花丸「図書室ストーリー」
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シーン
花丸「...」ペラ...ペラ
花丸「ふへへ」ペラ...ペラ
キンコーンカンコーン
花丸「んあ。もう、下校時刻ずらか」パタン
花丸「窓を閉めて、退散しないと」パタパタ --- --- --- --- ---
花丸「」カラカラカラ...ピシャッ
ワイワイ...アハハ...
花丸(グラウンドには、まだ結構人が残ってるずらねぇ)
花丸(...比べて、この図書室は)クルッ
ガラ~~ン
花丸(うーん。入場者、0人) 花丸「」スッ
花丸「...ごめんね〜」パラララララ
花丸「もっと読書企画とか作れば、人が来るのかもしれないけど」パタン
花丸「オラ、この場所だけは、このままが嬉しいずら」スッ コト
花丸「もうちょっと勇気が出るまで」
花丸「待って欲しいずら」トコトコ --- --- --- --- ---
花丸「窓よし。パソコンよし。鍵、持った」
花丸「エアコンを消してっと...オッケーずら!」
ガラガラ...ピシャ
花丸「」カチャカチャ...ガチャ
花丸(今日も一日、ありがとうずらー)クルッ タッタッタ...
図書室「...」 --- --- --- --- ---
--- --- ---
---
花丸「」テクテク
ルビィ「おーい、花丸ちぇぁーん!」タッタッタ
花丸「ん?」クルッ
ルビィ「はぁはぁ...追いついたー!」
花丸「ちょっと、速くなった?」
ルビィ「えへへ。そうかな?」ハァハァ
花丸「ウンウン」 花丸「今まで練習してたの?」
ルビィ「うん。そうだよっ」
花丸「なら、顔を出せば良かったずら」
花丸「ごめんね。図書室の当番で、練習行けなくて」
ルビィ「うーうん。大丈夫!仕方ないよ」
花丸「そう言ってくれると、助かるずら」 花丸「...」
ルビィ「?...どうかした?」
花丸「んー。やっぱり、申し訳ないなーって」
ルビィ「う?」
花丸「図書室の当番って言っても、誰も来ないから、本を読んでるだけだし」
花丸「周りが練習してる最中、オラだけ楽してる感じがして」
花丸「ちょっぴり、気がひけるずら」
ルビィ「あー」
ルビィ「でも、花丸ちゃんがいないと」
ルビィ「いざ、本を読みたい人が来た時に、困っちゃうから」
ルビィ「やっぱり大事なお仕事だと、ルビィは思うよ?」
花丸「それは、そうなんだけど...」
花丸「次の当番の時は、誰か一人ぐらいは、来てくれるといいなぁー」
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ガラーン
花丸「ま。今日も今日とて、ひとりぼっちずら〜」
花丸「さてと。どの本読もうかなぁ」トコトコ...ジロジロ
花丸「ん?」ピタッ
花丸「この作者、見ない名前ずら」スッ
花丸(ズラマール作、『ルビィ色の髪の少女』...ふむ)パララララ...
花丸「運命感じた。今日は、この本を読むずら」スタスタ...
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花丸「...」ペラ...ペラ...
キンコーン
花丸「んっ...んーー!」パキポキパキボキィ
花丸「っプハー。面白いずらー!大当たりずら!」
花丸「お持ち帰り決定。ポチッとな」ポチ ウィーン
花丸「えとー。R、U、B、I、カタカナ変換...」カタカタカタ
花丸「あれ?...おかしいなぁ。図書名簿にない」
花丸「んー」パララララ...
花丸「あ、この本、図書カードまだ貼ってないや」
花丸(困った。図書登録は、オラ習ってないずら)ポリポリ
花丸「読んじゃって、明日返せばいいや」ゴソゴソ
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カチャカチャ...ガチャン
花丸(今日も、ありがとうございました...っと)ペコリ
花丸(まだ、アクアやってるかな?覗きに行こう)タッタッタ
図書室「...」 --- --- --- --- ---
曜「お、花丸ちゃーん。委員会お疲れー」
花丸「今、終わったところずらかー」
花丸「今日は、何をしてたの?」
千歌「筋トレ、筋トレ、筋トレぇ!」ゼーハーゼーハー
花丸「来なくて良かったずらー」
果南「ほう?」スタッ
花丸「嘘ずら。参加できなくて、非常に残念ずら」
梨子「アハハ...」 ルビィ「花丸ちゃん、着替えるまで、待って〜」ゴソゴソ
花丸「急がなくていいずら〜」
善子「てかさ、あんた当番代わってもらえないの?予選もあるんだし」
花丸「それは、他の人にも言えることずら」
花丸「オラだけ部活を優先して、委員会を疎かにすることは、できないずら」
梨子「立派だと思うわ」ニコッ
果南「あー。でも、図書室の当番は、ちょっと勘弁かなん。色々、噂あるし」
花丸「?」
鞠莉「オゥー。果南は、ほーんと、その手の話にはビビりですネ〜」
果南「び、ビビってないし」
花丸「どんな噂ずら?」
鞠莉「オゥ!興味ある?」
花丸「ある!」
果南「音楽きこーっと」シャカシャカシャカ!
善子「音漏れ」
鞠莉「オールディ、オールディ。それは、学校が出来て、まもない頃...」
千歌「知ってるー!図書当番の子が行方不明になっちゃうんだよね!!」
鞠莉「オッオゥ〜...雰囲気ブレイカー...」
花丸「へー。行方不明」
ダイヤ「身もふたもない、ただの噂ですわ」
曜「あれ?でも、去年の卒業生にさ、図書委員で...」
千歌「あぁ、めっちゃ噂になったよね!」
曜「そうそう」
ダイヤ「や、め、な、さ、い!」
ダイヤ「花丸さんを怖がらせて、どうするんですか!」
花丸「あはは...」
ルビィ「お待たせ〜」
花丸「ん。じゃ、お先失礼するずら〜」
ルビィ「失礼します!」
千歌「バイバーイ!」フリフリ
善子「ういー」フリフリ
千歌「」チラッ
善子「ん。何よ」
千歌「いや、距離離れてないかなーって」
善子「ちょ。家の方向が違うだけ!」
果南「ふんふ〜ん」シャカシャカシャカ!ジャン!ジャン!
善子「うるさい!」
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ルビィ「なんだか機嫌、良さそうだね?」
花丸「うん。面白い本を、図書室で借りたずら」
ルビィ「えー、見たい見たい〜」
花丸「待ってね〜」パチッ ゴソゴソ
花丸「じゃん。『ルビィ色の髪の少女』。知ってる?」スッ
ルビィ「知らなーい。けど、ルビィって入ってるから名作だね!」フフン
花丸「その理屈は意味不だけど、確かに、面白いずら」 ゴソゴソ パチン
ルビィ「どんな話なの?恋愛物?」
花丸「ジャンルで言うと、悲愴劇フィクションかな〜」
ルビィ「あー。『ライ麦畑で捕まえて』みたいな?」
花丸「うん。影響を受けていると思う」
花丸「でも、ストーリーが、一人称ではなく三人称で進んでいく辺り」
花丸「作風は『グレート・ギャッツビー』に近いずら」
ルビィ「なるほど...つまるところ」
ルビィ「花丸ちゃんの、大好物と言うわけだね!」
花丸「ご名答〜」
ルビィ「花丸ちゃん、太鼓判かぁ。ルビィも読んでみようかなぁ」
ルビィ「検索してみよ〜」スッ スッスッス
花丸「最後まで読んでないけど、評価は高いと思うずら」
ルビィ「んー。ん?あれれ?」
ルビィ「花丸ちゃん。この本、ネットで見つからないよ?」
花丸「えー?隠れた名作だからかなぁ」
ルビィ「いやいや。どんな本でも、ネットにないなんておかしいよ」
ルビィ「世界中誰も、この本を話題にしている人がいないって事だよ?」
花丸「ちょっと考えづらい」
ルビィ「作者で検索してみよっか。えっとー」
花丸「ズラマール」
ルビィ「ズラマールっと...」
花丸「どう?」
ルビィ「テラマールっていう、お薬が出て来た」
花丸「全然違うずら」
ルビィ「どうしてだろう...?」
花丸「世に出回ってない本が、学校にあるっていうのは」
花丸「不思議ずらねぇ」
ルビィ「だとすると、考えられるのは...」
ルビィ「誰か個人で製本して、図書室に置いたとか?」
花丸「えー。こんなに質の高い本をー?」
ルビィ「わかんないけど、矛盾はないし...」
花丸「ふーむ...」
花丸「でも、もしそうだとしたら」
花丸「これだけの才能を持った人が、学校にいるという事」
花丸「オラ、この本から、文学に対する熱意を感じるずら」
花丸「是非とも、お友達になりたいずらねぇ」
ルビィ「ふふ。見つかるといいね!花丸ちゃん!」
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花丸「5..6..7..8っと」グッ グッ グッ
花丸「就寝前のストレッチ終わりー」ボスッ
花丸「...」ゴソゴソ スッ
花丸「寝る前に読んじゃお」パラララ
花丸「...」ペラ...ペラ...
--- --- --- --- ---
花丸「...」ペラ
花丸「ん。終わったぁ!」パタン
花丸「趣味で終わらすには、勿体無い文才ずら」
花丸「この出来なら、有名どころの出版社でも、唸ると思うんだけどなぁ」クルッ
花丸「んー?...出版、新潮文庫?」
花丸「な、な...超大手、文庫レーベルずら!」ガバッ!
花丸「だ、だとしたら、ネットに乗ってないのはおかしいずら」
花丸「えぇい。自分で調べてみよう!」ゴソゴソ スッ ポチポチ
花丸「...」スッスッス...
花丸「...本当だ。タイトルも作者も見つからない」
花丸「新潮文庫の出版目録にも、なかったずら...」
花丸「一体、この本...何物ずら」
花丸「初版は...」ペラペラ
花丸「...こ、これは!」
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善子・ルビィ「図書室に、未来に繋がる時空トンネルがあるー!?」
ザワ...ザワザワ...
花丸「うんうん」
善子「...あんた、頭大丈夫?」ヒソヒソ
花丸「善子ちゃんよりは、お花畑じゃないずら」
善子「〜〜!」
ルビィ「で、でも、ありえないんじゃないかなぁ?」
花丸「それが、これを見て欲しいずら」ゴソゴソ スッ
ルビィ「昨日の本?」
花丸「うん。で、問題は最後のページなんだけど...」ペラペラ
花丸「ここ!」ビシィ
善子「初版...2030年4月ぅ?」
ルビィ「み、未来だぁ!」
花丸「そう!未来ずらー!」
善子「は、はぁ」
ルビィ「そ、そっか。ネットで探しても見つからなかったのは...」
花丸「未来に出版される本だから、載ってなかったんだよ」
ルビィ「す、すごいよ!花丸ちゃん!」
花丸「あの図書室は、未来と交信してる...」
花丸「探せば、他にも未来の本が見つかるかもしれないずら〜!」
ルビィ「おぉ〜!」
善子「...はぁ」ヤレヤレ
花丸「善子ちゃんの癖に、ノってこない」ジトー
ルビィ「うゅ...」
善子「だって普通に考えて、この学校のオンボロ図書室に」
善子「時空トンネルなんて、あるわけないじゃない」
花丸「それを言ったら、堕天使だっているわけないずら」
善子「うぐ...そ、それは置いておいて」
ルビィ「置いとくんだ」
善子「とにかく、いくらでも詐称できるってこと!」
善子「ネットにない本なんて、自作すればできるわけだし」
善子「出版日だって、好きに変え放題よ!」
花丸「でも、出版社レーベルだって...」
善子「それも、詐称」
花丸「違うずら。オラはこの文に、作者の情熱を感じたずら」
花丸「この作者は、飾りや酔狂で、歴史あるレーベルを貼ったりしないずら」
善子「じゃ、中身も盗用だったら?」
花丸「!」
善子「盗用して、その文をそのまま載せたなら?」
善子「そりゃ、作者の熱い想い?がそのままでしょうよ」
善子「どう?論破できる?」
善子「もっとも。時空トンネルよりは、ずっと現実味があると思うけど」フフン
花丸「うぐぐ〜...」
ルビィ「花丸ちゃん...」
花丸「」バンッ!
花丸「不愉快ずら。図書室行く」ガタッ スタスタ
善子「ふぇ!?」
ルビィ「花丸ちぇぁ!?」
花丸「...」スタスタ
善子「そんなダメージ受ける...?」
ルビィ「...善子ちゃ!」
善子「うひぃ」
ルビィ「善子ちゃん、酷いよ...」
ルビィ「花丸ちゃん、あんなにイキイキしてたのに」
善子「いや、だって、おかしくない?」
ルビィ「それでも、頭ごなしに否定すること無いよ」
ルビィ「花丸ちゃんも、善子ちゃんの堕天芸にツッコムことあるけど」
ルビィ「さっきのは、ただの意地悪だよ」
善子「ウグぅ!」グサッ
ルビィ「ルビィ、追っかけてくる」ガタッ
ルビィ「花丸ちゃぁー」タッタッタ
善子「」
ザワ...ザワザワ...
善子(や...やってしまったぁ!)ガクブル
善子(普段はオカルティック発言しているけど)ブルブル
善子(他人がオカルトを話し始めると、冷めてしまう、あの現象!)ガバァ
善子(普段取れない、ずら丸へのマウントが取れると思って...)
善子(やり過ぎてしまったーーーーっ)
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堕天使ヨハネ:やばい千歌
ちかっち:ん?
堕天使ヨハネ:距離、作ってしまった
ちかっち:は?
ちかっち:よくわかんないけど...
ちかっち:謝ったら?
善子「謝る!その手があった!」ガタッ!
ザワザワ...
善子「善は急げよ!走れ、ヨハネ!」タッタッタ!!!
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---
ガラッ!
ルビィ「花丸ちゃん!」
花丸「んー?」ケロッ
ルビィ「あ。読書中?」
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ルビィ「心配しちゃったよぉ」
花丸「ぶっ飛んだ事を言ってるのは、オラだからねぇ」
花丸「もっとも。善子ちゃんが、あんなに現実的な事言うとは」
花丸「思ってなかったけど」
ルビィ「あはは...」
ルビィ「でも、さっき不愉快だって...」
花丸「うーん。それは反対されたから、と言うよりは...」
花丸「オラが感銘を受けた、この作品を盗作って言ったからかなぁ」
ルビィ「ふむ」
花丸「この本はね。孤独な描写に溢れながらも、悲愴であり...」
花丸「それでいて、どこか温かみのあるストーリーなんだよ」
花丸「この作品を読んだ人が、この文をイタズラに使うなんて、ありえない」
花丸「...だから、ちょっぴり、大人気ない事言っちゃったずら」
ルビィ「そう言う事だったんだね〜」
花丸「うん。だから、オラ、やっぱり、この本は未来から来たと思う」
花丸「自分でも、おかしい事を言ってると思うけど...」
ルビィ「うーうん!おかしくないよ!」ギュッ
ルビィ「この本が未来から来たのが、偶然か故意かはわからないけど...」
ルビィ「図書室を大事にしてる花丸ちゃんが、この作品を読んだ事は」
ルビィ「きっと理由がある!」
花丸「そ、そうかな...///」
ルビィ「うん。そう思う!」
花丸「ルビィちゃん...」
花丸「うん。きっとそうだね」ニコッ
ルビィ「あ、あと、善子ちゃんの事なんだけど...」
ルビィ「怒ってない?」
花丸「全然」
花丸「そ、れ、に...」クイックイッ
ルビィ「ん?...あ」
ルビィ(ドアの窓から、シニヨン見えてる...)
花丸「ほんと、可愛いずらねぇ」クスクス
ルビィ「うん」ニコッ
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曜「5、6、7、8!はい、フィニーッシュ!」
果南「うむ!完璧!今日は終わろっか!」
千歌「ぷはぁーー。疲れたぁ!」バタン
梨子「はい、お茶」
千歌「ありがとー!」
花丸「もうちょっと、ストレッチしとこ...」グッグッ
善子「ずら丸、ちょっと」ポン
花丸「ん?」
善子「この後、暇?」
花丸「暇と言えば、暇ずら。どうして?」
善子「ルビィもさ。この後、図書室行かない?」
ルビィ「?...いいけど?」
善子「クックック。良いものを見せてあげるわ」
花丸・ルビィ「?」
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花丸「ペンデュラム?」
善子「そう。隠者を暴く、混沌の詮索者」
善子「堕天使ヨハネが、知識の終着点に渦巻くオーラを探求し」
善子「時空を歪めし、約束の地を見つけてあげるわ」ギランッ
花丸「は、はぁ...」
ルビィ「あはは...」
善子「もうちょっと、良い反応しなさいよ」
花丸「ちなみに、どうやって?」
善子「このペンデュラムを持って...」スッ
善子「ひたすら、練り歩く!」トコトコトコトコ
花丸「...ペンデュラムって、机の上でYES、NOでするやつじゃなかったけ?」
ルビィ「う、うん。コックリさんに似てたような...」
花丸「歩いてたら、ずっと揺れるずら」
善子「シャラップ!こういう方法もあるの!」
善子「それともなに?時空トンネル、諦めるの?」
善子「未来からの本、あれ以外に見つかってないんでしょ?」
花丸「う、うん...」
善子「じゃ、私に任せれば良いの」チャキン
善子「べ、別に。この前のあれ、悪いと思ってるわけじゃないんだから」
花丸「...気持ちは伝わったずら。ありがとう、善子ちゃん」ニコッ
善子「///」
善子「さ!見つけるわ!」
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善子「...」トコトコ
花丸「どう?善子ちゃん」
善子「やっぱり...ここね」
花丸「ここは、あの本の本棚の、反対側の本棚ずらね」
ルビィ「特に変わったところはないけど...」
善子「置いてある本に怪しいのはない...とすると」
善子「ルビィ、ずら丸。ここにある本、全部出すわよ」
ルビィ「えぇー!全部ー!?」
善子「ずべこべ言わない!」ドサドサ
花丸「こら!丁重に扱うずら!」
善子「ご、ごめん」
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善子「...」トコトコ
花丸「どう?善子ちゃん」
善子「やっぱり...ここね」
花丸「ここは、あの本の本棚の、反対側の本棚ずらね」
ルビィ「特に変わったところはないけど...」
善子「置いてある本に怪しいのはない...とすると」
善子「ルビィ、ずら丸。ここにある本、全部出すわよ」
ルビィ「えぇー!全部ー!?」
善子「ずべこべ言わない!」ドサドサ
花丸「こら!丁重に扱うずら!」
善子「ご、ごめん」
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花丸「なにこれ...」
善子「ビンゴ、ってやつ?」
ルビィ「ピギィ。本棚の奥に...魔法陣がびっしりぃ」
ビシィ...
花丸「不気味ずら〜」
善子「しかもこの魔法陣、対価を必要とするタイプね」
花丸「わかるの?」
善子「リスナーにいるのよ。こういうの詳しい関西弁のやつが」
善子「この文字と、この文字が隣合わさっている時は、そうなんだって」
花丸「へー」
ルビィ「対価って...やっぱり命?」
善子「りんごや、お酒みたいな方が多いらしいわ」
花丸「お供え物に近いずらね」
善子「うん」
ルビィ「そ、それなら、安心だね」
善子「もっとも。100人の女子供の命とかもあるみたいだけど」
ルビィ「ダメじゃん!」
善子「私だって、全部わかるわけじゃないし...」
ルビィ「うぅ〜。万が一、本が対価だったら」
ルビィ「本棚に本を戻す時に、どこかタイムスリップしちゃうよぉ」
善子「そ、それは考えてなかった...」
ルビィ「どうしよう、花丸ちゃぁ〜」
花丸「この魔法陣の、対価かぁ。うーん...」
花丸「あ」
善子「?」
花丸「オラ、わかるかも!」タタタ
花丸「」ゴソゴソ
ルビィ「何探してるの?」
花丸「『ルビィ色の髪の少女』...あった!」スッ
花丸「」ペラララララ...
花丸「うん...やっぱり!これずら」
ルビィ「んん?」
善子「ちょっと。一人で納得しないで、わかるように説明してよ」
花丸「...この本は、新潮文庫から出版されたずら」
花丸「新潮文庫の本は、一個特徴があって」
花丸「本の本体に、紐のしおりがついてる事で有名なんだずら」
ルビィ「あー。薄い文庫本にも、ついてるよね!」
花丸「この本にも、例外なくついていた」
花丸「オラは、これを使わないから、挟んであった場所に放置するんだけど」
花丸「このしおりの場所に、対価のヒントが書かれていたんだずら!」
花丸「ほら、ここ334ページ。お祈りのシーン!」
善子「どれどれ...『友を悪より救いいだす、機宜を得らるえば』」
善子「『力と栄えを産みえし我が命を、限りなく汝のものなればなり』...?」
ルビィ「どういう事?」
花丸「これは、有名な『主の祈り』に、皮肉を込めて変したセリフずら」
花丸「ストーリーの背景も合わせて翻訳すると..」
花丸「無残にも、死んでしまった友人を目の当たりにして」
花丸「神の救いに、希望を抱いていないから」
花丸「自分で、彼を救うチャンスが欲しい」
花丸「その為なら、富や権力を、思うがままに手にするであろう自分の命を」
花丸「神のものとして捧げても構わない。って意味ずら」
ルビィ「そ、それじゃあ、やっぱり対価は...」
花丸「『命』ずらねぇ」
ルビィ「ヒィィ!」
善子「なるほどね。超危険な代物ってわけか」
花丸「まぁ、過去に戻れるって、それぐらいの価値がある気がするずら」
善子「...このままにしとくのは、危ないわ」
善子「出した本、戻しましょっか」
ルビィ「う、うん。慎重にね?」
花丸「...」
--- --- --- --- ---
--- --- ---
---
善子「じゃ、私バスだから」
ルビィ「うん。バイバーイ」
花丸「バイバイずらー」
善子「いーい!今日のことは他言無用だからね!」
花丸「わかってるずら〜」
善子「ならいいんだけど...バイバイ!」タッタッタ
ルビィ「...」
花丸「...」
花丸「オラ達も、帰ろっか。ルビィちゃん」
ルビィ「...うん」
ルビィ「...」トコトコ
花丸「...」トコトコ
ルビィ「ねぇ、花丸ちゃん」
花丸「んー?」
ルビィ「今日見た、時空トンネル...」
ルビィ「絶対に使わないでね?」
花丸「ん?もちろん、使わないずら」
ルビィ「ルビィ、心配してるんだ」
ルビィ「花丸ちゃんが、そういう遠い目をしてる時」
ルビィ「何か、一人で思い詰めてる時だから...」
花丸「え゛」
花丸「そ、そんな目してないずら。そんな目してないずら」
ルビィ「ほら、すぐおどける...」
花丸「ずらぁ」
花丸「でも、あのトンネルを使わないのは」
花丸「ちゃんと、約束するずら」
ルビィ「本当?」
花丸「うん。この世の出来事は、定めずら」
花丸「起きる事象1つ1つが」
花丸「自分を琢磨する、運命だと悟れば...」
花丸「変えていい過去なんて、一個もないずら」
花丸「だから、オラは、あのトンネルを使わない」ウンウン
ルビィ「...そっか」
ルビィ「信じるよ。花丸ちゃん」
花丸「うん」
ルビィ「花丸ちゃん!絶対、どこにも...!」プルルル
花丸「電話ずら」
ルビィ「...うぎゅ。おねぃちゃあからだ...」ポチッ...
花丸「早く帰った方がいいんじゃない?」
ルビィ「う、うん。そうする!ごめん、先帰るね!」
花丸「バイバーイ」
ルビィ「バイバイ!」タッタッタ
花丸「...」
花丸(時空トンネル...対価は命)
花丸(そんな代償を払ってまで、この本を送りつけてきた人の意図は?)
花丸(ズラマール...この本を書いたのは...)
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パッパー ブロロロロ... ガヤガヤ...
千歌「ついに、戻ってきたね。愛知県!」
梨子「雪辱の...全国予選!」
曜「クー!燃えてきたぁーー!」
鞠莉「この結果で、廃校かどうか、決定する...」
果南「鞠莉」
鞠莉「大丈夫。やりきりましょう」
ダイヤ「...そうですわね」
善子「クックック。堕天使ルシファーの導きあらば、予選通過など〜」
花丸「ずらぁ。今のうちに、のっぽパン食べとこう」モシャモシャ
ルビィ「もうちょっと、緊張しようよ...」
千歌「行こう!私達の手で、勝利を、輝きを、掴み取ろう!」
--- --- --- --- ---
--- --- ---
---
ワーワー!!ワーワー!!
千歌「ハァ!!!」ダンダンダン.. ダン!
花丸(千歌ちゃんのロンダート..成功!!!) ワーワーワー!!!
花丸(あとは最後まで、駆け抜けるのみ...!)
ピカッ...ピカッ...
花丸(ん...?)
グラグラ... ピカ...ピカ...
花丸(上の照明が...って、気にしてる場合じゃないずら!)ビュッ シュババ
--- --- --- --- ---
デーン!!!
千歌「はぁ...はぁ...」
曜「はぁ...はぁ...」
梨子「はぁ...はぁ...」
花丸(やり切った...完璧に...!)
ナレーター『以上、アクアの発表でしたーーー!!!』
ワーワー!! アクアー!! ワーワー!!
花丸(この手応え。すぐに分かる...これは、1番!!)チラッ
ルビィ「...!」ニコッ
花丸(オラ達は、やったんだ!)
ーーーーカシャン...
花丸「ん?...あ」
花丸「善子ちゃん!危ないっ!」ダッ
善子「ふぇ?」
花丸(だ、ダメ!間に合わな)
ビュン!
花丸「!」
ドシン!!!
善子「ぶへぇ!」ズサァ!
善子「ちょっと、何すん!」
ガッシャーン!!!ゴン ガランガラン...
ルビィ「」
善子「え。うそ」
花丸「あ...あぁ...」
キャーーーー!!!!
--- --- --- --- ---
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---
ルビィ「みんな、元気だしてよぉ」
ルビィ「予選はトップ通過。学校も救ったんだよ?」
ルビィ「本戦向けて〜、頑張ルビィ!」ビシィ
鞠莉「だけど...だけど!」
曜「ルビィちゃん...足が!」
ダイヤ「...」
ルビィ「...うん。ルビィは、みんなとステージに立てない」
ルビィ「だけどね。その分、衣装作りとか、裏周りで頑張るって決めたんだ」
ルビィ「お願いだよ。みんな、前を向いてよ」
千歌「...無理だよ。アクアは9人で、アクアだよ?」
千歌「ルビィちゃんがいなかったら、アクアじゃないじゃん!」
ダイヤ「...!」ガタッ
ルビィ「お姉ちゃん」スッ
ダイヤ「...」
ダイヤ「...」ストッ
ルビィ「...千歌ちゃん。アクアは、9人でアクア。それは、間違いない」
ルビィ「だけどステージにいなきゃ、アクアじゃないの?」
千歌「そうじゃないけど...」
ルビィ「私は、自分のできることで、最大のパフォーマンスを出す」
ルビィ「妥協はしない。裾の1ミリまで気を抜かない」
ルビィ「千歌ちゃんは、それに、答えてくれる気はないの?」
千歌「...っ」プイッ
ルビィ「みんなだって、そうだよ!」
ルビィ「お姉ちゃんから聞いた!本戦が決まっているのに、まともに練習できてないって」
梨子「...そ、それは」
ルビィ「言い訳なんて、聞きたくない!」ブンブン
ルビィ「こんなんで負けたら、ルビィが怪我したから、負けたみたいじゃん」
ルビィ「嫌だよ!...そんなの、みんなを軽蔑する!」
花丸「...」
ルビィ「お願い。みんな...輝いて?」
ルビィ「ルビィを...ルビィの作った衣装を連れて...」
ルビィ「みんなと一緒に築いてきた軌跡を、ラブライブに刻んできてよ!」
果南「...」
鞠莉「...」
ダイヤ「...」
千歌「...わかった」
千歌「ごめん。ルビィちゃん。心配かけて」
千歌「みんなも、ごめん。私、弱かった。ダメダメだ」
千歌「...でも、もう止まらない。こんなところで、私達は止まれない」
千歌「残そう。9人の歴史を。熱い思いを形にしよう...!」
曜・梨子「」コクッ
果南・鞠莉「」コクッ
ダイヤ・花丸「」コクッ
果南「おーし!そうと決まれば、まずはあの堕天使を起こしに行くかー!」
花丸「!」
ルビィ「待って!」
曜「?」
ルビィ「善子ちゃんの説得...私にやらせて!」
果南「できるの?責任を感じて、引きこもってるけど...」
ルビィ「」コクッ
果南「...分かった。お願い」
果南「みんな!弛んだ気持ちを、吹っ飛ばすよ!まずはグラウンド10週!」ガラッ ダダダダ
曜「やる気出てきたー!ヨーソロー!!」タッタッタ
梨子「えぇ、ちょ、ちょっとぉ...」タッタッタ
ワーワー ギャーギャー
ルビィ「ふふふ」ニコッ
花丸「...」
ルビィ「?...花丸ちゃん?」
花丸「...んあ」
ルビィ「え。寝てた?」
花丸「そ、そんなことないずら!オラも走りにいくずら〜」タッタッタ
ダイヤ「ちょっとお待ちに」
花丸「ずら?」クルッ
ダイヤ「これから、私はルビィと善子さんの所に向かうので」
ダイヤ「果南達に、よろしくお伝え願えますか?」
花丸「善子ちゃんの家...あ、あの!」
ルビィ「花丸ちゃん。大丈夫」
ルビィ「頑張ルビィ!」ニコッ
花丸「...うん」
ダイヤ「向かいましょうか」
ルビィ「うん」
カラカラカラ...
花丸「...」
--- --- --- --- ---
花丸「」コソコソ...
花丸「」ソー
ヒグ...ヒグ...オネェチャァ...
ルビィ...
花丸「...」チラッ
ルビィ「おねぃちゃぁ...」ヒグ...ヒグ...
ダイヤ「よしよし。よく頑張りましたね」
ダイヤ「嫌な、役回りをさせましたわ...不甲斐ない姉を、お許しください」
ルビィ「おかしいよぉ。ルビィも頑張ってきたのに...」
ルビィ「ルビィも、みんなと踊りたいよぉ...」
ダイヤ「...っ」
花丸「...」
ダイヤ「...リハビリを頑張れば、きっと叶いますわ」
ダイヤ「頑張りましょう?」
ルビィ「ステージに立ちたいよぉ...」ヒグヒグ
ルビィ「ルビィも、ルビィも...」
ルビィ「決勝で輝きたかったよぉ!!」
ルビィ「うわぁあん!」
ダイヤ「ルビィ...」
花丸「...」ギュッ
花丸「...」タッタッタ
--- --- --- --- ---
--- --- ---
---
ドサドサ!
花丸「何が...ステージにいなくてもアクアずら...」
ドサドサ!バサバサ!
花丸「何が、名前も刻んで欲しいずら」
ドサドサ!!!バサバサ!!!
花丸「あんな、体裁のいい言葉、全部嘘っぱちずら!」
花丸「全員でステージに立ちたかったに、決まってるじゃないかぁ!!」
ドサドサドサー!!!
魔法陣「...」
花丸「はぁ...はぁ...はぁ」
花丸「...分かってたんだ。これを見つけてから」
花丸「オラは、自分を代償にして、これを使うことになるって」
花丸「いずれ訪れる苦難に、耐えることができず」
花丸「他人の幸せ踏みにじり」
花丸「自分の都合のいいように、世界を改変するって...!」
花丸「...ごめんね、ルビィちゃん。オラは、嘘つきずら」スッ
花丸「でも必ず、アクアだけは、笑顔にするから...!」
花丸「スゥ...」
花丸「時渡りの神様!聞いているずら!?」
花丸「ここにいる国木田花丸は、超大物作家の卵ずら!」
花丸「芥川賞、直木賞を総ナメにし」
花丸「翻訳されたオラの本は、全世界を魅了し」
花丸「文学歴史に名を成す者ずら!」
花丸「オラの願いは、ただ1つ」
花丸「3週間前の金曜日に、この身を返して欲しい」
花丸「オラはそこで、友を邪悪な脅威から救うずら!」
花丸「それが叶うならば、この命、天に献げる所存ずら!!」
花丸「だけど、直ぐには、この高貴な命、摂らせはしない」
花丸「2030年、4月。オラはこの場所に帰ってくる」
花丸「その時に、人生の絶頂を迎えている、オラの命を」
花丸「今日の望みの対価として、とるがいい!」
花丸「...さぁ、時渡りの神様。オラの覚悟はできた!」
花丸「オラを、過去に飛ばしてくれずらー!!!」バッ!
シーン
花丸「...」
花丸「あれ?」パチッ
花丸「故障かな?」コンコン
ペカー!!!!!
花丸「ちょ、時間差!ずらぁぁああぁぁ...」
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バシュッ!
花丸「へぶぅ!」ゴロゴロ...ガン!
花丸「く〜...頭打ったずらぁ」
花丸「...は!」
花丸「今、何日!?成功したずら!?」ゴソゴソ ポチッ
花丸「スマホはっ...金曜日!予選1日前!」
花丸「せ、成功ずら!」
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カチャカチャガチャン...
花丸(ありがとう。図書室さん...)
花丸(オラ、絶対にこの機会をモノにする)
花丸(そして約束どおり、志高き命に、磨き上げてみせる!)
花丸(だから...オラを食べるのは、ちょっと待っててね?)
花丸「...よし。行くずら!」タッタッタ!
図書室「...」
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--- --- ---
---
教師「で、あるからにして〜。xに代入されるのは〜」
花丸「...」ソーッ...
教師「お、国木田!遅かったな?昼休みに図書室で寝てたかぁ!?」
アハハハ!
花丸「ず、ずらぁ...///」
花丸(んなわけないずら)
花丸(元々、過去にいたであろう...)
花丸(オラが存在しない事を、確認するまで教室に入れなかっただけずら)
花丸(...ん?いや。よく考えたら、オラ、未来では練習着だったけど)
花丸(いつの間にか、制服着てるずら)
花丸(...あれなのかな?生物が時空トンネルを越える時は)
花丸(未来の記憶を、過去のオラに移植するだけなのかも...)ウムム...
教師「何、考え事してるんだ?すわれ〜」
花丸「は、はい!」タッタッタ!
ルビィ「花丸ちゃん、大丈夫ー?」
花丸「う、うん。やっちゃったずら〜」
花丸(ルビィちゃん...)
花丸(当たり前だけど、足、大丈夫そうずら)
ルビィ「?」
善子「ふわぁあ...」ボケボケ
--- --- --- --- ---
教師「そして〜、左辺にあるこの数字が、yに代入される〜」カキカキ
善子(はぁ。明日が、予選当日っていうのに)
善子(こんな眠くなる話、耳にはいらないっての)ゴソゴソ
善子(ペンデュラム占いしよーっと)チャキ...
ギチ...ギチギチ...
善子「!?!?」ビクゥ ガタッ
教師「んー?津島?どうしたー?」
善子「な、なんでもないす〜...」
善子(な、何よこれ!オーラにめっちゃ引っ張られるんだけど!)
善子(殺気!?邪気!?堕天の瘴気!?)
善子(オーラの正体は...!)クルッ
花丸「...ん?」
善子「あ...あの、馬鹿っ!」
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--- --- ---
---
ドンッ!
善子「白状してもらうわよ!花丸!」
花丸「か、壁ドンとか、やめて欲しいずら〜」
花丸「これ、梨子ちゃんの専売特許ずら」
善子「しらばっくれないで!私は、本気よ!」
花丸「うぐぅ...」
善子「ペンデュラムが教えてくれた」
善子「...そうなんでしょ。あんた、未来からきたんでしょ?」
花丸「...」
花丸「」コクッ
善子「〜〜〜!!」
善子「馬鹿まる!」
善子「あんた、対価が何か知ってたでしょ!?」グィッ!
花丸「...知ってたよ」
善子「いいや、分かってない!分かってたら、こんな真似しない!」
善子「対価は命!つまり、あんたは死ぬのよ!」
善子「あんた寺生まれだから、死んでも魂は残るとか、甘い考えしてそうだけど」
善子「ふざけんじゃないわ!死んだら、何も残らない!」
善子「あんたの感情、思想、大切な思い出...」
善子「全部、そこで無になるの!」
善子「命っていうのは、あんたが思っている、何倍も尊いモノなのよ!馬鹿!」
花丸「知ってたよ...知ってるずら!そんな事!」
花丸「でも、オラはそれを投げうってでも、取り戻したいものがあったずら!」
善子「命に勝るものなんて、無いわよ!馬鹿!」
花丸「あるよ!命より大事なものなんて、たくさんあるよ!」
花丸「命は尊く、侵すべからず?笑えるね!」
花丸「命は、懸けてこそ。燃やしてこそ、輝くものずら!」
花丸「オラは、それに命を懸ける価値があると思ったから、戻ってきた!」
花丸「それを、勝らない物とは、言わせないずら!」ポロポロ
善子「じゃあ、何があったって言うのよ!」
善子「聞かせてもらうじゃない!未来で、何があったのよ!馬鹿まる!」
花丸「馬鹿馬鹿言うなぁ!」
花丸「善子ちゃんが、睡眠薬自殺未遂をしたんだ!!馬鹿ぁ!!」
善子「え」
花丸「はぁ...はぁ...」
花丸「...苦しいずら。離すずら」パシッ
善子「何よ、それ。おかしいじゃない。なんで、私が」
花丸「...事故ずら。明日の予選。設備不備で照明機材が降ってきた」
花丸「本来なら、善子ちゃんに当たるところを、ルビィちゃんが庇って、直撃」
花丸「ルビィちゃんは、背骨を折って、下半身付随になったずら」
善子「!」
花丸「善子ちゃんは、真っ先に、あの時空トンネルを使う事を考えた」
花丸「でも、オラが止めた。ルビィちゃんなら、この苦難も乗り越えられるって」
花丸「それからの善子ちゃんは、お得意の引きこもりずら」
善子「...」
花丸「そして事故から、3週間後の月曜日」
花丸「オラにLINEを送って、善子ちゃんは、救急車で運ばれたずら」
善子「...」
花丸「その事を、他のメンバーは、まだ知らなかったし」
花丸「あろう事か、ルビィちゃんが善子ちゃんを迎えに行くことになってしまった」
花丸「オラは...これ以上、負の連鎖が起きるのに、耐えられなかった」
花丸「...エゴだろうと、構わない。オラは、オラが望む世界にする為に」
花丸「オラが勝ち得た奇跡に、命をかけて、ここに来たずら」
善子「...馬鹿よ。そんな馬鹿、ほっときなさいよ」
花丸「できるわけないずら。ルビィちゃんと善子ちゃんの為なら」
花丸「オラは、命も惜しくないずら」
善子「あんたは、大馬鹿よ!」ポロポロ ギュッ
花丸「...」
花丸「...喧嘩は、もうやめようずら」
花丸「もう泣かせたくない子が、後ろにいる」
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ルビィ「...ヒグ...ヒグ...花丸ちゃぁ...」
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パッパー ブロロロロ... ガヤガヤ...
千歌「ついに、戻ってきたね。愛知県!」
梨子「雪辱の...全国予選!」
曜「クー!燃えてきたぁーー!」
鞠莉「この結果で、廃校か決定する...」
果南「鞠莉」
鞠莉「大丈夫。やりきりましょう」
ダイヤ「...そうですわね」
善子「あうー」
花丸「ずらー」
ルビィ「ぴぎー」
千歌「ちょ、ちょっと!3人とも、顔ひどくない!?」
ダイヤ「昨日1年生は、全員国木田家でしたけど...」
ダイヤ「...何かあったのです?」
善子「泣き疲れよ...化粧すれば、なんとかなるでしょ」
千歌「えぇ...泣くの早くない?」
花丸「千歌ちゃん。乙女には、色々あるずら」
ルビィ「ウンウン」
千歌「は、はぁ」
千歌「ま、まぁ。乙女には、色々あるかもしれないけど...」
千歌「行こう!私達の手で、勝利を、輝きを、掴み取ろう!」
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スタッフ「オッケー!じゃ、次、アクアー!リハーサルお願いしまーす」
千歌「はーい!」
千歌「みんな!リハーサルは、70%のパワーで。立ち位置を確認しながら、ね!」
曜「了解であります!」
花丸「ちょ〜っと、ステージに上がるの、待つずら」
果南「ん?」
花丸「スタッフとお話してくるずら」テクテクテク
梨子「?」
花丸「すみません、あそこの照明なんですが...」
スタッフ「へ?」
花丸「なんか、ぐらついてないですか?」
スタッフ「んー...あ、確かに!」
花丸「...」
花丸「あーあ。危ないずらねぇ。ホラーずらねぇ」ネチネチ
花丸「あれが落ちて来たら、そりゃぁ、大怪我ずらぁ」ネチネチ
花丸「スケジュール通りに事運ぶのも、大事だけど」ネチネチ
花丸「やっぱり、安全確認が、第一ずらよぉ」ネチネチ
スタッフ「す、すみません!すぐ直させます!」
スタッフ「リハ、ストップー!照明ー!ビス確認!33番!」
花丸「よろしく頼むずら」テクテクテク
スタッフ(な、なんだ?今の子?)
花丸「元凶は去った。あとは、頑張るだけずら」
千歌「う、うん?」
善子「クックック...」
ルビィ「安全第一。当たり前だよね」
梨子「?」
花丸(...あとは、1位通過して、廃校を阻止)
花丸(うん。オラ達なら、出来る。やりきるずら)
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花丸「...ケチな時空トンネルずら」
ルビィ「え?なんで?」
花丸「善子ちゃんが死んだ未来では、廃校は阻止できたんだよ」
善子「その言い方やめてよ...てか、そうなんだ」
花丸「うん。照明事故の件で、1週間ぐらいニュースになってたからね」
花丸「廃校を救おうと立ち上がった美少女に悲劇が!みたいな」
ルビィ「嫌な事件だけど、学校の宣伝にはなったんだねぇ」
ルビィ「...鞠莉ちゃん、泣いてたなぁ」
善子「うん...」
花丸「...」
ルビィ「あ、花丸ちゃんを責めてるわけじゃっ」
花丸「わかってるずら。平気ずら」
花丸「ただ...こうも身近に、幸、不幸が逆転する人がいると」
花丸「ちょっと、くるものがあるのは、事実ずら」
善子「...その重荷、一人で背負い込まないでよ?」
ルビィ「うん。ルビィ達にも、担がせてね?」
花丸「...うん」
善子「このあと、どうなるんだろう?アクア」
花丸「オラの見た未来とは、きっぱり異なった」
花丸「もう、誰にもわからないずら」
ルビィ「...出るよ」
善子「?」
ルビィ「出るよ、本戦。そして、優勝する」
花丸「...」コクッ
善子「...ま、当たり前か」
ルビィ「支えよう。先輩をさ」ニコッ
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花丸「つ、疲れだずらぁああー」バタン!
ルビィ「流石に、3人で図書室の片付けは、大変だったねぇ」
花丸「善子ちゃんが、他に手伝いはいらないって言うから〜」チラッ
善子「うぐー!だって、あの魔法陣、他人に見せるの危ないし!」
善子「て言うか、ずらまるも賛成したよね!?」
花丸「それも、そうなんだけど」
ルビィ「まぁまぁ....」
ルビィ「でも...」チラッ
ガラーン...
ルビィ「全部、なくなっちゃったね」
花丸「捨てられた訳じゃないずら。鳥みたいに、飛びだっていったずら」
花丸「本たちは、新しいところで、色んな人に夢を見せると思うよ?」
ルビィ「...そうだと、嬉しいな」
善子「...」
花丸「そろそろ行くずら。校門に人が集まってきてる」
ルビィ「うん」トコトコ
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花丸「善子ちゃん、一緒に閉めるずら」
善子「いやよ」
花丸「そんなこと、言わずに」
善子「絶対嫌!」
花丸「えぇ〜...」
善子「ずら丸の寿命を縮めた、この図書室に、そんな義理ない!」
ルビィ「善子ちゃん...」
花丸「まぁ、気持ちはわからなくないけど」
花丸「このタイミングで、意固地にならなくていいと思うずら」
花丸「善子ちゃんが、今、元気なのは、図書室のおかげだよ?」
善子「...だけど、ずら丸...」
花丸「大丈夫。後悔していない。二人が近くにいるだけで、オラは幸せずら」
花丸「ささ。手伝って欲しいずら。善子ちゃん」
善子「...わかったわよ」スッ
ルビィ「...」ニコッ
花丸「ありがとう。善子ちゃん」
ルビィ「あ、1つ約束しなきゃ」
善子「ん?」
ルビィ「...3人で閉めるんだから」
ルビィ「次、開けるときも、3人だよっ?」
ルビィ「...ひとりぼっちで、行かせない。約束だよ?」
善子「」コクッ
花丸「わかったずら」コクッ
ルビィ「なんか、軽いなぁ。嘘ついたら、絶交だからね?」
善子「流石に、軽蔑するわ」
花丸「は、はい...肝に命ずるずら」
ルビィ「じゃ、閉じよっか」
善子「えぇ」コクッ
花丸(...図書室さん)
花丸(勇気のないオラに、アクアに入る背中を押してくれて、ありがとう)
花丸(おかげさまで、本だけでは味わえない、最高の世界を見る事ができた)
花丸(こんなにお世話になったのに、何もお返しできなかったけど...)
花丸(オラ、すごい作家になって、この場所に戻ってくるから)
花丸(...その時は、どうかオラの本も、この図書室の隅に置いて欲しいずら)
花丸「...図書室さん。今まで、オラ達を守ってくれてありがとう」
花丸「そして、どうかこれからも、未来に向けて駆け抜けているオラ達を」
花丸「暖かく、見守ってあげてください」
ガラララ...ピシャン
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花丸「図書室ストーリー」 終わり
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読んでいただき、ありがとうございました。
ならびに、代行してくださった方、ありがとうございました。
久しぶりに、SSを書いてみましたが、やっぱり楽しいですね〜。
過去作も、どうぞ、よろしくお願いいたします。
花丸「オラはハッカー」
https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1515310205/ ハッカーの人かと思ってたらやっぱりそうだったか
いつも面白いSSをありがとう ずらまるこんなにずらずら言わないんだけど、どうにかならんのか… おいしい水がなんかぶつぶつ言ってて草
誰か構ってやれよw えぇ…皆気にならんのか信者怖
ハッカーのときも思ってたけど、まる主役ならまるの言葉遣い原作準拠にして欲しいわ
じゃないとサンシャインでやる意味ない アニメでずらずら言ってるしドラマCDではそれ以上にずらずら言ってるし
公式が悪い 内容が薄すぎる
対価がなんちゃらとかいっても描写がなきゃ何も無いのと一緒だし必要なの?
何が書きたいんだかさっぱりわからないし時間制限でもかけて書いたのか
適当な部分多すぎる ハッカーのやつと比べたらキャラ自体は原型残ってるレベルだろ
こんぐらいのずら率は余裕
ただ話の方は一レスで書かれてあっても読み終えた時の感情が同じになりそうなくらい微妙 よかった。すんなり読めて伝えたいこともわかりやすくて良いですね
後読感がすっきりします 善子が救急車に運ばれる描写ってあった?
それとも花丸の話に出てきただけ? アンチがついちゃって可哀想
まぁ人気になった証でもある >>143
マンセーしかしちゃいかんのか?
それじゃあサンシャイン本編の千歌と同じじゃん コメント沢山、ありがとうございます!
昔の物も読んでくださっている人も多くて、嬉しく思います!
また、何か書きたくなったら、ふらっと書くと思うので、
その時は、どうぞよろしくお願いいたします。 自殺未遂は、ルビィちゃんがヨハネの家に向かったとき何が起こるのか
そう考えると辛い描写かな 花丸ちゃんはその後を想像するのが嫌で過去に戻ったともとれる
あれだけ止められてたのに何故過去に戻ったかを伏線化してたとも見える
対価については花丸ちゃんか出した小説があることで想像がつく
主観だけど描写がなくても想像補完できたから好きだよ
ずらずらはライブ幕間のほうがずらずらいってるずらぁ もっとキツイ描写入れた方がより心に残りそうなのは分かるけど批判することはないだろ
充分楽しめたよ
ハッカー3rdシーズンも待ってるずら 自殺未遂だけど結局善子は死んじゃうの?>>1さんまだ見てたらここだけ回答よろ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています