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梨子「たぶん私は……本気の恋なんて出来ないのよ」
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0001名無しで叶える物語(らっきょう)
垢版 |
2018/04/20(金) 19:28:42.06ID:qb+T5+ut
梨子「好きって気持ちも……大切って思いも理解出来る。けど、それに一生を費やせるか……自分の全てを賭けられるか……。そう問われたら……私はきっといいえと答える。

薄情……それよりは感情が乏しい、の方が正確なんじゃないかな。そんな私が……本気の恋なんて出来るはずも、していいはずもない。

だから私は、誰も好きにならないし……誰の思いにも応えない。

……ゴメンね。花丸ちゃん」

花丸「……………………」

梨子「好きになってくれて……ありがとう」ニコッ
0006名無しで叶える物語(らっきょう)
垢版 |
2018/04/20(金) 20:12:59.36ID:VmUR16t0
好きです――――――――

夕陽の差し掛かった……他の誰もいない部室で……

聞き間違いかと思うほど、か細く……弱々しく……私の耳に届いた……たった一言……

振り替えると……茜の光に染まりながら……スカートの裾を両手でギュッと掴んだ……花丸ちゃんがいた……

小さく震えながら……俯かせていた顔を上げ……

花丸「好きです!///梨子ちゃんのことが……好きです!!//////」

そう言った花丸ちゃんの顔は……夕陽の色よりも赤く、目を背けたくなるほど……眩しかった……
0007名無しで叶える物語(らっきょう)
垢版 |
2018/04/20(金) 20:23:47.43ID:VmUR16t0
勇気を振り絞ったんだろう……

必死に言葉を紡いだんだろう……

もしかしたら冗談で済ませられるかもしれないとか……先輩として尊敬していますとか……そんな意味合いであることを期待した……

だけど……

花丸「〜〜〜〜//////」

その顔が……その仕草が……バカげた私の思考を否定した……

本気なんだと……直感してしまった……

本気で……私のことを思って……

梨子「……………………」

本気……なんだ……
0008名無しで叶える物語(らっきょう)
垢版 |
2018/04/20(金) 20:31:01.73ID:VmUR16t0
思考は……時間にすればほんの一瞬だったのかもしれない……

やけに長く感じる沈黙……

少し考えさせて……

答えはもうちょっと待ってもらっていいかな……

そんな曖昧な言葉で濁せば……この場は終わるのかもしれない……

そうわかってはいたけど……

本気だからこそ……ありのまま……

飾らない私の言葉で……思ったこと……思っていたこと……全てを伝えよう……

落ち着いていく心臓の音と……冷えていく血の流れを感じながら……

私はまっすぐに花丸ちゃんに向いた……

梨子「ゴメン」

そう切り出して……誰も理解も共感も出来ないような、自分の中の言葉を紡いだ……
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