ダイヤ「納涼、怖い話大会ですわぁ〜〜〜〜〜〜!!!」
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ダイヤ「本日はお暑い中、黒澤家にお集まりいただきありがとうございます。納涼怖い話大会を始めたいと思います」
千歌「ほーんとあっついよねぇ……」
果南「意外とノリノリだねダイヤ」
梨子「そういう人だったっけ…」
ルビィ「おねぇちゃぁお手伝いさん皆呼んで飾りつけしてたよ」
ダイヤ「ルビィ!」 |c||^.- ^|| 今お話を書いていますので少々お待ちくださいませ。
|c||σ.- σ|| 本編とは全く関係ありませんが昨日の深夜突然スマホからバイブ音がしましたわ。
電話は勿論アプリの通知もなかったのに。
|c||^.- ^|| そもそも私、スマホは常にサイレントなのですわ >>92
|c||;^.- ^|| そもそも私、ガラケーでしたわ >>93
|c||;^.- ^|| そもそもうちは黒電話なので携帯電話など持っておりませんでしたわ さっき言った通り、大体ちかっちや梨子とは時期が重なるわね。
その日はね、理事長室で遅くまで仕事をこなしていたの。
次の日はお休みで練習もなかったから、最悪理事長室で夜を明かしてもいいかな?って考えてたわ。
シャワーに夜食、ブランケットもあるから学校での一夜もステキ…なんてね。
そういう事だから警備員さんには帰ってもらったわ、ずっと居てもらうのも悪いし。
と言っても監視カメラは作動してるし警備会社にも24時間で繋がってる。
小原の人間を寄越してもらうのも簡単だし……ま、身の安全はほぼパーフェクトってワケ。 大方仕事を片付けた頃……時間で言えば21時くらいだったかしら。
まだやろうと思えば仕事はあったんだけど、効率も落ちてきたし飽きちゃったから軽食も兼ねて一旦休憩に入ったのね。
何処で休憩しようか悩んだけど、あちこち移動するのも面倒だから当直室で休憩することにしたわ。
みんなは立ち入らないから知らないかもしれないけど、浦女は監視カメラのモニターを当直室に設置してあるの。
安心してね、位置は全て把握してるし変な場所には設置してないから♪……って隠してないし大体わかるわよね。
ヒマだから軽食をとりながらコーヒーを飲んで定期的に切り替わるモニターを見つめていたわ。
切り替わるっていうのは監視カメラの数に対してモニターが少ないからね。
リアルタイムで人間が把握できるモニターの数なんてタカが知れてるもの。 そんな訳でボーっとしながら過ごしてたんだけど、校門の監視カメラに切り替わったときね。
ウチの生徒が門に立っていたの、正確に言うと門の内側ね。
最初は忘れ物を取りに来たのかしら、くらいに思ったけどそれは誤りだとすぐに気づいた。
門が閉まっている状態で無理によじ登って入ろうとすると警報が鳴る仕組みなの。
当然そんな音は聞いていない。
つまりその子は帰らずにずっと校舎に居たってことになるわよね。
部活や作業で校舎に残る申請は聞いていないし、残るにしても遅すぎる。
注意もだけど…とにかく話を聞いて帰宅手段を手配してあげないと、そう思って門へ急いだの。 そこには誰もいなかった。
当直室に戻る途中で考えたの。
普通、校舎に生徒が残っていれば下校時間に警備員さんが帰宅を促すはず…って。
意図的に隠れでもしない限りは。
当直室までの道のりが嫌に長く感じたわ。
だって私の革靴の音に合わせるように後ろから足音がするんですもの。 ペタ…ペタ…
私が止まると足音もやむ…振り返らずに当直室まで急いだわ。
着くとすぐに鍵を閉めてつっかえ棒を立てかけた。
ドン!
ドアを叩くような大きい音が一度なったきり音はしなくなった。
再びモニターに目をやったの。本当に何かいないのかってね。 ついさっきまで当直室の目の前に居たであろう何かはまた門の前に居たわ。
ハッキリ言って人間が走って門まで戻ったところで精々校舎の真ん中くらいに辿り着ければいい方。
ありえないのよ。
モニターが切り替わるたびに何かは移動している。
いいえ
当直室にまた近づいている。 門、校庭前、中庭、一階校舎前、廊下…
当直室の前は死角になっていて見えないんだけど、それは確実に居たの。
ドンドン!
今度は二回音が鳴ったわ。
いよいよ内線までかかってきた。
怖くもあったけど、文句を言ってやろう。
内線はもう無視して扉の前の奴に言ってやったわ。
「いい加減にして!!学校はあなたの遊び場じゃないわ!!」
すると音は止んだ。
モニターを見てももう何もいない。
分かってくれたんだ……と胸をなでおろしたわ。 自分でも身体から力が抜けていくのが分かって、ヘナヘナと扉と反対側…つまり中庭側の窓に背を預けてもたれかかったの。
心底カーテンと窓が閉まっててよかったと思ったわ。
え、何故って?後ろの窓からね
ベタンッッ
そこで朝まで気を失っちゃった。
窓には何が張り付いていたんでしょうね? 鞠莉「終わりデース」
果南「嫌だ!もう浦女いかない!もっかい休学する!」
鞠莉「え〜海は平気なのになんで学校はダメなの?」
曜「その…なんだか過激になってきてない?」
果南「えー、でも私水中で足引っ張られたよ?」
ルビィ「ぅゆ…」
花丸「こんなに皆がオバケに驚かされてばっかりだと少し困るね」
千歌「ホントだよー。ウチ旅館なのにお客さん来なくなっちゃう」
梨子「えぇっと、そろそろ次の話お願いしようかな。ルビィちゃんだよね」
ルビィ「うん…ルビィのお話は皆と少し違うけど」
花丸「それじゃあ、次はマルでいい?」
善子「えぇ」
ルビィ「じゃあ、話すね」 |c||^.- ^|| 本日はここまで。また明日お会いしましょう 各体験談はオリジナルなのかな?どれも聞いたことあるようでない話で面白い
明日も楽しみだ 確かルビィが中学三年生に上がる少し前のお話だったかな。
ある日の夜の出来事なんだけど、その日はもうルビィお布団に入ってたんだ。
お布団の暖かさが心地いい季節だったからウトウトしてたんだけど、春休みにもう入ってたから少し夜更かしをしちゃってたの。
するとね、ニャー…ニャー…って猫さんの声がしたの。
少し前までルビィ、近所の野良猫さんとよく遊んでたから遊びに来てくれたのかなって思った。
その野良猫さんはもうその時には事故で死んじゃってるんだけど…寂しくなってルビィに会いに来てくれたのかな、なんて。 そのまま外に出ちゃうと寒いから、上着を羽織ろうと押し入れから上着を探して腰にひざ掛けを巻いて出ようって準備を始めたの。
でもこんな時に限ってなかなか見つからないんだ。お姉ちゃんには普段から整理しなさいって言われてるのに、バチが当たったのかな。
今度はね、外からカラスさんの鳴き声がするの。
カァ!カァ!
次にね、ギッ…ギッ…って音。
花丸ちゃんや千歌ちゃんは分かると思うけど、ルビィのお家は木造だから静かに歩こうと思っても床から音がしちゃうんだよね。
ルビィは猫さんが縁側まで来ちゃったのかなって思った。
そこはお母さんやお姉ちゃんに怒られるからダメだよーってよく怒ってたのに。
カラスさんに虐められてきちゃったのかなぁ?急がなきゃって。 ようやく準備が出来て縁側に行くとね、猫さんが居たの。
姿形もあの時のまま。本当に触れられる可愛い猫さんのままで。
ちょっとニオイはしたけど…洗ってあげられなかったから仕方なかったんだ、と思って抱きしめた。
ルビィが来たからかカラスさん達も鳴かなくなった。
ただジッと何羽もこっちを見つめてくるのは怖かったけど………
しばらく遊んだ後、猫さんがルビィの胸から飛び出していって庭を歩き始めた。
お散歩がしたかったのかな?そう思ってルビィも着いていった。 カラスさん達に睨まれていること以外はとても楽しい時間だった。
寝た後にもう二度と会えないとしても、最後に神様がお別れを言う時間をくれたんだ。
その時はそう思ってた。 庭を歩いてると蔵の近くに着いたの。
この蔵はルビィが小さい時に悪いことをした時に閉じ込められたこともあったから、苦手であまり近寄らないようにしてた。
猫さんがまた鳴くの。
ニャー。
すると蔵の中から声がしたんだ。
「ルビィ?ルビィなのね!?」
お姉ちゃんの声。
「良かった…この子が連れてきてくれたのね。あとで可愛がってあげなきゃね」
なんでこんなところにお姉ちゃんがいるんだろう……今年は雛祭りもしなかったくらいなのに。
そうは思ったんだけどとにかくお姉ちゃんを助けてあげないとって思った。当たり前だよね。
「ごめんなさい…閉じ込められてしまったみたいで出れないの。開けてくれない?」 ルビィは不思議に思ったんだ。この蔵は外側からしか鍵がかからないハズなのになんでそんなことになったのかなぁって。
素直に聞いてみたの。どうして?って。
「あぁ……中で作業をしていたらお母様か誰かが外から施錠をしてしまったみたいなのよ…奥の方で作業していたから気が付かなくって」
ホントはもっと問い詰めるべきだったんだと思う。
なんで電気つけてないの?とかお母さんもお姉ちゃんも普段寝てる時間だよね、とか。
今考えるとおかしなところはいっぱいあったんだけど…
その頃お姉ちゃんスクールアイドルをやめちゃって少し怖かったから、怒られるのが嫌でルビィいうことを聞いたんだ。
重い蔵の扉を開けてもそこにお姉ちゃんはいなかった。 代わりにいたのは繊維を束ねてムリヤリ人の形にしたような黒い影。
くねくねくねくね
くねくねくねくね
「出られた出られた」
ルビィ腰が砕けちゃってその場に座り込んじゃった。 その場にいた猫さんが影の方に向かっていったの。
ルビィを守ってくれようとしてるんだ……でもダメ!
そうじゃなかったみたいなの。
猫さんは影の方へ行くとくるりとルビィの方を向いた。
ぼこぼこと内側から身体が波打って…それはもう猫さんじゃなかった。
とうとう猫さんの身体を突き破って出てきたのは、目の前にいる黒い影と同じ黒い塊。
くねくね
そして同時に
ビチャビチャ!
猫さんだったものがあちこちに散らばった。 黒い塊はそのままべちゃりと大きい影にくっついたの。
「けけけけけけけけけけけけけけけけけ」
人の形をしてた黒い影は、人間には出来ないような動きでお家の外へと飛び跳ねていった。
カラスさんが逃げていく中ルビィは呆然として何もできなかったよ…… これでルビィの体験は終わり。
でもくねくねって見たら死んじゃったり、おかしくなっちゃったりするっていうよね。
おばあちゃんや近所の人からくねくねが出るだなんてルビィ聞いたこともないし
ルビィはおかしくなっちゃったりしてないもん。
だからこのお話は「くねくね?」なんだ。 果南「帰る」
ダイヤ「お、落ち着いてください」
曜「ダイヤさんのお家大丈夫?」
ルビィ「今は何ともないよ!」
花丸「そうだね、多分出ていったならお家は大丈夫なんじゃないかな」
善子「危険なところなんてあるの?」
千歌「今の内浦…ケッコー危ないんじゃ…」 梨子「はわわ…大変なところに引っ越してきてしまったわ」
鞠莉「もしモンスターが出たら小原が総出で退治してあげる」
曜「そ、そういう対処でありますか…」
花丸「さて、次はマルだね。いいかな?」
花丸「…………それじゃお話しするね」 |c||^.- ^|| とりあえずここまで。また深夜か明日にお会いしましょう。
それと、保守してくださってる方々に感謝ですわ。 これはやはり9人話し終わったら何か起こるパターンだな 17ヶ月前 夢 ダイヤ
17ヶ月前の3月下旬 声、影 ルビィ
去年夏 手 果南
去年夏 手、姿 曜
2,3週間前 姿、会話 千歌
2,3週間前 壁ドン、影 鞠莉
二週間前 手紙、ポルターガイスト、声真似 梨子
制服幽霊は実はいい子説を推したい |c||^.- ^||書きかけですが投下していきますわ これは今年の春、5月くらいのお話。
みんなマルがお寺の生まれだってことは知ってるよね。
それに関係するお話ずら。
皆の周りで幽霊の悪戯や祟り…霊障なんて言ったりするんだけど
もしそういったことが起きると大体お寺や神社を頼りにするよね?
でもね、お寺や神社によっても得意なことが違ったりするんだ。
幽霊や土地を清めることが得意なお寺や、縁結びにご利益のある神社だったり。
例えば神田明神は縁結びのご利益がある神社だね。
あまり神社のことは詳しくないんだけれど……まぁお寺や神社に得意不得意があるってことを分かってもらえれば十分。 でね、マルが住んでるお寺はどちらかと言えば子宝祈願とか豊作豊漁に縁のあるお寺なの。
この土地の経済を支える農業と漁に対してずっと昔の時代から向き合ってきたお寺なんだと思う。
その反面お祓いや供養は特別優れているわけじゃないんだ…
でも内浦にお寺が数多く存在するわけじゃないからそういったお祓いや供養の依頼も集中してしまうずら。
困ってる人を無下に追い払うこともできないし、利益を追い求めてはいけないと言ってもやっぱり現実問題としてお金がないと生きていけないから。
前置きが長くなっちゃったね。
今回のお話はマルのお寺、お父さんたちが苦手なお仕事………お祓いのお話が来た時の出来事。 その時期お父さんはいつも頭を悩ませていた。
何でもお祓いの依頼が多くて手が追いつかないって。
その時はそんな事もあるんだ、大変だなぁって思ったの。
それから数日して人形をお祓いする依頼が来た。
お父さんはとても苦い顔をしていたずら。
地元の人形師さんが最初の依頼主だったんだけど、そのお人形顔の部分がないの。
ある名家のお嬢さんから修理の依頼を受けたみたいだったんだけど
受け取ってから原因不明の高熱に悩まされたり奇妙な影を見るようになって仕事にならない。だからこの人形を一度祓ってくれないか?
という内容。 お父さんもマルも特別霊感が強いわけじゃないんだけど、見るからにマズいものだった。
供養ならなんとか……と人形師さんに伝えても依頼を受けたものなので勝手に手放す訳には…とのこと。
当たり前の事ではあるよね。
それでもこれはいち早く供養した方がいいっていうことはマルにもよく分かるものだった。
ほんの数分目を離すと移動していたり、中から髪の毛が出てきたり……ね。
きっとお祓いしたくらいじゃ一時しのぎにしかならない。
一度人形師の依頼主さんにお話したうえで供養してしまった方がいい。
そういった段取りで話は進んでいった。 当日のうちに泣き腫らした顔の依頼主のお嬢さんと、青ざめた顔の依頼主のお父さんがやってきたずら。
依頼主のお父さんは娘に災いが降りかからないようにしてくれの一点張りだった。
とにもかくにもお話を聞かないと対処できないから、依頼主の二人とお寺のお坊さん達マルにお父さんでお話を聞くことにしたの。
そのお人形は一族に伝わる大切なお人形でそのお人形に何かあった時、その一族の血を引く女性には災いがあると先祖代々言い聞かされてきたみたい。
それは雛人形なんだけど、五月人形や男性には何もないのか?と一人のお坊さんが訪ねたの。
依頼主のお父さんが言うには五月人形もあることはあるけど代々伝わるようなものでもなく、男性に災いがあるという話も聞いたことはないとのこと。
一応五月人形も持って来てもらったんだけど、確かにそれは作りこそ立派だけど市販のものと変わらない普通の五月人形だったずら。
話を進めると雛人形は男性が党首の代は手入れすら行わなくても埃一つつかない不思議なお人形だったみたい。 最近頻発してるお祓いの話と、依頼主さんの説明を一つずつ結び合わせて対処法を検討することにしたんだ。
雛人形が壊れてしまったのは約一年前の雛祭り、そしてその家のお嬢さんの一人が家の外へと飛び出す影を見たそう。
それ以降、内浦を中心に幽霊を見たというような話が少しずつお寺に入るようになってきた。
昨年の4月〜5月頃には影を見たというような話が多く寄せられていた。実はマルもくねくねした影を見たことがあるずら。
夏頃には人形を見た、手を引っ張られたという話をよく耳にした。
秋〜冬にかけてはのっぺらぼう、子供くらいの大きさの動く人形を見かけたという目撃談が増えてきた。
そして最近は和服の少女を見かける…声をかけられるといった話が主。
一つの推測としてその影は力を増し、ヒトに近づきつつあるのではないかという話になったずら。 雛人形が影が飛び出した今も尚おかしな状態にあるのは、辺りの悪い気や霊を呼び寄せてしまっているから。
飛び出した影が特別強力なモノで、雛人形自体の悪いものを吸い込む力はいまだ健在なのではないか。
都合の悪いことに吸い込んだ悪い気や触れ合った人々との経験を基に、より正確なヒトを演じようとしているのではないか……と。
いわば雛人形は「呪いの受け皿」として機能している状態ということだね。
ただ、この状態だと出来ることは限られてきちゃう。
雛人形を「呪いの受け皿」として機能させなくすることは出来るかもしれない。
でも…影の方はどうしようもない。誰がいつ現れるかもわからない影を捕まえることができるずら?
そう……誰にもできないんだよ、そんな事。
そして影がもう既に十分力を蓄えた後だったとしたら…… 影の目的が分からない以上マル達は人形を鎮めることくらいしかできない。
何かあればすぐマル達もお寺や神社でもいいから駆けこむこと。
もしもの時は覚悟が必要かもしれない……そう伝えたの。
それから数日間、お父さんたちが交代しながら人形師さんの側で清めつつの修復作業が始まった。
ケタケタと嗤う声、不思議な物音、いたずら電話……不思議なことがいくつも起こったずら。
それでも出来ることを精一杯やったと思う。
人形自体からは不吉な気配は感じなくなり、いよいよこれを邪気の届かない神聖な所へ納めるだけ。
そしてその役はマルが請け負うことになったの。
…………不本意だけどあとでわかると思う。 |c||^.- ^|| 訂正ですわ。マル達もお寺× マル達のお寺〇ですわね。
追いついてしまったのでちまちまと書いて参りますわ お祓いや供養に長けている訳じゃないウチのお寺がずっと地域の皆を支えてこられた理由……
それは山奥の支院にそういったものを封じ込めてきたからなの。
悪い言い方をすれば臭いものには蓋をせよ……とやってることは同じだね。
行き方がかなり特殊で車で30分程走った後、ロクに舗装もされてない獣道を抜けた奥に川があってそこを渡るんだけど…
一般的な橋や吊り橋じゃなくて人力ロープウェイ、手漕ぎ式の籠………って言えばいいのかなぁ?
あ、千歌ちゃん今スマートフォン持ってる?
えぇっとね「十津川 野猿」で調べてみて?
そうそう、こんな感じを想像してもらえれば近いかな。
ただウチの支院用に使うこれは録に整備もされてなくて……
というか整備してもらってもすぐ壊れちゃうんだけど
背の小さいマルくらいしか乗れる人がいなかったんだ。
お父さんやお坊さんたちはみんな恰幅がよくって…
絶対行きたくないからみんなして太ったんずら。 |c||^.- ^|| 中途半端になりましたが一旦ここで終わらせていただきますわ。花丸さん編が思いの外長いもので
夕方くらいにまたお会いしましょう。 書いてるのってけんちん汁の人かな?
面白いけどやべえ怖い |c||^.- ^|| 少し用が出来てしまいました。0時までには更新できるよう努めますわ そうしてオラは向こう岸へと渡った。
空気が対岸とはまるで違うのを感じた。
木々がざわつき、じっとりとした風は全身を生暖かく撫ぜていくようで…
早く人形を納めて帰ろう。
マルは足を速めて支院へと急いだ。
慣れないことをするものじゃないね、鈍間なマルは蔦に足をとられて転んじゃったんだ。
人形が壊れてしまわないようにしっかり抱えてたから、思いっきり地面にぶつかっちゃった。
早くいかないと…でもなかなか足から蔦が離れない。
薄暗い中目を凝らしてみると、それはね蔦じゃなくて大量の髪の毛だった。 山奥の人が立ち入らないようなところに髪の毛があるだなんておかしいよね…
落ち着いて心の中でお経を唱えながら進んだ。
まだ五月なのにベタベタと湿気た空気に対して、緊張感からか口はからからに乾いていく。
元々出発した時間が遅かったこともあるけど支院に辿り着く頃にはかなり日も暮れちゃってた。
鍵を開けるとね、人形や刃物、鍬や石なんかが全部入口の方を向いているの。
年に数回お掃除をするとき納めてあるものは通路に対して正面を向くように置いてあるはずなのに。
流石に刃物が飛んできた!なんてことはなかったけど不気味な光景だったな……
お人形を納めてあとは帰るだけ。
道中は意外なくらいに何も起こらなかった。
後はこの籠に乗って帰ればいい。 岸に留めて置くための金具を外し、乗り込んで対岸で待ってるお父さんの所へ行く。それでお終い。
でもね、道中ずっとずぅっと嫌な気配はしていたの。
どこかで仕掛けてくるんじゃないかなぁって。
影の立場で考えてみたの。どこで襲うが怖いかなって。
そう、無防備な籠の中以外ありえないんだよね……
おまけに下は川、幽霊って水辺は得意みたいだから余計に…ね。
あまり目がいいわけじゃないオラにも分かるくらい、お父さんは青い顔をしていた。
何も言わなかったのはマルが慌てないための配慮だったんだと思う。
気配は近くからする。
きっと後ろからついてきているんだ。そうに違いない。
マルは隠し持っていた塩を握りしめて投げつけたの。 そこには何もいなかった。
この時点でおよそ半分くらいの地点に辿り着いてたんだけど、マルはもうヘトヘトになってた。
確かにオラは鈍間で体力もない……だからって、いくらなんでもこんな疲れ方はおかしい。
息を切らすマルを嘲笑う声がする。
そこでね、分かっちゃった。
あぁ、籠の下だ…って。 姿こそ見えないけどきっとそこにいる。
バレたのを開き直るように揺らされる籠。
未知に対する恐怖じゃなく、純粋な死に対する恐怖がマルを襲った。
あんまり覚えてないんだけど必死だったと思うずら。
こんなところで死にたくない…そう強く思ったのは覚えているずら。
やっとの思いで対岸に着いた時、何かをぶつけたような
ゴッ
という生々しい音がとても印象的だった。
ズルズル…バシャン。
そこにいた何かは川に落ちたんだと思う。
結局マルは籠の下にいた何かを最後まで見ることはなかった。 オラに悪さをすることはこれ以降なくなったけど、これで終わるような事件じゃないと思う。
ううん、「呪いの受け皿」を鎮めた今でも目撃談は寄せられ続けている。
呪いを振りまくあの影は……まだ内浦に潜んでいるはず。
力はもう十分蓄えた後だったんだろうね。 花丸「これでマルの話はお終い」
梨子「ちょ、ちょっと……」
曜「えーっと…あはは」
千歌「解決してないじゃん!」
鞠莉「Jesus…」
果南「…解決方法はあるの?」
花丸「ここでは言えないずら」 ルビィ「お姉ちゃん…」
ダイヤ「大丈夫よ、心配しないで」
善子「私の話…いいかしら?」
千歌「あ、善子ちゃんの番忘れてた」
花丸「そうだね、善子ちゃんお願い」
善子「私のはずっと昔の話だけど…話すわね」 |c||^.- ^||ここまで。明日投下できるかは微妙ですが善処いたしますわ。 |c||^.- ^|| 今書いておりますので少々お待ちくださいませ これは今からずっと、ずっと昔の話。
明治以前………この内浦を支えていたのは漁と農業。
今では観光地としての顔も持つようになったけれど、人口が少なく交通手段にも乏しい当時ではそれらが絶対的な収入源だった。
道も整備されていないし関所なんかもあれば余計にね。
じゃあ漁と農業ってどんな人がするイメージ?
海女なんかの特殊な例もあるけど大多数は男性をイメージしたんじゃないかしら。 というか幽霊の正体は…
おやこんな夜中にピザの出前が 実際この内浦でも力仕事や重要な仕事は全て男性に任されていたわ。
私でも頑張れば出来る、女性だって活躍できる。
そう思った人もいるでしょ?気を悪くしたなら謝るわ。
でもね、現代みたいに便利な道具もなければ栄養状態も格段に劣る。
昔の時代において女は、とても弱い生き物だったのよ。
男性が多数なら特に何も起こらなかったんでしょうけど、そうはならなかった。
内浦という土地は深刻な男日照りに悩まされ続けている土地だったのよ。
今でも内浦は男性が極端に少ないでしょう?
時代が変わってもそこは変わらないようね。 話を戻すわ。
男性が絶大な権力を握りつつも、豊かな自然がもたらす命に支えられこの内浦は平和だった。
男尊女卑だなんて昔の日本じゃ珍しくもない…みたいだしね。
それもある時期を境に崩れ始める。
ある年から内浦は記録的な不漁、不作に見舞われた。
男達は苛立ち、女の境遇は無論悪くなっていたわ。
そんな中でも男性並み、いえそれ以上に良質な食事を摂ることが許された女がいた……
それが内浦一帯を取り仕切る領主の娘。
領主はそれはそれは大層娘を可愛がっていたそうよ?
宝石のように美しい娘で、豪族から求婚の申し出もあったほど。 この結婚が成立すれば内浦には食料の援助だけでなく男手も保証されるはずだった。
それでも領主は首を縦に振らなかった。
内浦にもたらされる恩恵なんてそっちのけ、ただ娘可愛さに求婚を断ったのよ。
村の状態は益々悪くなっていたわ。
にもかかわらず領主はその病的なまでの愛を娘に注いでいた。
領主の屋敷に仕える村娘が、位の高い使用人に訪ねたそうよ。
「いくら娘と言えど自分よりも質のいい食事を与え続けるのは異常ではありませんか」と。
「この家に生まれた娘はみな病弱で早世なのだ。それを気にしておられるのだろう」
それが答えだった。 そう月日が経たないうちに領主の娘は病に罹った。
誰もが諦める中、領主だけは諦めなかった。
地方から食料を取り寄せ効くと言われる薬草を片っ端から試し、名医を呼んだ。
当時主流ではなかった西洋医学にすら手を出したそうよ。
しかし、無情にも娘の状態は悪くなる一方。
領主はとうとう懇意にしている寺の僧に話を持ち掛けたの。
「何でもいい。娘を救う方法はないのか」
僧の提案はあまりにも人道を外れていたわ。
領主にとってはあまり重要なことでもなかったみたいだけれど。 ある日、村の寄り合いで「口減らし」を行うことが決定された。
寄り合いに集うことができるのは男だけ、異論を唱える者はいなかったそうよ。
奉公に出るもの、嫁ぐもの。
家族と別れを惜しみながらも村の繁栄を願って口減らしは粛々と行われていった。
領主の屋敷に仕える娘も選ばれたの。
彼女も自分の運命を受け入れた。
嫁ぐ娘達とは別にその娘は領主の屋敷へと呼ばれた。
屋敷には年代を問わず様々な村の女性が居た中、その娘だけは別室に通された。
裸にされたことに戸惑いながらも乱暴はされなかったの。
されたことと言えば奇妙な模様を体に描かれるだけ。
不思議に思った娘だったけど質問は許されなかった。
続いて娘は見たこともないような極上の着物に袖を通し、初めて化粧を施された。
その姿はまるで雛人形のようだったそうよ。 使用人の誰もが言ったわ。領主の娘とは本当の姉妹のようだ…と。
ひょっとすれば領主の娘として迎えてもらえるのかもしれない。
娘は出された馳走に喜び淡い期待をしていたの。
少しの間自由を許された村娘は、領主の娘と話を楽しんだ。
普段は恐れ多くて近づけなかった領主の娘も話してみると自分と変わらない普通の娘だったわ。
彼女は悩んでいた。
病弱で余命幾許もない自分が働き盛りの男性を差し置いて食事を口にすることが申し訳ない…と。
少なくとも私はその言葉に嘘偽りはないと思った。
領主の娘が眠りに落ちた後、私は庭へ来るよう促されたわ。 庭にさっきまで大勢いた女達はどこかへと姿を消していた。
いるのは領主に男の使用人達と寺の僧。
領主は言った。
「君には私の娘の為、贄になってもらう」
理解が追い付く前に縛り上げられ、体中に杭が打ち込まれた。
知ってる?すごく痛いのよ?
呪術的に無理矢理悪い気を私の方にむけてしまう…僧は言ったわ。
ただ私一人では背負いきることは難しい、集めた女達は分散させるための数合わせで私の魂がその代表なのだ…と。
それを理解できたのは死んだ後だったけどね。
意識が薄れ抵抗する力もなく私は土を被せられていった。
口の中は砂利と鉄の味。
同時に私の中にいろんな人の意識が流れ込んできたの。
女の人達はこの近くに埋められたのね…… 憎しみ、戸惑い、怨念…………
あらゆる負の感情が渦巻く中、私の魂だけは成仏することも許されず一つの人形に収まった。
その後、領主の娘は大病に侵されることもなくその一生を全うしたそうよ。
私は人形の中で独り、数多の怨恨の念に魂が腐り果てながらも何とか耐えることができた。
一年に一度、日の光を浴びて普通の女の子として祭ってもらえるから……
健やかに育つ領主の子孫達を見届けてゆけるなら…
そう思っていたわ。
あの日までは。
「これで私の話は終わりよ。よくできた作り話でしょう?」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています