海未「……朝ですか……」
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海未「…………」ムク
ザーザー
海未「…………」
海未「…………」ブルッ
モゾモゾ
海未「はあああ〜っ…お布団は暖かくていいですね…」
海未「…………」ヌクヌク
ザーザー 海未「…………」ヌクヌク
ザーザー
海未「…………」
海未「…………」スヤ…
海未「…………」スースー ガチャ
穂乃果「起きて〜海未ちゃん」
ことり「起きて〜海未ちゃん」
穂乃果「朝だよ〜海未ちゃん」
ことり「朝だよ〜海未ちゃん」
穂乃果「起きて穂乃果たちと踊ろうよ!海未ちゃん」ランラン
ことり「起きてことりたちと踊ろうよ!海未ちゃん」ランラン
ランラン ランラン 海未「…………」ハッ
ザーザー
海未「…………」
海未「…………」スヤ…
海未「…………」スースー 穂乃果「もぐもぐ」
海未「何を食べているのですか?穂乃果」
穂乃果「秋茄子だよ」
海未「へえ、しかしもう冬でしょう」
穂乃果「秋茄子は嫁に食わ茄子!」
海未「ええ、しかしもう冬でしょう」
穂乃果「海未ちゃんもどうぞ秋茄子を食べ茄子って」
海未「これはどうも、しかしもう冬でしょう」
穂乃果「もぐもぐ」
海未「もぐもぐ」 ことり「もぐもぐ」
海未「何を食べているのですか?ことり」
ことり「クリスマス・チキンだよ」
海未「やあ、それはいいですね。もうクリスマスですから」
ことり「でも、お母さんがオーブンでじっくり加熱されちゃったの」
海未「えっ、しかしもうクリスマスですよ」
ことり「そうなんです。ことり、いっぱい食べて大きくなるね」
海未「そうですね、もうクリスマスですから」
ことり「もぐもぐ」
海未「もぐもぐ」 海未「やあ、雪ですね」
雪穂「そうなんだよね」
海未「こんにちは雪穂。ご機嫌いかがですか?」
雪穂「積もるより降るのが好き」
海未「どうして?」
雪穂「踏まれたら痛いもの」
海未「うん、至極もっともですね」
雪穂「それじゃあ私は一寸降ってくるから、私の結晶を二、三つらまえて虫眼鏡で以て良く観察してお呉れ」
海未「わかりました。いってらっしゃい」 海未「…………」ハッ
ザーザー
海未「…………」
海未「…………」スヤ…
海未「…………」スースー もうじき雪が降る雪が降ると思つて居たがどれだけ待つても雪は降らず、窓には雨粒ばかりがへばりついてゐる。
朝になれば空気の幾らか冷えるので雲の内の水分がどうにかして雪の結晶へと様変りしてくれるだろうと期待して床に入つたが、目を覚ましてもその景色の依然変わりないのに一寸暗澹たる気持になつた。
雪が敷かれた道を往くのと雨溜りの道を往くのとでは大きく違う。
いま見上げても月は見えぬ。
彼女たちの顔を思い出して少々寂しくなる。
母上の声を聞いて暖を取る。
ただ人のない布団ばかりがひやりと凍えるようである。
ただ凍えるようにある。
12月20日 雨打つ書斎にて 園田 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています