梨子「たぶん私は……本気の恋なんて出来ないのよ」
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梨子「好きって気持ちも……大切って思いも理解出来る。けど、それに一生を費やせるか……自分の全てを賭けられるか……。そう問われたら……私はきっといいえと答える。
薄情……それよりは感情が乏しい、の方が正確なんじゃないかな。そんな私が……本気の恋なんて出来るはずも、していいはずもない。
だから私は、誰も好きにならないし……誰の思いにも応えない。
……ゴメンね。花丸ちゃん」
花丸「……………………」
梨子「好きになってくれて……ありがとう」ニコッ 好きです――――――――
夕陽の差し掛かった……他の誰もいない部室で……
聞き間違いかと思うほど、か細く……弱々しく……私の耳に届いた……たった一言……
振り替えると……茜の光に染まりながら……スカートの裾を両手でギュッと掴んだ……花丸ちゃんがいた……
小さく震えながら……俯かせていた顔を上げ……
花丸「好きです!///梨子ちゃんのことが……好きです!!//////」
そう言った花丸ちゃんの顔は……夕陽の色よりも赤く、目を背けたくなるほど……眩しかった…… 勇気を振り絞ったんだろう……
必死に言葉を紡いだんだろう……
もしかしたら冗談で済ませられるかもしれないとか……先輩として尊敬していますとか……そんな意味合いであることを期待した……
だけど……
花丸「〜〜〜〜//////」
その顔が……その仕草が……バカげた私の思考を否定した……
本気なんだと……直感してしまった……
本気で……私のことを思って……
梨子「……………………」
本気……なんだ…… 思考は……時間にすればほんの一瞬だったのかもしれない……
やけに長く感じる沈黙……
少し考えさせて……
答えはもうちょっと待ってもらっていいかな……
そんな曖昧な言葉で濁せば……この場は終わるのかもしれない……
そうわかってはいたけど……
本気だからこそ……ありのまま……
飾らない私の言葉で……思ったこと……思っていたこと……全てを伝えよう……
落ち着いていく心臓の音と……冷えていく血の流れを感じながら……
私はまっすぐに花丸ちゃんに向いた……
梨子「ゴメン」
そう切り出して……誰も理解も共感も出来ないような、自分の中の言葉を紡いだ…… ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています