ルビィ「まんまるマルちゃん」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
花丸「はぁ〜、美味しいずら」
のっぽパンをほおばり、幸せそうなマルちゃん。
花丸「やっぱりのっぽパンは最高だよねぇ」
ルビィ「もう、ほどほどにしないと太るよ」
ただでさえご飯をたくさん食べるのに、のっぽパンを間食に食べ続けているのだから心配になる。
花丸「大丈夫だよ、マルは太りにくいし」
根拠なんてないはずなのに、マルちゃんは妙に自信満々。 ルビィ「まあ、スクールアイドルの練習もしてるもんね」
中学の時から、今ほどではないけどよく食べる子だった。
きっと食べても、運動することで解消されるはず、なのかなぁ。
善子「いや、ちょっと待ちなさい、ずら丸」
花丸「善子ちゃん?」
善子「体重は計ってるの? 私には心なしか太ったように見えるんだけど」
ルビィ「!」 花丸「そうかなぁ、そんなに変わらないと思うけど。ねっ、ルビィちゃん」
ルビィ「ピギッ」
答えにくい質問を振らないで欲しい。
善子「ほらルビィ、正直に言っちゃいなさいよ。そうしないとずら丸の為にならないわよ」
ルビィ「う、うゅ……」
それは分かっている、分かっているけど――。
ルビィ「る、ルビィはそんなに変わってないと思うよ。たぶん大丈夫なんじゃないかなぁ」
とりあえず親友に対する気遣いの方が勝った。 実際、見た目的にはそんなに変わってないし、まだまだ大丈夫なはず、だと思う。
花丸「ルビィちゃんもこう言ってるんだし、問題ないずら」
善子「そ、そんなはずないわよ!」
花丸「善子ちゃんが気にし過ぎなんだよ〜」
善子「あんたねぇ……」
ギランとルビィのことをにらんでくる善子ちゃん。
目で『ごめんね』と謝るけど、ちょっと怖い。 ルビィ「ま、まあ、善子ちゃんも心配してくれてるんだし、マルちゃんもほどほどにね」
花丸「ルビィちゃんがそういうなら、一応意識はしてみるよ」
多分止まらないんだろうなぁ。
意識した程度で抑制できる食欲ではないことはよく知っている。
善子「知らないわよ、取り返しのつかないことになっても」
花丸「別にマルは太っても構わないから問題ないよ」
ルビィ「マルちゃん、ルビィたち一応アイドル……」 ※
曜「花丸ちゃん、あと3周だよ!」
花丸「よ、曜さん、ちょっと待って……」
あの時、なぜルビィはマルちゃんを止めようとしなかったのか。
果南「頑張って、曜と私は、本当はもうノルマ分走り終えてるんだから」
花丸「い、一緒にしないでほしいずら……」
あれから一か月。
放課後の練習前、マルちゃんは走っていた。 理由はダイエットの為。
曜さん曰く、既に体重やウエストが限界値を大きくオーバーしてしまったらしい。
一緒に衣装を作っているルビィから見てもその悲惨さはあきらか。
流石に庇いようがなかったのだ。
善子「だ、だから私は言ったのよ」
ルビィ「うゅ、ごめんね善子ちゃん」
そして曜さんが何故か連帯責任と言いだして(千歌ちゃん曰く理由を付けて自分も走りたかっただけ)、マルちゃんだけではなく、Aqours全員で走ることに。
その結果、やや体力不足の善子ちゃんは地面に寝転がり、見事に堕天していた。 善子「まあ強く言わなかった私も悪かったけど」
ルビィ「でも、仕方ないよ……」
善子「そうよね、まさかあそこまでとは思わなかったし……」
これまでマルちゃんのお腹は、胸のおかげで多少誤魔化せていた。
でも今は顔が星のカー○ィみたいにまん丸になってしまっていて、もうどうしようもない。
スクールアイドルとして流石に許容できないレベル。
ルビィ的には、今のまんまるマルちゃんは凄く可愛いと思うんだけどなぁ
感触もぷにぷにしていて最高だし。 花丸「……」
善子「ね、ねえ、ずら丸なんかこっちの方見てるんだけど」
ルビィ「う、うん」
フラフラと曜さんの後に続きながら、じっと見つめてくるマルちゃんの目は、明らかに私たちに助けを求めている。
善子「まあ放っておくしかないわね、身から出た錆だし」
ルビィ「そうだねぇ」
助けてあげたい気もするけど、曜さんと果南さんが走るのを止めてくれるとは思えない。
何よりもお姉ちゃんが『自己管理がなってませんわ!』とお怒りなので、ルビィにはどうしようもないから。 善子「というか、これってずら丸が元の体型に戻るまで続くのかしら……」
ルビィ「うゅ、想像もしたくないよ……」
何カ月もかけて太った分が戻るのはどれぐらい先なんだろう。
ただでさえきつい練習に加えて毎日これ、ルビィの身体、持つのかな。
善子「間違っても甘やかさないようにするわよ。そうしないと私たちが持たないわ」
ルビィ「う、うん」
可哀想だけど、これもマルちゃんのためだもんね。 ※
花丸「うぅ、辛いずら……」
ダイエット開始から1週間、マルちゃんは落ちない体重と食欲に苦しんでいる。
花丸「お腹空いた、のっぽパン食べたい……」
一緒に帰ってる間も、最近はずっとこんな感じ。
ルビィ「ま、マルちゃん、大丈夫?」 花丸「大丈夫じゃないずら……」
心なしかずらもいつもより多いかも。
花丸「あぁ、何だかルビィちゃんが美味しそうに――」
ルビィ「ほ、ほら、きっともうちょっとの辛抱だから、がんばルビィだよ」
花丸「ルビィちゃん〜」
抱きついてくるマルちゃん。
弱っているせいか欲望に忠実になっていて、ちょっと可愛い。 花丸「ねえルビィちゃん、何か食べ物持ってない?」
ルビィ「飴ぐらいなら持ってるけど」
花丸「内緒でくれない? もうマルは限界だよ……」
ルビィ「だ、駄目だよ! 我慢しなきゃ」
ここであげたらダイエットの意味がない。また善子ちゃんに怒られちゃう。
花丸「お願いルビィちゃん! 飴ぐらいならそんなに変わらないと思うから」
ルビィ「うーん、確かにそう言われると……」 確かに飴の1つや2つでそんなに変化があるとは思えない。
今のマルちゃんは本当に辛そうだし、親友として何もあげないというのは忍びないし――
ルビィ「わかったよ、1つだけね」
ポケットから飴を取り出し、マルちゃんに渡す。
花丸「ありがとうルビィちゃん! 大好きずら!」
受け取ると同時にパッとほおばるマルちゃん。
こんなに喜んでくれると、ルビィまで嬉しくなってくる。 ルビィ「みんなには内緒だからね」
コクコク頷きながら抱きついてくるマルちゃん。
ううん、可愛いなぁ。
それにやっぱり、プニプニして気持ちいい。
マルちゃんに食べ物をあげるの、癖になりそう。
明日も何か持ってきてあげようかな。
ちょっとぐらいなら、ダイエットの邪魔にもならないよね、きっと。 ―――――
曜「おかしい……」
私は目の前に出ている数字が信じられなかった。
善子「どうしたの、曜さん?」
曜「あ、善子ちゃん」
善子「ヨハネーーって何よそのメガネ」
曜「パソコン見るからかけてるだけだよ」 今日は練習もないし、コンタクトも上手く入っていなかったので外してしまった。
善子「曜さんって目が悪かったの?」
曜「少しね」
一応裸眼でも問題はないレベルだけど、矯正器具があるに越したことはない。
善子「始めて見たわ、眼鏡かけてるとこ」
曜「そういやそうだっけ」
確かに外でかけるのは珍しいかもしれない。あんまり可愛くないから人に見せたくないし。 善子「結構似合ってるじゃない」
曜「そうかな? 自分ではそこまで好きじゃないんだけど」
善子「私は好きよ、新鮮だし」
曜「えへへ、照れるね」
眼鏡を褒められたのは初めてなので、少し嬉しい。
善子「まあメガネはともかく、何があったのよ」
曜「あ、そうそう。これなんだけど」
私は善子ちゃんにパソコンの画面を見せる。
口で説明するよりその方が速い。 善子「何よこの数字?」
曜「一応、花丸ちゃんの体重」
善子「えっ、だってこれ――」
曜「そう、ダイエット開始前から変わってないどころか少し増えてるんだよね……」
ダイエット開始から1か月、当初の想定ではある程度は元に戻っているはずなのに。
善子「おかしいじゃない、あれだけ運動して」
曜「まあ一応、身体を動かすだけだと短期間で大きな効果は期待できないんだけどね」 善子「でもお家の人にも協力は頼んであるんでしょ?」
曜「うん、学校では私たち、登下校はルビィちゃんがいるから間食もできないはずなんだけど……」
最初は部屋に貯めておいたお菓子ぐらいは食べられるかもしれない。
でも監視された状況で買い足すのは難しいはずだし、人の目を盗むにしても限界があるはず。
善子「ダイエット方法に問題があるとか?」
曜「その可能性も少しはあるけど、過去に何度か千歌ちゃんで試して痩せた方法だから、まったく効かないってことはありえないと思うんだよね……」
Aqoursの普段の練習も加味すれば、普通の運動部より多いかもしれない運動量。
食事制限まですれば、効果がないはずないんだけど……。 曜「考えられるのは、誰か協力者がいて、人の目を盗んで何かを食べてるとか」
善子「確かにその可能性は高いわね」
曜「でもお家の人も花丸ちゃんの体重増加には苦慮してたから、原因とは考えにくい」
ただでさえお寺で厳格な家だ。
ついでに、大量に食べることによる食費問題にも悩んでいたらしいし。
善子「学校ではAqoursのみんなが複数で見てるしね」
曜「少なくとも、連帯責任を嫌がっている善子ちゃんが協力するとは思えないし」
善子「知ってたのね……」 曜「そりゃねぇ、可愛い後輩のことぐらいお見通しだよ」
時々ルビィちゃんに愚痴ってるの聞こえてたし。
善子「それなら止めてくれてもいいじゃない」
曜「それはまた別問題だからさ」
善子「可愛い後輩のお願いでしょ?」
曜「だーめ」
善子「むぅ」
曜「まあともかく、そうなると残っているのは――」 ※
善子「居たわよ、曜さん」
曜「おお、でかしたよーしこー」
善子「ヨハネよ」
曜「ヨーハネー」
善子「貴女は最高ね」
翌日の放課後、私と善子ちゃんは下校するルビィちゃんと花丸ちゃんの後をつけていた。 曜「まさか本当にコンビニに来ているとは」
一緒のバスに乗ってはバレてしまうので、行先を予測して自転車で先回りしていたのだ。
途中善子ちゃんがバテて休憩したりもしたけど、ちゃんと見つかって良かった。
善子「本当にって、根拠はあったんでしょ」
曜「いや、勘だよ」
善子「貴女ねぇ――でも寄り道ってことは、買い食いでもしてるのかしら?」
曜「その可能性は高いね」
念のため見つからないように、外から2人を見守る。 善子「中の様子は見える?」
曜「全然、動き的に色々買っているのは分かるけど」
私の手元には、証拠を押さえるためのビデオカメラと、善子ちゃんのお団子。
善子「ねえ、さっきから何で私の髪を触ってるのよ」
曜「可愛いなぁって思って」
善子「離しなさいよ! セットするの意外と大変なんだから!」
曜「ほら、2人が出てくるよ」
善子「誤魔化さないで――」 言葉に詰まる善子ちゃん。
無理もない、コンビニから出てきた2人が抱えていたのは、大量に食べ物が入った袋。
曜「……アウトだね」
善子「ええ、完全にフルハウスね」
もはや様子を見るまでもなさそう。
でも言い逃れできないよう食べている証拠が欲しかったので、隠れたまま撮影を続ける。
善子「ルビィを信用した私が馬鹿だったわ……」
曜「花丸ちゃん側ばっかり言われるけど、ルビィちゃんも大概花丸ちゃんに甘いもんね……」 コンビニの裏に座り込み、堂々と食べ物の封を切り始める2人。
善子「ああ、もう我慢できないわ」
曜「お、落ち着いて。まだ花丸ちゃんが食べたわけでは――」
ルビィ「マルちゃん、あーん」
花丸「あーん」
アイスを食べさせてあげるルビィちゃんと、恥ずかしげもなくそれを口にする花丸ちゃん。 曜「なにあれ」
善子「まるでカップルね」
曜「いまどき恋人にだってあそこまでしないよ……」
甘々すぎてドン引きだ。
ルビィ「どうマルちゃん? 美味しい?」
花丸「ルビィちゃんが食べさせてくれるおかげで美味しさが何倍にもなるよ〜」
ルビィ「うゅ、嬉しいなぁ」 もちろん ぜんぜんにてないんだけど ほかのかな みせられるんdなよな じえん みせにくるから
よのなかってかちぐみだけでまわっているんだろうなー
で ざんねんは おこぼれで つくってもらたしごとで ていちんぎんで かなーくらい ワシ根性ないし努力しないからな自分が悪いけどそうとう 花丸「今度はマルが食べさせてあげるね〜」
ルビィ「うん!」
……。
曜「ねえ善子ちゃん、もう放っておこうか」
善子「駄目よ」
曜「いや、でもさ」
善子「ごちゃごちゃ言ってないで行くわよ!」
飛び出していく善子ちゃんと、彼女に引っ張られる私。。 善子「ルビィ! ずら丸!」
ルビィ「ピギッ!」
花丸「ずらっ!」
よほど驚いたのだろう、思わずアイスを落とし、ビックリした顔で私たちのことを見る2人。
ルビィ「よ、善子ちゃん。どうしてここに――」
善子「そんなのどうでもいいでしょ! 何をしてたか分かってるの!?」
一瞬にして崩壊した、甘々な空間。
花丸「な、なんのことかわからないずら」
手にお菓子類が入った袋を持ったまま、全く説得力のない言い訳をする花丸ちゃん。 善子「あんた達ねぇ」
善子ちゃんは完全にお怒りだ。
本来ならば私も先輩として怒るべきところなんだろうけど、堕天使ちゃんの怒りが強すぎるから様子見
善子「あれだけ間食するなって言ったじゃない!」
ルビィ「ご、ごめんなさい。ルビィが悪いの、ついつい食べさせちゃって……」
善子「あんたはいいわよ、任せた私の所為でもあるし」
善子ちゃんの目線は花丸ちゃんに向いている。 しかしルビィちゃんとは違い、花丸ちゃんは怯える様子もない。
花丸「ふふ、甘いね善子ちゃん」
善子「はい?」
花丸「マルの食べることは、善子ちゃんの堕天使や曜ちゃんの水泳と同じようなもの、アイデンティティなんだよ!」
ようよし「「……」」
何を言っているんだろう、この子は。
花丸「だからマルは食べ続けて、ぽっちゃり系アイドルを目指すことに――」
ようよし「「開き直るな!」」 ※
結局花丸ちゃんが痩せるまでさらに2カ月を擁した。
最初はやる気のなかった花丸ちゃん。
しかし痩せるまでルビィちゃんと一緒に帰れないという条件を突きつけると、ちゃんとと努力をするようになった。
その程度で真剣になるなら、最初からこうすればよかったなぁ。
Aqoursは連帯責任の効果もあってか、以前よりもキレのあるダンスと歌を披露できるようになり、それなりに世間的な評価を上げた。 その後、「結果オーライだね!」と花丸ちゃんが言って、善子ちゃんに凄く怒られたのはご愛敬。
ただ痩せてからも、ルビィちゃんが変な世界に目覚めた所為で、隙あらば花丸ちゃんを太らせようとするようになったので大変だ。
本人曰く『だってまんまるなマルちゃんは可愛いから』ということらしい。
花丸ちゃんの卒業まであと2年以上。
果たしてあと何度、まんまるマルちゃんになるのか。
善子ちゃんに同情しつつも、私は心の中で考える。
次の連帯責任はいつできるのかな、楽しみだな、なんて。 もんじゃのシリアスなルビまるようよしようちかも好きだけどこういうのもイイね! 面白かった
デブは自制きかないから本当見ててイライラするよな かわいかった
飴のあとエスカレートしてコンビニになったんじゃろ パクパク食べてくれるのカワイイよね
親鳥さん気分になれる(理事長じゃないよ!) 甘いものばかり食べるから
のっぽパンの代わりにサラダチキンでも食べとけば太らない 二期とか全然見てないけどこんなクズになったのずら丸 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています