善子「ずら丸&リリーとの幸せマタニティライフ」
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从c*•ヮ•§ 前回の!
ノcリ,,^o^,,ル `¶cリ^ヮ^)| メイ*^ _ ^リ ボテライブ! 産シャイン!! \デデーン!/
从c*•ヮ•§ 【ヨハネの生き血】なる薬を飲んだ善子は、花丸や梨子と″えっちなこと″をしたせいで、なんと二人を妊娠させてしまう
ノcリ,,//o//,,ル できちゃった、ずら♡
メイ*// _ //リ 責任、取ってくれるわよね♡
从c*;ーヮー§ そんな二人がつわりのせいでイベントに出場できなかったり、善子の一番を巡って口論になったり、お互いの陰口を言ったりで、徐々にaqours全体の空気が悪くなってしまう
メイ*#` ◇ ´リ ムッキー
ノcリ#,,`o´,,ル ずっらー
从c*^ヮ^§ 千歌や謎の人物【ディアマンテ】の助言によって真実の愛に目覚めた善子は、自らのエゴを懺悔した上で「二人に仲良くしてほしい」と訴え、無事花丸と梨子は和解したのであった
`¶cリ˘ヮ˚)| リトルデーモンの二人くらい、このヨハネが幸せにしてみせるわよっ!
从c*^ヮ^§ もうすぐ四人になるけどねっ!
从c*•ヮ•§ それから二ヶ月が過ぎ、わたし達は夏休みを迎えたのであった 七月末、津島さんのお宅
ピンポーン
善子「来たわね」
花丸(インターホン)『もすもす』
善子「鍵なら開いてるわよ」
ガチャッ
花丸「おはようずら、ヨハネちゃん♡」
善子「ごきげんよう、我が″黄昏の理解者″よ。ってずら丸一人でここまで?」
花丸「ううん、梨子ちゃんと千歌ちゃんもバス停まで一緒だったんだ」
善子「そう、あの二人も……ってなんで千歌さんもっ!? 『何でも協力する』とは言ってたけど、まさか──」 花丸「ヨハネちゃん、もしかして『梨子ちゃんを千歌ちゃんに取られた』とでも思ったんじゃ」
善子「ギクッ!? 前々から思ってたけどずら丸ってもしかしてテレパス?」
花丸「マルはヨハネちゃんの″黄昏の理解者″ずらよ」ズランッ
善子「だからって──」
花丸「冗談だよ。ヨハネちゃんが顔に出やすいだけずら」
善子「ぐぬっ!? それは気を付けなくちゃね」
花丸「千歌ちゃんはベビー用品の買い出し、その付き添いだよ」
善子「リリーの荷物持ちって訳? まあ、あの歩くたまごクラブならアドバイザーとしてうってつけかもね」
花丸「そういうこと。それに千歌ちゃんには曜さんがいるし」
善子「それもそうね。浮気なんてしようものなら曜さんに刺されてもおかしくないわね」
花丸「とにかく今日はマルと一日よろしくね♡」
善子「ええ」 屋外、バス停付近
花丸「エレベーターがあって助かったずらぁ〜」
善子「たかだか四階なのに?」
花丸「むうっ」
善子「しっかし……文字通りまるまるっと丸くなったわね」
http://q2.upup.be/f/r/HIdyFzTWmA.jpg
花丸「うん。つわりが終わったら、また前みたくたくさん食べたくなってね……そうしたら毎日少しずつ大きくなっていったの」お腹ナデナデ
善子「良かったわ、経過は順調みたいで」
花丸「でもこんなに大きくなるなんて思わなかったなぁ」
善子「恥ずかしくないの? そのタヌキの置物みたいなお腹で」 花丸「デリカシーのない例えはやめるずらぁ// 『太ったね』って何回からかわれたことか。……本当は『おめでとう』って祝ってもらいたかったのに」
善子「お腹が大きくなったこと自体は恥ずかしくないのね?」
花丸「うん。だって大好きなヨハネちゃんの子どもなんだよ♡」お腹サスサス
善子「ずら丸// ちょっと照れるじゃないの」
花丸「前に教えてもらった【認識阻害】のせいなんだよね? お医者さん以外は誰もマルが妊娠したのを信じてくれないのって」
善子「ええ。例外もあるけどね」
度を超えた妊婦フェチの千歌さんとか
花丸「そうなんだね。人の理を無視して産まれてきた子でも、マルは大切に育ててあげるからね」お腹ナデナデ
善子「人の理を無視……確かにそうなるわね。だけどエコーとかでも異常は見つかってないんでしょ?」
花丸「うん、問題ないよ」
善子「なら平気ね。とにかく半年分の埋め合わせはするわ! まずはどこへ行きたい?」
花丸「つわりを乗り越えたら、ヨハネちゃんと一緒に行こうって決めていたところがあるんだ♪」
善子「わかったわ、地獄の果てだろうが付き合うわよっ!」 沼津駅前でバスを降り、私達は真新しい喫茶店の前まで歩いた
花丸「ここずら」
善子「なんていうか……普通の女の子が入るのを躊躇いそうな雰囲気ね。このヨハネが言うのもアレだけど」
【ナイトメアスイーツ】ねぇ
花丸「でもヨハネちゃんとしては好きそうな店でしょ?」
善子「ま、まあね」
花丸「じゃあ行くずら♪」 カランコロン♪
店員「よくぞお戻りになられました、魔王閣下に女皇陛下!」グルル
花丸「うむ、くるしゅうないぞ。リトルデーモン諸君!」
善子「ええー!? 狼男ぉーっ!?」
花丸「あれ? ヨハネちゃん、こういうの好みじゃなかったの?」
善子「メイドカフェとか執事喫茶の亜種なの!? ここって」
花丸「そうみたいずらね」
店員「では魔王閣下と女皇陛下のお席はこちらでございます」
花丸「うむ」 善子「和洋折衷過ぎでしょ、この店! 吸血鬼にフランケンどころか、雪女に河童みたいなのもいるし」
花丸「でもヨハネちゃんの堕天使設定も、結構多方面の神話や宗教から取り入れているし」
善子「うそっ!? もしかして元ネタ把握してたりする訳?」
花丸「何度も言うけどマルは″黄昏の理解者″ずらよ。ほらっ♪」つメモ帳
善子「ええと【堕天使ヨハネ語録】っ!?」
花丸「うんっ♡」
善子「……なんか言った覚えのある言葉と、その解説がズラリと」
店員「魔王閣下、それと女皇陛下。我々は何を捧げればよろしいでしょうか?」
善子「えーと、魔王閣下ってのは私で、女皇陛下はこっち?」ずら丸ユビサシ
店員「さようでございます、閣下」グルル
善子「ううーむ、人間界の共通語で頼む」
他人がそういうモードで話しかけてくるとむず痒いものね 店員「かしこまりました。では……ご注文はお決まりですか?」
善子「あー、そこからなのね」
花丸「はい、【愛の双頭巨人パフェ】をお願いします」
善子「何を頼むかも決めてたのね」
にしても微妙なネーミングセンスね
店員「【愛の双頭巨人パフェ】ですね、かしこまりました。お飲み物は何にいたしますか?」
花丸「オレンジジュースで。ヨハネちゃんは?」
店員「彼氏さん? もしもし、彼氏さーん?」
善子「って私のことっ!?」
店員「他に誰がおります?」
【認識阻害】の同性間恋愛を隠匿する効果のせいで、私は男性に見えてるって訳ね
善子「すみません」
店員「こちら【愛の双頭巨人パフェ】は、お二人で食べられる用のメニューでして」
善子「ああ、そういうことね。じゃあ私はエスプレッソで」
店員「オレンジジュースにエスプレッソですね。かしこまりました」 善子「そういうメニューなら最初に言ってよね」
花丸「ごめんね、ヨハネちゃん。でも気になっていたでしょ?」
善子「ま、まあね」
花丸「しかもカップルで入店しないと注文できないんだよ」
善子「だからなのね、『一緒に』って決めてたのは」
花丸「うんっ♡ それにこれね、30分で完食できたら半額になるんだよ」
善子「タダじゃないのね、ケチ臭い」
花丸「だから一緒に頑張ろうねっ♪」
善子「別に頑張る必要は──」
花丸「あるよっ!」クワッ
善子「どうしてよっ! ゆっくりでいいじゃないのっ!」クワッ 花丸「これ、欲しいんだ」ユビサシ
善子「副賞として黒猫のストラップ、ねぇ」
花丸「駄目、かな?」
善子「わかったわよ、そういう理由なら一肌脱ぐわ。にしてもずら丸ってホント猫好きよね〜、練習着といいストラップといい」
花丸「うんっ、にゃ〜ん♡」
善子「ふふっ、あざといっての。案外ずら丸が猫派だったから、犬派のリリーと険悪だったのかもね」ニコッ
花丸「流石にそれは関係ないと思うなぁ」 店員「お持ちいたしました」つパフェ
善子「でっか」
http://q2.upup.be/f/r/s7J5WDrMup.jpg
※イメージです
これは東京武蔵小山の某ケーキ喫茶のものであり、重さ約3.5kg、高さ約50cmもあるそうです
店員「では、カウントを始めますね」
よしまる「「いただきます」」ペコッ
花丸「はむっ……んん〜っ、うまいじゅらぁ〜♡」
善子「いい食いっぷりね〜」
花丸「ヨハネちゃんも早く食べるずらぁ」モグモグ
善子「わかってるわよ。はむっ」
花丸「どう?」
善子「んん〜っ♡ ヨハネ、昇天しちゃう〜っ♡」
花丸「よかったぁ」ニコッ
善子「これなら毎日でもイケるわね」
花丸「もっとゆっくり食べた方がいいよ」 15分後
善子「うっぷ」
花丸「ほらね、言わんこっちゃない」
善子「でも……2/3は胃の中に納めたわよっ、げふっ」
花丸「そうだね、あと一息ずら」
善子「っていうかずら丸は平気なの?」
花丸「うん。マラソンと同じだよ、自分のペースを崩しちゃ駄目ずら」
善子「この量ならもう、ずら丸一人でいけるんじゃ──」
花丸「駄目だよ、ヨハネちゃんもあとちょっとは食べないと」
さくらーふぶーきのー♪
善子「ううっ、サライが聞こえてきた……」
花丸「うん、実際に流しているからね」
善子「ノリいいわねー、このお店!」 残り3分でなんとか完食できた
よしまる「「ごちそうさまでした!」」ペコッ
善子「どーよっ! ヨハネの胃袋は天界より広いのよっ!」
花丸「お疲れ様、ヨハネちゃん♪」
善子「食事で『お疲れ様』ってのはどうなのよ?」
店員「おめでとうございます! 今景品をお持ちいたしますね」
花丸「お願いします」
花丸「美味しかったね♡」
善子「……しばらくはイチゴもチョコも視界にすら入れたくないわ」
花丸「ごめんね、ヨハネちゃん。無理なお願いして」 善子「気にすることないわよ、たまにはイイとこ見せたいしねっ!」
花丸「ヨハネちゃん//」
店員「どうぞ」つストラップ
花丸「はい、ありがとうございます」ペコッ
花丸「ヨハネちゃんもありがとね」ニコッ
善子「どういたしまして」
花丸「ヨハネちゃんだと思って大事にするね、この子」
善子「それはまた大層なことで」
まあずら丸の喜ぶ顔が見られたなら頑張った甲斐があったというものか 会計を終え、【ナイトメアスイーツ】を後にした
善子「しかしケロっとしてるわね、ずら丸は。一人で2/3は食べたでしょうに」
花丸「うん、もうちょっとなら食べられそう」
善子「時間制限がなかったら一人でもイケてたんじゃない?」
花丸「ふふっ、かもね」
善子「やっぱりつわりが終わってから食べる量増えたの?」
花丸「そうだね、いつもの倍くらいになったかも。気が付いたらおせんべいとか、一人で一袋丸々食べちゃったこともあるし」
善子「妊娠してるからって食べ過ぎちゃ駄目よ。産後太りで体型が戻らないって人も多いみたいだから」
花丸「……気を付けるずら」 10分ほど腹ごなしに歩いて、目的地の公民館へ着いた
善子「児童図書館なんていつぶりかしらね」
少年「あべっく〜」
花丸「アベックだって、ヨハネちゃん♡」
善子「無視よ無視。っていうか本の配置、相当変わったのね」
花丸「10年以上前だからね、最後に来てから」
善子「そうなの? 私は中学の時、神話とか調べに来てたから」
花丸「そうなんだ。ヨハネちゃんって勉強熱心だよね」
善子「一応ママが先生だしね、調べ物自体は嫌いじゃないわ。というか意外だわ、ずら丸こそよく利用してそうなのに」
花丸「マルの場合は欲しくなったらすぐに買っちゃうからね」
善子「ルビィが呆れてたわよ。『お金は大丈夫なの?』ってね」
花丸「だからまずは借りて読んでみてから買うって決めたんだぁ。この娘が産まれてきたら、たくさんお金が掛かるから」お腹ナデナデ
善子「……そうね、今度の資金繰りも考えておかなくちゃね」ハァ 絵本コーナー
善子「うっわー【はらぺこあ○むし】とか懐かしー」
花丸「うーん、これと、あとこっちも借りていくかなぁ?」
善子「って何冊借りるつもりよっ! 持つの私なのにっ!」
花丸「借りられるだけだから……10冊ずら」
善子「そんなにっ!? 一度に借りてく必要あるの?」
花丸「うん、ちょっと参考にしようと思ってね」
善子「参考? 何の?」
花丸「絵本作り、始めようと思っているんだ」
善子「絵本作り? 今だって4コマ描いてるのに?」
ずら丸が月一で描いてるaqoursの活動記録を兼ねた4コマ漫画は、メンバー全員の間で好評なのよね
花丸「うん。将来絵本作家を目指すのもいいかなー、ってね」
善子「悪くはないけど小説とかと比べてレベル下がるんじゃ──」 花丸「甘く見ちゃいけないよっ!」クワッ
善子「ずら丸っ!? 大声出しちゃ駄目でしょ」
花丸「あっ……ごめんね、ヨハネちゃん」
善子「……まあ他に人いなかったみたいだし、気を付けなさい」
花丸「うん。だけど子どもはね、ガワだけ繕っている薄っぺらい話はすぐ見破るんだからね!」
善子「具体的には?」
花丸「女の子をいっぱい出してきゃっきゃうふふ〜♡ させておくだけのお話とか、格好いい男の子にそれっぽいキザな台詞を言わせるだけのお話とか」
善子「その発言、多方面に喧嘩売ってるわよ」
花丸「そうかな?」
善子「そうよ。で、どんな話にするつもり?」 花丸「マルがスクールアイドルをしていて思ったこと、感じたことを伝えていくお話」
善子「抽象的過ぎない?」
花丸「いっぱいいっぱいあるからね、伝えたいことって。でもまずは梨子ちゃんと喧嘩して、仲良くなるまでのことをお話にしたいの」
善子「リリーとの喧嘩ねぇ。確かに私達三人とも、色々考えさせられたものね」
花丸「でしょ? マル達みたいな悩みを抱えている人にこそ読んでもらいたいなぁ、って思っているの」
善子「ガチな三角関係の話なんて、それこそきゃっきゃうふふ〜♡ なライトノベルでも滅多に見ないと思うけど?」
大概ヒロインが雪だるま式に増えていくから、三角どころでは済まないからなのよね
花丸「別に二股がどうとかってだけじゃないずら」
善子「そうでしたね、悪かったわ。で、どんな風にしたいって考えてるの?」 花丸「主人公は二人のネズミさんで、題名は【りりとずら】」
善子「まんま【ぐりと○ら】じゃない! 元ネタの作者から訴えられるわよっ!」
花丸「……それもそうだね」
善子「著作権侵害の賠償金ってかなりの額になるみたいだからね、そのタイトルで出版社に持ち込もうとだけはしちゃ駄目だからねっ!」
花丸「う、うん。それじゃあヨハネちゃんなら、どんなお話にするの?」
善子「ククク、そうね【かいけつヨハネとゆかいなリトルデーモン】なんてのは──」
花丸「それも【かいけつゾロ○】のモロパクずら」
善子「いいでしょ! そんな咄嗟に浮かぶもんじゃないし、持ち込むつもりもないし」
花丸「それで、どんなお話なの?」
善子「一応聞いてはくれるのね」
花丸「うんっ」
花丸「だいたい想像はつくけれどね」ボソッ 善子「決まってるでしょ? クールでチャーミングな堕天使ヨハネ様が──」
花丸「キツネの」
善子「だから元ネタから離れてっ! 部下のずららとりりりを従えて共に──」
花丸「マルと梨子ちゃんずらね、やっぱりイノシシの」
善子「だーかーらー! どうして話の腰を折ろうとするのよっ!」
花丸「いや、だってヨハネちゃんから『どうぞご自由に突っ込んで下さい』オーラが出てたから」
善子「えっ!? ずっとそんなの出てたの? だからずら丸やリリーを始め、誰も彼もが親しくなるとどんどんツッコミが激しくなるのね」ウルッ
花丸「冗談ずら」
善子「わかってましたよ、ふーんだっ!」ムスッ
花丸「それで続きは?」 善子「ヨハネとずららとりりりの三人組が、行く先々で起こるトラブルをズバッと解決していく愉快痛快ファンタジーなの!」
花丸「ふむふむ」
善子「で、助けられた人達はみーんなヨハネに魅了されてリトルデーモンになっちゃうのよ!」
花丸「改悪乙ずら」
善子「しつこいっての!」
花丸「だって元ネタだと吹っ飛ばされてもオナラでUターンしたり、崖から落ちても霜焼けで鼻が膨らんだおかげで木に引っ掛かったりするんだよ」
善子「今思い返せばくっだらないを通り越して、よくそんなネタが浮かんだって感心するわね」
花丸「でしょ? こういうセンスを出せるようになりたいなぁ」
善子「プロ目指すつもり?」 花丸「やるからにはね。でも今は『この娘達のために』って考えているけどね」
善子「確かにいきなりってのは厳しいものよね」
花丸「でもいつかはちゃんと本屋さんに並んで、ここや図書館でも貸し出されるような絵本を作って、一人でも多くの人に読んでもらいたいなぁ」
善子「なかなか大層な夢ね」
花丸「うん。スクールアイドルやっているうちに、欲が出るようになったのかなぁ?」
善子「別にいいんじゃない? 夢はデカくなけりゃつまらないでしょ?」
花丸「○たま乱太郎?」
善子「そうよ、アレも昔はよく観てたものよ」 花丸「ヨハネちゃんって案外、小さい子向けの漫画やアニメ好きだよね?」
善子「そうかもね。たまにドラ○もんとかクレヨン○んちゃんとか見ると結構面白くない?」
花丸「うん、あるある」
善子「今度映画のDVD借りてきて一気見でもするかしら?」
花丸「いいかもね、そういうのも。小さい子が何に惹かれるのかの勉強になるかも」
善子「ずら丸も相変わらず勉強家なのね」
花丸「そうかも。でも欲張りなマルもこれで、ヨハネちゃんや梨子ちゃんと一緒に地獄行きずらね」
善子「って私とリリーは地獄行き確定な訳ぇ!?」
花丸「だって堕天使なんだから神様が受け入れてくれる訳ないずら」
善子「クックックッ、まあねっ☆」 善子「ずら丸ってさ、おっとり屋さんの割には案外負けず嫌いなとこあるわよね?」
花丸「そう……かもね」
善子「実はaqours一番だったりして」
花丸「流石にそうではないよ」
善子「どうして?」
花丸「だってマル、みんなと違ってまだなんにも凄い結果、出せていないんだから」
善子「ラブライブで優勝したってのに?」
花丸「それはあくまで九人みんなで、でしょ? マル一人の功績じゃないよ」
善子「まあね。でもそれじゃ納得いかないっての?」
花丸「うん。だってみんなそれ以外でも色々と結果残しているんだから」
善子「そうかしら?」 花丸「そうだよ。ヨハネちゃんは動画サイト上にいっぱい応援してくれる人がいるし、梨子ちゃんはピアノコンクールで入賞しているし」
善子「言われてみれば確かにね。曜さんだって高飛び込みの天才だし」
花丸「でしょ。aqoursは元から出来る人達の集まりだったんだよ」
善子「って千歌さんとルビィは?」
花丸「千歌ちゃんはスマ○ラの世界ランキング上位に入っているんだよね? そこかなぁ」
善子「凄いと言えば凄いけど、『その努力をもっと他に向けなさい!』ってのが個人的な意見ね。で、ルビィは?」
花丸「ルビィちゃんはかわいさランキング一位だし」
善子「しれっと何言ってるのよっ!? あくまで『ずら丸の中で』だけでしょ!」
花丸「まあね。でも『友情と恋愛感情は別物』なんでしょ?」
善子「ま、まあそう言ったわね」
リリーと千歌さんの間に友情があるように、ずら丸とルビィの間にだって友情はあるのよね 花丸「ルビィちゃんなら函館のイベントを主催したって実績があるずら。忘れていないよ」
善子「理亞と二人でとはいえ、アレも相当なものよね」
花丸「だからね、悔しいんだよ。マルだけがまだ、そういう世間から認められる賞を取ったりしたことがないから……」
善子「ずら丸……アンタから『悔しい』なんて言葉が出るなんてね」
花丸「マルだって……ヨハネちゃんや梨子ちゃんに並びたいんだよ」
善子「なれるわよ。このヨハネの″黄昏の理解者″なんだから」肩ポンッ
花丸「ヨハネちゃん//」
善子「まあ別にそういう公の場で賞を取ることだけが絶対、って訳でもないと思うけど。一人一人歩く速さも選んだ道も違うんだし」
花丸「それじゃあマルの気が済まないずらっ!」 善子「ずら丸……だったら全力で挑みなさい! 人生何事も挑戦あるのみよっ!」
花丸「うんっ!」
善子「もしダメだったとしても、このヨハネが慰めてあげるから」
花丸「ありがとうね、ヨハネちゃん♡」
善子「ずら丸は何度も立ち上がれる? 胸に手を当て──」
花丸「Yesと答えるずらっ!」ガッ
善子「そういうことよ。それに統廃合の件と違って、失敗したって『後がない』って訳でもないんだしね」
花丸「そうだよね、がんばルビィ! ずら」 善子「さてと、もう行きたいところはないわね?」
花丸「うん、少し早いけど帰るずら」
職員「ちょっとそこの旦那さん」チョイチョイ
善子「旦那って……私?」
慣れないものね、【認識阻害】の効力って
職員「そうそう。今ね、二階でこういう企画やってるんだけど、どう?」つボード
善子「えっと『奥さんの気持ちになってみよう、妊娠体験講座』?」
花丸「ヨハネちゃん、『何事も挑戦あるのみ』だよねっ」ニコッ
善子「そうね、やるしかないじゃないの。妊婦さん直々に勧められたなら」 二階講堂
参加者は私を含めて三人だけ、しかも女性は私だけだった
職員「という訳で、妊娠されている方にとっては、何をするのにも一苦労な訳です」
以前千歌さんから講義を受けていたのもあって、その辺の知識はほとんど頭に入っていたので割愛する
本当にあの人は歩くたまごクラブよね
職員「ではこれからが、本日の講座のメインとなります。皆さんどうぞ立って下さい」
善子「こ、これって……」
青年「妊婦さんの胴体みたいな形状ですね」
職員「マタニティウェアっていうんですよ。しかもオハラグループがアメリカから輸入した高性能版なんです」
善子「へ、へぇー。……こんなこともやってたのね、オハラグループって」 職員「まずは腰を痛めないようにベルトを巻いて下さい」
善子「はい」マキマキ
職員「ではウェアを着けるので『バンザーイ』して下さい」
善子「はーい」バンザーイ
係の人が上からウェアを被せてくれた
善子「うっ……おっも」
鏡を見ると妊婦さんの大きくなった胸やお腹を象ったウェアが胴体を覆い、すっかり臨月の妊婦さんを思わせる容貌になっていた
※イメージです
http://q2.upup.be/f/r/X256pvcKS8.jpg
善子「それにきっついわね」
ゴムによってお腹と腰がぎゅっと締め付けられる感触がする
職員「アメリカでは一月の間、それを着たまま生活したパパさんもいるんですよ」
善子「ええーっ!? コレ、どれぐらい重いの?」
職員「合計10キロですね、大きめの米袋ぐらいです」
善子「ふふふ、それはなかなかしんどくなりそうね」 職員「まずは階段まで歩きます」
善子「はい」
50メートルもない距離だが、一歩一歩が重かった
青年「はぁ、はぁ、キツいですねぇ」
中年「ふぅ、ふぅ、だなぁ」
善子「ふぅ、確かにね。新手の筋トレって感じだわ」
残りの二人は20代前半と30代後半ぐらいかしら
意外と私がこの中だと一番体力があるのかもね、スクールアイドルやってる身だし
花丸「ぷぷっ、ヨハネちゃんもまるまるっと丸くなってお揃いずらね〜」パシャッ
善子「ってずら丸、撮らないでよっ!」
花丸「せっかくなんだから、きちんと目に見える形で残しておくことが大切ずら」
善子「いや、だからってさ──」
花丸「それじゃあさっそく……ポチっとずら♪」ピロリン
善子「って何したのよっ!」
花丸「何って、梨子ちゃんに送っただけだよ」
善子「ええーっ!? 絶対笑われるわよね、リリー達に」グスッ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています