凛「真姫ちゃんはどのピアニストが好きにゃ?」
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真姫「ツィマーマンね」
花陽「あ、花陽も好きです!ツィマーマン」
凛「おお、即答かにゃ」
真姫「私はショパンが一番好きだから。彼の奏でるショパンは一番スッと心に響くわ」
真姫「そういう凛はどうなの?」
凛「凛?凛はねぇ…ホロヴィッツ!」
真姫「大御所ね」 凛「あの強烈な左手の音が最高にゃ!脳みそ揺さぶられるにゃ!」
真姫「確かに凄い迫力よね、ホロヴィッツの左手は…」
花陽「花陽、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番の第3楽章のホロヴィッツの演奏聴いた時はビックリしちゃったよ…『えっ、この曲、こんな曲だったっけ…?』って…」
凛「そうそう!あのラフコン3はもう音がビンビンで凄まじかったにゃ!70代の演奏じゃないにゃ!」
真姫「あの曲はホロヴィッツが『私の曲だ』って言ってるくらいの十八番だものね…」
花陽「そういえば、あの演奏の指揮者の人、インド人なんだよね…?」
真姫「そう、ズービン・メータね。クラシックの世界的指揮者でインド人って珍しいものね。私もはじめ見た時はビックリしたわ」 凛「かよちんは?」
花陽「花陽?花陽は、誰が1番とかはないかな…。みんなそれぞれ個性があるし、曲によっても好みの演奏家は違うし…」
真姫「そうそう。演奏家単位で『この人が好き』ってのはなかなかないのよね…」
凛「じゃあ、演奏家っていう側面だけでなくて、人間的にもこの人が好き、っていう人でもいいよ」
花陽「それなら…内田光子さんかな?」
真姫「あぁ…!内田光子さんね!」
凛「凛はその人あまり知らないにゃ…確かモーツァルトばっかり弾く人だよね…?」
花陽「そうそう。モーツァルトのピアノ協奏曲の弾き振りをやったりもするんだよ」
凛「器用だにゃ…」 花陽「内田光子さんは22歳の頃、ショパンコンクールで2位入賞して、一人イギリスで活動を続けるんだけど、なかなか売れなくて20代は不遇の時代だったの…」
真姫「同時代の天才ピアノ少女としてマスコミにもてはやされていた中村紘子さんと比較されたりして、対照的な影の存在みたいに思われてたみたいね…」
凛「ああ、中村紘子さんはテレビとかにも出てアイドルみたいな扱いで天真爛漫な感じだったからにゃ…」
花陽「でも、めげずに地道な活動を続けていくうちに、ロンドンで開いていた演奏会が有名になって、徐々に認知されるようになってきたの」
花陽「そして今やイギリスの国賓級の大音楽家。本当に尊敬してるの」
凛「あの人、見た目だけじゃなくて雰囲気も魔女のような人だと思ってたけど、なんか理由がわかったような気がするにゃ…」 花陽「それでね、もう一つすごいなって思うのがね…」
凛「うんうん」
花陽「内田光子さんは口紅一本持ってないんだって。お化粧とかお洒落に時間を使いたくない、って…音楽を追求するのに時間を使いたいって」
凛「なんか真のアーティストって感じにゃ…」
真姫「カッコいいわよね…」
花陽「うん、そうだよね。でも花陽はそれ以上に、お洒落とかそういうものを犠牲にしているって聞いて、『どんなに凄い人でも何かを極めるために犠牲にしているものがあるんだ』『全部が満遍なく出来なくたっていいんだ』って思えるようになって、気が楽になったの」
真姫「そうよねぇ…花陽の気持ちは分かるわ。最近は、いや、いつの時代もそうかもしれないけど、『生活においてあらゆることを満遍なくそれなりに出来る』ということを過剰に重視する風潮が蔓延っているものね」
花陽「うん、どこでもそうだとは思わないけど、正直そんなところも少なくないと思う」
凛「イチローも野球に一刀入魂している分、けっこう常識を知らなかったりするみたいだしにゃ…」
真姫「ああ、花陽…内田光子さんを挙げてくれてありがとう」
凛「日本人にそんなに素晴らしい人が居たなんて…かよちん、教えてくれてありがとうにゃ!」
花陽「えへへ…♪」
※真姫「ちなみに内田光子さんはイギリス国籍を取得しているわ」 ガラガラ…
海未「こんにちは」
ことり「かよちゃん、凛ちゃん、真姫ちゃん、こんにちは♪」
花陽「あ、海未ちゃんにことりちゃん」
凛「今ね、好きなピアニストについて話してたの。二人は好きなピアニストはいるかにゃ?」
海未「そうですね…強いて挙げるなら、グレン・グールドでしょうか…?」
真姫「ああ、なんか海未らしいわね」
海未「私は元々バッハの器楽曲が好きだったのですが、ふと学校の図書館のCDコーナーを見たら、ピアノ(チェンバロ)の作品のCDが目に入り、手にとってみたのです」
凛「それがグールドだったってわけかにゃ?」
海未「そうです。それは、彼の19歳当時、デビューしたての頃のゴルドベルグ変奏曲の録音でした」
海未「私はその時、バッハの凄さを思い知りました。バッハはこんなにも緻密にして快活で、迫力のある曲を作っていたなんて…と」 海未「しかし、後になって知るのです。この正確無比にして当意即妙な迫力は、演奏家のグールドによって成されていたものであると…」
海未「ある日、グールド以外の方のバッハの演奏を聴いてみたら、…まるで違う」
海未「伝統的な演奏は、まさにバロックのチェンバロ演奏そのもの…17、8世紀の王宮や教会の風景が思い浮かぶような、ゆったりとしたものでした」
海未「それに対してグールドの演奏は、本来の伝統的なバッハ演奏から脱却し、分析・再解釈・再構築を経てモダナイズされた、非常にエキセントリックなものだったのです」
凛「グールド、凄いにゃ…」
真姫「確かに、私もグールドのファンだけど、彼の演奏はちょっと異様にカッチリしているところがあって、人によってはロボットみたいで苦手って人もいるかもね」
花陽「花陽も何回か聴いたことあるけど…花陽はちょっと苦手かなぁ、グールドは…」
海未「確かに、花陽はバッハとかはもっと伝統的なスタイルの方が向いてそうですね。優しい感じの」
海未「まぁ、私はむしろ最近まで、グールドの前衛的な演奏の方を、当たり前の演奏スタイルだと思い込んでいたのですが…」
真姫「まぁ、そうもなるわよね。実際、彼のデビューは音楽界を超えた芸術界の一大センセーションを巻き起こしたし、バッハ=グールドみたいな風潮はあるものね」
海未「そうです。風変わりの演奏にもかかわらず、時代は彼の演奏を受け入れた…。それは、彼の演奏が非常に今の時代にマッチしたものだったと言えましょう」
真姫「グールドの先見の明には恐れ入るわね…」
海未「もう一人好きなバッハ演奏家を挙げると、ニコラーエワになります」
海未「彼女のゴルドベルグ変奏曲は、澄んだ音をしていて、違った意味で惚れ惚れしますね」 海未「ことりは?」
ことり「ことり?…うーん、ことりはぁ…辻井伸行くんかな?」
真姫「くん、って……辻井さんは貴女より結構年上よ…?」
ことり「だって…辻井伸行くんって感じなんだもん!」
凛「まぁ、確かにあの人は子供の頃から色々取り上げられたりしてたし、見た目が若いからにゃ…そういうイメージなのは仕方ないかも…」
ことり「ことりね、辻井伸行くんのピアノを聴くとね、心が洗われるような気持ちになるの…」
花陽「ああ、分かります…!辻井さんの演奏は本当に音が澄んでいて、心に響くんだよね…。本当に心が綺麗な人なんだ、って思わせるような…」
海未「私も、あの方のラ・カンパネラや水の戯れにハマって、一時期たくさん聴いてましたね…」
真姫「確かに、あの人の音はタッチが優しくて、水々しさというか、艶があるわよね」
花陽「そうそう、音が柔らかいんだよね」 凛「凛も好きだけど、でもリストの曲とか、英雄ポロネーズとか、ダイナミックな曲の時は少し迫力に欠ける感じがするにゃ…」
海未「確かに、ダイナミックなのが好きな人にとっては、それはあるかもしれませんね…」
真姫「そうかもね…どちらかというと、辻井さんはラヴェルとかドビュッシーがオススメかしら…」
海未「あと、指揮者の佐渡裕さんとのコンビが、絆のようなものが見えて熱かったですね」
真姫「ああ、有名なアルバムの写真で佐渡さんと辻井さんが肩組んでるのがあったわね。あの写真は気に入ってるわ」
ことり「ごめんね、ことりあまりピアニストは知らないの、辻井伸行くんもテレビで見て知ったって感じで…」
真姫「いいえ、ことりもそうやって自分の感想を述べられるのだから立派なピアノファンの仲間よ。今度色々な演奏家のCD貸してあげるから、色々聴き比べてみなさい」
ことり「ありがとう、真姫ちゃん♪」 ガラガラッ
希「うぅ〜、廊下寒すぎやん…」
にこ「はぁ〜、暖房が入ってる室内に入るとホッとするわね…」
絵里「お待たせしたわね」
真姫「3年生組も来たわね」
海未「いま好きなピアニストについてお話ししていたところです」
花陽「にこちゃん、希ちゃん、絵里ちゃんは好きなピアニストっている?」
にこ「私は…アシュケナージかしらね…?」
凛「アシュケナージ…!凛も大好きにゃ!!ホロヴィッツくらい!」
絵里「ロシア好きとしては彼を上げてくれて嬉しいわね」
希「アシュケナージかぁ、指揮者に転向してから随分経つやんね…。まだピアノ弾いたりするんやろか…?」
にこ「特にアシュケナージの特徴が現れているのは、ベートーヴェンの月光の第3楽章や、リストのメフィストワルツ1番あたりね」
にこ「あの鍵盤上を鉄球が転がり回るような強靭なタッチ…あれには痺れるわ…」
凛「そうそう!男性にしては小柄な身体だけど、それを思わせないような大迫力さにゃ!」
にこ「そうそう!凛も分かってるわね!」
凛「にゃ!」
絵里「ふふっ、にこと凛は、ピアノ演奏の好みの傾向が似てるのね♪」
にこ「そして何と言ってもね…あの人」
にこ「笑顔がとってもキュートで素敵なのよ!」
海未(笑顔が素敵なおじ様ですか…一度見てみたいですね) にこ「絵里はどうなの?」
絵里「私はスヴャトスラフ・リヒターかしらね」
にこ「20世紀ピアニストの巨匠の一人ね」
希「えりちはリヒターのどういうところが好きなん?」
絵里「う〜ん、具体的に何が良いかっていうと言いずらいけど、内省的な演奏というか…」
真姫「ああ、気持ちはなんとなくわかる気がするわ」
凛「確かにあの人、見るからにIQが高そうな顔してるにゃ…身体も大きいし…」
絵里「元々あの人のバッハやモーツァルトが好きで聴いてたんだけど、今は割と何でも好きね」
花陽「花陽はあの人はシューマンが好きかな…」
絵里「ショパンのエチュードとかプロコフィエフのピアノコンチェルトとかも凄く迫力があって聴きごたえあるし…とにかくレパートリーが広い人ね」
海未「あの人は元々指揮者志望で、父のピアノの手解きがあったとはいえ、20歳までちゃんときちんとピアノを習ってなかったというのだから驚きですね」
真姫「そうねぇ…私の知り合いでもレッスン受けたことないのに凄くピアノが上手い人いるし、上達するのに必ずしもレッスンが必須というわけでもないのかもね…」 絵里「希は?」
希「ウチは、フリードリヒ・グルダやね」
海未「グルダというと、あのいつも帽子を被っていてジャズを弾いたりする人ですか?」
希「そう、そのグルダ」
花陽「花陽はあの人の顔が好きです!」
にこ「あの人も凄いわよね…クラシックも弾くしジャズも弾くし、コンチェルトの弾き振りもするし…どんだけ器用なのよ…」
真姫「時代やジャンルに囚われない天才音楽家って感じよね…」 ガラガラ
穂乃果「ごっめ〜ん!日直の仕事が長引いちゃって!」
凛「あ、穂乃果ちゃんにゃ!」
真姫「これで全員ね」
穂乃果「何か話ししてたの?」
絵里「ああ、まぁ、暇だったから好きなピアニストについて一人一人語ってたのよ」
真姫「穂乃果はどのピアニストが好き?」
穂乃果「穂乃果は、ボリス・ベレゾフスキー一択だよ!」
ことり「あ、その人ならことりも知ってる〜!」
真姫「あの人も日本人の人気凄いわよね〜」 凛「穂乃果ちゃん、ベレゾフスキーのズバリどこが好きにゃ?」
穂乃果「もちろん、超絶技巧だよっ!!」
絵里「ふふっ、やっぱり…穂乃果らしいわね♪」
希「あの人テクニックも凄いけど、身体が大きくてピアノが小さく見えるやんね」
絵里「まさに巨漢って感じよね…」
凛「凛あの人近くで見たことあるけど、案の定手がメチャクチャデカかったにゃ…」
にこ「でも…アンタのことだから、どうせビジュアルで考えてるんじゃな〜い?」
穂乃果「そ、そんなことないよっ!!///」
海未「穂乃果はお父様が大好きで、お父様は大柄で屈強な方ですから、重ね合わせてるのかもしれませんね」クスッ
穂乃果「もぉ〜っ///海未ちゃんまで〜!」
あはははははははは!!!!
希「さ、お後よろしいようで…」
真姫「じゃあ、歌の練習始めましょうか!」
8人「「「はい!!!」」」
穂乃果「よろしくないよっ!!///」
おわり 辻井伸行のラカンパネラぐらいしか聞いたことないけど、「柔らかい」っていう表現とてもしっくりくる。 なんかwikiの内容を頑張ってコピペしたんだなって印象だけ残りました ありがとうございます
日本人として、内田光子さんだけでも覚えて帰って頂けると幸いです ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています