穂乃果(45)「どんなときもずっと」【SS・Part3】
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“あいどる”「………」
コツ…コツ…
あんじゅ「……あっ……あの、“あいどる”……」
英玲奈「……“あいどる”のご命令どおり、ウィルスを散布する円盤を発進させました」
“あいどる”「そう……ありがとう」
あんじゅ「あ、あの…」
“あいどる”「なに?」
あんじゅ「わ、私たちは…助かるんですよね?…本当に…」
“あいどる”「……私を信じ、私を愛する者だけが救われる」
あんじゅ「はい…」
“あいどる”「…別にいいよ、μ's側につきたければついても」
あんじゅ「い、いえ…!そんなこと…!」
“あいどる”「ま、私がいないμ'sについても未来はないけどね…」 ダダダッ!
親衛隊隊長「報告ッ!」
英玲奈「どうしたんだ…そんなに急いで?」
親衛隊隊長「木皿博士が室にこもってしまい…」
英玲奈「なっ…!なに…!?」
“あいどる”「いいよ、どうせロボットもコントローラーも私が持ってるんだし」
“あいどる”「好きにやらせておけば?」
親衛隊隊長「しかし…」
“あいどる”「…これは私とμ'sの戦いだからさ、君たち部外者は黙っててよ」
親衛隊隊長「……え」
“あいどる”「ふふっ、どうする穂乃果ちゃん…いや」
“あいどる”「穂乃果…」 ・
・
・
サァァァ…
男「げっ…!なんだよ…雨か?」
女「あっ…先輩、見てください、上!」
男「はっ…?上…?」スッ
男「…なんだありゃ…円盤…?」
幼女「わぁぁ!UFOだ〜!」
ダダダッ!
海未「逃げてください!」
女「え?」
海未「それは雨なんかじゃなくて…!」
男「ぐっ…!?ゴェッ!…んっ!!コパァ!!」ブシャッッッ
女「ひっ…!」 サァァァ…
女「うぷっ…!」
女「いや…なに…!?なに…!?」
女「……うぐっ!!」 ブシャッッッ
幼女「……!!」ピチャッ…
海未「……ッッ」
幼女「うっ…」
幼女「うぇぇぇぇん…!」
サァァァ…
海未「…ッッ!」ダダダッ
ガシッ!
幼女「…!」
海未「……ッッ、大丈夫ですか?」
幼女「う、うん…!ありがとう、おばちゃん!」
海未「皆さんもここは危ないので早く逃げてください…!」
都民「わ、わかった…!」
凛「秋葉ドームに向かってください!」
海未「あなたも…さぁ…」
幼女「うん!本当にありがとう、おばちゃん!」フリフリ
海未「はい…」フリフリ
海未「…ふぅ」
凛「海未ちゃん、凛たちも早く行こ」
海未「えぇ」 ・
・
・
-愛民党総本部-
海未「……」スタスタ
親衛隊隊長「く、来るなッ!」スチャッ
親衛隊A「取り囲め!」
親衛隊B「殺せ!」
海未「……もう」
親衛隊隊長「…ッッ!?」
海未「……もうやめにしましょう」
親衛隊C「な、なにを言っている…!?」
親衛隊D「わ、我々は…最後まで“あいどる”を守り抜くッ!」
海未「………」 海未「あなた達も、もう“あいどる”の真意はわかったのでしょう…?」
親衛隊隊長「………」
海未「なら、私たちが争ったところで、なんの意味もないということがわかるはずです」
親衛隊隊長「……ッ」
親衛隊A「くっ…!すぐにあんじゅ様に連絡を!」
海未「やめてください!」
親衛隊A「…ッ!?」
海未「あなた達も…大変だったんですよね…でも…もういいんですよ」
親衛隊A「……くっ」
海未「みんな、本当は馬鹿げた事だって思ってましたよね…」
海未「でも、言い出せなくて…言いたいけどグッとこらえて…」
海未「でも、もういいんです…」
親衛隊隊長「………」 親衛隊隊長「……うぅ」
親衛隊A「う、うぅ…」
親衛隊B「ああぁ…」
親衛隊C「くっ……」スッ
親衛隊D「もう……いいんだ……俺たち……うぅ」
海未「はい…もう、いいんです…」
ダダダッ!
凛「海未ちゃ〜ん!」
海未「凛、どうでした?」
凛「うん!他の階もみんな、無抵抗で制圧したよ!」
海未「ホッ……そうですか……」
海未「………花陽は?」
海未「花陽はどこですか……!?」
凛「えっ…海未ちゃんと一緒なんじゃ…!」
海未「…ッッ!?」 ダダダッ!
凛「ねぇ、海未ちゃん!絵里ちゃんはどうするのっ!?」
海未「絵里のことはにこに任せています!私たちは…!」
スチャッ…
海未「…!」
あんじゅ「うふふ……よく来たわね」
英玲奈「……」
凛「A-RISE…!」
海未「……花陽はどこですか?」
あんじゅ「うふ、知らないわよ……」
凛「ッッ、とぼけないで!なら、かよちんはどこに…!」
サッ…
凛「……!」
海未「……」
凛「海未ちゃん…?」 海未「お二人とも…やめましょう、私たちが戦う理由はないはずです」
海未「いい加減に目を覚ましてください」
海未「いえ…もう本当は覚めているんじゃないんですか?」
海未「ただ…もう、後戻り出来ないと思ってこんな事を…」
あんじゅ「あは……妄想も大概に……」
英玲奈「あんじゅ…もうやめよう…」
あんじゅ「は…?」
英玲奈「“あいどる”はもう…私たちのことなど…」
あんじゅ「いや…え…?な、なに言ってるの、英玲奈…あなたもツバサみたいになりたいの…!?」
英玲奈「……すまん」
英玲奈「」スタスタ…
海未「………」
英玲奈「………」
凛「……むぅ」プクー
海未「凛…」
凛「海未ちゃんは甘すぎるにゃ…」
海未「……寛大になるんです」 海未「さぁ…あなたも…早くこちらに…」
海未「穏便に済ませませんか…」
あんじゅ「うるさい…」
海未「えっ…」
あんじゅ「うるさいわよぉっ!!」
バキュンッッ!
海未「……!」
凛「ッッ!」バッ!
海未「…ぐっ!」ドサッ
凛「海未ちゃん、大丈夫ッ!?」
海未「え、えぇ…ありがとうございます、凛…」
英玲奈「あんじゅ、やめろ!もう…!」
あんじゅ「全部…全部、計算通りなんだから…ハァハァ…」
あんじゅ「次は当てるわ……」
海未「……お願いします、私はもうこれ以上……犠牲を出したくないんです」
あんじゅ「……ハァハァ」 あんじゅ「私にとって“あいどる”は全て…私と“あいどる”がやって来たことを誰にも否定させないわッ!」
海未「……ッッ、あなたも“あいどる”の本心がわかったでしょう!?」
海未「あなたほどの人があの様な人間に入れ込む意味がわかりませんッ!」
あんじゅ「あの人が気づかせてくれたの…!」
あんじゅ「そう…ラブライブで優勝するよりも、プロのアイドルとして活躍するよりも…大事なことを…大切なことを…」
海未「大切なこと…?」
あんじゅ「もう止められない…止まらないわ…」
あんじゅ「私も…彼女も…」
海未「冷静になってください、今引き返せば…まだ救える命があるんですっ!」
あんじゅ「………」 英玲奈「………」
英玲奈「」ダッ!
あんじゅ「…!?」
凛「あっ…!」
海未「なっ…!ま、待ってくださいっ…!」
あんじゅ「いや…いやあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」バキュンッッ
ブシュッ
英玲奈「ぐっ…!」
海未「まずい…!」ダッ
凛「海未ちゃんッ!」
あんじゅ「いや、来ないで!」バキュンッッ
海未「……ッ!」サッ
あんじゅ「うっ…!」
ガッ!
あんじゅ「あっ…!」
海未「やぁっ!」バッ
あんじゅ「あっ!」クルンッ
ドサッ!
あんじゅ「ぐふっ…!」 海未「ハァハァ…母上から教わった…古武術です」
海未「……少しの間、拘束させてもらいます」
海未「あまり手荒な真似はしたくなかったんですが…」
あんじゅ「うっ…うぅぅ…」
海未「少しは…頭も冷えるでしょう…」
あんじゅ「や…いや…」
英玲奈「……ぐっ」
海未「大丈夫ですか?」
英玲奈「あぁ、かすっただけだ…平気だ…」
凛「」スタスタ
海未「凛…」
凛「…ねぇ、かよちんはどこ?」
あんじゅ「ふふ……ふふふ」
凛「……なにを……笑ってるの?」
あんじゅ「あなた達の…想像のつかないところよ…」
凛「え…?」
海未「………」
あんじゅ「うふふ、教えてあげましょうか…?」 ・
・
・
絵里「……おかしいわね」
虎太郎「え?」
絵里「さっきから看守1人だって見当たらない…親衛隊の人間も右往左往してたし…」
絵里「何かあったのかもしれないわね…」
虎太郎「何かって…?」
絵里「もしかしたら、今日は8月3日かもしれないわ…」
絵里「……だとすると」
タッタッタッ…
絵里「!」
虎太郎「ッッ!誰か来るよ!」
タッタッタッ! にこ「みんな、無事…!?」
絵里「にこ!」
虎太郎「お姉ちゃん!」
にこ「絵里、良かった無事ね…!って…え、虎太郎!?」
にこ「と、とにかく…みんな早く逃げなさい!」ガチャリ
にこ「秋葉ドームに行くのよ!」
「ありがとうございます!ありがとうございます!」タッタッタッ
絵里「……にこ、上はいったいどうなってるの?」
にこ「どうしたもこうしたも…大パニック、阿鼻叫喚、まさに地獄絵図よ」
絵里「じゃあ、やっぱり今日が…」
にこ「えぇ、8月3日よ…」 虎太郎「でもなんで秋葉ドームなの?」
にこ「そこが1番安全なんじゃないかって言った子がいてね…ライブをしてるのよ」
絵里「…秋穂ね?」
にこ「えぇ…あの子はあの子なりに色々考えたのね」
虎太郎「なら、僕たちも早く秋葉ドームに!」
にこ「待ちなさい虎太郎、行くなら1人で行くのよ…私はやることがあるの…」
絵里「やること…?」
にこ「地上では円盤が空からウィルスをばら撒いてるの」
にこ「その円盤を止めないと、話にならないわ」
絵里「ウィルスをばら撒く円盤…その製作者って」
にこ「木皿博士よ、ここにいるはずなんだけど…」
絵里「この広い施設のどこにいるかなんて…見当もつかないわね…」 虎太郎「木皿博士……あっ、僕会ったことあるよ!」
にこ「なにそれ本当!?」
虎太郎「うん!僕がここに連れてこられたとき、なぜか匿ってくれたんだ…」
虎太郎「いろいろ喋ったりもして…」
虎太郎「そうだ、確か僕の名字を当てたんだ…」
絵里「……おそらくそれは当てたんじゃなくて知ってたのね」
にこ「どういうことよ?」
絵里「行けばわかるわね…」
虎太郎「とにかく、その人のおかげで僕は牢屋送りで済んだんだ」
虎太郎「案内するよ、来て!」ダダッ
絵里「行くわよ」
にこ「えぇ…!」 タッタッタッ、ピタッ…
虎太郎「ハァハァ…ここだよ」
絵里「……」
ウィーン
にこ「勝手に開いた…」
スタスタ
木皿「ようやく来たか」
にこ「……ッッ!」
にこ「……木皿博士ね」
木皿「いかにも、私が木皿だ」
木皿「君たちを待っていた」
にこ「待っていたって…なんでよ」
木皿「“あいどる”に対抗する戦士が必要だからな、私は戦闘要員ではないのだよ」
にこ「………」 にこ「というか、そんな事より…!」
絵里「」ダッ
にこ「え…ちょっ、絵里…!」
ガシッ!
木皿「…ッッ!?」
にこ「え、絵里!何してんのよ!」
絵里「分からないのにこ…?この男のせいで秋穂と穂乃果は引き離されることになったのよ…?」
木皿「は、離せっ…」
絵里「いや、穂乃果たちだけじゃない…私たちだって…」
にこ「……私だって憤りを感じるし、気持ちもわかるわ」
にこ「でも今は怒りをぶつけてる場合じゃないの…」
にこ「そのことを1番理解してるのは絵里、あんたのはずでしょ?」
絵里「………」
木皿「〜〜!!」
絵里「……」スッ
木皿「ゲホッ…ゲホッ…ふぅ…」 木皿「まったく…初対面で失礼な女だ…」
絵里「なっ…!なんですってぇ…!」
にこ「絵里ッ…!」
絵里「……ッッ!(なんなの、こいつ……!!)」
虎太郎「ま、まぁまぁ…」
木皿「私がいなければ君の弟は殺されてたかもしれないんだぞ?」
にこ「その件については感謝するわ、でも無条件でうちの弟を助けたわけじゃないんでしょ?」
木皿「その通りだ、さっき言った通り私は戦士を探している」
木皿「君たちは“あいどる”に対抗するには、うってつけの戦士だからねぇ」
にこ「そういうことなら、弟のことも恩着せがましく言わないでちょうだい」
木皿「ぐっ…」
木皿「ま、まぁいい…君たちに断る権利はないからな」
にこ「御託はいいから早くあの円盤を止める方法を教えなさいよっ!」 木皿「まぁ、落ち着きたまえ…少し話をしよう」
にこ「なに言ってるのよ…私たちは一刻も早くあの円盤を止めないとダメなの、わかる?」
絵里「そうよ、あなたの話に付き合ってる時間はないわ」
木皿「あの円盤を止めることは可能だ」
木皿「ここにある爆破スイッチを押せば木っ端微塵だよ」
木皿「だが、いかんせんスイッチの射程圏が短くてね」
木皿「あの円盤が低空で飛行をするときしか効果はないんだ」
木皿「しかも、あの円盤が低空飛行をするのは一度だけだ」
にこ「設定をしたのはあなたでしょ?なんで一度だけなのよ…」
木皿「一度でもあるだけ感謝してほしいものだ」
木皿「…特殊な設定には大義名分がいるだろう?」
木皿「第一波から逃れた都民をピンポイントで殺すという体だ」
木皿「…その低空飛行までにはまだ時間がある」
木皿「どうだ?暇つぶしに私の話を聞かんかね?」
絵里「……ッ」 木皿「私も最初は乗り気じゃなかったんだ、だが…娘を“あいどる”に誘拐され…仕方なしにロボットの製作を始めた」
にこ「娘…」
絵里「昔、穂乃果に赤ん坊だった秋穂を預けたっていうあの子ね…」
木皿「“あいどる”は私に予算を…時間を…そして意欲をくれたッ!」
木皿「私も科学者だ…好きなものを作らせてもらえて、楽しかった…」
木皿「だが…娘が“あいどる”に粛清されて…ようやく目が覚めたよ」
にこ「……2020年のあの血の大晦日、たくさんの人が死んだ……」
にこ「あんたは大勢の人間を殺したのよ…?それをわかってるの!?」
木皿「違うッ!殺したのは殺人ウィルスだ!」
絵里「…なんて屁理屈を…」 木皿「……私はウィルスの輸送機を作ったにすぎん」
絵里「……はぁ」
にこ「……今回はロボットは作っていないの?」
木皿「作ったが“あいどる”に横取りされてしまってな、手元にはない」
絵里「おかしいわね…」
木皿「……?」
絵里「ウィルスを撒くだけなら円盤で事足りるはずだわ、なぜロボットを作る必要があるの?」
木皿「ふふ、鋭いな小娘…」
絵里「………」
虎太郎「こ、小娘…」 木皿「今回ウィルスを撒くのは円盤の仕事だ!」
木皿「ロボットの胴体には中性子爆弾が搭載されている」
絵里「…ッ!?」
虎太郎「中性子爆弾?」
木皿「あぁ、血の大晦日での大爆発……あれの50倍の威力があるんだ……」
虎太郎「50倍ッ…!?」
木皿「それに加えて、今回のロボットは血の大晦日のような出来損ないとは違う」
木皿「時間も資金も大量につぎ込んだからな」
木皿「完璧な二足歩行を完成させ、スピード、パワー、あらゆる性能と能力を上げさせた」
絵里「……なるほど、理解したわ」
木皿「そうだろう」
絵里「えぇ…あなたが狂人っていうことをね」
木皿「……ふん、小娘にはこのロマンがわからんか」 にこ「というか、その事を嬉々として話すのはいいけど…その中性子爆弾の作動ボタンやロボットのコントローラーはもちろん持ってるのよね?」
木皿「何を言っている?話を聞いていなかったのか」
にこ「は…?」
木皿「さっき言っただろ、“あいどる”に横取りされたと」
にこ「な、なにそれ…」
虎太郎「奪われたのに…なんでそんなに嬉しそうなんだろう…」
木皿「ククク…傑作を作ったからだよ!」
木皿「科学者として鼻高くてねぇ…!」
にこ「……ドン……引き……なんだけど」
絵里「科学者としては優れてても…」
にこ「人としては最低も最低ね…」 木皿「“あいどる”は東京、日本、世界の順に滅ぼし、残った従順な人間と楽しく過ごすそうだ」
虎太郎「…でも、人を殺すってだけならウィルスでいいんじゃないの?中性子爆弾って必要かな?」
絵里「虎太郎くんの言う通りだわ、何の意味があるの?」
木皿「君たちは知っているか?今、東京の街並みは2010年を再現しているらしい」
木皿「もちろん2010年以降火事で燃えた家や、地震で倒壊した店も全て復元し、再現させた」
にこ「…なんのためにそんな事を?」
木皿「あの時代が“あいどる”は好きだそうだ」
木皿「そう、あのスクールアイドルがせめぎ合い、ラブライブが盛んだった…あの時の『今』が好きだそうだ」
絵里「……」
木皿「あの時の『今』を自らの手で破壊する事によって、それは自身の中で永遠になる」
木皿「要は“あいどる”は時が進んで欲しくないんだな」
にこ「……私たちμ'sはあの時の『今』を受け入れて、前に進んだ」
絵里「“あいどる”はあの時の『今』が好きで、動いて欲しくないというの…?」 木皿「さて、そろそろ時間だ」
木皿「で、誰が行くんだ?」
にこ「そんなのにk」
絵里「私が行くわ」
にこ「!?」
絵里「任せてにこ、私なら大丈夫だから…」
にこ「絵里……あんた……」
絵里「ま、にこはこういう危険なの慣れてないでしょ、私がやったほうがいいわ」
にこ「……下手なうそ」
にこ「虎太郎やこころたちのこと気にしてくれてるんでしょ」
にこ「にこに何かあったらって…」
絵里「……流石にこね、全部お見通しか」
にこ「………」 絵里「私はもう人が死ぬのは見たくないの」
絵里「亜里沙の訃報を聞いた時の…あの感じ…」
絵里「もう二度と味わいたくない…」
にこ「……あんたがやる必要があるの?にこでも……」
絵里「にこ、私ね…人を失うってことが1番怖いことだと思うの」
絵里「……私、にこを失いたくないからっ!」
にこ「………」
虎太郎「おぉ…///」
にこ「もうっ、バカ…」
にこ「そんなのにこだって一緒だからっ!」
絵里「ふふっ……」
にこ「ふんっ……」
にこ「……危険よ?射程圏内に入らないと爆破出来ないんだからね?」
絵里「えぇ」
にこ「ウィルスがかかるかもしれないのよ?」
絵里「覚悟の上よ」
にこ「………」 にこ「……信じるわよ」
絵里「ありがとう…にこ」
木皿「決まったか?」
絵里「えぇ、私が行くわ」
木皿「そうか…これが爆破スイッチと連絡用の無線機だ」スッ
絵里「」パシッ
木皿「頼んだぞ、“あいどる”に目にものを見せてやるんだ」
絵里「……あなた、根っからの悪人じゃないのね」
木皿「なんだ、急に……」
絵里「いえ……別に、なんとなくよ……」
絵里「じゃあ、行ってくるわね」
にこ「……絵里」
絵里「……なに?」
にこ「……死ぬんじゃないわよ」
絵里「ふふっ…ハラショー!もちろんよ!」ダッ
タッタッタッ…
にこ「……んもぅ、ホントあの子は……」
虎太郎「……クスッ」 ずっと立てようと思ってたのに間延びしてしまって申し訳ないです。
最後までやると約束もしてましたし、ここまで来たら書ききりたいと思います。頑張ります。 帰ってきてくれてありがとう。ずっと待ってた。
期待してます。 ・
・
・
ワイワイ…
「早くワクチンをくれッッ!」
「ゲホッゲホッ…うちの子供を先に…!」
ことり「お、落ち着いてください!ちゃんと全員分ありますから〜!」
京極「想像以上の人だかりですね…」
真姫「えぇ、猫の手も借りたいくらいだわ…」
真姫「ことり!」
ことり「っ!どうしたの真姫ちゃん?」
真姫「予防のために来た人は後回しにして、重体患者へ優先的にワクチンを渡して!」
ことり「うん!わかった!」
「もう一つのワクチン受取場所はとてもじゃねえが割って入れなかったよ…まったく…」
真姫「…雪穂ちゃんたちの方も大変そうね…」
京極「そうみたいですね…」 Aqours「Oh yes, Doki-Doki Sunshine Oh yes, Doki-Doki Sunshine♪」
「イェーーーイッッ!!」
「ヒューヒュー♪」
「いいねぇ、盛り上がるねぇ!」
ワーワー!
希「なかなかキレのあるダンスやなぁ〜…なんだか、ウチも踊りたくなってきたよ」
秋穂「……」ムスッ
希「……?どうしたん秋穂ちゃん?なんか不機嫌そうやけど……」
秋穂「踊りたいとか……そんな呑気なこと言ってる場合じゃないじゃん……」
希「それはそうだけど、でも」
秋穂「でもじゃないの!希おばちゃんは能天気すぎだよっ…!」
ワシッ
秋穂「いっ…///」
希「だ・れ・が、能天気だって〜!?ほら、往年のワシワシMAX〜!」
秋穂「や、やめっ!///」 秋穂「〜〜///」
秋穂「ッッ!や、やめてってば!」バッ
希「ほよ…」
秋穂「……」
秋穂「今、たくさんの人が死んでる……私たちがこうやってる今も、人が死んでる……」
希「……」
希「ウチ達がやれる事は全部やった…」
希「そわそわしても仕方ないよ」
秋穂「……お母さんのワクチンで、大半の人は助かるよね……ね?」
希「お母さんの腕を信じられないん?」
秋穂「ち、違う!そんなわけないじゃん!」
希「……ワクチンのことはことりちゃんと真姫ちゃんに任せてるから大丈夫」
希「……秋穂ちゃんが本当に不安なのは、別のことやろ?」
秋穂「………」
希「もう…さっき自分で言ったやん…?絶対、来てくれるって…」
秋穂「………」
希「ふぅ……秋穂ちゃーん……」 秋穂「……」
希「そんな暗い顔してたら来るもんも来なくなるよ〜?」
ムニュッ
秋穂「うぷっ…!」
秋穂「ちょ…もうっ!頰引っ張らないで!」
希「しょーがない子やなぁ〜…」
希「なら、これでどう?」
秋穂「これって…?」
希「ほら!」ポヨンッ
秋穂「うぷっ…///」
希「ウチの胸に顔をうずめさせるこの芸当っ!うん、これを逆ワシワシMAXと名付けよう!」
秋穂「う、うぷっ、じょっ…希おば…ちゃ…!///」
希「ほれほれ〜!」ポヨポヨ 千歌「」ポカーン
秋穂「……!!」
希「おっ」
千歌「え、え〜っとぉ…2人とも何を…」
秋穂「あっ…い、いや…これは違うの!希おばちゃんが勝手に!」
希「いや〜秋穂ちゃんがウチに甘えたいって言うから仕方なしにしてたんよね〜」
千歌「あ、秋穂ちゃんが…?」
果南「以外な一面…」
秋穂「はっ…?はぁ!?ちょっと希おばちゃん!!」
希「ふふ…うそうそ、冗談冗談っ!」
千歌「な、なんだ…冗談か…」
希「それよりみんなはなんで舞台裏に?」
ルビィ「Saint Snowと交代して、ちょっと休憩です!」
希「そっか、お疲れ様…」 曜「いや〜!それにしても!結構身体に染み付いてるもんだね〜!案外踊れるよ〜!」
梨子「だね…昔いっぱい練習したおかげかな?」
ダイヤ「あの…穂乃果さんは?」
希「それが…まだなんよ…」
花丸「穂乃果さん…本当にくるずら…?」
秋穂「ッッ!」
秋穂「来るよッ!」
果南「秋穂……」
秋穂「絶対、来てくれるから…だから」
秋穂「……だからみんな、もうちょっとだけ頑張って……」
鞠莉「……ふふんっ♪」
鞠莉「オーケー!ニーズがあるなら答えるのが経営者というものっ!」
鞠莉「アラサーのおばさん達が踊って盛り上がってくれるなら、喜んでやりましょう!」
善子「ちょっと鞠莉!アラサーとかテンション下がること言わないでよッ!」
梨子「うーん…でも、悲しいけど事実だからね…」 希「まぁまぁ、アラサーなんて全然やんか〜」
希「ウチなんてアラフォーやもんねぇ…」
鞠莉「アラフォー…それにしては豊満なバストですね〜♪」
鞠莉「どれどれ〜!」ジュルリ…
ポコッ
鞠莉「あいたっ!」
果南「マリー!すぐにそっちの話に持っていかない!」
鞠莉「えぇ〜…」
鞠莉「ふふん、なら果南ので我慢〜!」
果南「我慢ってなによぉ!」
果南「というかやめなさいってば!」
ワーワー ギャーギャー
秋穂「……フッ」
希「……楽しそうやね」
秋穂「だね……」
秋穂「………」
秋穂「穂乃果おばちゃん……」
秋穂「来て……早く……」 ・
・
・
タッタッタッ…
絵里「ハァハァ…」
サァァァ…
キャー!!イヤーー!!ゴプッッ…!!
絵里「ッッ…」
ピー、ガガッ…
絵里「指定の場所に到着したわ」
木皿『そうか、では目の前にあるマンションの屋上に行け、そこで円盤を爆破させるんだ』
ガガッ…
絵里「……了解」タッタッタッ 絵里「ゼェ…息があがる…歳かしら…」
ピー、ガガッ
絵里「登ったわよ」
木皿『よし、あとは1分後、一機だけその近くに円盤が来るはずだ』
木皿『そして…あっ…!おい!』
絵里「……?」
にこ『絵里!聞こえてる?絶対…ぜーったい死んじゃダメだからねっ!』
絵里「にこ…大丈夫よ、安心して」
木皿『まったく…スイッチの準備はいいか?』
絵里「えぇ、握ってるわ」
木皿『いいか?圏内へ入る前にボタンを押すと爆破しない』
木皿『しかし、遅すぎるとウィルスを浴びせられるからな…!気をつけろっ!』
木皿『あと、10秒で来るぞ!円盤が!』
絵里「……えぇ、見えてきたわ」 円盤「」キィィィン…
絵里「(まだ…)」
絵里「(まだよ、もっと引きつけないと…)」
円盤「」キィィィン!
絵里「………今!」
ポチッ
バーーーーンッ!
絵里「よしっ…」
木皿『お見事だ、ウィルスはかからなかったか?』
絵里「えぇ、大丈夫よ」
木皿『よし、気を抜くなよ…まだ二機いるからな…』 木皿『二機目がくるぞ!備えろ!』
木皿『……5、4、3、2、1……やれ!』
絵里「………来てないんだけど」
木皿『!?』
絵里「さっきからずっと上空をうろうろしてるわ…」
木皿『なんだと…!?』
・
・
・
にこ「ちょっと!どうなってるのよ!?なんで円盤は低空飛行しないの!?」
木皿「わからん…わからん…!」
虎太郎「もしかして、円盤のプログラムを誰かに書き換えられたんじゃ…」
木皿「馬鹿な…!そんな優秀なエンジニアがいるわけ…!」
にこ「あぁーもう!なんにせよ!」
にこ「どうするの!?早く円盤を止めないと!犠牲者が出続けるわ!」
にこ「その場にいる絵里も危険よ!」
木皿「どうするもこうするも…低空飛行しないなら爆破スイッチの射程圏に入らん、止めるのは無理だ…」
にこ「ふざけないでっ!!あんた自分が何を言ってるかわかってるの…!?」
木皿「……はぁ」
にこ「……ッッ」
にこ「……バカッッ!!」バキッ
木皿「ぐはっ!」ドサッ
にこ「……絵里」
虎太郎「お姉ちゃん……」 ドサッ
絵里「はぁ……」
絵里「最悪ね……もう、どうしようもなんて……」
バババババ
絵里「……?」
絵里「……ヘリコプター?」
バババババ!!!
絵里「くッッ!」
ヌッ…
絵里「…!あなた…!」
酒井「………」
酒井「寄越せ…」
絵里「……え?」
酒井「操縦してるんだ、早くスイッチを投げろ」
絵里「………」
酒井「俺を信用しないならしないでいいが…お前はみすみす都民を見殺しにするということになるな」
酒井「チャンスの前髪を離すのか?」
絵里「……くっ」
絵里「……!」ブンッ
酒井「」パシッ
絵里「……ッ」
酒井「じゃあな、9番」
バババババ!!! 逆ワシワシMAXと言う名のパフパフですねわかります
秋穂ちゃん場所変わってください! ・
・
・
“あいどる”「………」
“あいどる”「みんな薄情だよね」
“あいどる”「誰も私を助けてくれない」
“あいどる”「誰も私について来やしない」
“あいどる”「じゃあ…もういいよ」ポチッ
“あいどる”「こいつで全部終わらせる」
……ダンッッッ ダンッッッ
“あいどる”「私がいなくて、いける?やれる?出来る?こいつを止められる?」
“あいどる”「ねぇ…穂乃果」 ・
・
・
ガガッ…
にこ『絵里、どうしたの…!』
絵里「……あの男、いったいどういう風の吹き回しなの」
にこ『なに?どういうこと!?』
絵里「………」
バババババ
酒井「………」ポチッ
バンッッッッ!!!
絵里「……!!」
にこ『やったの!?』
絵里「え、えぇ…一機、爆破したわ…」
絵里「残り一機…」
にこ『さすがねっ!やるじゃないっ!いや…でも、どうやって…?』 酒井「“あいどる”、わかるか?」
酒井「今あんたの野望は打ち砕かれようとしてるんだよ…」
酒井「そう、俺の手でな…」
円盤「」クルッ
酒井「!」
絵里「あっ……!」
プシャッ
酒井「ゴパッ…!ヴォエッッ!」
スルッ…
酒井「ぐっ…!」
シュルルルルッ…
絵里「何か落ちてきた…?」
ガシャンッ…!!
絵里「……ッ!」
絵里「これっ……爆破スイッチ……?」
絵里「まずいわ…!これじゃあと一機…!」 酒井「ハァ……ハァ……」タラー
酒井「チッ…」
酒井「まぁ……ハァ……ちょうど……ゼェ……いいよな……」
酒井「あんなスイッチなんかで円盤三つとも破壊したら、それは俺の功績じゃないもんな……」
酒井「このままじゃ、あいつは俺を認めようとしない…」
酒井「」ギュッ
酒井「後悔させてやる……俺を裏切ったことを……あの女に……“あいどる”に後悔させてやる……!!」
グッ
酒井「うおおおおぉぉぉぉ!!!」
バババババババ!!!!!
絵里「……!?なにをするつもり……!」
酒井「喰らえ“あいどる”ッッッ!!!」 酒井「うおおおおぉぉぉぉ!!!!」
バババババ!!!!
酒井「いけぇぇぇぇぇぇ!!!!」
ッッドン!
バーーーーーンッッッ!!!!!
絵里「……っ」
ヒューーー…
酒井「一矢……報い……たぜ……」
酒井「ざまぁ…みろ…“あいどる”…」
酒井「あの世で……結婚して……子供を作って……俺と……僕と……僕と仲良く……ゴパッ……!」
酒井「…」
酒井「」 ガガッ…
絵里「………」
にこ『絵里?どうなったの?』
絵里「えぇ……円盤は三機とも撃墜よ……」
にこ『よかった……とりあえずはこれで……』
絵里「……そうね、しばら……く……は」
にこ『……?絵里……?どうしたの?』
ドスンッッ!!!ドスンッッッ!!!
絵里「そうでも…ないみたいね…」
にこ『え!?まさか…』
絵里「えぇ、そのまさかよ…」
絵里「……平穏って長くは続かないものね」
絵里「にこ…にこは虎太郎くんと一緒に秋葉ドームへ行って」
にこ『ちょ、ちょっと待ちなさいッ!絵里はどうするの!?』
絵里「私は……」
絵里「……あのロボットを止めるわ」 ・
・
・
ズドンッッッ ズドンッッッ
都民1「おい、なんだよあれ…!?」
都民2「逃げろ逃げろッッ!!!!!」
都民3「踏み潰されるぞおおおぉぉ!!!!!」
ダダダ…
ムロタ「待ってくれ!みんな、僕についてくるんだ!」
都民4「ついてこいって…なに馬鹿なこと言ってんだよ!?みんな逃げろッ!」
ムロタ「なっ…!」
ズドンッッッッ ズドンッッッッ
都民5「いやああああぁぁぁぁぁ!!!!」
ブチュッッ
ギャァァァァァァァァァァァァァァァ…!!!
イヤァァァァァァァァァァァァァァァァ…!!! 都民「」
ムロタ「……ッ」
十花「…この人たちも君の言うことを聞いておけば…死なずに済んだのにな…」
ムロタ「僕が……無理やり引っ張ってでもついてこさせておけば……」
十花「……どうして安全な場所がわかったんだい?」
ムロタ「簡単です…まず、あのロボットは僕らを殺すために動いてるんじゃない」
十花「なんでそんな事がわかるの?」
ムロタ「明確な殺意があれば、それこそ蹴るなりして、もっと人をピンポイントで殺すことができるはずです」
ムロタ「でも、それをやらない」
ムロタ「ということは、あのロボットは人を殺すためではなく、どこかへ向かっていると考えるべきでしょう」
ムロタ「あのロボットにしてみれば、ある場所へのルートを辿っている過程で人が死んだ…それだけのことです」
十花「それである程度、踏まれない場所がわかったのか…」
十花「…しかし、ある場所ってどこだ…」
ムロタ「あのロボットが行った先…そこにあるもの…」
ムロタ「………!」ハッ ・
・
・
ブゥゥゥン
穂乃果「ゲホッ…ゲホッ…東京ってこんなに空気悪かったかな…」
ズドンッ……
穂乃果「……ん?」
ズドンッ……!
穂乃果「地震……?いや……違う」
ズドンッ…ズドンッ
穂乃果「何かの……足音?」
キッ…
穂乃果「っと…」スタッ
タッタッタッ… 穂乃果「……あれは」
ズドンッ…ズドンッ…!
穂乃果「ロボット……?」
ズドンッズドンッ!
穂乃果「早い……前のやつよりも格段に早い……しかも少し大きくなった……?」
ズドンッズドンッ!
穂乃果「……ッ?」
穂乃果「どこに行くつもりなの…?」
穂乃果「いや…とにかく、私も急がないと…!」バッ
カチッ…ブルンッ!
ブゥゥゥン!!! ブゥゥゥゥゥゥン
穂乃果「……!」
キッ…
穂乃果「この街並み……私が高校生の時の……」
穂乃果「………」
ブゥゥゥン
穂乃果「あっ…潰れたことりちゃんのメイドカフェだ…」
穂乃果「あっちには私が高3の時にリニューアルしたはずのファーストフード店が……あれも昔の状態」
ブゥゥゥン…!
穂乃果「あっ…!穂むらまである…!?」
穂乃果「…“あいどる”が私たちの街を復元させたの…?」
穂乃果「……急ごう」
ブゥゥゥゥゥゥン!!! ブゥゥゥン…
穂乃果「……おかしい、地鳴りが全くなくなった」
穂乃果「なんで…?…って、わ!?」
キッッ!
ロボット「」
穂乃果「止まってる…」
穂乃果「…ハシゴがある」
穂乃果「それで上がってきてってこと…?」
穂乃果「いいよ…行ってあげる」
スタッ…
カンッ カンッ カンッ…
穂乃果「……終わらせよう、もう」 -ロボット内部-
穂乃果「……さて、操縦席を探さなきゃ」
ガタンッ!グラッ…
穂乃果「!?…また動き始めたの?」
穂乃果「揺れが……うっ……!」
穂乃果「いてっ…!」ドサッ
ズザザザザザ…
穂乃果「うわわわわわ!!!」
穂乃果「」ゴンッ
穂乃果「…〜ッ!」
穂乃果「あ……扉?」
穂乃果「もしかして、ここが……」
穂乃果「」ゴクリッ ウィーン
穂乃果「(やっぱりここが操縦室…)」
穂乃果「……!」
穂乃果「(……操縦席……誰か、座ってる)」
穂乃果「……ねぇ」
「……!」
スッ…
“あいどる”「……」
穂乃果「“あいどる”ッ…」
ドスンッ、グラッ…!!
穂乃果「うわッッ!!」
“あいどる”「あっ…!いぎっ…!」ガンッ!
“あいどる”「!……」グタッ
穂乃果「あっ…!」
“あいどる”「」
穂乃果「頭をぶつけた…?気絶したの?」
穂乃果「……マスク、取るからね」
穂乃果「あなたは……」グッ
“あいどる”「」
穂乃果「だ…」
グラッッッ!
穂乃果「……ッッ!」
穂乃果「ダメッ、先にロボットを止めないと…!」サッ ブゥゥゥン…
絵里「……ッッ、まずいわね……このまま行くと、あそこに……」
絵里「“あいどる”…なにを考えてるの?」
絵里「あそこは…私たちの足跡、やりきったと証明してくれる場所…」
絵里「穂乃果…」
絵里「穂乃果がいない今…私が…守るっ!」
ズドンッ、ズドンッ!!!
絵里「きっと中に“あいどる”もいるはずよ…」
絵里「……ッッ、追いつけ……」
ブゥゥゥン!!! グラグラ…
穂乃果「まずは手動に切り替えないと…!」
穂乃果「……手動ボタンってどれなの」
穂乃果「あっ…こ、これ…?」ポチッ
穂乃果「……ッッ、私……こういうの苦手……」
穂乃果「………」チラッ
“あいどる”「」
穂乃果「……ごめん」
グラッッッ!!
穂乃果「……!早く止めないと……!」
穂乃果「でも、どうやって止めれば……!?」
穂乃果「停止ボタンは……!」
穂乃果「なにこれ、どれ…!?どれよぉー!!」
穂乃果「考えて穂乃果……昔の私なら……あの頃の私ならどうやって乗り切った……!?」
穂乃果「………」
穂乃果「……うーうん、今も昔も変わらないじゃん」
穂乃果「そうだ…出来ると思えば、何だってやってこられた…大丈夫!」
穂乃果「今だって、出来るはず……いや出来る!!」
グイッ
穂乃果「おりゃああああ!!!」 ズドンッ…ギッ…
絵里「!?」
ズドンッ ズドンッ ズドンッ
絵里「向きが変わった?どういうこと!?」
ズドンッ ズドンッ ズドンッ
絵里「何をっ…?そっちにはビルがあるのよ…」
絵里「ぶつかったら…ロボットもひとたまりじゃ…」
ズドンッ ズドンッ ズドンッ
絵里「ダメッ…ぶつかるッ!」
ズドンッ…ガシャーーーン!!!!!
絵里「……ッッ!」 絵里「」スタッ
タッタッタッ…
プシュゥゥ…
絵里「綺麗な体当たりね……いったい何がしたかったの……?」
ガタンッ
絵里「!」
“あいどる”「うっ…はぁ…はっ…」
絵里「……あなた」
“あいどる”「ひっ…やっ…」
絵里「……ッ!」ダダダッ
ガッ!
“あいどる”「やっ…!やめてっ!」
絵里「……あなたがこの惨状を!!!」
“あいどる”「ちがっ…助けて…!誰か…!」
“あいどる”「誰か…助けて…!!!」
絵里「あなたは…」
“あいどる”「いや、違う…!」
絵里「あなたは誰なの!?」バッ!
花陽「うわっ…いやぁっ…!!」
絵里「……!!!」
絵里「……花……陽……?」
花陽「……っ」 > 鞠莉「アラサーのおばさん達が踊って盛り上がってくれるなら、喜んでやりましょう!」
アラサー?穂乃果が45ならあんたら40じゃないの? >>82
前スレで年齢の設定書いてあったと思うけど、確か30代だよ 若い時から巨乳だったのんたんは絶対垂れてる
逆に秋穂ちゃんは小ぶりだけど綺麗な形してそう 全盛期すぎた40歳とピチピチの20歳の乳を比べるのはナンセンス >>86
でも、46歳希が五体投地で逆ワシワシMAXお願いしたら生でしてくれるって言ったらするだろ? 花陽「……っ」
絵里「あなただったの…?」
花陽「…ち、違うよ絵里ちゃん…私は“あいどる”じゃ…ない…」
絵里「……ッッ、ならその格好はなに…!?」
絵里「このマスクはなに!?説明しなさい花陽!!」
花陽「私は止めようとしただけだよ“あいどる”を!」
花陽「彼女を説得しに行ったら…拘束されて…眠らされて…気づいたらこんな格好で…」
絵里「……花陽ッ」
花陽「絵里ちゃん…お願い、信じて…」
絵里「……ッッ」
絵里「私は……私は……」 穂乃果「絵里ちゃん違う」
絵里「……!?」パッ
花陽「!!」
穂乃果「花陽ちゃんは“あいどる”じゃない」スタッ
絵里「穂乃果……」
花陽「穂乃果ちゃん……」
穂乃果「………」スタスタ
絵里「穂乃果、あなた……」
「そうだよ、花陽ちゃんは“あいどる”じゃない」
絵里「……!」
花陽「えっ…?」
穂乃果「………」
“あいどる”「“あいどる”は私だもん」 “あいどる”「懐かしいよね」
“あいどる”「このメンツにしたってそうだし、何よりも見た?あの街並み…」
“あいどる”「私たちが高校生だった時のまま……」
“あいどる”「………」
“あいどる”「……ズルイよ、穂乃果ちゃん」
穂乃果「………」
“あいどる”「結局、正義の味方は君だもんね」
“あいどる”「廃校を救ったのも君、ラブライブを秋葉ドームで開催させるキッカケを作ったのも君」
“あいどる”「いや、でもいいんだよ…私は汚れ役でも」
“あいどる”「あなたたちと何かできるなら、私はヒールでもなんでも良いの……」
絵里「………」 “あいどる”「私は昔、穂乃果ちゃんが好きだった」
“あいどる”「でも、嫌いでもあった」
穂乃果「………」
“あいどる”「君が笑顔や明るさでみんなを先導してきたのに対して、私は妬みとか恨み……そういう負の感情でみんなを導いてきた」
絵里「導いた…?脅迫とか洗脳の間違いじゃないの?」
“あいどる”「絵里ちゃんもわかってないな」
絵里「なんですって…?」
“あいどる”「穂乃果は光で私は闇なの、穂乃果が太陽なら私は陰」
“あいどる”「つまりはそういうこと」 “あいどる”「……私は……穂乃果ちゃんが……穂乃果がいてくれればよかったのに……」
穂乃果「………」
“あいどる”「また昔みたいに…一緒になって、やりたかった…」
“あいどる”「……あの時、約束したのに……」
花陽「……約束?」
穂乃果「………」
“あいどる”「約束したでしょ…?」
“あいどる”「…廃校から学校を守ったみたいに、助けてよ穂乃果、私も…」
穂乃果「………」
“あいどる”「気づいたの私……あなたが心の支えだったって……戻ろうよ、穂乃果、ね……?」
穂乃果「………」
“あいどる”「……私が誰だか、もうわかるよね?」
穂乃果「………」
“あいどる”「そうだよ…私…」スッ
絵里「……!」
花陽「……!」
“あいどる”「私が…“あいどる”だよ…」バッ ・
・
・
男A「秋穂さん…もうあと1曲しかストックないです…」
秋穂「そう…」
千歌「大丈夫大丈夫ッ!私たちがなんとかして時間伸ばすから…!」
男A「これ『ジングルベルがとまらない』なんで、冬の曲かと…」
千歌「うっ…」
秋穂「どうしよう…」
千歌「だ、大丈夫!なんとかなるよ!」
千歌「よーっし!みんな行くよ〜!」タッタッタッ
♪♪♪♪♪
「あはははは!!!」
「今夏だぞ〜!!!」
「曲間違えたのか〜!?w」
秋穂「……ごめん、ごめんみんな」
秋穂「……ッッ」
秋穂「穂乃果おばちゃん……」 ・
・
・
絵里「……ッッ!!」
花陽「……!!!」
穂乃果「………」
「“あいどる”の正体は…私」
花陽「そんな……ツバサ……さん……?」
「うふふ……」
絵里「どういうこと…?」
絵里「ツバサは“あいどる”の側近だったはずでしょ?」
絵里「自分で自分の側近をしてたというの…?」
花陽「いや、でもなんの意味があってそんな事を…?」
穂乃果「………」 「」ポチッ
ゴゴゴ…
花陽「……!ろ、ロボットがまた動き始めようと……!」
絵里「ッッ!もうロボットのコントローラーを取り上げるしかないわ!」ダッ
穂乃果「もうやめよう…」
絵里「……!?」
「」ピタッ
穂乃果「もう、そんな…ツバサさんのふりする必要ないよ…」
絵里「ふり…?」
花陽「どういうこと穂乃果ちゃん…?」
穂乃果「……あなたには、ありのままのあなたでいてほしいから……」
「………」
穂乃果「………ごめん」
「……!」 穂乃果「……ごめん」
「やめて……!やめて謝らないで……!」
穂乃果「あなたを蔑ろにしたつもりなんてなかった……」スッ
穂乃果「……ごめんね」
穂乃果「私が悪かった……」ゴツッ
穂乃果「……私が悪かった!」
絵里「穂乃果…」
花陽「穂乃果ちゃん…」
「やめてよ……」
「あんたが謝ったら全部……全部終わっちゃうじゃないッッ!」 ダダダッ!!
「……!?」
絵里「……!あれはっ……」
ガシッ!
「あっ……!」
穂乃果「……!」
ツバサ「さぁ今よ!誰か私ごと撃ちなさい!」
花陽「つ、ツバサさんが2人!?どういうことッ…?」
ツバサ「そんなのはあと!早くしなさいッ!」
絵里「そんな事言われても、銃なんて持ってないわ…!」
ツバサ「……ッッ!」
「ツバサ…!離しなさいッッ!」ジタバタッ
ツバサ「……くっ……!ここで、終わらせないと!」
穂乃果「ツバサ……さん……」 バキュンッッ!
穂乃果「!!!」
絵里「ッ!?」
花陽「えっ…?」
「………あれ」
ツバサ「………ゴプッ」
穂乃果「……!」バッ
ミカ「………これで、終わった」
絵里「ミカッ…!?なんで…?」
ミカ「………」ジッ
穂乃果「ミカ…」
ミカ「じゃあね、穂乃果」スッ
穂乃果「!!」
穂乃果「待ってッッ!!早まらないでミカッッ!!」
バキュンッッッ!!!
ミカ「」バタッ
穂乃果「……ッ!」 花陽「死んでたはずのミカさんが……ツバサさんが2人……ど、どういう事なの……?」
絵里「私ももう……何が何だか」
絵里「……!そうだ、“あいどる”!」
穂乃果「……!!」
ザッザッザッ
「……ヒュー……ヒュー……」
穂乃果「………」
「穂乃……果……」
穂乃果「……なに」
「まだ……終わらないよね……」
穂乃果「……もう、終わってるんだよ、とっくの昔に」
「そんな……うそ、私たち……まだ……」
穂乃果「私たちの時代はもう…終わったんだよ…」
「う……そ……ゴポッ……」
花陽「……ッ」 「私……さ……穂乃果が……羨ましかった……」
穂乃果「………」
「みんなが……センターって……いうのは……μ'sメンバー……だけ、私たち……は……いつも……影……なん……だもん……」
花陽「………」
「ハァ……SUNNY DAY SONG……歌ってる時、みんな穂乃果に……魅了されてて……悔し……かっ……た……」
絵里「………」
「あの時、ゼェ……私も、あんたみ……たいに……なりたい……って……思って……」
「手始めにA-RISEを……手下につけて……優越感に浸った……けど……結局こんな……無様……因果応報……だね」
「ホントに……適材……適所って……あるん……だね……」
「やっぱ、ダメだね……私と……穂乃果は……北風と太陽みたいでさ……」
「穂乃果はなぜだか………不思議とみんな………みんな………ついて………いっ………て………し………」
「………」
「」
穂乃果「………っ」 「」
絵里「……死んだわ」
花陽「“あいどる”の最後の話……あれってどういう……」
穂乃果「………」
穂乃果「君が、こんな風に死ぬなんて…」
穂乃果「…ごめんね」
絵里「……穂乃果、あなた……この子が誰だか知ってるの?」
穂乃果「……………」
絵里「…………そう」
絵里「花陽、ミカは?」
花陽「………」フリフリ
絵里「……わかったわ」
穂乃果「………」
ツバサ「……うっ」
絵里「……早くツバサを病院に連れて行きましょう」
絵里「……そのあと」
穂乃果「………」 年齢表からしてツバサさんでもかよちんでもないとは思ってたがこれは… >>111
誰がうまいこと…
かよちん俺は信じてたよ! あいどるの正体多分分かった!
合っているかどうかはわからんがw 穂乃果がミカやツバサにそこまで驚きを見せてないのは
やっぱり穂乃果はある程度全容を把握してるからなのか ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています