千歌「異世界転生したらLv999の>>5だった」
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な、なわとびなんかで船に乗せたりしないんだからね! ・・・千歌がなわとびなんてしたら里が壊滅しないか? 千歌「まあでも……そうしなきゃ教えてくれないならなんでもやりますけど……」
花陽「いい子ですね♪では……」スッ
ズズッ……
曜「……?周りの稲が……」
花陽「♪」
ズォォォォォォォォ――――――――!
千歌「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」
花陽「えいっ♪」ヒュン
シュルシュルシュル……ギュッ!
花陽「っと。はい、千歌ちゃん♪」スッ
千歌「おとと……っ!」パシッ
曜「稲が森みたいに急成長して絡まった……。これって……ロープ……?」
花陽「そう♪今から千歌ちゃんには、このロープを使ってなわとびをしてもらいます♪」
千歌「なわとび?ていうか私だけ?」
花陽「今はちょうど夕暮れ……そうですね、明日の夜明けまで、その稲のロープでなわとびを続けてください」
千歌「明日の夜明けまで!!?」
花陽「一度でも引っ掛かったり、跳ぶことを止めたら失敗と見なし、船を貸してくれる人を紹介するという件は諦めてもらいます♪」ニコリ
千歌「そんなムチャクチャな!!」
曜「千歌ちゃんってなわとびは苦手だっけ?」
千歌「いや、普通だけど……」
曜「じゃあ大丈夫だよ。体力を節約するスキルも持ってるし、身体強化系のスキルも持ってる。千歌ちゃんなら何日だって跳び続けられるよ」
千歌「そうかもしれないけど……」
曜「それより、今の千歌ちゃんがなわとびなんかしたら、地響きとロープの風圧で村が壊滅しかねないっていうか……」
花陽「それについては大丈夫だよ♪」指パチンッ
ホカホカ……
ホカホカ……
千歌「た、炊いたお米が!!?花陽さんっ!!?」
ホカァァァァァァァ……
千歌「曜ちゃ――――――――」
ドーン…… 曜「お米が……千歌ちゃんを呑み込んじゃった……」
花陽「大きなおにぎりの完成だよぉ♪」
曜「完成だよぉ……って……」
花陽「私のお米はどんな衝撃にも耐えられる究極のお米♪あの中は絶対安全の防護結界だよ♪ただし……」
おにぎりの中
千歌「……………………」
ホカァァァァァァァ……
千歌「あづい……」 花陽「その中でなわとびをしてもらいますけど、サボっちゃダメですよー。私には中の様子がちゃーんと見えてますからねー」
千歌「見えてるって……。おにぎりの具になったのは初めてだよ……。なんだかよくわからないけど、やらなきゃいけないならやるしかないっ!よしっ!!」グッ!
千歌「頑張るぞぉー!!!」ピョンッ!
ズシン!
ズシィン! 花陽「始めたみたいですね」
曜「本当に衝撃を吸収してる……。お米ってスゴい……」
花陽「さてと、そろそろ夕飯にしましょうか」
曜「いや、さっきまでご飯食べてましたよね?」
花陽「おやつです♡」
曜「おやつの量じゃなかったけど……」
花陽「曜ちゃんはなにが食べたいですか?」
曜「お米以外ですか?」
花陽「炊きたてご飯、冷やご飯、ちょっと水気が多くてべっちゃりしたご飯です」
曜「お米以外を食べたら死ぬ種族かなにかなんですか?」
花陽「冗談ですよ♪」
曜「それより、なんで私にはなわとびをさせなかったんですか?」
花陽「一緒にしたかった?」
曜「千歌ちゃんのおっぱいがブルンブルン揺れる様ははっきり言って見たかったです」
花陽「曜ちゃんとは、もう少しお話したいなって♪それだけですよ♪」
曜「そうですか……」 曜「それならよかったです」
花陽「……………………」
曜「私も……訊きたいことがありましたから」
ソヨソヨ……
花陽「……………………」
曜「……………………」
花陽「……風が冷たくなってきました。家の中にどうぞ。話の続きは、あたたかいご飯を食べながらにしましょう」ニコッ ――――――――
――――
――
千歌「ほっ、ほっ……」
ズシン!
ドシン!
千歌「どれだけ時間が経ったんだろ……。この中だと外の様子がわかんないしなぁ……」
ホカホカ……
千歌「おにぎりの中ってこんな感じなんだ……。さっきいっぱい食べたのに、なんかお腹すいちゃいそう……」
ズシン!
ズシン!
ブルンブルン!
千歌「朝まで長いなあ……」 曜side
グツグツ……
コトコト……
花陽「トロットロに煮込んだクリームシチュー……」
トロリ……
花陽「甘味たっぷりのホロホロお野菜……」
トロッ……
花陽「旨味を閉じ込めたジューシーなお肉……」
ジュワッ……
花陽「それをお皿に盛ったホカホカご飯にかける!!!」ドバァー!
曜「……………………」 花陽「ふぅ……♪上手に出来ました♪」
曜「……………………」
花陽「本当に食べないんですか?」
曜「お腹はすいてないので……」
花陽「お米ならいくらでも食べられちゃうのになぁ……。いただきます」
パクッ
花陽「んぅ〜〜〜///♡ハフハフ……んっ///♡んんんん〜///♡♡」
曜「……………………」
花陽「はふぅ……♡おいひぃ……♡」 65 名無しで叶える物語(地震なし) sage 2018/03/22(木) 19:01:05.45 ID:VUlf9Epp
エロいな 曜「……………………」
花陽「いいですよ」ハフハフ
曜「!」
花陽「アツッ……エヘヘ///訊きたいこと……あるんでしょう?」
曜「……なにか訊こうかな」
花陽「なんでもどうぞ」ニコリ
曜「それじゃあ……まず、果南ちゃん……。花陽さんが私たちに見せた幻影……あれは私たちの友だちです。なんで、花陽さんが知ってるんですか?」
花陽「知ってるわけじゃないよ。何日か前に、あの子は私を捜してこの山に入った」
曜(……果南ちゃんも転生してたんだ)
曜「それで?話をしたんですか?」
花陽「うん。正確には、話をすることを強制してきた」
曜「強制してきた……?」
花陽「言ったとおり、私の幻影は悪意や敵意に反応する。それがある人は、誰であろうとこの村には立ち入れない。そして、その子……果南ちゃんも例外じゃなかった」
曜「それは……」
花陽「友だちだったんだよね……。なのに、酷なことを言うのは気が引けるけど……。あの子は間違いなく、魔族だった」
曜「……………………」 曜「そっか……。果南ちゃんも……」
花陽「あの子は幻影に阻まれた……けど、強引に私を引きずり出した。『姿を見せないなら、この一帯を吹き飛ばす』……って脅してね」
曜「そんなこと出来るはずない」
花陽「そう。出来るはずも、させるはずもなかった。でも私はそれに応じた。何故か……穏健派を謳っている私が、いくら防衛のためといえ暴力を振るえば、私に賛同してついてきてくれたみんなを裏切ることになるからです」
曜「それでも……煙に巻くくらいのことは……」
花陽「さっき、出来るはずがない……そう言いましたね。私も曜ちゃんも、意味合いは同じことを言ったはずです。私がいる以上、そんなことはありえない……と。けど……」
曜「一帯を吹き飛ばす……それだけの力が果南ちゃんには無い。だから出来るはずがない。……そういう意味ではなかった?」
花陽「シンプルに、あの子に強さを感じました。無論それでも私が負ける要素はありませんでしたが……少なからず村のみんなに懸念を抱かせるのを嫌いました」
曜「果南ちゃんと、どんな話を?」
花陽「ことりちゃんのところにも、魔族の梨子ちゃんが来たんですよね。なら、話した内容は概ね一緒なはずです」
曜「魔王復活の鍵……」
花陽「当然ながら話してわかってくれるはずもなく、あしらいながら隙を見て【強制転移】を使いました。どこに転移したのかはわかりませんが、世界のどこかには存在してるはずです」 曜「……そっか」
花陽「……………………」
曜「それじゃあ次の質問です。希さんの行方を掴める人たちの存在について……」
花陽「どうぞ」ニコリ
曜「花陽さんは《A-RISE》の存在を挙げましたね。《A-RISE》は《μ's》と肩を並べる存在で、希さんを捉えられるのはその人たちしかいないと」
花陽「そうだね」
曜「不可解なのは《A-RISE》の存在じゃなくて、何故ことりさんは《A-RISE》の存在を私たちに教えず、花陽さんを紹介したか……ってことです」
花陽「たしかに不自然だね。遠回しをさせてる感じがする。だけどそれは、私が希ちゃんの居場所を知らなかった……っていう結果論込みの話にならない?」ハムッ
曜「本当にことりさんは花陽さんが希さんの居場所に心当たりがあると思った……。違いますよね?ことりさんには、私たちを花陽さんに逢わせる理由があった」
花陽「……………………理由って?」パクリ
曜「あくまでも……いいえ、推測にもなりませんけど……。たぶん、千歌ちゃんのこと……」 千歌side
千歌「はあっ……はあっ……。おかしいな……はあはあ……。あれ……なんだろ……。暑いから……かな……。なんかちょっと……疲れてきた……」
ズシン……
ズシン…… 曜side
曜「山の中で私たちを襲った幻影……あれは千歌ちゃんを試すためのものだったんじゃないですか?」
花陽「なんのために?」
曜「千歌ちゃんに戦い方を教えるため……とか」
花陽「……………………」
曜「千歌ちゃんはLv999の完全な特異存在。力の使い方を知らないのに、誰よりも強大な力を持ってしまってる。言っちゃえば赤ちゃんが兵器を持ってるみたいな危うい存在です」
花陽「そうだね」パクッ
曜「それに今千歌ちゃんがやらされているなわとび……。正確にはあのおにぎりですけど……あの中は、いったいどうなってるんですか?」
花陽「炊きたてのお米に囲まれてる幸せの国だよ♡」
曜「本当は?」
花陽「……魔力を強制的に体外に排出させる空間。それだけ言えば通じるかな」
曜「千歌ちゃんに魔力のコントロールを覚えさせるため……ですか?」 花陽「なんのために?」
曜「一つは自衛……一つは、"そうなったとき"戦える下地を作っておくため」
花陽「"そうなったとき"……友だちと、どうしても戦わなければならないとき……だね」
曜「花陽さんを紹介したのは、ことりさんなりの私たちへの忠告ってことですか」
花陽「さあ……。でも、ことりちゃんはきっと……自分よりは私の方が二人を鍛えられるって、そう思ったんだろうね。なんせ、ことりちゃんは《μ's》でも一、二を争う広域殲滅タイプの魔法使いだから。微細な力のコントロールは苦手だったし」クスクス
曜「広域殲滅……」 花陽「曜ちゃんの考えのとおりだよ。戦うための下地と覚悟……いくら力があってもそれが無かったら何にもならない。だからことりちゃんは二人を私に預けた。べつに嫌がらせで《A-RISE》のことを説明しなかったわけじゃないと思うから、そこは安心して」クスッ
曜「はあ……」
花陽「幻影を相手にさせて、二人の実力を測った。幻影とはいえ魔力を込めただけのパンチで山を消し飛ばした……千歌ちゃんは魔力のコントロールを完ぺきに覚えなきゃ、いつか暴走して凄惨な事故を巻き起こす」
曜「そのための特訓ですか」
花陽「あの空間の中は、魔力容量に比例して魔力の強制消費量が加速度的に上がる。朝まで……なんて期限をつけたけど、千歌ちゃんの魔力量を考えたら、あと数時間で魔力が枯渇して倒れると思う」
曜「そうですか」
花陽「……意外だね。千歌ちゃんのことが好きな曜ちゃんなら、今の話を聞いたら、私を脅してでも千歌ちゃんを出せって言うかと思ったのに」
曜「万が一千歌ちゃんが倒れたとしても、倒れた無防備な千歌ちゃんのおっぱいを揉みしだけるので問題無いです」マガオ 花陽「あ、そうなんだ……」パクッ
曜「それに、千歌ちゃんなら大丈夫です」
花陽「信頼?」
曜「いえ、確信です」
千歌『出来るパターンだろぉこれェ!!!』ガー! 曜「何度倒れても、何度ケガしても立ち上がる。前を向いて跳ぶ。千歌ちゃんは……底無しの努力家です」
花陽「……………………」
曜「……なんて、本人は特訓をやらされてる自覚も無いんですけどね。ようは、ひたすらにまっすぐなんですよ。明るく素直で、自分が求めるものに手を伸ばす。何度も何度も……立ち上がれるかい?って……そしたら胸に手を当てて、笑ってYESって答えるんです」ニシシ
花陽「千歌ちゃんのこと、好きなんだね」
曜「大好きです」ニッコリ 曜「……………………」
花陽「……………………」
曜「……私に特訓をやらせなかった理由は、それですか?」
花陽「理由は二つ。曜ちゃんの戦いを見たけど、基礎はもちろん、スキルを応用した臨機応変さも十二分で、特訓をさせる必要性が無いと判断しました。レベルと実力が釣り合ってない……とも」
曜「……………………」
花陽「曜ちゃんは千歌のことを特異存在と称していたけど、曜ちゃんも充分特異だよ」
曜「……………………」
花陽「もう一つの理由はね、単純に曜ちゃんとお話したかったからなんだ。私の目には……曜ちゃんの全てが歪んで見える。戦いも……千歌ちゃんを思う様も。曜ちゃん……曜ちゃんはいったい、何者?」
曜「……………………」 千歌side
千歌「はあ……はあ…………」
ズシン……
ズシン……
千歌(腕が……上がんなくなってきた……。身体重い……頭……回んない……)
ズシン……
ズシン……
千歌(ボーっとしてきた……。今にも身体が動くのを止めそう……。ダメだ……しっかりしないと……。イメージ……しない、と――――――――)
曜『魔法なんて所詮イメージみたいなところがあるから』 千歌「……!」
ズシン……
ドシン……
千歌「イメージ……」
千歌(私の中に……魔力っていう力があって……イメージでそれを自由に使えるなら……)
ズシン……
ズシン……
千歌(果南ちゃんの幻と戦ったとき……掌に力を入れて殴ったら山が吹き飛んだ……。あそこまでじゃなくて……身体全体まで行き渡らせて……もっと力を抑える感じ……)
ズズッ……
ズズズ……
千歌「……!なんか……楽になった……かも……」
千歌(スゴい勢いで疲れてたのに……。力が吸われる感じだったのが治まった……。これって、魔力をコントロール出来るようになってる……?じゃあ……)
ズズッ……
千歌(魔力を脚に……)
ピョンッ!
千歌「……!」
ピョンッ!
ピョンッ!
千歌(軽い……!疲れとか一気に吹き飛んじゃったみたい……!これならイケる……!イケるよ……!!)
千歌「曜ちゃん……!!」 曜side
曜「……私は歪に見えますか?」
花陽「見えるよ。頭のてっぺんから爪先まで」
曜「……………………」
花陽「具体的なことを挙げるとね……。果南ちゃんの幻影を相手にしてるときも、どこか愉悦めいたものを感じました。クラス故に……スキル故にとも思ったけど、違うんだよね?曜ちゃんの戦闘の根源には、明らかな敵意と殺意が見えたよ」
曜「……………………はぁ」クシャ
花陽「……………………」
曜「ちゃんとごまかせてると思ったんですけど。千歌ちゃん以外に……隠し立てをする必要もありませんよね。花陽さんの言うとおりです」 曜『ねえ、千歌ちゃん』
千歌『……………………』
曜『……私は――――――――』
曜「私は……千歌ちゃんの敵になるなら、たとえ友だちだって殺します」 花陽「……………………」
曜「正義と悪がこの世にあるなら、私にとっての正義は千歌ちゃんで、私にとっての悪は千歌ちゃんに害成すもの……ってことになるんです。千歌ちゃんを悲しませるなら……傷付けるなら……」
梨子『微塵の興味も無いわ』 曜「たとえ誰だろうと殺してやる」
花陽「歪んだ愛情は身を滅ぼすよ」
曜「千歌ちゃんのためなら、それでもいいって思ってます」
花陽「自覚があるのがむしろ……だね。良くも悪くも」
曜「危険な思想だって……そう思いますか?」 花陽「……賛同はしない。けど、共感出来ないわけじゃないです」
曜「……意外な答えですね。救世の女神なんて大それた二つ名で呼ばれるような人が……。皮肉に捉えられるかもしれませんが、てっきり《μ's》というのは聖人君子の集まりなのかと思ってました」
花陽「私だけじゃなく、他のみんなも同じことを言うはずです。救世の女神……どれだけ人が敬い付けた字(あざな)でも、所詮ただの記号でしかありません。名前というのは、自らが覚悟を持って名乗ることで初めて意味を成すんです」
曜「エルフの教えですか」
花陽「私自身の気位です。けれど、言った通り共感こそすれ賛同はしません」
曜「……………………」
花陽「護るため……叶えるため……たとえどれだけ大義を掲げたとしても、命を奪う行為が赦されるはずがない。自分がどれだけ理由をつけて肯定したとしても、それこそが至上の正義だと信じても、殺意を以て我と成すことはあっちゃいけません」 曜「……………………」
花陽「こんなお説教も、きっと曜ちゃんには右から左なんだろうね」
曜「そうですね。なにも響きませんでした」
花陽「だと思うよ。それが正しい。私たちはただの他人なんだから。それでも、同じ釜のご飯を食べた仲の忠告……くらいには留めておいてもらえると嬉しいかな」
曜「ありがとうございます……。でも私は、私の意志を絶対に曲げない」ヴンッ
【後悔無き航海】
花陽「【後悔無き航海】……。折れず、曲がらず、腐らず……自分の意志を貫き通す誓いのスキル。なるほど……それがレベルに比例しない強さの秘密ですか」 曜ちゃん、膨大な借金返し終わったと思ったら
すぐになんやかんや理由付けて借金させられそう・・・ 曜「言わないでくださいね。千歌ちゃんには」シュン……
花陽「いずれはバレちゃいますよ。【後悔無き航海】……。自分にかけた誓約の大きさに相乗して力を増幅させるリミテッドスキル。そんなスキルをどうやって発現させたんですか?」
曜「千歌ちゃんのことを思ってたら自然に身に付きました」
花陽「そうなると……必然、誓いの内容も……」
曜「私が自分に課した誓約は、なにがあっても千歌ちゃんを好きでいること。千歌ちゃんと同じ傷を負うこと。千歌ちゃんのために生きて、千歌ちゃんのために死ぬこと。そして、千歌ちゃんが死んだとき私も一緒に死ぬこと」
花陽「……………………ムチャクチャだね。【過愛情】に【ダメージリンク】……?それに【ライフリンク】も付与してるなんて……」
曜「他にも色々付けてますよ。【過愛情】は元々こういう性格だったし、【ライフリンク】に関しても全然苦じゃないです。けど、【ダメージリンク】に関しては千歌ちゃんがLv999だったのを予定に入れてませんでしたね」ケラケラ これほどの誓約だと必然的に強くなるわな
後悔なき航海カッコいい… 曜ちゃん強キャラ感半端なくなったけど今のところパンツ盗むぐらいしかしてないの素直に草だ 花陽「Lv999なことは、無敵でもなければ不死身ってことでもない。巨人族だって、身体の構造は普通の人間と変わらない。余りにもリスクが大きすぎる。大切な友だちのためとはいえ、自分が課した誓約の重さを……曜ちゃんは理解出来てないように見えて仕方ないよ」
曜「そう見えるなら……よっぽど私が歪んでるんですよ」スクッ
花陽「……!」
曜「私が訊きたかったことは全部聞かせてもらいました。花陽さん、ありがとうございます」ペコッ
花陽「夜明けまでは、まだ時間があるよ」
曜「特訓が終わって汗で服に張り付いたおっぱい…………じゃなかった、ヘトヘトになった千歌ちゃんの疲れた顔をいの一番に見たいので。このまま朝まで外で待ってます」
花陽「そう……。最後に訊きたいことがあるんだけど、いいかな?」
曜「いいですよ。花陽さんが今履いてるパンツをくれるなら」ゞ
花陽「……クスッ。泥棒が獲物を欲しいと乞うのは、道理に反してはいませんか?」クスクス
曜「違いないです」ニッシシ
スタスタ……
スタスタ……
花陽「……………………」 花陽「……曜ちゃん。曜ちゃんは千歌ちゃんのために戦う……そう言ったよね。千歌ちゃんのためなら友だちだって殺すって。……でも、千歌ちゃんは友だちとの共存を望んでいるんじゃないの?」 曜「……………………」ピタッ
花陽「曜ちゃんが千歌ちゃんだけを愛するとしても、千歌ちゃんが曜ちゃんだけを愛するとは……けして限らないこと、ちゃんと覚えておかなきゃダメだよ」
曜「……………………」スタスタ……
花陽「でないと、それはいつか……取り返しのつかないことになるかもしれないんだから」
――――――――
――――
―― ――――――――夜明け
チュンチュン……
曜「……………………」
花陽「……そろそろだね」
ホカッ……
曜「!」
ホカァァァァ……
曜「おにぎり……じゃなかった……。閉鎖空間が解けてく……」 花陽「気を付けてね」スッ
曜「稲穂の杖……」
ビュン……
ビュン……
花陽「一瞬だけど……強引に止めちゃうから」
ホカァァァァ……
ズシン……!
ドシィン……!
千歌「はぁ……はぁ……はぁ……はぁっ……!!!」 曜「千歌ちゃん!」
千歌「はぁ……はぁ……!!」
ドシン!
ズシィン!
グラグラ……
曜「っと、聴こえてない……」
花陽「意識の深層まで到達するほど集中してる。いつ倒れてもおかしくない。……効率のいい魔力運用……ちゃんとコントロール出来てるけど、すっかり枯渇しきってる」
花陽(約半日……。あの空間の中で一時間以上保ったどころか耐えきった……。無限ってわけではなさそうだけど、それでも随分な魔力だね……。容量は私たちとほぼ同じくらいかな)
ビュン!
ビュウン!
花陽「おとと……これ以上は村が壊滅しちゃう」スッ
フワッ……
花陽「お疲れさま。少し眠るといいよ」シャン……
千歌「はぁ……はぁ…………っ」クラッ
花陽「♪」シャンシャン……
ホカホカ……
ドスゥン……
千歌「クカー……」
花陽「お米のベッドはよく眠れていいですよね♪」
曜(スッゴくベタベタしそう……) 千歌「クカー……クカー……」
曜「千歌ちゃんは……」
花陽「声は届かないみたいだったので、無理やり眠らせちゃいました。昼頃には目覚めますよ♪」
千歌「クカー……」
曜「……………………」スタスタ……
ポンッ……
曜「お疲れさま……千歌ちゃん」ナデナデ
千歌「ン……」スヤスヤ……
曜「それにしても……汗の匂いも、汗で服がぴっちり張り付いたおっぱいもたまりません」ムフー
花陽「あれ、さっきとは違った意味で怖い……」 ――――――――
――――
――
千歌「……………………ん」
曜「あ、起きた?」
ムクリ……
千歌「……………………」ポー
千歌「ふあぁぁぁぁぁ……」
曜「おはヨーソロー♪千歌ちゃんっ♪」ゞ
千歌「おはヨーソロー……ムニャムニャ……」ゴシゴシ……
曜「まだ眠い?」
千歌「んん……なんかお米のベッドで眠る夢見た……」
曜「夢じゃないけど」
千歌「ふあぁぁ……んゅ…………………………ああっ!!?」
曜「うわっ!?急にどうしたの!?」
千歌「特訓!!花陽さんに言われたなわとびしてたんだ!!どうしよう曜ちゃん!!私なわとび止めちゃってる!!花陽さんに船を貸してくれる人を紹介してもらえないよ!!!」
曜「落ち着いて千歌ちゃん。大丈夫だから」
千歌「へ?」
曜「千歌ちゃんはちゃーんと、朝までなわとびを跳んでたよ♪」
花陽「そうですね」スタスタ……
千歌「花陽さん!」
花陽「朝までなわとび……よく頑張りました♪」
千歌「ホント?ホントにちゃんと最後まで跳べたの?」
花陽「はい♪」
千歌「全然覚えてない……」
曜「ギリギリだったみたいだもんね。なにも覚えてないの?」
千歌「途中……跳びやすいやり方を見つけて……それから調子良くて……。それで……調子に乗ってそれまでよりはりきって跳んでたんだけど……」
花陽「!!」
千歌「そこから先は覚えない……」ウムム…… 花陽(体外に強制的に魔力を放出させるあの空間で、魔力を制御するどころか自分から魔力を放出させて能力を上げた……?ありえないです……。だとしたら、魔力容量は最高位に位置する魔法使いレベルを遥かに越えてる……)
曜「まあなんにせよ、ちゃんと最後まで跳べてよかったじゃん♪」
千歌「うんっ!♪」
花陽(Lv999……この魔力……。……まさか、ね) 曜「これで、花陽さんに船を貸してくれる人を紹介してもらえるね♪ちょっとだけ先が見えたよ♪」
千歌「うん!花陽さん、約束どおり……」
花陽「あ、うん。もちろん紹介するよ」
ようちか「ぃやったぁ!!」
花陽「ただし……」
ようちか「?」
花陽「紹介するだけで、その人が船を貸してくれるかどうかは……また別の話だけど」クスッ 千歌「その、船を貸してくれる人ってどんな人なんですか?」
曜「顔馴染みって話でしたよね?同じ《μ's》の人ですか?」
花陽「ううん。だけど、《μ's》に深く関わってる人だよ。一代で世界経済の半分を担う魔道具事業の発展を成し遂げた、オトノキザカ財閥の麗人」
曜「一代で世界の半分の経済を?」
千歌「それってかなりスゴいんじゃない?」
曜「いやめちゃくちゃスゴいよ。どれだけ【資金調達】や【お金儲け】のスキルがあっても、さすがにそこまでの長者にはなれないよ。よっぽど天運に恵まれてないと」
千歌「そんな人と知り合いなんて……《μ's》ってスゴい!!」
花陽「まあ、ことりちゃんのお母さんだから」クスクス 曜「ことりさんの……?」
千歌「お母さん!!?」
花陽「そう。世間での通り名は、本人のクラスを取って理事長って呼ばれてる」
曜「通り名って……本名は?」
花陽「曜ちゃん、知らなくていいことも世の中にはあるんだよ」
曜「はあ……」
千歌「あれ、それじゃことりさんって結構なお嬢様?」
花陽「一応ね。ことりちゃん自身は、好きなことを好きにやる奔放な性格だから、お母さんの跡を継ぐ気はないって言ってるけど。とにかく、理事長宛に紹介状を書くから、その後は二人でなんとかしてね」
曜「投げやり……」
花陽「エルフは?」ニコニコ
曜「イタズラ好き……」ハァ
千歌「まあまあ。とりあえず紹介してくれるだけありがたいってことで♪」
花陽「いい子ですね、千歌ちゃん♪」
千歌「エッヘヘ///」テレリテレリ
花陽「さて……それじゃあ少し待っててね。今すぐ紹介状を……」
バサッ……バサッ……
カー……カー…… 千歌「?」
曜「カラス……?」
花陽「……………………」
カー……カー……
バサッ……バサッ……
千歌「おとと……」
曜「千歌ちゃんの肩にカラスが留まった……」
千歌「私は木じゃないのに……。この子、眼が真っ赤だよ。それに……足が三本ある」
曜「足が三本……それって……」
花陽「八咫烏……」
千歌「やた……がらす……?」
花陽「幻獣に数えられるモンスターであるのと同時に……不幸と不吉を司る魔獣……」
曜「……………………」
花陽「八咫烏が現れるとき……それは凶報を運んできたという印なの……」
千歌「凶……報……?」
カー……カー……
カー……
オトノキザカ……カイメツ……
オトノキザカ……カイメツ…… 花陽「――――――――!!!!」
曜「オトノキザカ……!」
千歌「壊滅……!?」
曜「花陽さん……オトノキザカって……」
花陽「今話してた……理事長が、オトノキザカ財閥の拠点がある街……。それが……壊滅……!?そんなバカな……あの街には……いや、それより……理事長は……」
千歌「……!!」
曜「街が滅ぼされた……って、それじゃあ……」 花陽「ううん……確証は無いけど、たぶん無事……。あの街には……私たちの仲間がいるから……」
曜「《μ's》が……?」
花陽「けど……それでも街の破壊を防げなかったなんて……。相手はいったい……」
千歌「もしかして……梨子ちゃん……?」
曜「魔族が……?なんのために……」
千歌「わかんないよそんなの……」
花陽「ここで議論しても始まらない。とにかく私はオトノキザカに向かうよ。この報せはきっと《μ's》全員に届いてるはず……だとしたら、近くに住むことりちゃんも必ず向かう……二人はここに……」
千歌「私たちも行きます!!」 花陽「……危険だよ」
千歌「それでも!私たちが目指してる芭蕉でなにか大変なことが起きてるなら……見て見ないフリは出来ないです!」
曜「それに、どっちみち行かなきゃ先にも進めないわけだし、ここで大人しくしてる理由なんて無いです」
花陽「……………………」
千歌「お願いします!私たちも連れてってください!」
花陽「……なにがあっても自己責任だよ。誰か助けて〜……なんて言っても、ちょっと待ってて〜……っては言わないからね」スッ
シュルシュル……
ポンッ
ポンッ
ポンッ
曜「花畑が……」
花陽「【フラワーカーペット】……妖精族秘伝の魔法の絨毯だよ。千歌ちゃんを乗せると大した距離は飛べないけど」
千歌「お手数です」
花陽「さあ乗って」
曜「っと……」トンッ
千歌「ホントに乗っても大丈夫ですか……?」
花陽「信じて♪」
千歌「……えいっ!」ドシン!
花陽「行くよ……」スッ
フワリ……
ビュウンッ!
千歌「っあ!!」
曜「うわ!!」
花陽「振り落とされちゃダメだよ!」
――――――――
――――
―― ――――――――数日前
梨子「オトノキザカを?」
果南「滅ぼす?」
花丸「そう。あの街は人間共の世界の重要な拠点の一つ。魔王様の復活に捧げる灯には充分なものずら」
果南「なるほど……♪それじゃあ、その役目は私が……♪」
梨子「待ちなさい。力だけの能無しじゃあ、そんな大それた役に相応しくないわ。花丸様、その役目……どうかこの私に」
果南「黙ってなよ負け犬」
ピリ――――――――ッ
花丸「勅命を下す」
かなりこ「!!」バッ!
オトノキザカ襲撃を命じられたのは……
安価下2
梨子or果南 花丸「果南」
果南「♪」ニッ
梨子「チッ……」
花丸「お前の力……我らが王のために振るえ」
果南「仰せのままに。【安価下1】の名に懸けて」
果南のクラスは……
安価下1コンマ
奇数→狂戦士(ベルセルク)
偶数→災害人魚(ディープマーメイド) なんでそんなクラスで山にかよちん倒しに行ったんだろ? 果南「災害人魚(ディープマーメイド)の名に懸けて」
花丸「期待しているずら」
梨子「……………………」
花丸「梨子」
梨子「っ、はっ!」
花丸「不服か?」
梨子「……いえ」
花丸「梨子……」
梨子「はい」
花丸「魔族に自己は要らないずら」 梨子「……わかっています。魔王様に忠誠を誓い、敬服し、従属することこそが私たちの使命であり幸福であると。私たちはただの"駒"であればいい……と」
花丸「わかっているならいいずら。異論という牙があるならへし折ってやろうとも考えたけれど……ならば先のことももはや咎めまい。次なる命令を待て」
梨子「はっ」
ポンッ
果南「そうヘコまないでよ。梨子ちゃんの分まで……暴れてきてあげるからさ」ニヤッ
梨子「触るんじゃないわよ……磯臭い」
果南「〜♪さーてと、行ってきまーす♪」ヒラヒラ
花丸「……………………」スタスタ……
梨子「……………………」ポツン……
梨子「……………………ッ」ギリッ…… ――――――――現在
【オトノキザカ】
果南「……………………」ザッ……ザッ……
パラパラ……
ガラッ……
果南「なんだ……これ……」
ガシッ……
果南「!」
兵士「ハァ……ハァ……」
果南「…………?」
兵士「あな……たが……」
果南「……なに?」
兵士「こ、の……街を……」
果南「……………………」ポリポリ……
兵士「よく……も……」
果南「……………………」スッ
兵士「――――――――」
ベキバキ……グシャアッ!
ピチャッ……
果南「……………………」
???「ねえ」 果南「?」フイッ
???「なにやってるの?」
果南「は?」
???「言葉がわからないの?知性が欠けてる?」
果南「そっちは礼儀が欠けてるよ。なにって、足に絡まった海藻を振り払っただけだけど?それがなに?」
???「死にかけた兵士の頭を踏み潰した感想がそれ?」
果南「だったら?」
???「同じことをされても文句は言えないって……それだけ」
果南「おもしろいこと言うね。ていうかさ……そんな高いところから見下ろすなんて失礼じゃない?」
???「だったら?」
果南「誰だか知らないけど……頭が高いって言ってるんだよ」シュンッ!
ブンッ!!
ドガァァァァァァァァ! 果南「ハハッ♪」
???「なにこれ」
果南「ッ!?」
???「キックのつもり?」
果南「片腕で……!!」
???「キックっていうのは……」
安価下1コンマ
奇数→「こうするのよ」
豹の獣人ルートへ
偶数→「こうするにゃ」
ネコの獣人ルートへ ボオオッ!
果南(紅蓮の炎……ッ!!)
???「こうするのよ」ブンッッ!
果南「ッ!!?」ミシッ……
ヒュンッ……
ドガアアアアアアアアアン! ???「……………………」トンッ
ヒュウウ……スタッ
???「……………………」
パラッ……
ドガァン!
果南「アッハハハ!!♪痛い痛いっ……腕イカれた!!♪」ブラン……
ベキッ!
ゴギッ!
果南「っはは!!♪」スッ
???(前腕を粉々にしてやったのに……。【自己治癒】と【超速再生】のスキルね……)
果南「見かけのわりにやるね……♪豹の獣人のお姉さんっ♪」ニヤッ
???「あなたが口ほどにもないだけよ。たかが医者の蹴り一つで腕が砕けるなんて、見かけのわりにヤワじゃない」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています