X



ルビィ「こたつでゆっくり」
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
0001名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2018/02/23(金) 04:41:30.89ID:6LjZ16fx
  黒澤家、ルビィの部屋。

  ここでは3匹の小動物が小さな正方形の箱に入って丸くなっていた。


ルビィ「こたつの中は温かいねぇ」


花丸「ずりゃ〜」


善子「はぁ、堕天してしまいそう……」
0002名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2018/02/23(金) 04:42:12.62ID:6LjZ16fx
 冬になると、黒澤家には一部屋に一つ、こたつが出てくる。

善子「部屋にこたつ、羨ましいわね」

ルビィ「えへへ」

花丸「マルは毎年お世話になってるずらー」

善子「ダイヤも部屋にいるのよねぇ?」

ルビィ「うん。おこたに入りながら、絵里ちゃんのぬいぐるみを抱っこして勉強してると思うよ」

善子「なにそれ可愛い」

花丸「未来ずら〜」

 そう言いながら、机を上にあるみかんに手を伸ばす花丸。

花丸「うーん、やっぱりこたつにはみかんだよね」
0003名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2018/02/23(金) 04:43:06.95ID:6LjZ16fx
ルビィ「わかルビィ」

善子「わからないヨハネ」

花丸「善子ちゃん、みかん嫌いだもんね」

善子「善子よぉ」

ルビィ「逆だよ、善子ちゃん……」

花丸「すっかりこたつの魔力に魅せられてるずら〜」

ルビィ「何かみかん以外の物持ってこようか?」

善子「おせんべいがあるから大丈夫よ」
0004名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2018/02/23(金) 04:44:00.08ID:6LjZ16fx
 こたつの上にはみかんのほかに、醤油せんべい(花丸の手土産)と激辛唐辛子せんべい(善子の手土産。善子以外手を付けない)。

花丸「ルビィちゃん、マルはみかん以外の甘い物が食べたいずら」

善子「あんたは聞かれてないでしょ……」

ルビィ「分かったよぉ。ちょっと待ってね、持ってくるから」

花丸「流石ルビィちゃんはいい子だよねぇ」

善子「全く、食べ物が絡むと我儘なんだから」

花丸「育ち盛りだから仕方ないんだよ」

善子「太るわよ」

花丸「その台詞はそのまま返すずら」

善子「ぐっ」
0005名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2018/02/23(金) 04:44:44.22ID:6LjZ16fx
ルビィ「うぅ、外は寒いよぉ」

花丸「ルビィちゃん、おかえり〜」

善子「ありがとう、手間かけさせちゃったわね」

ルビィ「気にしないで――はいこれ」

善子「これは……アイス?」

ルビィ「うん、ルビィもちょうど食べたかったから」

花丸「さすがルビィちゃんずら〜」

ルビィ「温かいこたつに入りながら食べるアイスは格別だよねぇ」

花丸「うーん、凄い贅沢な気分」

善子「たった100円なのにね」

ルビィ「あ、善子ちゃんにあげたアイスはちょっと高いやつだよ」

善子「そうなの? なんか悪いわね」

ルビィ「うん、だってお姉ちゃんのアイスだから」

善子「へっ――」
0007名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2018/02/23(金) 04:45:45.01ID:6LjZ16fx
ダイヤ「ルビィ! また私のアイスを食べましたわね!」

ルビィ「……」

 無言で善子を指さすルビィ。

花丸「ダイヤさん、犯人はこっちずら」

 そして平気で幼馴染を売り渡す花丸。

善子「ちょ、あんたたち――」

ダイヤ「善子さん……ぶっぶーですわ!」

善子「いやいや、私はただ、その」

ダイヤ「言い訳は結構です。少し私の部屋に来なさい!」

 ずるずると引きずられていく善子。

ルビィ「あれは一時間コースだね」

花丸「まあちょうどよかったんじゃないかな。こたつの人数も2対2に別れられたし」

ルビィ「たぶんお姉ちゃんも本気で怒ってはないだろうしねぇ」

 呑気な二人組である。
0008名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2018/02/23(金) 04:47:10.13ID:6LjZ16fx
ルビィ「でもこうやって2人なのも久しぶりだね」

花丸「最近は善子ちゃんがずっと一緒にいたもんね」

ルビィ「懐かしいなぁ。友達になった年の最初の冬、部屋にあるこたつを見て花丸ちゃん大喜びしてたよねぇ」

花丸「うんうん、これを見た瞬間、マルの中でルビィちゃんは唯一無二の親友だと確定したよ」

ルビィ「なにそれ、酷いよぉ」

花丸「えへへ。マルはしたたかな人間だから」

ルビィ「むぅ、そんなマルちゃんにはこうだ〜」

 こたつに潜り込み、花丸の足をくすぐりだす。

花丸「る、ルビィちゃんくすぐったいよ」

ルビィ「ふふふ、聞こえないよ」

花丸「や、やめてずら〜」

 じゃれ合いながら、楽しそうに笑いあう2人。
0009名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2018/02/23(金) 04:48:07.10ID:6LjZ16fx
ルビィ「ほれほれ、ここがいいのか〜」

花丸「あはは! もう限界、降参!」

 こたつから出て、笑い転げる花丸。

ルビィ「ふふん、正義は勝つルビィ!」

花丸「それはちょっと無理があるよ」

ルビィ「そうかなぁ」

花丸「語尾が『る』じゃないもん」

ルビィ「厳しいよぉ」

花丸「ルビィちゃんの必殺技だからね、判定は緩められないよ」

ルビィ「うぅ。でもこたつの外に出ると寒いね。凍えルビィ」

花丸「おぉ、それはバッチリずら〜」

ルビィ「えへへ」

 掛け合いをしながら、再びこたつの中に戻る2人。
0010名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2018/02/23(金) 04:48:57.64ID:6LjZ16fx
花丸「これからもずっと、こうやってこたつで一緒に過ごしたいねぇ」

ルビィ「少なくとも、高校生の間は大丈夫だよ」

花丸「大学生になっても、誰かの部屋にこたつを買えばいけるね」

ルビィ「それはマルちゃんの部屋ね」

花丸「えー、こたつ係はルビィちゃんだよぉ」

ルビィ「うーん、自分の部屋に入り浸られるのもなんかなぁ」

花丸「じゃあ善子ちゃんの部屋だね」

ルビィ「本人が休んでいる間に押し付けられる委員長みたいだねぇ」

花丸「民主主義の多数決だから仕方ないよぉ」

ルビィ「そうだね、民主主義だもんね」

 3人しか投票権がない中、1人を排除して決める恐ろしい民主主義である。
0011名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2018/02/23(金) 04:49:44.52ID:6LjZ16fx
善子「ちょっと、なに勝手に話を進めてるのよ!」

 そしてタイミングよく戻ってくる善子。

ルビィ「あっ、善子ちゃんお帰り〜」

善子「ヨハネ! 2人とも、よくも人のことをはめてくれたわね」

ルビィ「ありゃりゃ、善子ちゃんがお怒りだ」

花丸「早くこたつに入れて毒を抜かなきゃ」

 2人に両脇を抱えられる善子。
0012名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2018/02/23(金) 04:51:03.10ID:6LjZ16fx
善子「なっ、離しなさいよ」

花丸「ほらほら遠慮せず」

ルビィ「大人しく入ってくれたら、頂き物のいちごもあるよ」

花丸「マルが持ってきたチョコレートもあるよ」

善子「いちごとチョコレート……」

 好物の魔力は偉大だ。抵抗することもなくこたつに入り込む善子。

善子「それでいちごとチョコレートは?」

ルビィ「ルビィ、こたつから出たくないから、善子ちゃん取ってきてくれる?」

善子「まあもらえるならそれぐらいはいいけど、どこにあるのよ」

ルビィ「えっとね、お姉ちゃんの部屋」

善子「……断固拒否するわ」

 流石に自ら説教をくらいに行く趣味はないようだ。
0013名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2018/02/23(金) 04:51:55.78ID:6LjZ16fx
ルビィ「えへへ、冗談だよぉ」

 ルビィがそう言って何かを手渡す。

善子「なにこれ」

ルビィ「マルちゃんからの頂き物のいちご、ア○ロチョコ」

善子「どこがいちごなのよ!」

花丸「未来ずら〜」

善子「どちらかといえば過去よ!」

 文句を言いながらも、チョコを食べる善子。

ルビィ「何だかんだ、好きなんだね」

花丸「まったく、素直じゃないずら」

善子「好きなんだもん、文句ある?」

ルビィ「ないよぉ」

花丸「ないずら〜」

 3人の穏やかな時間は続いていく。
0014名無しで叶える物語(もんじゃ)
垢版 |
2018/02/23(金) 04:52:39.73ID:6LjZ16fx
おわり
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています