海未「猫の日」ことり「にゃんにゃん♪」
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ガラガラ
海未「ごきげんよう」
ことり「あ、海未にゃん!」
海未「……にゃん?」
海未(部室に入ると猫が居ました)
海未(勿論、本物の猫ではありませんし、この場合は凛のことでもありません)
ことり「♪」ニコニコ
海未(ぴょこぴょこ揺れるとさかの両側に白い猫耳が。猫の手を模したミトン……か何かが填められています)
ことり「ことにゃんです♪」
海未(かわいいです) 海未「今日は猫の日、でしたっけ」
ことり「そうだよ、2が三つ並んで、にゃん、にゃん、にゃんっ」
海未「あっという間に教室を出ていくから何をしているのかと思えば……」
ことり「かわいいでしょ?」
海未「それはもう、文句なしに」
ことり「やったぁ♪」
海未(ひょっとこのお面とかメイド服とか、ことりは被り物とコスプレが好きですからね)
ことり「にゃー♡」
海未(ことりなのに猫とはこれ如何に……しかしかわいいので問題ありません)
ことり「海未にゃん、こっち来て座って?」
海未「ええ、座りますけど、海未にゃんですか……」
ことり「いや?」
海未「嫌ではありませんが、なんだかくすぐったいです」 海未(招き猫よろしくことりが隣に来いと手招きするので、ことりの隣に腰を下ろしました)
ことり「ねぇねぇ、海未にゃん」
海未「何ですか?」
ことり「海未にゃんは、猫さんにどんなイメージ持ってる?」
海未「猫のイメージ……そうですね、やっぱり猫はこたつで丸くなる、というのが真っ先に思い浮かびます。中には凛みたいなやんちゃ猫も居るのでしょうが」
ことり「ふんふん、なるほど〜」ニコニコ
海未(ことりはいたずらっぽく笑いながら、私の方に身を乗り出してきました)
ことり「ことにゃんは凛にゃんに比べて大人しい猫さんです」
海未「……まあ、ことりは凛より大人しいし落ち着いているでしょうね」
ことり「大人しいことにゃんはこたつで丸くなりたい……しかし残念なことに、部室にこたつはありません」
海未「あったら大変なことになりますよ……穂乃果とか穂乃果とか、あと穂乃果とかが」
ことり「な、の、でぇ〜」スリスリ
海未「っ!?」
ことり「ことにゃんは、海未にゃんのお膝で丸くなります♪」 海未(言うが早いか、ことりは私の膝に頭を預けて仰向けになりました)
ことり「にゃん♡」
海未「椅子の上でそんな体勢は……」
ことり「結構安定感あるし、辛くもないよ?ことにゃんはお膝の上でお昼寝しちゃいます♪」ゴロゴロ
海未「えぇ……」
ことり「ほら、猫さんがお昼寝するんだから、飼い主さんはなでなでしてあげて?頭でも喉でも何処でも♪」
海未(飼い主になった覚えはありませんが、期待に満ちた目で見つめられるので頭をそっと撫でることにしました。喉は……ちょっとハードルが高いです)
海未「……」ナデナデ
ことり「えへへぇ」トロン
海未「」ドキッ
海未(頭を撫でただけでそんなに嬉しそうな顔をされると、どきどきしてしまいます……) ことり「♪」スリスリ
海未(お昼寝と言う割に、ことりに寝る気は一切ないようで、意味もなく頭を揺らしたり私にすり寄ったり……)
海未「」ピクッ
ことり「んふふ〜」
海未(その度に髪が膝を掠めてくすぐったかったり、不意に薫る甘いにおいにどきっとしたり)
海未(ことりが身動ぎするごとに私が反応するものですから、ことりはそれを面白がっているのです)
ことり「にゃー……♪」ペタペタ
海未(猫の手袋ごしに私のお腹を触ったり……あれでしょうか、猫がするという「ふみふみ」とやらの真似なのでしょうか)
海未「……」ナデナデ
ことり「♡」ゴロゴロ
海未「ことり、あんまりお腹に顔を埋められるのは……」
ことり「猫さんだから聞かないもーん」ゴロゴロ 海未「……」コショッ
ことり「ひゃっ」
海未(私ばかり玩ばれているようで少し面白くないので、不意打ちで喉をくすぐってみました)
海未「……」コショコショ
ことり「にゃ、にゃっ」
海未「喉を撫でられるのはどうですか?猫ならば好きでしょう……?」コショコショ
ことり「ん、にゃ、あっ」
海未「ごろごろって、喉を鳴らしてもいいですよ」コショコショ
ことり「う、海未、ちゃ、にゃあっ」
海未「ことにゃんはかわいいのですね……」
ことり「ふぁ……海未ちゃあ……」トロン
海未「ふふふ、ふふふ………………はっ」
海未(調子に乗ってやりすぎた、そう思って慌てて手を引きました)
ことり「はぁ……はぁ……」
海未(紅潮した頬に、何処か色っぽい吐息。潤んだ瞳が上目遣いに私を見上げて……)
海未「も、もう猫のふりはおしまいにしましょう。これ以上は駄目です。そろそろ満足したでしょう?」
海未(私は急いでことりの身を起こしたのでした) ことり「あ……」
海未「そろそろ他の皆も来るでしょうし、ね?」
ことり「……まだ満足してないもん」プクー
海未「くすぐったのは謝りますから……」
ことり「もっと海未ちゃんに甘えたかったのに」プクー
海未「えっと、その……」
ことり「……許してほしい?」
海未「はい、許してほしいです」
ことり「……♪じゃあ、海未ちゃんも猫耳付けて♪」スッ
海未「はい?」
海未(さっきまでふぐになっていたのは何だったのか、ことりはころっと笑顔になって私に黒い猫耳を差し出してきました)
海未「もしかして、怒ったふりを……」
ことり「」プクー
海未「はい、はい、猫耳付けます……」
海未(猫耳のついたカチューシャを付けました。丈の短い衣装に比べれば何てことありませんが、それでも少し恥ずかしい気がします)
海未「どうですか?」
ことり「や〜〜〜ん♡♡♡海未にゃんかわいい♡♡♡」もぎゅっ
海未「ひゃっ」
ことり「海未にゃんに似合うと思ってたの!かわいいよぉ♡♡♡」
海未「……お気に召したなら何よりです」 ことり「さて、海未にゃん」
海未「はい?」
海未(私を抱き締めたまま、ことりが楽しそうに笑っています。そこにからかうような色が浮かんでいるのは気のせいではないでしょう)
ことり「海未にゃんも今や猫さんです。ことにゃんも猫さんです」
海未「いや、猫耳をしているだけで」
ことり「猫さんです」
海未「はい」
ことり「なので、ことにゃんは海未にゃんやな猫さんの挨拶をしなきゃいけません」
海未「猫の挨拶?」
ことり「お鼻とお鼻を合わせて、そのあとほっぺすりすりするんだよ♪」
海未「お鼻とお鼻…………破廉恥ですっ!」
海未(鼻と鼻を合わせるなんて、そんなの、そんなの……!)
海未「もうほとんどせ、接吻のようなものじゃないですか!」
ことり「海未ちゃんはことりにキスされる方がいい?」
海未「無理です!キスなんて無理ですっ!」
ことり「それじゃあ、お鼻すりすりしようね♪」
海未「ち、ちか、ことり、近いです……!」
海未(こ、ことりの顔が、顔がすぐそこに……!)
ガラガラッ
穂乃果「課題終わったよーっ!まったく、ちょっと授業中に居眠りしただけであんな量の課題……を……」
海未「」
穂乃果「お邪魔しました」
ガラガラッ
海未「」 海未(違うんです、キスしていたわけじゃないんです、私は白昼堂々接吻を交わすような破廉恥な女ではないんです……そんな言葉はもう届きません)
ことり「穂乃果ちゃんに見られちゃったね、もしかしたら勘違いされちゃったかも?」クスクス
海未「ことりのせいですよ……」
ことり「ごめんね?でも、海未ちゃんとお鼻とほっぺをすりすりしたかったから」もぎゅー
海未「もう……後で一緒に説明に行きましょうね」
ことり「はーい♪」すりすり
海未(そのとき私は思いもよらなかったのです。私とことりの写真が撮られていたことに。にこと花陽が「百合営業」なるものを画策していたことに)
海未(数日後、ネットにアップロードされた猫耳を付けた私たちの写真に悲鳴を上げることなど、思いもよらなかったのです……)
完 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています