梨子「は、は……ハグ、しよ……!」
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ーーースクールアイドル部 部室
果南「そういえば、梨子ちゃん」
梨子「なんです、果南ちゃん?」
果南「私も最近ようやく、あの映画観たよ」
梨子「あの映画……?」 果南「そう、あの映画」
梨子「あの映画、って一体なんの映画なの……?」
果南「……なんだっけ。んーと……えっとー……」
梨子「嫌だ、果南ちゃん……。もしかして、物忘れ?」
果南「うーん……。最近さ、妙に物忘れが多くって……じいちゃんと二人暮らししてるせいかな?」
梨子「別におじいちゃんのせいでは無いと思う……」 果南「なんだったかなあ……もう少しで出そうなんだけど……」
梨子「何かヒントは、ないの? 果南ちゃん」
果南「ヒント、ヒント……。確か人の名前だったような……」
梨子「人の名前の映画……」
果南「そうそう。名前聞いてるタイトルの映画……」 梨子「んー、もしかして、それ……」
果南「おっ、もしかして梨子ちゃん、わかってくれた?」
梨子「……『君の名は。』?」
果南「……私の名前は『松浦果南』だけど……?」
梨子「……人の答えをボケて返されても困るよ……」 果南「あっはは、そうだったそうだった! 『君の名は。』だ! いやぁ、思い出した!」
梨子「この間、テレビで放送されてたもんね。果南ちゃん、観てたんだ」
果南「映画館で上映されてたのを見逃して、ずっとDVDも借りれず終いだったからね……。本当、今更って感じだけど」
梨子「私もこの間始めて観たので、大丈夫ですよ、今更仲間、ってやつです」フフッ
果南「それは心強いや」クスッ 梨子「千歌ちゃんと曜ちゃん、『君の名は。』を観て影響されたのか、次の日に『君の名は。』ごっこ、してましたよ」
果南「まあ、あの二人はなんでもテレビの影響受けちゃうからねぇ……」
梨子「『私たち、入れ替わってる!?』って言って、二人で顔を見合わせてました」クスクス
果南「……っていうかさ、あの二人が仮に入れ替わったとしても……あんまり生活に影響なさそうだよね。立場は変わってもお互い性格は似た感じだし」
梨子「……流石は幼馴染、冷静な分析だ……」 果南「もし、私と梨子ちゃんが入れ替わったら……どうなっちゃうんだろうね?」
梨子「私と、果南ちゃんが?」
果南「私、作曲できるかなあー……」
梨子「私も、ダイビングなんてできないよ……」
果南「……よっし、それじゃあ今からシミュレーションしてみよっか」
梨子「えっ、なんのシミュレーションなんです?」 果南「なんの、って……私と梨子ちゃん、もしお互いの身体が入れ替わった時のためのシミュレーションだよ」
梨子「そんなこと、早々あり得ないと思うんだけど……あれ、SF映画だから……」
果南「でも、彗星が落ちることだって実話たまにはあるんだからさ、身体が入れ替わることだって……」
梨子「彗星は落ちますけど、あんな被害をもたらすことなんてそう滅多に……って言うか、やっぱり身体が入れ替わることってあり得ない……」 果南「兎にも角にも、備えあれば憂いなし、ってことで」
梨子「そんな防災訓練的なノリで言われても……」
果南「みんなが来るまで、シミュレーションしよ?」
梨子「……強引だなあ……」 果南「私のヘアゴム、貸してあげるから……梨子ちゃんも、ヘアピンとバレッタ、貸して?」シュルッ
ファッサー
梨子(わぁ……果南ちゃん、髪の毛サラッサラだ……///)
果南「……私の髪の毛見つめて、どうしたの?」
梨子「あっ、あのえっとその……果南ちゃん髪の毛が……」アセアセ
果南「……もしかして、枝毛見つけた?」
梨子「この距離で枝毛見つけれたらすごい観察力だよ……」 梨子「果南ちゃん、髪の毛解いて、一体どうするの?」
果南「どうする、って……。入れ替わったシミュレーションなんだから、お互い身体が入れ替わったことを想定して、髪型も入れ替えっこするの」
梨子「あ、あー……なるほど」
梨子(……これ、なるほど、なの?)
果南「それじゃ、梨子ちゃんはポニーテールにしてね。私は梨子ちゃんの髪型、真似するから」 ーーーそして
梨子「……こんな感じで、どうかな……?」ファサッ
果南「うん、いい感じに私っぽいね。私はどうかな?」フフッ
梨子「オッケーですっ。ふふっ……なんか、変な感じ。まるで鏡を見てるみたい」クスクス
果南「これ、ヘアピンで前髪を『ピョコン』って跳ねらせるの、難しいね……。梨子ちゃんのこだわりがわかったよ……」
梨子「確かに前髪は……梨子も、こだわってるかな? ……地味だから」
果南「こんな前髪跳ねさせてる時点で、それなりに目立ってるよ」クスクス
梨子「……それ、あんまり褒めてないでしょ」ムスッ 果南「髪型変えたし、あとはお互いのセーラーのタイも交換して……」
スルッ
果南「……これで良し。うん、どこからどう見ても、今の梨子ちゃんは松浦果南だ」フフッ
梨子「果南ちゃんも、立派に桜内梨子になってますよ」フフッ
果南「よしっ、それじゃあシミュレーション、始めっ!」パンッ
梨子「えっ、あ、いきなり!?」 果南「……」モジモジ
梨子(えー、いきなり黙っちゃったよ果南ちゃん……。なんて声かければいいのかな……)
梨子「えーっと、果南ち……」
果南「……今の私は梨子ちゃんだよ」ボソッ
梨子「ああっと、そうだった。……り、こちゃん? さ……作曲の方は、順調かな……?」
果南「……順調かなん?」ボソッ
梨子「そこ拘る必要あります?」 果南「えっとぉ……作曲の方はぁ……まだ、そんなに進んでなくてぇ……」モジモジ
梨子「そ、そうなの。……早く、梨子ちゃんの作曲した新曲、聴いてみたいなぁ……」
果南「はっ……はい! が、頑張ります……っ!」モジモジ
梨子「あ、あの……ちょっと、ちょっといいですか?」
果南「な、なあに果南ちゃん……?」モジモジ
梨子「とりあえず、シミュレーション中断で」 果南「一体どうしたの、梨子ちゃん。何か、気になるところでもあった?」
梨子「あの……果南ちゃん。私……そんなにモジモジしてますか?」
果南「……ん?」
梨子「さっきから果南ちゃん、手をモジモジしっぱなしなんだけど……」
果南「えっ、梨子ちゃんって大体こんな感じじゃない?」
梨子「えっ」 果南「例えば、千歌が梨子ちゃんのお弁当、つまみ食いした時……」
果南「『ち、千歌ちゃんやめてよぉ、抱おかず食べないでよぉ……///』モジモジ」
果南「……こんな感じだし、曜が梨子ちゃんに抱きついた時も……」
果南「『曜ちゃん、いきなり抱きついてこないでぁ……///』モジモジ」
果南「ざっとこんな感じ」
梨子「……そこまで私モジモジしてないよぉ……///」モジモジ
果南「いいや、してる。十分してる」 なんでsage進行?
かなりこスレって埋められるっけ 果南「あっはは。まあ、なかなか自分の癖とかって自分ではわからないからね……」クスクス
梨子(私……そこまで自覚なかったのにぃ……///)
果南「……そういえば、前によっちゃんにちょっかいかけられてた時も……」
果南「『よ、よっちゃん……! 私……///』モジモジ」
梨子(うぅぅ……もうっ!) 梨子「り、り……梨子ちゃん!」
果南「えっ、あ、突然再開? ……なあに、果南ちゃん……」モジモジ
梨子(……果南ちゃん、悪ふざけの度がすぎてる! だから……)
梨子「は、は……ハグ、しよ……!」
果南「え、は、ハグは恥ずかしいよぉ……」モジモジ
梨子「いいからっ、ハグっ、しよ!」 ガバッ
梨子「……!」ハグゥーッ
果南「ちょ、ちょっと、果南ちゃん、力がつよ……」
梨子「……」グスッ
果南「……泣いてるの? 梨子ちゃん……」
梨子「だって、あまりにひどいんだもん……私のこと、バカにしてる……」グスッ 果南「……とりあえず、ハグを解こう、ね?」
梨子「……うん」 果南「……ごめん、ちょっとふざけ過ぎた」
梨子「……」グスッ
果南「だからごめん、ってば……」
梨子「……果南ちゃんのバカ……」ボソッ
果南「うおっ、まさかの言葉……」 梨子「……やっぱり千歌ちゃんと曜ちゃんの幼馴染だ……梨子のことからかって、楽しんでるんだ……」ボソッ
果南「……んーまあ、からかいやすい、っていうのは否定しないけど……」
梨子「……果南ちゃんのバカ……」ボソッ
果南「だから、ごめん。ごめんってば……」 梨子「……果南ちゃんのバカ……」ボソッ
果南(んー参ったなぁ……まさかこうなっちゃうとは……)
果南「ねぇ梨子ちゃん……今度からあんまりからかったりしないから、ね?」
梨子「……あんまりじゃなくって、からかわないでください……」
果南「……ごめん、それは無理、あんまりぐらいしか約束できないよ……」
梨子「……正直だね。……それならそれでいいです……」
果南「ほっ、以外に許してれた……」 果南「……とにかく、泣き止んでくれてよかった……」ホッ
梨子「果南ちゃん……」
果南「ん? なあに梨子ちゃん……」
梨子「……ハグ、してください……」
果南「えっ、梨子ちゃんの方から頼むの?」
梨子「……なんだか、そんな気分なんで……」 果南「そんな気分というならば……やらないわけにもいかない、っか」
果南「……いいよ、さっきのお詫びも込めて……」
果南「ハグ、してあげる」フフッ
梨子「……果南ちゃん……!」 ガバッ
果南「……」ハグッ
梨子「……やっぱり、果南ちゃんのハグって、優しい……」
果南「梨子ちゃんのさっきのハグは強すぎるよ。ハグはもっと、優しく包み込むようにしないと……」
梨子「……肝に命じますっ」フフッ
果南「それにしても……梨子ちゃんって、抱き心地がいいね……。なんていうか、体のラインが抱きやすい、っていうか……」
梨子「……何を言い出すんです、果南ちゃん……///」
果南「抱き枕として抱いて寝たら、いい睡眠が取れるかも」クスクス
梨子「……やっぱり、そうやってからかうんだ、果南ちゃんは……///」
終わり なんか梨子ちゃん、面倒くさい女の子になっちゃった
みんな、ごめんなっ |c||^.- ^|| ピュアッピュアなお二人の幸せを願いますわ 梨子ちゃんのくしゃみはこんなおっさんみたいじゃない!!!! ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています