果南「人生意固地でまかり通るのはゲームと親父だけ」
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にこ「だぁ〜かぁ〜らぁ!何回言えばわかんのよ!脳みそ腐ってんじゃないの⁉ったくお使いもまともに出来ないのかこの女」
果南「うっさいなぁ…何だよ、やれカマンベールだぁエダムだぁチーズなんてどれも一緒でいいじゃん。いくつも細かい分け方するからわからなくなるのさ」グデ-
にこ「だからってチーズフォンデュやるのにゴルゴンゾーラ買ってくるバカがいるかぁっ!」バチコ-ン!
果南「ぶっ!やったなぁこのクソ合法ロリ…ニッチなコスプレ専門のピンサロに売ってやろうか」
にこ「あぁ⁉だぁれが合法ロリだコラ‼」
果南「そのツインテが気にくわないんだよ。大体ランドセル背負って手あげて横断歩道渡ってたら小学生で通用するレベルだよあんた」
にこ「いや手あげて横断歩道渡る小学生なんて今日日田舎でも見ないわ!あんたこそ発想がもうババアなのよ!」
果南「ババアでいいよもう。年金貰って楽に暮らして早いとこ三途の川を渡りたいよ私は」
にこ「おいコラ夢も希望もない事言うんじゃないわよ‼」
ことり「あのぉ〜…」
にこ「ん?」
ことり「ちょっとお話いいですかぁ?」 ことり「ここ、どんな依頼でも引き受けてくれるって聞いて来たんですけど…」
にこ「そうそう、何でも屋の『宇宙潜水艦ぷりてぃーごりら』はここで合ってるわよ」
ことり「名前の由来って何ですか?」
果南「お客さん、そいつぁ聞かないでください」
ことり「…?わかりました(なんで宇宙なのに潜水艦なんだろう…)」
果南「で?依頼は何?」
ことり「あの…実は私、海外留学することになって…」
果南「悪いけどウチは金貸しは出来ないよ。何せビンボーなもんでね」
ことり「そういうつもりではないんです!それで、小さい頃からの親友に留学することを話したら…その…喧嘩しちゃって…」
にこ「で、仲たがいした関係をなんとかしたい、と…成る程ね。ふぅん…あんた、いつ日本出るつもりなの?」
ことり「…3日後です」
にこ「はぁ⁉期限短過ぎよ!そんなの無理に決まってるじゃない!はぁ〜なんでそれまで仲直りしないのよ!バカなんじゃないの⁉」
ことり「チッうっせーな(反省してまーす)」
果南「逆だよね。絶対今の心の声と台詞逆だったよね」
ことり「はっいけない!私ったら…てへ」
果南「それで許されるとでも思ってんのか」 ことり「わかってるんです。私が変に意地張った結果、あの子に辛い思いさせてしまったことくらい…」
にこ「まぁ、そういう時もあるわよ、親友相手なら尚更ね」
ことり「なんで今まで黙っていたのかって怒られちゃって、つい『あなたがいつも頑固だから』って言っちゃったんです。つまらないことで頑固なのはお互い様なのに…」
にこ「大丈夫よ、私も似たような性格してるからわからないことないわ。しっかし3日後ねぇ…」
果南「3日後の出発までに仲直り出来りゃいいんでしょ?」
にこ「ちょ、果南やる気⁉」
果南「当たり前じゃん。私らは、金さえ払えばどんな依頼でも引き受ける『宇宙潜水艦ぷりてぃーごりら』なんだからさ」
にこ「…仕方ないわね」
ことり「すみません、よろしくお願いします!」
果南「さぁていっちょやってやりますか…あ、私が果南で」
にこ「私がにこよ。困ったらいつでも呼んで。お得意さんなら地球の裏側だって助けに行ってやるわ」 果南「海外留学か…いいねぇ若いうちに色んな経験積むの大事」
にこ「バカ言ってんじゃないわよ、そんなん言える程年重ねてないクセに」
果南「でも現に減らず口は年と共に洗練されてるでしょ?」
にこ「…言わぬが仏よ」
果南「そーいや親友の子の名前なんだっけ?」
にこ「それくらい覚えときなさいっての。親友は高坂穂乃果、サイドテールが特徴。両親を早くに亡くして以降妹の世話をしながら親の仕事を継いで強かに育ったんだと。偉いわねぇ若干17歳の少女が」
にこ「その影響からか、性格は仲間思いではあるけど頑固な面が強くて生粋の江戸っ子…いや生粋の江戸っ子って何よ。さっき詳しく聞いとくべきだった」
果南「とりあえずはその穂乃果って子と接触しなきゃ始まらんね。どの辺り住んでるの?」
にこ「それは確か…
ドタドタッ!
にこ「あん?何よ…」
ガラララ...バンッ!
「ここ、お金さえ払えばどんな依頼でも引き受けてくれるって本当かぃ?」
にこ「な、何よ…そうだけど」
「お願いがあるんだ。ちと1つ聞いてくれやしないかい?」
にこ「こ、この子もしかして…」
果南「間違いないね」
穂乃果「私は高坂穂乃果!この近くで和菓子屋をやってる17歳だよ!」
にこ「…知ってる」 穂乃果「実は、今日お願いしたい依頼ってぇのは私の親友のことなんだけど」
にこ「知ってる」
穂乃果「どうも海外留学するらしくてねぇ…私ぁついこないだ初めて聞いてさぁ、驚きと怒りで勢いに任せて喧嘩しちまって」
果南「知ってる」
穂乃果「私不器用だからどうにも上手いこと言い出せなくてねぇ…あと3日でもう親友が海外へ行っちまうんだよ!」
にこ「うん、知ってる」
穂乃果「さっきから何なのさ、知ってる知ってるって、あんたたち、ちょうのうりょくしゃってやつかぃ?」
果南「もうそういうことでいいよ。まぁいいんじゃない、今から友達んとこ行って仲直りすれば」
穂乃果「無理だよ…」
果南「なら私らだって無理だよ?」
穂乃果「まだ、納得出来ないんだ…あの子が遠くへ行っちまうって思って会ったら、きっとあの子の事引き留めちまわァ…情けない話さ、本当に」
果南「ってかすげぇクセ強いなこの子」
にこ「頭ガンガンしてきたわ私」
穂乃果「頼むよ!頑固でバカな私に、あの子と正面で向き合える素直さを…ください」
にこ「後払いでいいわ」
穂乃果「えっ?何が?」
にこ「報酬。くだらない痴話喧嘩に付き合ってやるわ」
果南「まぁ鴨が葱背負ってきたからね。そのままやっちまえってわけだよ」
穂乃果「???頼んます…私ぁ…どうやったらあの子に…」 にこ「っかぁ〜こんな事あるのねぇ」
にこ「同じ日に同じ依頼が来るなんてね…バカバカしいのか、良く言えば青春してるって事なんだか」
穂乃果「同じ日に同じ依頼…?」
にこ「なんでもないわ。落し物の捜索依頼が被っただけよ」
穂乃果「はぁ、そういう事…」
果南「ねぇ穂乃果、あんたはどうしたいの?」
果南「親友が留学するって聞いてどうしたいの?」
穂乃果「私ぁ…本当は応援してあげたいけれど、そうさね…何せ昔っからの付き合いだったから突然のさよならなんてあんまりじゃないか」
穂乃果「…もっと早く教えて欲しかったよ。そうしたら、素直に応援してやれたかもしれないねぇ」
果南「何甘っちょろい事言ってんの」
穂乃果「な、何だい…」
果南「言いだすのが遅くて突然の旅立ちになったから素直に応援出来ないだぁ?ふざけんじゃないよ。それでも親友だっていうの⁉」
果南「笑顔で送り出してやんなよ…昔っからの付き合いだっていうんならさ!」
穂乃果「それが出来ないから相談したんだってぇのに…ふん!もういい!」ダッ
にこ「…頑固ねぇ」
果南「ただのバカだよ。そのうち気づくさ。いや、もう気づいてるか…」 プルルル...
にこ「着信、ことりからだわ。果南、店に待機しといて」
果南「いいけどなんで?置いてかないでよさみしーじゃん」
にこ「彼女かお前は…」
にこ「あのアホのかのやつ絶対来るから、あんたはそっちの面倒みて」
果南「仕方ないね、行ってきな」
にこ「ん、頼むわよ!」バタン
果南「親友ねぇ…」
果南「近過ぎるとかえって上手くいかんもんかね…」
ドンドン!
果南「ふっ来た来た…」
穂乃果「穂乃果だよ!さっきはその、悪かったよ…」
果南「大人はいちいち気にしないよ。さ、入ってきな」
穂乃果「っ!お邪魔します!」
果南「ぷりてぃーごりらでゆっくりしな」
穂乃果「なんでぷりてぃーごりらって名前なんだぃ?」
果南「いちいち聞くんじゃないよクソガキ」
穂乃果「何でぇ…大人はそんなん気にしないって行ったのに」
果南「大人ってのはズルさを知ってんだよ。あんたにもいずれわかるよ」
穂乃果「ちぇっ敵わないや」 穂乃果「どうしたらあの子に謝れるかねぇ」
果南「普通にしてたら謝れるさ。あんたがいらん意地張ってるだけ」
穂乃果「うっ…痛いとこ突いてくるねぇ相変わらず」
果南「当たり前じゃん。あんたがさっさと仲直りしないからこうやってこじれた関係になる」
穂乃果「返す言葉もありゃしないよ…」
果南「もう一度聞くよ、あんたはどうしたいの?」
穂乃果「…応援したい。夢に向かって頑張ることりちゃんを応援したいよ!」
果南「へー親友の名前、ことりちゃんって言うんだー」
穂乃果「な、何だぃその棒演技ァ…」
果南「応援したいのになんで頑張れって言えないの?」
穂乃果「そりゃあねぇ…正直半分の気持ちとしては離れて欲しくないからさ。どこへも行かないでほしいよ…私のかけがえのない存在だから…」
穂乃果「頑張れって言いたい、でも行かないでって言いたい…私ぁどうすりゃいいんだィ…!」
果南「知るかぁー!!」バチコ-ン!
穂乃果「ぅ痛ぁっ⁉」ヒリヒリ
果南「何を女々しく考えてんのさ!男勝りな性格はどこ行った⁉ことりちゃんもあんたのそのなんでもスパッと決める豪快な性格が好きなんじゃないの⁉」
穂乃果「わかってらぁ…でも、でも…!」
果南「じゃあ、どっちも言ってみたら?頑張って欲しいけど行かないでって」
穂乃果「そんなの、一番困るに決まってらァ!」
果南「わかってるじゃん。だったら勢いで言ってみなよ、あんたの1つだけの本心」
果南「どっちの考えも持ってていいんだよ。だからその気持ちぶつけてやんな」
果南「咄嗟に出た気持ちが、きっと穂乃果の中で一番強い気持ちなんだからさ…」
穂乃果「一番強い気持ち…」 果南「2日間時間ギリギリまで考えな。それでこの地に残ってほしいか海外で頑張ってほしいか決まらなかったなら、さっきの方法でいいんだよ。あんたは不器用で意固地だから、それしかない」
穂乃果「その通りだね…2日考えてダメならそうしてみようか」
穂乃果「いいねぇみんな、夢があってさぁ…」
果南「あんたにはないの?夢」
穂乃果「私ぁ毎日を生きるのに精一杯で…」
果南「…そっかぁ」
果南「ま、案外そんなもんだよ、みんな」
穂乃果「本当かぃ?」
果南「本当本当。おねーさんの言う事は大体合ってんの」
穂乃果「あやしー…」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています