黒澤ダイヤの事情
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
その日から
私は考え事ばかりしていた
私と同じ様に努力して優秀な自分を築き上げていたあの子
浦の星女学院……
彼女はそこでどんな風に生活しているのだろう
優等生の仮面を被りながら
『わたしはわたしの為にいつだって努力するの!』
そう自信満々に話す彼女の太陽の様に輝く笑顔がいつまでも忘れられなかった 鞠莉父「なに? 転校がしたい? こんな時期にか?」
鞠莉「えぇ。内浦の浦の星女学院に」
父「浦の星……」
少し考え事をしたあと
父「いいだろう。好きにしなさい」
パパはあっさりと転校を認めた
鞠莉「ありがとう、パパ」 パパにとって娘の通う学校など何処でも良いのだろう
小原家の娘として最低限の教養がありさえすれば
浦の星女学院も近年は少しずつ生徒数が減ってはいるものの、この辺りでは古くからの伝統ある
名門校の様だし。
そこに行ってなにがあるかはわからない
でも、もう一度彼女に会えば
彼女と共に過ごせば何かが変われると思った
そして春がやってきてーーー 鞠莉「ハッ……ハッ……はぁ……」
いろいろ思い出しているうちに、気づけばあの神社の前に来ていた
あの日、彼女が楽しそうに踊っていた神社
この階段を登ればまたあの日の彼女に会えるだろうか? 鞠莉「…………」
階段を登り切り境内に着いたが彼女はいない
考えてみれば当たり前か
あの日、私があんな事を言ったせいで彼女も警戒しているだろうし
諦めて帰ろうとしたその時
ダイヤ「やっぱりここに来たわね小原鞠莉」
鞠莉「ダイヤ……」
振り向くとそこには階段を登って来たダイヤが居た
横には果南も一緒だ ダイヤ「そのうちここにやってくると思ってたわ」
鞠莉「どうしたの? いつもと口調が違うわよ?」
ダイヤ「もうあんたの前で取り繕っても無意味でしょ」
彼女の目は警戒と敵意が入り混じった様な
いずれにせよ私に対して決して好意的ではない感情を放っていた
鞠莉「ウェイト、ウェイト……落ち着いて? なにをそんな怖い顔をしているんデース?」
ダイヤ「あれからいろいろ考えたけど……わかんないから単刀直入に聞くわ。あんたは何を考え
ているの? わたしになにをしたいの?」
鞠莉「なにって別に……私はただ、本当の貴女と仲良くなりたいだけ。
何者でもない、黒澤ダイヤと」
ダイヤ「なんで……そんな……」
鞠莉「あの冬にね。私達が初めて出会った次の日ね。実は私ここに来ていたの。偶々、偶然ね」
ダイヤ「なっ……」 鞠莉「その時に見ちゃったの。ダイヤが楽しそうに踊っているところをね。
ゴメンナサイ黙っていて。でもダイヤ、その事はみんなに秘密にしてたみたいだったから」
ダイヤ「うぐっ……」
鞠莉「私はね。その時のダイヤを見て本当に素敵だなって思ったのよ。ダンスのテクニックはも
ちろんだけど、何よりその楽しそうな姿が。ねぇダイヤ。
本当にスクールアイドルにはならないの?」
ダイヤ「な、ならないわよ!……そんなの……わたしは……」
鞠莉「そう、残念ね。……安心して。私の口からこの事をみんなに言う事は決してないわ。
……でも」
私はダイヤと果南の横を通り抜けながら続ける
鞠莉「叶う事ならダイヤが踊っている姿をもう一度観たいわね。それじゃあ二人とも。
また後で学校でね。チャオ〜♪」 ダイヤ「なんなのよあいつ……好き勝手ばかり言って……」
果南「でも良かったじゃん。ダイヤの本当の姿は内緒にしといてくれるって言ってたし」
ダイヤ「そ、そんなの信用……」
果南「信用できない?」
ダイヤ「そ、それは……」
果南「ふふ、私も信用できるよ。うまく言えないけど……鞠莉は私達に嘘を言ってない気がする。
まだ何もかも話してくれてる訳でもない気がするけど」
ダイヤ「…………」 ーーー
数時間後、一限開始前の生徒会室
千歌「ダイヤさーん!!!」
ダイヤ「ダ、ダイヤさん!?」
千歌「ダイヤさん、ダイヤさん! 聞いて下さい!
ルビィちゃんと花丸ちゃんがスクールアイドル部に入ってくれるって!」
ダイヤ「高海さん……ちょっと落ち着いて……。スクールアイドル部に入る事は昨日ルビィから聞
いておりますわ」
千歌「あ、そういえばルビィちゃんってダイヤさんの妹さんだったんですね! あ、それでこれ!
部活の申請書を持ってきました!」
ダイヤ「はい……はい、結構です。これでちゃんとした部活として受理されますよ。
おめでとう、高海さん」
千歌「ありがとうございますっ!」
ルビィ「お姉ちゃん……」
ダイヤ「ルビィ……しっかりと頑張るのですよ。花丸さんもルビィの事をお願いしますね」
花丸「は、はいっ!」 ダイヤ「では高海さん。こちらが部室の鍵です。それと、練習場所の事なんですが……
申し訳ありません。運動場や体育館などはどこも他の部活動で埋まっていて……
屋上でしたら使えるのですが……」
千歌「えっ!? 屋上!? いいんですか!?」
ダイヤ「はい。先生の許可は取ってあります」
千歌「やったー! 屋上だー! あのμ'sも学校の屋上で練習してたらしいよ!
これで私達もμ'sになれるよ!伝説になれるよー! ルビィちゃん、花丸ちゃん!
これから一緒に頑張ろうねっ!」
花丸ルビィ「は、はいっ!」
千歌「それじゃあ早速、部室に行こう! ダイヤさん、ありがとうございました!
失礼します!」 花丸「ふぅ……緊張したずら〜」
千歌「え? なんで?」
花丸「ダイヤさんってなんだかすごく真面目で固いって感じだから……ちょっと緊張しちゃうずら」
千歌「え〜、でもすっごく親切だよ! スクールアイドル部を作るのにもとっても親身になって
相談に乗ってくれて。ライブの時だっていっぱい励ましてくれて。とっても優しいの!
ね、ルビィちゃん!」
ルビィ「う、うん……」
花丸「マルもダイヤさんが良い人だって事は分かってるんだけど……なんとなく雰囲気で」
千歌「ふ〜ん、そんなもんか。ま、いいや。とりあえず部室にいこーっ!」 ーーー
三年生教室
果南「ダイヤー、随分と千歌に懐かれちゃったみたいだね〜。ダイヤさん≠チて」
ダイヤ「か、果南さん……聞いていらしたのですか!?」
果南「別に聞こうと思った訳じゃないけどさ。千歌のあの大声だし。
生徒会室のドアも開けっぱなしだったし」
ダイヤ「あぁもう……呼び方にそんな深い意味なんてないでしょう別に。
ただ単に同じ苗字のルビィと区別をつけるためであって」
果南「それだったら今までみたいに生徒会長
でいいじゃん」
ダイヤ「そ、それは……」
果南「くすっ、そんなに照れることないのに……あ、鞠莉だ」
鞠莉「チャオ〜☆ お二人さん。お久しぶり=v
果南「ふふっ。お久しぶり=v
ダイヤ「おはようございます、鞠莉さん」
鞠莉「あらま。ダイヤは相変わらずハードだねぇ」
果南「仕方ないねこの子は」
鞠莉「ね〜」
ダイヤ(なんで仲良くしてんのよコイツらは……) 鞠莉「そういえばスクールアイドル部が承認されたんだっけ?」
ダイヤ「それがなにか?」
鞠莉「別にー。楽しみね、これから」
ダイヤ「…………」
鞠莉「……ご機嫌スランティングみたいだから自分の席に行くわね」
果南「んー」
果南「ダイヤ……もうちょっと打ち解けてあげればいいのに」
ダイヤ「……ふんっ」
果南「やれやれ……」 ーーー
放課後、学校屋上
曜「ワン、ツー、スリー、フォー、ワン、ツー、スリー、フォー」
ルビィ「はっ、はっ、はっ」
鞠莉「ここがスクールアイドル部の練習場所? oh! やってるじゃない」
梨子「あれ? あの人……」
千歌「たしか3年生の……」 鞠莉「貴女がダイヤの妹のルビィね! オー、ベリーキュート!」
ルビィ「ピ!?……カーーーーーッ!!!」
鞠莉「ひぃっ!?」
曜「ああ! ルビィちゃんの機嫌が!!」
千歌「花丸ちゃん、GO!」
花丸「ルビィちゃん! 落ち着くずら! どうどう!」
ルビィ「フーッ! フーッ!」
鞠莉「は……はわわわわ……」
花丸「ごめんなさい……ルビィちゃん、極度の人見知りで」
鞠莉「だ、大丈夫よ……」ドキドキ
千歌「いやぁ、さすが花丸ちゃんだね!」
梨子「でもスクールアイドルとして大丈夫なのあれは……」
https://i.imgur.com/9HaXJnr.jpg 千歌「そ、それで……何かご用ですか? えっと……小原……先輩?」
鞠莉「あら? 私の事を知ってくれているの?」
曜「はい。二年生の間でも有名ですもん。3年に新しく転校してきた人がすごい優秀だって」
鞠莉「そんな風に思われてるの? ふふ、それは光栄だわ。でも、私はこの学校に来たばっかりで
むしろこの学校では貴女達の方が先輩だわ。だからそんなに固くならずに気軽にマリー≠チて
呼んでちょうだい♡ あ、一年生の二人もね」
千歌「マ、マリィ……」
鞠莉「ウフフ」 梨子「それで……マリ……さんはどうしてこちらへ?」
鞠莉「私ね! この前の貴女達のライブを観て凄く感激しちゃったの!」
曜「先輩も観ててくれたんですか!」
鞠莉「マリーだってば!」
曜「は、はい! マリー……」
鞠莉「それでね。無事に部活として認められて今日からここで練習してるって言うじゃない。
もう、居てもたっても居られなくなっちゃって! 早速、見にきちゃったの!」
曜「へぇ……!」
梨子「私達のライブを観てそんな風に思って貰えるなんて……なんだか嬉しいわね!」 千歌「鞠莉さん! 良かったら鞠莉さんもスクールアイドル部に入りませんか!?」
鞠莉「え、私!?」
千歌「鞠莉さん、スポーツも万能なんですよね! だったらきっとダンスも出来るだろうし我が
スクールアイドル部に是非!」
曜「ち、千歌ちゃんいきなりすぎるよ……」
梨子「そうよ失礼よ……」
千歌「だってぇ……」
鞠莉「うーん……ソーリー。せっかくのお誘いは嬉しいんだけど、私はやめておくわ」
千歌「えぇー……」
鞠莉「でも、貴女達のことは応援してマース! ……だから、頑張ってね!」
千歌「はいっ!」 ーーー
夜、黒澤家
ダイヤ「ルビィ、初めての練習はどうだった?」
ルビィ「うーん……大変だったけど楽しかったよ!」
ダイヤ「そう……」
ルビィ「あ、そういえば小原さんが練習を見に来たよ」
ダイヤ「小原鞠莉が?」
ルビィ「うん……それで千歌さんが小原さんもスクールアイドル部に誘ってたけど断られてた」
ダイヤ「そう……」 ーーー
鞠莉「スクールアイドル……か……」
スクールアイドル……
たしかに初めてみたあのステージは
とても胸が熱く踊らされた
あのダイヤがあんなにも夢中になるスクールアイドル……
鞠莉「もし……もしもダイヤと一緒にスクールアイドルとしてステージで踊れたら……ふふ、な
んてね」
ACT3★小原鞠莉の事情/おわり ふりりん「鞠莉さんの話を聞いてもイマイチ素直に打ち解けられないお姉ちゃん」
すわわ「それでも、鞠莉はダイヤと仲良くなるべくますますコミュニケーションを取ってくる」
ふりりん「そんなある時、二人の気持ちがぶつかって!?」
すわふり「あぁ、二人の関係はどうなるの〜〜ー!?」
すわふり「次回ダイじじょ【二人の交わり】」
すわふり「ウォォォッス!!!」 ACT4★二人の交わり
ピピピピ ピピピピ ピピピピ
朝5時
黒澤家の目覚まし時計の音が鳴る 黒澤ダイヤの朝は早い
そして高野山の修行僧のように規律正しい
彼女にムダな時間などない
仮面優等生を貫くために1日の大半をつぎ込むのだ
https://i.imgur.com/QCFnmrN.jpg 松浦果南の朝も早い
果南「おはよー」
ダイヤ「おはよう」
早朝のジョギングは二人で行うのが昔からの日課になっている
果南は勉強面でこそ毎回赤点ギリギリだが(毎回ダイヤにテスト勉強をさせられている)運動面で
はダイヤと互角かそれ以上のものを持っている。
その仲の良さもあって黒澤ダイヤの相棒≠ニ周囲には認知されており、
またその爽やかで穏やかな性格も相まって校内にファンも多い←本人は気づいていない
実家はダイビングショップを経営しており、
ランニング後は開店準備の手伝いに勤しむ働き者でもある 果南「ねぇダイヤ。いい加減、鞠莉と仲良くしてあげたら?」
ダイヤ「嫌よゼッタイ」
果南「なんでよ。鞠莉の気持ちもわかったしもう嫌う理由もないじゃん。いい機会だと思うよ私は」
ダイヤ「なにがよ」
果南「ダイヤって私以外に友達居ないじゃん。せっかく向こうから素のダイヤを知った上で仲良
くなりたいって言ってくれてるんだから友達になったらいいじゃん」
ダイヤ「うっさいわね。余計なお世話よ!そんなに仲良くしたきゃアンタだけ仲良くしてたらいいで
しょ! この裏切り者っ!」
果南「あ、まって! 待ってってばダイヤ〜!」 生徒会室
まったくなんなのよ!
果南ってば鞠莉、鞠莉って
なんでわたしがあんな奴と仲良くしなきゃならないのよっ!
『鞠莉の気持ちもわかったしもう嫌う理由もないじゃん』
ダイヤ(そんな事はわかってるわよ……でも……)
副会長「あの……生徒会長?」
ダイヤ「え? は、はい」
副会長「どうかなさいました?」
ダイヤ「いえ!? なんでもありませんのよなんにも! オホホホホ」
ダイヤ(いけない、いけない……しっかりしなきと!)
ダイヤ(そういえば……うちのスクールアイドル部もランキングに登録したんだっけ……
今は何位くらいなんだろう)
ポチポチ
ダイヤ(……とてもまだまだラブライブには遠そうね) ーーー
放課後、廊下
千歌「ダーイヤさーん!」
ダイヤ「こら、高海さん! 廊下を走ってはいけませんわ!」
千歌「おーとっと! てへへ、ごめんなさい」
ダイヤ「これから練習ですの?」
千歌「はい! 新しい曲が出来たので今はその振り付け練習をしてるんです」
ダイヤ「そうですか。あら? そちらの方は?」
善子「フフフ……我こそは天界から舞い降りしフォーリンエンジェル……
曜「はい! 先日入部した一年生の期待のニューカマー、津島善子ちゃんです!」
善子「だからヨハネよっ!」
ダイヤ(あぁ……そういえば……) ーーー
先日、黒澤家
ルビィ「お姉ちゃん、今日ね。スクールアイドル部に新入部員が入ったんだぁ」
ダイヤ「へぇ、どんな子?」
ルビィ「前に話した津島善子ちゃん!」
ダイヤ「え!? あの堕天使とかって言う? 大丈夫なの?」
ルビィ「うん! なんかまがん≠ニかりとるでーもん≠ニか言っててね、面白いよ!」
ダイヤ(それは大丈夫なのか?) ーーー
善子「まったく、これだから下賎な人間は……」ブツブツ
ダイヤ(なるほど……確かになかなかクセの強い子みたいね)
ダイヤ「ま、まぁとにかく頑張ってくださいましね」
千歌「ありがとうございます!……でも……」
ダイヤ「なにか?」
千歌「曲や踊りの方はなんとかなるんですよ。けど……
こう、見せ方というか演出がうまく思いつかなくて」
ダイヤ「演出……ですか」 千歌「はい……。ランキングを上げる為にも何か人の心を惹きつける演出のPVを作りたいんです。
だけど、イマイチ良いのが思いつかなくて……。ダイヤさん、何か良いアイデアありませんか?」
ダイヤ「そうですね……う〜ん……。ごめんなさい、何も思いつきませんわ」
千歌「そうですか……」
ダイヤ「せっかく相談していただいたのに……なんのお力になれず申し訳ないですわ」
千歌「い、いえいえとんでもない! ダイヤさんには今までもたっくさん力になってもらいま
したし! 私ね、果南ちゃんから聞いたんです」
ダイヤ「え?」 千歌「あのライブの日……あんなに沢山の生徒が集まってくれたのって、ダイヤさんがみんなに
声をかけてくれたりしたからなんですよね?生徒だけじゃなく先生方にも」
ダイヤ「そ、それは……」
千歌「あの日、体育館が使えたのだって、ダイヤさんがほかの部活の部長さん達に頼んでくれた
からなんですよね?それに……」
千歌「停電の時にライブが続けられたのはダイヤさんが非常用電源を繋いでくれたからだって」
ダイヤ(果南ったら……余計な事を……)
千歌「ダイヤさんには感謝してもしきれない……そして、ダイヤさんに甘えてばかりもいられない!
これは私の、私達の夢なんだから自分達の力でなんとかしなくちゃ!
ダイヤさん、見ててください! きっと最高のPVを作って見せます! そして、ランキングを上げ
て、ラブライブ にも出場して浦の星の名前を全国に残すんです!」
ダイヤ「高海さん……」
千歌「その為にもまずは練習練習! さあ、みんな行こう!」
ダイヤ(高海千歌ちゃん……か。不思議な子だな。あの子の言葉は根拠はないけど……
まっすぐでなんだかどんな夢も叶えちゃう気がする) 翌、早朝。ジョギングの時間
果南「ダイヤおっはよー」
ダイヤ「…………」
果南「ダ……ダイヤ?」
ダイヤ「……果南、アンタ」ギロ
果南「……へ?」 タッタッタッタッ
果南「もー、良いじゃーん。そんな事くらいで〜」
ダイヤ「そんな事くらいじゃないわよ! まったく、千歌ちゃんに余計な事言って!」
果南「別に悪いことじゃないでしょ〜。って言うか……ぷっ」
ダイヤ「なにがおかしいのよ!」
果南「だって今まで……千歌ちゃん≠チて」
ダイヤ「な、こ、これは、別に……」
果南「本人にもそう呼んであげればいいのに」
ダイヤ「できるわけないでしょそんな事!」
果南「なんでよ〜。千歌よろこぶよー?」
ダイヤ「それは……だって……」
果南「はぁ〜まったくダイヤは照れ屋なんだから」
ダイヤ「そ、そんなんじゃ……」
果南「はいはい」 確かに……そりゃ、歳下の子から慕われる事は今までだってあったけど……
それはあくまでも、上級生として、優等生としての尊敬? って言うか憧れ? みたいな
感じの慕われ方で……
ルビィ以外であそこまで純粋に懐いてくる子って初めてだからなんだか戸惑ってしまって……
ダイヤ「ってそれもこれも全部果南が余計な事言うから!」
果南「なにがよ!?」
ダイヤ「ったく……」
果南「……はいはい私が悪かったわよ」 果南「それよりさ、鞠莉の事どうすんの。ずっとこのままにしとくつもり?」
ダイヤ「それは……その……」
果南「これじゃいくらなんでも鞠莉がかわいそうだよ」
ダイヤ「……わかってるわよ」
そう、わかっている
試験でも一番を取ったし
あいつが何を考えているのかも聞けた
今更、小原鞠莉と仲違いする理由はないのだ
でも……
身内と果南以外に素の自分を見せた事など今までなかったから
本当の自分を知る相手にどうすればいいかわからなくて
果南「はぁ……まったく。ダイヤってばなんでも出来るくせに変なところで臆病なんだから」
ダイヤ「なっ……別にわたしは……」
果南「まあ、もう少し温かく見守っていてあげるよ」
ダイヤ「なによ……偉そうに!」
果南「ふふふ……」 でも、どうしてなんだろう
どうして小原鞠莉はそんなにわたしと仲良くなりたいの?
あの日、淡島でわたしが親切にしたから?
弁天島で踊っていた姿を見て気に入ったから?
でも、それだけそんなに……
それにあのふざけたキャラクターはなんなの?
初めて会った時とは全然違う……
何かが
何かが引っかかるのよ すごーいつかれてるわし かわいそう;;
でも『それでなんびきにもよるかなー ーーー
鞠莉「グッモーニン、ダイヤ!」
ダイヤ「……おはようございます、鞠莉さん」
鞠莉「笑顔が硬いよ〜? もっとスマイルスマイル〜ダイヤ〜♡」
ダイヤ「ちょ……ちょっとなにし……やめて下さいっ!」
鞠莉「あん……怒られちゃった」
果南「あ〜あ、失敗しちゃったね鞠莉」
鞠莉「あ、果南。おはよう♪」
果南「おはよう。ダイヤは猫みたいに繊細なんだからもっとデリケートに接しなくっちゃ」
鞠莉「そうね、次から気をつけるわ」
ダイヤ(だからなんでコイツらはこんなに仲が良いのよ!) 鞠莉「でも、あんまり似てない様でもやっぱり姉妹なのね」
果南「なにが?」
鞠莉「ルビィよ。この間、会った時にカーッって威嚇されちゃった。猫みたいに」
果南「あぁ……ルビィは人見知りが激しいからね。でも、懐くと本当に素直で甘えんぼで可愛いんだよ?」
鞠莉「果南には懐いてるのね? いいなぁ、私もあんな可愛いキティに甘えて貰いたーい」
果南「そうだねぇ……だったら飴を使ってみると良いよ。ルビィの好物だからすぐに懐いてくれると思うよ」
鞠莉「飴ね! わかった、今度さっそく使ってみる!」
ダイヤ「果南さん……? 人の妹を簡単に餌付け出来る動物みたいに言わないでくださる?」
鞠莉「ダイヤも懐いたら甘えてくれるのかしら。ねぇ果南。ダイヤにはなにを与えたら良いの?」
果南「そうだなぁ……ダイヤには抹茶プリンかな」
ダイヤ「果南さんっ!」 昼休み
果南「わぁ、鞠莉のミートボール美味しそうだね!」
鞠莉「よかったら一つ食べる?」
果南「いいの? それじゃあいただいちゃおうかな……うん、美味しい♪」
鞠莉「果南の玉子焼きも美味しそうね。少し貰っても良い?」
果南「もちろん。どうぞ」
鞠莉「ありがと♡ う〜ん、ダシが効いててとってもデリシャス♡」
ダイヤ「……なんで当たり前のようにこの3人でお昼ご飯を食べてるんですの……」
果南「いいじゃん別に」
鞠莉「あ、ダイヤもミートボール欲しかった?」
ダイヤ「結構です!」 果南「そういえば来月は海開きだね。鞠莉は内浦の海開きって初めてだよね?」
鞠莉「えぇ。海開きになにかあるの?」
ダイヤ「毎年この辺りでは海開きの日の早朝に周辺の方々が集まって浜辺のゴミ拾いをしますの」
鞠莉「そうなの? 町中の人達が集まるなんてなんだか楽しそう♪」
果南「まだ暗い中、提灯を持ってゴミ拾いするんだよ。その提灯の明かりがまた綺麗なんだー」
鞠莉「チョーチン? ジャパニーズランタン? ワオ、ファンタスティッーク! シャイニー☆」
ダイヤ「…………」ガタッ
果南「ダイヤ、どうしたの?」
ダイヤ「ちょっとお手洗いに」
鞠莉「いってらっしゃ〜い♡」 果南「……ごめんね鞠莉。許してあげて」
鞠莉「ホワッツ? なにが?」
果南「ダイヤってさ。今まで私以外にちゃんとした友達っていなかったからさ、どうしたらいい
のかわかんないんだよ」
鞠莉「あぁ、そんな事。そんなの果南が謝る事じゃないじゃない」
果南「うん、でもさ。ダイヤとは長い付き合いだし」
鞠莉「……果南って優しいのね」
果南「……よしてよ恥ずかしい」
鞠莉「なんだかキュンキュンしちゃう」
果南「なに? ダイヤから私に浮気しちゃうの? 私は一途な人しか相手にしないよ?」
鞠莉、果南「ぷっ……ふふふふっ♪」 数日後、学校屋上
千歌「ふぁー、疲れた……」
曜「はい、千歌ちゃんお水」
千歌「ありがと、よーちゃん」
善子「フ……情けないわねこれしきの事で。人間とはなんてひ弱で脆弱なの」
ルビィ「善子ちゃん……足が震えてるけど大丈夫?」
鞠莉「…………」ジ-
梨子「あら……アレは?」
千歌「ん?……鞠莉さん?」
ルビィ「ピギッ!?」 鞠莉「……ふふふ」
花丸「ポケットからなんか出したずら?」
曜「あれは……飴?」
ルビィ「うゆっ!?」
鞠莉「ほぉ〜ら、ほぉ〜ら。美味しい飴だよぉ〜」
ルビィ「うゆゆ……」
鞠莉「ほぉ〜ら、怖くないよぉ〜。ルルルルル〜」 ルビィ「うゆゆゆ……」
鞠莉「捕まえたっ!」
ルビィ「ピギッ!?」パクッ
鞠莉「よぉ〜し、よぉ〜し。良い子だね〜」ナデナデ
ルビィ「うゅ……」ゴロゴロ
千歌「おお、凄い! ルビィちゃんが懐いた!」
善子「いや……簡単に懐きすぎでしょ……」 千歌「鞠莉さん、どうしたんですか?」
鞠莉「果南にルビィの懐かせ方を教えてもらってね。飴を用意してきたの」
千歌「あ〜、ルビィちゃんは果南ちゃんとも仲良しだもんね」
鞠莉「ダイヤもこれくらい簡単に懐いてくれたらいいんだけど」
千歌「鞠莉さん、ダイヤさんと仲良くないんですか?」
鞠莉「う〜ん、私はダイヤと仲良くなりたいんだけど……ちょっとウマが合わないみたい」
千歌「えー、ダイヤさん千歌にはとっても優しいんだけどな」
曜「あ〜千歌ちゃん、お姉さんがいて末っ子だもんね。
ダイヤさんもルビィちゃんのお姉さんだし、ダイヤさんは妹属性に弱いのかも」
鞠莉「妹属性か……よし! 私もダイヤの妹になろうかしら!」
梨子「……いや、それは無理があるでしょ」 鞠莉「ねぇ、ところでさっきやってたのは新しい曲?」
千歌「はい」
鞠莉「じゃあ、またキラキラシャイニーなライブが観られるのかしら!?
新しいメンバーも増えたみたいだしスクールアイドル部もますます順調じゃない♪」
千歌「いや、ははは」
鞠莉「あ、そろそろ私は行くわね。休憩中にお邪魔しちゃってごめんなさい。
新曲、楽しみにしているわネ♡」 ーーー
夜、黒澤家
ルビィ「ふんふーん♪」
ダイヤ「ただいまー」
ルビィ「あ、おかえりお姉ちゃん!」
ダイヤ「……ルビィ、それ衣装作ってるの?」 ルビィ「うん! Aqoursの衣装作り、ルビィもお手伝いする事になったんだぁ!」
ダイヤ「そう。なんだか随分、楽しそうね」
ルビィ「うん! こんな可愛い衣装作って着られるかと思うとすっごく楽しくなっちゃうの!」
ダイヤ「ふふ……良かったわね」
ルビィ「えへへ。あ、そういえばお姉ちゃん、今日また練習中に鞠莉さん来たよ」
ダイヤ「また!? って言うかルビィまで鞠莉≠ウん呼びっ!?」
ルビィ「鞠莉さんに飴貰ったんだー。鞠莉さんって良い人だね!」
ダイヤ「ルビィ……本当にそんなつまんない手で懐柔されないでよ……
お姉ちゃん、あなたの将来が本気で心配だわ」
ルビィ「うゆ?」 ダイヤ「はぁ……どいつもこいつも鞠莉、鞠莉って」
ルビィ「でも鞠莉さん、お姉ちゃんとも仲良くしたいって言ってたよ?
お姉ちゃんはまだ鞠莉さんの事きらいなの?」
ダイヤ「嫌い……じゃないけど……」
ルビィ「じゃあ仲良くすればいいじゃん」
ダイヤ「そんな簡単にはいかないのよ……」
ルビィ「お姉ちゃんと鞠莉さんが仲良くしてくれたらルビィもとっても嬉しいなっ!」
ダイヤ(う……この子ったら天使の様な無邪気な笑顔で……人の気も知らないで……) 翌日、放課後の教室
鞠莉「あら、ダイヤ」
ダイヤ「鞠莉さん……」
鞠莉「こんな遅くまで学校に残ってるなんて。生徒会のお仕事?」
ダイヤ「貴女の方こそ……なんでこんな時間まで残っますの?」
鞠莉「アラ、二人っきりなのに敬語なのね」
ダイヤ「…………」
鞠莉「ふふ、ちょっと先生にお手伝い頼まれてね。優等生はツライわよね〜」
ダイヤ「そうですか」
鞠莉「ねぇ、せっかくだからちょっとお話ししていかない?
ダイヤ「なぜですか?」
鞠莉「だって、久しぶりにこうしてダイヤと二人きりになれたんだし。ね、いいでしょ?」 鞠莉「……そういえば昨日、ルビィと仲良くなれたのよ」
ダイヤ「聞きましたわ。本当に飴に釣られるなんてあの子ったら……」
鞠莉「もう、ほんっとプリティよね! あんな妹がいるなんて羨ましいわ」
ダイヤ「そうですか? 結構、手の焼けるとこもあるし生意気なとこもあ
るんですけど ……勝手に人のプリン食べたりするし」
鞠莉「いいじゃないそれくらい。ルビィの為なら何個でもプリンを用意しておくわ♪」
ダイヤ「人の家の妹を甘やかさないでください」
鞠莉「えー? じゃあダイヤにプリンをー」
ダイヤ「け、結構です!」 鞠莉「……そういえば、果南とダイヤって毎日一緒に早朝から走ってるの?」
ダイヤ「まあ、基本的には」
鞠莉「良いわね仲が良くって。私も混ぜてもらおうかしら」
ダイヤ「……ねぇ」
鞠莉「なーに?」
ダイヤ「なんでそんなにわたしに構うの?」 鞠莉「なんでって……仲良くなりたいからよ。前にも言ったでしょ?」
ダイヤ「だからなんでそう思うのよ」
鞠莉「うーん……ダイヤの踊ってる姿に感動したから?」
ダイヤ「嘘よ……そんなことで」
鞠莉「……ねぇ、ダイヤ。私と一緒にスクールアイドル部に入らない?」
ダイヤ「は?……なに言って……」
鞠莉「ダイヤと一緒にステージで踊れたら……きっととても楽しいだろうなって……」 ダイヤ「何度も言ってるでしょ……わたしはスクールアイドルにはならないって!
しかもあなたと一緒になんて……」
鞠莉「でも本当はダイヤはスクールアイドルになりたいんでしょ!?」
ダイヤ「違う! 違う、違うっ!!!」
鞠莉「ダイヤ……」
ダイヤ「なんなのよアンタは……もういいから……これ以上わたしに付きまとわないでっ!」
鞠莉「あ、ダイヤ待って!」
https://i.imgur.com/pINKqLS.jpg タッタッタッタッタッタッタッ
ずっと友達なんて果南以外に居なかった
それで良いと思っていたし、他人との愛だの友情だの信頼だのは眼中になかった
いかに自分を素晴らしくみせるか
そのテクニックを磨くことだけが喜びで
人に褒められるたびにそんな自分の生き方は正しいのだと言う自信を持った
それなのに
彼女はほんとのわたし≠知った上で仲良くなりたいと笑いかけ
その上、一緒にスクールアイドルにだなんて
そんな事をいきなり言われたってわたしは…… ダダダダダダダダダダダダダダダダ
ダイヤ(……ん?)
鞠莉「ダァイヤァーーー! 待ちなさぁぁぁああいっ!」
ダイヤ「!?」
https://i.imgur.com/vMVA1Po.jpg ダイヤ「なっなんで追いかけてくるのよ!?」
鞠莉「ダイヤが逃げるからでしょ!」
ダイヤ「来ないでよ!」
鞠莉「イヤよっ!」
ダイヤ「くぅ……こうなったら」
鞠莉「え?」
ダイヤ「とうッ」
鞠莉「おあ!?」
https://i.imgur.com/UEwcCwm.jpg 鞠莉「なにもそんな力の限り逃げる事ないでしょう!?」
ダイヤ「フンッ……」
鞠莉「…………」
鞠莉「待てっつってんでしょこのヤロー!!」
https://i.imgur.com/FIsX8M9.jpg ダイヤ「はっ……はっ……」
鞠莉「つか……まえ……たっ!」
ダイヤ「あ……きゃっ!」
どしゃん! がらがら
https://i.imgur.com/lgaTNj8.jpg ダイヤ「はーっ、はーっ」
鞠莉「ぜぇー、ぜぇー」
ダイヤ「…………」
鞠莉「あ! まだ逃げる気!? 待ちなさい!」
ダイヤ「……ぐっ」ウルッ
鞠莉「!?」
ダイヤ「なんなのよあんたはっ! 訳わかんないのよっ!
なんでわたしにそんなにしつこく構うの!?」
鞠莉「ダイヤ……」 ダイヤ「わたしは今までずっと優等生として上手くやってきたのに……それで十分だったのに……
いきなりわたしの前に現れて……ずっと隠してきた素顔を暴いて……なんなのよっ!」
鞠莉「…………」
ダイヤ「わけわかんないわよ……」
鞠莉「……ごめんねダイヤ。あなたを混乱させちゃったわね。でも、聞いてダイヤ。
私も貴女と同じなの」
ダイヤ「……え?」 鞠莉「私も……この学校に来るまでずっと優等生の仮面を被り続けていた。
勉強もスポーツも一番でいる為に必死で努力を続けて、
生活態度だって真面目で品行方正でありつづけたわ。ある人に認めてもらうために」
ダイヤ「……ある人?」
鞠莉はダイヤに話した
家の事
父の事
その父に認めて貰うためにずっと努力し続けてきた事を ダイヤ「……そんな事が」
鞠莉「でもそんな努力も疲れてきちゃって……そんな時にダイヤと出会ったの」
鞠莉「淡島で初めて会った時も凄く素敵な人だなって驚いたけど。弁天島で……
私と同じ様に陰でずっと努力をして自分を作り上げてきた人だっと知って……
自分と似ているって思ったから興味が湧いちゃったのかな」
ダイヤ「そんな……同じだなんて……。わたしはただ見栄の為……あなたの様な辛い思いなんて……」
鞠莉「そうね。果南って言う素敵な親友もいるしね。私は羨ましかったのかも。
だから余計に惹かれて……」
ダイヤ「…………」
鞠莉「でも、そうよね……こんな風に一方的に言われたって迷惑よね。私ったら本当に……
自分の事ばっかりで貴女に勝手ばかり言って……。ゴメンナサイ……。
貴女に近づくのはもうこれっきりにするわ」 ダイヤ「待ちなさいよっ!」
鞠莉「え……?」
ダイヤ「アンタって本当に勝手よね……一方的に言いたい事ばかり……今までの気持ちだって
もっと早く言えば……」
鞠莉「ダイヤ……」
ダイヤ「……立ちなさいよ」
鞠莉「え?……う、うん」
ダイヤ「まったく……制服が汚れちゃったじゃない。アンタのせいで」
鞠莉「ご、ごめんなさい……」 ダイヤ「あーあ、すっかり遅くなっちゃった。明日は朝早いってのに」
鞠莉「明日……?」
ダイヤ「前に話したでしょ。海開きの日」
鞠莉「あぁ……」
ダイヤ「今日は早く寝ないと……あなたも今日は夜更かしちゃだめよ……鞠莉=v
鞠莉「!!……ダイヤっ」
ダイヤ「明日寝坊して遅刻したら許さないからねっ!!」
鞠莉「……うんっ!!」 ーーー
鞠莉「グッモーニン☆」
果南「おはよう鞠莉。ちゃんと寝坊せずに来たね。えらいえらい」
鞠莉「当っ然デース! これでも結構朝には強いのよ? あ、それがチョーチン?
ザッツビューティフォー!」
果南「ふふ、そうでしょう」
鞠莉「ねえ! これ私が持ちたい!」
果南「いいよ。はい」
鞠莉「センキュー! オー……ファンタスティッ〜ク」 ダイヤ「おはよう……朝からテンション高いわね。はいこれ。
あなたの分の袋と火ばさみよ……鞠莉」
鞠莉「サンキュー、ダイヤ♡」
果南「あれ? 二人ともいつの間に!?」
鞠莉「ふふ、これは二人の秘密よ。ねー、ダイヤ♪」
ダイヤ「ふ、ふん……////」
果南「えぇー、なにそれ」
ダイヤ「あぁもういいですから! 早くゴミ拾い始めますわよ二人とも!!」 鞠莉「すごいね……」
ダイヤ「何がですの?」
鞠莉「こんなにもたくさんの人が集まって……この街の海開きって毎年こんな風なの?」
ダイヤ「そうですわ。学校や街の人々が集まって……」
鞠莉「素敵な街ね。みんなとても温かくて……この景色もとってもシャイニーだわ☆」 ダイヤ「……そういえば、鞠莉のそのふざけた喋り方はなんなの?」ボソボソ
鞠莉「あぁこれは……私って今まで本当に一人も友達なんていなかったから、人とどう距離を詰め
たら良いのかも分からなくて……。
無理矢理ハイテンションなキャラを作って見たりしてたらなんとかなるかも……みたいな」
ダイヤ「そんな理由で……」
鞠莉「ま、今じゃこれもお気に入りデースけどネ☆」
果南「あ、なになに二人でコソコソ内緒話してー。また私に隠れて仲良くしてるの?」
ダイヤ「べ、別に仲良くなど……!」
鞠莉「クスクスっ」
千歌「ダイヤさーーーん!」 ダイヤ「あら、千歌さん……どうしたんですそんなに慌てて」
千歌「あのですね……アレ?」
鞠莉「なに? ちかっち?」
千歌「ダイヤさんと鞠莉さん、なんだか仲良しになりました?」
ダイヤ、鞠莉「え?」
千歌「あ、そんな事より! 凄い演出を思いついたんです! 街のみんなにも協力してもらわなきゃ
なんですけど! 見ていて下さい。きっと凄いPVを作って見せますから! あ、街のみんなにお願いして
こなきゃ!」 果南「……行っちゃった」
鞠莉「ぷっ……なんか凄いわね、ちかっちって」
ダイヤ「そうですわね……」
鞠莉「人気が出ると良いわね……Aqours」
ダイヤ「えぇ……」
まっすぐにスクールアイドルとして上を目指す千歌ちゃんの輝きは
わたしには余りにも眩しすぎて
少し目を背けたくなる様な気分にもさせられた
この日、千歌ちゃんが街の人々に協力をお願いして制作されたPVはネット上で5万以上の再生数
を記録し
Aqoursの人気を一気に上位まで押し上げた
ACT4★二人の交わり/おわり PRE-VIEW
すわふり「これからのあらすじ!」
ふりりん「ちょっぴり鞠莉さんとの仲が良くなったお姉ちゃん」
すわわ「そんな時、Aqoursがイベントに招待されて東京に行くことに」
ふりりん「東京で思わぬ結果に襲われるAqours! そして、それをきっかけにお姉ちゃんと
鞠莉さんの間にも再び亀裂が!?」
ふりすわ「あぁ……二人の関係はどうなるの〜!?」
ふりすわ「次回ダイじしょ【綻ぶ絆】」
ふりすわ「ウオォーーーッス!!」 再構成ものとしても面白く読めるなこのSS
続きも楽しみだ 元ネタ知らんからこれで終わるのかと思ったわ
次回期待 ACT5★綻ぶ絆
ダイヤ「え! 東京に!?」
ルビィ「うん! この前のPVのおかげでAqoursの人気が一気に上がったでしょう? それで今、
わたし達注目されてるみたいで東京のイベントからお誘いがあったの!」
ダイヤ「そう……」
ルビィ「これまでもラブライブに出場したことがあるスクールアイドルがたくさん出たイベント
らしくてね、今回も優勝候補のグループとかも出るみたいなんだ!」
ダイヤ「…………」
ルビィ「……お姉ちゃん?」
ダイヤ「あ、ううん……すごいじゃない。がんばってきなさいね」
ルビィ「うん!」
ダイヤ「あ、この事はお父さんには内緒にしときなさいね。多分めんどくさいから」
ルビィ「う……うゅ、わかった」 ーーー
鞠莉「ダイヤ〜、聞いたわよ。ルビィ達、東京のスクールアイドルのイベントに出るんですってね」
ダイヤ「耳が早いわね」
鞠莉「すっごいじゃない! ダイヤも応援にいくんでしょう?」
ダイヤ「いかないわ」
鞠莉「ホワイ!? なぜ!?」
ダイヤ「なぜって……交通費だってかかるし、会場の入場料だって……」
鞠莉「いいじゃないそれくらい。大した金額でもないでしょう?」
ダイヤ「……これだから金持ちは」
果南「ところでどんなイベントなのそれ?」 ダイヤ「東京スクールアイドルワールド≠チてイベントで……毎年、人気のあるグループや
話題の大きいグループが招待されてるんだけど。
会場でライブをした後、会場内のお客さんの投
票で順位をつけるの。
今までの上位入賞グループはラブライブ決勝までいったグループがほとんどね」
鞠莉「そんなにすごいイベントなの!? じゃあ、それに呼ばれたルビィ達はこのまま一気に
ブレイクしてグループアイドルのトップにクライムね!」
ダイヤ「そんな簡単じゃないわよ。調べてみたら今回もラブライブ決勝まで行ったグループがた
くさん出場するみたいだし」
果南「Aqoursもそのグループに肩を並べるほどだって認められたってこと?」
ダイヤ「実力があっても遠方で行けなかったり、時期的にラブライブ予選の方に力を入れたいから
招待されたけど出場辞退したグループもいる筈よ。
……Aqoursが今回、招待されたと言ってもその
結果、お鉢が回ってきたとかそんな理由よきっと」
鞠莉「んでもでも、どちらにしろこれはビッグチャンスなんでしょう? このイベントで結果を
残せばラブライブの優勝だって……」
ダイヤ「簡単に言わないで。ラブライブはそんなに甘くないわよ!」
鞠莉「ダ、ダイヤ……」
果南「はは……まあまあ。でも……ルビィを東京なんて人が沢山いるところに行かせるのはちょっと
心配じゃない?」 ダイヤ「まぁ、それは多少……でも、あの子もスクールアイドルを始めてからだいぶ人見知りも
治ってきてるから大丈夫かなって」
果南「それにルビィってああ見えて結構肝が据わってるところもあるからね。いろいろ武勇伝も
あるし」
鞠莉「武勇伝? なに?」
果南「そうだなたとえば……あ、自転車ダイブ事件≠ニか」
ダイヤ「あぁ……あったわねそんなの」 鞠莉「なんなのよそれ……」
果南「中学の時にルビィが坂道を自転車で全速ノーブレーキで降りて行ってさ。そのまま勢いあまって
道路脇の砂浜に飛んでっちゃったの」
鞠莉「アウチッ! それでどうなったの?」
果南「あん時は打撲や捻挫で一週間くらい入院してたっけ?」
鞠莉「ルビィったら……見かけによらず結構ワイルドなのね……」
ダイヤ「あれは父親の血を濃く受け継いでるわね」
果南「ははっ、たしかにそうかもね」 鞠莉「でも……ルビィが東京に行ってる間、ダイヤ寂しいわね」
ダイヤ「いや、別に……そんなわけ無いでしょ向こうで一泊するだけなんだから。かえってのん
びりできて良いわよ」
果南「ええ〜ほんとに〜? ダイヤって結構寂しがり屋だからな〜」
鞠莉「そうなの?」
ダイヤ「ちょっと果南……適当な事言わないで」
果南「あ、そうだ! 今度の土日は私達3人でお泊まり会しない?」
ダイヤ「え?」
鞠莉「お泊まり会!?」 果南「うん。せっかくこうして3人で仲良くなれたんだからさ。
より絆を深めるためにお泊まり会するの! ね、どう?」
鞠莉「どうって……」
ダイヤ「いきなり……だいたいどこでやるのよ」
果南「うーん……鞠莉んちは?」
鞠莉「へ……私?」
果南「うん! 私、いっぺん鞠莉の住んでるとこ行ってみたかったんだ〜。ダメかな?」
鞠莉「だ、ダメ……じゃ……ないけど」
果南「よし、じゃあ決まりね!」
ダイヤ「ちょっと、なに強引に……」
果南「鞠莉のお部屋楽しみだな〜」
ダイヤ「ああもう、まったく……」 ーーー
放課後
千歌「ダイヤさ〜ん!」
ダイヤ「あら、千歌ち……高海さん」
千歌「ふぇ?」
ダイヤ「ああ、いえ、なんでも……ところでどうしました高海さん?」
千歌「えへへ、あのですね。千歌たちなんと東京のスクールアイドルイベントに招待されたんで
すよ!」
ダイヤ「ああ、その事でしたらルビィからも聞いていますわ。凄いですわね」
千歌「へへ……私達、きっとこのイベントで上位入賞して見せます! そして、ラブライブにも
優勝してこの浦の星女学院の名前を全国に知らしめて見せるんです!」
ダイヤ「そう……ですか。ふふ、それならば私も期待しておりますね。頑張ってください」
千歌「はい! がんばりますっ!」 ーーー
ルビィ「それじゃあ、行ってくるね」
ダイヤ「…………」
ルビィ「うゅ……どうしたのお姉ちゃん?」
ダイヤ「ううん、なんでも……気をつけていってらっしゃい。がんばってね!」
ルビィ「うん……行ってきます!」
ダイヤ「……さて、わたしも準備しよっかな」 ーーー
淡島、船着場
果南「ダイヤー」
ダイヤ「果南」
果南「ルビィはもう行った?」
ダイヤ「うん……今頃はたぶん電車の中かな」
果南「そっか……上手くやれるといいね」
ダイヤ「うん……」
果南「よし、じゃあ私達もいこっか」 ーーー
ホテルオハラ
果南「うわ……やっぱ凄いねこのホテルは……」
ダイヤ「うん……ちょっと緊張するわね……」
果南「鞠莉はロビーで待っててって言ってたけど……」
鞠莉「ダイヤ、果南、お待たせ」
果南「鞠莉!」
鞠莉「こちらへどうぞ。マリーのプライベートルームへ案内するわ☆」 鞠莉「ウェルカム☆ どうぞ入って」
果南「うわ……凄い部屋!」
ダイヤ「高価そうな物がいっぱい……」
鞠莉「好きな様にくつろいでね」
果南「くつろいでねって言われても……」
ダイヤ「なんか落ち着かないわ……」
果南「うわ……このソファふわふわ!」
ダイヤ「この絵……いくらぐらいするんだろう……」
鞠莉(うぅ……なんか恥ずかしいわね……) コンコン
鞠莉「あ、どうぞ!」
「失礼します。お茶のご用意が出来ました」
鞠莉「ありがとう、ここに置いてちょうだい」
「かしこまりました」 果南「うわ、すごい! テレビとかでよく見るお菓子のピラミッドだ」
ダイヤ「現実では初めてみたわ……」
「ふふ……ごゆっくりなさって下さいね。では失礼します」
果南「ふわぁ……綺麗な立ち居振る舞いだね」
ダイヤ「まさに一流のサービスマンって感じね。流石、高級ホテル」
鞠莉「さ、さぁ二人とも。好きなだけ食べてちょうだい」 果南「この綺麗なのもお菓子なの?」
鞠莉「そうよ。マカロンって言うのよ。知らない?」
果南「沼津にそんなオシャレなもの無いよ……ダイヤ知ってる?」
ダイヤ「……マカロニならあるわよ」
鞠莉「そ、そう……」 鞠莉「うーん、良い香り。紅茶はやっぱりアールグレイね」
ダイヤ「……午後ティー≠ニかしか知らない」
鞠莉「ゴゴティー?」
果南「私は紅茶花伝のロイヤルミルクティーが好き」
鞠莉「???」 果南「あー美味しかった」
ダイヤ「……ちょっと食べ過ぎちゃったかも」
鞠莉「ふふ……満足してくれたみたいで良かったわ」
果南「さて、これからどーしよっか?」
ダイヤ「果南……自分でお泊まり会とか言っといてノープランなの?」
果南「鞠莉、この部屋ゲームとか無いの?」
鞠莉「ゲームとかは私はやらないから……」
果南「普段、部屋では何してるの?」
鞠莉「ええっと……お勉強?」
果南「えぇ……」
ダイヤ(この子……本当に友達が居なかったのね)ホロリ 鞠莉「あとは読書とか……」
果南「読書はちょっと……」
ダイヤ「私は好きだよ、読書」
鞠莉「ダイヤはどんな本読むの?」
ダイヤ「ダイヤ◯ンド・ザイとか」
鞠莉「…………」 鞠莉「あ、そうだ。映画のBDならあるわよ」
ダイヤ「へえ。映画もわたしは好きだよ。どんなのがあるの?」
鞠莉「色々あるけどオススメは……あ、このチャイルド◯イ≠ニかエクソ◯スト=A
悪魔の◯けにえ≠ニか面白いわよ♡」
果南「え!? それってまさか……」
ダイヤ「あぁ。ホラー映画の名作ね」
果南「やっぱり〜!!」
鞠莉「イエス! 私、ホラー映画が結構好きで……
ハラハラドキドキが勉強疲れの発散に意外と効くのよ♪
あ、あとこれなんかも面白いのよ。最近、手に入れたB級物なんだけど中々のオススメで……
これを一緒に観ましょうか☆」
果南「いやいやいや!!……ホラー映画はだめ!!」 鞠莉「あら……果南どうしたの?」
ダイヤ「実は……果南ってばそういうホラー物ダメなのよ」
鞠莉「まあ、そうなの!?」
果南「な、なによう……」
鞠莉「果南ったら……意外とカワイイとこあるのね♡」
果南「べ、別いいでしょ!」
鞠莉「まあ、そういう事なら今回コレはやめておきましょうか」 ダイヤ「他にオススメは?」
鞠莉「そうねぇ……私のオススメも良いけど、ダイヤのオススメも知りたいな」
ダイヤ「わたしのオススメの映画?」
鞠莉「ううん、映画じゃなくて……ダイヤのオススメのスクールアイドル」
ダイヤ「スクールアイドル!?」
鞠莉「ええ。私ね、Aqoursのライブを観てからもうすっかりファンになっちゃって。もっと
スクールアイドルの事を知りたくなったの。ダイヤって他のスクールアイドルの事も詳しいんで
しょう?」
ダイヤ「ええ……そりゃ……まあ……」 鞠莉「だからダイヤにスクールアイドルの事を教えて欲しいの。ね、それくらいならいいでしょ?」
ダイヤ「うぅ……わかったわよ」
鞠莉「イェーイ! やった☆」
ダイヤ「そのかわり……教えるからにはみっちりやるから……覚悟しなさい!」
果南「あー、始まった……」
鞠莉「ええ?」
果南「鞠莉……ダイヤがこうなったら……長いよ〜〜〜」
鞠莉「ええええぇぇぇぇぇ?」 2時間後
ダイヤ「……とまあスクールアイドルの歴史の基本はこれくらいかしらね」
鞠莉「お……OK……よく分かったわ……」
ダイヤ「じゃあ次は地方毎によるスクールアイドルの特色などを……」
果南「ちょ……ちょっとまったダイヤ! 少し休憩しない?」
ダイヤ「えぇ〜。これからが良いところなのに……」
果南「いや〜ダイヤの熱のこもった話を聞いてたらこっちも熱くなっちゃってさ〜。ちょっと汗
かいちゃったしお風呂でも入りたいかな〜って。
ね!?」
鞠莉「え? え、ええ、そうね!」
ダイヤ「むぅ〜」
果南「という訳でお風呂タイムに決定!」
鞠莉「じゃあちょっとバスルームの用意してくるわね!」 果南「あ、ねぇ鞠莉。ここの大浴場って利用したらマズイかな?」
鞠莉「え? 別にマズくはないけど……」
果南「じゃあそっちにしようよ! 3人で一緒に汗を流そう!」
ダイヤ「良いね。わたしも入れるならここの温泉に入ってみたいわ」
鞠莉「でも、一緒にお風呂だなんて……」
果南「せっかくのお泊り会なんだから裸の付き合いもしないと! さあ、行こう!」
鞠莉「ええぇ〜〜〜っ」 ー大浴場ー
果南「うわぁ〜やっぱり広いねぇ」
ダイヤ「さすが高級ホテルの大浴場。綺麗で気持ちいい〜」
果南「ほらー鞠莉。早くきなよ。なにしてんの?」
鞠莉「うぅ……」
果南「なんでタオルで身体隠してモジモジしてんのさ」
鞠莉「だ、だってぇ……」 ダイヤ「うーん……やっぱり」
鞠莉「え?」
ダイヤ「わかってはいたけど……鞠莉のムネすっごいわね」
鞠莉「な……どこ見てるのよ!/////」
果南「女同士でなに恥ずかしがってるのよ。ホラホラっ」
鞠莉「あっ! 待って果南、タオル取らないでっ!」
果南「おぉ……生で見ると一段と迫力が……」
ダイヤ「果南だってあるじゃない。いいなぁ◯カップの人は! わたしなんか◯カップだよ……」
果南「ダイヤだってそこそこあるじゃん。カタチも綺麗だしさ」
ダイヤ「うそよ! てきとう言ってごまかさないで! このボリュームに比べたらわたしのムネ
なんて……」ツンツン
鞠莉「な!? ちょっとどこ触って……」
果南「確かにこのボリュームはかなり凶悪だね」ツンツン
鞠莉「ちょっ……果南までっ!? ……もーーっ! 二人とも訴えるわよっ!!/////」 ーーー
果南「あー、良いお湯だったぁ〜」
鞠莉「まったく……二人ともふざけて……/////」
果南「あはは……ごめんって……。あれ? ダイヤどこへ?」
ダイヤ「ちょっとのぼせたから風に当たってくるわ」 ーーー
ダイヤ「……ふぅ、気持ちいい風」
「どうでございましたか? 当館のお湯は」
ダイヤ「あ、どうも……とても気持ちよかったですわ……すみません、少し騒ぎ過ぎてしまって……」
「ふふ、いいえ。大丈夫ですよあれくらいなら……。それにしても、お嬢様のあんなに楽し
そうな姿は初めてみました」
ダイヤ「え?」
「これまでのお嬢様はいつも寂しげで……心細さを必死に我慢している様で……」
ダイヤ「…………」 「でも、こちらに住まわれる様になってから……浦の星女学院に通われる様になってからはとても
活き活きとした表情を見せてくれるんですよ」
ダイヤ「そう……ですか……」
「これも、この地で良い出会いをなさったおかげですね。黒澤様……ありがとうございます」
ダイヤ「え、いや、私はなにも……」
「ふふ、まもなくお部屋にお食事を運ばせていただきます。そろそろお戻り下さいね」
ダイヤ「はい……ありがとうございます」
やっぱり
あの子はずっと寂しかったのかな……
あの部屋に入った時も感じた
とてもゴージャスで綺麗な部屋だけど
生活感を感じず、暖かみもない……
あの子はずっと過ごして来たのだろうか
この地に来る前もあんな風な部屋で一人で
寂しさを抱えて…… ーーー
果南「あー、美味しかった!」
ダイヤ「ほんと……凄い料理だったわね……」
鞠莉「ふふ、満足して貰えて良かったわ」
果南「なんか申し訳なくなっちゃうよ……こっちから押し掛けたのにあんな豪勢な食事まで頂い
て……」
鞠莉「そんなの気にしないでよ。私も久しぶりに誰かと夕食が取れて楽しかったわ」 果南「そういえば、鞠莉のご両親はここには居ないの? たしか、転校した時にお父さんの仕事の
都合でついて来てここに来たって言ってたよね?」
鞠莉「え? あぁ、あれ……実は……」
果南「なに?」
カクカクシカジカ
鞠莉「……って事なの」
果南「へぇ……そ、そうなんだ」
鞠莉「嘘ついててゴメンなさい!」
果南「べ、別にいいよそんなの! 気にしないで! って言うか全然謝る事じゃないし!」
鞠莉「でも……」
果南「鞠莉も大変だったんだね。そんな事を話してくれてありがとう、鞠莉」
鞠莉「果南……」
ダイヤ「まあ、いいじゃん今はそんな事! それよりもスクールアイドルの勉強の続きを……」
果南「あぁーそうだっ! 鞠莉、スキューバダイビングやりたくないっ!?」 鞠莉「スキューバダイビング?」
果南「うん、明日の朝早くなら予約も無いしうちで出来ると思うんだけど……どう!?」
鞠莉「やってみたい! 前から内浦のビューティフルな海を散歩して見たかったの!」
果南「よしっ決まり! 明日は朝一でダイビング! そうと決まれば今日は早く寝なくっちゃ!」
ダイヤ「えぇ〜でもこれから……」
果南「さあ、早く歯を磨いちゃおう! ねっ、ねっ!」
ダイヤ「ああぁぁ〜〜」 ーーー
果南「このベッド気持ちいいー。広くてすごくフカフカで」
鞠莉「そう?」
果南「うん! これは良く眠れそうだよー。ね、ダイヤ」
ダイヤ「……カー……」
鞠莉「もう寝てる!?」
果南「あー。ダイヤって普段、テスト前以外は9時には寝てるからね」
鞠莉「そうなの!?」
果南「小学生みたいでしょ?」
鞠莉「そうね……」
果南「まあその分、朝起きるのも早いんだけどね」 鞠莉「果南も起きるの早いんでしょう? ダイヤといつも朝から一緒にジョギングして」
果南「まぁね」
鞠莉「すごいわね……」
果南「昔からだからね。もう慣れちゃったよ」
鞠莉「ううん、そうじゃなくて……早起きもそうだけど、二人の関係が。小さい頃からずっと
仲良しで……すごく羨ましい」
果南「鞠莉……」
鞠莉「へへ、なんてね」
果南「鞠莉……私は鞠莉に感謝してるよ」
鞠莉「え?」
果南「ダイヤってこんなんだからさ。わたし以外にまともな友達っていなかったから。そんな
ダイヤの世界を広げるきっかけを作ってくれた鞠莉には感謝してる」
鞠莉「そんな……私なんて……」
果南「くすっ……明日は早いし私たちもそろそろ寝よっか」
鞠莉「……そうね」
「おやすみ」
こうやって誰かと一緒に眠るのはいつ以来だろうか
ドキドキするけれど
なんだかとても安心する…… ーー翌朝ーー
鞠莉(すごい……綺麗……)
ザパァ
果南「どう? 海の世界の景色は」
鞠莉「アメイジング! ビューティフォー! 最っ高よ!!」
果南「そうでしょ」
鞠莉「こんなに素敵だなんて……あぁ、なんてもったいない! もっと早く体験しておくんだったわ!」
果南「時期的にもちょうど暑くなり始めた所だからね。また今度遊びにおいでよ」
鞠莉「えぇ、是非!」 ダイヤ「そろそろ戻らなくちゃいけないんじゃないの?」
果南「おっと、そうだね。じゃあ船に戻ろっか」
ーーー
ーーー
鞠莉「果南、今日は本っ当にありがとう! とってもシャイニーな気分よ!」
果南「こちらこそ、ゴージャスな体験が出来て楽しかったよ! ありがとうね鞠莉。
あ、私は手伝いがあるからもう戻るね。二人ともまた明日学校で。バイバイ!」
ダイヤ「うん、バイバイ」 ーーー
ダイヤ(ルビィたち、そろそろ駅に着く頃かな)
ダイヤ「あ、もう着いてる……一緒に居るのは千歌ちゃん達のクラスメートかな?」 ダイヤ「おかえりなさい」
ルビィ「お姉ちゃん……」
ルビィ「うっ……うぅ……うぐっ……うあぁぁあぁん!!」ダキッ
ダイヤ「ルビィっ!」
千歌「ダイヤさん……うっ……ふぐっ……」
ダイヤ「高海さん……」
ダイヤ(やっぱり……こうなってしまったか)
ダイヤ「……よく頑張ったわね」 ーーー
ダイヤ「得票……0ですか……」
梨子「はい……」
ダイヤ(やっぱり……現実は厳しいのね……)
千歌「ごめんなさいダイヤさん……私……」
ダイヤ「高海さん……」
千歌「がんばるって言ったのに……入賞って……うぅ……」
ダイヤ「っ!……泣かないで千歌さん」
千歌「ううぅ……うわぁぁぁっ……」 ダイヤ「大丈夫ですわ……千歌さんが頑張っていたことは私は充分知っていますから……」
スクールアイドル
以前から人気のあったそれは
ラブライブ開催によってさらに爆発的な人気となり
A-RISEとμ'sによってその人気は揺るぎないものになった
さらにラブライブはアキバドームで決勝が行われる様になり
スクールアイドルたちの更なるレベルの向上を生んだ
その結果…… 曜「そう……頑張ってきた……でも」
梨子「私達の力はまるで通じなかった……」
ダイヤ「……貴女達はよくやっておりますわ。スクールアイドルとして充分、練習を積み、見て
くれる人を楽しませるに足りるだけのパフォーマンスもしている。
それはこの私が絶対に保証します」
ダイヤ(でも……それだけではダメなの……)
6人「…………」
ダイヤ「さあ、皆さん疲れたでしょう。今日は早く帰ってゆっくりお休みなさい。
ルビィも……一緒に帰りましょう」
ルビィ「うん……」 ーー翌日ーー
果南「そっか……そんな結果に……」
鞠莉「そんな……」
ダイヤ「……まあ、分かっていた事だわ。所詮、あの子達の実力では……」
鞠莉「っ!……そんな言い方っ!!」
果南「鞠莉っ! ダイヤも!!」
ダイヤ「…………」 ーーー
ダイヤ「あっ……千歌さん」
千歌「ダイヤさん……」
ダイヤ「これから練習?」
千歌「いえ……今日はちょっとお休みにしようと思って……」
ダイヤ「そうですわね……それも良いかもしれませんね」
千歌「…………」
ダイヤ「千歌さん……」 千歌「それじゃあ……失礼します」
ダイヤ「あっ……待って千歌さん!」
千歌「……えっ」
ダイヤ「今回の事は……仕方のない事ですわ。貴方達はまだ結成して間もないのだし……」
そう……仕方ない事だ……
ダイヤ「これからも練習を続ければきっと……」
年々、レベルが上がり続けるスクールアイドルの世界……
その中にこんな田舎の作られたばかりのグループが飛び込んだところで……
ダイヤ「だから元気をだして!」
こうなる事は仕方のない……
千歌「はい……ありがとうございます。失礼します」 ーー翌日ーー
鞠莉「ちかっち達……昨日、練習休んだみたいね」
果南「らしいね……」
鞠莉「今まで毎日……あんなに一生懸命練習してたのに……」
果南「そうだね……」
鞠莉「今日は練習するのかな……」
果南「どうだろうね……」
鞠莉「このまま……自信を無くして辞めちゃったりしたら……」
果南「それは……」
鞠莉「…………」
果南「?……鞠莉、どこいくの?」
鞠莉「ちょっとダイヤのとこ行ってくる!」 ーーー
鞠莉「ダイヤ!」
ダイヤ「鞠莉さん……どうしたんですかそんな大声で。ここは生徒会室ですよ」
鞠莉「ダイヤ……やっぱり私とスクールアイドルやろうっ!」
ダイヤ「な、なにを言って……」
鞠莉「ダイヤは悔しくないのっ!? あんなに頑張ってたちかっち達が……あんなに元気をなく
して……」
ダイヤ「ちょっと落ち着いて……他の方も見てますわ……」
鞠莉「私は悔しいっ! なんだか分からないけど……自分の事じゃ無いんだけど……
どうしようもなく悔しいのっ!!」
ダイヤ「鞠莉さん……」 鞠莉「だから入ろう……私と一緒にスクールアイドル部に。私達のが入れば……私達、二人の
力とあの子達の力を合わせれば……」
ダイヤ「やめて……」
鞠莉「私達もAqoursに加わればもしかしたらもっと……だから私とスクールアイドルに……」
ダイヤ「やめてって言ってるでしょっ!!」
鞠莉「っ……!!」
ダイヤ「なんなのよアンタは……何度も何度も……わたしはスクールアイドルにはならないって
言ってるでしょ!! いい加減しつこいのよもうっ!!」
鞠莉「ダイヤ……」
ダイヤ「出てって! アンタの顔なんか見たくないっ! ここから出てってよ!!」
鞠莉「…………っ」
ACT5★綻ぶ絆/おわり PRE-VIEW
すわふり「これからのダイじじょ!」
ふりりん「せっかく鞠莉ちゃんと仲良くなったのにまたまた突き放してしまったお姉ちゃん!」
すわわ「二人の関係が原因で千歌たちの心も揺れ動く!」
ふりりん「そんな時、お姉ちゃんの心を開くために果南ちゃんが動き出す!」
すわふり「さあ! 彼女達の関係はいったい、どうなる〜!!?」
すわふり「次回、ダイじじょ!【Aqours】」
すわふり「ウオォーーーッス!!」 アニメとの微妙な差異がいいね
補完みたいになってる ACT6★Aqours
果南「鞠莉ーおはよー」
鞠莉「…………」
果南「ダイヤー、鞠莉きたよー」
ダイヤ「…………」
果南「……はぁぁぁぁっ」
果南(やっぱりあの時、鞠莉を止めなかったのは不味かったかなぁ……) ダイヤと鞠莉が生徒会室でやらかしてから2日
二人の間には膠着状態が続いている
学校の有名人二人があんな事になったからウワサはアッと言う間に全校に広まって
そのまま二人がずっとこんな状態だから、教室どころか学校中にピリピリとしたムードが
広がってるんだけど……
果南(いや、でもこれはチャンスだ。ダイヤの本当の気持ちを引っ張り出すための) 果南「ねぇ、ダイヤ。いつまでこうしてるつもり?」
ダイヤ「なにが」
果南「鞠莉の事だよ。鞠莉だって悪気があった訳じゃないんだから……ねぇ?」
ダイヤ「ふんっ」
果南「……もう、良い加減にしなよっ! いつまでもいつまでも大人気ないっ!」
ダイヤ「果南には関係ないでしょ!」
果南「あるよ! 大アリだよ! あんた達二人がずっとこうだと学校中の空気が重苦しくてしかた
ないよっ!」
ダイヤ「そんなの知らないわよっ! 果南のバカ! もうほっといて!!」
果南「あ、ダイヤ待って……ダイヤー! ……はあ、もう……」 ーー放課後ーー
果南「あ、千歌」
千歌「果南ちゃん……」
果南「これから練習?」
千歌「うん……いつまでも落ち込んでいられないからね。0から1を目指すんだってみんなで決めたの!」
果南「そっか」
千歌「でも……」
果南「ん?」 千歌「ねぇ、果南ちゃん……ダイヤさん達の事……私のせいなのかな」
果南「千歌、なにいって……」
千歌「なんとなくの事は知ってるんだ。学校中の噂になってるからね」
果南「そっか……」
千歌「もし、ダイヤさんと鞠莉さんがあんな風になった原因が千歌の所為だとしたら……私……」
果南「バカだね千歌は」ホッペムギュ
千歌「うふぇ……はなんひゃんなにひゅんの……
果南「大丈夫だよ。あの二人の事は千歌のせいなんかじゃないから……あの子たちが勝手にやっ
てるだけ。だから千歌はなんにも気にしないの」ハグッ
千歌「果南ちゃん……」
果南「二人とも……ちょっとボタンを掛け違えちゃっただけなんだ。だからすぐにまた元どおり
になるよ」
千歌「でも……」 果南「それにね、二人共すっごく千歌の事好きなんだ。千歌達の事が……。二人共、Aqoursの大ファンなんだよ。
だから、Aqoursがまた元気にライブをしてくれたらダイヤも鞠莉もきっと笑顔になるよ」
千歌「そうかなぁ……」
果南「そうだよ。だから千歌はくよくよせずにいっぱい練習頑張ってよね」
千歌「うん……ありがとう果南ちゃん。私、がんばるよ!」
果南「うん……いってらっしゃい」
果南(千歌……ごめんね。私があの時止めなかったばかりに千歌にまで余計な心配をかけて。
それなのに頑張れなんて。……でも、今のダイヤと鞠莉にはどうしてもAqoursが必要なんだ。
だから、もう少しだけ力を貸して。私も……頑張るから!) ーー帰り道ーー
果南「鞠莉ー! まってまって!」
鞠莉「果南……」
果南「ふぅ、追いついた! 一緒に帰ろ?」
鞠莉「うん」 果南「どう? 調子は」
鞠莉「どうって……別に」
果南「なんかね……ついこの間の事なのに。3人で仲良くおしゃべりしてたのが凄く昔の様な気が
するよ」
鞠莉「ごめんなさい……なんであんな事言っちゃったんだろ。ダイヤが嫌がってるの知ってた
のに……そのせいで果南にまで迷惑を……うぅ……」
果南「うわ、ちょっと待って! 泣かないでよ鞠莉! ほらっハグッ」ギュ
鞠莉「か、果南!?」
果南「ほら……落ち着くまでこうしててあげるから」
鞠莉「うん……」 果南「私はね……今回の事、良かったと思ってる」
鞠莉「えっ?」
果南「まあ、ちょっと強引だったかな……とも思うけど。私も鞠莉と同じでダイヤにAqoursに
入って欲しいもん」
鞠莉「果南……」
果南「だから……今回の件は良い機会だったんだよ。あの石頭に自分の気持ちを気付かせる
きっかけとして。ダイヤだってAqoursに入りたい筈なんだよ。だから……ね。鞠莉も元気出して」
鞠莉「ぐす……ありがとう、果南。果南は優しいね」
果南「ふふ、それほどでも」
鞠莉「へへ……それにしても……果南は本当にダイヤの事が大好きなのね。ダイヤの事ならなんでも
知ってて……」
果南「え……いや……ははは/////」 ーー黒澤家ーー
ダイヤ「ルビィ」
ルビィ「お姉ちゃん……どうしたの?」
ダイヤ「いや、あの……もう練習再開したんだって?」
ルビィ「うん! ラブライブに向けてまたがんばるの!」
ダイヤ「そう。……ごめんね、わたしのせいで……いろいろやりづらかったでしょう?」
ルビィ「ううん。そんな事ないよ」
ダイヤ「わたしの事でルビィは周りの人に何か言われたりしてない?」
ルビィ「全然大丈夫だよ!」 ダイヤ「それなら良かったけど……」
ルビィ「……ねえ、お姉ちゃん」
ダイヤ「ん? なぁに?」
ルビィ「……ううん、なんでもない。ルビィ練習、頑張るね!」
ダイヤ「うん、お姉ちゃんも応援してる」 『らんらんらーん♪』
『うわぁ……ダイヤちゃん上手だねー!』
『うふふ、そうかな。ありがとう!』
『ダイヤちゃんは本当にアイドルがすきなんだね』
『うん! キラキラしててかわいーもん!』
『じゃあ、ダイヤちゃんも大きくなったらアイドルになるの?』
『ええ!? むりだよそれは……わたしなんて……』
『なれるよ。だってダイヤちゃんかわいいもん』
『そうかな?』
『うん!』
『えへへ……じゃあ、わたしがアイドルになるときは……果南ちゃんも一緒にやってくれる?』
『ええ!? わたしは無理だよ! わたしはかわいくないもん!』
『そんなことないよ! 果南ちゃんもかわいい!』
『そんなこと……』
『じゃあやくそくね! わたしがアイドルになるときは果南ちゃんも一緒! あと、ルビィもね!』
『グループなの?』
『うん! そうだ、グループ名も考えなくっちゃ……そうだなあ……アクア=I』
『アクア=H』
『うん! アクアってね、外国の言葉で水って意味なの! この海みたいにキラキラした
アイドルになりたいから……アクア!』
『アクアかぁ……』
『うん! わたしたちはアイドルグループ、アクアよ!』 ーーAM5:00ー
ピピピピ ピピピピ ピピピピ
ダイヤ「……夢か」
あれっていつの頃はだろう……
まだわたし達が小学校に上がる前くらいか
懐かしいな……
ダイヤ(しかし……あの頃はまだ純真だった
な……/////) ルビィ「お姉ちゃん、おはよう」
ダイヤ「おはようルビィ。今から出るの?」
ルビィ「うん、朝練があるから。お姉ちゃんは?」
ダイヤ「わたしも、もうちょっとしたら出るわ」
ルビィ「そっか。じゃあ、先に行ってきます」
ダイヤ「いってらっしゃい。朝練がんばってね」 あの日から
わたしは長年の日課だった朝のランニングをサボっている
あれ以来、果南ともなんか顔合わせづらいから
ダイヤ(別に違うルートで走れば良いんだけどね……でも、偶然むこうもルート変えて鉢合
わせたりしても嫌だし)
なんやかんや言い訳しても結局、本当のところはやる気が起きないだけなのだが
それでも、長年続いた早起きの習慣は忘れられるものでもなく
ダイヤ「はぁ……勉強でもするか」 それにしても……なんであんな夢をみちゃったんだろ
『私とスクールアイドルやろうっ!』
ダイヤ(やっぱ……あのせいだよなぁ)
ダイヤ「……だめだ、頭が回らない。勉強に集中できない」 ーー生徒会室ーー
副会長「あの……会長」
ダイヤ「あら、なにかしら?」
副会長「こちらの書類なんですが……」
ダイヤ「あぁ、それね。ありがとう、そこに置いておいてちょうだい」
副会長「は、はい! 失礼します……」オドオド
ダイヤ「…………」
はぁ……
果南の言うとおり、やっぱりやらかしちゃったわよねぇ……
副会長以外もなんかオドオドしてるし
せっかくこれまで必死で作り上げてきたイメージが……
いや、そんな事よりとりあえずこの空気だけでもなんとかしないと…… その頃、スクールアイドルーー
千歌「え、沼津の夏祭り?」
教師「ええ。今日、学校にあちらの運営委員からあなた達にステージを演って欲しいとの
オファーがあったのよ」
曜「沼津の花火大会って言ったらここら辺で一番のイベントだよ」
花丸「Aqoursを知ってもらうには一番ずらね」
梨子「でも、今からだとあまり練習時間がないんじゃ……」
ルビィ「千歌ちゃん、どうしよう」
千歌「私……出たい! 花火大会でライブしたい! 私達の新たなスタートにちょうどいいよ!
みんなは!?」
ルビィ「ルビィもやりたい!」
梨子「そうね……せっかくのチャンスだしね!」
曜「ヨーソロー! 参戦であります!」
善子「ふふ……闇の宴が始まるのね」
花丸「闇の宴じゃなくて夏祭りずら……」
千歌「よーし、それじゃあ花火大会に向けて練習開始だー!!」
5人「おーっ!!」 ーー夜、黒澤家ーー
ダイヤ「夏祭り?」
ルビィ「うん! そこでライブをする事になったんだ!」
ダイヤ「沼津の夏祭りのステージなんてすごいじゃない」
ルビィ「千歌ちゃんがね、0から1にするんだって。ラブライブを目指してまた頑張るんだっ
て張り切ってるの! ルビィも頑張る!」
ダイヤ「お姉ちゃんも応援してるね」
ルビィ「ありがとう!」
ダイヤ「あ、でも。もうすぐ期末試験もあるんだからそっちもちゃんとしなさいよ。
ルビィ、中間は赤点ギリギリだったでしょ」
ルビィ「う、うゅ……」
ダイヤ(そっか、千歌ちゃん……。あの子は本当に凄いわね。あんな事があったのにもう立ち
直って次を目指して……。それに比べてわたしは……) 翌朝、校舎入り口ーー
ダイヤ「あ……」
鞠莉「ダ、ダイヤ……」
ダイヤ「……ごきげんよう」
鞠莉「……っ」
ダイヤ(……はぁ。なにをやってるのよわたしは。鞠莉にこんな態度取ったってなんにも
ならないって分かってるのに……)
ダイヤ「……なんか体が重い」 ーーその頃、学校屋上ーー
曜「よーし、じゃあ今日の朝練はここまでにしようか」
梨子「はぁ……疲れた」
ルビィ「ふぅ……」
千歌「ルビィちゃん、おつかれ。はい、ドリンク」
ルビィ「あ、千歌ちゃん。ありがとう」
千歌「……ねぇ、ルビィちゃん。ダイヤさんってどう?」
ルビィ「? どうって?」 千歌「いや、ほら! いろいろさ……あったじゃない? それで今どんな感じなのかな……って」
ルビィ「……ルビィの前じゃ普通にしてるけど。やっぱり元気がないみたい」
千歌「そっか……」
ルビィ「…………」
千歌「あのね。ダイヤさんって自分で気づいてないかもだけど。最近。私のこと千歌さん≠チて
呼んでくれるんだ。東京から帰った時からかな。前は高海さん≠チて呼んでたのに。
私ね、それがすっごく嬉しいの」
ルビィ「千歌ちゃん……」 千歌「私ね、ダイヤさんの事がとっても好き。真面目で頼り甲斐があって優しくて。それに……
私と同じでスクールアイドルが凄く好きで」
ルビィ「千歌ちゃん……知ってて……」
千歌「なんとなくね。ダイヤさんと接してたらわかってきた。だから、ダイヤさんも一緒に
スクールアイドルやれたらいいなって思うんだけど」
ルビィ「ルビィも……本当はずっとお姉ちゃんと一緒にスクールアイドルやりたかった。
ルビィね。この学校に進学したのお姉ちゃんが居るからなの。ルビィ、バカだから浦の星に入るために
毎日、頑張って13時間も勉強したんだよ」
千歌「ひぇっ……13時間も!?」
ルビィ「えへへ。……周りのみんなからはそんなに無理してまで浦の星に入らなくてもって言われてたけど……
お姉ちゃんと同じ学校に入ればもしかしたらお姉ちゃんとスクールアイドルが出来るかもって思ったから」
千歌「そうなんだ……じゃあ、まずは! ダイヤさんに元気になって貰うためにも最高のライブを
しないとね!」 ーー翌朝、教室前ーー
果南(……今日こそいい加減なんとかしないとね)
ガラガラ
果南「おはよー、みんな」
女生徒「おはよー果南」
果南「鞠莉もおはよ」
鞠莉「うん……おはよ」 果南「ダイヤも。おはよ」
ダイヤ「…………」
果南「ダイヤ?」
ダイヤ「あ、果南さん……おはようございます」
果南「ねぇ、ダイヤ。今日の放課後ちょっといい? 少し話があって……」
ダイヤ「…………」
果南「ダイヤ聞いてる?……なんかぼーっとしてない?」
ダイヤ「いえ、別に……」
果南「んーーー?」
ダイヤ「? あの、なにか……」 果南「ねぇ、鞠莉!」
鞠莉「え?」
果南「ちょっとダイヤを保健室に連れてくからさ。先生来たら伝えといて」オヒメサマダッコ
ダイヤ「え……ちょっ、果南さん!?/////」
果南「暴れないで大人しくしてて! ほら、行くよ!」 ーーー
保険医「うーん、たぶん軽い風邪だと思うけど。少し熱があるからここでしばらく寝てなさい」
ダイヤ「はい……」
果南「ダイヤが熱がねぇ……珍しい。熱出すなんて小学校以来だっけ?」
ダイヤ「……どうりで怠いと思った」
果南「くすっ、自分で気付かないなんてね。まあ、ちょっと休んでなよ。私は教室戻るから。
先生、ダイヤのことよろしくお願いします」 ーーー
鞠莉「果南、ダイヤどうだった?」
果南「うん、軽い風邪みたい。今、保健室で休ませてもらってる」
鞠莉「そう……」
果南「そう心配しないで」
鞠莉「でも……私が迷惑かけたせいで体調が悪くなったのかも……」
果南「そんなの気にし過ぎだって。昼休みになったらまた様子見に行くよ」
鞠莉「うん……」 ーー昼休み、保健室ーー
果南「ダイヤ、入るよ」
ダイヤ「んぁ……果南さん……」
果南「あ、寝てたんだ。ゴメン、起こしちゃった?」
ダイヤ「いえ、大丈夫です」
果南「今、保健の先生は席を外してるから楽にしていいよ」
ダイヤ「あ、うん……今はお昼休み?」
果南「そうだよ。ぐっすり寝てたみたいだね。調子はどう?」
ダイヤ「うん……だいぶ楽になったと思う。熱も下がった」
果南「流石、動物並みの回復力」
ダイヤ「なによそれ」
果南「ダイヤのお弁当、荷教室から持ってきてあるんだけど。食べられそう?」
ダイヤ「うん、ありがとう。たべる」 果南「そう言えば鞠莉もダイヤの事心配してたよ」
ダイヤ「そう……」
果南「良い子だよね鞠莉って」
ダイヤ「……わかってるわよそんなの」
果南「じゃあちゃんと仲直りしなきゃ」
ダイヤ「……最近ずっと考えてた。鞠莉の事も千歌ちゃん達の事も」
果南「…………」
ダイヤ「でもわたしには……どうしたらいいか分からなくて……」
果南「ふふ……ダイヤ、今まで対人関係でこんな風に悩むなんて無かったからね。慣れない事に
脳みそ使い過ぎて知恵熱でちゃったか」
ダイヤ「なによ……もう……」
果南「ご飯食べたらまた眠くなった? もう少し寝てなよ」
ダイヤ「うん……」スゥ
果南(ダイヤもダイヤなりに……一生懸命考えてるんだね。……今日のところは話はヤメにしと
いてあげるか。でも、ダイヤ。ダイヤの中で答えは決まってるハズだよ。あとは勇気だけ) あれ? どうしたんだろう
ここはどこ?
あ、そうか。わたし、スクールアイドル部に入ったんだっけ。
Aqoursのメンバーになって、みんなでお揃いの衣装を作って、歌と踊りの練習をして
今からステージの上でライブをするの
わたし達9人で
ダイヤ「……朝か」
ダイヤ(結局、昨日は学校でもずっと寝てて、家でもほとんど寝てしまったな)
ダイヤ「……さっきなんか夢を見てた気がするけど……どんな夢だったっけ?」 ルビィ「あ、お姉ちゃんおはよう。体調はどう?」
ダイヤ「おはようルビィ。おかげさまでもうすっかり大丈夫よ」
ルビィ「よかったぁ。あ、ルビィ朝練に行ってくるね!」
ダイヤ「いってらっしゃい」 ーー学校、ダイヤ達の教室ーー
果南「ダイヤおはよう。体は大丈夫?」
ダイヤ「おはようございます。おかげさまですっかり。果南さんにはご迷惑をおかけしてすみま
せんでした」
果南「そんなの気にしないでよ。それよりさ。昨日の話なんだけど……今日の放課後ちょっといい?」
ダイヤ「えぇ……」
果南「ありがとう。じゃあ放課後に学校裏の林に来てもらっていい?」
ダイヤ「……わかりました」 ーー放課後、学校裏の林ーー
ダイヤ「それで、こんな人気のないところに呼び出してなんの話?」
ダイヤ(まあ、だいたい予想はついてるけど)
果南「うん。鞠莉の事……」
ダイヤ(やっぱり……)
果南「……もなんだけど。それ以上にダイヤ自身の事だよ」
ダイヤ「え?」 果南「ダイヤ……ダイヤはやっぱりスクールアイドル部に入った方がいい」
ダイヤ「果南までなに言って……」
果南「ダイヤは本当はスクールアイドルをやりたいんでしょう?」
ダイヤ「そんな事……」
果南「じゃあなんで千歌達のグループにAqours≠ネんて名付けたの?」
ダイヤ「なんでわたしだって……」
果南「だって、アクア≠ヘ私達が子供の頃に約束したグループじゃない」
ダイヤ「果南……それ覚えて……」
果南「だから千歌達にその名前を託したんでしょ」 ダイヤ「……そうよ、悪い? わたしは自分の夢をあの子達に託したの。だから、わたしはもう、
スクールアイドルになんて……」
果南「嘘だ。ダイヤはまだスクールアイドルになりたい筈だ」
ダイヤ「そんな事……だいたい、わたしはもう三年生で……卒業までもう一年もないんだし」
果南「それだけあれば充分でしょ」
ダイヤ「でも……」
果南「ダイヤがスクールアイドルにならない理由はそんなんじゃないでしょ! この臆病者!」
ダイヤ「……っ」 果南「ダイヤは小さい頃からなんでも出来たよね。勉強もスポーツも。なんでも一番だった。
でも、それはあくまで見栄の為の手段でしかない。 見栄のために本性を隠して作ったウソの
自分だ。だから、それが傷ついても悔しいと思う
事はあっても痛くはない。でも」
ダイヤ「…………」
果南「スクールアイドルは違う。アイドルはダイヤにとって小さい頃からの憧れ。本当に心の底
から大好きなモノ。だから、それで負ける事が。一番になれずに傷ついてホントの心が痛い思いを
するのが怖かったんでしょう?」
ダイヤ「……もうやめて」
果南「千歌達だって、大きな挫折を味わってもまた立ち上がって前を目指してる。後輩にあんな
姿を見せられてまだそんなウジウジして……情けなくないの!?」
果南「いい加減逃げるのやめな! 根性だしなよ! ダイヤはスクールアイドルになりたいんでしょう!?」
ダイヤ「でも……今さらわたしがスクールアイドルになったって……」
鞠莉「……大丈夫だよダイヤ」
ダイヤ「……鞠莉っ!? なんであなたがここに……」 果南「私が呼んでおいたんだよ。ダイヤの本当の気持ちを知ってもらうために」
鞠莉「ゴメンねダイヤ……こんな盗み聞きみたいな真似をして。でもね、ダイヤ。これだけは
言わせて。ダイヤなら絶対みんなを笑顔にさせる最高のアイドルになれる」
ダイヤ「なんであなたにそんな……」
鞠莉「だって私がそうだもの! 私がダイヤのダンスを見て笑顔になれたもの!」
鞠莉「あの日……あの場所で踊るダイヤを見て……キラキラ輝くその姿を見て。私はとても元気を
貰えた。色んなことに絶望しかけてた私に……ダイヤは力を与えてくれた」
鞠莉「だから大丈夫……ダイヤにはみんなを笑顔にさせる力がある。ダイヤなら絶対、最高の
スクールアイドルになれる。だからお願い……私にもう一度、ダイヤの踊りを見せて? スクール
アイドルとしてキラキラ輝いている姿を見せて?」
ダイヤ「……わ、わたしは……」 ずっとアイドルになりたかった
画面の向こうでキラキラ輝くあのひと達の様に……
その憧れは少しずつ大人になって行っても変わらず……
そして、大人に近づくたびに現実を知る
アイドルという物がどれほど大変なものか
あの場所はどれほど険しい道の先にあるものか
やがて世の中にスクールアイドルと呼ばれるものが生まれ
わたしは胸を躍らせた
あの人たちの様にキラキラと輝きたいと
わたしも高校生になったらあの人たちの様になりたいと
しかし、スクールアイドルの人気はどんどん加熱し
ラブライブの開催によりそれは一気に加速する
それに伴い、スクールアイドルのレベルも上がり
全国に様々な強豪校と呼ばれるものが生まれて行った
わたし達が住むこんな田舎にそんなハイレベルな戦いについていける学校などあるはずもなく
わたしはアイドルなんかを目指すより今まで通り勉強をして優等生を演じるのが良いのだ、と
勉強して良い成績を残してより、レベルの高い大学に進学して、良い職業につく……それが
最も賢い生き方なのだと考えた
自分に言い聞かせる様に
でも、わかっていた
それは賢い生き方なんかじゃないと
それはただ小利口な生き方なんだと
でも本当は
本当のわたしは……
ダイヤ「わたしは……スクールアイドルになりたい……」 ダイヤ「わたし……スクールアイドルになって輝きたい……鞠莉と……みんなと……うぅ……」ポロポロ
鞠莉「ダイヤ……ダイヤなら大丈夫だよ……私も頑張るからダイヤと一緒に頑張るから……」ギュ
ダイヤ「鞠莉……ごめんね……ごめんね……ひっく」
鞠莉「もういいよ……私こそごめんね……」 果南「やれやれ……やっと素直になれたか。それじゃあ鞠莉。あとはよろしくね。この通り、
素直じゃないし図太い割に結構、繊細なところもあるからさ。面倒見てやってね」
ダイヤ「……待ちなさい、果南」
鞠莉「貴女、なにいってるの?」
果南「え?」
鞠莉「それなら果南がサポートしてあげないと。それはダイヤのお世話は果南の仕事でしょ?」
果南「えぇ……!?」
ダイヤ「なによお世話って! わたしは果南にお世話なんて……それはともかく、果南。あの時
約束したはずよ。わたしがアイドルになる時は果南も一緒だって。わたしとの約束を破る気?」
果南「いや、それは……」
鞠莉「ふふ、決まりね!」
ダイヤ「さあ! そうと決まったら早速、3人で入部届けを出しに行くわよ!」 ーーー
千歌「えぇ!? 三人ともスクールアイドル部に!?」
鞠莉「そうなの☆ どうぞヨロシクね!」
千歌「…………うぅ」
鞠莉「ちかっち?」
ダイヤ「あ、あの……やっぱりご迷惑で……」
千歌「いやったああぁぁぁぁ!」ハグッ
ダイヤ「きゃっ! いや、あの……千歌さん!?」
鞠莉「ワーオ! ちかっちったらダイタン☆」 千歌「ダイヤさん! 私、嬉しいです! ダイヤさんがAqoursに入ってくれて! 鞠莉さんも!
それに果南ちゃんまで!」
果南「はは……私はなんか成り行きって言うか……」
千歌「私、ずっとダイヤさんと一緒にスクールアイドルやりたかった! 一緒に歌いたかった!」
ダイヤ「千歌さん……ありがとうございます」
千歌「あ、ダメダメ! もうこれからは同じグループの仲間なんだから! 果南ちゃん達といる
時みたいに普通にしてくれなきゃ!」 ダイヤ「えっ……」
果南「千歌……あんた気づいて……」
千歌「えへへ」
鞠莉「アンビリーバボー……やっぱり凄いわね、ちかっちって」
ルビィ「お姉ちゃん……」
ダイヤ「ルビィ……色々、心配かけてゴメンね」
ルビィ「ううん、いいの。ルビィ今すっごく嬉しいから……」
ダイヤ「ルビィ……」
ルビィ「親愛なるお姉ちゃん。ようこそ、Aqoursへ」 ーー花火大会当日ーー
花丸「うぅ……緊張するずら……」
ダイヤ「大丈夫よ、花丸ちゃん」
花丸「ダイヤさん……」
ダイヤ「あんなにいっぱい練習したんだから」
ルビィ「そうだよ花丸ちゃん。 がんばルビィ!」
花丸「……うん! ありがとうダイヤさん、ルビィちゃん!」 鞠莉「二人はダイジョーブ〜? 緊張してなーい?」
梨子「はい……なんとか」
善子「フッ……この堕天使にとってこの程度での舞台などなにも……」プルブル
梨子「善子ちゃん……震えてる」
善子「こ、これは武者震いよ!」
鞠莉「ふふっ……それじゃあ今日はみんなでとびっきりシャイニーなステージにしましょうね☆」
果南「でも、なんかワクワクするね。いよいよこの時がきたんだもん」
曜「うん! 私ももう、元気がはち切れそうだよ! 千歌ちゃん、そろそろアレやろう!」
千歌「うん! それじゃあ、みんな! これが9人揃った新生Aqoursの初めてのライブ。めいっぱい、
全力で輝こう!」
「いち!」「に!」「さん!」「よん!」「ご!」「ろく!」「なな!」「はち!」「きゅう!」
「Aqoursー! サンシャイーン!!」
ACT6★Aqours/おわり PRE-VIEW
すわふり「これからのあらすじ!」
ふりりん「お姉ちゃん達が加入していよいよ9人揃ったAqours!」
すわわ「ラブライブ予備予選に向かって準備を始めるが……」
ふりりん「そんな時、果南ちゃんの様子に異変が……?」
すわふり「果たして、Aqoursは予備予選を突破出来るのか!?」
すわふり「次回ダイじじょ【松浦果南の事情】」
すわふり「ウォッス!!」 すみません保守ありがとうございます
明日の夜には7話やりますんで ACT7★松浦果南の事情
『 いやぁ!』
『うるさいっ! イライラするねっ!』
『うわぁぁぁんっ!』
『ギャアギャア泣くんじゃないよ!』
パシン!
『ぶたないで! ゆるしてください!』
『お前なんか産むんじゃなかった!』
『ごめんなさい……ママ』 ーーー
どうして急に思い出したりしたんだろう……
ずっと忘れていたのに……
ーーー ーーとある日曜日ーー
鞠莉「ここがダイヤとルビィのお家?」
果南「そうだよ」
ピンポーン
ダイヤ「……ほんとに来たのね」
鞠莉「当たり前じゃない。ハロー、ダイヤ♪」
ダイヤ「はぁ……あがって」
鞠莉「お邪魔します♪」 ダイヤ母「あらだーちゃん(←ダイヤのこと)。果南ちゃん来ーーー」
鞠莉「こんにちは」
母「え!? だ、だだだだダイヤ、その方は!!?」
ダイヤ父「お母さん、どうしーーー」
鞠莉「はじめまして、小原鞠莉と申します」キラキラ
父「な……ダイヤが果南ちゃん以外の友達をー!!?」
ダイヤ「なんでそんな事でそんなに驚くのよ!!」 母「だってだーちゃん……今まで果南ちゃん以外のお友達なんていなかったじゃない……」
ダイヤ「ほっとけ!」
母「お母さん、今日は勉強会するって聞いてただけだからてっきり果南ちゃんだけが来るとばっかり……」
父「それにしてもこんな美人さんの友達を連れてくるとはなぁ」
母「だーちゃんったらなかなかの面食いさんね」
鞠莉「まあ……そんなことありませんわ」 ルビィ「あ! 鞠莉ちゃん! いらっしゃい!」
鞠莉「あらルビィ。こんにちは」
母「鞠莉ちゃんって……もしかしてこの子が前にダイヤが良く話してた?」
ダイヤ「うん……まあ」
母「へぇ〜。ずいぶん仲良くなったのねぇ」
果南「今は同じ部活の仲間でもあるしね」
父「たしか淡島のホテルの社長のお嬢さんなんだろう? 娘が友達ですって言ったら割引きで
泊まらせてくれるかなぁ?」
母「あ、私も一度あのホテルに泊まってみたかったのよねぇ」
ダイヤ「なに言ってんの! もう、果南! 鞠莉! わたしの部屋に行きましょう!」
鞠莉「はーい」 ルビィ「ねぇねぇ、お勉強が終わったら一緒に遊ぼうね!」
鞠莉「えぇ。いいわよ♪」
ダイヤ「って言うかルビィは期末テスト大丈夫なの? 一緒に勉強したら?」
ルビィ「えぇ……」
鞠莉「ルビィも一緒にやりましょうよ。分からないところがあったら教えてあげるから」
ルビィ「うん……わかった!」
ダイヤ「なんで鞠莉にはそんなに素直なのよ……」 ーーダイヤの部屋ーー
ダイヤ「はぁ……それにしてもどうしてウチの家族はこーまぬけなのよ」
鞠莉「いいじゃない。とっても楽しい家族で」
果南「そうそう。おじさんもおばさんもとっても良い人だし」
ダイヤ「……これだからウチでやるのは嫌だったのよ」
果南「仕方ないじゃん。決まった事なんだからさ」 数日前ーー
ダイヤ「勉強会?」
鞠莉「うん。ほら、私たち部活を始めたじゃない? だからその分、勉強する時間が減っちゃう
でしょう? 私としては……それで成績が落ちちゃうのはちょっとマズくって……成績上位をキープ
しておかないとパパになにを言われるか……」
ダイヤ「ああ……確かにね。期末試験もすぐだし、わたしとしてもスクールアイドル始めた
からって成績上位を誰かに譲るのは癪だわ……」
鞠莉「でしょ? だから、私達で協力し合えば効率が良いと思って」
ダイヤ「なるほど……それは一理あるわね。でも場所はどうするの? また鞠莉んちに行く?」 鞠莉「私はダイヤの家に行ってみたい!」
ダイヤ「はぁ!? なんで!?」
鞠莉「だって、ダイヤの家のご両親って話に聞くだけでもとってもユニークなんですもの☆
一度、お会いしてみたいわ♡」
ダイヤ「だ、ダメよ! ウチなんて絶対ダメ!」
鞠莉「どーしても?」
ダイヤ「どーしても!」
鞠莉「そっか……」シュン
ダイヤ「え……?」 鞠莉「私ね……ずっと、友達とか居なかったから……お友達の家に遊びに行くのとか……すごく
憧れてたの……」
ダイヤ「ま、鞠莉……」
鞠莉「でも、そうよね……私なんかがお邪魔したら迷惑よね……分かったわ……もう、無理は
言わない……ぐすっ」ウルウル
ダイヤ「わ、分かったわよ! ウチでやりましょう!」
鞠莉「……ほんとに? 約束してくれる?」
ダイヤ「うん、約束するわ」
鞠莉「イェーイ! じゃあ決まりね! 今度の日曜日はダイヤのお家へ遊びにレッツゴー☆」
ダイヤ「あ、あんた、嘘泣きしたわね!?」 鞠莉「えー? なんのことー? 黒澤ダイヤともあろう者が一度約束したことを簡単に覆したり
しないよネー?」
ダイヤ「うぐぐ……もう良いわよ! てかあんたしれっと遊びにって言ってたけど、勉強会≠セからね!?」
鞠莉「OK、OK。分かってるって〜」
果南「あはは。まー、良かったじゃん鞠莉。日曜日は勉強がんばってね」
ダイヤ「果南……なにを他人事みたいに言ってるの?」 果南「……へ?」
ダイヤ「部活始めたのは果南も一緒でしょう。ただでさえ果南はいつも赤点ギリギリなんだから
日曜日は果南もみっちり勉強よ」
果南「ええ〜〜!?」
鞠莉「果南も一緒にトゥギャザーね!」
果南「うへぇ……」 そして現在ーー
ダイヤ「とにかく……やると決まったからにはしっかり勉強するわよ! 果南もルビィもラブライブ前に
赤点で補修とか絶対ダメだからね!」
果南、ルビィ「はーい……」
鞠莉「果南、ルビィ、ファイトファイト!」 ーー勉強中ーー
ダイヤ「……それにしても、鞠莉の猫かぶりも見事だよねぇ。うちの親の前であんなに上品に振舞って」
鞠莉「猫かぶりっていうか……どっちかって言うと私の場合こっちが地なんだけど……」
果南「鞠莉のいつものキャラって周りに馴染む為に始めたんだっけ?」
鞠莉「うん……まあ。改めて言われると恥ずかしいけど……/////」
果南「いいじゃん別に。ちゃんと上手く言ってるんだし。むしろダイヤは見習わなきゃね」
ダイヤ「うぅ、わかってるわよそんなの。わたしもこれからは地を見せて周りのみんなと……せめて、
Aqoursのメンバーとだけでももっと距離を縮めれる様にしたいと思ってるんだけど……
パブリック・イメージというものがあってどうも上手くいかなくて」
ルビィ「そういえば、このあいだ花丸ちゃんも言ってた」
果南「なんて?」 ーー回想中・とある日の練習時ーー
花丸「ふぃ〜つかれたずら〜」
ダイヤ「花丸ちゃん、大丈夫? はい、お水」
花丸「は、ハイ! ありがとうございます」
ダイヤ「どういたしまして」 花丸「……ふぅ」
ルビィ 「花丸ちゃん、どうしたの?」
花丸「ルビィちゃん……いや、ダイヤさんのああいう感じが慣れなくて……」
ルビィ 「そーお? ふふ、でもね花丸ちゃん。お姉ちゃん家ではずっと前から花丸ちゃんのこと
ちゃん付けで呼んでたんだよ」
花丸「そうなの? それは意外だったずら……」
ルビィ 「ふふふ♡」 ーー回想終わりーー
ルビィ「……って」
果南「まあ、こればっかりはゆっくりやっていくしかないか」
ダイヤ「そうね……とりあえず今は目の前の試験に集中するか!」 ーー2時間後ーー
果南「うぅ〜疲れたよ〜。海行きたいよ〜」
ルビィ「ルビィも疲れた〜」
ダイヤ「だらしないわねぇあんた達は……」
鞠莉「でも結構、集中して勉強出来たんじゃない?」
コンコン
ダイヤ「はーい」
母「お勉強、お疲れ様。もう3時だしおやつにしない? リビングにお茶の用意してあるし」
果南「わーい、おやつー!」
ルビィ「おやつー!」
鞠莉「ちょうどいいんじゃない? ダイヤ」
ダイヤ「んー、それじゃあ今日はこれくらいで切り上げますか」 ーーリビングーー
母「さぁ、大した物じゃないですけど。どうぞ遠慮なく食べてね」
鞠莉「わぁ、美味しそう! それじゃいただきますね」
ルビィ「鞠莉ちゃん、こっちのお菓子も美味しいよ!」
鞠莉「あら、ルビィ 。ありがとう♡」
母「ルビィが果南ちゃん以外の人にこんなに懐くのも珍しくわねぇ」
ルビィ「鞠莉ちゃんは優しいからだーい好き♡」
鞠莉「ふふ、私もルビィちゃんは実の妹みたいでとっても可愛いです」
果南「鞠莉はルビィにメロメロだからね」
ルビィ「ルビィ、果南ちゃんも大好きだよ!」
果南「ありがと、ルビィ 」ハグッ
ルビィ 「えへへ!」 父「……しかしいいもんだねぇこういうの。女の子がたくさんいると空気が華やぐねぇ。やっぱ
アレかなー」
鞠莉「?」
父「お父さんもう2、3人子供作ろうかなー」
鞠莉「ブッ!?」
果南「ちょ……鞠莉、大丈夫!?」
ダイヤ 「えぇ……今更、キョウダイが増えるのはちょっと……? てか、こんな時に家族計画的な こと口にするのやめてよね」
果南「それに娘が生まれるとは限らないよ。息子が3人産まれるかも」 父「う……だったら野球チーム作るもん」
ルビィ「ルビィたちは宝石の名前だから名前を揃えないとね」
果南「サファイア、オパール、ターコイズとか?」
ダイヤ「語呂悪いわね……金太、銀次、鉄也とかは?」
母「お……おかーさんは男の子の双子で智久くんと和也くんがいいでス!」
\ワハハハハ/ \キャッキャ/ ルビィ「ねぇねぇ、おやつ食べたらゲームしようよ!」
鞠莉「ゲーム?」
果南「お、いいね! 久しぶりに対戦しよっか!」
ダイヤ「ふふふ……勝負なら負けないわよ」 ーーー
鞠莉「ふぅ……テレビゲームって初めてやったけど難しいのね。でも、面白かったわ♪」
ルビィ「ほんと? よかった♪」
果南「でも結局ルビィの一人勝ちか」
ダイヤ「ふっ……今日のところはこれくらいにしといてあげるわ……」 果南「次はなにしよっか? 違うゲームする?」
ルビィ「ルビィ、これをみんなで見たい!」
鞠莉「DVD?」
ダイヤ「μ'sのDVDね」
ルビィ「うん! これルビィのオススメなんだぁ」
鞠莉「そうなの? じゃあ一緒に見ましょうか」 ナ-ランデ-カ-ンジタ-イ- リ-クツジャ-ナ-ク- ソ-バニイタ-ラ-
鞠莉「この絵里って人、素敵よね。美人でとってもクールだわ!
ルビィ「ルビィはことりちゃんが一番好き! オシャレで可愛い衣装もたくさん作れるもん!
ルビィもことりちゃんみたいに可愛い衣装いっぱい作りたいなぁ」
果南「私はこの中だと凛ちゃんかな。元気いっぱいでかわいいし」
ダイヤ「わたしは断然、にこにーね! この可愛らしい仕草に、観ている人を全力で笑顔に
しようとする姿勢! まさにスクールアイドルの鑑だわ!」 今回冒頭の不穏な空気はなに?
>>1じゃない奴のレスかとおもった >>269
元ネタ知ってるとあんま違和感なかった
サブタイから察すると配役兼ねてるのかな?
(そもそもは妹というか居ないポジだったし) ーーー
果南「あ、もうこんな時間。そろそろ帰らなきゃ」
鞠莉「ほんとだ。いつの間にこんなに時間がたったのかしら」
ルビィ「えぇ〜、果南ちゃんと鞠莉ちゃんもう帰っちゃうの〜? お夕飯も食べていけば良いのに〜」
ダイヤ「ルビィ、無理いわないの」
果南「お母さんが夕飯用意して待ってるだろうしね」
鞠莉「ごめんねルビィ。また遊びに来るからね」
ルビィ「うん……わかった」 ーーー
ダイヤ「それじゃあ、気をつけて帰ってね」
鞠莉「うん、ありがとう」
ルビィ「果南ちゃん、鞠莉ちゃん、また明日ね」
母「またいつでも遊びに来てちょうだいね」
鞠莉「はい。ありがとうございます。それでは、失礼します」 ーーー
果南「どうだった? ダイヤの家は?」
鞠莉「とっても楽しかったわ! ご両親とも聞いていた通りユニークだったし」
果南「ふふ、それはよかった」
鞠莉「うん。それに、ああいう一家団欒ってちょっと憧れだったし」
果南「鞠莉……」
鞠莉「……ねぇ果南。果南は前に私に感謝してるって言ってたけど……それは私の方だわ」
果南「え?」
鞠莉「果南が居てくれたから……私はダイヤと仲良くなれたし。こんな素敵な日々を送る事ができる。
だから、果南には感謝してるの」
果南「ちょ……ちょっとやめてよ。照れるじゃない」 鞠莉「ふふ、でも本当のことよ。ありがとうネ」
果南「うん……」
……………………
『……本当にこれでいいの?』
果南「!?」ゾクッ
鞠莉「……果南? どうかしたの?」
果南「う、ううん。なんでもないよ」
鞠莉「?……そう」 ーー数日後、期末テスト明けーー
千歌「ふぅ〜〜〜っ、終わったぁぁぁぁ」
曜「千歌ちゃん、お疲れ様」
梨子「手応えはどうだった?」
千歌「うん……とりあえず赤点はなんとか免れそうだよ」
曜「良かったね!」
梨子「じゃあ、ラブライブ前に補修って事はなさそうね」
千歌「うん! ツラいテスト期間も終わったし、あとはラブライブに向けて一直線だよ!
さあ、さっそく部活に行こー!!」
曜「あ、千歌ちゃん! ちょっと待ってーーー!」 ーー部室ーー
千歌「こんちかー!」
ルビィ「あ、千歌ちゃん。お疲れ様!」
花丸「お疲れ様ずら」
千歌「お、一年生組は早いねー。テストの方はどうだった?」
ルビィ「ルビィはお姉ちゃんと鞠莉ちゃんに教えてもらったから大丈夫だったよ!」
花丸「オラも大丈夫そうずら」
千歌「善子ちゃんは?」
善子「フッ……我が暗黒の儀式による記憶操作術にかかればテストなど何の障害にもならぬわ」
花丸「要するにただの一夜漬けずら……」 千歌「ははは……まあ、自信はあるみたいだね。じゃあ、あとは3年生か。ダイヤさんと
鞠莉ちゃんは何の心配もないとして……問題は果南ちゃんだね」
果南「誰が問題だって?」
千歌「うわぁ、果南ちゃん! 居たの!?」
果南「今きたとこだよ」
ダイヤ「千歌ちゃん、お疲れ様」
千歌「あ、ダイヤさんと鞠莉ちゃんも!」
鞠莉「チャオー、ちかっち♪」
千歌「それで、果南ちゃんはテスト大丈夫そうなの?」
果南「心配しなくても平均点はとれてるよ……たぶん」
千歌「そっか。じゃあ全員、補修の心配はなさそうだね!」
ダイヤ「ラブライブの前だもんね。ここからは気合を入れ直して練習しなきゃ!」
千歌「うん!」 ーーー
曜「ワン、ツー、スリー、フォー、ワン、ツー、スリー、フォー、ラストーーー、ハイ!OK」
ダイヤ「ふぅ……」
千歌「はぁ〜、テスト週間で久々の練習だからキツイな〜」
梨子「三年生はみんな全然体力が衰えてないですね」
ダイヤ「わたし達はいつも毎朝ランニングしてるからね」
鞠莉「私も最近はダイヤと果南と一緒に早朝ランニングしてるのよ!」
曜「でも、 ダイヤさんも果南ちゃんも鞠莉さんも運動神経が良いだけあってダンスの方も
完璧だね! すごいや!」
果南「フフ、まあ、ダイヤがダンスしてるのずっと見てたし、付き合わされた事もあったからね」
鞠莉「私も前から密かにダンス特訓してたのよ☆」
ダイヤ「あ、千歌ちゃんそういえば……」
千歌「はい?……」 ダイヤ「……と言うわけでラブライブ予選に備えて色々やらなきゃいけない事が山積みなのよ」
千歌「うーん……そうですね〜」
曜「衣装も9人分だと材料費かかっちゃうし……」
ダイヤ「予算に関しては実は学年主任の川島先生を味方につけてあるの。そっちから力添えを
して貰って出来るかぎりガンガンむしり取ってやるわ!」
千歌「おお、凄い! 権力を味方につけるとは!」
ダイヤ「ふふふ……伊達に長年、完璧な優等生として振舞ってきてないわ。教師陣からのわたしへの
信頼はバッチリ! 使えるものはとことん使うわ! わたしがスクールアイドルをやるからには
勝つ為に全力を尽くすわよ! オーホッホッ」
曜「なんて頼もしい!」 ダイヤ「ま、それでも足りない分は自分たちでなんとかするしかないけど……前にゲーム株で
儲けたへそくりが少しあってね。まあ、いざとなればそっちからも少し提供しても良いけどね」
曜「女子高生なのに株やってんすか……」
ダイヤ「いやぁ、KLabがいい感じで上がってきたところで上手く売り抜けましてね。良い
お小遣いになったわよあれは」
善子「……しかし、生徒会長があんなキャラだったとは」
果南「ま、まあ、長年ガマンしてた分、想いが噴き出してるってのもあると思うけど……」 ダイヤ「そんなわけで、衣装代の方はどうにかなるとして……衣装作りや作詞、作曲の時間も調整して作らなきゃね」
梨子「そうですね」
ダイヤ「もちろん、わたしが手伝える事は手伝うし。なるべく負担が集中しない様にみんなで
協力してやっていきましょう」
千歌「はい!」
ダイヤ「あとは……ダンスやフォーメーション、基礎体力のトレーニングもなんとかしなきゃね。
これからどんどん暑くなるし1日のスケジュールから見直した方が良いかもね。夏休みに入ったら
練習開始は今よりちょっと早めにして、涼しい朝方と夕方にやりましょうか。それで、暑い日中は
室内で作詞や振り付けなんかを考えて……衣装の材料の買い出しなんかもその時間に
やってしまいたいわね。出来れば一度、予選会場に出向いて直接、舞台を見に行きたいところ
だけど……。実際のステージの広さや音響、設備を確認しておきたいわ。それから……」ペラペラペラペラ
曜(さ、流石ダイヤさん……)
千歌(やっぱりダイヤさんはひとりで10人分働く……) ダイヤ「ダンスに関しては一度何処かで集中して時間が取れると良いんだけど……」
千歌「そうだ! なら合宿やろうよ!」
ダイヤ「合宿?」
千歌「うん! 合宿で集中して特訓するの!」
ダイヤ「う〜ん。でも場所がねぇ」
千歌「学校は使えないの?」
ダイヤ「他の部活の兼ね合いもあるし流石にね……もうとっくに先約が入っているから」
千歌「そっかぁ……私んちも流石にシーズン中は使えないしなぁ……」
ダイヤ「どこか広くて……しかも安く使える宿泊施設とかあればなぁ……」 鞠莉「あの……」
ダイヤ「なーに? 鞠莉」
鞠莉「良かったらウチの別荘使う?」
ダイヤ「べ……」
曜「別荘!?」
千歌「そんなのあるんですか鞠莉さん!!」
鞠莉「うん。ちょっと山の方になるけど」
ダイヤ「でも……良いの?」
鞠莉「オフコース☆ 別荘なんて使わなかったら意味ないじゃない。最近は使ってなかったから
かえって丁度いいわよ」
ダイヤ「そう……それじゃあ、お言葉に甘えて合宿は鞠莉の家の別荘でやりましょうか」
千歌「やったー! 合宿だー!」 千歌「わーい! 楽しみー! ねぇねぇ曜ちゃん! 合宿になに持ってこっか!?」
曜「そうだねぇ〜。まずは定番のトランプとか? ウノも良いねぇ〜」
千歌「あ、あとお菓子! いろんなお菓子持ってこうよ!」
梨子「ちょっと二人とも! 遊びに行くんじゃないのよ!?」
ルビィ 「ルビィ花火がやりたい!」
梨子「ルビィちゃんまで……」 \ワイワイ/ \キャッキャッ/
鞠莉「フフ、みんな楽しそうね」
果南「…………」
鞠莉「果南?」
果南「あ、えっと、そうだね。ははは」
鞠莉「大丈夫? ぼーっとして。体調悪いの?」
果南「ううん、ちょっとテスト勉強で夜更かししちゃってさ。寝不足で少し眠いだけ。
全然大丈夫だよ。ほら、このとーり! ね?」
鞠莉「うん……なら良いけど」 ーーー
夕方、淡島の船乗り場
鞠莉「それじゃあ果南。また明日」
果南「うん。バイバイ鞠莉」
テクテクテクテク
果南「ふぅ。しっかりしないとな」 果南母「おかえり、果南」
果南「ただいま、お母さん」
母「今日は遅かったね。テスト明けで早速スクールアイドルの練習?」
果南「うん」
母「そう。いっぱい汗かいたでしょ。お風呂の用意出来てるから先に入っちゃいなさい」
果南「うん、ありがとう」 ーーー
果南「ふぅ、さっぱりした」
母「ごはん出来てるよ」
果南「うん、ありがとう。お父さんは?」
母「黒澤さんと遊びに行くって」
果南「あぁ……仲良いねあの二人は」
母「昔からの友人だからね」 果南「そういえば今度、合宿に行くことになった」
母「へぇ。スクールアイドルの?」
果南「うん。鞠莉が別荘貸してくれるって」
母「別荘……さすがお嬢様ね」
果南「ね。持ってるかもって思ってたけど本当に持っているとは」
母「どこにある別荘なの?」
果南「蓼科だって」
母「そう、楽しみだね」
果南「うん」 ダイヤが楽しそうでなによりだけど果南が気になりますねぇ 母「それにしても果南がスクールアイドルかぁ」
果南「なによ……自分でも似合わないって分かってるわよ」
母「別に似合わないなんて言ってないじゃない」
果南「そ、そう? でも、ゴメンね。部活なんか始めちゃったから家の手伝いがなかなか
出来なくなって……」
母「何言ってんの。子供がそんな事気にしなくって良いって」
果南「でも……」
母「むしろ、お母さんは嬉しいよ。果南がちゃんと自分の好きな事をやってくれて。お父さん
だってそう思ってるよ」
果南「そう……かな」
母「そうよ。私たちは果南の事を本当の娘のつもりで居るんだから。つまんない事気にしてん
じゃないわよ」
果南「うん……ありがと」 母「ふふ。それにしても、ダイヤちゃんもようやく長年の夢が叶ったのねぇ。小さい頃はよく
果南と一緒にアイドルごっこしてたでしょ? だんだん大きくなって、いつの間にか他人には
上品なお嬢様っぽく振る舞う様になっちゃってさぁ。人前でアイドルの話なんかしなくなっち
ゃったから……もうアイドルに興味無くなっちゃったのかと思ったけど」
果南「ははは」
果南(ダイヤは知られてないと思ってるけど……うちの両親はダイヤの本性わかってんだよねぇ)
母「まあ、せっかくなんだから。精一杯がんばりなさいよ」
果南「うん」 ーー合宿当日ーー
千歌「この辺は涼しいねー!」
曜「空気も澄んでて気持ちいい!」
花丸「緑がいっぱいで綺麗ずら〜」
千歌「うわぁすごい!」
曜「これが鞠莉さんちの別荘!?」
鞠莉「ふふ。さあ、入って!」 千歌「中もすごーい!」
曜「広いねー!」
花丸「未来ずらーー!」
ルビィ「ピギィ!」
善子「ふふ……悪霊の蠢く気配がするわね」
梨子「そんなの無いから……いきなり不吉なこと言わないで頂戴」 ダイヤ「鞠莉、運転お疲れ様」
鞠莉「I’m good! って言いたいところだけど流石にちょっと疲れたかな。運転も久しぶりだったし。
でもみんなが喜んでるのを見たら元気出てきたわ!」
梨子「それにしても鞠莉さん、運転免許持ってたんですね。すごいです!」
鞠莉「アメリカにいた時にね」
ダイヤ「それじゃあ、いちど荷物を整理してからひと休みしよっか。休みがてらこれからの
スケジュールを確認しよう」
果南「そうだ、飲み物とかあるのかな?」
鞠莉「ええ、大体の生活用品と食材とかも用意してもらってるから。飲み物もあると思うわ」
梨子「鞠莉さんの家の人が用意しておいてくれたんですか?」
鞠莉「この近くにうちの従業員の保養施設があるからね。そこの管理者に用意してもらったの。
普段の掃除やメンテナンスもそこの人にやって貰ってるから全て問題なく使えるハズよ」
梨子「なるほど」
曜「流石、世界のオハラグループ」 ーーー
ダイヤ「と言う訳でこれが今回の二泊三日の合宿の練習メニューよ」
花丸「ランニング……朝晩に3kmずつ?」
曜「合宿って言うからもっとガッツリやるのかと思ってだけど……以外と大したことないね?」
ダイヤ「この辺は標高が高いからね。普段と同じ感覚で走ると大変な事になるわ。それに、
合宿だからって基礎体力のトレーニングを多くやったってすぐに身につくものじゃないしね」
ダイヤ(μ'sは合宿で遠泳10kmとかランニング15kmとかのメニューを組んでいたって噂を
ネットで見たけど……いくらなんでもデマよね。そんなメニュー組む人がいたら頭おかしいわ)
ーーー
海未「くちゅん!」
穂乃果「どうしたの海未ちゃん?」
ことり「風邪?」 ダイヤ「この合宿では振り付けやダンスフォーメーションとかのチームワークが必要な部分を
重点的にやっておきたいわね」
千歌「はい! 先生!」
ダイヤ「はい、千歌さん」
千歌「遊ぶ時間はいつですか!?」
ダイヤ「いきなり遊ぶ話か……」
千歌「だってぇ……せっかくこんな素敵なところに来たんだし」 ダイヤ「ま、今日は移動の疲れもあるし少しの間、自由時間にしましょうか。それから、夕方に
少しトレーニングをして……そのあとみんなで夕ご飯を作りましょう」
千歌「やったー!! ねぇねぇ、何して遊ぼっか?」
鞠莉「少し行ったところに乗馬場もあるわよ。私の愛馬もそこにいるの」
千歌「え!? 乗馬出来るの!?」
曜「私、乗ってみたい!」
鞠莉「OK! じゃあみんなで乗馬へレッツゴー!」 ーー乗馬場ーー
鞠莉「どう? これが私の愛馬、スターブライト号よ!」
ルビィ「おっきぃ〜」
花丸「すごいずら〜」
善子「カッコイイ!」
鞠莉「この子は私が小さい頃からの親友で、アメリカから引っ越してくる時に一緒に連れてきたの。
会えたのは久しぶりだけどとても元気そうね!」 梨子「でも馬って近くで見ると結構迫力があってちょっと怖いかも……」
鞠莉「大丈夫よ! 心を穏やかにして身を委ねればこの子達は優しく受け入れてくれるわ♪」
ダイヤ「あっちの馬も乗れるの?」
鞠莉「そうね。あの辺の子達も大体乗れるわね」
千歌「鞠莉ちゃん! 私も乗ってみたい!」
鞠莉「OK! それじゃあ順番にレクチャーするわね!」 ーーー
千歌「うわぁっとと!」
曜「千歌ちゃん! 大丈夫!?」
千歌「う、うん。へへへ……」
鞠莉「落ち着いてバランス取れば大丈夫だからね」
千歌「うん!」 ーーー
梨子「はっ、はっ、」
花丸「ずらっ、ずらっ、」
鞠莉「二人とも落ち着いてきたわね」
梨子「はい……慣れてきたら可愛いかも」
花丸「視界が高くて気持ちいいずら〜」 ーーー
果南「よしよし……良い子だね」
ダイヤ「乗馬って楽しい!」
鞠莉「ダイヤと果南は流石だね。コツを掴むのが早いわ」
ダイヤ「でもやっぱり難しいね」
果南「海で身体を動かすのとは勝手が違うよね」 ーーー
善子「やぁ〜ん、ヨハネの髪を食べないでよ〜!」
鞠莉「コ、コラやめなさい! 善子も落ち着いて!」
ルビィ「いけいけ〜!」
「ヒヒィィィィン!!」
果南「ルビィはもう一心同体になってるね……」
ダイヤ「流石、野生児……動物同士、気があうのかしら」 ーーー
千歌「あぁ〜疲れた〜!」
ダイヤ「思いがけず良い運動になったわね……」
千歌「でも楽しかった! ありがとうね、鞠莉ちゃん!」
鞠莉「どういたしまして♡」
ダイヤ「さて……別荘に戻ったらトレーニングよ」
千歌「えぇ〜、トレーニングするの〜!!?」
ダイヤ「当たり前でしょ! なんのためにここにきたの! ラブライブで優勝したいんでしょ!?」
曜「そうだよね。仕方ないよ千歌ちゃん」
千歌「うぅ……よし! 頑張るか!!」 ーーー
千歌「はぁ〜疲れた」
↑体力そこそこある
曜「ハハ、流石に乗馬の後だとちょっとキツイね……」
↑体力かなりある
ルビィ「3人とも大丈夫?」
↑野生児
花丸「し、死んじゃうずら……」
善子「ま、魔力の供給を……」
梨子「く、空気が足りない……」
↑モヤシ組
ダイヤ「ふぅ……ちょっと飛ばしすぎたかな?」
鞠莉「はぁ〜、お腹すいてきたわね」
果南「あの3人には休んで貰って、私達でご飯の用意しよっか?」
ダイヤ「その方が良いわね」
↑体育「10」 ーーキッチンーー
鞠莉「ダイヤから頼まれてた物は用意して貰って歩けと……大丈夫そう?」
ダイヤ「うん、ばっちり。ありがとう」
果南「ダイヤ、今日は何つくるの?」
ダイヤ「カレーに勝るものがある?」
果南「ないね」 ーーー
ダイヤ「それじゃあルビィ、そっちの野菜を切っておいてちょうだい」
ルビィ「わかった!」テキパキ
鞠莉「へぇ……ルビィ、お料理上手なのね」
ダイヤ「ルビィは家事は一通りこなせるわよ」
鞠莉「なんというか……意外だわ」
曜「隊長! ご飯の準備出来ました!」
ダイヤ「そう、じゃあ今度はこっちお願い」
曜「了解であります! 千歌ちゃん、一緒にやろっか」
千歌「うん!」 果南「ダイヤ、これはこんな感じで良い?」
ダイヤ「うん、大丈夫よ」
鞠莉「みんな結構、お料理出来るのね……私もなにかやる事ない?」
ダイヤ「そーねー……じゃあこのサラダの野菜お願いできる?」
鞠莉「お、オーケー……この野菜を切ればいいのね……はぁ……はぁ……」
ダイヤ「ちょ……ちょっと鞠莉?……手付きが怪しいけど……大丈夫?」
鞠莉「大丈夫よ……まかせて……せーの……」
ズダンッ!!
鞠莉「ひぃっ!?」
ダイヤ「ひぃっ!?」 鞠莉「はぁ、はぁ、」ドキドキ
ダイヤ「ま、鞠莉……無理しなくていいから……あとはわたしがやるから……ねっ?」
鞠莉「で、でもぉ……」
ダイヤ「あ、そうだ! みんなごはん食べたらすぐにお風呂に入りたいだろうからお風呂の準備
してきて!? ねっ!?」
鞠莉「うん……わかった」 ーーー
ダイヤ「よし、そろそろ完成かな。ルビィ、花丸ちゃんたち呼んできて」
ルビィ「わかった!」
果南「じゃあテーブルに運ぼっか」
ちかよう「はーい!」 ーーー
花丸「うわ〜、美味しそうずら〜!」
梨子「すみません、全部の用意をやってもらって……」
ダイヤ「いいわよそんなの。それより体調は良くなった?」
梨子「はい、おかげさまで」
果南「じゃあ、みんな揃った事だし食べよっか」
9人「いただきまーす!」 ーーー
花丸「あ〜、美味しかったずら〜♡」
千歌「お腹が膨れたら眠くなってきたよ……」
曜「あー、ちょっと千歌ちゃん! 食べてすぐ寝ちゃダメだよ!」
ダイヤ「千歌ちゃんは寝ちゃう前に先にお風呂入ってもらった方がいいわね」
梨子「じゃあ、私達で後片付けしておくのでみなさん、お先にお風呂どうぞ」
花丸「ずら! ご飯の用意の間休ませてもらったから後片付けはまかせるずら!」
ダイヤ「そう? じゃあお願いしようかな。一人ずつお風呂だと時間がかかっちゃうから3人
ずつにしよっか」 鞠莉「ええ!? 一緒にはいるの!?」
ルビィ「じゃあルビィ、鞠莉ちゃんと入りたい!」
鞠莉「ル、ルビィ」
千歌「はい! じゃあ私はダイヤさんと入りたいです!」
ダイヤ「千歌ちゃん」
果南「じゃあ私は鞠莉とルビィと一緒に入ろっかな」
曜「じゃあ私は千歌ちゃんとダイヤさんとだね」
千歌「わーい! ダイヤさんと曜ちゃんとお風呂だー!」 果南「ダイヤ達、先に入っちゃいなよ。待ってる間に千歌が寝ちゃったらいけないし」
ダイヤ「そうね。じゃあ先に頂くわ」
千歌「ダイヤさん、曜ちゃん! はやくはやく!」
曜「うわ、千歌ちゃん!」
ダイヤ「そんな引っ張らないで!」 ーー浴場ーー
千歌「うわー、やっぱりダイヤさんの髪って綺麗ー!」
ダイヤ「そ、そうかな?」
曜「それにスタイルも凄くいいし」
ダイヤ「えぇ、なんか照れちゃうよ///// それに、スタイルは二人だって良いじゃない」
曜「へへ。まあ、一応ずっとスポーツをやってきてるからね」
ダイヤ「曜ちゃんは水泳で千歌ちゃんはソフトボールだっけ?」
千歌「うん! それと卓球と鉄棒も得意なんだよ!」
ダイヤ「へぇ。だから二人とも身体が締まってるし動きが良いいのね」
千歌「えへへ」
ダイヤ(それに二人とも……何気にけっこうムネおっきい) 曜「そういえば千歌ちゃん、歌詞の方は進んでる?」
千歌「それがまだ全然……」
曜「なかなか難産みたいだね……」
千歌「うん……予備予選のあとすぐに最終予選もあるから急がないと
いけないんだけど……」
曜「プレッシャーが大きくなっちゃってるのかな」
千歌「うぅ……」
ダイヤ「あ、あの……」
千歌「ふぇ?」
曜「どうしたの? ダイヤさん」
ダイヤ「実は……前からちょっと書いてた歌詞があるんだけど……」
千歌「ええ!? 本当!?」
曜「どんな歌詞なの? ダイヤさん!」
ダイヤ「へ!? いや、その、全然大した内容じゃないんだけど、参考
程度にでもなればなって……一応、書いたノート持って来てるけど……
あとで見る?」
千歌「うん!」 ーーまりかなるびのターンーー
ルビィ「わーい、お風呂だー」
鞠莉「コラ、ルビィ。 お風呂で動き回っちゃダメよー!」
果南「へぇ、結構ひろいね」
ルビィ「鞠莉ちゃん、背中流しっこしよう!」
鞠莉「う、うん」 果南「鞠莉ったらまた前かくしてる」
鞠莉「だ、だって」
果南「ほら、タオル取った取った」
鞠莉「あ、ちょっと果南!」
ルビィ「…………」
鞠莉「る、ルビィ? どうしたの?」
ルビィ「やっぱり鞠莉ちゃん、おっぱい大きいなぁ」
鞠莉「ルビィもそれぇ!?/////」 ルビィ「だってルビィはこんなだし……羨ましい」ペタペタ
鞠莉「ル、ルビィだってあと2年もすれば……」
ルビィ「えぇ〜、お姉ちゃんもお母さんもおっきくないから無理だよ」
果南「そうだよねぇ……このサイズはちょっとインパクト強いよねぇ……」ムニムニ
鞠莉「果南! また貴女は触って……」
ルビィ「うわぁ、柔らかくて気持ちいい!」ムニムニ
鞠莉「ちょっと、ルビィまで! もおぉぉぉぉおお/////」
果南「でもルビィはダイヤと違ってお母さん似じゃないからダイヤより
大っきくなるかもよ?」
ルビィ 「あ、そっか! じゃあ鞠莉ちゃんみたいなだいなまいとぼでーに
なれるかも!」
果南「はは……そこまではどうだろうね……」
鞠莉「だ、ダイナマイト……/////」 ーーよしりこまるのターンーー
梨子「ふぅ……いいお湯ね」
花丸「気持ちいいずらぁ……」
善子「私はそろそろ上がろうかな……」
梨子「もう? もっとしっかり暖まった方がいいんじゃ……」
花丸「善子ちゃんは相変わらず烏の行水ずら」 梨子「そういえば花丸ちゃんと善子ちゃんは幼なじみなんだっけ?」
花丸「うん。幼稚園が一緒だったずら」
梨子「それで高校で再開して一緒にスクールアイドルか。なんだか運命的で素敵ね」
花丸「その頃はよく善子ちゃんちに遊びに行ってて……最近もたまに遊びに
行くようになったんだぁ」
善子「ふふん、でもずら丸のお目当は私じゃなくて別でしょう?」
花丸「な、なに言ってるずら!??/////」
梨子「???」 ーーー
梨子「ふぅ……さっぱりした」
善子「あれ? みんなはどこ?」
花丸「なんか外にいるみたいずら」 ーーー
花丸「うわぁ、綺麗な星空ずら〜」
ダイヤ「あ、花丸ちゃんたちも上がったんだ」
梨子「はい。凄い星空ですね」
鞠莉「でしょう? ここは空と近いし空気も澄んでるからとってもビューティフルな星空が
見れるのよ☆」
果南「内浦の星も綺麗だけど、ここは別格だね」
善子「あれは! 地獄の番犬ケルベロス座!」
ルビィ「そんな星座あるの?」
花丸「ある事はあるずらが……今は採用されてないずら」 千歌「あ! 流れ星!」
曜「え! どこどこ!?」
梨子「あ、あそこにも!」
千歌「願い事しなくっちゃ! ラブライブ優勝出来ますように! ラブライブ 優勝出来ますように!
ラブライブ優勝出来ますように!」
鞠莉「ふふ、みんな楽しそう」
ダイヤ「そうだね」
鞠莉「ここね、小さい頃に来たぶりなんだけど。あの時はママもパパも一緒で……三人一緒に
この綺麗な星が見れたのがとても嬉しかった」
ダイヤ「鞠莉……」
鞠莉「ふふ、そんな顔しないで。今はこの9人でこの星空が見れるのが純粋に嬉しいんだから」
ダイヤ「うん」 ーー合宿2日目ーー
花丸「はぁ、はぁ……」
梨子「ぜぇ、ぜぇ……」
善子「終わったわね……」
千歌「3人とも、お疲れ様!」
曜「でも昨日より息にも余裕があるんじゃない?」
花丸「はは……少しは慣れたかな」
ダイヤ「頑張ったわね。はい、お水」
花丸「あ……ありがとう、ダイヤさん!」ニコッ
ダイヤ「うん!」 鞠莉「ダイヤ、なんかちょっと良い感じだね」
ダイヤ「うん。昨日、一緒に遊んで一晩過ごしたからかな。みんなとの距離も縮まってる気がする。それに……」
ーー昨夜、果南・鞠莉・ルビィが入浴中ーー
ダイヤ「これ……なんだけど。どうかな?」
5人「…………」
ダイヤ「……あの?……」
千歌「いい! すっごく良いよ! ね?」
曜「うん! 凄く素敵な歌詞だと思う! 梨子ちゃんはどう?」
梨子「うん、私も良いと思う。これなら今作ってる曲とも合いそうだし」 ダイヤ「そ、そうかな」
千歌「予備予選はこれで行こうよ! ね、みんな!」
花丸「マルも賛成ずら♡」
善子「ま、良いんじゃない?」
千歌「くすっ……それにしてもこの歌詞の内容ってまるで……」
ダイヤ「うわ、ちょっと千歌ちゃん……!/////」
曜「あはっダイヤさん照れてる」
花丸「なんだか可愛いずら」
ダイヤ「もうっ! そ、それでお願いなんだけど……恥ずかしいからこの
歌詞は千歌ちゃんが作った事にしてくれる?」
千歌「えぇ〜、そんなのもったいない〜」
ダイヤ「良いからお願い!!/////」 ーーー
ーー
ー
ダイヤ「…………」
鞠莉「ダイヤ?」
ダイヤ「あ、ううん! なんでもない!」 ーー夜ーー
千歌「綺麗だねー!」
曜「うん!」
梨子「こんな風に花火やるのって久しぶりかも」
善子「フフフ……地獄の業火よ……全てを焼き尽くしなさい!」
ルビィ「キャハハハハハ!」
花丸「善子ちゃん! ルビィちゃん! 花火を振り回しちゃ危ないずら!」
ダイヤ「コラー、あんた達! なにやってるの!!」
\ワーワー/ \キャーキャー/ 鞠莉「これはどんな花火かしら?」ボッ
ダイヤ「あ! それはロケット……」
鞠莉「え?」
シュボッ!!
鞠莉「キャア!!?」
ダイヤ「鞠莉、大丈夫!!?」
鞠莉「う、うん……だいじょぶ……びっくりした」
ダイヤ「これは手に持ってやるやつじゃないよ」 鞠莉「……そうなの?」
ダイヤ「まったく、これだからお嬢様は……」
鞠莉「なによ……知らなかったんだから仕方ないじゃない」
花丸「火傷とかしなかったずらか?」
鞠莉「うん、ありがとう花丸」
ダイヤ「でも……さっきの鞠莉の驚きよう……ぷっ、ふふふふふ」
鞠莉「なに笑ってるのよ!」
曜「ダイヤさんひどーい。……でもたしかに……あははは」
鞠莉「曜まで……みんなもー!……くすっ」
「あははははははははっ!」
千歌「ふふ、ダイヤさんもすっかりみんなと仲良しさんだね」
果南「…………」
https://i.imgur.com/Sdi5MUZ.jpg 千歌「果南ちゃん?」
果南「あ、えっと、なんだった?」
千歌「大丈夫? ぼーっとして」
果南「うん、ちょっと昼間の疲れが出ちゃったかな? 今日はしっかり寝ないとね」 「いいの? このままで」
果南「え?」
「このままじゃ、ダイヤが取られちゃうよ?」
果南「なに言って……」
「せっかくずっと友達だったのに……またあの頃みたいに一人になっちゃうよ?」
果南「そんなわけ……」
『いやぁ!』
バシッ
果南「はっ!」 『お前の顔を見るだけでイライラするよ。ビクビクオドオドしやがって、可愛げのないガキ!
お前なんか産むんじゃなかった。なんだよその目は誰のせいでこんなに苦労してると思ってんだよ!』
果南「やめてよ……なんで思い出させるのよ!」
「あなたが自分に嘘をついているからよ。このままじゃあなたは幸せになれ
ないってわかってるでしょ? 大切な親友を取られて独りぼっちになっちゃうって」
果南「そんなことない……そんなことないよっ!!」
「私に嘘をつかなくていいよ。私にはあなたの事がなんでもわかってるんだから。だって私は」
「私はあなたなんだから」
https://i.imgur.com/gTGt20G.jpg 果南「うわぁ!」ガバッ
果南「はぁ……はぁ…………夢?」
ここは……私の部屋?
そっか……今日、合宿から帰って来て…… ーー合宿から数日後ーー
千歌「あーづーい゛ー」
曜「ははは、ほんと日差しが強くて暑いね。でも今日は夕方から大雨になるらしいけど……」
千歌「はぁ……蓼科は良かったなぁ……また行きたいなぁ……」
ダイヤ「ほらほら、いつまでもダラダラしてないで! もう一回ステップ合わせるわよ!」 ダイヤ「ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、シックス、セブン、エイト、…………」
果南「はっ、はっ、はっ、うおっと……」ヨロッ
梨子「きゃっ」
果南「ご、ごめん梨子ちゃん! 大丈夫?」
梨子「は、はい。大丈夫です」
千歌「果南ちゃん、最近、調子悪いね」
ダイヤ「もう何回もミスして……いったいどうしたの?」
果南「はは、なんだろう。少し寝不足なのかな。
ちょっと顔でも洗ってくるね」
ダイヤ「あ、果南!」
鞠莉「…………」 トイレの洗面台
そこで果南は顔を洗うと、目の前鏡を覗いた
そして、向かい合い対話する
鏡の中で笑う、果南の心が作り出した「もう一人の自分」と 「怖いんでしょう?」
果南「…………」
「アタマじゃ分かっても感情がどうにもならない。そうでしょ?」
果南「……やめて」
「なぜだか教えてあげようか。あなたは気づいてしまったからよ」
果南「やめてって言ってるでしょ」
「自分はダイヤが居なくてはやっていかれない事と……ダイヤはもうあなた無しでもやってゆけると
言うことを」
果南「くっ!」
激情のままに果南は蛇口から流れる水を手に取り、目の前の鏡に打ち掛ける
果南「はぁ……はぁ……」
水が流れ落ちる鏡の中からは幻は消え、果南自身の顔が映るのみだった
果南「……なに考えてるの……私は……」 ーー廊下ーー
鞠莉「あ、果南……」
果南「鞠莉……どうしたの。鞠莉もトイレ?」
鞠莉「ううん、果南の事が気になったから……」
果南「そう」
鞠莉「大丈夫?」
果南「なにが? 別になんでもないから。ほっておいてよ」
鞠莉「でも……」
果南「ほっといてって言ってるでしょ!!」
鞠莉「っ!?」ビクッ
果南「あ……ゴメン。……先に戻るね」
タッタッタッタッ
鞠莉「果南……」 ーーー
ルビィ「なんだか雲が厚くなってきたね」
ダイヤ「今日は早めに切り上げて帰った方がいいかもね」
花丸「じゃあもう練習終わりずら?」
千歌「仕方ないか」
果南「ごめん、それなら私はもう先に帰るね」
曜「果南ちゃん……」
ダイヤ「そうね。調子も良くないみたいだし早く帰ってゆっくり休んで」
果南「うん、そうする。じゃあ、またね」 こういう世話焼いてるうちに無意識に依存しちゃってたみたいなの好き ーー校門ーー
鞠莉「ダイヤ」
ダイヤ「鞠莉……」
鞠莉「よかったら途中まで一緒に帰らない?」
ダイヤ「うん、いいよ。ルビィ、悪いけど先に帰っててくれる?」
ルビィ「うん、わかった」 ーー帰り道ーー
ダイヤ「果南……最近、様子が変だよね?」
鞠莉「…………」
ダイヤ「どうしたんだろう。やっぱり……無理矢理スクールアイドル部に誘ったのが良くなかったのかな」
鞠莉「そんな事ないわよ」
ダイヤ「でも……」 鞠莉「果南がどうしてああなっちゃったのかはわからない。でも、嫌々スクールアイドルを始めた
わけではないわ。それだけはわかる」
ダイヤ「どうして?」
鞠莉「果南って……私と似ているの」
ダイヤ「果南と鞠莉が?」
鞠莉「ふふ……私ね。最初は自分とダイヤが似てるんだと思ってた。私と同じ様に努力をして
優秀な自分を作り上げてきた人だからダイヤに惹かれたんだってね。でも違うって気づいた」
鞠莉「ダイヤは自分自身の為に真っ直ぐ前向きに努力してきた人。パパの為に努力してきた
私とは根本的に違ったって」
ダイヤ「…………」 鞠莉「人間ってね、陽光(サンシャイン)型と月光(ムーンライト)型があるんだって。陽光型は
自分で光を発せて他人まで照らす事ができる。月光型は陽光がいて初めて自分が光ることができる
タイプ。ダイヤは……多分、ちかっちも陽光型ね」
鞠莉「私と果南はきっと月。ダイヤって言う光に照らされて初めて光る事ができるの」
ダイヤ「そんな……」
鞠莉「だから、果南にはダイヤが必要なの。ダイヤに引っ張ってもらうのは嬉しい筈よ。それは
忘れないで」 そういえば
初めて出会った頃の果南って今じゃ信じられないくらい人見知りだったっけ
いや、人見知りって言うか……
ダイヤ母『その子が果南ちゃん?』
果南母『うん……ほら果南。ご挨拶は?』
果南『…………』
ダイヤ母『果南ちゃん。こんにちは』
果南『……っ!』ビクッ
ダイヤ母『あらら……』
果南母『ははは……ごめんねぇ』
ダイヤ母『ううん、仕方ないわよ。事情が事情だし』 果南母『お友達が出来れば少しは元気になるかもって思ったんだけど……』
ダイヤ母『うちの子も結構、人見知りだからなぁ。どーだろ』
ダイヤ母『ほら、だーちゃん。あの子は果南ちゃん。だーちゃんと同い年なのよ』
何かに怯える様に物陰に隠れて震える女の子。
わたしも当時は人見知りな方だったけど、妹のルビィが更に人見知りだったから
そんな妹の姿となんだか少し重なって見えて
ダイヤ『はじめまして果南ちゃん。わたしは黒澤ダイヤ』
ダイヤ「……鞠莉、ありがとう」 ーー果南宅ーー
果南父「あちゃー、降ってきたかー」
果南母「これは結構、荒れそうね」
父「そういえば果南は?」
母「それが、帰ってくるなり部屋に閉じこもったきりなのよ」 ーーー
なんでだろう……私はダイヤがみんなと仲良くなって嬉しかったのに
私もみんなと仲間になって嬉しい筈なのに
どうしてこんなに不安になるの?
自由なダイヤが本当に大好きなのに
果南「嫌だな……こんなの」 ドンドンドン
果南母「あら? 誰か玄関のドアをノックしてる?」
果南父「こんな天気でこんな時間なのに一体なんだ?」
果南母「はーい、今開けます……あら、ダイヤちゃん!? どうしたの……服ずぶ濡れじゃない」
ダイヤ「こんばんはおばさま! 果南は?」
果南母「果南なら部屋にいるけど……」
ダイヤ「ごめんなさい、失礼いたします」
果南母「あ、ダイヤちゃん!」 ドンドンドン
果南「え?」
ダイヤ「果南! わたしよ!」
果南「ダイヤ!?」
ダイヤ「話があるの! 開けてちょうだい!」ガチャガチャ
果南「わ、わかったから。 ちょっとまって!」
ガチャ
果南「うわ、びしょ濡れじゃない! どうしたのよそんな格好で」 ダイヤ「雨強かったし、ちょっと急いできたから」
果南「急いでって、なにがあったの?」
ダイヤ「果南の事が気になって……居ても立っても居られなくなって」
果南「私の事? 私は別になにも……」
ダイヤ「うそ……果南、なんか悩みでもあるんじゃない?」
果南「なに、突然……」
ダイヤ「だって、ずっと変じゃない。ここのところ……様子がおかしいよ」
果南「そうかな? 別になにも……」
ダイヤ「もしかして……嫌だった?わたしと一緒にスクールアイドルやるの」
果南「え?」
ダイヤ「私……子供の頃から果南と一緒にアイドルをやるのが夢だった……。ずっと一瞬に歌って
踊りたいと思ってた。だから……チャンスだと思って。最後のチャンスだと思って……だから、
強引に果南も巻き込んじゃって……でも、果南はスクールアイドルなんてやりたくなくなかったん
じゃって……それで……」 果南「そんなことないよ……私はダイヤが誘ってくれて……ダイヤと一緒にスクールアイドルが
できて嬉しかった。これは本当だよ」
ガバッ
果南「え? ちょっ……ダイヤ!?/////」
ダイヤ「なら話してよ! なにか悩みがあるなら……。わたしなんかじゃ頼りにならないかも
知れないけど……果南はわたしの友達なんだから。初めて出来た大切な……親友なんだから……」
果南「ダイヤ……」
あぁ……なんだろう
ダイヤに抱きしめられただけで心がこんなにも温かくなったいくこの感覚……
そういえば思い出した……
ダイヤと初めてあったあの時もそうだった ダイヤ『はじめまして果南ちゃん。わたしは黒澤ダイヤ』
果南『……っ、』
笑って挨拶をしてくれる女の子に対し、私はどうしたらいいか分からずただ、戸惑うしかなかった
でも、ダイヤは
ダイヤ『だいじょーぶ。怖がらなくてもいいよ。わたしとお友達になろう』
そう言って、私を抱きしめてくれたっけ
その温もりを感じていると、なんだかとても安心できて
その肌から優しさが伝わってきた。そして
ダイヤ母『あら』
果南母『まぁ……』
気がつくと私もダイヤを抱きしめ返していた
初めて鞠莉と会ったあの時だって…… 果南『ほら……あそこ見て』
ダイヤ『え?……外国の人?』
果南『なんか困ってるみたいだけど……探し物かな?』
私がそう言うと、ダイヤはすぐに動き出した
果南『あ、ちょっとダイヤ!』
見知らぬ外国人の女の子の為に
困っている人のダイヤはまっすぐに駆け出した
そう、ダイヤは見栄っ張りだけど、本当はとても優しい子なんだ
そんなダイヤだから私はこんなにも大好きになったんだ
それなのに…… 果南「ダイヤ……」
ダイヤ「あ、ゴメン! こんな格好で……」ハナレ
果南「私……バカだ」
ダイヤ「えっ?」
ギュウ
ダイヤ「ちょっ……果南! 果南まで濡れちゃうって!」
果南「いいの」
ダイヤ「もう、風邪ひくって!」
果南「いいの!」
ダイヤ「なんで泣いてるの!?」
果南「いいのぉ!」 ーーー
ダイヤ「……おちついた?」
果南「うん……へへ、恥ずかしいとこ見られちゃったな」
ダイヤ「それで? いったいなにがあったの?」
果南「ああ、うん。ちょっとね。最近、小さい頃の夢を見て」
ダイヤ「小さい頃?」
果南「うん……ダイヤと会う前のこと。まだこの家に引き取られる前の事をね」
ダイヤ「あぁ……」
そう言うと、ダイヤは察した様に口をつぐんだ
ダイヤには少し話してあったから
私が昔、親から虐待を受けていた事
そのあげく、私を捨てて蒸発し、私が父方の叔母が住むこの家に引き取られた事
果南「それでちょっといろいろ思い出しちゃって。気持ちが不安定になっちゃって」
ダイヤ「そっか……」 果南「でももう、大丈夫! 私の事を本気で心配して駆けつけるほど大切な親友って思ってくれ
る人がそばに居るからね〜」
ダイヤ「あ、あれは勢いで……忘れてよ!/////」
そうだ……
どんなに友達がたくさん出来たって
こんなにもダイヤは私を大切に思ってくれてるのに
私は本当にバカナンだ 果南「良いじゃんそんなに照れなくても。ほら、愛してるよ♡」ギュ
ダイヤ「あー、もうくっ付くなー!」
果南「あ、そういえばダイヤ帰りどうするの? 連絡船もう無いし、この天気じゃうちの船も
出せないよ?」
ダイヤ「あ……」
果南「はは、じゃあ今日はうちに泊まってきなよ」
ダイヤ「うん……ごめん」
果南「全然いいよ! あ、そうだ。せっかくだから鞠莉も呼んで三人でお泊り会しよっか!」
ダイヤ「ええ〜来るかなこんな天気のなか?」
果南「まぁまぁ、ダメ元で連絡してみよう」 鞠莉「……と言うことで呼ばれて来た訳ですが」
果南「あらま、びしょ濡れだね」
ダイヤ「ご苦労様……」
鞠莉「だって風も雨も酷いんだもの!」
果南「あはは、服貸すからとりあえずシャワー浴びて着替えたら?」
鞠莉「ええ、そうするわ」
果南「ところで……なんかいろいろゴメンね」
鞠莉「ううん、全然。もう大丈夫なの?」
果南「うん。もう平気だよ」
鞠莉「そっか……よかった」 ダイヤ「なに二人でコソコソ話してんの?」
果南「別にー?」
鞠莉「アラー? ダイヤったらヤキモチ?」
ダイヤ「誰がよ!」
果南「よーし、鞠莉がシャワーから戻ってきたら朝まで遊ぶぞー!」
ダイヤ「ちょっと、明日も晴れたら練習あるのよ!?」
鞠莉「あ! 私、ウノやりたい! 合宿の時すごく楽しかったもの!」
ダイヤ「鞠莉まで〜!!」 ーーー
もう大丈夫だ
こんなにも大切に想ってくれる人がいるんだから
震えてる手を握ってくれる、信じられる仲間がいるんだから
だから私は前に進める
大好きな仲間たちと
想いをひとつにして
ACT7★松浦果南の事情/おわり すわふり「これからのダイじじょ!」
すわわ「予備予選を突破し、地区予選へ向け気持ちを新たにする私達Aqours!」
ふりりん「それぞれの想いを胸に次のステージに立つ!」
すわわ「遥かなる栄光のラブライブ!」
ふりりん「夢の舞台を目指し想いをひとつに駆け抜ける!」
ふりすわ「さあ! 果たして少女達の運命の結末は!?」
ふりすわ「次回、ダイじじょ最終回!【輝きへの挑戦】」
ふりすわ「ラストウォォォッス!!」 おつおつ
この世界での想いよひとつになれはかなダイがダブルセンターの曲になってそう いつも保守ありがとうございます
今日はちょっと投下出来なさそうなので明日投下させていただきます ACT8★輝きへの挑戦
ダイヤ「あ、果南と鞠莉きたきた。おーい!」
果南「おー」
鞠莉「ごめんまった?」
ダイヤ「うんにゃ、私たちも今来たとこ」
果南「もうみんなそろってるの?」
千歌「善子ちゃんと花丸ちゃんがまだ……」
曜「さっき、もうすぐ着くって連絡あったけど」
鞠莉「ルビィは今日もとってもプリティね♡」
ルビィ 「えへへ、ありがとう!」
ーーー
花丸「す、すみませ〜ん」
千歌「あ、花丸ちゃんたちきた! お〜い!」
花丸「お、おまたせしました〜。はぁ、はぁ」
善子「うぅ……日差しが……眩しい……」
ルビィ 「花丸ちゃん、汗だくだね」
梨子「善子ちゃんは……なんだかもう死にそうになってるけど大丈夫?」
善子「もう……ダメ……死ぬ……」
曜「うわぁ、善子ちゃんしっかりして!」
千歌「いったいどうしたの?」
花丸「それが……善子ちゃん、昨夜かなり夜更かししてたみたいで……寝不足みたいずら」
ダイヤ「まったく、これから身体を動かすって言うのにそんなフラフラで大丈夫?」
果南「はは、まあまあ。とりあえず中に入ろうよ」 ーーー
ガコーーーン
花丸「うわぁ、未来ずらー」
曜「ボウリングって久しぶりかも」
鞠莉「私は初めてかな」
花丸「オラも初めてずら……」
梨子「私も……あんまりやったことないなぁ」
ダイヤ「よし! それじゃあ、ラブライブ予備予選突破のお祝いと慰労を兼ねたボウリング大会!
始めますか!」 ーー数日前ーー
千歌「あー、まだかなまだかなー!」
ダイヤ「まったく、いつまで待たせんのよ〜」
果南「うぅー、なんかこう言うのイライラする〜」
鞠莉「私もドキドキしてきた……」
梨子「みんな、ちょっと落ち着いて」
善子「リトルデーモン達よ……我に力を!」
花丸「部室でろうそく点けたら危ないずらよ〜」
ルビィ 「もぐもぐ」←お菓子食べてる 曜「あ、来た! 予備予選の突破グループ発表!」
千歌「ど、どうなってる!?」
ダイヤ「Aqoursは!? Aqoursはどうなった!?」
曜「ちょっとまって……あった! Aqoursの名前あったよ!」
千歌「やったー!」
ダイヤ「やったね千歌ちゃん!」ダキッ
鞠莉「よ、よかったぁ〜」くたぁ
果南「あ、鞠莉、大丈夫!?」
梨子「これでいよいよ地区予選だね!」
千歌「うん!」 ダイヤ「はぁ〜とりあえずこれでひとまずはホッとしたわね」
果南「地区予選の事を考えると気は抜けないけどね」
鞠莉「でも、今は素直に喜びましょうよ♪」
千歌「ねえ、みんなでお祝いしようよ!」
8人「お祝い?」
ーーー
ーー
ー
鞠莉「と、言うわけでみんなでお祝いを兼ねて遊ぼうと言う事になったのですが」
ダイヤ「ま、次への気力をチャージする為にもこう言うのも良いわよね」
果南「じゃあ、クジを作ったから3人ずつの3チームに別れよっか」 チームA
ダイヤ「よろしくね」
花丸「あわわ……マルが足手まといになっちゃうかも……」
果南「大丈夫、大丈夫。私とダイヤがフォローするからどーんと気楽にいこう!」
チームB
梨子「はわわ……私うまくできるかなぁ」
善子「初心者だらけのチーム……もう無理じゃない?」
鞠莉「マ、マリーに任せなさい! この日の為にボウリングの動画を見て研究してきたんだから!」
チームC
千歌「曜ちゃん! ルビィちゃん! 頑張ろうね!」
曜「うん! 三年生にだって負けないんだから!」
ルビィ「がんばルビィ!」 ーーー
梨子「それっ!」
ガター
梨子「あうぅ……」
善子「あーあ」
梨子「ごめんなさい……」
鞠莉「ドンマイ梨子! ダイジョーブよ!」 ーーー
ダイヤ「はっ!」
曜「おお! お手本のようなフォーム!」
ダイヤ「よしっ!」
スペア
果南「ナイススペア!」
花丸「凄いずらー!」 ーーー
ルビィ「ふんばルビィ!」
千歌「おお! ピンが吹っ飛んだ!」
善子「見かけによらないパワープレイね……」 ーーー
鞠莉「ふっ!」
曜「鞠莉ちゃんもダイヤさんに劣らぬフォーム!」
千歌「うわっ、凄い! ストライクだ!」
梨子「鞠莉さんすごい!」
善子「ふっ……やるじゃない」
ダイヤ「ぐぬぬっ……」
鞠莉「イェーイ!」 ーーー
ーー
ー
曜「では、今回の勝負は……」
千歌「私たちのチームの優勝で決まりました!」
ルビィ「やったー!!」 ダイヤ「くうぅ……悔しいっ! あとちょっとで勝てたのに……」
果南「千歌たちはミスが少なくってコンスタントに点を取って行ってたからね」
花丸「マルがもっと頑張っていれば……」
↑2位
ダイヤ「そんな……花丸ちゃんも頑張ってたじゃない」
果南「そうそう。最後の方はスペアも取れる様になってたし」
花丸「ダイヤさんと果南ちゃんが教えてくれたおかげずら。おかげでオラもボウリング楽しかったよ。
ありがとう、ダイヤさん、果南ちゃん」 善子「くっ……やはり今日は魔力が不足していた様ね……」
梨子「ごめんなさい……鞠莉さんがいっぱい活躍してたのに私が足を引っ張っちゃって……」
鞠莉「ノンノン! 梨子もナイスファイトだったよ! 私はとっても楽しかった」
梨子「鞠莉さん……」
↑3位
ルビィ「そうだよ。梨子ちゃん達のチームが負けたのは善子ちゃんがガターばっかり出してたからだし」
善子「う、うるさいっ!」
果南「あー、それにしてもちょっとお腹空いたね?」
ダイヤ「ファミレスでも行ってお茶する?」
千歌「うん! いこういこう!」 ーーファミレスへの道中ーー
ルビィ「ふんふんふーん♪」
善子「…………!」ピ-ン!
善子「ルビィ! あんたうちっちー好きだったでしょ! 今、あっちにうちっちーが歩いていったわよ!」
ルビィ「えっ、うちっちー!?」
ダイヤ「…………!」ピ-ン!
ダイヤ「うん、風船もってあっちの方に歩いてった」
善子「見たい!?」
ルビィ「うん、見たい!」
ダイヤ「じゃあ早く追いかけないと! 見失うわよ!」 善子「ほらこっちこっち!」
ルビィ「うちっちー、うちっちー♪」
善子、ダイヤ「…………」コクッ
だーーーっ
花丸「ちょっと2人とも……」
善子「シーっ」
ダイヤ「あ、気づいた」
https://i.imgur.com/oel3BvV.jpg ルビィ「ギャーーーー!!」
花丸「ちょっとやめるずら! かわいそうずら!」
鞠莉「…………」
果南(ダイヤは本当は優しい子……ダイヤは本当は優しい子……)
https://i.imgur.com/hDwHCM2.jpg ーーファミレスーー
善子「悪かったわよルビィ」
ダイヤ「ちょっと悪ふざけが過ぎたわね」
ルビィ「うぅ〜〜〜」
善子「ほ、ほら! ルビィのパフェがきたわよ!」
ダイヤ「お姉ちゃんが奢ってあげるから好きなだけたべなさい!」 ドーーーン
ルビィ「もぐもぐ」
善子「ほらルビィ」
ダイヤ「たくさん食べなさい」
もぐもぐ
鞠莉「わ、私も……」
もぐもぐ
花丸「ちょ、ちょっとみんな……」
もぐもぐもぐもぐもぐもぐ
https://i.imgur.com/6EtB2Sx.jpg ルビィ「だあっ!! だぁぁぁぁぁ!!」
善子「うわっ!
ダイヤ「ルビィがキレた!」
鞠莉「ひい!」
曜「梨子ちゃん、食器持って!」
梨子「う、うん!」
千歌「ル、ルビィちゃん落ち着いて!」
花丸「やめるずらっ! お店の人に迷惑ずらっ!」
https://i.imgur.com/vWUpAy5.jpg ーーー
ダイヤ「いやぁ、ゴメンゴメン。つい調子にのってしまって」
果南「酷いお姉ちゃんだ……」
善子「でもおかげで眠気も飛んで調子出てきたわ」
曜「昨夜も生放送してたの?」
鞠莉「生放送?」
ダイヤ「あぁ、ヨハネちゃんって動画配信とかやってるんだっけ。そういえばまだ見た事ないな。
どんな動画なの?」
花丸「以前、放送したやつがスマホで見られるはずだよ」 ーーー
果南「へぇ、これが。なんか凄いね。コメントも沢山付いてる」
鞠莉「オー! スピリチュアル!」
ダイヤ「結構、映像や音楽が凝ってるのね。これかなり高い本格的な機材とか使ってるんじゃないの?」
善子「あぁ、それはうちの兄さんが映像系の仕事をしてて……放送する時少し貸して貰ってるのよ」
ダイヤ「へぇ、ヨハネちゃんってお兄さんがいたんだ!」
千歌「夢で夜空を照らしたい≠フPVを作る時も協力してくれたんだよ。ねっ!」
曜「うん。優しいお兄さんだったよ」
花丸「恭ちゃんは昔からとっても優しいずら♡」 ダイヤ「きょーちゃん?」
善子「うちの兄さんのことよ」
果南「へー、花丸ちゃんは昔からお兄さんのこと知ってるんだ」
花丸「う、うん、幼なじみだからね/////」テレテレ
ダイヤ「?」
千歌「じゃあ、善子ちゃんはゆうべも生放送してて寝不足だったの?」
善子「ゆ、昨夜は違うわよ……ゆうべはちょっと小説を……」
梨子「小説を読んでたの?」
花丸「違うずら。善子ちゃん、昨夜は小説を書いてたずら」
善子「ちょ、ずら丸!!」 ダイヤ「へぇ、ヨハネちゃん小説書くの? どんなどんな?」
花丸「ファンタジー物の小説なんだけど、結構おもしろかったよ」
善子「ずら丸、内緒って言っといたでしょ!?」
花丸「あ……」
ダイヤ「ねぇねぇ、私も読んでみたい!」
善子「い、嫌よ恥ずかしい!!/////」
花丸「でも、少しでもたくさんの人に読んで貰った方がいいずらよ?」
鞠莉「私もヨハネの書いた小説キョーミあるなー」
善子「うぅ……でも、まだ途中だし……もうちょっとちゃんと書いてからね……/////」
ダイヤ「ふふ、楽しみにしてるね」 曜「そういえば動画で思い出したけど、私たちのこの前のステージのPVの再生数が凄いことに
なってるんだよね!」
千歌「そうそう。たしか15万回以上再生されてるし!」
果南「そんなに!?」
梨子「コメントもたくさん付いてるのよね」
善子「当然よ……予選突破したんだから」
千歌「そういえば、予選終わった帰りもすごかったよね」 ーー数日前、予備予選の帰りーー
「あの、Aqoursの方達ですよね!?」
果南「え?」
「私たち、Aqoursのファンなんです!」
千歌「ええ!?」
ダイヤ「まぁ、そうなんですの? それは光栄ですわ」
「わぁ……黒澤ダイヤさん……」
「すごい……映像で見るよりずっと上品で綺麗……」
ダイヤ「あら……そんな。お恥ずかしいですわ」 「私、ダイヤさんのファンなんです! 一緒に写真撮って貰って良いですか!」
「わ、私も!」
ダイヤ「ふふ、もちろん宜しいですわよ。ではご一緒に」
ーーー
ーー
ー
千歌「って感じですごかったよね」
果南「ダイヤったらめちゃくちゃ猫かぶりモードになるんだもん。素の自分を出して行くんじゃ
なかったの?」
ダイヤ「それはそれ、これはこれよ。アイドルにとってキャラ作りって言うのは重要なんだから!」 ーーー
ーー
ー
果南「それじゃあ今日はこの辺でおひらきにしよっか」
千歌「あ〜、なんだかあっという間の時間だったな〜」
鞠莉「でも、たくさんエネルギーをチャージできたわね♪」
ダイヤ「これで明日からの練習も気合を入れて頑張れるね」
千歌「うん!」
ダイヤ「それじゃあみんな、また明日学校で」
「バイバーイ」 ーーー
ダイヤ「ただいまー」
ダイヤ母「2人ともおかえり」
ダイヤ「あれ? お父さんは?」
ダイヤ母「松浦さんと釣りに出かけたわ」
ダイヤ「好きだねぇ、2人とも」 ーーー
ダイヤ父「おっし、釣れた!」
果南父「おぉ、デカイな!」
ダイヤ父「へへ、今日は調子がいいぜ〜!」
ダイヤ父「……最近、果南ちゃんはどうよ?」
果南父「ん? あぁ、毎日元気だよ。おかげさんでな」
ダイヤ父「そっか……」
果南父「ほんとに……ダイヤちゃんのおかげだよ。頭が上がらないなあの子には」
ダイヤ父「…………」 ーー14年前ーー
果南母『ほら、ここが果南の新しいおうちだよ』
果南父『好きなようにくつろいでくれていいからね』
果南『…………』
果南母『ほら果南。こっちにおいで』
果南『…………』
果南父『なにも怖がらなくていいんだよ。僕たちは家族なんだから』
果南『……っ』ビクッ
果南母『あっ……』 ーーー
果南父『やっぱり、なかなか難しいもんだな』
果南母『ごめんなさい……私の身内の事なのに』
果南父『君が謝ることなんてなにもないさ。俺自身が納得して果南を迎えることにしたんだから。
焦らずゆっくりやっていこう……』
果南母『うん……』 ーーー
ダイヤ母『あの子が果南ちゃん?』
果南母『うん……』
果南『…………』
ダイヤ『はじめまして果南ちゃん。わたしは黒澤ダイヤ』
ダイヤ母『あら』
果南母『まぁ……』 ーーー
果南母『どう、果南。美味しい?』
果南『うん……』
果南父『そうか、そうか。はははっ』
果南『あの……』
果南母『ん? なぁに?』
果南『きょう会った子……ダイヤちゃん……また会えるかな?』
果南母『!!』
果南父『果南……』
果南母『うん、また何度でも会えるわ。だからいっぱい遊べるように果南もたくさんご飯食べて
元気になりましょう』
果南『……うん!』 ーーー
ーー
ー
果南父「あれから果南は見違える様に元気になっていって……今もダイヤちゃんに支えて貰ってる。
本当にダイヤちゃんが居なかったらどうなってたか……感謝してもしきれないよ」
ダイヤ父「ふふん、まあ俺の娘だからな!」
果南父「流石、都香ちゃんの娘だよ」
ダイヤ父「なんでだよっ!」 果南父「ところで、今度スクールアイドルの大会、名古屋でやるんだろ。お前は応援行くのか?」
ダイヤ父「いや……残念ながらその日はどうしても外せない仕事が……お前は?」
果南父「俺もこの時期はなぁ……かきいれ時だから」
ダイヤ父「そうだよなぁ……」
果南父「ま、結果がどうあれ本人達が楽しんでやってくれるならいいさ」
ダイヤ「そうだな……」 ーーー
ダイヤ「おやすみ、ルビィ」
ルビィ「おやすみ、お姉ちゃん」
ダイヤ「ふぅ……」
今日は楽しかったな
考えてみればあんな大勢で普通に遊びに行く事って今までなかったし
みんなの色んな顔も見れて……
本当に……
高校3年生になってから色んな事があったな
泣いたり怒ったりした事もあったけど……
今は素敵な仲間に囲まれて……
毎日が本当に楽しくて
ラブライブ……絶対に優勝したいな
大好きなみんなと一緒に…… あかん、果南ちゃんのエピソード……
こんなん絶対泣くやん ーーー
ダイヤ「よし、じゃあちょっと休憩しよっか!」
果南「だいぶ完璧に近づいてきたね」
鞠莉「ええ。これなら最終予選もバッチリよ!」
ワンワンワン!
曜「あれ? 犬の鳴き声……」
千歌「あ! しいたけ! 美渡姉も!」 美渡「おーす、千歌!」
しいたけ「わんわん!」
千歌「美渡姉どうしたの? しいたけも連れて」
美渡「いやあ、しいたけの散歩のついでにね。みんなに差し入れでもと思って」
ダイヤ「千歌ちゃん……そちら、千歌ちゃんのお姉さん?」
ルビィ「あ! おっきいワンちゃん!」
美渡「あ、私は千歌の姉の美渡と言います。いつも妹がお世話になりまして」
ダイヤ「いえ、こちらこそ……どうもご丁寧に。わたしは三年の黒澤ダイヤと申します」 美渡「ああ、やっぱり! いつも千歌が話してたから人の雰囲気そのものだからそうかなって」
ダイヤ「はぁ……いつも?」
千歌「うわぁ、美渡姉! 恥ずかしいから!」
美渡「こいつったらしょっちゅうダイヤさんは優しい、とかダイヤさんは頼りになる、とか
話してたんだよ」
ダイヤ「まあ、そうなの?」
千歌「うぅ……やめてよ美渡姉のバカ!」
ルビィ「おとなしくてお利口さんだねぇ」ナデナデ
しいたけ「わふぅ」 美渡「あ、それでこれ。アイス買ってきたからみんなで食べて」
ダイヤ「わざわざすみません。ありがとうございます」
美渡「ふふ、私も応援してるからさ。頑張ってね。千歌、アンタもしっかりやんなよ!」
千歌「言われなくてもやってるよ!」
美渡「それじゃあ私はもう行くね! ほら、しいたけ行くよ!」
しいたけ「わん!」
ルビィ「しいたけちゃん、バイバーイ!」 千歌「まったく、美渡姉ったら……余計なこと言って」
ダイヤ「ふふ、でもいいお姉さんじゃない。千歌ちゃんのこと応援してくれて。千歌ちゃんも
お姉さんが大好きなんでしょ?」
千歌「うぅ……それは……」
ダイヤ「くすっ、じゃあせっかくアイスを頂いた事だし。みんなで食べよっか」 ーー図書室ーー
花丸「みかんアイス美味しいずらぁ」
ルビィ「ピギィ〜」
千歌「図書室はクーラーついてて気持ちいいねぇ」
曜「そうだねぇ……この学校が廃校寸前の学校じゃなくて地元じゃ有名な進学校でよかったよぉ」
梨子「それ……誰かに説明でもしてるの?」
善子「それにしても千歌たちはなんでこの学校に入学したの? まあ、曜ともかく……千歌は勉強
苦手でしょ?」
ルビィ「ルビィもここに入るときに勉強ですっごく大変だったよ!」
千歌「だってぇ、浦女と言えばこの辺りの女の子にとっては憧れの学校だよ!?」
果南「はは、まあそうだね」
千歌「それに果南ちゃんが入れたなら私でも大丈夫かなって」
果南「それはどういう意味かなん?」 ガラガラ
むつ「やっほ! 千歌」
千歌「あ、むっちゃん達! どうしたの?」
よしみ「本を返しにね」
花丸「あ、お預かりします。ありがとうございます」
いつき「千歌たちは練習?」
千歌「うん。ラブライブの地区予選まで時間がないからね!」
むつ「頑張ってるね。私達も応援してるからね!」
千歌「ありがとう!」 ダイヤ「いいお友達だね」
千歌「うん! 初めてのライブの時から手伝ってくれたし、みんなとっても良い子なの!」
ダイヤ「じゃあ応援してくれるあの子達の為にも頑張んなきゃね」
千歌「うん!」 ーーーーーー
果南「それじゃあ、今日はそろそろ帰ろっか」
ダイヤ「あ、私は生徒会の用事があるからちょっと生徒会室に寄ってから帰る」
鞠莉「そうなの? なんか手伝おっか?」
ダイヤ「ううん、大丈夫。ほんの少しだし。みんなは先に帰ってて」 ーー生徒会室ーー
副会長「あ、黒澤会長。お疲れ様です。もう仕事は全部片付きましたよ」
ダイヤ「え……そんな、私の仕事なのにどうして……」
副会長「会長はラブライブがあるんだからそちらに集中しなきゃ」
ダイヤ「みんな……」
書記「あ、あの……!」
ダイヤ「は、はい?」
書記「私……ずっと会長に憧れてて……生徒会に入ってから会長にはたくさん支えてもらって……
だから、今度は私が会長を支えたいんです!ラブライブを頑張って欲しいんです!」
副会長「ほかのみんなも同じ気持ちですよ」
ダイヤ「みんな……ありがとう」 ーー数日後、名古屋駅ーー
ダイヤ「さあ、やって来たわ! ラブライブ地区予選の地! 名古屋!」
曜「ここから会場のある笠寺駅まではまだちょっとあるみたいだね」
花丸「まだ時間には余裕があるけど、どうするずら?」
ダイヤ「せっかく名古屋に来たんだから、ここに寄らなくてどうするの!? 」
千歌「こ、ここは!!」
ダイヤ「名古屋のスクールアイドルの聖地、ビッグカメラ名古屋西口店よ!」
https://i.imgur.com/TiedWk2.jpg 千歌「わぁ、すごい! スクールアイドルのグッズがいっぱい!」
曜「わー、花陽ちゃんだぁ!」
ルビィ「ここのお店は花陽ちゃん推しで有名なんだよ」
ダイヤ「にこちゃんカワイイにこちゃんカワイイにこちゃんカワイイ!」
https://i.imgur.com/li0xpnz.jpg
https://i.imgur.com/7m0epBp.jpg 鞠莉「こっちに並んでるのもスクールアイドルのグッズ?」
善子「そ、それは違うわ!!」
https://i.imgur.com/3SF0oUw.jpg ーーー
ダイヤ「ふぅ、素敵なグッズがたくさん買えたわ……」
果南「もぉ、会場入り前に荷物増やして……」
ダイヤ「よし、パワーもチャージ出来たところで会場へ殴り込みよ!」
千歌「おー!」 ーー地区予選会場前ーー
曜「うわぁ、ここが地区予選会場か。大きいねぇー!」
花丸「うぅ……こんな広いところでやるなんて……オラ、緊張してきたずら」
ダイヤ「なに言ってるのよ。どんな会場だろうとやる事は同じよ。今まで通りやればいいの。
それに、これまでのライブだってネットを通して何万人もの人に見てもらってるんだから。
この会場の人数くらいどうって事ないわ。ね?」
花丸「う、うん……そう言われるとなんだか勇気が出てきたずら」
ダイヤ「でしょう?」
果南「おーい、こっちの方が入り口みたーい!」
鞠莉「早くこないと置いてっちゃうわよー!」
ダイヤ「ほら、行こう。花丸ちゃん」
花丸「うん!」 ーー選手控え室ーー
ザワザワザワザワザワザワ
千歌「なんか……すごい緊張感だね」
曜「うん……みんな気合いが入ってる」
ルビィ「うゅ……見た事あるグループもたくさんいる。みんな実力者揃いだよ」
千歌「客席のお客さんもいっぱいみたいだね」
曜「むっちゃん達、学校のみんなも応援に来てくれるんだっけ」
花丸「やっぱり緊張してきたずら……」
善子「なにを言っているの。この程度の有象無象、この闇の加護を受けた堕天使にかかれば
一網打尽よ。貴女達リトルデーモンは黙って私に着いてくればいいの」
梨子「またこんな時にそんな事を……くすっ、でも善子ちゃんがいつも通りで居てくれるおかげで
こっちもなんだか気が紛れるかも」
善子「だからヨハネよ!」
千歌「ははは。そういえばダイヤさん達は?」
梨子「さっき、廊下の方に出て行くの見たけど……」 ーーー
ダイヤ「ふぅ……」
鞠莉「ダーイヤ♡」
果南「どうしたの? こんなところで一人で」
鞠莉「あー! もしかして緊張してるの〜?」
ダイヤ「まあ、少しね。花丸ちゃんにあんな事言った手前、みんなの前では出せないけど」
果南「はは、本当にダイヤは見栄っ張りだね」
鞠莉「でも、私たちには弱音をはいてくれるんだ♪」
ダイヤ「二人には感謝してるわ。果南と鞠莉がいたからここに来れた。諦めていた夢に再び
挑戦できた」 ダイヤ「……私はずっと一人でやってきたつもりでいた。一人で頑張って、一人で結果を出してって……
でも、わたしの周りには……果南をはじめ、支えてくれる人がたくさん居たんだよね」
ダイヤ「……それにたくさんの繋がりもあって……たくさん応援してくれる人たちが居るんだって
最近やっと気付いた。はは、バカだよね私って」
果南「ダイヤ……」
ダイヤ「それに気付けたのも二人のおかげかな。本当にありがとう」
鞠莉「ダ〜イヤ!」ギュ
ダイヤ「ちょ……なに!?」
鞠莉「私もダイヤには感謝してるよ! ありがとうね!」
ダイヤ「なによもう……離れなさいよ!」
果南「あ、ずるーい! 私もハグッ♡」ギュ
ダイヤ「果南まで〜!」 千歌「あ、いたいたダイヤさん達! おーい、なにしてんのー! 早く準備しないと出番来ちゃうよー!」
ダイヤ「あ」
鞠莉「ちかっち……」
果南「ふふ、それじゃあ行きますか」
ダイヤ「うん!」
たくさんの人のたくさんの事情が混ざり合って……
「Aqoursの皆さん! スタンバイお願いします!」
ダイヤ「おっしゃー! それじゃあラブライブ目指して予選突破行こうぜっ!」
千歌「うん! アクアー……」
「サンシャイーン!!!!!!!!!」 ーーー
ーー
ー
ミーンミンミンミーン……
ダイヤ「……今日も良い天気ねぇ……」
鞠莉「そうねぇ……もうちょっとノンシャイニーでも良いんだけどね……」
ダイヤ「なによノンシャイニーって……」
鞠莉「カモン、クラウディ……」
果南「なに溶けてんの二人とも。ほら、冷たいジュース飲んでシャキッとしな」
ダイヤ「果南……」
鞠莉「サンキュー果南♡ ゴクッゴクッ……ンー、生き返るわー!」 果南「でも、こんな暑い夏ももうすぐ終わりだね」
ダイヤ「うん……もうすぐ夏休みも終わって新学期……」
果南「惜しかったね、地区予選。あともうちょっとだったのに……」
鞠莉「あとちょっとで決勝進出……東京へ行ってラブライブの本大会に出られたのに……」
ダイヤ「仕方ないわ……それだけ現実は……スクールアイドルの世界は厳しいのよ。私達がちょっと
本気出したところで……」
果南「仕方ない……」
鞠莉「仕方ない……」
ダイヤ「そう、仕方ないのよ……いくら私たちでも……
ほんの一か月ちょっと本気出した≠ニころで
予選敗退しちゃのはね!」ニヤッ 果南「ふふ……そうだね!」
鞠莉「次の予備予選は9月……地区予選は秋で決勝は来年だっけ?」
ダイヤ「それだけの時間があれば充分だわ! 傾向と対策を練って、効率よく練習を重ねて、
今度こそラブライブ優勝よ!」
千歌「おーい、みんなー! そろそろ練習再開しよっかー!」
果南「よし、じゃあ行きますか!」
鞠莉「キラキラ光る海の様な輝きを目指して!」
ダイヤ「わたし達の挑戦は終わらないわよ!」
ACT8★輝きへの挑戦/おわり 長編乙!
凄く懐かしかったしとても楽しませてもらった 完結乙
元ネタ知らなかったけどめっちゃ面白かったぞ
良い感じにサンシャインのストーリーと融合させられてたし、キャラ描写も良かった
この話のかなダイまりの関係性好きだわ 最後だけちょっとあっさり目だと思ったけど
原作の場面を再現するのが目的でもあったんだね
そうと気付かぬくらいによく出来た話だと思いました 外見はダイヤ、中身は雪野、って言うのを書きたかったけど思ったよりダイヤさんにひっぱられて何度もセリフ書き直したわ
キャラクターの配役の仕方はウルトラマン超闘士撃伝を参考にしました
セカンドシーズンの予定は今のところ未定ですがプロットだけはあるのでいつか書きたいです >>471
ウルトラマンのキャラクターでドラゴンボールのストーリーをやった意欲作だな ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています