花陽「ほどほど宝島〜」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
世間は春休み―――
高校生たちは日ごろの学業の疲れを存分に癒している―――
ここ、音ノ木坂の地も例外なく春休みの雰囲気を漂わせている―――
ここは真姫ちゃんの家
にこ「ちょっと!真姫ちゃん!なんでそんなにゲーム下手なのよ!また負けちゃったじゃない!」
真姫「うっさいわね!!にこちゃんが猪すぎなのよ!なんで暗黒騎士のセシルで前ブーするのよ!」
花陽「あわわわわ……」
凛「またにこちゃんと真姫ちゃんが喧嘩しちゃったにゃ……」 真姫「にこちゃんだって!いつまで技空振ってんのよ!糞バッツ!!」
にこ「にこはブレイブ技だって大切にしてるのよ!」
花陽「この2人いっつも喧嘩してるよね……」
凛「そろそろどっちかが担架を切って、真姫ちゃんがにこちゃんを追い出すかにこちゃんが帰るかだね」
にこ「もういい!!帰るっ!!もう真姫ちゃんとゲームしない!!!」
真姫「ふんっ!!!にこちゃんなんか二度と家に招いてあげないわよ!!!」
花陽「ほら……」 にこは怒って帰っていった―――
真姫「ふんっ、にこちゃんなんか大っ嫌い!凛、花陽、ちょうど3人になったし、3バーするわよ」
凛「う、うん……」
花陽「そうだね……」
凛(ここは従っておいた方がよさそうだにゃ、真姫ちゃん機嫌悪いし)ヒソヒソ
花陽(そうだね……)ヒソヒソ
真姫と凛と花陽はしばらく3人でゲームした。
しかし、雰囲気は重い。真姫が怒っているということもあるが、それ以上の要因がある。
真姫「……なによ、にこちゃんなんて」
花陽「………」
凛「………」 花陽「ねぇ、真姫ちゃん、明日仲直りしようね」
凛「そうだよ!にこちゃんだって、好きで真姫ちゃんと喧嘩したいわけじゃないにゃ」
真姫「ふ、ふんっ、にこちゃんが悪いのよ!にこちゃんが謝るまで絶対に謝らないわ!」
真姫「にこちゃんなんて、にこちゃんなんて」グスン
花陽「もう、真姫ちゃん、素直じゃないんだから」ナデナデ
真姫「うっさいわよ!」プンスカ
凛「あはは!にこちゃんみたいな反応だにゃ!」
花陽「この様子なら、明日には仲直りするよね」 >>1と>>2で矛盾してた。どっちのキャラもにこちゃんが操作してることになってる。
脳内変換でどっちか変えといてください しかし、中々2人は仲直りしなかった。
練習中でも
絵里「じゃ、2人組作って柔軟体操をしましょう」
希「エリチ!うちと組も
にこ「希、今日はにこと組みましょ」
希「おっ!にこっち積極的やね!ええよ!」
にこ「ありがとね」
真姫「………」
凛(にこちゃん、いつも真姫ちゃんと組んでるのに……)
花陽(まだ引きずってるのかな……)
真姫「ふんっ!!いいわよ!にこちゃんなんて!穂乃果、一緒に柔軟しましょ」
穂乃果「もちろん!穂乃果も今日は真姫ちゃんと柔軟したい気分だったんだ!」
ことり(真姫ちゃん、またにこちゃんと喧嘩したのかな?)
ことり「海未ちゃん組もう!」
海未(ええ、いいですよことり)
海未「真姫?まさか真姫も穂乃果の体狙いなのですか?」
絵里「あれ?私ひとり?」ポツーン 下校中でも
絵里「あら、今日は1年生と帰らないの?にこ」
希「にこっちはうちと親友になったんよ、ね?にこっち」
にこ「そうよ、真姫ちゃんなんかとは帰らないわよ」
凛「………」
花陽「………」
真姫「なによ!あの態度!凛、花陽、かえり」
海未「真姫、ちょっと顔貸してください。お話があります」
真姫「あら、どうしたの?海未」
ことり(海未ちゃん、穂乃果ちゃん取られたこと怒ってるなぁ) ということが春休み中続き、ついに3月の下旬―――
絵里「このままじゃいけないわ」
絵里が、真姫とにこを思ってついに一部のμ'sのメンバーを集めて相談を持ち掛けた。
その場にいるのは、凛、花陽、ことり、海未。
ことり「そうだよね。なんだか調子狂っちゃうなぁ」
花陽「普段ならすぐに仲直りするのにね」
凛「まったくもう!たかがゲームで喧嘩なんて、2人ともガキなんだにゃ!」
絵里「まったくよ!おかげで2人組を作るときににこから希を取られるから一人きりになる確率が上がったわ!」
ことり「ど、どこかに混ぜてもらえばいいんじゃないかな……」
海未「絵里は賢くないですね。私のようにあらかじめ杭を打つべきです」
海未「おかげで、真姫は穂乃果と2人組を作ることはなくなりました」
凛「海未ちゃんはなんでそんなことにアグレッシブなの!」 海未「なんとかあの2人には仲直りしてもらいたいですね。なんとなくμ's全体がギスギスしている感じがします」
絵里「えぇ、こないだのユニット別の練習は地獄だったわ。2人とも会話がない上私とも話してくれないから気まずかったわ」
凛「ねぇ、かよちん、なにかいい方法はないかな……」
花陽「そうだ!いいものがあるよ!」ガサゴソ
そういうと、花陽は自分の四次元ポケットからあるアイテムを取り出す――― 花陽「ほどほど宝島〜」
ことり「わぁ、かわいい模型!火山かな?」
花陽「えへへ、ことりちゃん。これはね、宝島なんだよ」
凛「宝島?凛知ってるよ!なんとかルイスさんが書いた小説だよね!」
花陽「うんうん!その小説みたいに、島で宝物を探すことができる冒険をするためのひみつ道具なんだ!」
海未(宝島ってそんな話でしたっけ?)
絵里「このひみつ道具で、にこと真姫を仲直りさせるの?」
花陽「そうだよ、っていっても、仲直りの場を提供するだけなんだけどね」 >>14
うおっここまで花陽えもんSSだと気づけなかった自分が恥ずかしい 花陽「えっとね……これは花陽が考えてた作戦なんだけど」
花陽「明日、μ’s全員でどこでもドアを使って南の島に行こうと思うの」
絵里「南の島?海水浴のシーズンではないけれど……」
花陽「この道具は海があるところからじゃないと使えないんだ」
花陽「だから、海のある南の島で、この道具を使うの」
花陽「そしたら、その海未に「宝島」が作られるから、その宝島で冒険しようかなっておもって」
凛「なるほど!その冒険の中で、真姫ちゃんとにこちゃんを仲直りさせるんだね!」
ことり「わぁ、素敵なアイデアだね、花陽ちゃん!」
海未「私も、いいと思います」 花陽のアイデアは即座に採用され、μ’sのグループラインから、メンバー全員に伝わった。
絵里『明日は各自、お弁当を持ってくること。練習の時間、花陽が南の島へ連れて行ってくれるわ』
このラインの文章を、その場にいなかったにこ、希、真姫、穂乃果がそれぞれ読み、既読をつける。
4人全員の返信を確認して、絵里はラインを閉じた。
絵里「これで、準備は整ったわね。私の方でも、にこと真姫が一緒に宝探しできるような案を考えておくわ」
花陽「ありがとう、絵里ちゃん!」
凛「明日が楽しみだね!」
ことり「どうせなら、にこちゃんと真姫ちゃんの仲直り以外でも楽しいことが起こるといいね♪」
海未「これを機に、穂乃果とさらに仲良くなることができるなんて、嬉しい限りです」 その頃―――
真姫「南の島ね……」
真姫「ちょうどいいわ、明日はおフランスで購入した30万のビキニを持っていきましょ、泳がないかもしれないけどね」
真姫「それで、にこちゃんに自慢してやる―――って」
真姫「にこちゃん、まだ仲直りしてなかったんだわ……」
真姫「はぁ……なんで、私はこう意地っ張りなのかしら……」
真姫「素直に、ごめんなさいって言えたらって、何度思ったことか……」
真姫は、にこへの想いを胸に仕舞うのと同時に、30万の水着もタンスの置くに封印する。
そんな気分にはなれないのだ。 時刻は23時間。凛の家―――
凛「よし、明日の準備は完璧!」
花陽「花陽もおーわり!疲れたね、凛ちゃん!」
凛「うん!今日は明日のために、早く寝ようね、かよちん!」
花陽「もちろん!明日、真姫ちゃんとにこちゃん、仲直りできるといいね」
凛「うん、やっぱりあの2人が仲良くないと、しっくりこないにゃ!」
花陽「絵里ちゃんやことりちゃんもいい案を思いついてくれるといいね」
凛「そうだね!じゃ、かよちん、凛は寝るね」
花陽「うん!おやすみ、凛ちゃん」
そう言って、凛は自分の布団の中に、花陽は押し入れの布団の中に身を潜める。
ほどほど宝島が原因で、にこと真姫が、μ'sがとんでもないことになるというこを―――
2人はまだ知らない――― 気が向いたのでちょっとだけ更新
翌日。
とある南の島
穂乃果「うーーーーーーーみだぁああああああ!!!!!!」
凛「海だにゃぁああああああああ!!!!!!」
穂乃果「あはははは!南の島なんて夢みたいだよ!」
凛「ほらほら!穂乃果ちゃんこっちこっちーーー!!!」
真姫「ねぇエリー、突然練習を休みにして南の島だなんて、どうしたの?あなたらしくない」
絵里「ふふっ、もうすぐ春休みも終わりだから、みんなでバカンスで楽しみたいなって思ったら」
絵里「花陽がそれを叶えてくれたのよ」
花陽「えへへ、今日は楽しもうね!真姫ちゃん!」 にこ「ま、アイドルにはたまには気晴らしが必要よね、わかってるじゃない、絵里」
希「にこっち、浮き輪持ってきたん?w」
にこ「うっさい!浮き輪くらい誰でも持ってきてるわよ!」
ことり「日焼け止め塗ってきてよかった♪南の島だけあってやっぱり暑いね」
海未「準備がいいですねことり、あとで貸してください。穂乃果に隅々まで塗らなくてはいけません」
花陽「よかった、みんな楽しんでくれそうで」チラッ
絵里(えぇ、わかってるわ、花陽)
絵里(私が徹夜で、宝島探検プランを考えてきたのだから、絶対ににこと真姫は仲直りするはずよ) 絵里「はいはい!みんなちょっと集合!」
絵里が掛け声をかけると、μ’sのメンバーはぞろぞろと絵里の元へ集まる。
絵里「実はね、今日はバカンスついでに、ちょっとしたゲームをみんなとしたいなって思って、この島に来たの」
絵里「花陽、お願い」
花陽「了解〜、ほどほど宝島〜」
花陽は、火山の模型のようなひみつ道具と、樽の形をしたレバーのようなリモコンを取り出した。
花陽「実は、みんなと宝探しがしたいなって思って!」
穂乃果「宝探し!!なにそれなにそれ!!楽しそうじゃん!!」
花陽「まずは、こうして」ポチッ
花陽は、ほどほど宝島のスイッチをオンにする。
すると、ほどほど宝島は宙に浮かぶ。
そして、海に向かってそのまま勝手に移動した。
それは、そのまま天に消えたかと思うと、突如、大きな塊となって海へと浮かぶ。
その塊は、だんだんと大きくなり、やがて「島」となった。 花陽「これが宝島だよ!」
穂乃果「おぉおおおおおおお!!!!!」
希「すごいやん!花陽ちゃん!!」
にこ「や、やるわね、花陽!」
真姫「し、シンジランナイ」
このプランを聞いていなかった4人はそれぞれ驚くような反応を見せる。
花陽「それでね、この宝島で宝探しをしようとおもうんだけど、いいかな?」
全員「賛成!!!」
目の前の面白そうな光景を見て、却下するものはいないだろう。全員から快くOKをくれた。 凛「まずはあの宝島まで行こう!!かよちん!!船!船!」
花陽「チョットマッテテー」
花陽は、あらかじめスモールライトで小さくしていた小型のモーターボートを、ビックライトで大きくした。
絵里「これであの島まで行きましょう!」
ことり「わぁ、雰囲気でるね♪」
海未「すごく楽しそうですね。こういうのも風情があって」
にこ「にこがボートを操縦するわよ!希、手伝って!」
希「はいよ!任せた!」
真姫「………」
穂乃果「どうしたの?真姫ちゃんも行こうよ!」
真姫「……ええ」
真姫は、希と仲良さそうにするにこを見て、苛立ちと虚無感を覚えた。 にこと希がボートを操縦する。簡単な仕組みなので、すぐになれることが出来た。
花陽「今回の宝探しには、ルールがあるんだ、それに、案内人もついてるんだよ」
凛「案内人?」
花陽「あっ!!来た来た!」
花陽が指さした方向から、まるで鮫のヒレのようなものが海上から現れた。
海未「まさか!鮫!?」
真姫「ちょっと!鮫なんて聞いてないわよ!」
花陽「違うよ!あれが、案内人!」
すると、鮫のような生き物は姿を現した。
鮫?「どうもどうも、わたくし、ほどほど宝島の案内人のホドホです。今日一日、どうぞよろしくお願いします」
海未「あ……こちらこそよろしくお願いします」
ことり「わぁ、かわいいピンクのイルカさんだね!」
絵里「あなたがこの宝島の案内をしてくれるのね?」 花陽「ホドホさん、花陽たち、この宝島で冒険を3組に別れて宝探しをしたいんです!」
花陽「それで、3組それぞれ別ルートで宝探しをできるようなプランはありますか?」
ホドホ「お安い御用です!3組で宝探しの競争がしたいわけですね?」
そう、宝探しをする上で、競争のようにしてそのチーム毎の絆を深める、といった内容が、絵里が徹夜で考えたプランである。
そのためには、9人を3/3/3で分けてチームで宝探しをするのがいいだろうと、絵里は考えたのだ。
もちろん、真姫とにこは同じチームということが前提である。
花陽「ということで、今からチーム分けをします!」
にこ「それがくじびきなの?」
花陽「そうだよ!」 もちろんただのくじ引きではない。
花陽のひみつ道具で「イカサマくじ」というものがあり、そのくじの結果をあらかじめ決めることができるというイカサマ用の道具だ(カボスオリジナル)
花陽「これを引いて、今からチーム分けをします。チーム名は花陽が勝手に決めちゃいました!」
花陽「コシヒカリ、ヒノヒカリ、ヒトメボレです!」
絵里「全部お米なのね……」
ことり(で、真姫ちゃんとにこちゃんが必ず同じチームになるから、あとひとり誰かそのチームになるはず)
海未(その一人が、真姫とにこの橋渡しをする重大なポジションとなるわけですね) 花陽たちは、あらかじめ集合時間の30分前に、作戦会議をして、今回の作戦の概要を理解している。
従って、その時点で宝探しで3/3/3に分かれてチームで宝探しをすることを知っていた。
もちろん、真姫とにこを同じチームにすることが前提である。
そして、その「あと一人」を誰にするか、悩みに悩んだ末「運に任せる」という方法を取った。
にこも真姫も元は仲良しなのだから、誰でも橋渡しは可能で、この宝探しで、勝手に仲直りすると踏んだからである。
従って、誰がにこまきチームとなるかはわからない。 花陽(くじを引く順番は関係ない。自然と真姫ちゃんとにこちゃんが同じチームになるように道具が勝手に調整してくれるから)
凛「よしっ!!凛はこれにしよ!」
凛がくじびきから、紙を一枚取り出す。
それに合わせて、全員がくじを引く。最後に、操縦をしていたにこがくじを引いた。
果たして、にこと真姫を結ぶキューピットとなるのは誰か―――
海未「私はコシヒカリでした」
絵里「私は、ヒノヒカリね」
穂乃果「穂乃果はヒトメボレだったよ!」 凛「あっ、海未ちゃんと同じだ!凛もコシヒカリだよ!」
ことり「えへへ、ことりもだよ♪」
海未「よろしくお願いします。ことり、凛」(ちっ、穂乃果とがよかったのですがね)
希「うちはヒノヒカリ、エリチと同じやね」
花陽「私もヒノヒカリです!絵里ちゃん、希ちゃん、よろしく♪」
絵里「えぇ、よろしくね、希、花陽」
穂乃果「てことは、真姫ちゃんとにこちゃんが穂乃果と同じチームだね!」
真姫「……えぇ」チラッ
にこ「………」 キューピット役になったのは「穂乃果」。
絵里(穂乃果がにこと真姫のチームなのね、まぁ穂乃果のカリスマ性なら大丈夫でしょ)ヒソヒソ
花陽(そうだね、なんたって、花陽たちのリーダーなんだもん!)ヒソヒソ
希「なにぃ?ナイショ話は感じ悪いでーエリチぃかよちん!」
希「そんなかよちんにはワシワシマックスやぁ!!!!」ワシワシワシワシ
花陽「ぴゃぁあああ!!!!!なんで花陽だけぇえええ!!!!」
穂乃果「がんばろうね!2人とも!」
にこ「……えぇ」
真姫(に、にこちゃんと同じチームなんて、気まずいわ……)
真姫(でも、これを機に、にこちゃんと仲直りしなきゃ!) 海未「真姫」
真姫「!」ビクッ
真姫「う、海未、どうしたの……?」
海未は真姫の肩を、少し強めにポンと叩いた。
海未「がんばってくださいね」
真姫「……え、えぇ……」ビクビク
真姫は海未に対して怯えていた。
時はさかのぼり、にこと真姫が喧嘩した翌日―――
真姫「どうしたのよ海未、校舎裏で話なんて」
海未「真姫、あなた……穂乃果に色目使ったでしょう?」 真姫「は?そんなことしてないわよ?」
海未「とぼけないでください!!ならなぜ普段にこと組んでいるあなたが今日穂乃果と組んだのですか!」ガシッ
真姫「ひ、ひぃ!!!落ち着いてよ!にこちゃんと喧嘩したのよ!」
海未「ほんとですか?私には穂乃果の体目当てのように見えましたが……」ギリギリ
真姫「痛い痛い!違うわよ!本当よ!にこちゃんと喧嘩して、組む人がいなかったから穂乃果に話しかけたの!」
海未「……それならいいです。失礼しました」
真姫「いたたた、急に掴みかかったりしないでよ……」
海未「ですがもし、次、穂乃果に対して同じようなことをして、2人組を組もうものなら」
海未「覚悟してくださいね、真姫」ポンッ
真姫「………」
そのときの海未は本当に怖かったと、真姫は思い返した。 時は戻り、宝島前―――
まさに、海未のその右手が、自分に掴みかかっていたのだ。
その肩に乗せられた右手が、「にことの仲直り」への応援なのか、「穂乃果と組んだことによる報復」なのか。
それは園田にしかわからない―――
ホドホ「さて、それでは、コシヒカリの方々はここで降りてください」
ことり「あっ、ことりたちだね」
花陽「かよちん!凛、負けないよ!!」
花陽「花陽たちもがんばるもん!」
ホドホ「あとからスタートの合図を花火で送ります。それまでその場で待機していてください!」 ことり、凛、海未のコシヒカリチームが降りたら、同じように残った2組も、それぞれ別のスタート地点へ上陸した。
ホドホから「宝は頂上にある」との説明を受けているので、そのままあらゆる方法で頂上まで行けばいいのだ。
ひみつ道具は基本使用禁止。ひみつ道具を使わなければいけない盤面では、ホドホが専用のひみつ道具くじを持ってきて、そのくじで出てきたひみつ道具のみが使用可能である。
ほどなくして、ホドホが打ち上げた花火が、大きな音を立てる
花陽「始まった!ゲームスタートだね!」
絵里「ふふっ、花陽ったらはしゃいじゃって」
希「たまにはこういうのもええやん♪やるからには絶対勝つで!」
絵里「えぇ、もちろんよ!」 チーム分け
・コシヒカリ
凛
海未
ことり
・ヒノヒカリ
花陽
絵里
希
・ヒトメボレ
真姫
にこ
穂乃果
今日はここまでで
お前らドラえもんのび太の宝島見ろよ。あれマジで面白いわ チームコシヒカリ
ことり「あの頂上を目指せばいいんだね」
海未「登山は任せてください!私の得意分野です」
凛「あぁ……あの辛い思い出が脳裏によぎるにゃ……」
海未「まずはこの密林を通って山まで向かいましょう」
ことり「今頃、にこちゃんと真姫ちゃんはどうしてるかな」
凛「まぁなんとかやってるにゃ!あの2人はなんだかんだ仲良しだもん!」
海未「そうですね。まるで私と穂乃果のようです」
海未「さて、やるからには真剣勝負です!うかうかしていたら他のチームに後れを取ってしまいますよ!」
ことり「うん♪」
凛「あっ!看板があるよ!あっちが安心コースらしいにゃ!」 チーム ヒノヒカリ
絵里「さて、私たちは私たちで楽しみましょうか」
希「勝つのはうちらやね!3人で力を合わせてがんばろ!」
花陽「うん♪」
花陽(そういや希ちゃんって今回のこと知らないんだよね)
花陽(なんで絵里ちゃん、希ちゃんには相談しなかったんだろう)
絵里「ハラショー!安心の宝探しコースがあるみたいよ!密林を探検するよりも安全ね」
希「甘いでエリチ!これは罠や!こういう宝探しにはよくある手段なんよ」
花陽「そんなことないよぉ、これは程ほどな宝探しができる道具だから、そんないじわるしないよぉ」
希「カードがうちにそう言ってるんや!ここは密林から行くで!」
絵里「あっ!ちょっと希ぃ!待って待って!」
花陽「わざわざ安全な道があるのに密林通っていくのぉ……」 チーム ヒトメボレ
穂乃果「よし!チームヒトメボレ!まずは円陣だよ!」
にこ「気合入ってるわね、穂乃果」
真姫「円陣ってなによ……」
穂乃果「絵里ちゃんチームや海未ちゃんチームに負けてられないもん!穂乃果たちもやればできるって証明しようよ!」
穂乃果「ほら、まずは円陣だよ!ほら、にこちゃんも真姫ちゃんも!」
にこ「まぁ別にいいけど……」
真姫「………」
真姫「円陣ねぇ……」
その時、真姫の脳裏に、園田の姿が―――
海未『ですがもし、次、穂乃果に対して同じようなことをして、2人組を組もうものなら』
海未『覚悟してくださいね、真姫』ポンッ 真姫(まさか海未……この期に及んで私たちの監視なんてしてないわよね……)
真姫(やっぱり、さっきの「がんばってくださいね」って、穂乃果に近づくなっているサインなんじゃ……)
真姫(本当はにこちゃんと円陣を組んで、仲直りしたいけど、ここはにこちゃんを言い訳に断っちゃいましょ)
真姫「ふん!そんなおこちゃまのようなことできるわけないじゃない」
真姫「ちょうど私と組みたくなさそうな人もいるっぽし」チラッ
にこ「………」 にこ(真姫ちゃん、ほんとにいじっぱりね……)
にこ(はぁ……でも穂乃果も楽しみにしてるし、これを期に仲直りしなくっちゃね)
にこ(ここはにこから謝って、真姫ちゃんに円陣を組んでもらおう)
にこ「真姫ちゃん、そのことな
穂乃果「ねぇ、言いたいことがあるならちゃんと言えばいいじゃん!」
にこ「え……?」
真姫「え……?」
にこと真姫は予想外の穂乃果の声を聞いて、一瞬たじろいだ。 穂乃果は少し離れた場所にいる真姫にずかずかと近づいた。
穂乃果「真姫ちゃんさぁ、なんなの!この間から!穂乃果のこと見るに避けだして!感じ悪いんだけど!」
真姫「え……そ、そんなつもりは……」
穂乃果「避けてるじゃん!この間柔軟組んだ時から急に穂乃果のこと避けだして!」
穂乃果「練習中声かけても全然返事返してくれないし、ラインも既読無視するし!」
穂乃果「なんか穂乃果が気に障るようなことした!?急にそんな態度になって、ほんっと不愉快!!」
にこ「あわわわわ……」
真姫「違う、違うのよ穂乃果……」
穂乃果「何!?穂乃果が勝手にヒステリー起こしてるとでもいいたいの!?」
真姫「ほんとに違うのよ穂乃果……」
真姫はまさかこんな展開になるとは思ってもみなかった。
全てはにこと喧嘩した翌日の海未が悪い。 穂乃果「今だって円陣してくれないし、なんなのほんとに!!!」
にこ「ほ、穂乃果……それは多分にこが……」
穂乃果「もういいっ!!穂乃果一人で行くもん!!真姫ちゃんとは組まないよ!!」
そう言って、穂乃果は密林の中へ走り去った―――
にこも真姫も何度も穂乃果の名前を呼んだが、返事は返ってこなかった―――
真姫「穂乃果……」
にこ「真姫ちゃん!なにやってんのよ!穂乃果を探しにいくわよ!」
にこ「花陽のひみつ道具だとしてもここは密林、ひとりじゃ危ないから!」
真姫「にこちゃん……」
にこ「そのあと、穂乃果に謝ることね!どうなってるのかにこにもわからないけど……」
真姫「……そうね」 密林に生い茂る緑は、本来なら神秘的なもののはずだ。
しかし、今となってはただただ邪魔でしかない。
密林の緑を押しのけながら、懸命に穂乃果を探す2人。
にこ「穂乃果ー!!」
真姫「穂乃果!どこ!?どこなの!?」
真姫(違うのに……本当は穂乃果のこと避けたかったわけじゃないのに……)
真姫(なんでこうなるのよ!!私はただ、にこちゃんと喧嘩して、今日は仲直りするつもりだったのに!)
真姫は今日ほど海未を恨んだことはない。
にこ「いないわね……だいぶ奥まできちゃったみたい」
真姫「穂乃果……どこなのよ……」
にこ「こんなとき……希がいてくれたら……」
真姫「希……?」 なぜ、そこで希の名前が出てくるのだろう。
真姫が抱いた疑問である。
真姫「ねぇ……なんで、希?」
真姫とにこが喧嘩したことで、この2人は1週間ほど一緒に行動をしていない。
その間に、にこは希と行動するようになっていたので、この2人の仲は前よりも格段によくなってた。
真姫もこのことには気づいていた。
しかし、にこの口からはっきりと希を頼る言葉を聞いてしまったことにより、ずっと一緒にいる親友を取られたような、親友に目を離した隙にどこか遠くへ行ってしまったかのような―――
そんな感覚が、真姫を襲った――― ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています