あと1週間で夏休みが始まる、そんなある日の朝。
高海千歌はいつも通りの時間に、いつもと同じ通学路を歩いて学校へ向かう。
唯一違うことは、今日は一人で歩いている。


千歌「一人だと道が長く感じるな〜」


最後に一人で登校したのは中学のとき。
幼馴染である渡辺曜が水泳部の朝練に参加するとき以来だ。
高校に入ってからは桜内梨子も一緒になった為、曜が水泳部の朝練でいなくても一人になることはなかった。

だが、今日に限っては梨子は休み。曜も朝練でいない。


千歌「はぁ…。夏休み、どこに行くか話そうと思ってたのに…」


そんな不満を垂らしてもしょうがないのは分かっているが、やはりいつもいる友達がいないと気分は落ち込むものだ。
足取りは重いが、学校は休みにならない。