善子「ふたりのヨハネの日常」
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善子「ふたりのヨハネ」
http://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1516964794/
`¶cリ˘ヮ˚)|「の続きよ! ふたりのその後の日常風景を切り取るわ!」
`¶cリ˘ヮ˚)|「思いつく限りのんびりだらだらやるわよ」 しばらく忙しい日が続きそうで、もう少しお待たせします
すみません… 年末年始だもんね、しゃーないしゃーない
楽しみに待ってる 9日くらいに忙しいのがひと段落しそうなので
そこからまた少しずつですが進めていこうと思っております
もう少しお待ちを 〜バス〜
ブロロロ…
理亞「……」キョロキョロ
ヨハネ「警戒し過ぎよ……」
理亞「誰が見てるか分からない……」
善子「帽子かぶってるんだから大丈夫でしょ」
理亞「何かの拍子で取れたらお笑いにもならないから」
ルビィ「可愛い帽子に猫耳さん♪ 理亞ちゃん可愛いよ〜」ギュウッ
理亞「る、ルビィ……///」
善子「ちょっろ」
ヨハネ「ちょろ」
理亞「そこの双子、うるさい!」
よしヨハ『双子じゃないわよ!』
理亞「ふん」 善子「……でも、大したことないみたいでよかったわ。理亞まで2人になったら大変だったし」
ヨハネ「そうねぇ……特にその理亞が小悪魔全開でAqoursのみんなを誑かしたりしたら」
理亞「な、なに言ってんの!? そんなこと、私はしないし……そもそもしたくない!」
ヨハネ「でも、深層意識はどうか分からないわよ? もしかしたら、何か抑圧された感情が煮えくり返ってるかも」
理亞「そ……そんな、もの……ない」
ルビィ「理亞ちゃん……?」
理亞「ほんとに、本当にない。私は健全」
善子「……でも、なんで猫なのかしら」
理亞「知らない……本当に知らない」
ヨハネ「尻尾はないみたいね」
理亞「し、尻尾まで生えたら……それも困る」
善子「まるで萌えアニメじゃないんだから……変化して猫耳だけ、ってのもおかしい話でしょ」
ヨハネ「そうね。この手の変化系は中途半端に変化することはないはずよ」
ルビィ「耳だけの猫……尻尾の無い猫?」
善子「尾の無い猫……」
みんな『うーん……』 理亞「ねえ、これ本当に消える?」
ヨハネ「それは保証するわ。少し時間はかかるかもしれないけど、必ず消える」
ヨハネ「私が出来るだけ早く消えるように魔力を吸い出してあげるから」
ルビィ「き、きっすはダメですからね!!」
理亞「は、はぁあ!?///」
ヨハネ「しないわよ!?」
ルビィ「それは絶対ダメですからねヨハネさま……!」
ヨハネ「し、しないから……! 触ればそこから吸収できるから……!」
善子「は!? じゃあ私はなんで……」
ヨハネ「効率考えたらそれは粘膜接触になるからであって……」
ルビィ「ヨハネ様!」
ヨハネ「しーなーいーかーらー!」
理亞「……うるさ」 〜淡島ホテル〜
鞠莉「I'm home♪」
千歌「おかえりー」
曜「おかえりなさーい」
ダイヤ「さあどうぞ、入ってくださいな」
聖良「はい。失礼します」
千歌「聖良さん!」
果南「いらっしゃーい」
花丸「お久しぶりです…!」
梨子「ようこそ!」
曜「よーそろ!」
梨子「ちょっと違うよそれ」
曜「あ、ごめん」
聖良「か、歓迎されて……ます?」
千歌「もちろんですよ! さあさあどーぞどーぞ、びっぷ席へ」
聖良「VIP席!?」 千歌「そりゃあもう、わざわざ遠路はるばる来ていただきましたお二人はもうびっぷ待遇でございまして……」
千歌「あれ? 理亞ちゃんがいないね」
聖良「ああ、理亞は……」
聖良「……」
千歌「聖良さん?」
聖良「あ、いえ……理亞は別行動しているだけです。あとでこちらに来ますから」
千歌「そっか!」
聖良「……」
────セラりんは……りあっちのこと、信じてあげていないのね』
聖良「……」
ダイヤ「聖良さん」
聖良「ぁ……は、はい」
ダイヤ「善子さんから連絡がありました。合流して、こちらへ向かっているそうです」
聖良「……そうですか、よかった」 ダイヤ「理亞さんが到着しましたら、お部屋にご案内いたします。鞠莉さんが手配したいいお部屋ですから」
聖良「ありがとうございます鞠莉さん」
鞠莉「No problem! Friendが遊びに来るんだもの、最高のおもてなしをするのが沼津流なの。ね、ちかっち」
千歌「うんうん、そうだよ! 明日のクリスマスイブパーティも最高のパーティにしちゃうよー!」
曜「飾り付けも完璧だしね!」
梨子「ま、まあ……私たちだけでこんなに広い部屋を使わせてもらうのも勿体ない気もするけど……」
鞠莉「いいのいいの♪」
果南「鞠莉は昔から暴れたがるからねー」
鞠莉「あら果南? こっちだって、チキン片手に走り回ってたの覚えてるんだからね」
果南「……私も若かったなぁ」
千歌「え、そんなことしてたの!? 私もやる!明日やろう果南ちゃん!」
果南「えぇっ!? や、やるの……?」 曜「不肖この渡辺曜軍曹も参加いたします!」
千歌「よかろう! 明日は戦争だ!」
曜「チキンは全て我ら松浦軍のものだー!」
果南「私、リーダーにされちゃった……」
梨子「あ……暴れちゃダメだよぉ……」
聖良「ふふっ」
ダイヤ「騒がしいでしょう? すみません」
聖良「いえ、これがAqoursの力の源なんだなと思わされます。私たちSaint Snowにはない……団結の力、友情と呼ぶべきつながり」
聖良「まさにあなたたちの憧れたμ'sのようです」
ダイヤ「……お恥ずかしいですわ。まだまだわたくしたちは、μ'sのようにはなれません。いえ、μ'sのようになろうなどと、おこがましいにも程がありますが」
聖良「ふふ、その姿勢でいるからこそ、あなたたちは強いんだと思います」
ダイヤ「……そうでしょうか」
聖良「見習わせてもらうつもりで、私もはしゃいでみようかな……なんて、うふふ」
ダイヤ「え、はしゃぐんですか?」
聖良「え、はい……少し、やってみようかな、と」
鞠莉「みんな聞いたー? セラりんもチキン戦争に参加したいって〜!」
聖良「え!?」
ダイヤ「ここでそんなことを言うと、こうなりますが……」 千歌「それじゃあ聖良さんも我ら松浦軍に入隊だね!」
聖良「え、えええっ!?」
花丸「待つずら!」
梨子「まるちゃん!?」
花丸「そっちにはもう果南ちゃんがいる……なら、聖良さんまでそっちに行ってしまったら戦力差が歴然としてしまいます! だから聖良さんは、まるたち黒澤組に入門するのがいいと思うずら!」
千歌「く、黒澤組……!」
聖良「えぇぇ……」
ダイヤ「ちょ、ちょっと待ちなさいマルちゃん! なぜわたくしが対抗組織の長みたいな扱いに……というか我が黒澤家はそのような家ではありませーん!」
鞠莉「どうしますか組長! セラりんを取られればウチらは弱体の一途をたどることになっちまいます!」
ダイヤ「鞠莉さんまで乗らないでくれますぅ!?」
聖良「え、ええと……では、私は黒澤組ですか?」
花丸「はい! まると梨子ちゃんとダイヤさん、鞠莉ちゃん、聖良さんで黒澤組ずら!」
千歌「ずるい! 私たちは曜ちゃんと果南ちゃんの3人じゃん!」
鞠莉「そっちには善子とルビィをあげるわ!」
鞠莉「理亞とヨハネはこっちね!」
千歌「戦力差!!!」 花丸「まるたちが確実にちきんをいただきます!」
曜「むむむ……果南元帥、どうしましょう!」
果南「……よし、私が全員叩き潰す」
花丸「ひぃっ……」
梨子「私まで……どうして……」
ガチャッ
善子「ただいまー…………って、何事?」
ヨハネ「?」
ルビィ「?」
千歌「あ、よしコンビ!」
善子「ヨハコンビよ!」 千歌「よしコンビも松浦軍に入隊だよ!」
善子「は?」
鞠莉「ヨハネはこっちだって言ってるのに!」
ヨハネ「はい?」
千歌「善子ちゃんとヨハネちゃんは2人で1人の善子ちゃんだからこっちだよ!」
ヨハネ「……なにこれ?」
曜「ルビィちゃんもこっちね!」
ルビィ「は、はひっ!?」
花丸「理亞ちゃん、聖良さんはこっちだから理亞ちゃんもこっちに来るよね?」
理亞「え、何が?」
花丸「ちきん戦争ずら! 松浦軍と黒澤組の両軍が戦争して勝った方がちきんを独り占めできるのです!」
理亞「えぇ……バカらしい遊び」
花丸「がーん!?」
理亞「ていうか、あなたそんなキャラだっけ……」
花丸「え、いっ……いや、それはその……」
理亞「くだらない」
花丸「うううっ……まるのこころはずたぼろずら……もう輝けない……」orz 聖良「理亞、せっかくみなさんが盛り上げてくれてるのに……」
理亞「今来たばっかりにいきにゃり言われても……」
聖良「……ん? 理亞、いま噛みました?」
理亞「はっ……ぁ、う、うん、噛んだ。噛んだだけだから気にしにゃいで」
聖良「また……」
理亞(あ、あぶっ……気をつけ……な、いと……)
ダイヤ「ともかく、理亞さんも到着したことですし、まずはお部屋へ案内してはいかがです?」
鞠莉「そーね! それじゃあセラりん、りあっち、Come on!」
聖良「いきましょう、理亞」
理亞「……うん」
理亞(帽子で隠してるけど……大丈夫? 耳……)
果南「私たちも一旦解散するよー」
千歌「はーい。今日はお部屋でゆっくり休んでね、聖良さん!理亞ちゃん!」
聖良「ありがとうございます。明日のパーティ、楽しみにしてますね」
ルビィ「ルビィたちは、あとでお部屋に遊びに行くね、理亞ちゃん!」
理亞「う、うん」 〜夜、聖雪ルーム〜
ヨハよしルビ『おじゃましまーす』
理亞「ん」
ルビィ「……聖良さんは?」
理亞「そっちの3年生たちと温泉に行ってる」
ルビィ「そっかぁ……」
善子「それの様子、どう?」
理亞「今は、平気。まだ姉様にもバレてにゃい」
ヨハネ「……でも、時間の問題っぽいわね」
理亞「耳は隠せても……言葉がどうしても隠せないい。時間が経つにつれて、にゃが出てくる」
理亞「……気をつけても、にゃを抑えられなくなってきてる」
ヨハネ「うーん……どうなってるのかしら」
ルビィ「ヨハネ様にもわからないんですか……?」
ヨハネ「あの鏡の効果は、使用者によって変わるから……私にもわからないの」
ルビィ「そんな……」 善子「でも、猫化が進んでるってことよね」
理亞「……私、どうにゃるの?」
ヨハネ「分からない」
理亞「……」
ヨハネ「でも、あの鏡に込められた魔力が切れれば、理亞の変化も消えるはず」
ヨハネ「だからそれまで待つしかないわね」
理亞「待つって……どれくらい待てばいいの? 明日には消える? 元に戻るのはいつ?!」
ルビィ「理亞ちゃん落ち着いて……」
理亞「……ごめん」
善子「理亞……」 ルビィ「もう、みんなに話した方が……」
理亞「そ、それはダメ!」バッ
パサッ
ルビィ「ぅゅ……」
善子「……ぁ、帽子が」
ヨハネ「……」ヒョイ
理亞「……」ピコピコ
理亞「姉様に、心配をさせるのは……ダメ。ただでさえ、姉様は私のことで心配をかけてるから」
善子「……でも、お姉さんの過保護にはあなたもうんざりしてるんじゃ……」
理亞「い、いい。してにゃいから……心配してもらえるのは、嬉しいことだから」
ルビィ「理亞ちゃん……でも、理亞ちゃんはもう一人で大丈夫だよって、思ってほしいんじゃ……」
理亞「っ……ルビィににゃにが分かるの!?」
ルビィ「!」
ヨハネ「ちょっと……」 理亞「私だって……姉様に分かってほしい。一人でもできるって、ひとりでも大丈夫だって……」
理亞「でも、姉様はそれを許してはくれにゃい……頭では分かってるんだと思う。私を独り立ちさせようと促してはくれる」
理亞「けど、言葉の端々から私を心配してる気持ちが見えてくる。今日、ひとりで沼津を歩き回るって言っただけで、すごく心配された」
理亞「迷子ににゃらにゃいか、とか……ひとりで平気か、とか」
理亞「……私だってひとりでできる。姉様に心配されてるばかりの私じゃにゃい……」
ルビィ「……理亞ちゃん」ギュウッ
理亞「……ごめん、ごめん」
善子「大丈夫よ。お姉さんは……まあ、確かに過保護なとこもあるけど、いいお姉さんでしょ?」
理亞「……当たり前。姉様は世界に誇れる最強の姉様にゃから」
ヨハネ「……」
善子「どうしたのヨハネ」
ヨハネ「いや……」
ヨハネ「理亞の猫化が一気に進んだ……ような」
善子「……え?」 ヨハネ「お姉さんの話を始めた途端、急に……じゃない?」
善子「……」
理亞「と、とにかく……そのうちにゃおるにゃら、いい。それまで帽子で隠すだけ」
ルビィ「りあちゃん……」
理亞「特に、姉様にだけは……絶対に見られるのはダメ。また、余計な心配をかけてしまう……」
理亞(そしたら、また……姉様は私を……っ)
ガチャッ
理亞「!!」
聖良「ただいま……ふう、とても広くて素敵な温泉でした。理亞も一緒に行けばよかったのに……」
聖良「…………え?」
理亞「ぁ、あ……っ」ゾッ
善子「ヨハネ、帽子!」
ヨハネ「え、い、いま!?」バッ
理亞「っ……」ギュウッ 聖良「……理亞、今の……って」
理亞「にゃ、にゃんでも……っ……」
聖良「……理亞?」スッ
理亞「や、やめて!」
聖良「理亞……」
理亞「ぁ……ごめ、姉様……っ」
聖良「……」
ルビィ「ぁ、ぁあわわわ……」
善子「あ、あの……お姉さん、今のは……」
聖良「……理亞、その帽子を取ってみせて」
理亞「っ……は」
聖良「大丈夫。私は驚きませんから……」
ヨハネ「お姉さん……」
聖良「ね……理亞、大丈夫です。私はあなたのお姉ちゃんなんですから、怖がらないで」
理亞「は……ァ、はっ……はあ、っ……はあ……っ」
理亞「嫌……っ、……嫌、イヤ……っ!」
聖良「……理亞……!?」 理亞「見せたら、また……姉様に、私は……っ」
聖良「理亞……?」
理亞「来にゃいで、姉様……」
聖良「……理亞」スッ
理亞「来にゃいで……!」バシッ
聖良「……!」
パサッ
ルビィ「あっ……帽子が……」
理亞「……」
聖良「……理亞、その、頭にあるのは」
理亞「は、あ゛っ…………ゔ、ぅ……」ザワザワ
善子「!?」
ヨハネ「なんか、やばいかも……理亞、落ち着きなさい!」ガシッ
理亞「ぅ、るさい……離して!」バッ
ヨハネ「ぐっ……!」
理亞「…………っ」バタリ
ルビィ「よ、ヨハネ様がふき飛ばされて……」
聖良「り、理亞!? 理亞……どうしたんですか!?」ガバッ
聖良「理亞、しっかりして! 起きてください、理亞!」ユサユサ 善子(姉、聖良の伸ばした腕を強く弾いた拍子に帽子が落ちて、猫耳を見られた理亞)
善子(何かを予感したヨハネが駆け寄ろうとし、しかし理亞はヨハネを強く弾き飛ばした)
善子(それと同時に、理亞は意識を失った。荒く息を途切れさせたまま、その場に……)
善子(そして、異変が起こる)
聖良「理亞、りあ…………ひっ!?」バッ
ルビィ「り、理亞ちゃんの髪が……っ」
善子(異変、変化……理亞の二つに結ばれた髪。姉と同じ濃い紫の髪が、すぅ────と)
善子(まるで血の気が引いていくかのように)
善子(まるで、生気が抜けていくかのように────)
ルビィ「真っ白になっちゃった…………っ」
善子(濃い紫から、白銀に)
善子(その髪の、色を変化させた)
善子(そして────)
理亞「……」ガバッ
聖良「!」
ルビィ「理亞ちゃん!」 理亞「……」
善子(弾け飛ぶように起き上がった理亞────その髪は色が完全に抜け落ちて白銀に)
善子(そう、生えていた猫耳も────白銀)
理亞「……ふぅん」
聖良「り、あ……?」
理亞「おはよう、姉様……と呼んだほうがいいのかにゃ?」
理亞「やっと出てこられた。ねえ、同類。さっきはぶっ飛ばして、ごめんにゃ?」
ヨハネ「……やっぱり」
理亞「私があの鏡によって写された心……理亞の心の具現」
理亞「────よろしくにゃ♡」
善子(目の前の状況を理解できずに唖然と、呆然とする、私たちとは裏腹に)
善子(悠然に、泰然に、平然に)
善子(鏡によって生まれた────理亞の心が、顕現した) 明日更新できたらいいなぁ…
無理なら明後日でも…… ・・・
理亞「にゃおん」ジー
聖良「……」
ルビィ「あわわわわ……」
理亞「ふむん」ジロジロ
聖良「な、なんですか……理亞?」
理亞「いや? 姉様、にゃあ……にゃはは、にゃるほど」ニヤニヤ
聖良「……?」
善子「……あんたが、あの鏡で生まれた……?」
理亞「さっきも言ったにゃ? 同じ説明をさせるんじゃにゃい」
善子「……そうよね」
ルビィ「は、わっ……ふぅ」バタリ
聖良「る、ルビィさん!?」ガシッ
ルビィ「ぽへー……」
ヨハネ「ルビィのキャパを超えたわね……」 聖良「……とりあえず、説明してもらえますか理亞。何がどういうわけなのか……私にはまるで理解できません」
理亞「めんどくさい」
聖良「え!?」
理亞「私は理亞じゃにゃい。だから説明はしにゃい」
聖良「り、理亞……」
理亞「にゃおん?」
善子「……」
理亞「にゃに?」
善子「あんたは理亞の、どんな心の具現なの?」
理亞「どんにゃ心、ねぇ」
善子「私のヨハネは、私の……私がもう一人いれば……って気持ちが現れた」
善子「あんたは……なに?」
理亞「────フン」
善子「?」 理亞「誰がオマエらにゃんかに喋るかよ」
善子「……は?」
理亞「理亞のことを少しでも知ってるんにゃら、わかるだろ? そんにゃことを話すわけがにゃい」
理亞「話したところで、理亞が満足するわけじゃにゃい。私が満たされるわけでもにゃい」
理亞「話す意味がにゃいんだから、話す必要性もにゃい。ずっと自分で抱え込むんだ。それがこの鹿角理亞って人間だろう?」
聖良「……」
理亞「分かってるんにゃら大人しくしといた方がいい。私がそのぶん働いてやるだけにゃ」
理亞「だから────」
ヨハネ「だから?」
理亞「私は私の使命を果たすだけだにゃん♡」バッ
聖良「!」
ヨハネ「動かないで!」バッ
善子(理亞が猫のような挙動で姉、聖良へ向かって飛びかかる。しかしその間を割るようにヨハネが飛び入り、理亞の突撃を防いだ)
善子(同時にヨハネは魔法を発動し、理亞を拘束すべく光の縄が彼女へと襲いかかる)
理亞「フン、断る」
善子(理亞はそれを難なく回避。まさしく猫と呼ぶべき軽やかさで一回転すると、ヨハネから2m離れたベッドに着地した) ヨハネ「動くなって……言ってんでしょうが!」
理亞「チィ、めんどくさいにゃ……!」
善子(続けてヨハネが光の縄を理亞へと差しむける。しかし理亞の動きは素早く、猫のようにしなやか)
善子(無数の縄は、しかし理亞を捉えることは叶わない────)
理亞「邪魔をするのか、同類」
ヨハネ「あんたが説明しないからでしょう?」
理亞「……理亞がオマエらには知られたくにゃい、って言ってるんだけどにゃあ」
聖良「り、りあ……何を、何をするつもりなんですか……?」
理亞「……フン」
理亞「サクっと終わらせたかったんだが……仕方にゃい。また遊びに来てやるから、それまで待ってろよ」
理亞「────姉様♡」ピョン
聖良「あっ!」
ヨハネ「待っ……」
理亞「じゃあにゃ!」ピョン
バッ
聖良「理亞、りあッ……」
聖良「理亞────!!!」
善子(理亞は、不敵に微笑み────窓から淡島の闇へと消えていった)
善子(残ったのは────荒れた部屋と、木霊する聖良の声)
善子(そして、遠くから聞こえる理亞の高笑いだけだった) ・・・
ガタッ
サッサッ…
善子「……よし、部屋は元通りね」
聖良「……すみません、妹が」
善子「理亞は何も悪くないんです。悪くないから……そのように言うのはやめてあげてください」
聖良「……」
ルビィ「……理亞ちゃん」
善子「……ルビィも倒れちゃうし」
ルビィ「ご、ごめんなさい……久しぶりに、パンクしちゃって……」
ヨハネ「大丈夫よ。仕方ないもの……さすがに私も焦ったし」
聖良「……あの、善子さん……の妹さん?」
ヨハネ「……ヨハネです」
聖良「え、ええっと」
善子「理亞のこと……説明しなくちゃいけませんよね」
聖良「何か知ってるんですか!?」ガバッ
ルビィ「ぴぎゃっ!?」
善子「ぉ、落ち着いてください……っ」
聖良「ぁ……す、すみません……」 ヨハネ「私たちも多くを知ってるわけじゃない……けど、分かる範囲で説明させてもらうわ」
ヨハネ「まずは、お姉さん。私のこと、分かってましたこと?」
聖良「あ、いえ……その……ええと、善子さんって双子だったんですね。知りませんでした」
善子「違うのよ、お姉さん」
聖良「違う?」
善子「私とその子は双子じゃない、姉妹ではないの」
聖良「え……?」 ヨハネ「……お姉さんは、魔法を信じる?」
聖良「はい?」
ヨハネ「この世界には、魔法というものが存在するの」
ヨハネ「漫画やアニメに存在する魔法、ファンタジー世界を象徴する超常の異能力」
ヨハネ「魔の力、等価交換を無視した究極の現象」
ヨハネ「それが魔法」
聖良「……それが、実在すると?」
ヨハネ「ええ、実在する」
ヨハネ「私は魔法の鏡によって生まれた、善子の心の具現化。あの子自身……だから、双子でもなければ姉妹でもないの」
ヨハネ「魔法によって生み出された、もうひとりの津島善子なんです」
聖良「……はあ」
聖良「……にわかには、信じられません」
ヨハネ「証明なら……魔法を見せることで」
聖良「いえ、それには及びません。さっきのことで、もう信じるしかなくなってしまいましたから」
ヨハネ「……ありがとうございます」 聖良「それで、その魔法が……」
ヨハネ「理亞のあれは……あの、猫のような状態は、私と同じ存在なのよ」
聖良「……同じ」
ヨハネ「私が生まれるきっかけになった鏡と同じものを、あの子は使った」
ヨハネ「だからあの猫は、理亞の心が実体化した存在で……私と同類なの」
聖良「でも、あなたのように二人になったりしてないですよね?」
ヨハネ「あれは、使った人によって現れるものが違うの」
ヨハネ「私と善子の場合は二人に分かれた」
ヨハネ「けれど、理亞の場合は身体は一人のまま……人格として、現れたんだと、思います」
聖良「そう、なんですか……」
ヨハネ「……わかってもらえる?」
聖良「……認めるしか、ないんでしょう?」
ヨハネ「……そうね」
聖良「事情は分かりました。なぜあの子がそんなことに巻き込まれたのか……それはまた、あとで聞かせてもらいます」
ヨハネ「……うん」 ルビィ「理亞ちゃんは、どこにいっちゃったんだろう……ヨハネ様」
ヨハネ「わからない……魔力が探知できないの。多分、自分で消してるんだと思う」
善子「気配を消す……って、まるで猫ね」
ヨハネ「そう、猫……猫よ。あの子の心の具現は猫だった」
ヨハネ「どうして猫なのかは、知らないけど……何か目的があってお姉さんを連れて行こうとしていた」
聖良「……」
ルビィ「理亞ちゃんが……? 何か、聖良さんとお話があったんじゃ……」
善子「そんな雰囲気じゃなかったわよ……」
ルビィ「ぅゅ……」 聖良「……探さないと」
善子「え?」
聖良「理亞を探しにいきます。こんな夜中に、あの子を1人にはできません」
ヨハネ「待って、ダメよ」
聖良「なぜです!? 妹なんですよ?」
ヨハネ「……分かってるでしょ。あの子はあなたを狙った。あなたがひとりで動いたら……次はあなたがどうなるかわからない」
聖良「そんな……でも、私は……」
善子「……それより、聞きたいことがあります。お姉さん、いいですか?」
聖良「で、ですが」
ヨハネ「……なら、理亞は私とルビィで探しに行くわ。私ならあの子を捕まえる力がある」
ヨハネ「善子はここでお姉さんと居て。あいつが入れないように結界を張っておくから」
善子「わかったわ。お姉さんも、いいですね」
聖良「……わかりました」
聖良「お願いします」ペコリ 〜ホテル前〜
ルビィ「それで……どうやって探しますか?」
ヨハネ「地道に歩き回るしかないわ。大きな魔力は感じないから……手探りになる」
ルビィ「で、でも、この淡島ホテルの近くにいますよね……?」
ヨハネ「さあね……でも、もし魔法を使えるんだとしたら」
ルビィ「……どこにでも、逃げられる……?」
ヨハネ「……そう」
ルビィ「そ、そんな……っ」
ヨハネ「けど、そうするためにはある程度の魔力が発生する。そこまで隠し通せるわけがないから……もし遠くまで逃げようとしているなら、すぐにわかるわ」
ルビィ「ほぇ……」
ヨハネ「とにかく急ぎましょう」
ルビィ「は、はい!」 今日はこれで
また明日か明後日にでも続きをやれたらと思います ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています