ルビィ「たとえばだけど」 善子「ええ」
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ルビィ「もしルビィと善子ちゃんが幼馴染だったらどうなってたのかなぁ」
善子「はあ」
ルビィ「もしそうなってたらルビィ、大きくなったら善子ちゃんと結婚する! とか言ってたのかなぁ」
善子「あー言いそう」
ルビィ「でも善子ちゃんはそういう小っちゃい頃の約束忘れてそうだよね」
善子「まあうん」
ルビィ「……なんでそんなに適当なの?」
善子「いやなんか、どうでもよくて」 ルビィ「やだそれ、つまらない」
善子「だって、たらればの話をしたところでどうなるっていうのよ」フワァ
善子「それに……」
善子「早朝にする話じゃないでしょうに……ねむっ」
ルビィ「じゃあちゃんと起きて」ユサユサ
善子「朝弱いんだって…知ってるでしょ?」
ルビィ「顔洗って、歯磨いて」
善子「聞きなさいよ」 ─
善子「……」ムスッ
ルビィ「おはよう善子ちゃん」ニコッ
善子「なんか言うことあるでしょ他に」
ルビィ「いきなり起こしてごめんなさい」
善子「……許す」
ルビィ「えへへっ、やったぁ」
善子「ああもう…で? 幼馴染みがなんですって?」 ルビィ「えっとね、ルビィと善子ちゃんが小っちゃい頃から会ってたらどうなってたのかなぁって」
善子「いや、あんた今でもちっさいでしょ」
ルビィ「そういう意味じゃなくて、というかそれなら善子ちゃんだって人のこと言えない……」
善子「冗談よ、それより今聞き捨てならない言葉が聞こえた気がしたんだけど?」
ルビィ「え? だってこの前結局胸が成長しなかったって」
善子「それ以上言ったら拗ねるわよ」
ルビィ「じゃあ言っちゃおう」
善子「やめて」 善子「戻しましょう、話を」
ルビィ「しょうがないなぁ」
善子(なんかムカつくわね…)
善子「そうね、仮に幼少期から出会ったとしても、そんなに変わらないと思うのよね」
ルビィ「そうかなぁ?」
善子「少なくとも私はそう思ってる」 善子「それに幼少期のルビィっていうのがねえ…」
善子「なんか飴一つあげただけで懐いてきそうだし」
善子「懐いたらずっと後ろ引っ付いてきそうだし、面倒くさそう」
善子「うん、やっぱり今とさほど変わらないわね」
ルビィ「善子ちゃんって結構失礼だよね」
善子「あんたにだけは言われたくないわ」 ルビィ「でもでも、昔からお互いを知ってるっていうのはやっぱりいいかなって」
善子「そう? 今でも苦労してるのにそれを十年分とかこっちとしては気が狂いそうだわ」
ルビィ「ねえ、なんか当たりきつくないかな」
善子「ごめん、低血圧だから」
ルビィ「それって関係あるの?」
善子「多分」
ルビィ「ならしょうがないね」
善子「ええ、私ルビィのそういうところ好きよ」 ルビィ「うん、知ってる」
善子「あっそう、ならもういいじゃない」
ルビィ「何が?」
善子「幼馴染みの話よ、今がよければそれでいいでしょ」
善子「昔のことなんて、忘れられてるか美化されてるかのどっちかでしかないんだから」
ルビィ「好きな人なら忘れないし、一つ一つ大切にしてると思うけど」
善子「そりゃ浸ってるだけでしょうに、何か飲む?」
ルビィ「オレンジジュース」
善子「イチゴオレね、分かったわ」
ルビィ「えっ、ちょっと…」 善子「残念ながら我が家にオレンジジュースなんてものはないの」コトッ
ルビィ「……けち」
善子「全部私が飲んでいいのね?」
ルビィ「なんだかルビィ今すっごくイチゴオレが飲みたいなぁ」
善子「コップ出してくるから待ってなさい」
ルビィ「ありがとう、あっそうだパン焼いておく?」
善子「ん、お願い」 ルビィ「焼いてきたよー」トテテッ
善子「そこ置いといて」
ルビィ「うん、よいしょっと」
善子「今日はどっちにする?」
ルビィ「ジャムにする」
善子「そう、私と同じね」
ルビィ「やった、お揃い」
善子「よくそんなことでいちいち喜べるわよね」クス ─
善子・ルビィ「いただきます」
ルビィ「善子ちゃんは違うの?」
善子「違うわよ、だって一緒に住んでるんだったらそれくらい普通にあるでしょ」
ルビィ「善子ちゃんつまらないね」
善子「いや、ルビィが子供すぎるだけでしょ」
ルビィ「そんなことないと思うけど」ムスッ
善子「うん、そういうところなんだけどね」 ルビィ「はいはい、善子ちゃんは大人だよね」モグモグ
善子「ほらすぐ拗ねる」
ルビィ「じゃあご機嫌取ってよ」
善子「…あー…これよ、妙なところで強かなのよねあんたって」ナデナデ
ルビィ「えへへ〜」
善子「一体いつまでそうなんだか……少しは成長しなさいよ」カチャ
ルビィ「善子ちゃんの前でなら、ずっとこのままだと思うよ」ゴチソウサマ
善子「冗談きついわね」 ルビィ「あっ、でも成長といえば」ジャー
善子「今度はなによ」
ルビィ「んっとね、これからどうなるんだろうなぁって」ゴシゴシ
善子「は? フワフワしすぎでしょ」
ルビィ「例えばだけどね、今ルビィは善子ちゃんと一緒にいるけど」
善子「また例え話なの」
ルビィ「このまま一緒に暮らして、結婚して、子供も産まれて…ってそんな普通の生活以外にも」
ルビィ「それとは違う何か別の道で生きていくかもしれないでしょ? そこがちょっとだけ気になったの」キュッ
善子「いや、何さらっと結婚前提で語ってんのよ」 ルビィ「えっ、しないの?」
善子「…っていうかそんなことルビィが考えるだけ無駄だと思うけど」
ルビィ「これからのこと考えなくていいの? 善子ちゃんがルビィのこと貰ってくれるから?」
善子「なんなのさっきから、脳内お花で一杯なの?」
ルビィ「ううん、ルビィはね善子ちゃんで…」
善子「あーいいわ、言わなくていい、分かるから」
ルビィ「そう」ストン 善子「ねえ、もうちょっと離れて、窮屈」
ルビィ「ルビィは満足だからいいの」
善子「相手のことも少しは考えなさいよ」
ルビィ「うん、あとで」
善子「ここまで正直だといっそ清々しいわね」
ルビィ「優しいね、善子ちゃんは」
善子「そこにつけ込んでるあんたは悪魔だと思うわ」 ルビィ「悪魔は善子ちゃんなのにね、ごめんね、ルビィが善子ちゃんのこと取っちゃって」
善子「いちいち煽らない」
ルビィ「クスッ、ごめんなさい」
善子「全く…」
ルビィ「ねえねえ、それでこれからどうするの?」
善子「出かけるんじゃないの?」
ルビィ「ううん、そっちじゃなくて生活のはなし」
善子「ああ、さっきの……そうね」 善子「まあ、普通でいいんじゃないの」
ルビィ「本当に?」
善子「ええ、結局普通が一番よ」
ルビィ「そっかぁ……ふーん」
善子「ニヤニヤしないで」
ルビィ「あれも駄目、これも駄目ってすぐ言う」
善子「あんたのせいでしょ」 善子「とにかく…もう十分でしょ、ほらさっさと出かけるわよ」
ルビィ「はーい」ギュ
善子「だからもう少し離れてって」
ルビィ「これがルビィにとっては普通だもん」
善子「…あっそ、ならもう何も言わないわ」
ルビィ「うん」 テクテク…
善子「ねえルビィ」
ルビィ「なに?」
善子「私さ、昔も今とさほど変わらないって言ったけど」
善子「それってこれから先も、当分そうだと思うわ」 ルビィ「先も?」
善子「ええ、多分ずっとこんな感じで」
善子「二人でああだこうだと、くだらないやり取りをして」
善子「ルビィはわがままばかり言って、私はなんだかんだで流されて」 ルビィ「そうだね」
善子「それが普通になってさ……端から見ればすごくどうでもいいんだけど」
善子「でもそういう普通の部分って、一番大切なものだったりするのよね」ギュッ
ルビィ「善子ちゃん……」
善子「いや、まあ、つまり…そういうことよ」
ルビィ「…うん」
ルビィ「そうかもしれないね」ニコッ よしルビ家のよしルビSS久々に見た気がする
やっぱこの雰囲気好きだわ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています