はカットボールとチェンジアップ、球速差のある後者は特に要注意」
ダイヤ「彼女は怪我が多いことを除けば一流の投手、しかし他に優れた投手はいません」
ダイヤ「つまりライアンさんを降ろしてしまえば圧倒的に有利な状況になる」
ダイヤ「実際、予選では二番手以下の投手が投げた試合、弱小校相手にも大量失点を喫しています」
千歌「それなのに、全国まで勝ち上がってきた」
ダイヤ「そうなのです」 ダイヤ「それだけ、異常な打力」
ダイヤ「地方大会6試合での合計得点は、100点を超えます」
千歌「100っ」
梨子「それは計算ミスとか、競技の間違いとかではなくて」
ダイヤ「紛れもない事実です」
ダイヤ「攻撃力だけをみれば、全国でも最強のチーム」
ダイヤ「その分、失点も50を超えていますが……」
ダイヤ「例え曜さんや梨子さんでも、彼女たちを完璧に抑えるのは難しい」
ダイヤ「試合は、いかにライアンさんを攻略して点を取るかがカギになります」 ダイヤ「まず決めなければならないのは、先発投手ですね」
鞠莉「優勝までの試合数は5」
果南「詰まっている日程を考えると、やっぱり先発は交互かな」
梨子「普通に考えれば、曜ちゃんの先発の方が多めですよね」
千歌「つまり、曜ちゃんが1.3.5戦目、梨子ちゃんがが2.4戦目の先発?」
ダイヤ「しかし、対戦相手も考えなければなりません」
ダイヤ「トーナメントで最も強力、対策が必要な相手は準決勝の音ノ木坂、決勝の聖泉女子です」
千歌「そうですね」 ダイヤ「そして音ノ木坂はやや速球に弱く、聖泉女子は変化球に弱い」
ダイヤ「つまり音ノ木坂と相性がいいのは曜さん、聖泉女子は梨子さんです」
ダイヤ「そう考えれば、2、4が曜さん、1,3,5が梨子さんの方が無難でしょう」
ダイヤ「イニングなどは、継投で調整をすればいいですから」
果南「なるほどね」
鞠莉「確かにそれが無難かもしれないわ」
鞠莉「回復してきているとはいえ、体力的に消耗が激しい曜が初戦は少し心配でもあったから」 千歌「でも……」
ダイヤ「なにか問題でも?」
千歌「その、梨子ちゃんが音ノ木坂戦で先発しないのは」
梨子「千歌ちゃん」
千歌「梨子ちゃん――」
梨子「勝つためよ」
梨子「気持ちは嬉しいけど、私たちは勝たなきゃいけないの」 梨子「何のための全国大会か、思い出して」
梨子「ここで勝利して、全国に浦の星の名前を轟かせ、廃校から学校を救う」
梨子「転校生の私でも覚えてるそれを、あなたが忘れちゃ駄目」
千歌(梨子ちゃん……)
ダイヤ「それに、梨子さんが中継ぎで投げる可能性は高い」
ダイヤ「リベンジの機会は、十分にあるはずです」
千歌「……そうだね」
千歌「感情や私情を挟んじゃいけないよね、主将の私は特に」 ダイヤ「それとやはり打順です」
ダイヤ「全国で勝つために、最善の打順を組む必要があります」
千歌「最善?」
ダイヤ「ええ」
ダイヤ「もちろん、今までのままでも十分でしょう」
ダイヤ「しかし1か所、歪な部分があります」
曜「それは?」 ダイヤ「ルビィ」
ルビィ「ピギッ!?」
ダイヤ「私はあなたを上位に配置するべきだと考えています」
千歌「ルビィちゃんを?」
ダイヤ「スタッツを考えれば、9番はおかしいでしょう」
ダイヤ「チームで曜さんに次いで打率、出塁率が高いというのに」
ルビィ「そ、それは」 千歌「でもやっぱり、メンタル面を考えると」
ダイヤ「改善はされたはずです」
ダイヤ「今のルビィなら、問題なく上位打線を打てるでしょ」
鞠莉「そうね、理想は1番とか」
ルビィ「1番打者……」
ルビィ(プレイボールのコール、サイレンの音、集まる注目――)
ルビィ「む、無理、無理だよぉ」
ルビィ「ルビィには無理!」ダッ 善子「あっ」
花丸「ルビィちゃん!」
善子「花丸、追いかけなさいよ」
花丸「う、うん――」
ダイヤ「花丸さん、待ってください」
花丸「ダイヤさん?」
ダイヤ「私が行きます」
花丸「でも」
ダイヤ「千歌さんを中心に、話し合いを進めておいてください」 ―グラウンド―
ダイヤ「さて、ルビィは」
ルビィ「……」
ダイヤ(あそこですか)
ダイヤ「ルビィ」
ルビィ「お姉ちゃん……」
ダイヤ「探しましたよ」 ダイヤ「やはり、上位打線を打つのは嫌ですか」
ルビィ「……うん」
ダイヤ「私は贔屓目抜きに、今の貴女なら問題ないと思っています」
ダイヤ「声をかけられただけで逃げ出し、試合前に気絶して」
ダイヤ「貴女はもう、そんな弱いルビィだった頃とは違うでしょう」
ルビィ「そんなこと、ないよ」
ルビィ「今のルビィが頑張れているのは、お姉ちゃんや花丸ちゃん、Aqoursのみんなが支えてくれるから」
ルビィ「本当はまだ何も変わっていない、弱いルビィのまま」 ダイヤ「そんなことはありません」
ダイヤ「今までの試合、抽選会のくじの後」
ダイヤ「誰よりも早く、力強く、前を向いていたのはルビィです」
ダイヤ「今のルビィは、このチームの誰よりも強い心を持っている」
ルビィ「違う、違うよ。ルビィは、そんな――」
ダイヤ「立派になりましたね」
ダイヤ「ただ幼く、可愛らしかったのに、本当にたくましくなりました」ギュッ
ルビィ「お姉ちゃん……」
ダイヤ「大丈夫ですよ。ルビィならきっと」
ルビィ「…………」 ―全国大会1回戦当日ー
千歌「提出するオーダーは、これでいいかな」
1:ニ・ルビィ
2:中・善子
3:遊・曜
4:三・果南
5:右・鞠莉
6:捕・千歌
7:投・梨子
8:左・ダイヤ
9:一・花丸 花丸「ルビィちゃんが、1番」
善子「本当に変わったのね」
ルビィ「うん」
花丸「ルビィちゃん」
ルビィ「花丸ちゃん?」
花丸「頑張ってね」
花丸「ルビィちゃんなら絶対に大丈夫」
花丸「誰よりも近くで一緒に野球をしてきたマルが言うんだから、間違いないよ」
ルビィ「うん、ありがとう!」 〔第10回全国女子高等学校野球選手権 1回戦〕
【浦の星女学院『Aqours』VS UTX学院『A−RISE』】
先発メンバー
Aqours
1:ニ・ルビィ
2:中・善子
3:遊・曜
4:三・果南
5:右・鞠莉
6:捕・千歌
7:投・梨子
8:左・ダイヤ
9:一・花丸
A-RISE
1:一・板口
2:中・赤木
3:二・田山
4:左・馬連
5:三・河端
6:遊・南浦
7:投・ライアン
8:右・高井
9:捕・村中 【1回表】 Aqours0−0A-RISE
ライアン「――」シュッ
ルビィ(130ぐらいは出てる?)
ルビィ(独特なフォームのせいでタイミングも取りづらい、初見で打つのは辛いかも)
ルビィ「うぅ、緊張する」
善子「ルビィ、大丈夫?」
ルビィ「う、うん」
善子「気楽にね」
ルビィ「ありがと、善子ちゃん」 ルビィ(でも早い段階でこの人をマウンドから降ろす)
ルビィ(その為には打ってプレッシャーをかけないと)
プレイボール!
ルビィ(ひとまず初球は様子をみて)
ストライク!
ルビィ(ストレートかな)
ルビィ(やっぱり基本はストレート中心) ルビィ(そこを狙って――打つ!)
カキーン!
千歌「センター前!」
花丸「ナイスバッティングずら!」
善子「これだと私は送り?」
ダイヤ「A-RISE相手に弱気は禁物です」
善子「ヒッティングね」
ダイヤ「ええ」 『2番センター津島さん』
ストライク!
善子(セットに入ると流石に普通のフォームになるのね)
善子(カットボールは、ひっかけそうで怖い)
ボール!
善子(ストレート)
ボール!
善子(今のがカットかな) ダイヤ(ここで――)スッ
善子(ヒットエンドラン)
善子(ダイヤ、仕掛けるの好きよね)
善子(ランナーがルビィだからここでチェンジアップはない)
善子(当てるだけなら、難しくないはず――)
シュッ
善子(いけ!)キンッ
板口「ほいほい」パシッ
アウト! 善子(ファーストゴロだけどルビィは進塁)
善子(最低限ね、一応)
『3番ショート渡辺さん』
曜(ルビィちゃんと善子ちゃんの1・2番コンビ)
曜(高確率でランナーがいることになるから、こりゃありがたいね)
曜(初球は直球の確率が高い)
曜(とにかく狙い撃ち――)キンッ
ファール! 曜(押された、いい球)
曜(次は)カキン
ファール!
曜(ピンチで投球変わったかな)
千歌「曜ちゃん、押されてるね」
梨子「流石名門校のエースね」
ダイヤ「ライアンさんは精神的に強いタイプ」
ダイヤ「ピンチを背負っても動じないので、打ち崩すのが難しいのです」 曜(1球外すだろうけど、ゾーンに来たら打とう)
曜(ランナー2塁だし、併殺もない――)
シュッ
曜(キタ――ってチェンジアップ!?)キン
田山「よっしゃ!」パシッ――シュッ
アウト!
曜「やられたぁ」
千歌「セカンドゴロかぁ」
ダイヤ「タイミングを外されましたね」
梨子「でも進塁打、ルビィちゃんが3塁には行けたわね」 曜「果南ちゃん、球速差あるから注意ね」
果南「ほいよ」
『4番サード松浦さん』
千歌「だけどカットボールとストレートの組み合わせ」
千歌「どっちも威力があるから、捉えるのが難しいよね」
ダイヤ「そうですね、私たちはしっかり見極めて打たなければ」
梨子「私たちは?」
ダイヤ「関係ない――というか考えずに本能で捌く人もいるでしょう」
カキ――――――ン!
ダイヤ「あの、果南さんのように」 千歌「ホームランだ!」
花丸「果南ちゃんのパワー――未来ずら〜」
曜「ナイスバッティング!」
果南「ありがと」
曜「なに打ったの?」
果南「そりゃ硬式ボールだよ」
曜「そうじゃなくて、球種とか」
果南「うーん、わかんない」 千歌「だけどこれでライアンさんも動揺――」
バッターアウト!
ダイヤ「しませんわね」
花丸「あの鞠莉ちゃんがあっさり三振」
曜「でも2点先制は幸先がいいね!」
曜「このリード、しっかり守っていこう!」
千歌「だね!」 【1回裏】 Aqours2−0A-RISE
梨子「ふぅ」
千歌「緊張してる?」
梨子「それなりにね」
千歌「私はもうドッキドキだよ」
梨子「ふふっ、初めての大舞台だもんね」
千歌「でもね、梨子ちゃんが居れば大丈夫」
千歌「信頼してるよ、私は」
梨子「うん、ありがとう」 『1番ファースト板口さん』
千歌(いつもどおり変化球中心でカウントを稼ごう)
梨子(うん)シュッ
ストライク!
梨子(もう1球)シュッ
ストライク!
千歌(ボールになるカーブ)
ボール 千歌(ピクリとも反応しない)
千歌(流石、打撃が売りのチームのトップバッター)
千歌(でもこれはどうかな)
梨子(フォーク!)シュッ
板口「!」ブン
バッターアウト!
梨子「よしっ!」 千歌「ナイスボール!」
千歌(これならいけそう)
千歌(やっぱり決めに行くフォークはみんな打てない)
バッターアウト!
赤木「くっ」
千歌(この調子でいけばいくら強力打線でも――)
カキ―――――ン! 梨子「!」
千歌「!」
田山「おー、これ完璧」
千歌「ホームラン……」
千歌(低めのいい変化球だったのに、無理やり持っていかれた)
千歌「梨子ちゃん!」
梨子「やられたわね」
千歌「あの人、やっぱり要注意だね」
梨子「今度は抑えるわ、ちゃんと」 【6回表】 Aqours3−3A-RISE
千歌(両投手の踏ん張りも合って、試合は中盤まで予想よりロースコアなゲームに)
千歌(梨子ちゃんは特に頑張っていたけど、前の回に2失点で追いつかれちゃった)
『UTX高校、ピッチャーライアンさんに代わりまして、水張さん』
千歌「あれ、交代?」
果南「みたいだね」 ルビィ「前の回から肩を気にしてたから、そのせいかな」
ダイヤ「元々身体に爆弾を抱えている選手ですから」
ダイヤ「いけるところまでいく、そんな方針だったのでしょう」
千歌「なるほど」
ダイヤ「私たちも次の回で投手交代です」
ダイヤ「3巡目に入って、相手も梨子さんの球に慣れてきましたから」
梨子「分かりました」 曜「よっ」シュッ
善子「……」バンッ
曜「善子ちゃん」
善子「どうしたの」
曜「どうかな、今日の私の球」
善子「特に問題ないけど、気になることでも?」
曜「そういうわけじゃないんだけど……」 善子「前の登板があの炎上した試合だったから、気になってるのかしら」
曜「……うん」
善子「大丈夫よ、あれは完全に疲労のせい」
善子「元気なときは、とんでもない投球をしてたじゃない」
曜「そうかな」
善子「ええ、曜さんなら問題ないわよ」
曜「……うん、ありがとう」
曜(でもやっぱり、不安だ)
曜(まだ時々みる、炎上した時の悪夢)
曜(この試合、抑えられればスッキリするのかな) カキ―――ン!
善子「あっ、マリーが打ったわね」
曜「二塁打、いきなりチャンスだね」
カーン
曜「ありゃ、千歌ちゃん内野フライ」
善子「あの投手もストレートは結構良さそうね」
曜「プレッシャーだね、同点のままだと」
善子「……らしくないわね、本当に」 『7番ピッチャー桜内さん』
梨子(水張さんは基本的に直球が中心)
梨子(でもライアンさんに比べるとその直球でもやや劣る)
梨子(ここで点を取れれば、この後曜ちゃんが投げることを考えればかなり勝ちに近づける)
梨子(ストレートに絞って、しっかり振り切る!)
カキーン!
千歌「レフト前!」
ルビィ「でもレフトの馬連さんは強肩だから――」
むつ「鞠莉さんストップ! ストップ!」
鞠莉(いや、行けるでしょ!)ダッ
ダイヤ(すがすがしいまでのコーチャー無視、まったく鞠莉さんは)
南浦「馬連! ホーム!」
馬連「OK!」ビュッ 千歌「凄い返球!」
ルビィ「でもこれ――」
村中「おわっ」
水張「なっ」
鞠莉「ラッキー♪」
曜「おー、カバーのさらに上を超える飛んでも悪送球」
善子「タイミングはアウトだったのに、ついてたわね」
曜「だね、打った梨子ちゃんもサードまで行けたし」 赤木「馬連!」
馬連「ソーリーソーリー」
『8番レフト黒澤ダイヤさん』
ダイヤ(ここは確実に加点を――)
カキン!
千歌「叩きつけた!」
鞠莉「これでもう1点ね」
田山「ちぇっ」パシッ――シュッ
アウト! 果南「ナイスダイヤ、上手いね」
ダイヤ「得意分野ですから。あまり誇れることではありませんが」
鞠莉「自信を持っていいと思うわよ、私は」
鞠莉「ダイヤのバットコントロールは、このチームはもちろん、全国レベルで見ても稀有なものよ」
ダイヤ「鞠莉さん……」
バッターアウト!
花丸「ずらぁ……」
善子「さて、行きましょうか」
曜「だね」
曜(2点差、これなら多少気軽に投げられる)
曜(とにかく、頑張らないと) 【7回裏】 Aqours6−3A-RISE
曜「……」シュッ
善子「ナイスボール!」バシッ
善子(本人の反応的に不安だったけど、6回は普通に3者凡退)
善子(それどころか3者三振、むしろ調子はいいぐらい)
善子(さっきの打席も、タイムリーツーベースを打ってたし、少なくとも身体は問題なさそうね)
善子(この回の先頭も――)
バッターアウト! 曜「ふぅ」
曜(いざマウンドに立つと、案外何とかなるもんだね)
曜(心配は杞憂だったかな)
『1番ファースト板口さん』
曜(この調子で、ちゃちゃっと最後まで――)シュッ
ボール
曜(あれ)
ボール ボール
善子(曜さん?)
曜(変だな)
ボールフォア! 善子「曜さん!」
曜「善子ちゃん」
善子「大丈夫? どこか怪我とか」
曜「それは平気」
曜「なんかね、一瞬変な状態に入っちゃったみたい」
善子「変な状態?」
曜「とりあえず――ちょっと気分転換に」ギュー
善子「な、なによ急に抱きついて」
曜「へへっ、堕天使パワーいただきだよ!」
善子「……そんな馬鹿をやる余裕があるなら問題なさそうね」
善子「ここからはしっかり抑えるわよ」
曜「了解であります!」 『3番セカンド田山さん』
善子(……曜さん、少し震えてた)
善子(本人に自覚があるのかないのか、どちらにしても心配――)バシッ
ストライク!
田山「うおっ」
善子(くっ)ビリビリ
善子(凄い球――とりあえず球の勢いは戻ったわね) 曜「らっ」シュッ
ストライク!
田山「す、すげぇ」
田山(こんなストレート、初めて見た)
田山(って感心してる場合じゃなくて――)
曜「ヨ―ソロー!」シュッ
田山「!」ブン
バッターアウト! 曜「ふぅ」
善子(これなら大丈夫ね)
善子(多少違和感はあっても、ひとまずこの試合は乗り切れそう)
『4番レフト馬連さん』
曜(ボールがいい感じに指にかかってる)
曜(このボールなら、打たれることは)シュッ
カキ―――――――ン!
曜「!」
善子「!」
馬連「!?」 梨子「えっ」
鞠莉「同点スリーランホームラン……」
善子「う、嘘」
馬連「ラッキーラッキー」
馬連(アバウトに振ったら完璧に当たったね)
善子(ボール自体はよかった)
善子(偶然衝突しただけ、だとは思うけど――) 曜「……」ボーゼン
善子(どうしよう)
善子(声を掛けなきゃいけないけど、なんて言えば)
『5番サード河端さん』
ボール ボール ボール
善子「曜さん……」
曜(…………)
ボールフォア!
『6番ショート南浦さん』
曜「くそっ」シュッ
ボールフォア! 善子「た、タイムを」
善子「曜さん」
曜「ごめん、ちょっとコントロールできない」
千歌「どこか痛めた?」
曜「……分からない」
曜「ダイヤさん、次の回で投手交代してもいいですか」
曜「この回は何とか投げ切るんで」
ダイヤ「分かりました」 ダイヤ「しかし、どうしようもなさそうだったら無理なく言ってください」
ダイヤ「7回で同点、早めに処置をしないと取り返しがつかなくなりかねません」
曜「はい」
ルビィ「球自体は悪くないはずだから大丈夫だよ――ねっ、善子ちゃん」
善子「ええ」
ダイヤ「そうですね、打線は下位、頑張って切り抜けましょう」
『バッター水張さんに代わりまして、畑山さん』
畑山「しっ」 善子(代打、打撃はいい人だっけ)
善子(だけど普段の曜さんの球なら平気――なはずなんだけど)
ボール ボール
善子(どんなに威力のあるボールでも、ストライクが入らなきゃどうしようもない)
善子(だからといって、強力な打線相手に置きに行くのは怖すぎる)
ボール
善子(1球、1球でいいからストライクが入れば――)
ボールフォア! 善子(またストレートのフォアボール……)
曜(……どうしたもんかな、これ)
『8番ライト高井さん』
ボール
善子(あぁ)
曜(……緊急降板でまた迷惑をかけそうだな)シュッ
善子(ああ、やっぱり酷いボール)
ストライク!
善子「えっ」
曜(今のを振った?) 曜(助かったけど、まだ1−1)シュッ
善子(またはっきりとしたボール球――)
キン――ファール!
曜(これは)シュッ
善子「っと」パシッ
ボール
曜(ワンバウンドしたボールは流石に振らない)
曜(だけど――)シュッ
善子(アウトハイ、どう見てもボール――)
高井「!」ブン
バッターアウト!
曜「た、助かった……」
善子(1球もストライク入ってないのに)
善子(振り回してくれるタイプの選手がいてよかった……) 【9回表】 Aqours6−6A-RISE
千歌(再びマウンドに上がった梨子ちゃん何とか8回は抑えて同点のまま最終回)
千歌(この回先頭のルビィちゃんがヒット、善子ちゃんがデッドボールと、リリーフの岩山さんを攻めてノーアウト1・2塁)
『3番ショート渡辺さん』
千歌「曜ちゃん、頼むよ!」
曜「うん!」 曜(投げる方は散々だけど、打つ方はいい感じ)
曜(ここで一気に試合を決めたい)
曜(この人は梨子ちゃんと同じ、フォークボールを投げる貴重な選手)
曜(それで苦戦するチームが多いけど、私たちは日ごろから梨子ちゃんの球を見て慣れてるから打ちやすい!)
カキ――――ン!
千歌「右中間破った!」
ルビィ「勝ち越し!」
善子「もう1点!」 梨子「タイムリーツーベース!」
千歌「曜ちゃんさっすが!」
曜「……」グッ
曜(これで乱調の分を少しは取り戻せたかな)
曜(これで最終回、守り切れれば勝てる)
田山「曜先輩」
曜「んっ?」
田山「まだ終わらせませんよ、この試合は」
曜(いい表情)
曜(これはまだ、気が抜けないね) 【9回裏】 Aqours9−6A-RISE
千歌(果南ちゃんの進塁打と鞠莉ちゃんの犠飛でもう1点追加して裏の守り)
千歌(何とかツーアウトは取ったけど、1点を取られて9−7、なおも満塁)
千歌(ここでバッターは――)
『3番セカンド田山さん』
果南「難しい状況だね」
ルビィ「うん」
曜「安易な勝負をするより、厳しく攻めて、最悪馬連さん勝負でもいいかもしれない」
果南「梨子は今日、馬連さんを完璧に抑え込んでいるから」 歌「梨子ちゃんはどう思う」
梨子「確かに、無理にカウントを取りに行くぐらいならその方がいいかもしれない」
梨子「でもそんな弱気だと、きっと足元をすくわれる」
梨子「田山さんで終わらせる、私はそのつもりで投げたい」
曜「まあ、そうだよね」
果南「私もその方が好きかな」
千歌「よし、決まりだね」
千歌「ここで試合を終わらせるよ!」
内野陣「「「「「おー!」」」」」 田山「……」
千歌(狙いはきっと変化球)
梨子(初球はストレートで勝負)シュッ
ストライク!
千歌「よしっ」
千歌(次はストライクからボールになるカーブ)
ボール!
梨子(集中してるわね) 千歌(次の球、ストライクが欲しい――)
梨子(フォーク、ストライクゾーンに)
千歌(立波さんに打たれた記憶はある)
千歌(でもしっかり狙いをつけられていなかったら、簡単には打たれないはずだよ)
シュッ
田山(フォーク!?)キンッ
ファール! 千歌(次もフォーク? いやたぶん読まれてる)
千歌(このカウントだと余裕があるから、それでもいいけど――)
梨子「えっ」
梨子(ちょっと待って、それは1番危ない)フルフル
千歌(大丈夫、私を信じて)
千歌(今の梨子ちゃんなら大丈夫だよ)スッ
梨子(……分かった、信じるわ)コクッ 梨子(思い切り腕を振って、高めに――ストレート!)シュッ
田山「っ」キンッ
果南「打ち上げた」
曜「キャッチャー――千歌ちゃん!」
千歌「オーライ!」
千歌(落ち着いて、ちゃんと練習通り捕球)
パシッ
アウト!
【試合終了】 Aqours9−7A-RISE >>378
7回表の攻撃は1番ルビィから始まるので3番曜に間違いなく回ります。そこで更に1点追加したということでは? 一回戦突破!決勝まであと4試合、どんな相手チームと当たるのか楽しみにしています。 ☆★☆【神よこの者たちはもはや人間ではない悪魔であるこのような悪魔どもを一匹残らず殺してくださいお願いします】★☆★
《超悪質!盗聴盗撮・つきまとい嫌がらせ犯罪首謀者 死ねっ!! 悪魔どもっ!!》
●井口・千明の連絡先:東京都葛飾区青戸6−23−16
●宇野壽倫の連絡先:東京都葛飾区青戸6−23−21ハイツニュー青戸202
【告発者の名前と住所】
◎若林豆腐店店主(東京都葛飾区青戸2−9−14)の告発
◎肉の津南青戸店店主(東京都葛飾区青戸6−35ー2)の告発
「宇野壽倫の嫌がらせがあまりにもしつこいので盗聴盗撮・嫌がらせつきまとい犯罪者の実名と住所を公開します」
【超悪質!盗聴盗撮・嫌がらせつきまとい犯罪者の実名と住所 死ねっ!! 悪魔どもっ!!】
@宇野壽倫(東京都葛飾区青戸6−23−21ハイツニュー青戸202)
※宇野壽倫は過去に生活保護を不正に受給していた犯罪者です/どんどん警察や役所に通報・密告してやってください
A色川高志(東京都葛飾区青戸6−23−21ハイツニュー青戸103)
※色川高志は現在まさに、生活保護を不正に受給している犯罪者です/どんどん警察や役所に通報・密告してやってください
【通報先】
◎葛飾区福祉事務所(西生活課)
〒124−8555
東京都葛飾区立石5−13−1
рO3−3695−1111
B清水(東京都葛飾区青戸6−23−19)
※低学歴脱糞老女:清水婆婆 ☆☆低学歴脱糞老女・清水婆婆は高学歴家系を一方的に憎悪している☆☆
清水婆婆はコンプレックスの塊でとにかく底意地が悪い/醜悪な形相で嫌がらせを楽しんでいるまさに悪魔のような老婆である
C高添・沼田(東京都葛飾区青戸6−26−6)
※犯罪首謀者井口・千明の子分/いつも逆らえずに言いなりになっている金魚のフン/親子孫一族そろって低能
D高橋(東京都葛飾区青戸6−23−23)
E長木義明(東京都葛飾区青戸6−23−20)
F井口・千明(東京都葛飾区青戸6−23−16)
※盗聴盗撮・嫌がらせつきまとい犯罪者のリーダー的存在/犯罪組織の一員で様々な犯罪行為に手を染めている 更新滞っていて申し訳ないです
ちょっと年始から忙しく、しばらく書けていない感じです
今月の10日ごろには再開できるはずなので、それまで保守をしていただけるとありがたいです ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています