千歌「異世界転生したらLv999の>>5だった」
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果南「医者……ねえ。身に纏った白衣だけじゃあ、言われても納得しかねるよ」
???「ああ、ゴメンなさい。訂正するわ。医者じゃない……ただの天才名医よ」カミノケクルクル
果南「クラスは?」
???「神療現界医(アスクレピオス)」
果南「神療現界医(アスクレピオス)……?」
果南(医療系クラスの頂点に座するあの……?紅蓮の炎に……豹の獣人……。こいつ……)
???「ああ……自己紹介がまだだったわね」
真姫「《μ's》……《赤き女豹》こと、真姫よ。よろしくね、魔族さん」 ――――――――
ビュウウウン!
千歌「ねえ!街は大丈夫かな!?」
曜「このスピードならすぐに着くとは思うけど……やっぱり心配だね……。まだ原因もなにもわかってないわけだし……」
花陽「なにがあっても大丈夫なはず……。あの街には私たちの仲間がいるんだから」
曜「それってさっき言ってた?」
花陽「うん。《μ's》……《赤き女豹》の真姫ちゃん」
千歌「《赤き女豹》?」
花陽「豹の獣人……炎を操る名医だよ」
曜「お医者さん?それじゃあ……」
花陽「お医者さんて聞くと、回復専門で戦闘力に乏しいイメージがあるけど……真姫ちゃんは違う。自他共に認める天才医師なのと同時に、《μ's》でも一、二を争う武闘派でもある
獣人特有の野性的な本能に、荒々しさを十二分に含んだ爆炎の使い手……それに加えて理知的な頭脳を兼ね備えた、神療現界医(アスクレピオス)と呼ばれる天才」
千歌「そんなスゴい人がいて……どうして街が……」
花陽「わからない……。なにかイヤな予感がする……」
千歌「急ぎましょう!なにかが起こる前に!!」
ビュウウウ――――――――ン! ――――――――
果南「へえ……まさか《μ's》に出くわすなんてね。ツイてるなぁ♪」
真姫「なにを以てツイてるなんて言ったのかしらね」
果南「私の目的ってさ、この街を壊して人間たちを混乱させることだったんだよねー。ここって人間の経済を担う中心らしいじゃん。それがこの有り様。もう目的は果たしたも同然♪」
真姫「そうね。たしかにひどいものだわ」
果南「そんな中、私たちが狙ってる《μ's》がのこのこと現れた♪目の前に通りすがった生肉をさ……みすみす逃すなんてバカなマネ、誰もしないでしょ?」ニコニコ
真姫「そうね。正論だわ。同じ状況なら私も同じことをするわ。断言する。ただし……生肉はあなたよ。クスッ……いいえ、腐った魚の死骸が関の山ね」
果南「言うじゃん……。腐ったものを食べて食あたりなんて笑えないんじゃない?」スッ……
真姫「そうでもないわ。私は案外……悪食だったりするわよ」グググ……ダンッッ!
ビュンッ!
果南(迅い……)
ズガアアアアアアッ!
ベキバギッ!
真姫(ガードした腕が砕けた……)
果南「っらあ!!」ブンッ!
真姫「っ!」シュンッ!
ズザァッ!
果南「逃げ足だけはいいじゃん」プラプラ……
真姫「また再生……。ガードした直後に反撃してきた……」 果南「速くて重い……それでもって軽やかな体捌き。医者だって言うわりに動けるね、お姉さん」
真姫「体力仕事甘く見てるんじゃないわよ。評価してくれるなら……せめて力は込めなさいよ。脱力しきった相手の弁ほど薄っぺらいものはないわ」
果南「ああ、やっぱりわかる?」
真姫「触れるのが医者だもの」
果南「触診ってやつ?」
真姫「まあね」カミノケクルクル
果南(って、蹴って殴って……二回触れただけで、スキルの解析はおろか私の身体の状態にも気付いたんだ。知性が高いうえに、素の攻撃力も高い。
そのうえ炎をブーストさせて一撃一撃の威力を高めてる……。…………思ったよりめんどくさいな……) 果南「お姉さん、私の苦手なタイプだ」
真姫「あっそう。だからって見逃さないわよ。あなた、あいつの仲間なんでしょ?」
果南「あいつ?」
真姫「とぼけなくていいわよ。あいつの【空間転移】に飛ばされたおかげで、この街はものの見事に壊されちゃったんだから。まったく……不甲斐ないったらないわ」クシャ
パラパラ……
ガラッ……
真姫「救えたはずの街も……命も……なにも護れなかったんだもの」
果南「街はともかく、医者が命を救えなかったっていうのはいいね。無様すぎてお腹が捩れそうだよ」
真姫「そのときは私が治してあげるわよ。臓器全摘出して……ホルマリンに漬け込んで弄んであげる」
果南「恐い恐い♪そうなる前に……豹のステーキでもかぶりつこうかな」スッ
果南が出現させた武器は……
安価下1コンマ
奇数→両腕の手甲(ガントレット)
偶数→身の丈以上の大剣 果南「♪」ガシン!
真姫「魔神器……」
果南「デッドハグ……人魚の腕に抱かれて死になよ」
真姫「遠慮するわ……!!」ダンッッ!
ボオオオオッ! 果南「突っ込んできていいのっ?次は……少し力入れるよ!!」ダンッッ!
真姫「!!」
果南「うらぁっ!!!」ゴオオッ!
真姫「ちっ!!」ボオッ!
ヒュンッ!
真姫「ッ!!」ミシッ
果南「咄嗟に炎をブーストさせて方向転換したね……でも……」
ブラン……
真姫(掠めただけで左肩が外れた……!!)
真姫「ッ!!」ゴギン!
果南「アッハハ、無理やり嵌めたよ♪」
真姫「よく回る口ね!!」ブンッ!
ガギィン!
果南「嵌め直した腕ですぐに殴るんだ……」グググ……
果南(私と同じ【超速再生】……一瞬だけど【痛覚遮断】もしたのか。この人……戦闘力のバランスがいい。苦手だけど……)ニィッ!
真姫「!!」
果南「イカれ具合は好きになりそうだ!!」ザバァン! 真姫(大質量の水……いや、津波……ッ!!)
果南「まだ私のクラスを言ってなかったね!!私は災害人魚(ディープマーメイド)の果南!!固有スキル【深き海の氾濫】は……マーキングした相手を叩き潰す追尾型の津波だよ!!!」ザバァーン!
真姫「マーキング……」バッ
キラッ……
真姫「これは……鱗……?」
果南「よく気付いたね♪」
果南『うらぁっ!!!』ゴオオッ!
真姫『ちっ!!』ボオッ! ザバン!
ザバァン!
真姫「っ!!」ヒュンッ ヒュンッ!
果南「建物や瓦礫を足場に……よくそこまで縦横無尽な動きが出来るって褒めてあげるよ!」
真姫「べつに嬉しくないわよ」ダンッ!
果南「けど、私の波からは逃げられない!!」
ザバァン!
真姫「はああっ!!」メラッ……ボオオオオッ!
ジュアアアアアッ
ザバァーン!
果南「その程度の炎じゃ無理だよ!!」ニッ
真姫「あっそ……なら、このマーキングを剥がしちゃえばいいんでしょ」
果南「ムダだよ。その鱗は肉体じゃなく、魔力に喰らいついてる。魔力が尽きない限り、それが剥がれることはない!!」
真姫「魔力に……ね」
果南「ほぉら……波に呑まれて溺れ死ね!!」
真姫「ふん……本当によく回る口……。あなた頭はよくないでしょ」
果南「はあ?」
真姫「ペラペラといらない情報を喋ったのは、対処法が無いっていう無意味な確信のつもりだったのかしら。知らないなら教えてあげるけど……どんな対処も完璧にこなすのが名医なのよ!!」スチャ……
果南「赤い銃……?」
真姫「神器……ドリームトリガー。オペレーション、スタート」 キィン……
真姫「……………………」コオォ……
果南「なにを出したかと思えば……ただの機巧銃?そんなので私に立ち向かうつもり?無謀にもほどがあるよ」ケラケラ
真姫「愚策に見えるなら……その愚かしさは自分自身に投影しなさい」
果南「まだ言うんだ。ていうかさ……お姉さん、戦い方がチグハグだよ。臨機応変っていえばそれまでだけどさ、医者で、戦えて、銃を使うなんて……それぞれで欠点を抱いてるようにしか感じないんだよね!!」
ザバァン!
果南「少しはヤるかと思ったけど……これでおしまいだよ!!」
真姫「そうね。おしまいにしましょ」ジャキッ!
果南「この津波を前に……弾丸なんか――――――」
真姫「間違いだらけのあなたに教えてあげるわ。ドリームトリガー……その力を!!」クルッ
果南「ッ!?銃口を……自分に!?」
真姫「♪」ニッ
バシュウッ! 果南「自分を撃った……!!?なに……トチ狂ったの!?」
真姫「はあぁ……」シュウウウ……
果南「ッ、意味わかんない!!!」
ゴオオオオオッ!
真姫「追尾型の津波……だっけ?じゃあもう当たらないわよ」
果南「!?」
真姫「♪」ヒュンッ
ザパアアン!
果南「難なく避けた……!?バカな……魔力がある限り、鱗のマーキングは……」
真姫「魔力がある限り……なんでしょ?なら無理よ。今の私には魔力は無いから」
パラッ……
果南「鱗が剥がれて……いったいなにをしたの」
真姫「べつに。ただ"改造"しただけよ」
果南「改……造……!!?」
真姫「魔力の全てを他の機能に変換し、さらに魔力が無くても身体能力を維持するように。魔力が無ければマーキングは意味を成さないんでしょ」
果南「……………………!!!」
真姫「私の神器ドリームトリガーは、ただの機巧銃じゃない。私の意思でプログラミングされた目に見えない極小の機械生命体、ナノマシンを身体に撃ち込むことで肉体の組成を変異させる……医療器具なのよ」チャキ
果南「……………………っ」
真姫「あら、さっきまでの饒舌だったあなたはどこへ行ったの?」
果南「この……ババア……」ゴゴゴゴ……
真姫「いい顔をするじゃない。悔しさに歪んどその顔……見ていて愉快だわ」クスッ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています