海未「観察」
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最近、なにか穂乃果に違和感を覚えます
少しだけ、ほんの少しだけ、いつもの穂乃果と違う部分が見え隠れしているというか
これは例にあげようにもフィーリング的要素が多くて難しい問題で
だから相談するにしてもシドロモドロになりそうで…
凛「実際シドロモドロにゃ」
海未「声に出てましたか」
凛「volでいうと8にゃ」
海未「MAXは」
凛「10」
海未「すごい大声じゃないですか」
凛「実際うるさかったにゃ」 あんまり俺を観察するなよ海未ちゃん
いくらこんなにもイケメンだからって 凛「シドロモドロって」
海未「はい」
凛「飼ってみたいよね…」
海未「…穂乃果の事なんですけど」
凛「うん」
海未「なんでしょうね、日に日に増してる気がするんです」
凛「わかるの?」
海未「些細なんですが…はい、長年穂乃果を見続けてきましたからね」
海未「違うんですよ、穂乃果」
凛「うーん」
凛「凛もちゃんと見たらわかるレベル?」
海未「難しいかもしれませんが」
海未「日に日に増してる、というのが勘違いでなければ」
海未「ある日気づくかもしれません」 凛「今穂乃果ちゃんどこにいるの」
海未「屋上ですね」
凛「…屋上?なんで」
海未「最近暇さえあれば行ってますよ、なにかあるんですかね」
凛「それすごい変化じゃないかにゃ」
海未「あ」
海未「確かに」
凛「…」
凛「意外と海未ちゃん見てないにゃ」
凛「なにかあるんですかねって…」
海未「プライベートを覗きすぎると嫌われてしまうんですよ…」
凛「経験則を感じるにゃ」 -屋上-
ガチャ
凛(しーっ)
海未(私小声で話すの凄く苦手なのですが)
凛(この機会に習得しとくにゃ)
穂乃果「…」ボーッ
海未(棒立ちですね)
凛(なに考えてるのかな)
穂乃果「…」フラフラ
凛(動き出したにゃ) 穂乃果「…」ヨジヨジ
海未(えっ、ちょ、フェンス上ってます!)
凛(止めるにゃ!)
ダッ
海未「穂乃果!!!!!」
凛「穂乃果ちゃん!!」
穂乃果「!!!!!」
穂乃果「…」ウルウル
凛(泣いてる…)
穂乃果「遅いよぉ…」シクシク
海未「穂乃果!引き返
タンッ
海未「あ」
凛「え」
ドシャ >>5
そりゃもちろん俺がイケメンだからに決まってるだろ
イケメンは死なない 凛「え、え、うそ」
海未「?????????」
凛「穂乃果ちゃん?」キョトン
海未「落ち、お、落ちて、穂乃果が、穂乃果が!!!!!!!!」
海未「助けなきゃ…助けないと!!」ヨジヨジ
凛「…はっ」
凛「ちょっと海未ちゃん!!!ダメにゃ!!!!落ちるよ!!!!!」グイグイ
海未「穂乃果を助けなければ!!!!まだ落ちてる途中かもしれないです!!!」
凛「下を見てよ!!!!穂乃果ちゃん…穂乃果ちゃんは…!!」
凛「穂乃果ちゃんは…」
凛「…」
海未「…」
凛「穂乃果ちゃんの体、あそこに落ちたよね」
海未「…はい」
凛「海未ちゃん」
海未「はい」
凛「穂乃果ちゃん、いないんだけど」
海未「これは…」
海未「ちょっと、頭痛が痛いですね」
凛「パニックにゃ」 ピロリン
凛「…LINE」
海未「グループですね」
海未「ちょっと今それどころじゃ…」カチッ
穂乃果:今日部活終わったらコロッケ食べに行こうよ!!
凛「」
海未「」
私たちはその場に立ちすくんだまま
10分ほど気絶していました -部活-
絵里「1.2.3.4…ん、海未、凛!!!ぼーっとしてるわよ!」
絵里「集中!」パンッ
海未「あ、はい…」
凛「んにゃ…」
穂乃果「海未ちゃん凛ちゃん、今日は練習終わったらコロッケだよ!気合い入れよう!」
穂乃果「空腹ほど美味しいもんね〜♪」ルンルン
絵里「穂乃果も集中!」
穂乃果「えへへ、ごめんなさーい」
海未(…凛、コロッケはお預けで)ヒソヒソ
海未(今日私の家に泊まりにきてください)
凛(こっちから誘おうとしてたとこだにゃ…)
凛(ちょっと…話し合わないとね…それに…)
海未(今夜一人で寝ろというのも無理難題ですしね)
凛(うん…)
1.2.3.4… 穂乃果「えぇ!!!」
穂乃果「コロッケ食べようよぉ〜」
海未「すみません、どうしても外せない用事が…」
凛「凛も今日に限ってムリだにゃ〜」
穂乃果「ちぇー」
バイバーイ
マタアシター
………………………………………………………
-園田家-
海未「梅昆布茶かキンカンソーダかどっちがいいですか」
凛「絶妙な2択だにゃ」
凛「キンカンソーダ飲みたいにゃ」
海未「ちょっと待っててくださいね、あ」
海未「えんどう豆チップスか手羽先味ポテロングどっちがいいですか」
凛「ポテトチップスうすしお味とか置いてないのかにゃ」
海未「…確か幸せバター味なら」
凛「ポテロングでいいにゃ」 凛「結構うめーにゃ」ボリボリ
海未「そうでしょうそうでしょう」ドヤ
海未「園田家では1ヶ月に買えるスナック菓子の数が制限されていますからね」
海未「必然的に菓子の質が洗練されていくのですよ…」
海未「うすしおは淘汰されました」
凛「へぇ〜〜」ボリボリ
海未「あ!!!ちょっと凛!!!これは食べ過ぎでは!!!?」
海未「あ〜〜!!!??!もう2本しかないではないですか!!!!」
凛「2本残してあげたにゃ、感謝するにゃ」
海未「うぅ…ううぅ…毎月の楽しみ…」シクシク
凛「キンカンソーダもうめーにゃ」ゴクゴク
海未「直で飲まないでコップ使ってください!!!わたしも飲みますから!!」 凛「ふぅ…」
海未「はぁ…」
凛「…話すのやだなぁ」
凛「重いにゃーこの話題は」
海未「しかし話さなければなりません」
海未「…整理しましょう」
凛「屋上に穂乃果ちゃんがいた、急に飛び降りた、消えた、生きてた」
凛「おわり」
海未「意味不明ですね」
凛「あ」
海未「どうかしましたか?なにか気になる点でも」
凛「飛び降りる前、穂乃果ちゃん泣いてたにゃ」
海未「はい、あれは泣いてるように見えました」
凛「…それで、聞き間違えじゃなければ」
凛「遅いよ」
凛「そう言ってた気がするんだけど」
海未「遅い…」 凛「てゆーかだにゃ」
凛「普通に凛たち、夢でも見てたんじゃないかにゃ」
海未「…」
凛「だって、穂乃果ちゃんあの高さは確実に…だって」
海未「むむ…」
海未「それは逃げな気がします…」
海未「夢か現実かの区別なんて小学生の内に卒業したでしょう」
海未「あれは…現実ですよ」
海未「一瞬、一瞬ですよ」
海未「私たちは確かに見ました」
海未「穂乃果の体が…」
海未「…」
凛「…」 凛「だとしたら」
凛「凛たち今、とんでもないことに巻き込まれてるよ」
凛「だって、人が死なないんだよ」
凛「凛は親戚のお葬式行った事あるよ」
凛「ああ、人は、死んじゃうんだなぁって、その時…」
凛「なのに、なのに穂乃果ちゃん…」
海未「…人は、死なない、というのが」
海未「もしかしたら」
海未「真実なのかもしれませんよ」
凛「いやだって、だって、凛の親戚…」
海未「凛はその人が死んだ瞬間を見ましたか?」
凛「…」
海未「穂乃果は、自殺を考えていて」
海未「実際、自殺を図って」
海未「…前の穂乃果は、」
凛「…死んだ」
凛「そんな、そんな訳…」 海未「あり得ません」
凛「そうでしょ?」
凛「だって、死んだのに生きてる訳が…」
海未「ええ…穂乃果が自殺を考えるなど」
凛「え」
海未「穂乃果ですよ?あのポジティブな穂乃果が…」
凛「…」
凛「海未ちゃんも逃げたいんじゃん」
海未「穂乃果が自殺なんて…だとしたら…私たちに相談もせず…」
海未「そんな…そんなこと…」ウルウル
凛「……お風呂はいるにゃ!!!」
凛「海未ちゃん!!一緒にお風呂!」
海未「…はい」 チャプ
凛「ふぃー、極楽だにゃ」
海未「おじさんみたいですよ、凛」
凛「海未ちゃんおじさんとお風呂はいるのかにゃ?」
海未「一般的な例えです!経験に基づいたものではありません!」
凛「風呂だから海未ちゃんの声響いてうるせーにゃ」
海未「なんと口が悪い…」
海未「ヤンキーみたいですよ、凛」
凛「チョベリバ、とりま、マジやばい」
海未「あぁ…!現代若者言葉で私に攻撃しないでください!!」
凛「チョベリバは死語だにゃ」
海未「え、ナウな言葉ではないのですか?」
凛「そのナウって言い方も若干古いにゃ」
海未「えぇ!?最近やっと日本語とナウの調和に慣れたのですが!!!」
凛「凛はそのままの海未ちゃんでいて欲しいにゃ」 凛「いいお湯だったにゃ〜」
海未「色々流せましたね」
凛「凛もう眠いにゃ」
海未「布団の準備しますか」
凛「らじゃー」
ズズズ
ファサッ
海未「凛、そこの紐引っ張ってください」
凛「もう消すのー?」
海未「明るいまま布団に入るのはちょっと抵抗があるんですよ」
凛「律儀だにゃあ…」
凛「消すよー」
パチッ 凛「…」
海未「…」
凛「明日起きたら」
凛「実は穂乃果ちゃんが死んでて」
凛「みたいなこと」
海未「…一応、心の準備をしておきましょう」
凛「うん…」
海未「…明日考えましょう、色々と」
海未「今日はこれ以上、脳みそが働こうとしません」
凛「そうだね」
凛「おやすみ」
海未「はい」
海未「おやすみなさい」
……………………………………………………… -朝-
チュンチュン
凛「ふぁー…」
海未「…」スヤスヤ
凛(海未ちゃんまだ寝てる…)
凛「海未ちゃーん、そろそろ起きないと学校間に合わないよー」ユサユサ
海未「…」スヤスヤ
凛「海未ちゃ…ぁ」
凛(涙の跡…)
凛「凛ももうちょっと寝よ」
凛「遅刻万歳にゃ」 凛! ちょっと凛!!!
起きてください!! 凛!!!
もう授業が始まっている時間です!!!
海未「凛!!!!起きなさい!」
凛「んぅ〜〜?」ムニャムニャ
凛「あ、おはよう…」
海未「はいおはようございます!!!準備しますよ!!!!」
凛「ぅん…」トテトテ
凛「あ、そういえば変な夢見たにゃ」
海未「後にしましょう!!!」ドタバタ
凛「今日ぐらいゆっくり行こうにゃ…」 タッタッタ
海未「ふぅ…なんとか2限には間に合いましたね」ハァハァ
凛「遅刻届書きに行くにゃ…」ハァハァ
凛「遅刻理由どうするにゃ」
海未「寝坊です」
凛「えー恥ずかしいにゃ」
海未「私だって恥ずかしいですよ!!」
海未「でも嘘はいけません」
凛「ぐぎぎ」 ガラガラ
穂乃果「あ!海未ちゃーん!」
海未「!」
ことり「海未ちゃんだぁ」
海未「おはようございます」ペコリ
穂乃果「おはよー!どうして遅刻したの?」
ことり「気になるね〜珍しいもん、海未ちゃんが遅刻なんて」
海未「寝坊ですね」キリッ
穂乃果「寝坊!?海未ちゃんが!!?」
ことり「わぉ…」
穂乃果「世の中には不思議な出来事があるもんだねぇ…」
ことり「だねぇ…」シミジミ
海未「ははは…」 穂乃果「それでさー…」ペチャクチャ
海未「…」ジーッ
なにか、なにかが違うのです
穂乃果のなにかが…
穂乃果「ね、どう思う?海未ちゃん」
海未「…」
海未「え、私ですか」
穂乃果「もしかしてボーッとしてた?」
海未「すみません…」
ことり「遅刻したりぼーっとしてたり…」
ことり「海未ちゃん今日はどうしちゃったの?」
海未「…別に、なんでもないですよ」 -1年教室-
ガラガラ
凛「ふぅ」
花陽「凛ちゃん!」
花陽「どうしたの?遅刻なんて珍しい」
凛「色々あったんだにゃ」
花陽「へぇ〜」
花陽「あ、さっきの授業小テストあったよ」
凛「え!!!!」
花陽「ちょっと成績下がっちゃうかもね〜」
凛「凛は地味に成績いいのがウリなのに!」プンスカ 凛「…かよちん」
花陽「ん?」
凛「いきなりなんだけど」
花陽「うん」
凛「死後の世界とか…あると思う?」
花陽「いきなりだねぇ」
凛「前置きはしたにゃ」
花陽「うーん…」
花陽「私は、あまり信じてないかな」
花陽「天国とか地獄とか…そういうのって嘘くさく見えるし」
花陽「死んだら、終わりな気がする」
凛「…もっとファンシーな答えが来ると思ってたにゃ」
花陽「ははは」 花陽「だから凛ちゃん…100歳になっても」ウルウル
花陽「死なないでねぇ〜…」シクシク
凛「かよちんどんな情緒してんの」
花陽「死んだら終わりなんだよぉ〜…」シクシク
凛「凛は死なないにゃー」ナデナデ
凛「…」
凛(死んだら、終わり)
凛(じゃあ穂乃果ちゃんは…?)
凛「…」 -部活-
絵里「希!ちょっとズレてる!」
希「うそ、ちょっと今のとこもう一回確認させて」
ことり「希ちゃん、そこのステップは…」
タンタタン
ことり「こんな感じで…」
希「おーなるほど、ありがとなことりちゃん」
絵里「じゃあ最初から行くわよー」
1.2.3.4…
海未「…」タタッ
凛「…」タッ
絵里「そこの二人!!無表情で踊らない!!!」 穂乃果「疲れたぁ〜」
にこ「今日の練習は中々ハードだったわね」
海未「…」
凛「…」
穂乃果「…海未ちゃんに凛ちゃん、今日どうしちゃったの?」
海未「!…あ、いや、考え事を…」
凛「凛も…」
穂乃果「海未ちゃんなんて今日遅刻してきたんだよ!?初めて見たよ海未ちゃんの遅刻なんて」
花陽「凛ちゃんも今日は珍しく遅刻して来てたよ」
希「昨日の夜二人でイチャついてたとか?」ニヤニヤ
海未「なっ!///何を言うんですか希!」
希「だって同じタイミングで滅多に遅刻なんてせえへん二人が…ねぇ?」
凛「そんなんじゃないよ…」
にこ「昨日から付き合い始めたとか?」ニヤニヤ
凛「そんなんじゃないって!!!」
にこ「え、あ、いや…ごめんなさい」
凛「あ…」
凛「…」
凛「海未ちゃん、凛、もう限界にゃ」
海未「ダメですよ、凛」 凛「みんなに聞いてもらうべきだにゃ」
海未「…ダメです、もう少し吟味しなければいけません」
絵里「なに?どうしたの?」
ことり「何か打ち明けようとしてるけど…」
凛「…ふぅ」
海未「凛?」
凛「言うにゃ」
海未「凛!!!!」
凛「みんな聞いて!!!」
ザワザワ
花陽「ど、どうしたの凛ちゃん」
凛「…凛は」
海未「…」
凛「凛は!!!」
凛「海未ちゃんと付き合うことになりました!!」
海未「…は?」
穂乃果「え!!!本当!?」
穂乃果「おめでとーーーー!!!!」パチパチ
ことり「わぁ…//」
海未「は?」 凛「昨日結ばれました!!」
にこ「あんたに先を越されるなんて…」
凛「へへん」ドヤ
希「なんで海未ちゃん素っ頓狂な顔しとるん?」
海未「いや、だって…」
凛「凛たち付き合ってるよね?」
海未「え、あの…」
凛「ね!!!!!!」
海未「…はい」
キャーーーーーーーー
海未(なんですかこれは) -園田家-
海未「…凛、どういうことですか」
海未「あれは」
凛「最初はね、穂乃果ちゃんのこと、本当に言おうとしてたんだよ」
凛「けど…やっぱ、今じゃないなって思って」
凛「それで、誤魔化すためもあるけど…」
凛「多分これから穂乃果ちゃんのことについて色々話し合うし、行動とかも共にするでしょ」
凛「その度に海未ちゃんとは何もないよー!って言い訳するのも面倒だし…」
海未「…それで、都合がいいので付き合ってることにしちゃおうと」
凛「そうにゃ」ドヤ
海未「なんでドヤ顔なんですか!」 海未「付き合うというのはですね、もっと神聖で…」
凛「付き合うなんてこのぐらい適当でいいのにゃ」
海未「なっ!?」
海未「あなたにはロマンの欠片もありませんね!」
凛「愛し合う時にこそ真剣になるべきなんだにゃ」
海未「なにやら深そうですが!」
海未「付き合うってやっぱ…告白とか、そういったものを経て達成するというか…その過程を…」
海未「…はぁ」
海未「もう今更遅いですね」
凛「ラブラブ設定で行くにゃ」
海未「お淑やかな関係でいいじゃないですか」 凛「…で」
凛「穂乃果ちゃん、どうだったの」
海未「…」
海未「変わってましたね」
海未「目に見える変化は、やはりないのですが」
海未「些細な部分というか…」
海未「それが前より色濃く出ています」
凛「うーん…」
凛「それってさ、穂乃果ちゃんが」
凛「死んだから」
凛「とか?」
海未「…」 何が起こるのか何が穂乃果(?)に影響与えてるのかすげえ気になる 海未「今の穂乃果は」
海未「前の穂乃果ではないと?」
凛「…一回死んじゃうと」
凛「何かしらが変わっちゃうんじゃないかな」
凛「海未ちゃんのいう、些細な部分が」
凛「もちろん、穂乃果ちゃんは穂乃果ちゃんだよ」
海未「ふむ…」
海未「…」
凛「どうしたの?」
海未「いや」
海未「慣れるもんだなと」
凛「!」
凛「ちょっと…怖いね」
凛「一回見たのに」
凛「友達が死ぬところ」 海未「私たちはすでに」
海未「穂乃果は死んで、実は死んでいなくて」
海未「恐らくは数回…それを繰り返していて」
海未「今の、少し変わった穂乃果が出来上がったという前提で」
海未「話しているということで」
海未「いいですか?凛」
凛「うん」
海未「ふぅ…」
海未「これ以上は憶測…いや元から推察の域を出ていないかもしれませんが」
海未「もう私たちの間ではなにも出てきませんね…」
凛「ここからは」
凛「穂乃果ちゃんに直接聞く…」
凛「それしかないね」
海未「その前に、他に気付いた人がいないか探りませんか」
海未「その、些細な変化に気付いた人を」 その後私たちは、どうやって探るかの話し合いだけをして
シュバシュバとお風呂に浸かり
ササっと寝てしまいました
…………………………………………………………
-朝-
海未「…」ガバッ
AM.5:00
海未「凛、起きなさい」
凛「んにゃぁ…絶対早い…」ムニャムニャ
海未「もう5時ですよ」
凛「まだ5時にゃぁ…」 希「おっ、二人で登校とはお熱いやん」ヒューヒュー
海未「ははは」
凛「えへ〜」
海未(今、希は一人ですね…聞きますか)
凛(いくにゃ)
海未「あの、希」
希「んー?」
海未「穂乃果の事なんですけど」
希「穂乃果ちゃんがどうかしたん?」
海未「最近、何か変わったなーとか…思いません?」
希「…いや」
希「ウチには分からんかなー」 凛「には?」
希「絵里ちがね」
希「この前言っとったんよ」
希「穂乃果、変わったわよねって」
海未「!」
希「それでウチ、穂乃果ちゃん観察してたんよ」
希「でも変わったところなんて…ないように見えたなあ」
希「二人にも分かるん?」
凛(絵里ちゃんか…)
凛「凛たちもなにもわかってないよ」
凛「希ちゃんまた部活でね〜」
希(じゃあなんで聞いたんや????)
希「はーい」 ガラガラ
穂乃果「海未ちゃんおはよー!」
ことり「おはよう!」
海未「はい、おはようございます」
穂乃果「凛ちゃんと登校してきたの?」ニヤニヤ
海未「え、ええ…まあ…」
ことり「わぁ…//」
穂乃果「キャーー!//」
海未(穂乃果なんですよねぇ)
海未(仕草とか…)
海未「でも…」
穂乃果「ん?でも?」
海未「あ」 海未「デモクラシーですよデモクラシー……しりとりしましょう、しりとり、じゃあデモクラシーからで」
海未(危なかったです!)
穂乃果「しりとり?じゃあシマウマ!!!」
ことり「マントヒヒ!」
海未「ヒ、ヒグマ」
穂乃果「ママ」
ことり「まくら」
海未「ラクダ」
穂乃果「だるま」
ことり「ま…まりも」
海未「モズク」
穂乃果「くるま」
ことり「ま…ま!?穂乃果ちゃん!ま攻撃しないで!!」
穂乃果「ふふふふ、穂乃果しりとりは強いよ!」
ことり「ま、ま、まる」
海未「ルビー」
穂乃果「ビー玉」
ことり「やめてよ穂乃果ぢゃぁん…」シクシク
穂乃果「うわぁ!ごめんことりちゃん!!」
ことり「うぇぇ…」シクシク
海未(えぇ…) -昼放課-
ピロリン
凛「ん」
海未:絵里のところへ向かいますよ
凛:了解にゃ
凛「かよちん、ちょっと海未ちゃんと」
凛「お昼ご飯食べてくるにゃ」
花陽「わぁ…」
花陽「青春だね〜」
凛「ふはは」 ガラガラ
海未「失礼します」
絵里「あら」
希「海未ちゃんに凛ちゃんや」
凛(希ちゃんもいる…そりゃそうか)
凛「海未ちゃん、どうするにゃ」ヒソヒソ
海未「希は賢いです、この際巻き込みましょう」ヒソヒソ
海未「あの、絵里」
海未「希には朝聞いたのですが」
希「あー…」
絵里「?」
海未「穂乃果が変化してること、気づいてるんですか」
絵里「!」
絵里「…私だけじゃなかったのね」 希「あれ」
希「二人は結局…どっちなん?」
凛「凛にはまだ分からないけど、海未ちゃんは気づいてるよ」
絵里「まだ?」
海未「…」
凛「海未ちゃん、どこまで話すにゃ」
海未「仲間は多いほうがいいですよね…」
海未「全て、お話しします」 海未「まず」
海未「私も絵里と同じく、数日前からの穂乃果の微妙な変化に気づいていました」
絵里「ええ」
海未「具体的にどう変わったのかは分からない、というのは絵里も一緒ですか?」
絵里「うーん…そうね、何か違う…ってぐらいの感触よ」
希「なんで二人には分かるんやろな」
凛「不思議にゃ〜」
海未「…そこは、大した問題ではないように思います」
海未「どこか気になる点が一瞬でも生まれた瞬間に、もう穂乃果に違和感しか感じなくなるんです」
海未「その一瞬を感じ取っただけなんですよ、絵里と私は」
凛「凛たちは違和感の生じた部分を見れてないってこと?」
海未「そうですね」 絵里「式とかで鼻が痒くなって」
絵里「我慢してたら腕とか足も痒くなるみたいな感じよ」
希「なんやその例え」
希「…というか、その穂乃果ちゃんの変化?がどうしたん?」
希「めっちゃ重要なことなん?」
凛「ものすごいインポータントにゃ」
海未「事の顛末をお話ししましょう」 海未「私は穂乃果の変化について、凛に相談しました」
海未「そして凛は、穂乃果の変化に気づいていないということなので」
海未「穂乃果を見るべく、二人で屋上へ向かいました」
絵里「なぜ屋上?」
海未「ここ最近の穂乃果のフェイバリットプレイスなんですよ」
希「ほぉん…」
希「なんで屋上に穂乃果ちゃんが行くのかは知ってるん?」
海未「いえ…心当たりが有りません」
凛「凛たちは屋上でコソコソしてたにゃ」
凛「穂乃果ちゃんをジッと観察するつもりだったにゃ」 凛「穂乃果ちゃん、棒立ちだったにゃ」
凛「それで、急にフラって動き出して…」
海未「屋上のフェンスを、上がり始めました」
絵里「…ちょっとちょっと」
海未「私たちは止めようとしましたが間に合わず…」
海未「穂乃果は…」
凛「穂乃果ちゃん落ちて死んだにゃ」
絵里「は」
希「え??ん??」
絵里「ちょっと待って…」
絵里「…え?もう一度聞かせてちょうだい」
海未「うーん…」 海未「穂乃果は、屋上から落ち、地面に激突し」
海未「明らかに死亡しました」
海未「誰もが見てわかるような即死です」
希「いやだって…穂乃果ちゃん今生きとるやん…なにを…」
凛「絵里ちゃんと海未ちゃんには、穂乃果ちゃん、ちょっと違って見えるんだよね?」
凛「絵里ちゃん、よく思い出して」
凛「穂乃果ちゃん最近、またちょっと変わったでしょ?」
凛「それはいつだったの?」
絵里「…」
絵里「穂乃果が」
絵里「帰りにコロッケを食べようって…」
海未「その日なんですよ、絵里」
絵里「え…」
海未「穂乃果が死亡したのは、その日のお昼です」 希「二人で夢でも見てたんじゃぁ…」
海未「凛と私は散々話し合いました」
海未「そして、あれは現実だったと結論が出ました」
海未「穂乃果の変化のタイミングに、あまりに噛み合いすぎてます」
希「偶然やろ!」バンッ
希「死んだって…死んだ人がそんな…普通に…」
希「…あかんやん、そんなん」
希「なぁ絵里ち…」
絵里「…いや」
絵里「二人が同時に同じ夢を見るような偶然より…」
希「…」
凛「本当なんだよ、希ちゃん…」 絵里「…死体は?」
凛「消えたにゃ」
絵里「消え…」
希「…穂乃果ちゃんは死…死んで、少し変化して生き返ったってことに…なるん?」
凛「凛たちの間ではそういう事になってるにゃ」
海未「生き返る…ともまた別な気がしないでもないですけど」
絵里「なんだか、結構淡々としてるのね、海未たちは…」
海未「!」
海未「…悲しいですが、この状況に一刻も早く慣れてしまわないと」
海未「穂乃果が死んだ時の悲しみが、脳裏に戻ってこないようにしないと」
海未「どうにかなりそうなんですよ」 希「…重いなぁ」
希「未だに信じられんけど…いや、本当なんやろなぁ」
希「凛ちゃんはともかく、海未ちゃんがそこまで真剣に…」
凛「どういうことにゃ!希ちゃん!!」
海未「ふふ」
凛「なにわろとんにゃ海未ちゃん」
絵里「わろとんにゃ…」
希「スピリチュアルやね…」 海未「もうそろそろ時間ですね…」
海未「私たちは戻ります」
凛「絵里ちゃんに希ちゃん、LINEのグループ作っておいたから」
凛「入っといてね」
凛「じゃあね〜」
ガラガラ
希「…」
希「実感湧かんなぁ…」
絵里「現実感がフワフワよ」 グループ名:真相知り隊!
絵里「…」 ポチッ
「絵里が入会しました」
「希が入会しました」
凛:いぇーい!絵里ちゃーん!!fooooooo⤴︎希ちゃん見てるぅ?
絵里「…」ポチッ
「絵里が退会しました」
希:凛ちゃんがふざけるから絵里ち退会したやん
海未:これグループ名変えましょう
「海未がグループ名を驚天動地に変更しました」
凛:渋すぎにゃ!!
「絵里が入会しました」
絵里:いいグループ名ね
凛:凛がおかしいの? キーンコーンカーンコーン
穂乃果「部活!!」ガタッ
海未「掃除を終えてからですよ」
穂乃果「あ、そうだった」
海未「私たちの区域に行きましょう」
穂乃果「はーい」
テクテク
海未「…」
海未「穂乃果、その」
穂乃果「んー?」
海未「…いえ」
海未「なんでもないです」 サッサッサ
海未「ふぅ…」
海未「あらかたゴミは集めましたからその袋に…」
穂乃果「…」ガタガタ
海未「穂乃果?どうしたのですか、うずくまって…」
穂乃果「なんで……」
海未「…穂乃果?」
ダッ
海未「ちょ、穂乃果!」
海未(追いかけます!)
タタタッ -屋上-
ガチャ
海未「中々…早いですね…」ハァハァ
穂乃果「…」
穂乃果「海未ちゃん」
穂乃果「穂乃果、今」
穂乃果「海未ちゃんにどう見えてる?」
海未「!」
穂乃果「ねぇ海未ちゃん」
穂乃果「真姫ちゃんって、知ってる?」
海未「真姫…」
海未「誰ですか、それは」 もしかしてパラレルワールド間で穂乃果が入れ替わったとかいう系? おかしいのは世界の方だった系か
盛り上がって参りましたねえ! 個人単位でのまどマギみたいなことがおきてるのかな? 穂乃果「穂乃果もさっき、真姫ちゃんのこと思い出したの」
穂乃果「自分が死んだことと一緒に」
海未「あなたは…」
穂乃果「穂乃果、死んじゃったよ」ウルウル
穂乃果「ごめんね、真姫ちゃん、ごめん…」シクシク
海未「…穂乃果、その、真姫という方について」
海未「教えていただけませんか」
穂乃果「…μ'sの、メンバー」
海未「μ'sの…?」
穂乃果「一年生で、お金持ちで、医者を目指してて」
穂乃果「μ'sの曲は、殆ど真姫ちゃんが作ってた…」
海未「…」 海未「真姫、という方は、決して…穂乃果の作り出した存在…想像上の存在ではないんですよね?」
穂乃果「ちがう!!!!」キッ
海未「!」ビクッ
穂乃果「…ごめんね」
穂乃果「真姫ちゃんは、穂乃果たちといつも踊って、歌って…」
穂乃果「うぅ…」シクシク
こんな可哀想な穂乃果に対して、私はどうしてあげるべきか分からず
ただ、抱きしめました
海未「大丈夫です…大丈夫…」ギュッ
穂乃果「海未ぢゃん…ぅぅ…」ヒック ………………………………………………………
穂乃果「落ち着いたよ、ありがとう」
海未「いえいえ」
海未「さぁ、教室に戻りますよ」
穂乃果「…日に日にね」
海未「?」
穂乃果「日に日に、穂乃果は穂乃果なのかって」
穂乃果「違和感が大きくなっていって…」
海未「…穂乃果は、穂乃果ですよ」
穂乃果「毎日、変わっていってる気がするんだよ」
穂乃果「ちょっとずつ…」
海未「…穂乃果」
穂乃果「うん」
海未「しっかりと、話し合いましょう」
海未「μ'sのみんなで、話し合うんです」
海未「抱え込んではダメです、話すんです」
穂乃果「…うん」
穂乃果「うん、そうだよね…うん、うん…」ウルウル
海未「あなたは泣き虫ですねぇ…」ナデナデ
穂乃果「だってぇ…」シクシク グループ:驚天動地
ピロン
海未:あの
海未:今日の部活、ミーティングということにしてもらって宜しいでしょうか
絵里:どうしたの?
海未:穂乃果と少し、話し合いまして
海未:みんなに、本当の事を言おうって…
凛:じゃあこのグループもうあまり意味ないにゃ
希:短い命やったね…
凛:ちょ!!!希ちゃん不謹慎!!
希:いやいやいやいやいやいやいやいや!!
希:過敏やろ!逆に不謹慎やろ!!
絵里:お黙り!
絵里:そういうことなら、μ'sのグループの方で言っておくわ
海未:はい、ありがとうございます
海未:あの、まだ、このグループは残しておく意味があると思いますよ
海未:なんとなく
希:なんとなくて
凛:退会ボタン押しかけてたにゃ ……………………………………………………………
-部室-
にこ「なんかみんな顔暗くない?」
絵里「…」
にこ「なんのミーティングなのよ、これは」
希「まぁ…」
凛「追々分かるにゃ」
花陽「凛ちゃんはもう知ってるの?」
凛「抜け駆けにゃ」
ことり「気になるよ〜」
ガチャ
穂乃果「…」
海未「少々遅れました、すみません」
ことり(穂乃果ちゃん目が赤い…) 海未「えーっと…今回集まってもらったのは」
海未「穂乃果の、悩みを解決してもらう為です」
にこ「悩み?」
海未「はい」
ことり「穂乃果ちゃん、悩みって…?」
ことり「言いにくいこと?」
穂乃果「…うーん」
穂乃果「うん…言いにくい…」
花陽「それなら無理して言わなくても…」
穂乃果「…いや」
穂乃果「言わなきゃ、ダメだと思う」
穂乃果「解決しなきゃダメだ…うん、そうだよ」
穂乃果「…みんな」
穂乃果「穂乃果の、悩みを聞いて」 ………………………………………………………
最近、身体がおかしい
かゆいわけでも痛いわけでもないけど
どこか気になる
穂乃果「んー…」
なにかの病気?
それにしては他に兆候が無さすぎる
穂乃果「嫌だなぁ」
とにかく嫌な気分になる
早く解放されたい… 数日が経った
しかし治ることはなかった
穂乃果「あーもう…」
悟られないように笑顔を振りまくことにも疲れてきた
相談なんて嫌だ
変な迷惑をかけたくない
原因も、症状さえもよくわからない
私が抱え込めばそれで… 辛いなぁ
最近、「自殺」の二文字が
よく頭をよぎる
それ程に辛い
ずっと気分が悪い
誰か
気づいてくれないかな
穂乃果「あー…」
死にたいな
なんて ウズウズ、ウズウズ
ウズウズ、ウズウズ
最近、よく屋上に来る
高いところは苦手だったけど
今はちょっと好きかもしれない
ウズウズ 屋上から眺めた街の景色は綺麗で
いつも見てる風景なのに、なんでこう感じるんだろうって不思議がある
…もうダメだなぁ
耐えられないかもね
耐えられない
穂乃果「バイバイ」 目覚ましが鳴った
今日も朝が来た
まず泣くところから私の1日は始まる
葛藤する
自分が死ぬことを考える
そのあとのみんなの悲しそうな顔を考える
私は泣く
今日も身体がおかしい
今日も学校へ向かう 屋上へ来た
なるべくなにも考えないように
思い出は思い出さないように
目をつむり風の音に集中する
私以外誰もいない
来てくれない
止めてくれない
…ひどく自分勝手だと思う
心を無にする
楽しいことなんてなにもなかったと自分を騙す ガチャ
ドアが開いたような音が聞こえた気がする
私は振り向かない
フラフラと死の淵へ向かう
フェンスを登る
…何か声がする
海未「穂乃果!!!!!」
凛「穂乃果ちゃん!!」
真姫「穂乃果!!」
穂乃果「!!!!!」
みんな…
穂乃果「…」ウルウル
もう決めちゃったよ
もう、もう…
穂乃果「遅いよぉ…」シクシク
タンッ 物凄いスピードで私の身体が落ちていく
目は閉じない
ギリギリまで世界を見ておきたい
目の前に地面が迫った
…ドシャ‼︎‼︎‼︎‼︎
とんでもない音がした
人間の出していい音色ではなかった
今、私の身体はどうなってるんだろう
とにかくそこら中の感覚がない
だけどヤケに頭は回る
何とか生き永らえようと私の脳がフル稼働する
けど、すぐに諦めて、急激に、鈍る
あ
……………………………………………………… タッタッタ…
真姫「はぁっ…はぁっ…」ピトッ
穂乃果「」
真姫「死ん…」
海未「真姫!!!穂乃果は…」
真姫「…」
凛「穂乃果ぢゃぁん…なんで…」シクシク
真姫「…ほぼ、即死ね」
海未「そんな…」
海未「あぁ…」ガクッ
真姫「…」ウルウル 凛「真姫ぢゃぁん…穂乃果ちゃん助からないの…?」
凛「やだよぉ…」シクシク
真姫「…助かる方法は、あるわ」
海未「…死んでるのでしょう?」
海未「変な期待を…」
真姫「死者は…死んだままでないといけないから…」
真姫「だから、死んだままなの」
真姫「…そのルールを破った人は幾らでもいるわ」
凛「…真姫ちゃん?」 真姫「手当て…ってよく聞くでしょ」
スッ
真姫「ふぅ…」
海未「真姫、何を…」
真姫「医者は…本来道具なんて使ってなかったの」
真姫「こうやって手を当てて、集中…」
真姫「…」
穂乃果「」ピクッ
凛「!!!!!」
真姫「ふぅー…」 海未「あなたは…」
真姫「…勿論タブーよ、こんなこと」
真姫「死者を蘇らすなんてやっちゃいけないわ」
真姫「それでも…生きて欲しい人はいるでしょ」
穂乃果「…ん」ピクッ
海未「!!」
真姫「もうちょっと…」グググ
凛「頑張って真姫ちゃん!穂乃果ちゃん!!」ウルウル
真姫「ふぅー…」 ……………………………………………………
あれ
地面にぶつかって凄い音がして…
そのまま意識がなくなって…
真姫「!」
海未「穂乃果!!!!!!!」
凛「穂乃果ちゃん!!!」
…私、まだ生きてるんだ
そっかぁ…
穂乃果「ははは…」
海未「何笑ってるんですかぁ…」シクシク
凛「よがっだにゃぁぁぁぁ」シクシク
真姫「…」 真姫「…私は、禁忌を犯したわ」
禁忌…?
真姫「どうなるのかしら」
海未「何かあったならその時は」
海未「今度は全力で私達が守ります」
凛「そうだにゃ!真姫を助けるにゃ!!」
真姫「ふふ、ありがと」ニコッ
真姫「…穂乃果、よく聞きなさい」
穂乃果「うん…」
真姫「もう、死のうなんて考えちゃダメよ」
真姫「死ぬのもダメよ、老衰で死になさい、分かった?」
死ぬのもダメって…一回死んだみたいに…
海未「そうですよ!もう死んではダメですよ!」
…本当に死んだの? 穂乃果「あの、穂乃果…死んだの?」
凛「真姫ちゃんが生き返らせてくれたにゃ〜!」
穂乃果「えぇ…」
穂乃果「…」
穂乃果「あははは!!」ゲラゲラ
なんだか
すごく面白かった
一回、死んだんだって、私
穂乃果「ふふふ…」
真姫「何が面白いのよ…」
穂乃果「ありが
…………………………………………………………… ………………………………………………………
最近、身体がおかしい
かゆいわけでも痛いわけでもないけど
どこか気になる
穂乃果「んー…」
なにかの病気?
それにしては他に兆候が無さすぎる
穂乃果「嫌だなぁ」
とにかく嫌な気分になる
早く解放されたい… 数日が経った
しかし治ることはなかった
穂乃果「あーもう…」
悟られないように笑顔を振りまくことにも疲れてきた
相談なんて嫌だ
変な迷惑をかけたくない
原因も、症状さえもよくわからない
私が抱え込めばそれで… 辛いなぁ
最近、「自殺」の二文字が
よく頭をよぎる
それ程に辛い
ずっと気分が悪い
誰か
気づいてくれないかな
穂乃果「あー…」
死にたいな
なんて
…なにか罪悪感がある
モヤモヤする ウズウズ、ウズウズ
ウズウズ、ウズウズ
最近、よく屋上に来る
高いところは苦手だったけど
今はちょっと好きかもしれない
ウズウズ、ウズウズ 屋上から眺めた街の景色は綺麗で
いつも見てる風景なのに、なんでこう感じるんだろうって不思議がある
…もうダメだなぁ
耐えられないかもね
耐えられない
穂乃果「バイバイ…」
…誰だっけ
誰か… 目覚ましが鳴った
今日も朝が来た
まず泣くところから私の1日は始まる
葛藤する
自分が死ぬことを考える
そのあとのみんなの悲しそうな顔を考える
海未ちゃん、ことりちゃん、凛ちゃん、花陽ちゃん、絵里ちゃん、希ちゃん、にこちゃん… あと、誰か
私は泣く
今日も身体がおかしい
最近、頭までおかしい
今日も学校へ向かう 屋上へ来た
なるべくなにも考えないように
思い出は思い出さないように
目をつむり風の音に集中する
私以外誰もいない
…いない?
何か…ボンヤリと見える、赤い…
いやいや
遂に幻覚まで見えてきた
目は閉じてるのに
来てくれない
止めてくれない
…ひどく自分勝手だと思う
心を無にする
楽しいことなんてなにもなかったと自分を騙す ガチャ
ドアが開いたような音が聞こえた気がする
私は振り向かない
フラフラと死の淵へ向かう
フェンスを登る
…何か声がする
海未「穂乃果!!!!!」
凛「穂乃果ちゃん!!」
穂乃果「!!!!!」
海未ちゃん、凛ちゃん…
穂乃果「…」ウルウル
もう決めちゃったよ
もう、もう…
穂乃果「遅いよぉ…」シクシク
タンッ 物凄いスピードで私の身体が落ちていく
目は閉じない
ギリギリまで世界を見ておきたい
目の前に地面が迫った
…ドシャ‼︎‼︎‼︎‼︎
とんでもない音がした
人間の出していい音色ではなかった
今、私の身体はどうなってるんだろう
とにかくそこら中の感覚がない
だけどヤケに頭は回る
何とか生き永らえようと私の脳がフル稼働する
…!
あ…!!!
私は…私は…
私は、なんて愚かなんだろう
助けてもらったのに…救ってもらったのに…
また…!!
真姫ちゃん…
ごめんね、真姫ちゃん、本当にごめんね…
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