ことり「ことり達のバレンタイン」
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「ハッピーバレンタイン!」
部室のドアを思いっきり開けて入ってきたのは、
いつにも増してとびっきり笑顔の穂乃果ちゃん。
「穂乃果ちゃん!どうしたの?」
「...廊下、走ってきましたね?」
隣で作詞をしてた海未ちゃんが、冷たい声色で穂乃果ちゃんに問いかける。
穂乃果ちゃんの乱れた息が、走ってきたことを物語ってる。 「あっ、えぇとぉ...」
「穂乃果ぁ!廊下は走ってはいけませんっ!」
縮こまる穂乃果ちゃんに、海未ちゃんが喝を入れる。
「うぅ〜、ごめんなさい...!」
慌てて穂乃果ちゃんは、海未ちゃんの前でぺこりと頭を下げた。
いつもの2人だなぁ。
「あっ、それよりも、今日バレンタインでしょ?」 顔を上げて、元気な声に戻った穂乃果ちゃん。
「チョコ、作ってきたんだ!」
「...穂乃果が、ですか?」
ぽかんとした顔で海未ちゃんが呟く。
「なっ!ひどいよ海未ちゃーん!」
「はっ、す、すみません、つい...っ」
“つい”って言っちゃってるよ、海未ちゃ〜ん!
でも、穂乃果ちゃんが手作りチョコ?? 「何作ってきたの?穂乃果ちゃん♪」
「あ!うん、えっとね...」
これっ!と言って、穂乃果ちゃんがカバンから取り出したのは...
...お饅頭?
「...これ、黒糖饅頭ですか?」
海未ちゃんも同じこと思ってたみたい。 「違うよぉ〜!チョコ饅頭だよっ!」
穂乃果ちゃんが持ってるものはなんと、チョコ饅頭でした。
「チョコ饅頭?食べたことないかもぉ...」
「じゃあとりあえず、食べてみてっ!」
穂乃果ちゃんはガサガサと乱暴に袋を開けて、チョコ饅頭なるものを取り出し、ことりと海未ちゃんの手のひらの上に乗せた。
たしかにチョコのいい匂いがするし、これは、
お饅頭の皮にチョコが入ってるのかな?
「すごく美味しそうですね....!いただいていいんですか?」
「どうぞどうぞ〜!」 「「いただきます...」」
そのお饅頭を、ことりと海未ちゃんがほぼ同時に口に入れると...
「「美味しい...!」」
ほぼ同時に声が出た。
「ほんとっ!?やったぁ!」
ピースサインを浮かべる穂乃果ちゃん。
これ、すっごく美味しい...! 皮はもちもちしてて、チョコの風味がしっかりある。中のあんこはほんのり甘くて、皮との絶妙な食感。
「これ、すっごく美味しいよ!穂乃果ちゃん!」
「本当です、すごいですね...」
「でしょ〜?頑張った甲斐があったよ〜」
すっごく嬉しそう、穂乃果ちゃん。 「これ、他のみんなにも配るんですか?」
「ううん!他のみんなには、別のを用意してあるの」
穂乃果ちゃんからちょっと意外な返事が返ってきた。
「えっ?どうして?このお饅頭、とっても美味しいのに...」
そう聞くと、穂乃果ちゃんは私達の顔を寄せて
、耳元で囁いた。
「えへへ、そのお饅頭はね...ことりちゃんと海未ちゃんだけの特別なものだから...」 ......
「「えっ?」」
変な声が出ちゃった。
「えっとね!つまり、それは...2人への本命チョコだから...」
照れ隠しするように頬をかく穂乃果ちゃん。
「本命チョコ、ですか?」
「穂乃果ちゃんが、私達に?」
「...変かなぁ...?」
...穂乃果ちゃんが不安げに見つめてきたから。
「ぷ...っ」
「ふふっ...」
思わずことりと海未ちゃんは笑っちゃって。 「な、なんで笑うのぉ〜!?」
今度はほっぺを膨らませて、プンプン怒る穂乃果ちゃん。
「ふふ...ありがとうございます、穂乃果...」
「ありがとうっ、穂乃果ちゃん!」
ことりと海未ちゃんで、穂乃果ちゃんを抱きしめると、
「ぅわぁっ!ふふ、どういたしまして...」
嬉しそうな、恥ずかしそうな、元気な声が返ってきました♪
おわり 超短編で2日も遅れたバレンタインネタだけど、
誰かが見てくれてたら嬉しい。
おわりです
前作
曜「正しい」 千歌「愛の末路」
曜「活動日誌?」
曜「千歌ちゃんポッキゲームしよう」 千歌「は?」
気づけばようちかばっか書いてた... ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています