ルビィ「善子ちゃんがおかしくなった!」
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花丸「あー……今日の体育憂鬱ずら……体も重い…」モシャモシャ
ルビィ「朝からそんな食べてるからだよ」
花丸「ルビィちゃんも食べるずら? おいしいよ」グイグイ
ルビィ「うぐぐ、押し付けないで……」ベシ
??「おはようございます」
花丸「あーおはよー……」
ルビィ「おはよう……善……」
善子「今日も寒いですね」ニコー
花丸「」ヒク
ルビィ「ピ……」
ルビィ「ピギャアァァァァァ!」
-二年生教室
ドドドドド… バンッ!
花丸「大変ずら〜〜〜!!!」ダダッ
ルビィ「事件だよ〜〜〜!!」バッ
曜「あれ、二人ともどうしたの?」
千歌「おはよ〜」
花丸「おはようずら。これ今日ののっぽパン」スッ
梨子「ありがとう」サッ
ルビィ「大変なの、事件なの!」
千歌「え、善子ちゃんが変?」
曜「基本変だけど、そうじゃないって事?」
梨子「堕天のやりすぎでおかしくなっちゃったとか?」
ルビィ「なんかそうかもしれないって思うほどに大変なの!」
花丸「とにかく来て欲しいずら!」
―――――
理亞「きゃあぁぁぁ!!」
善子「あの、理亞さん…どうされたのですか?」キラキラ
理亞「これは別人よ〜! 悪魔が善子の体を乗っ取ったのよ〜!!」ジタバタ
善子「えっと……」オロオロ
千歌「おお……善子ちゃんがなんか綺麗に!」
曜「っていうか、なんだか物腰がやわらか……」
梨子「確かに別人のような清楚なオーラを感じるわね…」
理亞「りゅびぃぃぇぇぇ;;」
ルビィ「よしよし、怖かったね」ナデナデ
花丸「みんな離れるずらっ! きっと偽物ずら!」ガサッ
梨子「そのパン、武器にもなるんだ」
善子「あ、千歌さん曜さん梨子さん、おはようございます」ペコッ
千歌「」ゾワワ
曜「」ゾクッ
梨子「」ジワ
善子「あの…みなさんどうしてこちらに?」
千歌「なんか善子ちゃんが変だっていうから見に来たんだよ」
曜「確かに変……」
梨子「変……だけど……」
千歌「これはこれでいいんじゃない?」
ルビィ「えー……気持ち悪いよぅ」
曜「綺麗なジャイアンだと思えば…なんとか……」
理亞「どっちも気持ち悪いわよ!」
善子「?」キョトン
梨子(キョトンとする善子ちゃん可愛い///)
千歌「だって無害っぽいよ?」
ルビィ「実害問題じゃなくて単純にいつもの善子ちゃんじゃないです!」
花丸「あんな善子ちゃん、弄ってもおもしろくないずら…」
-三年生教室
千歌「というわけで連れてきたよ!」
果南「善子がおかしくなったってLINEきたときはどういう事かと思ったけど…」
善子「?」キョトン
鞠莉「確かに気持ち悪いけど、害がないならいいんじゃない?」
果南「大人しくていいじゃない」
ダイヤ「上品なのはすばらしいことじゃありませんか」
聖良「アクアにはいなかったポジションですね」
ダイヤ「え?」
ルビィ「とにかくどうにかして元に戻したいんだよ」
花丸「つっこめない善子ちゃんなんて……あ、これのっぽパンずら」スッ
聖良「あ、ありがとうございます」サッ
千歌「なにかいい方法はないかなー?」
鞠莉「そうねぇ…とりあえず本人に聞いてみればいいんじゃない?」
果南「だね」
曜「言われてみれば確かに…」
ルビィ「善子ちゃん……あなたは善子ちゃんですか?」
善子「? どうしたのルビィちゃん?」
ルビィ「」ゾゾゾ
花丸「恐ろしい破壊力ずら…」
ルビィ「びえぇぇぇ;」
ダイヤ「よしよし…怖かったですわね」ナデナデ
千歌「て、手ごわそうだね」
梨子「普通に話しかければいいじゃないの」
梨子「えっと、善子ちゃん?」
善子「はい、なんでしょうか?」キラキラ
梨子「」ブシュワァ…
曜「梨子ちゃんは隔離しておこうか」
千歌「そうだね」グイグイ
梨子「スール!スールにする!この娘は私のスールよぉ!」ガタガタッ!
果南「埒が明かないからもうさくっといくよ」
-スクールアイドル部部室
鞠莉「は〜い、ここに座ってー」
善子「はい……えっと、これは…?」
ダイヤ「善子さんの取り調べですわ」
善子「え、私何かみなさんにご迷惑をかけてしまったのでしょうか?」オドオド
千歌「いい子すぎて気持ち悪いんだって」
聖良「もう少しオブラートに……」
善子「私……みなさんに不快な思いをさせていたのですね……」シュン
梨子「いいのよっ!善子ちゃんはそのままでっ!あと私のスールに…!」ガタガタ…
花丸「黙るずら〜」ドスッ
千歌「食べ物で遊んじゃダ〜メッ!」
鞠莉「それで、善子はどうして急にそんなんなっちゃったの?」
善子「え……と、ごめんなさい、私には思い当たることがなくて…」
曜「今の自分が変だな〜ってのは思ったりする?」
善子「私自身はいつも通りなつもりなのですが……変、なのでしょうか?」
理亞「変ね」
ルビィ「ルビィはいつもの善子ちゃんがいい!」
善子「ルビィちゃん……」
ルビィ「やっぱり…善子ちゃんは堕天使であるべきだよ、ヨハネでないとダメだよ!」
花丸「マルも同じ気持ちずら……」
善子「堕天使……ヨハネ?」
曜「これだよ〜」スマホ
善子「きゃー!」
鞠莉「刺激が強すぎたみたいね」
善子「わ、私こんな格好で……ひ、人前にでてるなんて…///」カオマッカ
千歌「はわわ梨子ちゃんだ!」
曜「はわわ梨子ちゃん!」
花丸「はわわ梨子ちゃんってなんずら?」
果南「今は亡き伝説の聖女だよ」
梨子「ひっど〜い!」プンプン
理亞「そういえば頭のお団子がないわね」
鞠莉「そのせいでいつもより黒髪ストレートが清楚なイメージを持たせるのね」
聖良「アクアにはいなかったポジションですからね」
ダイア「え?」
曜「ためしにいつもの髪型にしてみようか」ササッ
善子「え、あの…曜さん?」
曜「ちょっとじっとしててね〜」
サッ サササッ グルグル ピッ キュッ ポンッ
曜「出来た!」
千歌「さすが曜ちゃんはやい!」
善子「わぁ、かわいいですねこの髪型」キラキラ
鞠莉「あら、これが原因じゃないみたいね〜」
聖良「お団子じゃないと何かあるのですか?」
果南「たまに動いてたからね」
理亞「え!?」
―――――
梨子「結局原因は不明……本人にはいつもの日常と変わらない…か」
千歌「どこかで頭でもぶつけたんじゃないかな?」
曜「それ私も思ったけど、髪を結ってる時にそういう痕跡は見当たらなかったよ」
ルビィ「こうなったら、善子ちゃんの家に行こう!」
花丸「きっと原因があるとすれば家にしかないずらね!」
曜「そうだね、本人の知らないなにかがあったのかもしれないし」
鞠莉「そうと決まればみんなで押しかけましょう!」
ダイヤ「大人数で行ってもご迷惑になるだけですわ」
千歌「お家の人の迷惑にならないようにすればいいんだね……梨子ちゃん!」
梨子「OKよ、お母さんに電話して善子ちゃんのお母さんを誘い出してもらうね」
理亞「どういう関係なのよそれ…」
-善子ちゃんの家
善子「どうぞ、狭いところですが……」
千歌「お邪魔しま〜す」
果南「善子の家って私は初めてだなー」
ダイヤ「わたくしもですわ」
鞠莉「堕天使の領域がどうとか言ってるけど普通のマンションよ」
ルビィ「なにかあるとすれば善子ちゃんの部屋かな、やっぱり」ガラッ
梨子「突撃よ!」バン
善子「え、あの……」オロオロ
曜「暗い……電気つけてこれなの?」
果南「おー、部屋中に暗幕が…」
千歌「これっていつもやってる生放送のセット?」
ルビィ「あれ、パソコンがつけっぱなしだよ?」
梨子「これ、カメラも動いてない? 画面に私達が映ってるんだけど……」
鞠莉「え、まさかこれ放送されてるの!?」ビクッ
曜「んー、放送時間はもう終わってるからこれは内部だけっぽいけど…どうしてつけたままなんだろ?」
善子「どうしてでしょうか?」
千歌「善子ちゃんにもわからないの?」
聖良「よそのお宅の台所というのは勝手が違いますね…」ゴソ
ダイヤ「お茶の用意にも手を焼いてしまいますわね…えっと、これでしょうか?」ゴトッ
花丸「棚にのっぽパンを忍ばせておくずら」スッ
理亞「何本持ってるのよそれ」
聖良「向こうは大丈夫でしょうか?」コトッ
ダイヤ「原因が判明すればいいのですが……」ゴソゴソ
花丸「戸棚においしそうなおやつ見つけたずら!」ジャーン
理亞「なにこれ函館に無い!」
千歌「そのたいむしふとっていうので夕べの善子ちゃんの様子がわかるの?」
曜「おそらくだけど、善子ちゃん、放送中に何かやらかしたんじゃないかなー?」
ルビィ「時折黒魔術とかで変なモノ呼び出してるよね」
善子「えぇ、怖いです……」
梨子「大丈夫、お姉ちゃんがあなたを守ってあげるから…ハァハァ」ススス…
鞠莉「はーい、そこ危ないから善子はこっちいらっしゃ〜い」クイ
梨子「むぅ……」プクー
果南「今朝はどういう状況で目が覚めたの?」
善子「えっと……自分のベッドで普通に……」
梨子「ベッド! 寝室ね! そこにもなにかあるかもしれないから調べましょう!」
千歌「それはいいけどちょっと落ち着こうね」
鞠莉「それじゃ、私と曜で放送のチェックしてるから、そっちはお願いね」
曜「おまかせヨーソロー!」
善子「はぅ…私の寝室にもいくんですね……」
ルビィ「ルビィは何度かお邪魔してるから」
果南「善子にとっても必要なことだからガマンガマン!」
千歌「そういえばダイヤさん達は?」
聖良「お茶の準備はこれでいいでしょう」
ダイヤ「後はお昼ご飯ですわね」
花丸「冷蔵庫にはあまり食材がないずら」ゴソゴソ
理亞「見慣れないカップ麺がある!」
聖良「これ理亞、あまり勝手に漁るんじゃありませんよ」
花丸「やーい怒られた〜♪」
理亞「う、うっさい!」
ダイヤ「まぁ、これは抹茶パンケーキ!」ゴソゴソ…
善子「どうぞ……あの、出来ればあまり見ないでいただけると……」オドオド
千歌「それじゃー原因究明にならないよっ!」
梨子「そうよ、まずは恒例のタンスチェ〜〜〜ッググ!!」ガシ
果南「取り押さえておくからよろしく」グイ
梨子「あぐぐ……」グデ…
ルビィ「あ、机の上に何か怪しいものがあるよ!」
千歌「なんだろうコレ……日記…でもないし、分厚い本だね」
善子「初めて見ます……」
ルビィ「善子ちゃんが知らないという事は変になる前の善子ちゃんに関係するものってことかな?」
果南「なんだかゲームにでてくる魔法の本みたいだね」
梨子「もしかして善子ちゃんがまた黒魔術でなにかやらかしちゃったんじゃないのかな?」
善子「私、そんな事をしていたのですか……」シュン
梨子「ああ、落ち込まないで善子ちゃん。悪いのは全部あの堕天使よ!」
千歌「どっちも善子ちゃんなのにこの扱いの差よ」
曜「千歌ちゃーん!わかったよ〜!」シュタッ
千歌「曜ちゃん、もうわかったの?」
曜「多分だけど、原因は生放送で披露した黒魔術が関係してるみたい」
ルビィ「黒魔術……あ、この本かな?」
曜「あ、それ放送で使ってたやつだ!」
梨子「じゃあコレ…本物?」
果南「どういう意図で使ったんだろうね。そういえば鞠莉は?」
曜「まだ映像のチェックしてるよ」
千歌「今の善子ちゃんに覚えがないんじゃ、どうしたらいいかわからないね」
ルビィ「善子ちゃんが黒魔術を使ってこうなったんなら、ルビィ達で黒魔術を使って戻せないかな?」
曜「ルビィちゃんできるの?」
ルビィ「善子ちゃんの生放送を時々手伝ってた事があるけど、あの時はカード占いとかだったから…」
千歌「その黒魔術とはまた違うね」
果南「その放送の動画を見て詳しく調べる必要があるね」
善子「あの……みなさんごめんなさい。私の問題で時間をとらせてしまって……」
梨子「いいのよ。私達仲間でしょ? それにやっぱり悪いのはあの堕天使だから」
曜「戻ったら戻ったで善子ちゃんエライ目にあいそう」
トトト… コンコン
ダイヤ「みなさん、昼食の準備ができましたわ」
千歌「おー待ってました!」
曜「今ってお昼だったんだ」
果南「そのへん適当だからね」
ダイヤ「昼食の後はどうなさいますの?」モグモグ
曜「善子ちゃんが生放送でやったっていう黒魔術を特定して、なんとかできないかなーって」ズルル…
千歌「黒魔術なんて素人ができるものなの?」モチモチ…
花丸「善子ちゃんにできてたんなら出来るずら」モシャモシャ
聖良「すごいんですね、善子さんって」パクパク
善子「私にそんな事が出来るとは思えないのですが…」
理亞「やっぱりこのままでいいんじゃないの?」シュピピピ…
ルビィ「それは嫌だよー!」バリバリ…
梨子「そういえば果南さんと鞠莉さんは?」
曜「ん…果南ちゃん、鞠莉ちゃん呼んでくるって言ってたけど遅いね」
花丸「マルちょっと見てくるずら」トッ トテテテ
善子「あの…ルビィちゃん……」
ルビィ「ピギッ!?」ドキ
善子「ごめんね…その、私のせいでルビィちゃんに嫌な思いをさせて…」
ルビィ「そ、それは……その……」
善子「私が私でいる事で、ルビィちゃんや花丸ちゃんに嫌な思いをさせるくらいなら、私は戻りたい」
梨子「はぁん健気〜」
曜「はいはい梨子ちゃんはこっちおいでー」ズルズル
ルビィ「善子ちゃんが悪いんじゃないよ…ただ」
善子「………」
ルビィ「やっぱりいつもの善子ちゃんじゃないと、調子でないっていうか…うまくいかないっていうか……」
ドドドド!
花丸「大変ずら! 果南ちゃんと鞠莉ちゃんがパソコンでエッチな動画見てたずら!!」
ダイヤ「なっ、なんですってーー!?」バッ
鞠莉「違うのよ〜〜生放送の過去データをサルベージしてたら秘密のファイルを見つけちゃって〜」
果南「興味本位で覗いてみたら……いやーなんというか、善子大胆だね」
善子「ええええぇ///」マッカ
梨子「あの堕天使の性癖をマイスールと一緒にしないでください!」
千歌「ついにスールにしちゃった」
曜「梨子ちゃんが一番欲望に忠実だよね」
ダイヤ「だからと言って今二人で見る必要はないでしょう! 破廉恥ですわ!」
聖良「そうです! だいたい私達にはまだ早いですよ、下級生もいるというのに!」
理亞「姉さま相変わらず堅い…」
ルビィ「いつもこんな感じ?」
理亞「ドラマのキスシーンなんかも見れない感じ」
千歌「おぼこか」
ダイヤ「取り敢えず二人は昼食後に正座!」
鞠莉「えー」
聖良「正座です」
果南「ごめんなさい」
鞠莉「あ、でも放送で善子がしたことは判明したわよ」
千歌「ホント!?」
鞠莉「どうも動画に寄せられたコメントに乗せられてなんかやったみたいなんだけど…」
梨子「そのやり取りを見て考えるしかなさそうかな」
ルビィ「黒魔術か……どんなのだろ?」
ルビィ「――と、難しく考えていた時期がありました」
花丸「カラクリがわかれば他愛もないことずらね」
善子「えっと……私は難しい事はわからないので見ていただけなのですが…」
千歌「これは黒魔術でもなんでもなかったよ」
善子「そうなのですか?」
曜「本に黒魔術っぽい装飾カバーをつけていただけみたいだね。中はこれだよ」スッ
善子「良い子の催眠術入門?」
理亞「ようは黒魔術だなんだとカッコつけて、ただの催眠術ごっこをしてたのよ」
聖良「それで、善子さんがこうなった経緯は?」
鞠莉「コメントでほんとにできるのかとか、堕天使をネタにして煽られてたみたい」
曜「そんな視聴者に、大人しくなるような催眠をかけてやるわ!って言ってるから、これが原因かな?」
善子「ん……催眠術でどうなったのでしょうか?」
ルビィ「単純な話でね、モニターの向こうの人に催眠術をかけようとして、モニターに映る自分も一緒にかかっちゃったんだよ」
善子「あら、自分でですか……」
鞠莉「その催眠術っぽいのを動画でやってから、急に大人しくなった善子が本を持って部屋を出ているから、そのまま寝たのね」
ダイヤ「ところでそんな催眠術がほんとにうまくいくのでしょうか?」
花丸「うまくいってたら今頃視聴者や動画を確認した鞠莉ちゃんとかもかかってるずら」
果南「善子だけかかったのかもしれないね」
梨子「単純だから……」
ルビィ「つまり善子ちゃんは変になったというより、今催眠術にかかってる状態なの」
善子「そうだったのですか……自分ではよくわかりませんでした」
梨子「無害なんだしこのままにしておこう!」
花丸「しつこいずらよ〜」ドスッ
ダイヤ「とにかくあまり時間をかけても仕方ありませんし、すぐに戻しましょう」
果南「そうだね、あまり長居するのも迷惑だし」
花丸「戸棚のおやつは根こそぎいただいたずら」
理亞「アンタって……」
ダイヤ「さぁ、早く善子さんを元に…」サッ
千歌「…………」
曜「…………」
鞠莉「…………」
ルビィ「ぅゅ?」
善子「?」
聖良「どうすれば催眠術は解けるのでしょうか?」
ダイヤ「その本に載ってませんの?」
鞠莉「載ってなかったわ」
ルビィ「とんだ詐欺だよこの本!」
曜「だいたいこういう感じに指を鳴らせば…」パチン
善子「?」
千歌「曜ちゃんすごーい、チカ鳴らせないのだ」ヘシッ ヘシッ
鞠莉「効果ないわね」
花丸「……………」
ルビィ「えっと…どうしよう?」
梨子「や、やっぱりこのままで……」
花丸「な、治せないなら、上書きでかけてみるとかどうずら?」
果南「上書きっていうと、いつもの善子みたいになるような催眠術ってこと?」
花丸「堕天使が好きになるーとか、空気を読まなくなるーとか…?」
理亞「ひどいキャラができそうね」
ダイヤ「本来の自分に戻るとか、そういう催眠などでいいのでは?」
花丸「そ、それはどうかな〜?」ガタッ
ルビィ「花丸ちゃんどうしたの?」
理亞「なに慌ててんのよ」
花丸「な、なんでもないずら〜……」
果南「…………」
鞠莉「とにかく儀式の部屋へ行ってなんとかしてみましょ」
ダイヤ「それでは善子さんは中央に座ってください」
善子「はい」
ルビィ「大丈夫だよ善子ちゃん。かならず戻してあげるから」
聖良「あれ、千歌さんと曜さんは?」
理亞「隣の部屋で指パッチンの練習してたわ」
鞠莉「梨子は?」
花丸「のっぽパン詰めて黙らせてきたずら」
果南「そう。取り敢えずやってみるかー」
鞠莉「えっと……用意するものは五円玉と糸ね」
果南「ベタだねぇ…」
ルビィ「ここにあるのって、そうじゃないかな?」ブラーン
ダイヤ「糸で括りつけた五円玉ですわね」
花丸「善子ちゃんが使ってたやつだね。これ使える?」
鞠莉「道具として善子に通じているんなら大丈夫じゃない?」
善子「うーん……見覚えはありませんが」
聖良「善子さんは具体的にどういう催眠にかかっているのですか?」
鞠莉「放送中に煽ってきた連中に対して大人しくなるようにとか、従順になれとかそういう感じだったかな」
果南「モニター越しに何を企んでるんだか…」
鞠莉「それじゃやってみるわね」サッ
ダイヤ「鞠莉さん催眠術なんてできますの?」
鞠莉「この本の通りやれば大丈夫でしょ?」
聖良「誰にでもできるものなんですね……」
鞠莉「それじゃ善子、この五円玉をじっと見つめて……」
善子「は、はい……」
ダイヤ「…………」ドキドキ
理亞「…………」ワクワク
花丸(もしも善子ちゃんが元に戻ったなら……)ゴクッ
鞠莉「あなたは堕天使ヨシコ……」
ルビィ「ヨハネ!」
鞠莉「oh-、あなたは堕天使ヨハネ……堕天使ヨハネになーる……」
果南「堕天使ヨハネになるってどういうこと?」
聖良「さぁ?」
鞠莉「善子の中にあるヨハネという意識がでてくれば戻るかなーって」
理亞「むちゃくちゃね」
鞠莉「いまから三つ数えると、あなたは堕天使ヨハネです。3,2,1……」
善子「……………」
鞠莉「はいっ!」パン
ルビィ「はいって、終わりなの?」
鞠莉「本の通りにやったわよ?」
善子「……………」
花丸「善子ちゃん……どう?」
善子「え……あ、その……」
理亞「かかってないんじゃない?」
善子「そうみたいです……」
鞠莉「あれーダメかぁ」
ダイヤ「ふふ、こんな子供騙しの催眠術でこのヨハネを欺こうとは、片腹痛いわ!」バッ
ルビィ「お姉ちゃん!?」
ダイヤ「わが名はヨハネ……堕天使ヨハネよー!」タタッ
ルビィ「お姉ちゃん、どこ行くの〜!?」
果南「あれ……?」
鞠莉「ダイヤにかかっちゃったみたい」
聖良「あれが堕天使ヨハネなのですか?」
鞠莉「ダイヤの持つヨハネのイメージがそうなのね…」
ルビィ「どうしよう、飛び出して行っちゃった」
聖良「ダイヤさんは私がなんとしますので、みなさんは儀式の続きを!」タッ
理亞「まって姉さま、私もいく! おもしろそうだし」タタッ
鞠莉「お願いね〜」
ルビィ「でもどうしよう……催眠の内容はともかく、善子ちゃんにかからないなんて…」
花丸「これじゃ元に戻れっていう催眠もかからない可能性があるずら…」
善子「その……ごめんなさい……」
果南「善子は気にしなくていいよ」
善子「でも、私のせいでみなさんにご迷惑を……」
鞠莉「んーどうしましょ……」
善子「……………」シュン…
ルビィ「善子ちゃん、そんな悲しい顔…しないで……」
善子「ルビィちゃん…」
ルビィ「いつもの善子ちゃんらしくないっていうのはきっとルビィの我儘で…」
花丸「それはマルも同じずら……」
ルビィ「ルビィはいつもの善子ちゃんが言ってる、天界のこともよくわからないし、盟約もわかんない」
鞠莉「誰も理解できてないわよ」
果南「鞠莉ちょっと黙ってようね」
ルビィ「それでも、堕天使の話をする時の楽しそうな善子ちゃんはすごく好きで……その……」
善子「ルビィちゃん…」
ルビィ「ルビィはそういう善子ちゃんの笑顔がとっても大好きだから、善子ちゃんにはやっぱり笑ってて欲しい」
花丸「ん……そうだね。善子ちゃんは善子ちゃんのままで、笑顔が一番ずら……」
善子「ありがとう、ルビィちゃん……」
鞠莉「おぉ、これっていい話的な流れで元に戻るパターンじゃない?」
果南「そんな都合よくいくかなぁ…」
善子「それと、ありがとう…花丸ちゃん……」ニコッ
花丸「」ゾワッ
花丸「善子ちゃんがマルを花丸ちゃんとかいうのはむず痒くなるずら〜〜〜!!!」ドムッ
善子「ぐふぉっ!?」
ルビィ「ピギっ!?」
鞠莉「みぞおちにダイレクトヘッドバットがさく裂したわね!」
果南「気持ちはわかるけどさ、マル……」
善子「………………」
ルビィ「善子ちゃん?」
花丸「………?」
善子「こ…………」
善子「こんのずら丸〜!! いきなりなにすんのよ〜〜!!」ガバッ
ルビィ「わぁっ! 善子ちゃんが怒った〜!」
花丸「え、こ、これって……!?」
善子「って、なんであんた達が私の部屋にいるのよ!」
鞠莉「あれ?」
果南「善子……?」
善子「ってなんでマリー達まで……ってかヨハネ!」
ルビィ「よ、善子ちゃん………」フルフル
花丸「間違いないずら……」ウルッ
善子「え、ちょっとなによ…?」
ルビィ「わ〜〜〜〜ん、善子ちゃ〜〜ん!!」ガバッ
花丸「よかったずら〜〜〜!!」ダキッ
善子「え!? こら、いきなり抱きつくなって……もう、なんなのー!?」
鞠莉「なんだ、ショック療法でよかったのね」
果南「もっとも単純な方法、まだ試してなかったから…」
善子「どういう状況なのか、誰か説明して〜〜!!」
その後、町中を高笑いと共に爆走していたダイヤさんを聖良さんが確保したずら
理亞ちゃんがその様子を撮影していたようで、しばらくダイヤさん弄りの流れが流行る予感
ちなみにダイヤさんは元に戻そうとした果南ちゃんの全力の一撃をくらったため、しばらく入院ずら
マル達は家に帰ってきた善子ちゃんのお母さんにすごく怒られました
家じゅうの食べ物を食い漁っていたのでこれは当然ずら。反省
帰った後、トイレに梨子ちゃん詰め込んだのを思い出したけど無事を祈るずら
千歌ちゃんは指パッチンをマスターできたずら
今回の騒動で一番危ぶまれた、津島善子の封印に関してはまだ効力を確認
要観察……っと カタカタ…
おわり
今年最初のってことで去年よく目にしたネタとりあえずぶっこんだずら
また一年よろしくずら 国木田の使者がサファイアの人格を作り変えて元の人格を封印したんですねわかります 黒澤家の闇的な何かかと思ったけど違った
面白かったわ乙 伝説のはわわ梨子ちゃん
アイテム図鑑はよ って聞こうとしたら書いてあった ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています