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こころ「おねえさまへプレゼント!」
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0001見易さの配慮で、ココア 口調ごちゃまぜ 悪しからず(魔女の百年祭)
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2018/01/23(火) 23:49:49.76ID:fLj96qTy
TV「母の日は、ガ=ナでありがとう」


こころ「母の日、かあ」

ココア「母の日ねえ」

こころ「今年はプレゼント何にするか考えてる?」

ココア「またチョコでいいでしょ。めちゃ喜んでたし」

こころ「駄目だよ、毎年そんなの。もうここ3年か4年はチョコでしょ?」
0023名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:02:28.30ID:U/qQ2UTK
にこ「ふん…。ふふ。なら、忘れたり失くさないようにすること。あんたたちがあのピンクのフリフリの傘何処かに置いてこなかったらこうはならなかったのよー」

ココア「…原因は全部こっちだけど」

こころ「だからって、おねえさまが」

にこ「はい聞かない聞かなーい。なに、マイシスターズはにこにーに恥をかかせたいの?」

こころ「そんなはず!」
0024名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:03:34.97ID:U/qQ2UTK
にこ「なら大人しく言うことを聞くこと。にこにーはね、スーパーアイドルであると同時に姉なの。お姉さんよお姉さん。妹も躾けられないんじゃ、姉として失格よ。だから、ね?」

こころ「…はい」

ココア「…はい」

にこ「よし、良い子。じゃ、キュートな天使たち、帰るわよ」

こころ「ありがとうございます、おねえさま」

ココア「おねえちゃんありがとう」
0025名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:04:03.53ID:U/qQ2UTK
こころ(あれが、我らが母であり姉のにこ様)

ココア(やばいようちのねえちゃん)

にこ「ふっふーん」

こころ(ねえ、傘)

ココア(うん、傘で決まりだな)

にこ「…?」
0026名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:04:37.41ID:U/qQ2UTK
日曜日。昼過ぎ。

熱心にパソコンに向かってアイドルの情報を集めているおねえさまにちょっと失礼して外出を告げます。

にこ「…ふむ」カチッ

こころ「おねえさま、研究中のところちょっと失礼します」

にこ「ん?こころ。どしたー?」

こころ「また二人でショッピングモールに出かけてきますね」
0027名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:05:09.93ID:U/qQ2UTK
にこ「行ってらっしゃい。夕飯までには帰ってきなさいよ」

こころ「傘も忘れずに持っていきます!では」

ココア「行ってくるわ、おねえちゃん」

こころ「さあさあ、ココア」

ココア「はは、いや待ってって、一人で先行くなって説教したのこころでしょー」

にこ「走って転ぶんじゃないわよー」

こころ「はーい!」

にこ「…ふふ」
0028名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:05:43.36ID:U/qQ2UTK
少し息を切らしてショッピングモールに到着して、そのまま傘が沢山並んでいるノーブランドのコーナーへと足を運びました。

こころ「んんん…」

ココア「ビミョい。おばさん臭いのしかないよ」

こころ「これがこの中では…」

ココア「ないない、ここの裏のこのおばさんピンクなカラーがあり得ないって。くすんだピンクとかにこ姉にはあり得ない」

こころ「確かに」
0029名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:06:24.88ID:U/qQ2UTK
ココア「これは…どう、この贅沢なの」

こころ「それこそあり得ないわ。その変に上品さを求めちゃったみたいな失敗シルクみたいな生地はおねえさまの白い肌とビビットカラーな服を濁らせるもの」

ココア「まあ、その通りかも」

こころ「…ないよ」

ココア「…ない」

こころ「どうしよう…」

ココア「……あそこ、傘なかったっけ」

こころ「どこのこと?」

ココア「あの可愛いってかプリティなもので溢れてるお店」
0030名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:07:03.34ID:U/qQ2UTK
──

こころ「あった」

ココア「うん。あった」

こころ「このふわふわしたひらひら」

ココア「上品すぎないキュートでナイスなレース」

こころ「ポップさ、楽しさをイメージさせる彩度の高い色のアクセント」

ココア「女の子らしさを具現化したかのように計算し尽くされたまるっこい柄、フォルム」

こころ「そしてスーパーアイドルにこにー様のイメージカラー、ピンクの布地」

ココア「ほとんど原色のピンクが、くどくないギリギリのところまで塗りたくられていて、アイドルの王者の証の色であることを強調してる」
0031名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:07:32.62ID:U/qQ2UTK
こころ「これしかない」

ココア「うん。これしかない」

こころ「…結構な値段ね」

ココア「うわ、ギリ」

こころ「苺にする?」

ココア「まさか」

こころ「ね」

ココア「…はやく渡そう」

こころ「うん。行こ」
0032名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:08:09.23ID:U/qQ2UTK
──

ココア「うわーまた降ってるじゃん」

こころ「安心しなさい!今日はおねえさんのこころがしっかりと傘を持ってきてるから」

ココア「おねえちゃんに言われてだけどね」

こころ「今日は自分で思い出したからいいの」

ココア「わーこころおねえさんかっこいー」

こころ「棒読みはイラッと来るんですけど…」
0033名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:08:34.80ID:U/qQ2UTK
 「…ひっく」

ココア「…」

こころ「女の子?」

 「……ふぇぇ。ひっく」

ココア「…?」

こころ「…さあ」

ココア「どうする?」

こころ「聞いてみるよ」
0034名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:09:17.48ID:U/qQ2UTK
こころ「どうしたの?おねえさんが力になるよ。迷子かな?」

 「ううん。おうち…帰れないの」

ココア「…迷子じゃないの?」

 「傘、持ってない」

こころ「お母さんやお父さん、おにいちゃんおねえちゃんはどこ?」

 「おうち」
0035名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:09:50.80ID:U/qQ2UTK
ココア「一人で、家から出てきたの?」

 「うん」

ココア「まじかよ…」

こころ「おうちの人に、お出かけするねって、伝えたかな」

 「ううん」

こころ「…かえしてあげよ」

ココア「…おっけ」
0036名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:10:33.56ID:U/qQ2UTK
こころ「おうちの人、きっとみんな心配してるからさ、お姉さんと一緒に帰ろ」

 「…っ」フルフル

こころ「…えっと、どうしてかな?お母さんに怒られることでもしちゃったかな」

 「…ちがう。…お花」

ココア「…あ」

 「お花…買ってあげたかったの…ぐすっ…」

こころ「…お母さんに?」

 「ママのお花…足りないよ…楽しみにしてたのに…っ」
0037名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:11:01.64ID:U/qQ2UTK
ココア「それ、80円って…馬鹿、ねえこころ金貸して、二倍で返すから」

こころ「ココア…。いや、貸しとか分かんなくなるし、私が行く」

ココア「いや、私に面倒見れる訳ないじゃん。利子はどうでもいいから」

こころ「…頼むわ」
0038名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:11:36.13ID:U/qQ2UTK
15分後

ココア「…はぁ、はぁ。これ、あげるから。カーネーション。量はあんまないけど」

 「おねえちゃん…これ、くれるの?」

ココア「…そうだよ。ママ、喜ばしてあげなよ」

 「ありがと!おねえちゃん!ママにあげる!」

ココア「そ、そっか」
0039名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:12:04.39ID:U/qQ2UTK
こころ「…じゃ、おうち、帰れる?」

 「早く帰る!」

こころ「じゃあ、おねえさんと一緒に帰ろ。雨降ってるから、この傘使ってね。おうち、教えてくれるかな」

 「うん!」

ココア「…は?ちょ、こ、こころ」

こころ「…ちょっと待って」

ココア「……は」
0040名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:12:32.56ID:U/qQ2UTK
──

 「あのねー、おうちね、あそこ左に曲がったらもうすぐだよ」

こころ「もう道覚えてるなんてすごいね」

こころ「ね、大丈夫かな、きっと家の人、カンカンだよね」

ココア「……ねえ」

こころ「……」

ココア「……まだ?」

こころ「……まだよ」
0041名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:13:19.03ID:U/qQ2UTK
 「おねえちゃんの傘、すっごい可愛いね!ピンク色可愛い」

ココア「」ピクッ

 「ママも赤とかピンクとか大好きなんだよ」

こころ「ごめん」

ココア「…いやこころ何」

こころ「その傘、おねえさんたちからプレゼントします。とっても可愛いでしょ。大切に使ってね」

 「ほんとに!?ありがとう!おねえさんたちちょー優しいね!」

ココア「…………は。は、は?はは?はあ。は?」
0042名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:14:30.00ID:U/qQ2UTK
こころ「…謝る」

ココア「こころいや」

 「あ、ママ!これ、ママにあげる!」

こころ「っ!まずい!」

ココア「っ…!」
0043名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:14:58.02ID:U/qQ2UTK
走り出した女の子。曲がり道で塀のせいで死角になってお母さんの姿は見えない。

追って駆け出した先に見えたのは、片手を大きく雨空に広げたお母さんの姿。

悪意のある悪事に暴力で躾けるのは仕方がないこと。でも、悪意のない、それも善意でしかない間違った行動には、暴力で対処する必要なんてない。

こころの方向が間違ってないのなら、そこに対抗する力がないのなら、力を加えても間違えた方向にしか向かない。

おねえさまは、行動ではなく、気持ちで考えてくれる方だから。

その子は、何も間違ってなんかいないの。
0044名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:15:28.37ID:U/qQ2UTK
こころ「待って!!」

ココア「っ!!」


 「…ふぇ?」


次の瞬間、お母さんの右手は、その女の子を強く抱き締めていた。

左腕に、は二本の傘がかけられている。

すぐに傘は地面に無造作に落とされて両手でさらに強く。

その顔は、小さな女の子の肩に、埋められる。

肩を揺らして。
0045名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:15:58.68ID:U/qQ2UTK
カーネーションが、ちょっと二人の間で潰れて、びっくりして離されたピンクの傘は、ひっくり返って雨に濡れた。

理解のあるお母さんで良かった。

良かったね。名前も知らない女の子。

いつの間にか閉じていた、にこおねえさまがくれたフリフリの傘を再びさすこともなく、そっとその場を立ち去った。
0046名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:16:42.81ID:U/qQ2UTK
5分ほど歩いたところで。

ココア「こころ!」

こころ「……ごめん」

ココア「ごめんじゃないよ、どうすんだよ傘?!探して、探して、小遣い叩いた挙句花買ってやって、全部渡してはいおしまい?勝手に主人公になって進めんなよ!」

こころ「……っ」

ココア「声かけてやるのはいいよ、素晴らしい、花金借りてまで買ったのも私だ、けど、あの傘渡すことに何の意味があった?こころの今持ってる傘をなぜ渡さなかった?
無残に親子の感動シーンの絵の飾りになってお終いだよ?こんなの、あんまりだ、酷い仕打ちだよ…どうして……こんなバッドエンド迎えなくちゃいけないのさあ…………っ!」
0047名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:17:37.19ID:U/qQ2UTK
こころ「…そう、そのとおり。こころが全部間違ってる。ごめんね…ごめん、ほんと、ごめん…」

ココア「謝るならさっ、今すぐ同じの買ってこいよ!おねえちゃんに渡せるはずだった、母の日に渡せるはずだった傘、買ってこいよ!」

こころ「……っ」

ココア「……うああああぁぁぁぁぁぁっ」

こころ「……くっ……っ、……わあああぁぁあぁっ」

ココア「泣くようなこと、しないでよっ……!」

そう言って、ココアは私を抱き締めた。
0048名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:18:11.70ID:U/qQ2UTK
きっと、本当は全部通じてる。

私達はみんな不器用で、ぶつけ合わせて、泣くことでしか、それを確かめ合えない。

おねえさんとして、先に抱き締めてあげられなくて、これではおねえさん失格だと思った。

いくらか落ち着いてから、私は自分の気持ちを伝えた。
0049名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:18:53.38ID:U/qQ2UTK
こころ「おねえさまは…どんなことがあっても、私達や周りを優先して、あんな風に笑ってられる。自分の傘なんだから自分で使って、ビニール傘を渡せばいい。そこに非常識も悪質さも全くないのに、おねえさまはそうするの」

ココア「知ってる」

こころ「いつだってそう。自分の趣味のアイドルのこと調べるのも、学校のことも、時には体調だって、自分のことは全部後回しで、働くお母さんのかわりをしてくれた」

ココア「そうだね」
0050名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:19:22.15ID:U/qQ2UTK
こころ「いつだって。横断歩道に杖をついてる人がいれば飛んでいっちゃうし、迷子の人が居れば家まで送り届けるし、泣いてる子にだって、笑顔の魔法をかけるの」

ココア「にこ姉は正義の塊みたいなおねえちゃんだからね」

こころ「そう。にこおねえさまはいつだって真っ直ぐで、誰よりも正しくて、どこまでも格好いいわ」

ココア「…」

こころ「例え、スーパーアイドルなんかじゃなくても、おねえさまは、世界で一番かっこいい」
0051名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:19:57.57ID:U/qQ2UTK
私達はみんな不器用で、おねえさまだって不器用なんだ。

おふざけのようにスーパーアイドルを自称して、仮面を被って、汚いことは全部あさっての方向に受け流すしか、正義を貫く方法はおねえさまはない。

良い事をして生まれる実益、損害、単純な自己満足。

無意味、という言葉もまた正しい。さっきの一抹なんか、まさに無意味。

こころ「どんなことがあっても、自分の正義を、嫌な顔一つせずに貫けるにこは、最強の、世界一かっこいいおねえさまよ。憧れたって仕方がないじゃない」
0052名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:20:28.19ID:U/qQ2UTK
その無意味さを隠し、笑い、明日に向かえるのなら、それは真の正義だと思う。

私達妹が知る姉ならば。

矢澤にこならば、背中を押してくれるはず。

笑顔を届けるにこおねえさまなら。

かわいいは正義、ともいうし。
0053名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:20:59.73ID:U/qQ2UTK
ココア「なんかさ、すごい矛盾。ねえちゃんに傘を渡したいような、ねえちゃんの望むような像を目指すべく傘を手放したいような」

こころ「おねえさまなら、どっち選んでも喜んでくれそうだけど」

ココア「どっらも間違った方向は向いてないからね」

こころ「そうだね」

ココア「…その、さ」

こころ「?」

ココア「焦ってかなり酷い事言って、ごめん。ちょっと嫉妬もしてたんだろうな。かっこよかった。こころねえちゃん」
0054名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:22:28.30ID:U/qQ2UTK
流石に家につく頃にはしょんぼりしてしまいました。


こころ「ただいまー…」

ココア「…」

にこ「おかえりなさっ…てびしょびしょじゃない!傘持って帰ってきてるし…?」

にこ(あれ?傘買いに行ってくれたのかな、って思ってたんだけど思い違い?自意識過剰?)

こころ「傘…」

ココア「…まあ、あれ。濡れたい気分だったんだよ」
0055名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:23:32.14ID:U/qQ2UTK
にこ「?良く分かんないけど、とりあえずは風邪引かないうちにお風呂」

こころ「……」

ココア「……あー、その、悪いことした訳じゃないんだけどね」

こころ「……ごめんなさい。おねえさま」

ココア「その、さ、慰めてやってほしい、のかな…」
0056名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:24:03.01ID:U/qQ2UTK
にこ「……ふふふふ」

こころ「…?」

ココア「…お?」

にこ「ありがとう!あんたたち」ギュッ

こころ「えっ、おねえさまっ?」

ココア「な、何が?」

にこ「伊達に何年もスーパー姉やってないわよ。その悲しそうな顔見れば大体分かっちゃうわよ〜」スリスリ

こころ「え、エスパーだ?!」

ココア「まじで?!」
0057名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:24:34.92ID:U/qQ2UTK
にこ「あんたたちはね、なんも間違ってなんかないわ。その気持ちだけでにこはとーっても嬉しいの。だから、そんな顔しないで。ありがとう、こころ、ココア」

にこ(チビ達が私に何らかのサプライズの計画を立てていたこと、それがやむを得ない理由で失敗したこと、やむを得ない理由に後ろめたい気持ちがないのと、本当はそれしか分からないけどね)

にこ(姉として、自分の為に涙の跡作ってくれる妹を抱き締める以外に選択肢なんてないもの)

こころ「おねえさま…」

ココア「おねえちゃん…」

にこ「ぐす」
0058名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:25:04.56ID:U/qQ2UTK
こころ「おねえさま?」

ココア「おねえちゃん?」

にこ「ば、ばかねー、あんた達のびしょ濡れの体が冷たくて鼻水が出ただけよー。ほら、お風呂お風呂」

こころ「…はい」

ココア「…りょーかい」

にこ(本当に良い子達に育って感激。涙見せちゃったらお姉さん台無しでしょ?仕方ないわね)
0059名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:26:00.81ID:U/qQ2UTK
にこ「あぁー、買い物ですっかり疲れちゃった。カレーの具材買ってきたんだけど、作るの大変だなぁー。ちょっと今のにこにーにはキツいかもー」

こころ「…!」

ココア「…っ」

こころ「おねえさま、私作ります!真心込めて作りますから、待っててくださいね!」

ココア「私もやる!料理とか、あんまし覚えてないけど、美味しく作るよ」
 
 
本当に、私達のおねえさまは最高です。
0060名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:26:33.35ID:U/qQ2UTK
後日、おねえさまが女の子のお母さんと遭遇したらしいです。

ちょっと潰れたガーネットは綺麗に飾り、傘は有難く使っているそうです。

お母さんが。

赤とピンクが好きとか言ってたから、女の子が一緒にプレゼントしたのかな。

あとおねえさまに全部バレて恥ずかしいです。

お礼にとガ=ナの手作りチョコレートを山のように貰いました。

うちのママが一番喜んでいました。
0061名無しで叶える物語(魔女の百年祭)
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2018/01/24(水) 00:27:03.13ID:U/qQ2UTK
見返りって言うと汚いけど、感謝してくれる人もいるという事実だけで、もしかしたらおねえさまは頑張っているのかもしれません。

表現しきれない感謝を伝えていこうと思います。

笑顔にするために。

笑顔を見るために。


おしまい。
0066名無しで叶える物語(SB-iPhone)
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2018/01/24(水) 12:22:29.54ID:HVAMUHwL
虎太郎がいないやり直し
0067名無しで叶える物語(茸)
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2018/01/24(水) 12:33:26.28ID:IQqHXvrP
良い
0068名無しで叶える物語(笑)
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2018/01/24(水) 12:34:30.27ID:lUmiM85H
素晴らしい…!
さすがにこね
0070名無しで叶える物語(庭)
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2018/01/24(水) 14:45:37.09ID:UkS2cViY
>>27の最後すき
マジでかーちゃんやん
0072名無しで叶える物語(庭)
垢版 |
2018/01/25(木) 08:25:00.31ID:gsWELIha
名作
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