私の名前はエリーチカ

 おばあさまから世界を見てくるのは若いうちからに限ると言われ

 札束で異様に膨らんだ財布と着替えをこれでもかと詰めたトランクを携えて

 私はいつまでも続く陸に飽き飽きしたので空へと繰り出そうと思った


エリーチカ「そうと決まれば飛行船乗り場に行きましょう」


 最寄りのドックはここから30キロ離れた街にあると知ったけれども

 もう夕暮れ時だったため出発は翌朝にすると決め

 私は宿に一泊することにした