ルビィ「誕生花」
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ルビィには大切な人がいるの。
花丸ちゃん、大好きな友達
その花丸ちゃんの誕生日が、もうすぐ迫っている。
毎年プレゼントをあげているんだけど、今年はどうすればいいか、ちょっと悩み中。
だって、今年は花丸ちゃんがプレゼントをもらう量が増えると思うから。
中学の時は、実質ルビィだけだった。
でも今は、Aqoursのみんながいる。 特に鞠莉ちゃん辺りは凄い物を贈るかもしれない。
いつも手作りの小物をあげていたけど、それだと存在感がなさそうで。
他に何か考えなきゃ、花丸ちゃんが喜んでくれる物を。
だって、ルビィのプレゼントで一番喜んでもらいたいから。
曜「なるほど、特別なプレゼントねぇ」
でもルビィ1人じゃいい物を選べる自信がないから、話しやすい曜ちゃんに相談。 千歌「きっとルビィちゃんからなら、何でも喜ぶと思うよ」
そしてついでに、一緒に居た千歌ちゃんにも。
ルビィ「うゅ、でもそれじゃあ駄目な気がして」
曜「毎年あげてるっていう小物、今年は用意してないの」
ルビィ「一応、ブックカバーは作ったんですけど……」
文庫本サイズの、黄色い布に花丸の刺繍を施した物。
千歌「へぇ、可愛いね!」 曜「手作りでそのレベルだったら、高校生としては十分だと思うけど」
千歌「えー、でも曜ちゃん、毎年千歌に――」
曜「ち、千歌ちゃんは黙ってて」
この反応、いったいどんな凄い物をあげてるんだろう、ちょっと気になるかも。
曜「実際、気にし過ぎじゃないかな」
ルビィ「気にし過ぎ?」
曜「高校生なんだし、きっとそこまで豪華な物をあげる人はいないよ」 ルビィ「でも、鞠莉ちゃんとかお姉ちゃんは結構お金持ってるし……」
曜「でもほら、ルビィちゃん、自分の誕生日でもそこまで豪華な物貰わなかったでしょ」
ルビィ「うーん、そうだねぇ」
自分の誕生日、ちょっと思い出してみる。
確かに、プリンとか、ちょっとした裁縫道具とか、そんな感じの物だったかも。
花丸ちゃんからはシーラカンスのぬいぐるみを貰った。
とっても大事にしてるけど、実際お金にしたらそこまでの額じゃないのは確か。 曜「だから特別な物はいらないと思うよ」
ルビィ「そっかぁ」
ちょっと納得。
実際、あんまり良い物あげるとお返しも大変だもんね。
曜「それでも少し気になるなら、ちょっとした物を付け加えるとかどう」
ルビィ「ちょっとした物?」
曜「例えばほら、お菓子とか」 ルビィ「お菓子だといつもマルちゃん食べてる気が」
曜「本はどうかな。ブックカバーとセットなんていい感じじゃない?」
ルビィ「マルちゃんの読みたい本、ルビィに分かるかなぁ」
曜「むぅ、案外難しいねぇ」
千歌「じゃあ、花なんてどうかな〜」
ルビィ「花?」
千歌「ほら、花丸ちゃんだけに!」 つまらないダジャレをドヤ顔で披露する千歌ちゃん。
曜「千歌ちゃん、そのダジャレは流石にないよ……」
千歌「えー、そうかなぁ」
でもお花かぁ、いいかもしれない。
可愛い花丸ちゃんに、綺麗なお花、とっても絵になる。
ルビィ「うん、お花で考えてみます」
曜「えっ、本当に? 千歌ちゃんに気を使ってるわけじゃなくて?」
ルビィ「はい、とても良い案だと思いますよ」 千歌「そうだよね〜、エッヘン」
曜「いやいや、千歌ちゃんは絶対ダジャレが言いたかっただけでしょ」
千歌「いいんだよ、結果が出てれば」
曜「ぐっ、何も言い返せない」
わちゃわちゃとじゃれ合ってる曜ちゃんと千歌ちゃん。
相変わらず仲良しさん。
ルビィも花丸ちゃんと、この2人みたいにずっと仲良くしていたいなぁ。 ―――――
家に帰ると、さっそくお花について調べてみる。
贈り物のお花、色々可愛い候補がたくさん出てくる。
でもその中に誕生花なんてものがあるみたい。
誕生花かぁ、何だか素敵だなぁ。
特別な感じもするし、花丸ちゃん喜ぶかも 3月4日の誕生花、調べると出てきたのは白いアザレアの花。
ルビィ「わぁー」
綺麗、これいいかも。
ちょっと買うのは面倒なのかな。
だけどまだ日にちもあるし、何とかなりそう。
よし、これにしよう。
あとは念のため、お菓子も作っておこうかな。
マルちゃん、花より団子かもしれないもんね。 ※
今日はマルの誕生日。
でも学校はお休みの期間だから、お祝いはあんまり期待できないかな、なんて思ってたの。
それでも毎年、ルビィちゃんはマルのことをお祝いしてくれるから安心してたり。
だけど今年はAqoursのメンバーも一緒になって、誕生日パーティをしてくれるみたい。
嬉しいよね、色んな人に誕生日を祝ってもらえるなんて。 パーティー会場として、お呼ばれした黒澤家。
ルビィ「花丸ちゃん、いらっしゃい!」
笑顔で出迎えてくれるルビィちゃん。
花丸「ルビィちゃん!」
ルビィ「もうみんな待ってるよ〜」
ルビィちゃんに案内されて、会場の居間へ。 ルビィ「花丸ちゃん来たよ〜」
千歌「あっ、本当だ!」
駆け寄ってくる千歌ちゃん。
千歌「誕生日おめでとう、花丸ちゃん!」
花丸「ありがとう千歌ちゃん!」
善子「遅かったじゃない、ずら丸」 梨子「もう、照れてるからってそんなそっけなくちゃ駄目よ」
善子「う、うるさいわね」
曜「花丸ちゃん、おめでとヨ―ソロー!」
千歌「それは無理があるよう!」
曜「千歌ちゃんも大概なような……」
千歌「いやいや、今のは曜ちゃんと語尾のようをかけた――」 花丸「――ふふっ」
みんな盛り上がっている。
ルビィ「ご、ごめんね。いきなりこんな感じで」
花丸「ううん、この雰囲気、マルは好きだよ」
ルビィ「本当に?」
花丸「みんなお祝いしてくれてるんだもん、そりゃ嬉しいよ」 ルビィ「あ、そういえばルビィ、まだお祝いしてなかったね」
花丸「あはは、いきなり大騒ぎだったもんね」
ルビィ「じゃあ改めて――お誕生日おめでとう、花丸ちゃん!」
花丸「ありがとう、ルビィちゃん」
ルビィ「これでやっと同い年だねぇ」
花丸「うんうん、ここまで長かったよ」 ルビィ「せっかくお姉ちゃんだったのに、ちょっと残念」
花丸「うーん、でもルビィちゃんがお姉ちゃんは違和感があるかな」
ルビィ「えー、マルちゃん酷いよぉ」
花丸「……毎年、こうやって盛り上がれたらいいね」
ルビィ「大丈夫、ずっと一緒にだよ」
花丸「うんっ」 善子「ちょっとそこ、いつまでいちゃついてるのよ、パーティーが始められないでしょ!」
千歌「そうだよ、私もうお腹空いた〜」
ルビィ「ご、ごめんね」
花丸「すぐ行くよ〜」
いいなぁ、この感じ。
みんな心の底から面白そうにはしゃいでいる。
とっても楽しいパーティーになりそう。 ―――――
花丸「今日は楽しかったなぁ」
誕生日パーティーが終わり、家に帰ると、さっそく貰ったプレゼントを眺めてみる。
善子ちゃんからは変な堕天使グッズ、千歌ちゃんと果南ちゃんはのっぽパン、ダイヤさんはなんと参考書。
この辺りは凄い分かりやすいなぁ。
梨子ちゃんはしおり、曜ちゃんはハンカチ、鞠莉ちゃんは電子書籍?が読める機械。
2年生の2人はお洒落、鞠莉ちゃんのはちょっと高そうかも。 ルビィちゃんは色々な物をくれた。
手作りのブックカバーとお菓子類。
相変わらずお裁縫が上手、さっそく使わせてもらってるの
そしてもう一つ、ルビィちゃんからもらった綺麗な白いアザレアの花を眺める。
素敵だなぁ、誕生花って言ってたっけ。
そんなものがあったなんて、マルは全然知らなかったよ。 そういえば花には、花言葉なんてものもあったよね。
アザレアの花言葉はどんなものなんだろう、調べてみようかな。
スマホを開き『アザレア 白』と検索ワードを入れる。
もうすっかり機械も使いこなせるようになったもんね。
出てくる検索結果、どれどれ――
花丸「っ―――――」 なにこれ、なにこれ。
出てきた言葉は、『あなたに愛されて幸せ』、『愛を知った喜び』etc.
る、ルビィちゃん、そんなこと考えていたのかな。
もしかして、このプレゼントは遠まわしな告白!?
ど、どうしよう。
顔が真っ赤になる。
マル、明日から恥ずかしくてルビィちゃんの顔をちゃんと見れないかも…… 最後までお付き合いいただきありがとうございました
花丸ちゃん、お誕生日おめでとうございます 感動した!
短編でいいんやで
それがSSなんだから 可愛いなあああ
おつかれです。まるちゃんおめでとう! ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています