花丸「404ディストピア」
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ザワザワ ザワザワ
ルビィ「でね〜。その時、お姉ちゃんがー」モグモグ
花丸「へー。ダイヤさん、大胆〜」モグモグ
善子「...」ポチポチ スッスッス
善子「...あら?ちょっと、え、うっそ」ポチポチ
ルビィ「?」モグモグ
花丸「どうしたの?」モグモグ
善子「好きだったブログが404なんだけど!」
ルビィ「あちゃー。ご愁情様〜」
花丸「404?」モチャモチャ
ルビィ「ブログが無くなっちゃったって事だよ」
花丸「へー」
善子「ほんっと、信じられないんだけどー!」グデッ
果南「それに、ダイヤが関東に残る理由さ」
果南「多分私達に関係のない部分だと思うんだよね」
ルビィ『...どういうこと?』
果南「東京MOABが落ちた時、マルと私、ダイヤに会いに行ったんだ」
ルビィ『果南ちゃんが日本に帰ってきて、初めて電話をくれた時だよね?』
果南「そうそう〜」
果南「その時さ、内浦に戻るように誘ったんだけど〜」
果南「頑なに帰ろうとしなかったんだよね」
ルビィ『...そうだったんだ』
ルビィ『なんでだろう。絶対に帰った方がいいのに...』
果南「まぁー。なんというか〜」
果南「ダイヤのやつ、大学の友達が東京MOABで犠牲になった事に」
果南「責任感じてるみたいでさ」
ルビィ『責任?』
果南「もっと強く逃げるように勧めれたら」
果南「助けられたんじゃないかって...」
ルビィ『...』
ルビィ『爆弾が爆発したのは、お姉ちゃんのせいじゃないのに』
果南「うん。ルビィは正しい。でも、無理もなくてさ」
果南「実際に関東の被害を、この目で見たんだけど...」
果南「あれは...地獄だった」
ルビィ『...』
果南「あの場に居たものは、全部死んでた」
ルビィ『想像できないや...』
果南「無理だろうねぇ...それだけ衝撃的だった」
果南「あの死体の山に友達がいると考えたら」
--- --- --- --- ---
海上の焦げた死体「」ジロッ
果南「!? ひ、ひぃぃ!」ズザァ!
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果南「...責任を感じるのも、無理ないんだよ」
ルビィ『...』
果南「ダイヤは今、危険な場所にいる事で」
果南「そういった自責の念から逃れようとしてる」
果南「自ら自分を苦しめる事で、懺悔を捧げているつもりなのさ」
ルビィ『お姉ちゃん...』
ルビィ『理解できないよ...そんなの、悲しすぎるよ』
果南「理屈じゃないんだよ...この行動は」
果南「でも、ルビィなら...」
果南「自暴自棄なダイヤを避難させる事ができるかもしれない」
ルビィ『でも、来るなって言われちゃって...』
果南「そんなの無視すれば良いじゃん」
果南「ルビィはもう、1人で考えて行動できるでしょ?」
ルビィ『!』
ルビィ『...そうだね。ルビィはもう大人だもん』
果南「うむ」ニコッ
果南「ごめんね。本当なら私がついててあげるべきだったんだけど」
果南「こっちはこっちで、見といておかないと暴走しそうな子がいてさ」
ルビィ『うーうん。大丈夫だよ。お姉ちゃんは私がなんとかする』
ルビィ『果南ちゃんは花丸ちゃんの側にいてあげて』
果南「流石ルビィだね〜。帰ってきたら飴ちゃんあげる」
ルビィ『また子供扱いして〜』クスクス
果南「おっと。癖が」
ルビィ『も〜...変わらないなぁ』
果南「よく言われる〜」ケラケラ
果南「じゃ、ダイヤの事任せたよ。ルビィ」
ルビィ『うん』
果南「あ、関東に行くときは善子も連れてきな?」
果南「流石に1人で歩くのは危険だから」
ルビィ『わかった』
果南「あ、でも善子は不運だしなぁ...」
ルビィ『う。た、確かに...』
果南「ま、その辺もルビィの判断でいいや」
ルビィ『あはは。了解』
果南「じゃ。私、そろそろ戻るね」
ルビィ『うん』
ルビィ『...果南ちゃん』
果南「ん?」
ルビィ『ルビィを...ルビィを信じてくれて、ありがとう』
果南「うむ。朗報待ってる」
ルビィ『はいっ!』
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--- --- ---
---
トコトコ
果南「ただいまー」
花丸「おかえり〜」カタカタ
果南「フゥ〜〜〜」ギシッ ボスッ
花丸「大きなため息だね。大丈夫?」クルッ
果南「いや〜...」チラッ
花丸「?」
果南「ほんと、アゼリアは問題児ばかりだなぁって」ケラケラ
花丸「ずら?」
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ビューーーーッ!
善子「さっぶ...!お外、さっぶ!」トコトコ ブルブル
善子「くそー。物理の先生め。とことん脅してきてぇ...」ブツブツ
善子「化学なんて魔術に比べたらヘッポコなのよ...」ブツブツ
善子「でも、単位を落とすのは流石になぁ〜...」ゲンナリ
善子「世界の危機より、明日の単位」
善子「ちゃんと学校に通おうっと...」トコトコ
ガチャッ
善子「ただいま〜。う〜、サブサブ...」
ルビィ「...っ!...っ!」セッセ! セッセ!
善子「あーん?何してんの?ルビィ」
ルビィ「東京に...行く準備...!」セッセ!
善子「はぁ?東京?なんでまた...」
ルビィ「お姉ちゃんを迎えに行くの!」
善子「ダイヤを?ふ〜ん」
ルビィ「何を他人事みたいに...?」
ルビィ「善子ちゃんも行くんだよ。早く準備して!」
善子「は、はぁ?私も?てか、いつ出発よ」
ルビィ「明日早朝!」
善子「明日ぁ!?ルビ、明日は大学が...」
ルビィ「休むよね...?ルビィのお願いだよっ?」キラキラ
善子「ちょ...」
善子「あんた、言う事コロコロ変わりすぎーっ!」
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--- --- ---
---
乙
スポットキャラ変えながらもちゃんとストーリーが進んでくの良いねぇ 花丸(世界の流行に自分を染めていくべきか...) トコトコ
花丸(過去にすがり、自分らしさに引きこもるべきか...) ガタッ ボスッ
花丸(オラはとりあえず、後者を選び...) ペラッ
花丸(今日も今日とて、読書にふけるのであった) ペラッ
花丸(な〜んてね) フフッ
ミリィッ
ミリミリミリ
バキバキバキ
花丸「!?!?!?!?」
果南「国木田花丸は五体引き裂かれて内蔵引き千切られて血反吐撒き散らしてのたうち回って死に晒せ!!!!!!!!!!!!!」
グワバアアアアア!!!!!!!!!!!!!
花丸「────」
ドッバシャアアアアアア!!!!!!!!!!!
ビチャビチャビチャ!!!!!!!
果南「こんな、腟内部から股割きなんてエグい真似はさぁ、鞠莉にはとても出来ないね」
鞠莉「Oh!花丸の身体が縦に真っ二つね!!!ミラクル!イッツ・ミラクルよ!!!マイ・ダーリン!!!!!」 ルビィ「どう言う事なの〜!」
ルビィ「原宿系ファッションサイトが駆逐されてるよぉ」ピギィ
善子「...まだましじゃない」
善子「占い、黒魔術系列はとっくに404なんだから...」
花丸「大変ずらねぇ」
ルビィ「404削除騒動の煽りが、いつか来ると思ってたけど」
ルビィ「いざ消えるとショックだよ〜」
善子「まだ序章よ〜。これから、どんどん消えていくんだから」ズーン
ルビィ「ヒィ〜〜ッ」
花丸「経験者は、語る。ずらなぁ」
ゴスッ
グジュリッ プシャアアアア
花丸「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!」
鞠莉「傷口の上に抉るような一撃!」
鞠莉(これは痛いわねぇ)
鞠莉(もんどりうっちゃって面白い)くすくす
果南「おや?鞠莉今のウけたかい?」
鞠莉「GOODよ、かなぁん」 今一番面白いSSやね!
ラブライブ板に柱があった全盛期を思い出す すみません眠いので、一度寝て朝できたら短めで更新します おやすみなさい
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ガタンゴトン ガタンゴトン
善子「ふわぁ〜」
善子「で」ブスー
善子「なんでダイヤんとこに行くとか言い出したのよ」ブスー
ルビィ「...」
善子「...」
善子「あんた〜。その歳で急なホームシック〜?」ニヤニヤ
ルビィ「...うん」
善子「...」フゥ
善子「...あっそ」プイッ ブッスー
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ガタンゴトン ガタンゴトン
善子「ふわぁ〜」
善子「で」ブスー
善子「なんでダイヤんとこに行くとか言い出したのよ」ブスー
ルビィ「...」
善子「...」
善子「あんた〜。その歳で急なホームシック〜?」ニヤニヤ
ルビィ「...うん」
善子「...」フゥ
善子「...あっそ」プイッ ブッスー
ルビィ「...善子ちゃんは」
善子「あん?」
ルビィ「今東京がどうなっているか知ってる?」
善子「多少は」
ルビィ「ルビィは知らない。レジスタンスじゃないから」
善子「...」
ルビィ「ルビィは他人と同じように、ネットのニュースでMOABが落ちた事しか知らない」
ルビィ「被害者数も、規模も知らない」
善子「...必要な情報は国内トークで、ずら丸が共有してくれるでしょ」
善子「知らなくていい事なのよ。それ以上の事は」
ルビィ「そんな事ないよ」
ルビィ「私のお姉ちゃんがいる場所の事だもん」
ルビィ「ルビィが一番知らなきゃいけないと思う」
善子「ダイヤと個人で話したりしないの?」
ルビィ「する...けど、何も教えてくれない」
ルビィ「元気だって言うけれど...」
善子「ふ〜ん」
善子「ルビィ。あんた、少しはダイヤの事考えてあげなよ?」
善子「あんたを関東から遠ざけてる理由なんて」
善子「ちょっと考えれば分かるでしょ」
ルビィ「そんなの...」
ルビィ「善子ちゃんが、東京の状況が分かるから言えるんだよ...」
ルビィ「みんなから情報を404されてるのに、何を分かれって言うの?」
善子「...」
善子「そうね...そうかも」
ルビィ「善子ちゃんは知ってたかもしれないけど」
ルビィ「お姉ちゃんの学校がね、潰れたんだってさ。MOABで」
ルビィ「...MOABが落ちたのはとっくの昔だけど」
ルビィ「ルビィはこれを、つい最近お母さんから教えてもらったの」
善子「...そう」
ルビィ「お姉ちゃん、家族なのに一言も教えてくれなかった」
ルビィ「...花丸ちゃんや善子ちゃんも教えてくれなかった」
ルビィ「やっぱり、悔しいよ」
善子「...ごめん」
善子「そうね...」
善子「あんたに少しでも東京の惨劇を伝えておけば」
善子「行きたいとか、言わなかったかも」
ルビィ「私がお姉ちゃんを見捨てて、逃げ出すと思う?」
善子「...」
善子「はぁ〜...」
善子「い〜や。遅かれ早かれ行くことになってたわ」ヤレヤレ
ルビィ「うん」
ルビィ「ねぇ。単位の件ごめんね」
善子「別に...反省文書くの、手伝いなさいよ」
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--- --- ---
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ここまで。また帰宅後ボチボチ
更新遅くてごめんね¯\_(ツ)_/¯ すみません。キリがいい所まで書けないのでまた明日。。。 帰宅とか言わんでいいから
投下できる時だけレスしてね 途切れて送信されたんよ 3時目処¯\_(ツ)_/¯ --- --- --- --- ---
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ヒュウ〜〜...
ルビィ「...」トコトコ
善子「...」トコトコ
ルビィ「街が黒いね」
善子「横浜にも焼夷弾が落とされてるし」トコトコ
善子「ビルもススだらけなのよ」
善子「良かったわ。黒の上下にして」
ルビィ「お姉ちゃん、こんな街で暮らしてるんだね...」
--- --- --- --- ---
ジャー...
ルビィ「お待たせ」フキフキ トコトコ
ルビィ「ちゃんと公園のトイレお水流れたよ。善子ちゃんも行ってきたら?」
善子「そうね...あんたを待ってたら行きたくなった」トットット
ルビィ「行ってらっしゃーい」
ルビィ(...お姉ちゃんの家が近くなるにつれて)
ルビィ(壊れた建物も少なくなってきた)
ルビィ(流石にお姉ちゃんの家が壊れてるって事は無さそう)
ルビィ(あと10分くらいかなぁ...道に迷わなければ)
ルビィ(ん...?)
--- --- --- --- ---
ジャー...
善子「ふい〜」フキフキ
善子「あれ?ルビィ?」
ルビィ「こっち〜」
善子「そんなとこで、何してんのよ」トットット
ルビィ「ん、これ」チョイチョイ
善子「あん?ボロボロだけど...ダンボール?」ヒョコッ
善子「うぇ...」
子猫の死骸「」
善子「死んでからだいぶ時間が経ってるわね...」
ルビィ「この子...さ」
ルビィ「焼夷弾が降る中ひとりぼっちで、きっとすごく怖かったよね」
ルビィ「鳴いても誰も助けてくれなくて、すごく寂しかったよね」
善子「...そうね」
善子「避難する際に飼ってたペットを連れて行けなくて」
善子「この猫のように犠牲になった子も多いんじゃないかしら」
ルビィ「この寒空の下、ひとりぼっちで死んでいったなんて」
ルビィ「寂しすぎるよ。悲しすぎるよ...」ウルウル
善子「そうね...」
ルビィ「善子ちゃん、この子にお墓を作ろうよ」
善子「はぁ...?道具もなしに?」
ルビィ「うん。あそこの木の下に」グシグシ
善子「...はぁ、仕方ないわね」
ルビィ「...ありがとう、善子ちゃん」
善子「どうせ汚れてもすぐ洗えるしね」
--- --- --- --- ---
--- --- ---
---
パンッ
ルビィ・善子「安らかに、お眠りください」
ルビィ「...」ギュッ
善子「...」
ルビィ「ごめんね...もっと早くに来れたら...」スッ...
善子「ん。きっと天国に行けたわよ」スッ...
善子「お墓まで作ったんだもの」
ルビィ「だといいな...」
善子「泥、落としましょ」
ルビィ「うん」
トコトコトコ...
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--- --- ---
---
ダイヤ「...」
ルビィ「来ちゃった」ペロッ
善子「ヤッホ。やつれたわね」
バタンッ! ガチャッ
ルビィ「うわっ」
善子「ヒュ〜。そんな勢いよく閉じなくても」
ルビィ「開けてよー。お姉ちゃん」ドンドン
ダイヤ『...帰りなさい。ここには来るなと言ったはずですわ』
善子「ダイヤァ。そりゃないわよ」
善子「あんた、秋田からここまで何時間かかると思う?」
善子「東京がアレだから迂回して来たって言うのに」
ダイヤ『大体。善子さんが居ながら、なんでルビィを止めなかったのですか』
善子「別に〜。私保護者じゃないし」ヤレヤレ
ダイヤ『これでは善子さんとルビィを同居させた意味がありませんわ』
善子「うぐ...言ってくれる...」
ルビィ「善子ちゃんに当たるのは筋違いだよ、お姉ちゃん」
ルビィ「ルビィがやりたい事を止める道理は誰にもないでしょ?」
善子「そうだそうだー」
ダイヤ『...』
ルビィ「それに、同居人のお世話してるのは、むしろルビィだよ!」
ルビィ「善子ちゃん、家事一切しないんだもん!」
ルビィ「ゴミ出しも洗い物もしてくれない!」
ルビィ「ずっと家にいる癖に!」
善子「ちょ...それ、今言わなくてもよくない?」アセアセ
ルビィ「...ねぇ、お姉ちゃん」
ルビィ「私たち、面と向かって会話しなきゃ」
ルビィ「お互いどれだけ心配しているか伝えられないと思うんだ」
ダイヤ『...』
ルビィ「ルビィは、関東の事全然知らなかったし...」
ルビィ「ここに来て、改めてお姉ちゃんに」
ルビィ「安全な所に逃げて欲しいと強く思ったけど...」
ルビィ「お姉ちゃんが、ここにいなきゃいけない真っ当な理由があるなら」
ルビィ「私も善子ちゃんも帰るつもり」
ルビィ「扉を開けてよ。お姉ちゃん」
ルビィ「まずはお話ししよう?」
ダイヤ『...』
善子「ダイヤ。ルビィもそろそろリアルを知る運命なのよ」
善子「あんたに反対されても、自分の意思でここまで来るようになった妹を」
善子「受け入れてあげてもいいんじゃない?」
ダイヤ『...』
ガチャリ...
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--- --- ---
---
コトッ
ダイヤ「すみません、水とカンパンぐらいしかなく」
善子「別に良いわよ。結構美味しいし」パリパリ
ルビィ「うん」パリパリ
善子「ていうか、折角プリン買って来たんだから食べなよ」
ルビィ「一番大きいのにしたんだよーっ」
ダイヤ「ありがとうございます。折角ですので冷やしてから食べますわ」
ルビィ「あ、そうだね〜。その方が絶対いいねっ」ニコッ
ルビィ「でも、水道ガス電気全部あってよかったよ」
ダイヤ「そうですわね。ここまで攻撃されて無事なのは」
ダイヤ「関東ならではなのかもしれません」
ルビィ「多分、田舎じゃ無理だよね〜」
善子「そうね。秋田とか電気とか直ぐ止まりそ」
ダイヤ「焼夷弾で繁華街は燃えましたが」
ダイヤ「住宅街は攻撃を受けていませんからね」
ルビィ「お金とかご飯はどうしてるの?」
ダイヤ「公共事業に参加してますわ」
ダイヤ「もらえる金額は微々たるものですが」
ダイヤ「ご飯を食べさせてもらえるので、助かってます」
ルビィ「へー」
ダイヤ「あと、アパートの修復義務を大家さんがしないので」
ダイヤ「家賃を1万円にしていただきました」
善子「やっす...ま、誰も住まないか」
ダイヤ「大学もなくフルで働けるので」
ダイヤ「なんだかんだ収入はプラスですわ」
善子「ふ〜ん。結構まともな暮らしできてんじゃん」
善子「荒れ果てた暮らしをしてるんだと思ってたわ」
善子「世紀末みたいな」
ルビィ「ルビィも」コクッ
ダイヤ「まともな暮らし...ですか」
ダイヤ「公共事業。聞こえは良いですが、作業は主に瓦礫の撤去」
ダイヤ「掘って出てくるのは、人の死体ですわ」
善子「...」
ルビィ「死体...」
ダイヤ「元首都ですからね。人も沢山いました」
ダイヤ「瓦礫を少し掘れば、生き絶えた人が出て来ます」
ダイヤ「彼らを掘り出して死体袋に入れる...それが作業ですわ」
善子「キツそうね」
ダイヤ「慣れますわ。気がつけば、ルーチン作業になります」
ルビィ「...」
ダイヤ「...ただ、ふと持ち上げた瓦礫に」
ダイヤ「その人が必死に生きようとした爪痕があった時」
ダイヤ「思い出した道徳心が、私の心を締め付けて」
ダイヤ「呼吸が止まりそうになりますわ」
善子「...」
ダイヤ「遅れて申し訳ありませんでした、と心の中で謝るのですが」
ダイヤ「所詮私への気休め。偽善ごっこですわ」
ルビィ「...」ズキッ
ダイヤ「そして貰える少しの賃金と食べ物」
善子「...」
ダイヤ「...私にはこれがまともな暮らしには感じませんわ」
ルビィ「...ごめんなさい」
善子「ごめん...」
ダイヤ「すみません。責めたつもりは...」シュン
ダイヤ「ただ...平穏な暮らしではない、と伝えたかっただけで」
ルビィ「...」
ルビィ「...じゃあ、お姉ちゃんは...どうしてその生活を続けるの?」
ダイヤ「...っ」
ルビィ「平穏な暮らしが今の日本じゃ無理なのはわかるけど...」
ルビィ「辛い思いをしなくても済む場所はいっぱいあるじゃん」
善子「そうね。関東から出るだけでも色々道は開けるのに」
善子「どうしてなの?」
ダイヤ「それは...」
ルビィ「...」ジッ
ダイヤ「...っ」プイッ
ルビィ「...やっぱり、自分を虐めるため?」
善子「ん?」
ダイヤ「...」
ルビィ「守れなかった学校の友達に対しての償いのつもりなの?」
ルビィ「罰を受けてるつもりなの?」
ダイヤ「...!」
ダイヤ「...償い。そうかもしれませんわ」
ダイヤ「私は心の何処かで、罰を受ける事を望んでいたのかも...」
ルビィ「そんな事をしても誰も生き返らないよ...」
ルビィ「そんなの最低の自己満足だよ...!」
ルビィ「お姉ちゃんが傷つく事なんて、誰も望んでいないのに!」
ダイヤ「...」
善子「...」コクッ
ルビィ「埋もれた人を待ってる人に返すのは大事な事だと思う...」
ルビィ「けど、お姉ちゃんがそれをやりたがってるって」
ルビィ「ルビィは...感じない!」
ルビィ「自分を傷つける為に、他人の不幸を使うなんて良くないよ!」
ルビィ「目を覚ましてよ!ルビィと一緒に来てよ!」ガシッ
ダイヤ「ルビィ」
善子「...同意」
ダイヤ「善子さん...」
ダイヤ「...」
ダイヤ「そうですね。私が関東に留まるのは」
ダイヤ「本気で人を救おうとしてる方にも失礼かもしれませんわ...」
ルビィ「じゃあ...っ」
ダイヤ「いえ。それでもまだ帰れません」
ルビィ「...っ!」
善子「ダイヤ...あんた!」
ダイヤ「自分勝手なのは分かっています...!」プイッ
ダイヤ「ですが...まだ、見つけていないのです...」
ルビィ「見つけていない...?」
ダイヤ「大事な...友人を」
--- --- --- --- ---
--- --- ---
---
ブロロロロ... ゾロゾロ... ガヤガヤ...
善子「はぁ...こんな酷いバス初めてだわ」ゲンナリ
ルビィ「うゅ...ちょっと酔った」ゲンナリ
ダイヤ「こんなところで法定速度を守ってもあれですしね」
善子「でも公共事業の為のバスって事は国営でしょ...?」
ルビィ「法律守らなくて良いのかなぁ?」
ダイヤ「超非常事態宣言で、法定速度無効になったのでは?」
善子「はは。ちょっとウケる」
ルビィ「ふふっ」クスクス
ダイヤ「ふふふ」
ダイヤ「でも本当に参加してよろしいのですか?」
ダイヤ「昨日も言いましたが、死体が出てくる可能性も」
善子「分かってるわよ。散々聞いた」ホジホジ
ルビィ「ルビィ、決めたの。現実を直視するって」コクッ
ダイヤ「そうですか...」
ルビィ「それに、その人の為にもお姉ちゃんの為にも」
ルビィ「早く見つけてあげたいの」
善子「...」フッ
ダイヤ「わかりました。ありがとうございます」ニコッ
--- --- --- --- ---
--- --- ---
---
ルビィ「よいしょ...よいしょ...」ヨタヨタ...
善子「ダイヤ〜。大きい瓦礫はどうするの〜?」
ダイヤ「蹴って割れるなら、小さくしてください」ガラッ ガラッ
ダイヤ「ダメなら、後ほどくるブルドーザーに任せましょう」
善子「りょうか〜い」ゲシゲシ バキッ ガラガラ
善子「よし...」ヒョイヒョイ... ヨタヨタ...
ルビィ「お姉ちゃん、この金属は...?」ヨタヨタ
ダイヤ「左の道側に」
ルビィ「は〜い」ヨタヨタ
ルビィ「ん?」
瓦礫から見える指:
ルビィ「ピギッ!」ガランガラン!ゴロン!
ダイヤ「ルビィ?大丈夫ですか?」
ルビィ「う、うん...びっくりしただけ...」
ルビィ「...ここ。人、見つけた」
善子「!」
ダイヤ「...そうですか。掘り起こしましょう」
ルビィ「うん」コクッ
善子「わ、私も手伝う!」ガラガラ! タッタッタ
--- --- --- --- ---
ルビィ「...」
善子「...」
ダイヤ「...」
目を見開いた女性の遺体「」
ルビィ「ん」スッ
目を閉じた女性の遺体「」
ダイヤ「善子さん。集合場所から、遺体袋を持ってきてください」
善子「分かった」コクッ タッタッタ
ルビィ「...この子、ルビィと同じぐらいかな」
ダイヤ「そうですわね。1年生ぐらいでしょうか」
ルビィ「これからって時に死んじゃうなんて...」
ダイヤ「えぇ。この寒空の下、瓦礫に埋れて一生を終えるなんて...無念だったと思いますわ」
ダイヤ「ルビィ、平気ですか?」
ルビィ「心臓がバクバクしてる...」
女性の遺体「」
ルビィ「だけど頭は冷静なの。怖いって感じない。悲しいとも感じない」
ルビィ「ただ、死体を前にして...虚無感がすごいの」
ダイヤ「そう...ですか」
ルビィ「この子、お姉ちゃんの探してる子じゃないよね?」
ダイヤ「違いますわ」
ダイヤ「でも、いるならこの学校の瓦礫の下のはずです」
ルビィ「他のサークルのメンバーはここで見つけたんだっけ」
ダイヤ「えぇ」
ルビィ「すごいなぁ。見分けがつくなんて」
ダイヤ「朝練の途中だったのか、それぞれ練習着を着てましたからね」
ダイヤ「火傷の酷い友人も居ましたが、それでも判別できました」
ダイヤ「見つけて居ない友人は...あと1人ですわ」
善子「ごめん。袋はもうなくて、毛布渡されたー」タッタッタ
ダイヤ「そうですか...仕方ありませんわね」ゴソゴソ キュポッ サラサラ
ルビィ「ん。何してるの?」
ダイヤ「見つけた場所、時間。あと、遺体の特徴をメモしてます」サラサラ
ダイヤ「このメモが遺族探しの鍵になります」
善子「なるほどね。用意がいいわね」
ダイヤ「何回も参加してるので...段取りを覚えました」サラサラ キュッ ビリビリ...
ダイヤ「包みましょうか」
メモを持たせた女性「」
善子「うん」パサッ
ルビィ「遺族の元に帰れるといいね」クルッ... クルッ...
ダイヤ「そうですね」クルクル
ダイヤ「彼女のご家族がMOABに巻き込まれてないことを祈りましょう」
--- --- --- --- ---
--- --- ---
---
ガヤガヤ... ガヤガヤ...
善子「...」ゲッソリ
ルビィ「...」グッタリ
善子「ルビィ、あんた平気?」
ルビィ「筋肉が?精神が?」
善子「両方」
ルビィ「察してほしいな」ハァ...
善子「そうね。愚問だった」ハァ...
善子「作業場が大学跡地だとは聞いてたけど...」
善子「同世代の死体ばっかりでキツいわ」
ルビィ「休憩してると思い出してなお辛い」
善子「わかる。瓦礫撤去してる時の方が気は楽よねぇ」
ルビィ「うん...」
ダイヤ「2人とも、ランチをお持ちしましたわ」トコトコ
善子「ごめん...あんまり食べたくないかも」
ルビィ「ルビィも...」
ダイヤ「いけませんわ。午後からの作業に耐えられなくなります」
ダイヤ「ランチは必ず食べてください」ズイッ
善子「うぅ...」ヒョイッ
ルビィ「いただきます...」ヒョイッ
ダイヤ「...気持ちはわかりますわ」
ダイヤ「私も最初は食べられませんでしたから」
ダイヤ「ですがこれが現実です。2人が見ると言った東京の現状です」
ダイヤ「夕方まで送迎バスは来ません。耐えてください」
ルビィ「うん...」カチャッ パクッ モグモグ
善子「はぁい...」カチャカチャ パクッ
善子「あんまり美味しくない...」モグモグ
ダイヤ「あなた達は食べて時間を潰したら、また持ち場に戻ってください」スッ トコトコ
ルビィ「お姉ちゃんは休憩しないの?どこ行くの?」
ダイヤ「道沿いに置かれた他のエリアの遺体袋を確認して周ります」
ダイヤ「もしかすると...あの子がいるかもしれないので」
ルビィ「そう...」カチャッ...
ダイヤ「私も時間になったら戻るので、ちゃんと食べておくのですよ」タッタッタ
善子「はぁ...」スクッ パクッ
ルビィ「...やっぱり、お姉ちゃんはすごいや」
善子「ね。家ではメンタル弱ってるかなって思ったけど」
善子「体を動かしてると、やっぱ昔のダイヤだわ」
善子「頼りになるっていうか、すごいしっかりしてる」
ルビィ「お姉ちゃんだもん」
ルビィ「ここに残るキッカケこそ、不純だったとしても」
ルビィ「ずっとクヨクヨなんてしてるわけないよね...」
善子「ちょっと安心した?」
ルビィ「うん」コクッ ニコッ
善子「...あと関東にいれるのも1日だけど」
善子「もし、例の子見つからなかったら...あんたどうするの?」
善子「ダイヤを強制的に秋田に連れてくの?」
ルビィ「わかんなくなっちゃった」シュン
ルビィ「お姉ちゃんに安全なところに住んで欲しいし」
ルビィ「なんと言われようと、連れてくつもりだったけど...」
ルビィ「全てのお友達を見つけたいっていうお姉ちゃんの気持ちも」
ルビィ「尊重してあげたくなってきた」
善子「...そうよね」
善子「それがダイヤの罪意識を軽くさせるのなら」
善子「最後までさせてあげたほうがいいわね」
ルビィ・善子「はぁ...」グッタリ...
女医「ん?」トコトコ ピタッ
女医「そこの2人。見ない顔ね」クルクル
善子「ん...あ、はい」
ルビィ「今日...初参加で...」
ルビィ(マスクしてるけど...どこかで...)
女医「そう。気分悪そうだけど大丈夫?」クルクル...
女医「怪我とかしてるなら、あっちのテントで治療するわ」クルクル...
善子「いえ。怪我は大丈夫です...けど」
女医「けど?」
ルビィ「思ったよりショッキングで...ご飯が喉を通らなくて」
女医「あぁ...」
女医「最初は、生きてる人が見つかって」
女医「瓦礫撤去の作業の成果の実感が得られてたけど...」
女医「今はもう、亡くなってる人ばかりよね」
女医「ノイローゼになる作業員も多いわ」
ルビィ「はい...」
善子「わかる気がします...」
女医「でも、気を落とすことはないわ」
女医「たとえその人を救えなくても...」
女医「貴方の働きは、遺族の気持ちを救っている」
女医「誇りに思いなさい?」
ルビィ「はい...」
女医「それに、放射能騒動で作業員がいなくなる中」
女医「初参加してくれるたのは、とても嬉しいわ」ニコッ
ルビィ「MOABだから汚染なんてされてないのに...」
ルビィ「みんな知らないから...居なくなっちゃうんだ」
女医「ん?」ピクッ
女医「ちょっと待って、貴方...」
女医「なんで原爆じゃなくて、MOABだと知っているの?」
ルビィ「?...あ」
善子「ば、バカ!」
女医「貴方たちまさか、レジスタンス」ザワッ ズザッ
ルビィ「あ...あわわ...」
善子「ち、違うんです!あくまでも友達が、その!」
女医「私もよ」ボソッ
善子「え...え?」
ルビィ「!」
女医「レジスタンス。内緒よ?いい印象を持たない人もいるから」コソコソ
ルビィ・善子「」コクコク
女医「ここに来たのは情報集め?知ってる事なら教えるけど」コソコソ
ルビィ「い、いえ。レジスタンスとは関係なくて、人探しで...」
善子「人探しというか、遺体探しですけど...」
女医「なによ。身構えちゃった」クルクル
女医「遺体ねぇ。どんな遺体を探してるの?」
女医「もしかして、総理大臣?」クスッ
善子「そ、そう言えば。見つかったんですか?」
女医「見つかってないわ」フリフリ
女医「あと東亜連合の議員の遺体もね」
ルビィ「爆心地にいたらしいし、跡形もなく消えたんじゃ...」
女医「その説が有力だけど...」コソコソ
女医「もしかしたら、生きてるんじゃないかとも言われてるわ」ボソボソ
ルビィ・善子「!」
女医「福岡でそれらしい人を見かけたって...真意はわからないけどね」
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