曜「3人で動物園!」
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千歌「ほわー、人がいっぱいだねー」
梨子「まあ人も動物だし、正しく動物園ではあるわね」
曜「なんでこう若干テンション下がること言うかね、梨子ちゃんは」
千歌「そんなことより動物見に行こ!私キリン見たい!」グイッ
梨子「ちょ、引っ張らないでー!」
曜「千歌ちゃんは相変わらずだなー」アハハ 曜パンジーはどこで観れますか?
パンダの千歌シャンと梨子アラと戯れてるのが観たい ────────────
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キキーッ!!!
チンパンジー(危なっ!)
動物園から脱走して分かったことがある。
人の世の中は危険がいっぱい。 脱走してから何度自動車に引かれそうになったことか。
脱走当初よりは数が減ったものの、やはり今でも気を抜いて車道を渡ろうとすると、車がとんでもないスピードと迫ってくることがあるから恐ろしい。
それに人に見つかれば通報される危険性もある。
ここまで来て動物園へ戻されるのは流石に避けたい。
そして何よりの問題が食料だ。
今までは山道を通って適当な食べられそうな物を食べたり、ゴミ箱を漁ったりしてなんとかなってはきている。
こんな食生活で体調を崩さない自分に驚きだ。
これもチンパンジーになったおかげなのだろうか。 チンパンジーになったおかげといえば、もう1つ。
それは身体能力の向上だ。
元々身体能力は高かったと自負はしていたけど、チンパンジーになってからは拍車をかけて高くなっている。
人の体では行けない場所も今ならなんなく行けてしまうので、少し楽しいというのは秘密である。
とにかく、今自分が出来る精一杯をして、なんとしてでも辿り着いてみせる。
それだけが今の私の望みだ。 千歌「今日も曜ちゃん来てないね……」
梨子「うん、LINEも返ってこないし、何かあったのかな……」
千歌「お見舞いとか行ってみる?」
梨子「そうだね、学校終わったら行ってみよっか」
千歌「他の皆も誘ってみる?」
梨子「大勢で行っちゃうと迷惑になるだろうし、私達2人だけにしときましょ」
千歌「それもそっか。よーし、お見舞いになんか体に良さそうな物いっぱい買ってくぞー!」 すみません、今日はこれだけで勘弁して下さい
明日には終わる予定です まずいことになってきた。
ほとんど休まずにここまで来たからか、体力的に限界が見えてきている。
身体もボロボロで、ぶっちゃけもう諦めて寝てしまいたいくらいだ。
でも足を止めるわけにはいかない。
ここで歩みを止めてしまえば、さらにまずいことになりそうだからだ。
少し前から記憶があやふやになってきている。
私が誰であの子が誰か、何処へ向かっているかなどは覚えていても、過去の細かな記憶がはっきりと思い出せないのだ。
身体の次は心までもチンパンジーになるとでもいうのだろうか。
ひとつ確信できるのは、このままぼやぼやしていると自分のことすら忘れてしまうかもしれないということ。
そうなる前に、千歌ちゃん達のもとへ辿り着かなければならない。 だけどずっと足を止めずに来たおかげか、段々と見覚えのある景色が増えてきた。
このままいけば、明日には沼津に着くだろう。
そうすれば、あと一息だ。
チンパンジー(よし、ラストスパート、頑張りますか!)
そして私は微かな希望を胸に、また走り出すのであった。 「そういえば知ってる?この前行った動物園にいたチンパンジーが1匹、脱走したんだって」
「へー、動物園の暮らしが嫌になっちゃったのかな?」
「まあ常に人に見られてるからねー、そりゃ嫌にもなっちゃうでしょ。もし私が動物園で飼われてたら、私も脱走しちゃうかも」
「──ちゃんならホントに脱走くらい出来ちゃいそうだから怖い」 動物園から脱走して1週間くらい経っただろうか。
ようやく、ようやく内浦まで戻ってくることが出来た。
身体はボロボロだし、記憶ももう大分危うい。
だけどあの子に、千歌ちゃんに会えば、何かが変わる気がする。
その気持ちだけでここまで来た。
それがようやく、報われる。
チンパンジー(学校の近くで待ってたら、千歌ちゃん来るよね……)
そう思い、学校へと駆け出す。
もう一度だけでも、あの子の笑顔を見るために。 ────────────
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チンパンジー(……はっ!ヤバっ!寝ちゃってた!)
かなり疲れていたせいか、千歌ちゃんを待っている間に寝てしまっていたようだ。
慌てて辺りをキョロキョロと見渡す。
大丈夫、まだ日は落ちてない。なれば、まだ学校にいるだろう。
チンパンジー(今日もAqoursの練習でもしてるのかな?) 学校の中へと入って行きたくなる気持ちをぐっと堪え、また待ち始める。
少しすると、チラホラと校門から人が出てき始める。
中には知った顔も混ざっている。
千歌ちゃんもそろそろ出てくるだろうか。 千歌「でさー、その時に梨子ちゃんがさー」
梨子「ちょ!その話はなしって言ったでしょ!///」 懐かしい声がした。
間違えるわけがない。
あの子の、千歌ちゃんの声だ。
チンパンジー(千歌ちゃ──)ドクン
心臓の音が鳴り響く。
久しぶりに千歌ちゃんの顔を見れたから?
違う。
千歌ちゃんが楽しそうに喋っていたから?
違う。
チンパンジー(なんで……!どうして……!そんなこと、ある筈ないのに!)ドクンドクン
心臓の音がうるさくて、考えがまとまらない。
目の前の光景を、受け止められない。 だって、そこにいたのは、いるはずのない、だけど見飽きるほどに見慣れた、
曜「私が休んでる間に、まさか梨子ちゃんがそんなことをしてたなんてなー」
他でもない、私自身だったのだから。 千歌「でもまさか曜ちゃんが風邪ひくとはねー。今まで風邪ひいて休んだことなんてあったっけ?」
曜「そういえばなかったかも……」
梨子「地味に凄いわね……」
梨子「ていうか、風邪なら風邪ってちゃんと連絡してよね。心配しちゃったよ」
曜「それがスマホいじるのも億劫になるくらい調子悪くてさー」
梨子「それでもソシャゲにはきっちりログインしてたわよね」
曜「そ、それはほら、無意識というかなんというか、ログイン途切れるのってなんか嫌じゃん?」
千歌「その気持ち凄い分かる!」
梨子「これがスマホ依存症の若者達なのね……」
曜「梨子ちゃんだってソシャゲやってるくせにー」
千歌「課金までしてるくせにー」
梨子「わ、私のことはいいの!」 チンパンジー(違う!それは私じゃない!私はここだよ!)
千歌ちゃんにそう告げたい。
でも口から出るのはキーキーという鳴き声だけ。
道路を挟んで向こう側。
こんなにも近くにいるのに、届かない。 チンパンジー(っ!千歌ちゃん!)ダッ
夢中で、飛び出した。
千歌ちゃんに気付いて欲しい、ただそれだけで。
だからだろうか、忘れてしまっていた。
世の中は危険でありふれているということに。
キキーッ!!!
瞬間、目に見える全てが止まって見えた。
それと同時に、忘れそうになっていた様々な記憶も溢れてくる。
そうか、多分、これが走馬灯というものなのだろう。 ああ、せめて、最後に、
もう一度千歌ちゃんと、話したかったなぁ
「千歌ちゃん!」
ドンッ!!! 千歌「ん?今曜ちゃん私のこと呼んだ?」
曜「ううん、呼んでないけど。空耳じゃない?」
千歌「うーん、確かに聞こえた気がしたんだけどなー」
千歌「ハッ!これが梨子ちゃんが言ってた海の音みたいなものなのか!」
梨子「千歌ちゃんの空耳と一緒にしないで」
千歌「んもー、冷たいなぁ、梨子ちゃんは。千歌が作曲の才能に目覚めたかもしれないんだよ?」
梨子「作曲の才能が目覚めるよりも、はやく作詞の方をどうにかしてほしいかな」
千歌「うっ!」
曜「まだ出来てなかったの?」
千歌「も、もうすぐ凄いのが完成するもん!見てから腰抜かしても遅いからね!」
梨子「じゃあこれから見せてもらおうかしら、その腰が抜けるほど凄い詞」
千歌「うー……。助けて曜ちゃーん」
曜「アハハ……」 ────────────
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梨子「そういえば知ってる?この前脱走したって言ったチンパンジー、この辺で見つかったらしいよ」
千歌「ほえー、見てみたかったなー。でもなんでわざわざこんなとこまで来たんだろ」
曜「もしかして千歌ちゃんに会いに来ようとしてたのかもよ?」
千歌「いやー、流石にそれはないでしょー」
曜「わかんないよー?だって─」 曜「私がチンパンジーだったら、絶対千歌ちゃんに会いに行くもん」 曜ちゃんとチンパンジーの中身が入れ替わってチンパンジー(曜ちゃん)が事故死。
又は、変な機械によって曜ちゃんの人格がチンパンジーにコピーされ、事故死したのはチンパンジー。
どっちなんだ 自分のことを渡辺曜だと思い込む精神異常チンパンジー ミステリアスで大変よい
人格コピーでも入れ替わりでもよいぞ >>85
ワイもやで
昔子供向けホラー漫画で同じようなの見て少しトラウマゾ… >>88
なんかかわいそうじゃない?
曜ちゃんわけわかんないまま誰にも知られずに死んじゃった訳でしょ
でもめっちゃ熱中して読んだのは間違いないよ 機械が原因なら触った瞬間に入れ替えが起こりそうだし人格コピーかなぁ 曜ちゃんがチンパンジーから戻れずに結局動物園に連れ戻されて他のオスから無理やり動物のように交尾されたりチンパンジーとして一生見せ物として檻の中で過ごすって話を想像してしまって悲しい勃起してる ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています